JP2685111B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2685111B2
JP2685111B2 JP4059766A JP5976692A JP2685111B2 JP 2685111 B2 JP2685111 B2 JP 2685111B2 JP 4059766 A JP4059766 A JP 4059766A JP 5976692 A JP5976692 A JP 5976692A JP 2685111 B2 JP2685111 B2 JP 2685111B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像データに基づいて
変調された光源を用いてフルカラー感光材料に走査露光
し、高画質フルカラー画像を形成する画像形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を感光素子として用いた所
謂ハロゲン化銀写真感光材料に対して、レーザー光を記
録信号に基づいて変調し、走査することで画像を形成す
る方法が知られている。この方式によりディジタル化さ
れた画像情報を基に高精細度のフルカラー画像を得るこ
とができる。さらに、近年のレーザーダイオードの発展
により、簡易、安定なレーザー出力装置の製作が可能と
なり、こうしたシステムの実現が期待されている。例え
ば、米国特許第4619892号あるいは同第4956
702号には、レーザーダイオードから射出されたビー
ムによって露光することの可能な感光材料として赤外域
に感度を付与したハロゲン化銀カラー写真感光材料を使
用することが開示されている。
【0003】これらのディジタル画像情報に基づいて制
御された信号によって画像形成を行う画像形成方法を用
いると、複数の画像情報を合成したり、オリジナルの画
像情報に対して様々な画像処理を施すことが可能とな
り、従来の所謂写真法による画像形成方法の限界を越え
た多方面の応用が可能となる。
【0004】画像出力媒体として用いる感光材料は、通
常のカラー写真感光材料と同じく3原色としてイエロ
ー、マゼンタおよびシアン色素を用いて減色法による色
再現を行う機構を供えている。このとき、3原色の発色
をディジタル制御する露光は、各色独立に行うことが可
能であるため、カラーネガとカラー印画紙を用いた一般
のカラー写真と比べて、発色を制御できる自由度が高
い。
【0005】特に、レーザーダイオードなどの半導体レ
ーザーやガスレーザーなどのレーザー光源は、挟帯域波
長の光ビームを射出するものである。このため、光源と
してレーザー光源を用いる場合は、分光感度に波長依存
性を有するカラー感光材料を露光する場合であっても、
例えば、3原色の発色を複数(3つ)のレーザー光源か
ら射出される相異なる挟帯域波長のレーザービームによ
って各色独立に行うことが可能である。隣り合う分光感
度特性曲線の裾が重り合って色分離性が不十分であるカ
ラー感光材料を混色が生じる波長域まで発振波長が変動
する恐れのある半導体レーザーのレーザービームで露光
する場合にも、画像信号を電気的に処理して、混色を防
止し、色の純度を高くすることも提案されている。一
方、3原色の色分離性の極めて良好な感光材料も提案さ
れており、このような感光材料を用いると、3色独立な
発色の制御をより自由に行うことができる。このよう
に、ディジタル露光においては、オリジナルの画像情報
を出力する際に、表現する色の彩度を高めたりする工夫
を盛り込むことが可能であり、実際にもいくつかの画像
処理方法が提案されている。
【0006】ところで、半導体レーザーにより感光材料
をディジタル露光する方式には、画像の濃度に応じてレ
ーザー光の強度を変調する光強度変調方式や、画像の濃
度に応じて発光時間を変調する時間幅(パルス幅)変調
方式がある。光強度変調方式では、画像濃度に応じた光
強度信号を変調信号として出力し、半導体レーザーへ印
加する電流を増減して単位時間当たりのレーザー光の出
力量を調整し、露光量を変化させて階調画像を形成する
ことができる。また、時間幅変調方式では、画像濃度に
応じた時間幅信号を変調信号として出力し、半導体レー
ザーへの通電時間を変えて出力時間を増減し、露光量を
変化させて階調画像を形成することができる。
【0007】オリジナルの画像データから露光光源を変
調する出力信号(光強度変調信号、パルス幅変調信号)
を求める際に、一般には以下のような変換式を用いて演
算が行われる。 Ce=f(Ro、Go、Bo) Me=g(Ro、Go、Bo) Ye=h(Ro、Go、Bo) [ここで、Ro、Go、Boはオリジナル画像データの
R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)信号を、
Ce、Me、Yeはシアン、マゼンタおよびイエローの
各色素形成層に対応した露光光源制御用の出力信号を表
わす。] さらに、再現する赤系統の色の純度を高める目的で下記
式のような変換を利用することも行われる。式中のαの
値を適当な正の数に設定することで赤系統の色の濁りを
減じることが可能となる。 Ce=Ce[1−α(Ye+Me)]
【0008】実際には出力媒体に用いる感光材料の諸特
性−例えば発色色素の吸収特性や、感光度等の要因で演
算式は種々に変化し得るものであるから、画像形成シス
テムを設計する際に装置や感光材料の特性からこれらの
演算式を求める必要がある。具体的なf、g、hあるい
はαについては、オリジナルの画像と出力画像との間の
カラーマッチングを数十〜数千色の色につき最小自乗法
によるフィッティングを行うことなどで決定することが
できる。
【0009】ハロゲン化銀写真感光材料を用いてフルカ
ラー画像を作成すると、他の方式、例えば染料昇華転写
方式、電子写真方式あるいはインクジェット方式などに
比べて高密度な記録が可能であり、さらに粒状、鮮鋭度
そして階調再現等の画質においても優れた画像を得るこ
とができる。したがって、このような方式で画像情報を
書込むことにより、従来は写真に代表されるアナログ系
でしか実現できなかった高画質な画像をディジタル信号
からハードコピーとして得ることが可能となる。
【0010】しかしながら、これらの方法に従い、ディ
ジタル画像情報をもとに変調されたレーザー光源を用い
てハロゲン化銀写真感光材料、特に色分離性の良好なハ
ロゲン化銀写真感光材料に走査露光により画像を書込む
システムを検討したところ、オリジナル画像を再現する
上で予想されなかった問題のあることが明らかになっ
た。
【0011】すなわち、彩度の高い画像の高発色部の微
細な階調描写が変動し、安定な画像出力を得ることが困
難であることがわかった。具体的には、彩度の高い赤系
統の画像−例えば真紅の薔薇や赤いビロードの衣服を再
現するときに、細部の陰影の描写が変動する現象が発生
し、高品質の画像を安定に得る上で重大な障害となる問
題が発見された。
【0012】一般に減色法の色再現においては、高彩
度、かつ高発色の部分に存在する微妙な陰影は、その色
の余色に相当する色の比率の程度で表現される。純度の
高い色彩だけでは発色値の最小値から最大値までの範囲
で飽和してしまい、表現できる範囲は狭いものとなって
しまう。例えば、純度の高い赤色の高濃度部分の陰影
は、赤の最大発色濃度付近から始まるシアン成分の発色
比率の変化で表現される。シアン成分の比率が極小から
最大発色濃度に変化するにしたがって、純度の高い赤か
ら無彩色の黒にまで変化する。
【0013】したがって、純度の高い赤の高発色部中の
微妙な陰影を安定に表現するためには、その再現を担う
低濃度のシアン成分の発色をできるだけ高精度で制御す
る必要のあることがわかる。言い換えると、こうした低
濃度の発色の変動により先に述べたような微妙な陰影再
現の不安定性が生じるものと推測される。
【0014】この問題は、オリジナル画像情報のうち、
高彩度、高発色部の陰影の部分について特に顕著であ
る。このことは、先に述べた画像信号を基にした露光光
源変調用の出力信号の値の小さい部分で光源の制御が十
分安定には行われていないことによる。
【0015】ところが、レーザーダイオードなどの半導
体レーザーは、その光出力特性曲線において、入力信号
レベルに対して光出力の特性曲線が線形である高光出力
領域と、非線形である低光出力領域がある。そして、半
導体レーザーはこの低光出力の非線形領域において微妙
な陰影を表現するための、例えばシアンの発色濃度を正
確に制御できる程安定しておらず、良好な階調性が得ら
れない。また、さらに光出力のレベルと下げるとレーザ
ー発振せず、発光ダイオードの出力領域となってしま
い、レーザービーム用の光学素子では、十分に制御でき
ない。これに対し、このレーザーの線型領域の光出力を
使ってパルス幅変調によって微妙な陰影表現のための余
色の発色を行っても、パルス幅が極めて短くなり安定制
御が困難になり、良好な階調表現ができない。
【0016】一方、本来、濃度に対応して適正に光源の
露光量を調整するためには、露光量を対数的に変化させ
ることが考えられ、露光量を対数的に変化させるには、
レーザービームなどの光ビームの強度や時間幅を設定す
る変調制御出力信号の値を対数的に変化させればよい。
しかし、このような制御回路を構成するのは極めて困難
であるので、一般に制御値は真数的に等差変化させてい
る。例えば、マイクロコンピュータにより光源の変調制
御を行う場合、1バイト中の各ビットの組合せの数と等
しい数の変調制御信号が得られ、変調制御信号ごとの出
力の変化量は一定になっている。
【0017】この結果、図4の実線で示すように、露光
量の多い領域(画像濃度の高い領域)においては、変調
制御信号の変化量(ΔS)に応じた露光量の対数値の変
化Δlog Eが小さく濃度差ΔD1 が小さいが、露光量の
少ない領域(画像濃度の低い領域)においては、変調制
御信号を上記と同じ変化量(ΔS)で変化させても露光
量の対数値の変化Δlog Eが大きく濃度差ΔD2 が極め
て大きい。したがって、元来低濃度領域では視認限界を
超えると濃度差(濃度の飛び)ΔD2 が生じ、良好な階
調性が得られず再現性が低下するという問題を含んでい
る。
【0018】従って、このような変調制御方式によって
微妙な陰影を表現する低濃度の発色を行うのは困難であ
り、安定的に階調性を得ることはできない。しかも、陰
影における濃度の変動は陰影として付加される余色の濃
度が小さいほど目立つという問題もある。また、さら
に、先に述べたような純色の彩度を高めるような信号処
理を用いると、こうした変動の程度はますます高まるこ
とも明らかになった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、すでに示し
た米国特許第4619892号あるいは同第49567
02号には、芳香族第一級アミン現像主薬の酸化体との
カップリング反応によってイエロー、マゼンタおよびシ
アン色素を形成可能なカラーカプラーと、赤外域に分光
増感された塩臭化銀乳剤とを組合せてレーザー書き込み
用感光材料を構成する例が示されている。
【0020】該特許明細書に開示されている技術は、少
なくとも二層の感光層を赤外域に増感し、これに半導体
レーザーを走査露光しフルカラー画像を得るものであ
