JP2922590B2 - 4―ハロモノニトロトルエン類の製法 - Google Patents

4―ハロモノニトロトルエン類の製法

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halomononitrotoluenes
sulfuric acid
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、4−ハロモノニトロトルエン類の製法に関
する。
従来の技術 4−ハロモノニトロトルエン類は、医薬、農薬、染
料、顔料溶の中間体として有用な化合物である。従来、
4−ハロモノニトロトルエン類の製法としては例えば
「染料化学」(細川 豊著、技報堂)501頁に記載の様
に、ニトロトルエン類を塩化第二鉄触媒下、塩素と反応
させることによりクロロモノニトロトルエン類を得る方
法が知られている。
しかしこの方法ではジクロロ体が多量に副生する事お
よび多種類の異性体が副生する事から収率及び純度が低
い事、異性体の沸点が近いため蒸留では容易に分離でき
ない等の理由により4−ハロモノニトロトルエン類の有
利な製法とはいい難い。
又、4−クロロトルエンを硫酸中でニトロ化すると4
−クロロニトロトルエン類が生成する事は、「染料化
学」(細川 豊著、技報堂)501頁によって公知であ
り、同報文では15〜20℃で濃硫酸と濃硝酸とからなる混
酸を用いて4−クロロトルエンをニトロ化し、4−クロ
ロニトロトルエンを得、真空分留と結晶法を併用して4
−クロロ−2−ニトロトルエン(収率56.7%)、4−ク
ロロ−3−ニトロトルエン(収率30.6%)を得ている。
しかしながら、この方法では目的の4−クロロモノニ
トロトルエン以外に4−クロロジニトロトルエンが多量
に副生するという欠点があり目的の4−クロロモノニト
ロトルエンの収率が良くない。なお、ニトロ化によって
得られた4−クロロモノニトロトルエン類より4−クロ
ロ−2−ニトロトルエン、4−クロロ−3−ニトロトル
エンを真空分留する際4−クロロジニトロトルエン類が
多量に混在する事は、爆発、装置の腐食を起こす恐れが
ある。
発明が解決しようとする課題 4−ハロトルエンのニトロ化において4−ハロジニト
ロトルエンの副生を抑え、4−ハロモノニトロトルエン
類が高収率で得られる方法の開発が求められている。
課題を解決するための手段 本発明者は前記の問題点を解決するために、鋭意研究
を重ねた結果、4−ハロトルエンを特定の硫酸濃度(重
量比)を保ちながら特定の温度範囲でニトロ化すること
により、4−ハロジニトロトルエンの副生がほとんど起
こらない事を見出し、本発明を完成させた。即ち本発明
は4−ハロトルエンを硫酸濃度(重量比)を65〜90%に
保ちながら0〜90℃でニトロ化する事を特徴とする4−
ハロモノニトロトルエン類の製法を提供する。
本発明の方法において硫酸濃度(重量比)は65〜90%
であり、好ましくは75〜80%に保たれる。
本発明の製法における反応温度は0〜90℃であり、好
ましくは30〜80℃、さらに好ましくは40〜60℃である。
又ニトロ化剤としては硝酸を用いるのが好ましく、硝酸
の使用量は理論量の1.0〜1.1倍が好ましい。硝酸を添加
する方法としては硝酸を直接加えることも出来るが硝酸
と硫酸とからなる混酸の形で加えるのがより好ましい。
反応時間は、反応条件によって異なるが通常0.1〜5時
間である。
反応が終了したなら硫酸層とオイル層を分離し硫酸層
はリサイクルして使用しオイル層は湯洗、アルカリ洗浄
したのち蒸留して4−ハロモノニトロトルエン類を得
る。
本発明によって得られた4−ハロモノニトロトルエン
類は4−ハロジニトロトルエンをほとんど含まず、蒸留
または晶析等により容易にその異性体を分離することが
出来、高純度の4−ハロ−2−ニトロトルエン及び4−
ハロ−3−ニトロトルエンを高収率で得ることが出来
る。
又、式(1)の化合物としては、例えば4−フルオロ
トルエン、4−クロロトルエン、4−ブロモトルエン、
4−ヨードトルエン等があげられ反応の形式としてはバ
ッチ式又は、連続式が用いられる。
実施例 実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例において%は重量%を表す。
