JP2686947B2 - 2−(フェニルウレイド)アミノフェノール類の製造方法 - Google Patents

2−(フェニルウレイド)アミノフェノール類の製造方法

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JP2686947B2 JP63012590A JP1259088A JP2686947B2 JP 2686947 B2 JP2686947 B2 JP 2686947B2 JP 63012590 A JP63012590 A JP 63012590A JP 1259088 A JP1259088 A JP 1259088A JP 2686947 B2 JP2686947 B2 JP 2686947B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は2−(フェニルウレイド)アミノフェノール
類の製造方法に関する。更に詳しくは、分子内に、ニト
ロ基とともにシアノ基、ハロゲン原子等、還元され易い
置換基を合せ持つ2−(フェニルウレイド)ニトロフェ
ノール類のニトロ基を選択的に接触還元して2−(フェ
ニルウレイド)アミノフェノール類を製造する方法に関
する。
[従来の技術] 2−(フェニルウレイド)アミノフェノール類は写真
感光材料、染顔料等の原料として重要な化合物である。
この2−(フェニルウレイド)アミノフェノール類の
製造方法としては、2−(フェニルウレイド)ニトロフ
ェノール類の接触還元が一般的であるが、分子内にシア
ノ基、ハロゲン原子等の還元され易い置換基を合せ持つ
原料を用いてニトロ基のみを選択還元しようとした場合
にはシアノ基の還元、ハロゲン原子の還元脱離等の副反
応が起こるため、高収率で目的とする2−(フェニルウ
レイド)アミノフェノール類を得ることはできない。
芳香族ニトロ化合物の接触還元に際して、添加剤とし
てジシアンジアミドまたはシアナミドを用いてニトロ基
のみを収率良く還元する方法は既に知られており、例え
ば特開昭52−23053号、同62−123162号を挙げることが
できる。
特に、後者にはシアノ置換ニトロベンゼン類の接触還
元に際してシアナミドまたはジシアンジアミドを添加し
て副反応を抑制する技術が記載されているが、該特許に
記載の化合物は、還元すべきニトロ基と同一の芳香環上
にシアノ基、塩素原子等の電子吸引性基のみが置換され
たものであって、ウレイド基のような電子供与性基を有
する本件発明の2−(フェニルウレイド)ニトロフェノ
ール類については何も記載されていない。
一般に芳香環上に電子供与性基が置換すると同一芳香
環上のハロゲン原子は還元脱離し易くなることが知られ
ており(新実験化学講座15、酸化と還元(II)436頁、
丸善)、電子供与性の基であるウレイド基を有する本件
発明の2−(フェニルウレイド)ニトロフェノール類か
ら、シアノ基の還元、ハロゲン原子の還元脱離等の副反
応を起さずに、高収率で目的とする2−(フェニルウレ
イド)アミノフェノール類を得ることは未知であった。
[発明の目的] 本発明の目的は、分子内にニトロ基とともに還元され
易い置換基を合せ持つ2−(フェニルウレイド)ニトロ
フェノール類を接触還元して、相当する2−(フェニル
ウレイド)アミノフェノール類を製造する方法におい
て、副生物の生成が少なく、高収率で目的物を得る方法
を提供することにある。
[発明の構成] 本発明の前記目的は、一般式[I]によって表される
2−(フェニルウレイド)ニトロフェノール類をラネー
ニッケルおよびシアナミドまたはジシアンジアミドの存
在下、接触水素還元することによって達成された。
一般式[I] [X1は水素原子、ハロゲン原子、−OR、−SRを表す。
X2、X3およびX4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、
−SO2Rを表す。Rは置換または無置換のアルキル基、複
素環基またはアリール基を表す。ただし、X2、X3および
X4のうち少なくとも1つはハロゲン原子またはシアノ基
である。] ラネーニッケルの種類、活性、展開方法には特に制限
は無く、容易に入手可能で取扱い易い市販の展開済みラ
ネーニッケルを用いることもできる。その使用量に特別
制限は無いが、通常2−(フェニルウレイド)ニトロフ