る。そして、赤外増感を施したときに得られるブロード
な分光感度分布によって引起される重大な問題である色
分離性の悪化を、感光層の感度差あるいはフィルター層
の設置により解決する方法が示されている。これは、で
きるだけ純度の高い色を得ようとする方法を開示したも
のであるが、こうした方法では先に述べたような高純度
高発色部の微妙な陰影再現の安定性を達成することは困
難である。
【0021】一方、コンベンショナルなハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料において、純度の高い色の再現ラチチ
ュードを高める目的で、一つの色素の画像濃度が1.2
と2.5の間に設定されたある一定値以上であるような
特定画像領域において、該特定画像の色相の形成に実質
的に寄与しない色相の色素の一つが階調を有するように
付加される感光材料を用いる技術が米国特許第4806
460号明細書中に開示されている。しかし、この技術
は一般のネガフィルムからのプリントにおいて純度の高
い色の中の陰影を強調する技術であって、本発明のよう
に画像データを用いて変調された光源による書込みにお
いて問題となる細部の階調描写の変動を無くす技術とは
全く別のものである。
【0022】というのは、高純度の色の中の陰影を表現
するだけであれば、画像データに基づいて独立に変調さ
れた複数光源を用いて書込む方式においてはその程度を
いかようにも変化させることができるのは当然予測され
ることである。したがって、本発明で解決しようとする
課題、すなわち彩度の高い色の高発色部の陰影の再現に
変動を生じてしまうということは、実際に画像データか
らの書込みを行なって初めて問題となった新規な課題で
ある。
【0023】さらに、米国特許第4806460号の技
術は、一つの感光層の分光感度分布の余色に相当する領
域に分光感度を付加させたり、高純度の色素の発色にお
いてその余色に相当する色素を同時に発色させるなど、
本発明とは全く異なる技術であると考えられる。
【0024】これまで述べたことから明らかなように、
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解消し、
画像データに基づいて変調された光源を用いた走査露光
により、支持体上に3原色の各色素形成層を少なくとも
1層ずつ有してなる感光材料に高純度高発色部の微妙な
陰影が安定的に再現された高画質なフルカラー画像を安
定に作成することのできる画像形成方法を提供すること
にある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、それぞれ相異なる狭帯域波長の光ビーム
を射出する複数の光源を画像データに基づいて変調し
て、各々の光ビームに対して最高感度を示す異なる色の
色素形成層を支持体上に少なくとも一層ずつ有してなる
感光材料に画像を書込む画像形成方法であって、少なく
とも1つの光源の光ビームの照射による最高感度の色素
形成層の発色の濃度が、その光源の露光量の変調制御の
最少単位の変化に対して視認限界以上変化する、感光材
料の露光ダイナミックレンジの範囲について、当該色の
色素形成層を他の色素形成層に対し最高感度を示す異な
る光源の光ビームの照射によって発色させ、その発色濃
度の変化が(この光源の露光量変調制御の最小単位の変
化に対して)視認限界以下となるよう構成したことを特
徴とする画像形成方法を提供するものである。
【0026】ここで、前記感光材料が、支持体上にイエ
ロー色素形成層、マゼンタ色素形成層およびシアン色素
形成層を少なくとも有してなり、前記光源が、少なくと
も3種の発振波長の異なるレーザー光源であり、各光源
の変調がそれぞれ画像データのR、G、B成分を用いて
演算される信号変換方式によって行われるのが好まし
い。
【0027】また、支持体上にイエロー色素形成層、マ
ゼンタ色素形成層およびシアン色素形成層を少なくとも
一層ずつ有してなる感光材料に、画像データに基づいて
変調された複数の光源を用いて画像を書込む画像形成方
法において、該光源が少なくとも三種の発振波長の異な
るレーザー光源であり、しかも各光源の変調がそれぞれ
画像データのR、G、B成分を用いて演算される信号変
換方式を用いる画像形成方法であって、さらに、単独の
露光で複数の乳剤層を発色させることのできる光源が少
なくとも一種存在し、このとき、該光源単独の露光によ
って発色した複数の乳剤層のうち最も高感度な乳剤層の
露光ダイナミックレンジの範囲内でその感光層に対応す
る発色色素と余色の関係にある色素の少なくとも一種が
階調を有して付加されるようにレーザー光源の発振波長
および/または感光層の分光感度分布の設定が調整され
たことを特徴とするカラー画像形成方法を提供するもの
である。
【0028】また本発明は、支持体上にイエロー色素形
成層、マゼンタ色素形成層およびシアン色素形成層を少
なくとも一層ずつ有してなる感光材料に、画像データに
基づいて変調された複数の光源を用いて画像を書込む画
像形成方法において、各光源の変調がそれぞれ画像デー
タのR、G、B成分を用いて演算される信号変換方式を
用いる画像形成方法であって、さらに、単独の露光で最
も高感度な乳剤層と、この最高感度乳剤層の発色色素と
余色の関係にある色素を含む乳剤層の少なくとも1種と
の複数の乳剤層を発色させることのできる光源が少なく
とも1種存在し、この余色の関係にある色素の乳剤層を
最高感度で発色させる異なる光源の露光による前記余色
の関係にある色素の発色の濃度が、この異なる光源の露
光量の変調制御の最小単位の変化に対して視認限界以上
変化する、前記感光材料のダイナミックレンジの範囲に
ついて、前記複数の乳剤層を発色させることのできる光
源によって発色させ、その発色濃度の変化を視認限界以
下になるよう構成したことを特徴とする画像形成方法を
提供するものである。
【0029】ここで、前記複数の乳剤層を発色させるこ
とのできる光源単独の露光による前記余色の関係にある
色素の少なくとも1種の発色は、この光源単独の露光に
対して最も高感度な乳剤層の発色色素の画像濃度1.5
から2.5の間に設定された一定値以上の濃度領域にお
いて階調を有して付加されるのが好ましい。
【0030】本発明においては、前記感光材料中のマゼ
ンタ色素形成層に含まれる色素形成要素が、芳香族第一
級アミン現象主薬の酸化体とのカップリング反応によっ
てマゼンタ色素を生成することのできる化合物であっ
て、マゼンタ単色で発色させて感光材料の吸収スペクト
ルのプロファイルにおいて、前記感光材料が反射支持体
を用いている場合は、 K(br)≦0.56であるかまたはK(rr)≦0.18 であり、前記感光材料が透過支持体を用いている場合
は、 K(bt)≦0.44であるかまたはK(rt)≦0.09 であることを満足させるものであるのが好ましい。
【0031】また、本発明においては、感光材料中のマ
ゼンタ色素形成層に含まれる色素形成要素が芳香族第一
級アミン現像主薬の酸化体とのカップリング反応によっ
てマゼンタ色素を生成することのできる化合物であっ
て、下記一般式(I)で表される化合物であるのが好ま
しい。
【化2】 ここで、Rは水素原子または置換基を表し、Yは水素原
子または離脱基を表し、Za、ZbおよびZcはメチ
ン、置換メチン、=N−または−NH−のいずれかを表
し、窒素原子を2〜4個含む5員のアゾール環を形成す
る。
【0032】
【発明の作用】本発明の画像形成方法は、複数の光源、
例えばそれぞれ相異なる狭帯域波長の光ビームを射出す
る光源を画像データに基づいて変調して、支持体上に各
々の光ビームに対して最高感度を示す異なる色素形成
層、例えばイエロー色素形成層、マゼンタ色素形成層お
よびシアン色素形成層を少なくとも1層ずつ有してなる
感光材料に画像を形成する際に、ある色に対する感光材
料の露光ダイナミックレンジのうち、当該色を発色させ
る光源の露光量変調制御が不安定で、視認限界以上の濃
度変化を生じさせる変調範囲、すなわち低濃度発色露光
量範囲については、他の光源を、その光源の露光量変調
制御が安定な範囲、すなわち、その光源に最高感度を示
す色素の高濃度発色露光量範囲で変調して、視認限界以
下の濃度変化で低濃度色を発色させるものである。
【0033】また、本発明の画像形成方法は、少なくと
も1つの光源によって、感光材料の露光ダイナミックレ
ンジ内で当該光源の露光に対して最高感度の乳剤層、す
なわち色素形成層を発色させるとともに、当該色素形成
層に対応する発色色素と余色の関係にある色素の少なく
とも1種を階調をもって発色させるものである。このた
めに、前記感光材料は、光源、例えばレーザ光源の発振
波長に対するその感光層の分光感度分布が所定の関係
に、すなわち、1つの光源で最高感度色と同時にその余
色を同時に発色するように、予め光源の波長および/ま
たは感光材料の分光感度分布が調整されている。また、
この余色の発色は、最高感度の乳剤層の発色色素の1.
5〜2.5の間に設定された濃度領域において階調を有
して起こる。
【0034】従って、本発明の画像形成方法によれば、
1つの光源の単独の露光で高濃度色の発色と同時にこれ
と余色の関係にある色素の低濃度の発色を安定して細か
く、すなわち視認限界以下の濃度変化となるように行う
ことができるので、彩度の高い画像の高発色部の表現階
調範囲を安定して広げることができ、例えば、微妙な細
部の陰影をつけた真紅の薔薇の花や赤いビロードの衣服
を高画質画像として安定して再現できる。
【0035】本発明においては、マゼンタ色素の吸収ス
ペクトルのプロファイルが上記の式またはを満足し
ている場合に効果が顕著である。ここに、K(br)お
よびK(rr)は、感光材料が反射支持体を有する場合
に、マゼンタ色素を単色で形成させたときに、その反射
吸収スペクトルの可視域における吸収極大がAbs.=
1.0となる発色濃度において測定された吸収スペクト
ルの吸収プロファイルの、410nmから510nmの
領域の反射濃度の面積の、510nmから600nmの
領域の反射濃度の面積に対する比、および600nmか
ら700nmの領域の反射濃度の面積の、510nmか
ら600nmの領域の反射濃度の面積に対する比をそれ
ぞれ表す。また、K(bt)およびK(rt)は、感光
材料が透過支持体を有する場合に、マゼンタ色素を単色
で形成させたときに、その透過吸収スペクトルの可視域
における吸収極大がAbs.=1.0となる発色濃度に
おいて測定された吸収スペクトルの吸収プロファイル
の、410nmから510nmの領域の透過濃度の面積
の、510nmから600nmの領域の透過濃度の面積
に対する比、および600nmから700nmの領域の
透過濃度の面積の、510nmから600nmの領域の
透過濃度の面積に対する比をそれぞれ表す。
【0036】これらの値を測定するには、次のようにす
るのが簡便である。まず、感光材料を全く発色させない
試料を作成し、これをレファレンスとする。このレファ
レンスの作成は、例えば芳香族第一級アミン現像主薬の
酸化体とのカップリング反応によって色素を形成する化
合物を色素形成要素として感光材料中に含有するような
場合には、発色現像浴を除いた処理工程によって処理す
ることで作成できる。
【0037】次いで、マゼンタ色素が単独で形成される
条件で、かつマゼンタ色素の吸収極大がAbs.=1.
