JP2694658B2 - ワーク周縁の折曲げ加工用プレス装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、ワーク周縁の折曲げ加工用プレス装置に関
するものである。

b.従来の技術 自動車の内外板部品はプレス成形されるものが多い。

これらの部品、例えばフロントフェンダは、まずワー
ク中央部の成形を主目的とした全体成形を行い、次いで
ワーク周縁部の折曲げを全体成形によって行っている。

c.発明を解決しようとする課題 ところで、上記両成形では、いずれも全体成形が採用
されている。

したがって、部品の設計変更に際しては、ワーク中央
部を成形するための金型は勿論のこと、ワーク周縁部を
成形するための金型も新たに作成しなければならない。

このようなことは、部品の少量生産を行う場合には、
コストアップを招来することになる。

そこで本発明の目的は、ワークの周縁部は形状が単純
であり、折曲げ加工に際し必ずしも全体成形を必要とし
ないことから、設計変更に当っても金型を新たに作成す
ることなく、ワーク周縁部の折曲げ加工を可能にした汎
用のプレス装置を提供することにある。

d.課題を解決するための手段 本発明のワーク周縁の折曲げ加工用プレス装置は、台
車に垂下したバランサ15によって常時保持されたプレス
機１と、ワーク23の端縁形状に倣って形成され、かつフ
レーム２の底面に当接し、前記プレス機１を上下方向に
案内する第１のガイドレール21aと、前記ワーク23の端
縁形状に倣って形成され、かつ前記フレーム２の背面に
当接し、前記プレス機１を水平方向に案内する第２のガ
イドレール21bとから構成されたガイドレール21と、該
ガイドレール21により常時ワーク周縁と当接可能なダイ
12と、前記ワーク23を支持する受台22とを備えている。

e.作用 本発明のワーク周縁の折曲げ加工用プレス装置では、
受台にワークを載置し、ワーク端縁をダイ上に位置さ
せ、ポンチを降下させてワークの端縁を折曲げ、次いで
ポンチを上昇させた後に、フレームをポンチの巾だけ移
動させ、ポンチを再び降下させて先に加工された端縁に
隣接する端縁を折曲げる。このような動作を繰返して、
必要な長さのワーク周縁を折曲げる。その間、フレーム
は案内レールによって、成形部が常時ワークの周縁に位
置され、またフレームはバランサによって軽く移動させ
ることができる。

f.実施例 第１図乃至第３図は、本発明に係るワーク周縁の折曲
げ加工用プレス装置を示している。

このプレス装置のプレス機１は、コ字状のフレーム２
を有しており、該フレーム２の上部を成すアーム2aには
油圧アクチュエータ３が構成されている。この油圧アク
チュエータ３は、アーム2a内に形成されたシリンダ４内
にピストン５を配設したもので、このピストン５は、ス
プリング６によって上方に付勢されている。このピスト
ン５は、下方に延設させたピストンロッド5aを有してお
り、該ピストンロッド5aの下端には、ポンチホルダ７が
形成され、該ポンチホルダ７にポンチ８が固着されてい
る。このポンチ８は第２図に示したように、段部8aを有
している。このポンチ８には、板押え９が摺動自在に嵌
合されている。この板押え９の内部には、段部9aが形成
されており、該段部9aは、上記ポンチ８の段部8aに当接
し、板押え９がポンチ８から脱落するのを防止してい
る。そして、この板押え９とポンチホルダ７との間には
第１図に示したように、スプリング10が配装され、該ス
プリング10によって板押え９は下方に付勢されている。
一方、フレーム２の下部を成すベッド2bには、ダイホル
ダ11が形成され、該ダイホルダ11にダイ12が固着されて
いる。このダイ12は、上記ポンチ８に対応する形状の溝
12aを有している。

さらに、このプレス機１のフレーム２は、ハンドル13
を有しており、該ハンドル13には第３図に示した油圧ユ
ニット14の切換弁14aを作動するためのスイッチ13aが設
置されている。油圧ユニット14は、スイッチ13aの非操
作状態で、油圧アクチュエータ３の圧力室4aをタンク14
bに解放させ、スイッチ13aを操作し、切換弁14aを作動
させることによって、圧力室4aをポンプ14cに連通さ
せ、タンク14bの油液を圧力室4aに供給する。

このようなプレス機１は、バランサ15によって上下方
向（Ｚ方向）および水平方向（Ｘ−Ｙ方向）の移動が可
能となるように保持されている。このバランサ15は、フ
レーム16をワイヤ17によって図示しない台車に垂下した
ものである。フレーム16は軸18を有しており、該軸18に
は螺旋溝19aをもったプーリ19が固着されている。そし
て、その螺旋溝19aには、ワイヤ20が巻掛けられてお
り、プレス機１のフレーム２は、このワイヤ20に保持さ
れている。したがって、プレス機１を上下動させる際に
は、ワイヤ20がプーリ19によって巻取られたり、プーリ
19から繰出され、プレス機１を任意の位置に常に同一の
力でもって保持する。また、上記台車は、例えば天井ク
レーンの如く、Ｘ方向およびＹ方向に延びるレールによ
って支持され、モータ等によって任意の方向へ走行され
る。

また、上記プレス機１は、ガイドレール21によってＸ
−Ｙ−Ｚ方向へ案内される。このガイドレール21は、プ
レス機１のフレーム２の底面に当接し、プレス機１をＺ
方向に案内する第１のガイドレール21aと、フレーム２
の背面に当接し、プレス機１をＸ−Ｙ方向に案内する第
２のガイドレール21bとから構成されており、第１のガ
イドレール21aおよび第２のガイドレール21bはワーク23
の端縁形状にそれぞれ倣って形成されている。