ェノール類100部に対し、0.1〜10部用いられ、より一般
的には0.1〜3部用いられる。
使用する溶媒に特に制限は無いが、2−(フェニルウ
レイド)ニトロフェノールの溶解度の点から、テトラヒ
ドロフラン(THF)、ジオキサンが好ましい。
溶媒の使用量は、通常2−(フェニルウレイド)ニト
ロフェノール類1部(重量、以下同様)に対し2〜20部
が適当である。
シアナミドあるいはジシアンジアミドはそのまま添加
してもよく、または使用する溶媒に溶解または懸濁させ
て加えてもよい。その使用量はニトロ化合物100部に対
し、0.1〜10部、より好ましくは0.1〜5部である。
反応は水素雰囲気下で行い、水素圧は通常1〜30kg/c
m2で行われる。反応温度は任意であるが通常10〜90℃で
行われる。反応時間は反応温度、溶媒、水素圧、触媒
量、原料の種類によって変わるが通常8時間以内で十分
である。
反応の進行状況は、副反応が非常に少ないため吸収し
た水素量によって容易にチェックされ、複雑な操作と危
険を伴うサンプリングは行う必要がない。
理論量の水素を吸収した後、触媒をろ別し、溶媒を除
去して目的とする2−(フェニルウレイド)アミノフェ
ノール類を得る。
得られた目的化合物は十分な純度を有しているが、所
望により再結晶法、溶媒洗浄法等によって精製を行って
もよい。また、還元終了後、触媒をろ別した後、溶媒を
除去することなく溶液状のまま次の反応に用いることも
できる。
以下に、本発明で用いられる2−(フェニルウレイ
ド)ニトロフェノール類の具体例を示すが、これらに限
定されるものではない。
実施例1 ステンレス製1オートクレーブにTHF240ml、水53m
l、ラネーニッケル5.0g、ジシアンジアミド0.67g、2−
(3−シアノ−4−クロロフェニル)ウレイド−5−ニ
トロフェノール26.6gを加え、水素圧力20kg/cm2、30℃
で3時間撹拌、反応を行った。理論量の水素を吸収した
後、反応液から触媒をろ別した。
高速液体クロマトグラフィーによる反応液の組成は,2
−(3−シアノ−4−クロロフェニル)ウレイド−5−
アミノフェノール87.6%、その他の不純物12.4%であっ
た。
実施例2 実施例1の2−(3−シアノ−4−クロロフェニル)
ウレイド−5−ニトロフェノールにかえて、2−(4−
シアノフェニル)ウレイド−5−ニトロフェノールを2
3.5g用い、他の条件は実施例1と同様にして反応を行っ
た。
高速液体クロマトグラフィーによる反応液の組成は、
2−(4−シアノフェニル)ウレイド−5−アミノフェ
ノール93.2%、その他の不純物6.8%であった。
比較例1 実施例1の方法において、ジシアンジアミドを使用しな
いで、他は実施例1とまったく同様に反応を行い、4時
間で反応を終了した。
高速液体クロマトグラフィーによる反応液の組成は、
2−(3−シアノ−4−クロロフェニル)ウレイド−5
−アミノフェノール44.6%、その他55.4%であった。
[発明の効果] 本発明によれば、分子内に、ニトロ基とともにシアノ
基、ハロゲン原子等、還元され易い置換基を合せ持つ2
−(フェニルウレイド)ニトロフェノール類から、相当
する2−(フェニルウレイド)アミノフェノール類を、
副生物の生成が少なく、高収率で製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 323/44 7419−4H C07C 323/44 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I]によって表される化合物をラ
    ネーニッケルおよびシアナミドまたはジシアンジアミド
    の存在下、接触水素還元することを特徴とする2−(フ
    ェニルウレイド)アミノフェノール類の製造方法。 一般式[I] [X1は水素原子、ハロゲン原子、−OR、−SRを表す。
    X2、X3およびX4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、
    −SO2Rを表す。Rは置換または無置換のアルキル基、複
    素環基またはアリール基を表す。ただし、X2、X3および
    X4のうち少なくとも1つはハロゲン原子またはシアノ基
    である。]
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