0となるように発色を調整した処理を施し、測定用の試
料を得る。
【0038】先に得たレファレンスに対して、マゼンタ
発色した測定用の試料の反射あるいは透過の吸収スペク
トルを測定することで、マゼンタ色素の吸収プロファイ
ルを得る。このプロファイルを用いて、K(br)およ
びK(rr)(感光材料が反射支持体を有する場合)、
もしくはK(bt)およびK(rt)(感光材料が透過
支持体を有する場合)を算出することができる。
【0039】本発明においては、感光材料が反射支持体
を有する場合にはK(br)の値が0.56以下である
かまたはK(rr)が0.18以下であるときに効果が
顕著である。さらに、両者ともに条件を満足するときに
はますます顕著となる。
【0040】本発明においては、感光材料が透過支持体
を有する場合にはK(bt)の値が0.44以下である
かまたはK(rt)が0.09以下であるときに効果が
顕著である。さらに、両者ともに条件を満足するときに
はますます顕著となる。
【0041】また、本発明の効果を顕著に得るために
は、上記の一般式(I)で表されるマゼンタカプラーを
用いることが好ましい。上記一般式(I)において、R
は水素原子または置換基を表す。Yは水素原子または離
脱基を表し、特にハロゲン原子、アリールオキシ基、ア
リールチオ基あるいはピラゾール基等が好ましい。Z
a、ZbおよびZcはメチン、置換メチン、=N−また
は−NH−を表し、窒素原子を2〜4個含む5員のアゾ
ール環を形成するもので、Za−Zb結合とZb−Zc
結合のうち一方は二重結合であり、他方は単結合であ
る。Zb−Zc結合が炭素−炭素二重結合である場合
は、それが芳香環の一部である場合を含む。RまたはY
で2量体以上の多量体を形成する場合、また、Za、Z
bあるいはZcが置換メチンであるときはその置換メチ
ンで2量体以上の多量体を形成する場合を含む。
【0042】
【本発明の構成】本発明の画像形成方法において用いら
れる光源は、主に、感光材料に形成された異なる色、例
えば3原色の色素形成層をそれぞれ露光する異なる波長
域の光ビームを射出する光源であれば、特に制限的では
なく、どのような光源であってもよいが、1色の色素形
成層が最高感度となる1つの所定波長域、例えば所定狭
帯域波長(以下、所定波長という)の光ビームを射出す
る光源であるのが好ましく、このような光源を各色につ
いてそれぞれ、例えば3原色に対して3個の光源、ある
いは黒を加え4色に対して4個の光源をそれぞれ用いれ
ばよい。このような光源としては、レーザーダイオード
(LD)などの半導体レーザー、固体レーザー、ガスレ
ーザーなどのレーザー光源や発光ダイオードなどのよう
に所定の狭帯域波長の光ビームを射出する光源、あるい
はこれらの光源とこの光源の射出光ビームの波長を短波
長、例えば1/2にするSHG素子との組み合わせ、あ
るいは多波長光源と分光手段との組み合わせを挙げるこ
とができる。また、これらの光源を組み合わせて用いて
もよい。
【0043】本発明の画像形成方法において、感光材料
の感光波長と画像を記録するための露光光源の波長の組
合せは、可視光域から赤外域にわたる広範囲な領域から
その波長を選ぶことができる。
【0044】露光光源としてレーザー光源を用いる場合
には、可視光域に発振するガスレーザー、赤色から赤外
域に発振する半導体レーザーあるいは半導体レーザーか
らの発振波長を短波長に変換するSHG素子を利用した
レーザー光源等を任意に組合せて用いることができる。
【0045】現在利用できる光源としては、半導体レー
ザーもしくはSHG素子の適用が装置をコンパクトに設
計する上で有利である。
【0046】本発明を実施するに当たって用いる感光材
料としては、支持体上に、それぞれ相異なる狭帯域波長
の光ビームに対して最高感度を示す異なる色、例えば3
原色の色素形成層、例えば、イエロー色素形成層、マゼ
ンタ色素形成層およびシアン色素形成層を少なくとも一
層ずつ有する感光材料であれば特に制限はないが、例え
ば米国特許第3761270号あるいは同第40212
40号等に記載されている発色現像によって色素を形成
する方式、すなわち色素形成要素として芳香族第一級ア
ミン現像主薬の酸化体とのカップリング反応によって色
素を形成し得る所謂カラーカプラーを用いた感光材料、
米国特許第4500626号、同第4483914号、
同第4503137号、同第4559290号、特開昭
58−149046号、同59−218443号、同6
0−133449号、同61−238056号、欧州特
許公開0210660A2号、同第0220746A2
号あるいは公開技報87−6199号等に記載されてい
る熱現像によって画像状に拡散性の色素を放出または形
成させ、この拡散性の色素を色素固定要素に転写する方
法(この方法では使用する色素供与性化合物の種類また
は使用する感光要素の種類を変えることでネガ画像もポ
ジ画像も得ることができる)、また米国特許第4235
957号等に記載されている感光銀色素漂白法によるポ
ジ画像の形成方法などを適宜使用することができる。
【0047】ところで、本発明において上記感光材料、
特にイエロー色素形成層、マゼンタ色素形成層およびシ
アン色素形成層を少なくとも一層ずつ有する感光材料
に、上記光源、特にレーザー光源などを用いて露光する
際に用いられる変調方式は、オリジナルの画像データ
(原画像または原稿画像の画像データ)に応じた各光源
の露光量に変調できれば、どのような変調方式でもよい
が、例えばオリジナル画像の各画素についての赤
(R)、緑(G)および青(B)の3原色の画像データ
信号を上記各色素形成層を発色させる光ビームを射出す
る光源の露光量、すなわち、シアン(C)、マゼンタ
(M)およびイエロー(Y)発色用光源の露光量に変換
するのが好ましい。ここで、上記感光材料のイエロー色
素形成層、マゼンタ色素形成層およびシアン色素形成層
は、それぞれイエロー発色用光源、マゼンタ発色用光源
およびシアン発色用光源によって最高感度でそれぞれ発
色させるのが好ましい。
【0048】ここで、オリジナル画像のi画素の入力画
像信号Ri 、Gi 、Bi をi画素の出力画像信号(各光
源の露光量信号)Ci 、Mi 、Yi に変換する変換式
は、下記式で表わすことができる。 Ci =f(Ri 、Gi 、Bi ) Mi (Ri 、Gi 、Bi ) Yi (Ri 、Gi 、Bi ) また、この他の画像信号の変換方式としては、例えば、
3×3色補正マトリックスや3次元補間などを用いるこ
とができる。ここで3×3色補正マトリックスによる変
換式は以下のように表わすことができる。
【0049】
【数1】 ここで、a11〜a33は、用いる感光材料、光源およびフ
ィルタ等の特性を考慮した補正係数である。
【0050】ここで、露光量をE、光源の光出力をP、
光源の発光時間すなわち露光時間をtとすると、E=P
×tと表わすことができる。従って、LDなどの光源を
デジタル信号値に応じてパルス状に発光させるデジタル
画像処理方式において、光出力を一定に設定しておき各
画素毎にデジタル信号値に相当する時間だけ連続発光さ
せるパルス幅変調(露光時間変調:PWM)では画像出
力信号(Ci 、Mi 、Yi )はi画素のデジタル露光時
間信号値に相当する。また、露光時間は一定にしておき
デジタル信号値に相当する光出力で各光源を発光させる
発光パワー変調(強度変調:PAM)では画像出力信号
(Ci 、Mi 、Yi )はi画素のデジタル光出力信号値
に相当する。また、光出力および露光1回当りの露光時
間を一定にしておき、各画素毎にデジタル信号値に相当
する回数だけ各光源を発光させる露光回数変調(パルス
数変調:PNM)の場合は、画像出力信号(Ci 、M
i 、Yi )はi画素のデジタル露光回数信号値に相当す
る。
【0051】さらに、本発明においては、画像出力信号
(Ci 、Mi 、Yi )として{(PCi、tCi)、
(PMi、tMi)、(PYi、tYi)}のような光出力Pと
露光時間tとの組み合わせを各画素毎に各色の光源毎に
出力してもよい。
【0052】本発明においては、信号変換手段として3
×3色補正マトリックス演算を行うもの、3次元補間を
行うものを例示したが、これに限定されず、(R、G、
B)入力信号を(C、M、Y)出力信号に変換できるも
のであればいかなるものでもよい。さらに、(R、G、
B)フルカラー入力信号に黒(BK)を加えて4色の信
号を、(C、M、Y)フルカラー出力信号と黒(BK)
出力信号との4色の信号に変換するよう構成してもよ
い。
【0053】本発明の露光量変換方式は、各画素のC、
M、Y各光源の露光量(C、M、Y)を決定し、これら
の露光量に応じて各光源の光出力と露光時間幅または露
光回数を出力するものであるが、これらの変換内容は露
光量特性テーブル(LUT:Look Up Table )としてテ
ーブル化しておくように構成しておいてもよい。
【0054】本発明においては、上記光源、例えばレー
ザー光源を用いて上記感光材料、例えばイエロー色素形
成層、マゼンタ色素形成層およびシアン色素形成層を少
なくとも一層ずつ有する感光材料にオリジナル画像(原
稿画像)を露光する。従って、本発明を実施するには、
それぞれ光源から射出された1つの光ビームによる単独
の露光で最高感度を示す色素形成層をそれぞれ発色させ
る際に、特に、高濃度に発色する色素と余色の関係にあ
る色素を低濃度で発色させる際、この光源の露光量の変
調制御によって前記色素形成層の発色濃度を安定的に視
認限界以下に制御できない感光材料の露光ダイナミック
レンジの範囲、すなわち視認限界以上変動する、例えば
低露光量範囲(低濃度発色範囲)については、他の色素
形成層に対して最高感度を示す光ビームによって発色さ
せるように、感光材料の感光要素の分光感度特性また
は、光源から射出される光ビームの波長、もしくはこの
両者を調整する必要がある。すなわち、本発明において
は光源の露光量の変調制御の最小単位の変化に対する最
高感度乳剤層の発色濃度の変化、すなわち濃度差は、視
認限界濃度以下であることが必要である。ここで、視認
限界濃度(Dv )は通常0.01であるとされるが、例
えば陰影のある真紅の薔薇や赤いビロードの衣服の再現
のように彩度の高い赤系統の画像の細部の陰影の描写を
行う高品質画像においては、視認限界濃度としてさらに
小さい値0.005とするのが好ましい。
【0055】ここで、本発明の画像形成方法に用いられ
るカラー画像の露光方式について説明するが、光源にレ
ーザダイオードを用い、1つのレーザダイオードで上記
感光材料のC、M、Yの1色を最高感度で発色させる場
合を代表例として図面を参照して詳細に説明する。
【0056】本発明に用いられる感光材料は、例えば最
高感度を示す感光層について図1において線で示すよ
うな露光量(logE)−発色濃度(D)特性(感度特
性)を示すものを挙げることができる。ここで、以下の
説明を簡単にするために、この感光材料のC、M、Yに
ついてそれぞれ最高感度を示す感光層(色素形成層)に
ついての感度特性は全て同一であるとし、この時のガン
マ特性値をγ、平均ガンマをγ0 とする。さらに、この
感光材料においては、ある色の高濃度範囲すなわち、高
露光量範囲においてその色と余色の関係にある色の低濃
度の発色が点線で示すように階調を持って付加されてい
る。この余色の感度特性は近似的に平均ガンマをγ0c
表わすことができるものとする。一方、レーザダイオー
ドは図2に示すように光出力(P)が駆動電流Iに対し
て線型な領域aと、線型でない領域bを持つ。このため
レーザダイオードにおいて線型でない低光出力領域b
(P<Pk 、I<Ik )では光出力が十分に安定でなく
正確な光出力に制御するのは難しい。このため、レーザ
ダイオードを用いる画像露光においては、非線型領域b
を使わず、安定な線型領域aの光出力を使って、例えば
パルス幅変調することによって感光材料のダイナミック
レンジの低露光量範囲の露光を達成し、高露光量範囲は
