JP3735627B2 - 反射鏡部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面平滑性が要求される反射鏡部材に関する。
セラミックは、高強度、耐摩耗性などの優れた特性から各種の応用が進められているが、その中で、セラミックスを気相合成法、例えば化学気相成長法や物理的気相成長法などにより所定の基体に被覆し、表面特性がセラミック特性を有する反射鏡部材が知られている。
例えば、化学気相成長法により形成した炭化珪素膜は、緻密質でボイドがなく、高い平滑性を有する超平滑面が得られる。その表面粗さは表面形状にもよるが、非球面、球面、平面の順により平滑な面が得られ、非球面では100Å以下、平面では10Å以下の面粗さが得られることも報告されている。例えば、(111)に配向した炭化珪素膜で30Åの表面粗さを有することが報告されている(例えば、特許文献1参照)。また、無配向膜よりも(220)に配向した膜の方が表面粗さを小さくできることが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平1−46454号公報 特開平3−126671号公報
しかしながら、上記先行技術に基づき、各種の実験を行ったところ、配向した膜であっても研磨加工により最終的に形成される膜の表面粗さにばらつきがあり、中には高い表面平滑性が得られない膜があり、再現性に乏しいことがわかった。これは、膜の配向が必ずしも表面平滑性に寄与していないことを意味している。従って、従来の方法では、表面平滑性に優れた反射鏡部材を安定して得ることが困難であり、製造時の歩留りが低いなどの問題が生じていた。
よって、本発明は、再現よく安定して製造できる表面平滑に優れた高品質な炭化珪素膜を被覆した反射鏡部材を提供することを目的とする。
本発明の反射鏡部材の製造方法は、熱CVD法により1300〜1500℃、10〜300torrの減圧下で原料ガスと水素ガスとからなる反応ガスを導入し、成膜初期の反応ガスの原料ガス濃度を高め成膜し、その後で前記原料ガス濃度を前記成膜初期よりも低下せしめて成膜し、(111)、(220)及び(311)のうち少なくとも1種の結晶が検出される炭化珪素膜を作製し、しかる後に炭化珪素膜の表面を研磨することを特徴とする。
本発明者らは、上記の問題点に対して同様な配向性を有しながらも表面粗さが異なるものについて、膜の組織と面粗さとの関係を調査した結果、膜の表面粗さが結晶組織に大きく依存するという新規知見を得、これに基づき最適な結晶組織について検討を重ねたところ、結晶の組織上、結晶の成長方向が基体表面に垂直な方向に近似した膜ほど、研磨加工した時に高い表面平滑性が達成できることを見出し、本発明に至った。
即ち、気相成長法により形成された炭化珪素膜に対して、X線回折による膜の結晶配向と結晶の成長方向を調べた結果、後述する実施例から明らかなように直接的な関連はなく、X線回折測定で高配向膜であっても得られる表面粗さが小さくなるとは言い切れない。つまり、成膜過程において、初期の段階で一次結晶粒子の成長方向がそろっていないと二次粒子の中心部と周囲部とでは成長方向に大きな差が出る。これを研磨すると中心部と周囲部での研磨される結晶面が異なり、面の方向によって硬度が異なるために中央部が周囲部に比べて研磨されやすい、または研磨されにくいという現象が起こって最終的に面粗さが悪くなってしまうのである。
本発明によれば、膜の成長方向を全体的に基体表面に対して垂直な方向に制御することにより、研磨特性を均一化できることから、最終的に超平滑面を得ることができるのである。特に、成長時の傾きが最大で30度を越えると面粗さが急激に大きくなるので、成長方向が最大で30度以下に設定した。
これに基づき、本発明の反射鏡部材は、炭化珪素膜の平面研磨加工により、その表面粗さRmaxが10Å以下の優れた表面平滑性を得ることができる。また、炭化珪素膜の曲面研磨加工により、その表面粗さRmaxが100Å以下の優れた表面平滑性を得ることができる。
本発明の反射鏡部材を製造する方法としてはプラズマCVD、光CVD、熱CVD、MO(Metal−Organic)CVDなどのCVD法を用いることができる。ただし、本発明によれば、形成する炭化珪素膜が特定の配向膜であるとともに結晶の成長方法が基体に対して垂直であることが必要である。配向膜は一般的な製法において、膜の成長速度を比較的遅くし非晶質化しないレベルで成膜すればよいことから、原料ガスの濃度などにより適宜調整することが可能である。
このようなX線回折測定において結晶の配向が観察される膜においては、後述する実施例1,2から明らかなように、SiC膜で(111)のみの回折線が観察された、いわゆる(111)100%SiC配向膜でも基体表面に垂直な方向に対して大きな傾きを持つことがあり、このような大きな傾きを有する膜では結果的に高い平滑性を得ることができない。
本発明によれば、上記炭化珪素膜において、その結晶の成長方向が基体表面に垂直な方向に対して平行であり、傾きがあっても30度以下であることが重要である。本発明者らの実験によれば、この傾きが大きいほど、膜表面を研磨加工した時の表面粗さが大きくなる傾向にあり、特にその傾きが30度を越えると大きくなる傾向にあることがわかった。この傾きは20度以下、特に10度以下であることが望ましい。