さらに、このプレス装置は、ガイドレール21と適宜間
隔をもって配設された受台22を備えている。この受台22
は、ワーク23を載置保持するもので、受台22の上面22a
は、ワーク23の形状に倣って形成される。

以下に、上記実施例の作用を説明する。

この折曲げ加工用プレス装置では、受台22の上面22a
にワーク23が定置されるように、上面22aの形状が予め
形成され、また第１のガイドレール21aの表面形状が、
ワーク端縁の正面形状に倣って形成され、第２のガイド
レール21bの表面形状が、ワーク端縁の平面形状に倣っ
て形成される。

そして、ワーク23を受台22上に載置し、端縁23aを第
４図に示したようにダイ12上に位置させる。次いで、プ
レス機１のハンドル13を握って、プレス機１をワーク23
の加工開始位置まで移動し、スイッチ13aを操作する。
すると、第３図に示した油圧ユニット14の切換弁14aが
作動され、それによって油液が油圧アクチュエータ２の
圧力室4aに供給される。したがって、ピストン５は押下
され、ポンチ８と共に板押え９が降下する。そして、第
１図に示したように、板押え９がワーク23を押付け、該
ワーク23をダイ12に圧接させる。さらにピストン５が押
下されると、スプリング10を撓めながらポンチ８のみが
降下され、それによって、ワーク23の端縁23aは、第５
図に示したように、折曲げられる。

このようにして、ワーク23における端縁23aの一部の
折曲げ加工が完了すると、スイッチ13aの操作を解除す
る。すると、油圧ユニット14の切換弁14aは復帰され、
油圧アクチュエータ３の圧力室4aの油液は、タンク14b
に戻される。したがって、ピストン５はスプリング６の
付勢力によって上動され、それに伴ってポンチ８も上昇
する。ポンチ８が適宜量上昇すると、ポンチ８の段部8a
が板押え９の段部9aに当接し、該板押え９はポンチ８に
よって引上げられる。

次いで、プレス機１をポンチ８の巾だけ移動する。そ
して、スイッチ13aを再び操作すると、プレス機１は上
記動作を行ってワーク23の端縁23aを折曲げる。

このような操作を繰返すことによって、ワーク23の端
縁23aは、必要範囲が折曲げられる。その間、プレス機
１は第１のガイドレール21aおよび第２のガイドレール2
1bによって案内され、ダイ12をワーク23の端縁23aに倣
って移動させる。また、その間プレス機１は、第１のガ
イドレール21aに案内されて上下動されるが、プレス機
１はバランサ15によって保持されているため、軽く操作
することができる。なお、バランサ15は、プレス機１の
Ｘ−Ｙ方向の移動と一致するように図示しない台車によ
って移動される。

g.発明の効果 上記したように、本発明に係るワーク周縁の折曲げ加
工用プレス装置では、金型を新たに作成することなく、
ワーク端縁の設計変更に対処でき、しかもプレス機はワ
ークの大きさに関係なく小型でよい。

プレス機が台車に垂下されたバランサによって保持さ
れているため、垂直、水平方向他あらゆる方向に自由に
移動可能である。このため、どんなワークの形状の加工
にも対応可能である。

ワーク形状に沿った形で受台上面が形成され、さらに
第１及び第２のガイドレールがワークの端縁形状に沿っ
て形状に形成されているので、作業者の技量に左右され
ることなく確実に位置決めが可能である。これにより、
常に品質の安定した製品の供給が可能になった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るワーク周縁の折曲げ加工用プレス
装置の要部を示した一部断面側面図、第２図はその装置
の一部断面正面図、第３図はその装置の油圧ユニットを
示した回路図、第４図および第５図はその装置の動作態
様を示した要部拡大図であり、第４図はその非動作状態
を示し、第５図は加工動作中を示した図である。 １……プレス機、２……フレーム、2a……アーム、2b…
…ベッド、３……アクチュエータ、４……シリンダ、4a
……圧力室、５……ピストン、5a……ピストンロッド、
６……スプリング、７……ポンチホルダ、８……ポン
チ、8a……段部、９……板押え、9a……段部、10……ス
プリング、11……ダイホルダ、12……ダイ、12a……
溝、13……ハンドル、13a……スイッチ、14……油圧ユ
ニット、14a……切換弁、14b……タンク、14c……ポン
プ、15……バランサ、16……フレーム、17……ワイヤ、
18……軸、19……プーリ、19a……螺旋溝、20……ワイ
ヤ、21……ガイドレール、21a……第１のガイドレー
ル、21b……第２のガイドレール、22……受台、22a……
上面、23……ワーク、23a……端縁。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】台車に垂下したバランサ15によって常時保
   持されたプレス機１と、ワーク23の端縁形状に倣って形
   成され、かつフレーム２の底面に当接し、前記プレス機
   １を上下方向に案内する第１のガイドレール21aと、前
   記ワーク23の端縁形状に倣って形成され、かつ前記フレ
   ーム２の背面に当接し、前記プレス機１を水平方向に案
   内する第２のガイドレール21bとから構成されたガイド
   レール21と、該ガイドレール21により常時ワーク周縁と
   当接可能なダイ12と、前記ワーク23を支持する受台22と
   を備えたことを特徴とするワーク周縁の折曲げ加工用プ
   レス装置。