線型領域aの光出力を強度変調して露光することによっ
て、不安定な低露光量、低濃度領域の発色濃度の再現性
を改善する方法がとられている。しかしながら、レーザ
光源などを用いてデジタル露光する際には、低露光量範
囲の制御が難しいという問題があることは前述した通り
である。
【0057】ところで、本発明においては、図1に示す
ような感光材料をデジタル露光するために図2に示すよ
うなレーザダイオードを画像データ(R、G、B)に応
じて変調する場合に得られる露光量データ(C、M、
Y)の1色についての変調制御信号、例えば強度変調で
は光出力信号、パルス幅変調では露光時間幅信号は予め
設定された有限ステップのデジタル値の1つを示すデジ
タル信号である。従って、このようなデジタル変調制御
信号Sは真数的に等差ステップをとるため、露光量Eに
対しては線型をなすが、図3に示すように露光量の対数
値logEに対しては非線型な関係となる。なお、図3
は、変調制御信号Sとして1024ステップの信号S
0 、S1 、S2 、……、Sn (n=1023)を予め設
定し、これに対応して設定される露光量信号E0 、E
1 、E2 、……、En (n=1023)の対数値log
Eを表わしたものである。
【0058】ここで、図1および図3の関係を1つの図
として示したものが図4である。同図から明らかなよう
に、デジタル変調制御信号Sは真数的に変化するもので
あるのに対し、露光量logEは対数的に変化する値で
あるので、低露光量での変調制御信号Sの1ステップの
変化量ΔS(SL とSL +1の間の差)と高露光量での
ΔS(Sk とSk+1 との間の差)は等しいが、これらに
対応する露光量logEの変化量ΔlogE2 (log
L −logEL+1 )はΔlogE1 (logEk −l
ogEk+1 )よりも大きい。このためこれらの露光量で
図4に示す感度特性の感光材料と露光して再生した場合
の濃度差ΔD2 (DL −DL+1 )はΔD1 (Dk −D
k+1 )より大きく、このΔD1 が視認限界濃度差より大
きくなってしまっていたことは前述した通りである。こ
のため本発明においては、ΔDが視認限界濃度DV 以上
となる露光量範囲については他の光源、例えば、当該色
と余色の関係にある色系形成層を最高感度で発色させる
光源によって発色させる。
【0059】ここで、例えばレーザー光の単独の露光で
ある色素形成層を最高感度で発色させない露光量範囲
は、このレーザー光により得られる最大露光量Emax
最小露光量Emin で感光材料を露光したときの最大濃度
max と最小濃度Dmin との間の平均カンマγO と、最
大露光量Emax から最小露光量Emin まで順次レーザー
光を変調し露光量が少なくなる順に0からnまで番号付
けられた変調制御信号S0 ,S1 ,S2 ,S3 ,…,S
n により得た露光量E0 (Emax ),E1 ,E2,E
3 ,…,En (Emin )との関係が下式を充足する、変
調制御信号Sの番号n0より大きな番号nLの変調制御
信号Sに対応する露光量領域である。γ0 log(Eno/E
n0+1)>DV(0.005)> γ0 log(En0-1/E n0
【0060】本発明の画像形成方法においては、特に、
高純度の高濃度発色部中の微妙な陰影を安定的に表現す
るために、図1および図4に示すようにある色素を高濃
度発色させる際に必要となるその余色の関係にある色素
の低濃度の発色をこの余色の色素を最高感度で発色させ
る光源の変調制御によって安定的に実現することができ
ない範囲において、前記高濃度発色をする光源によって
発色させている。例えば、最も目立つのは赤いバラの影
のように高濃度の赤色に陰影を入れたい場合には高濃度
に発色するマゼンタ(M)中に低濃度のシアン(C)を
付加する。すなわち、図4において、実線で示す平均ガ
ンマγ0 の感度特性を示す感光層をマゼンタ(M)色素
形成層(以下、M発色層という)とする時、マゼンタ
(M)と余色の関係にあるシアン(C)色素形成層(C
発色層)は、前記M発色層を最高感度で発色させる波長
を持つレーザー光を射出するレーザダイオード(以下、
M発色用LDという)に対して点線で示す平均ガンマγ
0cの感度特性を示す感光層として表わすことができる。
【0061】図4から明らかなように、マゼンタを高濃
度で発色させる際のM発色用LDの変調制御信号SをS
k からSk+1 までΔSだけ変化させた時、マゼンタは高
発色濃度Dk からDk+1 までΔD1 だけ変化するがΔD
1 は視認限界濃度Dv 以下であるのはもちろん、同時に
発色するC発色層の濃度は低濃度D´k からD´k+1
で変化するが、その変化量ΔD3 はC発色用LDの単独
の露光による変調制御信号Sの同じ変化量(ΔS)に対
するC発色層の発色濃度の変化量ΔD2 に比べて大幅に
小さくすることができる。このためたとえ、濃度差ΔD
2 が視認限界濃度Dv より大であっても、濃度差ΔD3
は視認限界濃度Dv より小さくすることができる。
【0062】従って、本発明においては、M発色用LD
の単独の露光によって高濃度のマゼンタの発色と、この
M発色中に極めて低濃度のシアンの発色を正確かつ安定
して制御することができるので、同時にイエロー(Y)
発色用LDの単独の露光によってマゼンタと同じ高濃度
のイエローの発色を行うことにより、真紅の薔薇のよう
に高濃度の赤色中に入る微妙な陰影を正確かつ安定して
表現することができる。なお、M発色用LDの単独の露
光によって発色するシアンの発色濃度以上に、シアンを
発色させる必要がある場合は、その差の分だけC発色用
LDの露光によって発色させるが、全シアン発色濃度は
微妙な陰影を表現する極く低濃度領域から外れた濃度で
あるので、C発色用LDの変調制御にわずかなもしくは
多少の変動が生じ、たとえC発色用LDの単独の露光に
よりシアン発色濃度が変動しても、全シアン発色濃度の
変動は緩和され、目立たないものとなる。
【0063】上記の例では、真紅の薔薇、赤いビロード
の衣服、真赤なスポーツカーなどを表現するためにM発
色用LDなどの1つの光源の単独の露光で高濃度のマゼ
ンタ(M)中に、低濃度のシアン(C)を階調性を持っ
て発色させる場合について説明したが、本発明はこれに
限定されず、森林の深い緑や木の緑の影などの高濃度の
緑に微妙な陰影を入れる場合のように高濃度のC(シア
ン)中に低濃度のマゼンタ(M)を付加する場合、菊の
花弁の描写のように高濃度のイエロー(Y)に低濃度の
シアン(C)もしくはマゼンタ(M)を付加する場合な
どのように高濃度の発色の部分にこれと余色の関係にあ
る、極く微妙な低濃度の発色をさせる場合であれば、ど
のような組み合わせであってもよい。また、上述の例で
は、1つの光源の単独の露光で発色させることのできる
発色層は、最高感度の発色層とその他に低濃度の発色層
との2つであるが、本発明はこれに限定されず、低濃度
の発色層はいくつあってもよい。さらに、複数の発色層
を単独の露光で発色させることの可能な光源は、1個の
光源に限定されず2個以上の光源であってもよい。
【0064】上述したように、本発明を実施するには、
これらの感光材料の感光要素の分光感度特性および/ま
たはレーザー光源の波長を調整し、少なくとも一種存在
する単独の露光で複数の乳剤層を発色させることのでき
る光源を単独で露光させることによって発色した複数の
乳剤層のうち最も高感度な乳剤層の露光ダイナミックレ
ンジの範囲内でその感光層に対応する発色色素と余色の
関係にある色素の少なくとも一種が階調を有して付加さ
れるようにする必要がある。そうでない場合には、例え
ば露光ダイナミックレンジ以内に余色が付加されない場
合には得られる画像の陰影の再現が変動しやすい。
【0065】本発明においては、1つの光源の単独の露
光による高濃度の発色(最高感度を示す発色層の発色)
と余色の関係にある色素(発色層)の低濃度の発色は、
前記高濃度の発色の発色色素の発色濃度1.5から2.
5の間に設定された一定値以上の濃度領域において、階
調性を有して付加されるのが好ましい。ここで、発色濃
度が1.5未満において余色が付加されると、再生画像
に混色による濁りが発生してしまい純色の彩度が低下し
画質を劣化させる。また、発色濃度が2.5超において
余色が付加されると、陰影描写を十分に行なうことがで
きない。
【0066】本発明においては、先に述べた発色現像方
式を好ましく用いることができる。従って、この発色現
象によって色素を形成する方式を適用する感光材料とし
ては、支持体上にイエロー色素形成層、マゼンタ色素形
成層およびシアン色素形成層を少なくとも一層ずつ有
し、その色素形成層に含まれる色素形成要素として芳香
族第一級アミン現像主薬の酸化体とのカップリング反応
によって色素を形成し得る所謂カラーカプラーを用いた
感光材料を用いるのが好ましい。
【0067】ここで、高純度高濃度発色における陰影が
最も重要なものは、前述したように赤である。従って、
本発明においては、マゼンタの高濃度の発色中に低濃度
のシアンを付加するのが最も効果が大きい。従って、前
記感光材料中のマゼンタ色素形成層に含まれる色素形成
要素、すなわちマゼンタカプラーが、上述の発色現象方
式を用いる、すなわち上述のカップリング反応によって
マゼンタ色素を形成する化合物である場合、用いるマゼ
ンタカプラーの発色色相が、マゼンタ単色で発色させて
感光材料の吸収スペクトルのプロファイルにおいて下記
の関係式を満足する場合には、本発明の効果がより顕著
に現れる。感光材料が反射支持体を用いている場合は、 K(br)≦0.56であるかまたはK(rr)≦0.
18であり、感光材料が透過支持体を用いている場合
は、 K(bt)≦0.44であるかまたはK(rt)≦0.
09である。
【0068】上記の関係式を満たさない場合には、得ら
れるマゼンタ色素の色相が濁っており、純度の高い赤系
統の色を再現するのに好ましくない。しかしながら、上
記の関係式を満足する、赤系統の色再現に好ましいカプ
ラー/色素を用いた場合には、往々にして出力画像の陰
影の再現が変動し易くなり問題となる。感光材料の分光
感度や光源の波長を調整して本発明の規定を満足させる
ように構成することでこの問題は解決され、優れた色再
現と安定した陰影再現とを両立させることができる。
【0069】また、本発明に用いられる感光材料のマゼ
ンタ色素形成層に含まれるマゼンタカプラーとしては、
前述の一般式(I)で表わされる化合物を用いるのが好
ましい。このようなマゼンタカプラーを用いることによ
り、純度の高い赤系統の色の再現と、上述した低温度の
シアン発色と高温度のマゼンタ発色とを同一光源での露
光によって同時に達成することでの微妙な陰影の再現と
を両立させることが可能となる。
【0070】一般式(I)で表わされるマゼンタカプラ
ーの具体例を以下に示すが、これらに限定されるもので
はない。
【0071】
【化3】
【0072】
【化4】
【0073】
【化5】
【0074】
【化6】
【0075】
【化7】
【0076】
【化8】
【0077】
【化9】
【0078】
【化10】
【0079】
【化11】
【0080】
【化12】
【0081】
【化13】
【0082】
【化14】
【0083】
【化15】
【0084】
【化16】
【0085】
【化17】
【0086】
【化18】
【0087】
【化19】
【0088】以下に、本発明に用いられる感光材料につ
いてさらに説明する。
【0089】本発明に用いる感光材料に用いられるハロ
ゲン化銀乳剤としては、赤外分光増感感度を高めたり、
安定性を高めたりする目的で、特開平03−84545
号に記載されているような乳剤表面に0.01〜3モル
%の沃化銀を含有した高塩化銀粒子が好ましく用いられ
る。また現像処理時間を速めるために実質的に沃化銀を
含まない塩臭化銀もしくは塩化銀よりなるものを好まし
く用いることができる。ここで実質的に沃化銀を含まな
いとは、沃化銀含有率が1モル%以下、好ましくは0.
