JP3592837B2 - ガラス成形用型材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ、プリズムなどのガラス素子をプレス成形で成形する際に使用されるガラス成形用型材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、レンズやプリズム等のガラス光学素子を製造するのに、加熱軟化したガラス素材を成形型によりプレス成形する方法が急速に発展している。この方法で使用される成形型においては、そのレンズ成形面の高精度化が要求され、さらには、高硬度、耐熱性、離型性、鏡面加工性に優れていることが求めらている。
【0003】
そこで、従来より、耐熱性および加工精度に優れる母材の表面に、貴金属膜やSiC、Cr等のセラミック膜をコーティングした成形用型材が特公平5−42374号、特開平4−83721号、特開平2−74531号等に提案されている。
【0004】
また、表面を高硬度化する1つの方法として、CVD法等によりダイヤモンド膜を形成することも従来から知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、貴金属膜が形成された型材は、ガラスとの反応性がないものの、それ自体の硬度が低く、同様にCr膜も硬度が低く、膜の摩耗によって成形面の精度が低下しやすいという問題がある。
【0006】
また、SiC膜は、貴金属膜やCr膜に比較して高硬度ではあるがさらなる高硬度化が望まれている。また、SiC膜のようなセラミック膜は、CVD法等の気相法によって成膜され、SiC結晶の多結晶体から構成されるものであり、成膜後の表面には、結晶粒による凹凸が存在し、表面の精度を高めるためには、表面の研磨加工を必要とするという問題があった。
【0007】
成形面の高硬度化の方法として、成形面高硬度のダイヤモンド膜を被覆することが効果的であると考えられる。しかしながら、従来のダイヤモンド膜は、一般にマイクロ波CVD法等の気相成長法によって形成され、その表面にはダイヤモンド結晶粒による凹凸が存在し、また膜内にもボイドが存在する。このような表面には凹凸やボイドが存在するために、前記SiC膜と同様に表面精度を高めるための研磨加工が必要であり、しかもボイドが膜内部に存在するために、軟化したガラスが融着し、成形後のガラス成形品の表面に荒れが生じる等の問題があった。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するための方法について検討を重ねた結果、ガラスを成形するための型材の少なくともガラス成形面に、ラマン分光スペクトルにおいて1160±40cm−1と1340±40cm−1にピークが存在する硬質炭素膜を形成するとともに、金属炭化物とダイヤモンドが混在する中間層を設けると、ガラスとの離型性、耐摩耗性に優れ、表面の良好なガラス成形体を作製できる長寿命の型材を提供できることを見出し本発明に至った。
【0009】
即ち、本発明のガラス成形用型材は、該型材のガラス成形面が、ラマン分光スペクトルにおいて1340±40cm−1と1160±40cm−1にピークが存在し、且つ1160±40cm−1に存在するピークのうち最も強度の強いピーク強度をH、1340±40cm−1に存在するピークのうち最も強度の強いピーク強度をHとした時、H/Hで表されるピーク強度比が0.05乃至2の硬質炭素膜からなり、該硬質炭素膜が、金属または焼結体からなる母材表面に形成され、前記硬質炭素膜と前記母材との間に、ダイヤモンドと金属炭化物とが混在した中間層が存在することを特徴とするものであり、さらに、前記金属炭化物が、炭化ケイ素であることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、典型的なガラス成形用型材の概略図であり、図1によれば、型材1の表面には、ガラスを素子形状に成形するために高精度に加工された成形面2が形成され、この成形面2に溶融ガラスを流し込み、プレスすることで、成形面に整合したガラス素子が形成されるものである。
【0011】
本発明におけるガラス成形用型材は、図1のガラス成形面2に、ラマン分光分析のスペクトルチャートにおいて、1160±40cm−1と1340±40cm−1にピークが存在する硬質炭素膜3を形成したものである。この硬質炭素膜は、主としてダイヤモンドにより構成されるものである。
【0012】
一般に知られるダイヤモンド膜は、高純度ダイヤモンドからなり、炭素原子間がSP混成で結合された構造からなり、ラマン分光スペクトルにおいて、1340±40cm−1にのみピークを有するものであり、場合によってSP混成で結合されたグラファイト構造の炭素を含む場合は、1500〜1600cm−1付近にブロードなピークを有するものである。
【0013】