実施例1,2 SUS製反応装置3基をカスケード方式で並べ高速撹拌
下50〜55℃で4−クロロトルエンを240g/hr及び混酸(H
NO3−H2SO4−H2O、組成は下記)を620g/hr(実施例1)
670g/hr(実施例2)で定量ポンプで注入した。(滞留
時間1時間30分) 反応後オイル分離しオイル層を湯洗、アルカリ洗浄、
湯洗し4−クロロモノニトロトルエンを得た。主な条件
は次に示す通り。
実施例1及び同2で得られた4−クロロモノニトロト
ルエン類のGC分析による組成比は次の通りであった。
また実施例1で得た4−クロロニトロトルエン類1000
gを減圧下に精留し、134〜135℃/30mmHgで4−クロロ−
2−ニトロトルエン645g(純度99.8%)、147〜148℃/3
0mmHgで4−クロロ−3−ニトロトルエン344g(純度99.
7%)を得た。
実施例3. SUS製反応器に4−ブロモトルエン85.5gと75%硫酸10
0gを仕込み、混酸162g(H2SO4:HNO3:H2O=63.7:20.4:1
5.9,重量比)を50〜55℃、40分で滴下し、2時間撹拌
し、以下実施例1と同様にして4−ブロモモノニトロト
ルエン類114.8gを得た。(収率99%) ガスクロによる分析値 4−ブロモトルエン 0.5% 4−ブロモモノニトロトルエン類 99.1% 4−ブロモジニトロトルエン類 0.4% また4−ブロモモノニトロトルエン類中の異性体比は、
2−ニトロ:3−ニトロ=66.4:33.6(%)であった。
実施例4. 80%硫酸100g及び混酸176g(H2SO4:HNO3:H2O=68.9:1
8.8:12.3,重量比)を用いる以外は実施例3と同様にし
て4−フルオロトルエン55gに対し4−フルオロモノニ
トロトルエン類73.8gを得た。収率(99%) ガスクロによる分析値 4−フルオロトルエン trace 4−フルオロモノニトロトルエン類 95.5% 4−フルオロジニトロトルエン類 4.5% また4−フルオロモノニトロトルエン類中の異性体比
は、2−ニトロ:3−ニトロ=52.5:47.5(%)であっ
た。
実施例5. SUS製反応容器に4−クロロトルエン63.3gと80%硫酸
100gを仕込み、98%硝酸34g及び90%硫酸77.4gを50〜55
℃で同時に1時間で滴下した。
以下実施例3と同様にして、4−クロロモノニトロト
ルエン類84.9gを得た。(収率99%) ガスクロによる分析値 4−クロロトルエン trace 4−クロロモノニトロトルエン類 99.6% 4−クロロジニトロトルエン類 0.5% また4−クロロモノニトロトルエン類中の異性体比は、
2−ニトロ:3−ニトロ=64.0:36.0(%)であった。
実施例6. SUS製反応器に4−クロロトルエン63.3gと80%硫酸10
0gを仕込み、硝酸ナトリウム45gと90%硫酸77.4gを50〜
55℃で1時間加えた。以下実施例3と同様にして、4−
クロロモノニトロトルエン類83.2gを得た。(収率97
%) ガスクロによる分析値 4−クロロトルエン trace 4−クロロモノニトロトルエン類 99.0% 4−クロロジニトロトルエン類 1.0% また4−クロロモノニトロトルエン類中の異性体比は、
2−ニトロ:4−ニトロ=60.1:39.9(%)であった。
発明の効果 4−ハロトルエンを特定の硫酸濃度に保ちながら特定
の温度範囲でニトロ化する事により4−ハロジニトロト
ルエンをほとんど副生することなく高収率で4−ハロモ
ノニトロトルエン類が得られるようになった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式(1)中、Xはハロゲン原子を表す。)で表される
    化合物を硫酸濃度(重量比)を65〜90%に保ちながら0
    〜90℃で硝酸又は硝酸塩でニトロ化する事を特徴とする
    一般式 (式(2)、(3)中、Xは式(1)におけるのと同じ
    意味を表す。) で表される4−ハロモノニトロトルエン類の製法。
JP15155190A 1990-06-12 1990-06-12 4―ハロモノニトロトルエン類の製法 Expired - Lifetime JP2922590B2 (ja)

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