2モル%以下のことを言う。乳剤のハロゲン組成は粒子
間で異なっていても等しくても良いが、粒子間で等しい
ハロゲン組成を有する乳剤を用いると、各粒子の性質を
均質にすることが容易である。また、ハロゲン化銀乳剤
粒子内部のハロゲン組成分布については、ハロゲン化銀
粒子のどの部分をとっても組成の等しい所謂均一型構成
の粒子や、ハロゲン化銀粒子内部のコア(芯)とそれを
取り囲むシェル(殻)[一層または複数層]とでハロゲ
ン組成の異なる所謂積層型構造の粒子あるいは、粒子内
部もしくは表面に非層状にハロゲン組成の異なる部分を
有する構造(粒子表面にある場合は粒子のエッジ、コー
ナーあるいは面上に異組成の部分が接合した構造)の粒
子などを適宜選択して用いることができる。高感度を得
るには、均一型構造の粒子よりも後二者のいずれかを用
いることが有利であり、耐圧力性の面からも好ましい。
ハロゲン化銀粒子が上記のような構造を有する場合に
は、ハロゲン組成において異なる部分の境界部は、明確
な境界であっても、組成差により混晶を形成して不明確
な境界であっても良く、また積極的に連続的な構造変化
を持たせたものであっても良い。
【0090】また、迅速処理に適した感光材料には塩化
銀含有率の高い所謂高塩化銀乳剤が好ましく用いられ
る。本発明においては高塩化銀乳剤の塩化銀含有率は9
5モル%以上が好ましく、97モル%以上が更に好まし
い。
【0091】こうした高塩化銀乳剤においては臭化銀局
在相を先に述べたような層状もしくは非層状にハロゲン
化銀粒子内部および/または表面に有する構造のものが
好ましい。上記局在相のハロゲン組成は、臭化銀含有率
において少なくとも10モル%のものが好ましく、20
モル%を越えるものがより好ましい。そして、これらの
局在相は、粒子内部、粒子表面のエッジ、コーナーある
いは面上にあることができるが、一つの好ましい例とし
て、粒子のコーナー部にエピタキシャル成長したものを
挙げることができる。
【0092】また、現像処理液の補充量を低減する目的
でハロゲン化銀乳剤の塩化銀含有率を更に高めることも
有効である。このような場合にはその塩化銀含有率が9
8モル%〜100モル%であるような、ほぼ純塩化銀の
乳剤も好ましく用いられる。
【0093】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれ
るハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積
と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均を
とったもの)は、0.1μ〜2μが好ましい。
【0094】また、それらの粒子サイズ分布は変動係数
(粒子サイズ分布の標準偏差を平均粒子サイズで除した
もの)20%以下、望ましくは15%以下の所謂単分散
なものが好ましい。このとき、広いラチチュードを得る
目的で上記の単分散乳剤を同一層にブレンドして使用す
ることや、重層塗布することも好ましく行われる。
【0095】写真乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の形
状は、立方体、十四面体あるいは八面体のような規則的
な(regular) 結晶形を有するもの、球状、板状などのよ
うな変則的な(irregular) 結晶形を有するもの、あるい
はこれらの複合形を有するものを用いることができる。
また、種々の結晶形を有するものの混合したものからな
っていても良い。本発明においてはこれらの中でも上記
規則的な結晶形を有する粒子を50%以上、好ましくは
70%以上、より好ましくは90%以上含有するのが良
い。
【0096】また、これら以外にも平均アスペクト比
(円換算直径/厚み)が5以上、好ましくは8以上の平
板状粒子が投影面積として全粒子の50%を越えるよう
な乳剤も好ましく用いることができる。
【0097】本発明に用いる塩臭化銀乳剤は、P. Glafk
ides著 Chimie et Phisique Photographique ( Paul Mo
ntel社刊、1967年)、G. F. Duffin著 Photographi
c Emulsion Chemistry ( Focal Press社刊、1966
年)、V. L. Zelikman et al著Making and Coating Pho
togaraphic Emulsion ( Focal Press社刊、1964
年)などに記載された方法を用いて調整することができ
る。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいず
れでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応
させる形式としては、片側混合法、同時混合法、および
それらの組合せなどのいずれの方法を用いても良い。粒
子を銀イオン過剰の雰囲気の下において形成させる方法
(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合
法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成する液相中の
pAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロー
ルド・ダブルジェット法を用いることもできる。この方
法によると、結晶形が規則的で粒子サイズ均一に近いハ
ロゲン化銀乳剤を得ることができる。
【0098】本発明のハロゲン化銀粒子の局在相または
その基質には、異種金属イオンまたはその錯イオンを含
有させることが好ましい。主として局在相にはイリジウ
ム、ロジウム、鉄などから選ばれるイオンまたはその錯
イオン、または主として基質にはオスミウム、イリジウ
ム、ロジウム、白金、ルテニウム、パラジウム、コバル
ト、ニッケル、鉄などから選ばれた金属イオンまたはそ
の錯イオンを組合せて用いることができる。また局在相
と基質とで金属イオンの種類と濃度をかえて用いること
ができる。これらの金属は複数種用いても良い。
【0099】また、更にカドミウム、亜鉛、鉛、水銀、
タリウム等の金属イオンを用いることもできる。
【0100】レーザー等による走査露光用感光材料に使
用するハロゲン化銀乳剤は高照度露光に適し、レーザー
の露光制御範囲で必要濃度が出せる階調が必要である。
更に赤外半導体レーザーを使用する場合は赤外分光増感
することが必要であり、保存性を改良する必要がある。
これらの目的には、上記金属イオンのうち特にイリジウ
ム、ロジウム、ルテニウム、あるいは鉄のイオンあるい
は錯イオンを使用することが非常に有用である。これら
の金属イオンあるいは錯イオンの使用量は、ドープ基体
のハロゲン化銀乳剤組成、サイズ、ドープ位置等により
大きく異なるが、イリジウム、ロジウムイオンはそれぞ
れは銀1モルあたり、5×10-9モル〜1×10-4モル
が好ましく、鉄イオンは銀1モルあたり1×10-7モル
〜5×10-3モルが好ましく使用される。
【0101】これらの金属イオン提供化合物は、ハロゲ
ン化銀粒子形成時に、分散媒になるゼラチン水溶液中、
ハロゲン化物水溶液中、銀塩水溶液中またはその他の水
溶液中、あるいはあらかじめ金属イオンを含有せしめた
ハロゲン化銀微粒子の形で添加しこの微粒子を溶解させ
る、等の手段によって本発明のハロゲン化銀粒子の局在
相および/またはその他の粒子部分(基質)に含有せし
める。
【0102】本発明で用いられる金属イオンを乳剤粒子
中に含有させるには、粒子形成前、粒子形成中、粒子形
成直後のいずれかでおこなうことができる。これは金属
イオンを粒子のどの位置に含有させるかによって変える
ことができる。
【0103】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
通常化学増感および分光増感を施される。
【0104】化学増感法については、カルコゲン増感剤
を使用した化学増感(具体的には不安定硫黄化合物の添
加に代表される硫黄増感あるいはセレン化合物によるセ
レン増感、テルル化合物によるテルル増感があげられ
る。)、金増感に代表される貴金属増感、あるいは還元
増感などを単独もしくは併用して用いることができる。
化学増感に用いられる化合物については、特開昭62−
215272号公報の第18頁右下欄〜第22頁右上欄
に記載のものが好ましく用いられる。
【0105】本発明に用いる乳剤は、潜像が主として粒
子表面に形成される所謂表面潜像型乳剤である。
【0106】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感
光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶり
を防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種
々の化合物あるいはそれ等の前駆体を添加することがで
きる。これらの化合物の具体例は前出の特開昭62−2
15272号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載の
ものが好ましく用いられる。
【0107】分光増感は、本発明の感光材料における各
層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する
目的で行われる。本発明においては、露光にレーザーや
LED等の単色高密度光を使用することを目的としてお
り、これらの光束の波長に合わせて分光増感することが
必要である。この光束に合わせて分光増感するとは、こ
の光束の波長において分光感度を有するような増感色素
を用いて分光増感することを意味しており、必ずしも分
光増感感度極大がこの光束の波長に一致することのみを
意味していない。これらの光束による感度、および色分
離の観点からはこの光束波長と分光感度極大波長が一致
することが好ましいが、レーザーの温度変化による波長
および強度等の変動による感度変動を小さくする目的
で、意図的に光束波長と分光感度極大波長とをずらして
設計することも好ましく行われる。本発明においては、
本発明の対象になる感光層以外の感光層においても、目
的とする分光感度に対応する波長域の光を吸収する色素
(分光増感色素)を添加することで行うことが好まし
い。これらの分光増感に用いられる分光増感色素として
は例えば、F. M. Harmer著 Heterocyclic compounds-Cy
anine dyes and relaredcompounds ( John Wiley & Son
s [ New York, London ] 社刊、1964年)に記載さ
れているものを挙げることができる。具体的な化合物の
例ならびに分光増感法は、前出の特開昭62−2152
72号公報の第22頁右上欄〜第38頁に記載のものが
好ましく用いられる。
【0108】本発明においてディジタル露光用光源とし
て半導体レーザーを使用する場合、赤から赤外域を効率
よく分光増感する必要がある。特に730nm以上の領
域を分光増感するためには、特開平03−15049号
12頁左上欄〜21頁左下欄、あるいは特開平03−2
0730号4頁左下欄〜15頁左下欄、EP−0,42
0,011号4頁21行〜6頁54行、EP−0,42
0,012号4頁12行〜10頁33行、EP−0,4
43,466号、US−4,975,362号に記載の
増感色素のが好ましく使用される。これらの増感色素
は、化学的に比較的安定で、ハロゲン化銀粒子表面に比
較的強く吸着し、共存するカプラー等の分散物による脱
着に強い特徴がある。赤外増感用増感色素としては、と
くに還元電位が−1.05(VvsSCE)またはそれ
より卑の値を有する化合物が好ましく、なかでも還元電
位が−1.10またはそれより卑の値の化合物が好まし
い。この特性をもつ増感色素は、高感化、とくに感度の
安定化や潜像の安定化に有利である。
【0109】還元電位の測定は位相弁別式第二高調波交
流ポーラログラフィーで行える。作用電極に水銀滴下極
を、参照極には飽和カロメル電極を、更に対極に白金を
用いて行なう。
【0110】また作用電極に白金を用いた位相弁別第二