これに対して、本発明における硬質炭素膜は、1340±40cm−1に加え、1160±40cm−1にピークを有する特異的な硬質炭素膜である。この1160±40cm−1のピークは、ダイヤモンド構造からなるものの、微細な結晶のダイヤモンド粒子からなるためにその結晶の周期が短いことを意味するものと考えられる。従って、本発明における硬質炭素膜は、ダイヤモンド結晶が極めて微細な粒子により構成されるもので、成膜後の膜表面は、従来のような粗粒のダイヤモンド結晶による凹凸がなく平坦性に優れたものである。また、グラファイト構造を微量含んでいても高硬度と耐摩耗性を有するものである。
【0014】
よって、上記硬質炭素膜を所定の母材表面に形成する場合において、あらゆる形状の母材の表面に形成しても、母材表面形状に整合した平滑で緻密な膜面を形成でき、成形面に高い精度が要求される場合は、硬質炭素膜を形成する型材母材の表面を所定の表面粗さ、表面形状に高精度に仕上げておくことにより平滑性に優れた母材表面と整合した表面からなる硬質炭素膜を形成することができる。仮に、硬質炭素膜表面を鏡面に研磨する必要がある時も従来のダイヤモンド膜に比較して容易にしかもわずかな研磨加工によりボイドのない鏡面を形成することができる。
【0015】
また、本発明における硬質炭素膜は、緻密な膜で従来のダイヤモンド膜のように凹凸やボイドなどの欠陥がないために、ガラスの融着などを防止することができる。
【0016】
本発明における硬質炭素膜のラマン分光スペクトルにおける1160±40cm−1のピーク強度について具体的に説明する。図1に示すように得られたラマンスペクトルの曲線において、1100cm−1と1700cm−1の位置間で斜線を引き、これをベースラインとして、1160±40cm−1に存在するピークのうち最も強度の高いピーク強度をH、1340±40cm−1に存在するピークのうち最も強度の高いピーク強度をHとする。このときH/Hで表されるピーク強度比が0.05乃至2であることが重要である。
【0017】
このピーク強度比が小さすぎると、ダイヤモンド結晶粒子が大きく成長し過ぎ、膜中にボイドが発生したり膜の表面粗さが大きくなり、耐摩耗性が低下したりガラスが融着しやすくなる。また、ピーク強度比が大きすぎると非晶質ダイヤモンドの存在が増加し、硬質炭素膜自体の硬度が低下し耐摩耗性が低下し、膜の摩耗によって成形面の精度が低下する。このピーク強度比は0.1乃至1.0であることが望ましい。
【0018】本発明におけるガラス成形用型材によれば、上記硬質炭素膜は、所定の母材表面に被覆されたものであることも重要である。その場合、硬質炭素膜は、母材との密着性が高いことが要求される。ガラス成形用型材の母材材種としては、例えば、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニアなどのセラミックス、チタン合金、超硬合金、サーメット、ステンレス鋼などの金属が挙げられる。これらの中でも窒化ケイ素、炭化ケイ素、超硬合金、サーメット、チタン合金が望ましい。これらの母材はそのまま用いることもできるし、気相成長法などの薄膜形成技術で、これらの母材材種を他の部材表面に薄膜として形成されたものでもよい。
【0019】
また、硬質炭素膜の母材との密着性を高める上で、母材表面と硬質炭素膜との間に、少なくともダイヤモンドと金属炭化物との混合体からなる中間層を介在させることにより、膜剥離のない極めて密着性の良い硬質炭素膜を形成することができる。
【0020】
このような中間層の介在によって硬質炭素膜と母材との密着強度が向上する理由は次のように考えられる。原子同士は電子を介在することにより結合されているが、一般に、原子間の電子が一方に存在して電気的な結び付きにより結合しているイオン結合よりも、電子を双方の原子で共有している共有結合の方が強い結合力を持つ。ダイヤモンドは炭素の共有結合により構成されているので強い結合力を有している。したがって、ダイヤモンドと異種化合物との密着強度を向上させるためには類似の結合様式である共有結合性の化合物であることが望ましいと考えられる。またダイヤモンドの成分である炭素を含む化合物の方がより整合性がよいと思われる。金属炭化物は数多く存在するがその多くはイオン性結合を主体としたものである。共有結合性炭化物としては炭化ケイ素や炭化ホウ素があるが、本発明の加工用部材においては炭化ケイ素が最も望ましい。
【0021】
このような金属炭化物とダイヤモンドが混在する中間層を硬質炭素膜と母材との間に形成することにより、硬質炭素膜と母材との密着強度が向上する。またこのダイヤモンドと、金属炭化物は層分離して存在しているのではなく、ダイヤモンドの周りを金属炭化物が取り囲むような構造を呈し、ダイヤモンドが島状に分布した構造となるために、いわゆるアンカー効果により密着性が向上する。
【0022】
本発明における硬質炭素膜を作製する方法としては、従来より炭素膜を生成手段として、マイクロ波や高周波によりプラズマを発生させて所定の基体表面に炭素膜を形成する、いわゆるプラズマCVD法あるいは熱フィラメント法が主流である。しかしながら、プラズマCVD法では、プラズマ発生領域が小さいために、成膜できる面積が小さく、成膜できる面積が一般に直径20mm程度であり、加工用部材としての応用が限られる。また圧力が高すぎるか、もしくはプラズマ密度が低すぎるために基体が複雑な構造を有する場合や曲面構造を有する場合、その構造に沿った均一なプラズマが得られず、膜厚分布が不均一になりやすい。