これに基づき、本発明における炭化珪素膜は、曲面研磨加工により表面粗さ(Rmax)が100Å以下の優れた表面平滑性を得ることができ、例えば半径20mmの曲面研磨においても表面粗さ100Å以下、場合によっては50Å以下が達成でき、平面研磨において10Å以下、特に5Å以下が達成できる。
なお、本発明において形成される炭化珪素膜は、原料も取扱が容易で、成膜速度も速く、また得られた膜の特性も硬度が高く、ヤンク率が高く、100Å以下の超平滑面を得るためには良好である。
一方、基体としては適宜選択することができ、熱膨張の点で近似するものがよく、炭化珪素膜と同種の焼結体やそれと熱膨張特性が近似する他のセラミック材料や金属などが採用できる。
本発明の反射鏡部材を製造する方法としては、イオンプレーテングなどのPVD法でも、プラズマCVD、光CVD、熱CVD、MO(Metal−Organic)CVDなどのCVD法でもよい。ただし、本発明によれば、形成する炭化珪素膜が特定の配向膜であるとともに結晶の成長方法が基体に対して垂直であることが必要である。配向膜は一般的な製法において、膜の成長速度を比較的遅くし非晶質化しないレベルで成膜すればよいことから、原料ガスの濃度などにより適宜調整することが可能である。
また、気相成長法(CVD)による炭化珪素膜の形成においては、セラミックの結晶は基体表面から空間に向かって成長していくが、成膜初期の核密度が少ないと三次元的に成長が起こり、結晶の一部は基体表面に垂直な方向に対して大きな傾きをもって成長することとなる。一方、核密度が高いと結晶は基体表面に垂直な方向に成長し、成長方向がそろったものとなる。従って、結晶の成長方向は、成膜過程での一次結晶粒子の成長方向を制御すればよい。具体的には、成膜初期において、気相反応の反応種となる原子を含んだガスを多く導入しさらに高い温度で活性化することにより核発生密度を高めることができる。
また、本発明によれば、上記のようにして成膜した膜に対して研磨加工し、超平滑面を再現性良く安定して製造することができる。具体的な研磨方法としては、ダイヤモンド等の砥粒を使用して定盤で研磨を行えばよい。
上記のようにして得られる超平滑面を有する反射鏡部材は、超平滑面が要求される反射鏡の各種用途に適用される。例えば、レーザーやX線を反射する反射鏡に用いることができる。
炭化珪素焼結体を基体とし、熱CVD法により炭化珪素膜を形成した。反応ガスにはメチルトリクロロシランと水素を用い、これらを15SLMの流量で、基体温度1300〜1500℃で10〜300torrの減圧下で約0.3mmの膜を作製した。なお、成膜初期において、メチルトリクロロシラン:水素のガス比率を1:4〜4:10で変化させて10分間行い、その後、2:10に固定して成膜を行い、成長方向の最大傾きの異なる数種の膜を得た。なお、試料No.4はすべて2:10に固定して成膜を行った。
得られた膜に対して、結晶膜の最大傾きは、膜の破断面から顕微鏡写真により観察される組織中、傾きが最も大きいものを示した。また、結晶の配向性についてはX線回折測定を行うとともに、膜に対してダイヤモンド砥粒により研磨処理を行い、平面研磨と曲率半径20mmの曲面研磨を行った。そして、研磨後の膜表面の表面粗さRmaxを測定した。結果を表1に示した。また、本発明品と、本発明範囲外の顕微鏡写真による結晶組織の模写図を図1、2に示した。
Figure 0003735627
表1の結果によると、X線回折による配向性を調べたところ、試料No.1、2は(220)のみの回折線だけが得られた。また、結晶の成長の傾きについては、成膜初期において、メチルトリクロロシラン:水素のガス比率が1:4〜4:10に設定したものは傾きが30度以下であった。さらに、最大傾きが30度を越える試料No.2では、研磨面の表面粗さが他の本発明品に比べて大きいことがわかる。
炭化珪素焼結体を基体とし、実施例1と同様な方法でガス比率を変化させながら炭化珪素膜を形成して反射鏡部材を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。
Figure 0003735627
X線回折による配向性は試料No.5から8は(111)と(220)のピークが観察されたので、ピーク比を表中に示した。また試料No.10はさらに(311)の回折線も観察されたが、試料No.7および9は結晶成長の最大傾きが大きく、表面粗さが大きかった。この結果から配向性よりも結晶成長方向が研磨面の面粗さに影響していることが判った。
以上詳述したように、本発明の反射鏡部材は、従来の反射鏡部材に比べて超平滑面が再現性良く安定して製造することができ、実用性に富む反射鏡部材を提供できる。
本発明品の顕微鏡写真による結晶組織の模写図である。 比較品の顕微鏡写真による結晶組織の模写図である。

Claims (1)

  1. 熱CVD法により1300〜1500℃、10〜300torrの減圧下で原料ガスと水素ガスとからなる反応ガスを導入し、成膜初期の反応ガスの原料ガス濃度を高め成膜し、その後で前記原料ガス濃度を前記成膜初期よりも低下せしめて成膜し、X線回折測定で(111)、(220)及び(311)のうち少なくとも1種の結晶が検出される炭化珪素膜を作製し、しかる後に炭化珪素膜の表面を研磨することを特徴とする反射鏡部材の製造方法
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