高調波交流ボルタンメトリーによる還元電位の測定は
「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」( Jo
urnalof Imaging Science )、第30巻、27〜35頁
(1986年)に記載されている。
【0111】これら分光増感色素をハロゲン化銀乳剤中
に含有せしめるには、それらを直接乳剤中に分散しても
よいし、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に
溶解して乳剤へ添加してもよい。また、特公昭44−2
3389号、特公昭44−27555号、特公昭57−
22089号等に記載のように酸または塩基を共存させ
て水溶液としたり、米国特許3822135号、米国特
許4006025号等に記載のように界面活性剤を共存
させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤
へ添加してもよい。また、フェノキシエタノール等の実
質上水と非混和性の溶媒に溶解したのち、水または親水
性コロイドに分散したものを乳剤に添加してもよい。特
開昭53−102733号、特開昭58−105141
号に記載のように親水性コロイド中に直接分散させ、そ
の分散物を乳剤に添加してもよい。乳剤中に添加する時
期としては、これまで有用であると知られている乳剤調
製のいかなる段階であってもよい。つまりハロゲン化銀
乳剤の粒子形成前、粒子形成中、粒子形成直後から水洗
工程に入る前、化学増感前、化学増感中、化学増感直後
から乳剤を冷却固化するまで、塗布液調製時、のいずれ
から選ぶことができる。もっとも普通には化学増感の完
了後、塗布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3
628969号、および同第4225666号に記載さ
れているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感を
化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−1139
28号に記載されているように化学増感に先立って行な
うこともでき、またハロゲン化銀粒子沈殿生成の完了前
に添加し分光増感を開始することもできる。更にまた米
国特許第4225666号に教示されているように分光
増感色素を分けて添加すること、すなわち一部を化学増
感に先立って添加し、残部を化学増感の後で添加するこ
とも可能であり、米国特許第4183756号に教示さ
れている方法を始めとしてハロゲン化銀粒子形成中のど
の時期であってもよい。この中で特に乳剤の水洗工程前
或は化学増感前に増感色素を添加することが好ましい。
【0112】これらの分光増感色素の添加量は場合に応
じて高範囲にわたり、ハロゲン化銀1モルあたり0.5
×10-6モル〜1.0×10-2モルの範囲が好ましい。
更に好ましくは、1.0×10-6モル〜5.0×10-3
モルの範囲である。
【0113】本発明において、特に赤域から赤外域に分
光増感感度を有する増感色素を使用する場合、特開平0
2−157749号13頁右下欄〜22頁右下欄記載の
化合物を使用することが好ましい。これらの化合物を使
用することで、特異的に感材の保存性および処理の安定
性、強色増感効果を高めることができる。なかでも同特
許中の一般式(IV)、(V)および(VI)の化合物を併用し
て使用することが特に好ましい。これらの化合物はハロ
ゲン化銀1モル当り0.5×10-5モル〜5.0×10
-2モル、好ましくは5.0×10-5モル〜5.0×10
-3モルの量が用いられ、増感色素1モルあたり1倍〜1
0000倍、好ましくは2倍〜5000倍の範囲に有利
な使用量がある。
【0114】本発明においては、分光感度域や感度を増
感色素の選択、添加量、添加方法を変えることで調整す
ることができる。
【0115】本発明に用いられる感光材料の構成につい
て説明する。本発明の感光材料は支持体上に少なくとも
3層のハロゲン化銀乳剤層を有していることが必要であ
る。本発明の感材は、ガスレーザー、発光ダイオード、
半導体レーザー等の単色高密度光を用いたディジタル走
査露光に使用される。システムをコンパクトで、安価な
ものにするために半導体レーザーを使用することが特に
好ましい。この安価で安定性の高い、コンパクトな半導
体レーザーを使用するためには、少なくとも2層が67
0nm以上に分光感度極大を有していることが好まし
い。これは、入手可能な安価で、安定な半導体レーザー
の発光波長域が現在赤から赤外領域にしかないためであ
る。しかしながら実験室レベルでは、緑や青域の半導体
レーザーの発振が確認されており、半導体レーザーの製
造技術が発達すればこれらの半導体レーザーを安価に安
定に使用することができるであろうことは十分に予想さ
れる。このような場合は、少なくとも2層が670nm
以上に分光感度極大を有する必要性は小さくなる。
【0116】本発明の感光材料中の感光層はフルカラー
ハードコピー用としては、支持体上に少なくとも3種の
感色性の異なるハロゲン化銀感光層を有し、それぞれの
層はイエロー、マゼンタ、あるいはシアンに発色あるい
はそれらの色素を供与できる化合物を含有することが好
ましい。この3種の異なる分光感度は、ディジタル露光
に用いる光源の波長によって任意に選択することが可能
であるが、最近接の分光感度極大が少なくとも30nm
以上離れていることが好ましい。この少なくとも3種の
異なる分光感度極大をもつ感光層(λ1、λ2、λ3)
に含有される色素形成要素(Y、M、C)との対応関係
は特に制約はない。つまり3×2=6通りの組合せが可
能であるが、人間の目の解像力の観点から最長波感光層
をイエロー発色層とすることが好ましい場合もある。ま
たこの少なくとも3種の異なる分光感度極大を持つ感光
層の支持体側からの塗布順番についても特に制約はない
が、迅速処理の観点から平均サイズが最も大きいハロゲ
ン化銀粒子を含む感光層が最上層にくることが好ましい
場合もある。更に、シャープネスの観点から最長波分光
感度を有する感光層が最上層にくることが好ましい場合
もある。更にハードコピーの光照射下等での保存性の観
点から最下層をマゼンタ発色層にすることが好ましい場
合もある。従って、この3種の異なる分光感度と、3種
の発色カプラー、層順との可能な組合せは、36通りで
ある。本発明はこの36通りの感光材料すべてに有効に
用いることができる。表1にディジタル露光光源と、分
光感度極大、発色カプラーの具体的な例を示すがこれに
限定されるものではない。
【0117】
【表1】
【0118】本発明における露光について説明する。本
発明における感光材料はレーザーやLEDのような高密
度ビーム光を感光材料に対して相対的に移動させること
で画像を露光する走査式のディジタル露光に用いられる
ことを目的としている。したがって、感光材料中のハロ
ゲン化銀が露光される時間とは、ある微小面積を露光す
るのに要する時間となる。この微小面積としてはそれぞ
れのディジタルデータから光量を制御する最小単位を一
般的に使用し、画素と称している。したがって、この画
素の大きさで画素当りの露光時間は変わってくる。この
画素の大きさは、画素密度に依存し現実的な範囲として
は、50〜2000dpiである。露光時間はこの画素
密度を400dpiとした場合の画素サイズを露光する
時間として定義すると好ましい露光時間としては10-4
秒以下、更に好ましくは10-6秒以下の場合である。
【0119】本発明に係わる感光材料には、本発明の構
成の染料以外にセーフライト安全性等を向上させる目的
で親水性コロイド層に、欧州特許EP0337490A
2号明細書の第27〜76頁に記載の、処理により脱色
可能な染料(オキソノール染料、シアニン染料)を併用
添加することが可能である。これらの染料は、使用量を
増やすと色分離を悪化するため、使用量に注意すること
が必要である。また、これらの染料を使用する場合は、
最長波感光層の分光感度極大に重なるような吸収を有す
る染料を選択して使用することが好ましい。これらの染
料と本発明の染料とを併用して該感材のレーザー波長に
おける光学濃度(透過光の逆数の対数)(反射支持体の
場合は反射濃度)が、0.5以上になるようにすること
がシャープネスを向上するために好ましい。更にシャー
プネスを向上させるために、支持体の耐水性樹脂層中に
2〜4価のアルコール類(例えばトリメチロールエタ
ン)等で表面処理された酸化チタンを12重量%以上
(より好ましくは14重量%以上)含有させることが好
ましい。更に、特開平01−239544号に記載され
ているようにアンチハレーション層にコロイド銀を使用
することも好ましい。
【0120】また、本発明に係わる感光材料として発色
現像方式の感光材料を用いる場合には、カプラーと共に
欧州特許EP0277589A2号明細書に記載のよう
な色像保存性改良化合物を使用することが好ましい。特
にピラゾロアゾールカプラーとの併用が好ましい。
【0121】即ち、発色現像処理後に残存する芳香族ア
ミン系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(F)および/
または発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現
像主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(G)を同時ま
たは単独に用いることが、例えば処理後の保存における
膜中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反
応による発色色素生成によるステイン発生その他の副作
用を防止する上で好ましい。
【0122】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号公報に
記載のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0123】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディス
プレイが鑑賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0124】更に本発明に係わる感光材料に用いられる
支持体としては、透明支持体も好ましく用いられる。こ
の際アンチハレーション層を支持体のハロゲン化銀乳剤
層塗布側または裏面に塗設することが好ましい。
【0125】露光済みの感光材料は慣用の白黒またはカ
ラー現像処理が施されうるが、カラー感光材料の場合に
は迅速処理の目的からカラー現像の後、漂白定着処理す
るのが好ましい。特に前記高塩化銀乳剤が用いられる場
合には、漂白定着液のpHは脱銀促進等の目的から約
6.5以下が好ましく、更に約6以下が好ましい。
【0126】本発明に係わる感光材料に適用されるハロ
ゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真
構成層(層配置など)、並びにこの感材を処理するため
に適用される処理法や処理用添加剤としては、下記の特
許公報、特に欧州特許EP0,355,660A2号
(特願平01−107011号)明細書に記載されてい
るものが好ましく用いられる。
【0127】
【表2】
【0128】
【表3】
【0129】
【表4】
【0130】
【表5】
【0131】
【表6】
【0132】また、シアンカプラーとしては、特開平0
2−33144号公報に記載のジフェニルイミダゾール
系シアンカプラーの他に、欧州特許EP0333185
A2号明細書に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアン
カプラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー
(42)の4当量カプラーに塩素離脱基をもたせて2当
量化したものや、カプラー(6)や(9)が特に好まし
い)や特開昭64−32260号公報に記載された環状
活性メチレン系シアンカプラー(なかでも具体例として
列挙されたカプラー3、8、34が特に好ましい)の使