【0023】
一方、熱フィラメントCVD法では、フィラメントが切れやすく、また膜厚のバラツキを抑制するために母材の形状に合わせてフィラメントを設置する必要があり、装置が汎用性に欠けるなどの欠点を有している。
【0024】
これに対して、プラズマCVD法におけるプラズマ発生領域に磁界をかけた、いわゆる電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD法によれば、低圧下(1torr以下)で高密度のプラズマを得ることができるために、プラズマを広い領域に均一に発生させることができ、通常のプラズマCVD法に比較して約10倍程度の面積に均一に膜の形成を行うことができる。
【0025】
よって、ここでは、電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD法(ECRプラズマCVD法)を例にとって説明する。この方法では、内部に所定の母材が設置された反応炉内に反応ガスを導入すると同時に2.45GHzのマイクロ波を導入する。それと同時にこの領域に対して875ガウス以上のレベルの磁界を印加する。これにより電子はサイクロトロン周波数f=eB/2πm(但し,m:電子の質量、e:電子の電荷,B:磁束密度)にもとづきサイクロトロン運動を起こす。この周波数がマイクロ波の周波数(2.45GHz)と一致すると共鳴し、電子はマイクロ波のエネルギーを著しく吸収して加速され、中性分子に衝突、電離を生じせしめて高密度のプラズマを生成するようになる。この時の母材の温度は150〜1000℃、炉内圧力1×10−2〜1torrに設定される。
【0026】
かかる方法によれば、成膜時の母材温度、炉内圧力および反応ガス濃度を変化させることにより成膜される硬質炭素膜の成分等が変化する。具体的には、炉内圧力が高くなるとプラズマの領域が小さくなり、膜の成長速度が下がるが結晶性は向上する傾向にある。また、反応ガス濃度が高くなると、膜を構成する粒子の大きさが小さくなり、結晶性が悪くなる傾向にある。これらの条件を具体的には後述する実施例に記載されるように適宜制御することにより、前述したH/H比を制御することができる。
【0027】
上記の成膜方法において、本発明のガラス成形用型材を作製する場合、硬質炭素膜は、原料ガスとして水素と、炭素含有ガスを用いる。用いる炭素含有ガスとしては、例えば、メタン、エタン、プロパンなどのアルカン類、エチレン、プロピレンなどのアルケン類、アセチレンなどのアルキン類、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類、シクロプロパンなどのシクロパラフィン類、シクロペンテンなどのシクロオレフィン類などが挙げられる。また一酸化炭素、二酸化炭素、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトンなどの含酸素炭素化合物、モノ(ジ、トリ)メチルアミン、モノ(ジ、トリ)エチルアミンなどの含窒素炭素化合物なども炭素源ガスとして使用することができる。これらは一種単独で用いることもできるし、二種以上で併用することもできる。
【0028】
また、前述したようなダイヤモンドと炭化ケイ素の混合物からなる中間層を形成するには、所望によりダイヤモンド核発生処理を施した後、反応ガスとして、水素と、炭素含有ガスおよびケイ素含有ガスを導入する。前記ケイ素含有ガスとしては、四フッ化ケイ素、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素などのハロゲン化物、二酸化ケイ素などの酸化物の他に、モノ(ジ、トリ、テトラ、ペンタ)シラン、モノ(ジ、トリ、テトラ)メチルシランなどのシラン化合物、トリメチルシラノールなどのシラノール化合物などが挙げられる。これらは一種単独で用いることもできるし、二種以上で併用することもできる。
【0029】
このように、本発明によれば、ガラス光学素子を成形する型材表面に、微粒組織のダイヤモンドを主とする硬質炭素膜を形成すると、高硬度で表面欠陥のない緻密な成形面を得ることができる。それにより、ガラスの成形時において、型材の耐摩耗性、耐凝着性、離型性を高め、型材の長寿命化を図ることができる。また、部材表面と硬質炭素膜との間に、少なくともダイヤモンドと金属炭化物との混合体からなる中間層を介在させることにより、硬質炭素膜の膜剥離を防止することができる。
【0030】
【実施例】
電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD装置の炉内に、窒化ケイ素質焼結体(Y3重量%、Al4重量%含有)、チタン合金(Ti−6Al−4V)および炭化ケイ素(Y2重量%、Al2重量%)のいずれかからなり、ガラス成形面が表面粗さ0.1μm以下に鏡面加工されたガラス成形用型材母材を設置した。
【0031】
そこに、H297sccm、CH3sccmのガスを用いて、ガス濃度1%、母材温度650℃、炉内圧力0.1torrで3時間処理してダイヤモンド核を発生させた後、原料ガスとしてHガス、CHガスおよびSi(CHガスを用いて、