用も好ましい。
【0133】本発明のカラー感材の処理方法としては、
特開平02−207250号に記載の方法が好ましい。
【0134】本発明に適用されうるカラー現像液の処理
温度は20〜50℃、好ましくは30〜45℃である。
処理時間は実質的に20秒以内であるのが好ましい。補
充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2 当たり2
0〜600mlが適当であり、好ましくは50〜300
mlである。更に好ましくは60〜200ml、最も好
ましくは60〜150mlである。
【0135】本発明では現像時間は実質的に20秒以内
であることが好ましいが、ここでいう「実質的に20
秒」とは、現像液槽に感光材料が入った時から、次の槽
に感光材料が入るまでの時間を指し、現像液槽から次槽
への空中の渡り時間も含んでいるものとする。
【0136】水洗工程または安定化工程の好ましいpH
4〜10であり、更に好ましく5〜8である。温度は感
光材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には3
0〜45℃、好ましくは35〜42℃である。時間は任
意に設定できるが、短い方が処理時間の低減の見地から
望ましい。好ましくは10〜45秒、更に好ましくは1
0〜40秒である。補充量は、少ない方がランニングコ
スト、排出量低減、取扱い性等の観点で好ましい。
【0137】具体的な好ましい補充量は、感光材料の単
位面積当たり前浴からの持込み量の0.5〜50倍、好
ましくは2〜15倍である。または感光材料1m2 当た
り300ml以下、好ましくは150ml以下である。
また補充は連続的に行っても、間欠的に行ってもよい。
【0138】水洗および/または安定化工程に用いた液
は、更に前工程に用いることもできる。この例として多
段向流方式によって削減した水洗水のオーバーフロー
を、その前浴の漂白定着浴に流入させ、漂白定着浴には
濃縮液を補充して、廃液量を減らすことが挙げられる。
【0139】次に、本発明に使用可能な乾燥工程につい
て説明する。
【0140】本発明の超迅速処理で画像を完成させるた
めに乾燥時間も20秒から40秒が望まれる。この乾燥
時間を短くする手段として、感光材料側の手段として
は、ゼラチンなどの親水性バインダーを減量することで
膜への水分の持込み量を減じることでの改善が可能であ
る。また持込み量を減量する観点から水洗浴から出た後
すぐにスクイズローラや布などで水を吸収することで乾
燥を早めることも可能である。乾燥機からの改善手段と
しては、当然のことではあるが、温度を高くすることや
乾燥風を強くすることなどで乾燥を早めることが可能で
ある。更に、乾燥風の感光材料への送風角度の調整や、
排出風の除去方法によっても乾燥を早めることができ
る。
【0141】以下、添付図面を参照して本発明の一実施
態様を説明する。ただし本発明は本実施態様のみに限定
されない。
【0142】図5は本発明の実施態様である銀塩写真式
カラーペーパーを用いた画像形成装置の概略構成図であ
る。本画像形成装置はカラーペーパーを露光した後、現
像、漂白定着、水洗した後に乾燥して、カラーペーパー
上に画像を形成するものである。本画像形成装置に用い
るカラーペーパー(以下、感光材料という)は、95モ
ル%以上の塩化銀を含有するハロゲン化銀乳剤を支持体
上に少なくとも1層有するカラー写真感光材料であり、
芳香族第1級アミン発色現像主薬を含有する発色現像液
により発色現像される。
【0143】画像形成装置本体10には露光装置30
0、現像12、漂白定着14、水洗16、水切り
部17、乾燥部18が連続して設けられ、露光後の感光
材料20は現像、漂白定着、水洗後に乾燥されて本体1
0から搬出される。現像槽12、漂白定着槽14、水洗
槽16、水切り部17、乾燥部18には、感光材料20
を挟持して各処理部を搬送する搬送ローラ対24が設け
られている。また、水切り部17における搬送ローラ対
24は、感光材料20上の水滴をスクイズ、吸収等によ
り除去する機能を有する除水ローラを兼ねている。感光
材料20は搬送ローラ対24により乳剤面を下にして挟
持搬送されながら処理液に所定時間浸漬されることによ
り発色現像処理される。現像槽12、漂白定着槽14お
よび水洗槽16には、処理液を強い勢いで噴出して処理
槽内に高速噴流を生じさせる処理液噴出部材30が、所
定箇所に設けられている。現像槽12、漂白定着槽14
および水洗槽16に対応してそれぞれポンプ32が設け
られ、各処理液は、ポンプ32により循環されながら処
理液噴出部材30により感光材料20に向けて噴出され
る。
【0144】図6は露光装置300の構成図である。
【0145】露光装置300は3色の光を一組として発
光し、感光材料20を露光する。露光装置300は、コ
ンピュータ等に接続される画像処理装置240により処
理される画像データに基づいて、駆動回路242、24
4、246が各半導体レーザ251、252、253を
駆動することにより感光材料20を露光する。
【0146】露光装置300において、マゼンタを発色
させるための光は、波長750nmのレーザ光を射出す
る半導体レーザ251によって形成される。半導体レー
ザ251は、例えばシャープ(株)LT030MFであ
る。半導体レーザー251から射出された波長750n
mのレーザ光はコリメータレンズ258を通って整形さ
れ、全反射ミラー261によってポリゴンミラー270
に向けて反射される。
【0147】シアンを発色させるための光は、波長83
0nmのレーザ光を射出する半導体レーザ252によっ
て形成される。半導体レーザ252から射出された波長
830nmのレーザ光は、コリメータレンズ259を通
って整形され、マゼンタを発色させるための光を通過さ
せシアンを発色させるための光を反射するダイクロイッ
クミラー262によってポリゴンミラー270に向けて
反射される。半導体レーザ252は、例えば(株)東芝
製TOLD152R、シャープ(株)製LT010MF
である。
【0148】イエローを発色させるための光は、波長6
70nmのレーザ光を射出する半導体レーザ253によ
って形成される。半導体レーザ253は、例えば(株)
東芝製TOLD9200、日本電気(株)製NDL32
00、ソニー(株)製SLD151Uである。半導体レ
ーザ253が射出した波長670nmのレーザ光は、コ
リメータレンズ260を通って整形され、マゼンタを発
色させるための光およびシアンを発色させるための光を
通過させイエローを発色させるための光を反射するダイ
クロイックミラー263によってポリゴンミラー270
に向けて反射される。
【0149】上述のシアン、マゼンタ、イエローを発色
させるための光は同一の光路264を経てポリゴンミラ
ー270によって反射され、fθレンズ280を通って
さらにミラー290に反射されて感光材料20に達す
る。そしてポリゴンミラー270が軸271を中心に回
転することにより、画像光は感光材料20を走査露光す
る。そして、感光材料20がレーザ光の走査方向と略直
交する方向(矢印Aで示す)に移動することにより副走
査されて画像が形成される。ここで、露光中の感光材料
20の移動速度は現像工程中の移動速度と等しく、感光
材料20の露光部分は等しい時間経過後に現像処理が開
始される。
【0150】また、上記露光装置300はコンピュータ
等により処理された画像情報に基づいて感光材料20を
露光する構成であるが、画像処理装置240に図示しな
い画像読取装置を接続し、原稿を読み取って得た画像情
報に基づいて感光材料20を露光する構成とすることも
できる。
【0151】画像処理装置240においては、前述した
ように3×3色補正マトリックスや3次元補間などの変
換式によってi画素の入力画像信号Ri、Gi、Biを
i画素の出力画像信号Ci、Mi、Yiに変換している
が、出力画像信号Ci、Mi、Yiはi画素の、それぞ
れ、C発色用LD、M発色用LD、Y発色用LDの露光
量の信号を表すものであり、必ずしもi画素のC、M、
Yの発色濃度を直接的に示すものではない。すなわち、
本発明においては、少なくとも1種のLDによって感光
材料の2種以上の感光層を発色させることができるの
で、例えばマゼンタ(M)の高濃度の発色とともにシア
ンの低濃度の発色をM発色用LDの単独の露光で行なっ
た場合、シアンの露光量信号Ciは、シアンの全発色濃
度がM発色用LDによるシアン発色濃度に等しければO
(点灯しない)であり、シアンの全発色濃度がM発色用
LDによるシアン発色濃度より大きい場合は、その発色
濃度差を発色させるのに必要な露光量に相当する信号で
ある。このような信号処理は、本発明に用いられる感光
材料の感度特性に応じて予め前記変換式の係数や変換行
列の要素を設定しておくことによって自動的に行なわれ
る。
【0152】
【実施例】
(実施例1)図7および8に示された種々の分光感度を
有する感光材料を以下のようにして作成した。硫黄増感
と金増感を用いて化学増感を施した塩臭化銀乳剤(塩化
銀99.2モル%、臭化銀0.8モル%の組成を有し、
平均粒子サイズ0.52μ、粒子サイズの変動係数7.
2%の立方体ハロゲン化銀粒子を含む)を用い、分光増
感色素を換えることで下表の組合せの多層カラー感光材
料を作成した。
【0153】 表 A 試料 試料 試料 試料 試料 イエロー 色素A 色素A 色素A 色素A 色素A 発色層 各 1×10-4 各 1×10-4 各 1×10-4 各 1×10-4 各 1×10-4 mol/molAg mol/molAg mol/molAg mol/molAg mol/molAg マゼンタ 色素B 色素B 色素B 色素B 色素E 発色層 5×10-5 5×10-5 5×10-5 3.5 ×10-5 5×10-5 mol/molAg mol/molAg mol/molAg mol/molAg mol/molAg シアン 色素C 色素C 色素D 色素C 色素C 発色層 4×10-6 8×10-6 6×10-6 8×10-6 8×10-6 mol/molAg mol/molAg mol/molAg mol/molAg mol/molAg 層構成 支 持 体 ポリエチレンラミネート紙(第一層側のポリエチレンに
TiO2 と微量の群青を含む) 第 一 層 (イエロー発色乳剤層) ハロゲン化銀乳剤 表A参照 銀換算塗布量 0.25g/m2 ゼラチン 1.00g/m2 イエローカプラー(Ex−Y) 0.70g/m2 色像安定剤(Cpd−1) 0.16g/m2 色像安定剤(Cpd−7) 0.05g/m2 溶媒 (Solv−3) 0.15g/m2 溶媒 (Solv−7) 0.15g/m2 第 二 層 (混色防止層) ゼラチン 0.80g/m2 混色防止剤(Cpd−5) 0.10g/m2 溶媒 (Solv−1) 0.18g/m2 溶媒 (Solv−4) 0.10g/m2 第 三 層 (マゼンタ発色乳剤層) ハロゲン化銀乳剤 表A参照 銀換算塗布量 0.17g/m2 ゼラチン 1.24g/m2 マゼンタカプラー(Ex−M) 0.29g/m2 色像安定剤(Cpd−3) 0.12g/m2 色像安定剤(Cpd−12) 0.08g/m2 溶媒 (Solv−3) 0.21g/m2 溶媒 (Solv−4) 0.21g/m2 溶媒 (Solv−8) 0.16g/m2 第 四 層 (紫外線吸収層) ゼラチン 1.41g/m2 紫外線吸収剤(UV−1) 0.47g/m2 混色防止剤(Cpd−5) 0.05g/m2 溶媒 (Solv−5) 0.24g/m2 第 五 層 (シアン発色乳剤層) ハロゲン化銀乳剤 表A参照 銀換算塗布量 0.22g/m2 ゼラチン 1.00g/m2 シアンカプラー(Ex−C) 0.32g/m2 色像安定剤(Cpd−2) 0.03g/m2 色像安定剤(Cpd−4) 0.02g/m2 色像安定剤(Cpd−6) 0.18g/m2 色像安定剤(Cpd−7) 0.40g/m2 色像安定剤(Cpd−8) 0.05g/m2 溶媒 (Solv−6) 0.14g/m2 第 六 層 (紫外線吸収層) ゼラチン 0.48g/m2 紫外線吸収剤(UV−1) 0.16g/m2 混色防止剤(Cpd−5) 0.02g/m2 溶媒 (Solv−5) 0.08g/m2 第 七 層 (保護層) ゼラチン 1.00g/m2 ポリビニルアルコールのアクリル 変性重合体(変性度17%) 0.16g/m2 流動パラフィン 0.02g/m2