297sccm
CH 3sccm
Si(CH 0.3sccm
の割合でガス濃度1%、母材温度650℃、炉内圧力0.05torrの条件で電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマCVD法により最大2kガウスの強度の磁場を印加させ、マイクロ波出力3.0KWの条件で10時間成膜して、ダイヤモンドと炭化ケイ素が混在した厚さ1.0μmの中間層を形成した。
【0032】
また、表1中、試料No.4については、中間層形成を
ガス 300sccm
Si(CHガス 0.3sccm
のガス比とする以外は前記と全く同様にして、炭化ケイ素からなる中間層を1μmの厚みで形成し、同様に評価を行った。
【0033】
次に、中間層の上に、純度99.9%以上のHガス、CHガス、COガスを用いて、表1に示すガス比、ガス濃度、母材温度、炉内圧力で成膜を行い、4μmの硬質炭素膜を形成した。
【0034】
成膜した硬質炭素膜に対して、膜表面のラマン分光スペクトル分析を行い、ラマン分光スペクトルチャートから1100cm−1と1700cm−1の位置間で線を引き、これをベースラインとし、1160±40cm−1に存在する最大ピークのピーク強度をH、1340±40cm−1に存在する最大ピークのピーク強度をHとして、H/Hで表される強度比を算出した。尚、表1中、試料No.3と試料No.9についてチャートを示した。なお、ラマン分光分析における発振源として、レーザーはArレーザー(発振線488.0nm)を用いた。
【0035】
次に、得られた型材に対して、光学レンズの成形を鉛ガラスを用いて行った。
【0036】
この鉛ガラスを約700℃で型材の表面に流し込んで成形を行い、最高10,000回行い、成形回数とガラスの融着、成形型の成形面の摩耗について評価し表1に示した。
【0037】
(比較例1)
硬質炭素膜を被覆しない炭化ケイ素質焼結体を、実施例と同様のガラス成形試験を行い、その結果を表1試料No.17に示した。
【0038】
(比較例2)
母材として実施例において用いた窒化ケイ素質焼結体を用いて、マイクロ波CVD法によって、中間層形成を実施例と同じガス比で、ガス濃度1%、母材温度950℃、炉内圧力30torrの条件で10時間成膜した後、さらに表1の試料No.9に示す条件で成膜し4μmの硬質炭素膜を形成した。
【0039】
これについて、実施例と同様のガラス成形試験を行い、その結果を表1試料No.9に示した。
【0040】
【表1】
Figure 0003592837
【0041】
表1の結果によれば、H/Hが0.05〜2の硬質炭素膜を形成した本発明の型材は、いずれも10000回の成形を繰り返しても硬質炭素膜の剥離や摩耗はほとんどなく、ガラスの融着やガラス成形品の表面性状も良好であった。また硬質炭素膜の密着性の点では、中間層が金属炭化物のみからなる中間層では試験後に一部剥離が見られた。
【0042】
また、比較例として炭化ケイ素質焼結体からなる型材では、300回程度でガラスの融着および成形面の摩耗が観察された。また、マイクロ波CVD法等で作製された硬質炭素膜や、成膜条件によってH/Hの比率が0.05よりも小さい試料No.1、9、12では、いずれも200回以下でガラスの融着が発生し、H/Hの比率が2よりも大きい試料No.7、8、16では、成形面が局所摩耗していた。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、レンズやプリズムなどのガラス素子の成形にあたり、高硬度で表面欠陥のない緻密な成形面をを有する型材を得ることができるために、ガラスの成形時において、型材の耐摩耗性、耐凝着性、離型性を高め、型材の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス成形用型材の概略図である。
【図2】本発明における硬質炭素膜(表1中、試料No.3)のラマン分光スペクトル図である。
【図3】従来の硬質炭素膜(表1中、試料No.9)のラマン分光スペクトル図である。
【符号の説明】
1 ガラス成形用型材
2 ガラス成形面
3 硬質炭素膜

Claims (2)

  1. ガラスを成形するための型材であって、該型材のガラス成形面が、ラマン分光スペクトルにおいて1340±40cm−1と1160±40cm−1にピークが存在し、且つ1160±40cm−1に存在するピークのうち最も強度の強いピーク強度をH、1340±40cm−1に存在するピークのうち最も強度の強いピーク強度をHとした時、H/Hで表されるピーク強度比が0.05乃至2の硬質炭素膜からなり、該硬質炭素膜が、金属または焼結体からなる母材表面に形成され、前記硬質炭素膜と前記母材との間に、ダイヤモンドと金属炭化物とが混在した中間層が存在することを特徴とするガラス成形用型材。
  2. 前記金属炭化物が、炭化ケイ素であることを特徴とする請求項1記載のガラス成形用型材。
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