【0154】得られた試料の分光感度分布を図7および
図8に示す。これらの試料に、発振波長訳670nm
(AlGaInP)、約750nm(GaAlAs)お
よび約830nm(GaAlAs)の半導体レーザーを
用いた露光装置によって画像を書込んだ。まず、各レー
ザーの単独発振によりセンシトメトリー用の楔型露光を
行ない、後述の発色現像を施した後に反射濃度を測定し
特性曲線を作成した。このとき、マゼンタ発色部につい
てはG濃度の他にR濃度の測定も行ない、マゼンタの余
色であるシアン成分の発色がどのマゼンタ濃度から始ま
るかを求めた。
【0155】 試 料 シアン発色が始まるマゼンタ濃度 ───────────────────────────────── マゼンタ発色のダイナミックレンジ中には認められず D(M)=2.33 D(M)=2.21 D(M)=2.05 D(M)=2.05
【0156】次に、ディジタル信号として記録されたピ
クトリアル画像データを書込む試験を行なった。用いた
画像データは、真紅の薔薇の花と赤いセーターを着た女
性を写したA4サイズのプリントを30μのアパーチャ
でスキャナ分解して収録することで得た。この画像デー
タを試料からに書込み、先に述べた発色現像処理に
よって画像を得た。画像の再現性を試験する目的で露光
装置の作動をスタートさせてから、この画像を書込む動
作を20回連続させて行ない、3時間の休止の後さらに
20回連続で行ない、得られた40枚のプリントにおけ
る薔薇の花やセーターの細部の陰影の変動を評価した。
出力画像とオリジナル画像とのカラーマッチングは、各
感光材料ごとに試験開始時に調整した。
【0157】 試 料 細部の陰影の安定性 ─────────────────────── 変動の程度が大きく実用上問題 陰影の再現が不十分なもの40枚中3枚 陰影の再現は非常に安定 陰影の再現は非常に安定 陰影の再現は非常に安定 本発明の態様の画像形成法を用いることで画像の細部の
陰影の安定再現が達成される。
【0158】
【化20】
【0159】
【化21】
【0160】
【化22】
【0161】
【化23】
【0162】
【化24】
【0163】
【化25】
【0164】
【化26】
【0165】
【化27】
【0166】
【化28】
【0167】
【化29】
【0168】
【化30】
【0169】
【化31】
【0170】
【化32】
【0171】 処理工程 温 度 時 間 補充液* タンク容量 ─────────────────────────────────── カラー現像 35℃ 20秒 60ml 2リットル 漂白定着 30〜35℃ 20秒 60ml 2リットル リンス 30〜35℃ 10秒 − 1リットル リンス 30〜35℃ 10秒 − 1リットル リンス 30〜35℃ 10秒 120ml 1リットル 乾 燥 70〜35℃ 20秒 * 補充量は感光材料1m2 あたり (リンス→への3タンク向流方式とした。) 各処理液の組成は以下の通りである。
【0172】 カラー現像液 タンク液 補充液 水 800ml 800ml エチレンジアミン−N,N,N,N− テトラメチレンホスホン酸 1.5g 2.0g 臭化カリウム 0.015g − トリエタノールアミン 8.0g 12.0g 塩化ナトリウム 4.9g − 炭酸カリウム 25g 37g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル− N−(3−ヒドロキシプロピル) アニリン・2・p−トルエンスルホン酸 12.8g 19.8g N,N−ビス(カルボキシメチル) ヒドラジン 5.5g 7.0g 蛍光増白剤(WHITEX 4B,住友化学製) 1.0g 2.0g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(25℃) 10.05 10.45
【0173】 漂白定着液(タンク液と補充液は同じ) 水 400ml チオ硫酸アンモニウム(700g/l) 100ml 亜硫酸ナトリウム 17g エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム 55g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 5g 臭化アンモニウム 40g 水を加えて 1000ml pH(25℃) 6.0 リンス液(タンク液と補充液は同じ) イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm以下)
【0174】(実施例2)実施例1で作成した試料、
およびを用いて以下の露光方法で試験を行なった。 露光方法A 露光方法B イエロー発色層用 670nm 670nm 半導体レーザー AlGaInP AlGaInP マゼンタ発色層用 750nm 750nm 半導体レーザー GaAlAs GaAlAs シアン発色層用 830nm 810nm 半導体レーザー GaAlAs GaAlAs
【0175】まず、露光方法Aのシアン発色層用半導体
レーザーを単独で発振させることによりセンシトメトリ
ー用の楔形露光を行ない、実施例1と同様の発色現像を
施した後に反射濃度を測定し、特性曲線を作成した。こ
のとき、R濃度の他にG濃度をも測定することによって
シアンの余色であるマゼンタ色素の発色がどのシアン濃
度から始まるかを求めた。同様の操作を露光方法Bのシ
アン発色層用半導体レーザーの発振についても行なっ
た。
【0176】 試 料 マゼンタ発色が始まるシアン濃度 ───────────────────────────────── 露光方法A シアン発色のダイナミックレンジ中には認められず 露光方法A シアン発色のダイナミックレンジ中には認められず 露光方法A シアン発色のダイナミックレンジ中には認められず 露光方法B D(C)=1.47 露光方法B D(C)=2.25 露光方法B D(C)=2.42
【0177】次に、ディジタル信号として記録されたピ
クトリアル画像データを書込む試験を行なった。用いた
画像データは、パセリとピーマンを籠に入れて持った緑
色のセーターを着た女性を写したA4サイズのプリント
を30μのアパーチャでスキャナ分解して収録すること
で得た。この画像データを試料からにそれぞれ露光
方法AおよびBの2種類で行なった。画像の再現性を試
験する目的で露光装置の作動をスタートさせてから、こ
の画像を書込む動作を20回連続させて行ない、3時間
の休止の後さらに20回連続で行ない、得られた40枚
のプリントにおける野菜やセーターの細部の陰影の変動
を評価した。出力画像とオリジナル画像とのカラーマッ
チングは、各感光材料ごとに試験開始時に調整した。
【0178】 試 料 細部の陰影の安定性 ───────────────────────────────── 露光方法A 変動の程度がやや大きい 露光方法A 変動の程度がやや大きい 露光方法A 変動の程度がやや大きい 露光方法B 陰影の再現は安定だが緑色が濁っている 露光方法B 陰影の再現は非常に安定 露光方法B 陰影の再現不十分なもの40枚中2枚 実施例1と同様な効果が、レーザーの発振波長を調整す
ることでも得られる。
【0179】(実施例3)実施例1で作成した試料か
らのマゼンタ発色層の組成を以下のように変更して試
料 6から試料10を作成した。 第 三 層 (マゼンタ発色乳剤層) ハロゲン化銀乳剤 表A参照 銀換算塗布量 0.12g/m2 ゼラチン 1.28g/m2 マゼンタカプラー(Ex−M2) 0.23g/m2 色像安定剤(Cpd−2) 0.03g/m2 色像安定剤(Cpd−3) 0.16g/m2 色像安定剤(Cpd−4) 0.02g/m2 色像安定剤(Cpd−9) 0.02g/m2 溶媒 (Solv−2) 0.40g/m2
【0180】
【化33】
【0181】これらの試料について、K(br)および
K(rr)を測定した。試料〜については、K(b
r)=0.59、K(rr)=0.18、試料 6〜10に
ついてはK(br)=0.46、K(rr)=0.09
であった。これらの試料 6〜10を用いて実施例1と同様
のピクトリアル画像を用いた陰影の再現性の試験を行な
ったところ、本発明の効果がさらに顕著であることがわ
かった。
【0182】(実施例4)硫黄増感と金増感とを用いて
化学増感を施した塩臭化銀乳剤(平均臭化銀含有率7
0.0%、ただし、粒子の30%に相当するコア部は純
臭化銀、残余のシェル部は臭化銀57.0%の塩臭化銀
の積層構造を有する。平均粒子サイズ0.41μ、粒子
サイズの変動係数15.8%の立方体ハロゲン化銀粒子
を含む)を用い、実施例1で用いた分光増感色素と組合
せ、下表の熱現像感光材料を作成した。
【0183】 表 B 試料11 試料12 試料13 イエロー 色素C 色素C 色素C 発色層 5×10-6 5×10-6 5×10-6 mol/molAg mol/molAg mol/molAg シアン 色素B 色素B 色素E 発色層 5×10-6 3×10-6 5×10-6 mol/molAg mol/molAg mol/molAg マゼンタ 色素A 色素A 色素A 発色層 各 1×10-4 各 1×10-4 各 1×10-4 mol/molAg mol/molAg mol/molAg
【0184】
【表7】
【0185】
【表8】
【0186】高沸点有機溶媒(1)はトリイソノニルフ
ォスフェートであり、高沸点有機溶媒(2)はトリヘキ
シルフォスフェートである。得られた試料11、12お
よび13の分光感度分布は図8に示した試料、およ
びの分布にそれぞれ類似していた。
【0187】
【化34】
【0188】
【化35】
【0189】
【化36】
【0190】
【化37】
【0191】また、表Dに示す色素固定材料を作成し
た。また、ポリマー、高沸点有機溶媒、マット剤は以下
に示すものである。 ポリマー*5 ビニルアルコールアクリル酸ナトリウム
共重合体(75/25モル比) ポリマー*7 デキストラン(分子量7万) 高沸点有機溶媒*8 レオフォス95(味の素(株)社
製) マット剤*10 ベンゾアナミン樹脂(10μを越える
粒子の割合が18vol%)
【0192】
【表9】
【0193】
【化38】
【0194】
【化39】
【0195】これらの熱現像感光材料を用いて以下の試
験を行なった。まず、実施例2と同様に以下の露光がで
きる装置を準備した。
【0196】
【0197】まず、各試料に670nmのマゼンタ発色
層用の半導体レーザーを単独で発振させることによりセ
ンシトメトリー用の楔型露光を行ない、露光済の感光材
料の乳剤面に11ml/m2 の水をワイヤーバーで供給
し、その後、前記色素固定材料と膜面が接するように重
ね合わせた。次いで、吸水した膜の温度が85℃になる
ように温度を調節したヒートローラーを用い、25秒間
加熱した後感光材料から色素固定材料を引き剥がし、画
像を得た。
【0198】こうして得たマゼンタ発色試料の反射濃度
(G、R)を測定することで、マゼンタ発色像の特性曲
線とその余色であるシアン像の発色がどのマゼンタ濃度
から始まるかを求めた。その結果は以下の通りであっ
た。
【0199】シアン発色が始まるマゼンタ濃度 試料11 D(M)=2.28 試料12 マゼンタ発色のダイナミックレンジ中には認
められず 試料13 D(M)=1.96
【0200】次いで、実施例1で用いた真紅の薔薇と赤
いセーターを着た女性の画像データを用いて熱現像感光
材料に画像を出力し、先に述べた方法で熱現像を行な
い、各試料30枚のプリントを連続作成した。ただし、
出力画像とオリジナル画像とのカラーマッチングは、各
試料ごとに試験開始時に調整した。これらの30枚のプ
リントにおける薔薇の花やセーターの細部の陰影の変動
を評価した。
【0201】細部の陰影の安定性 試料11 陰影の再現が不十分なもの30枚中2枚 試料12 変動の程度が大きく実用上問題 試料13 陰影の再現はほぼ安定
【0202】結果から、本発明は熱現像感光材料を用い
た場合にも顕著であることがわかる。
【0203】
【発明の効果】以上詳述したように、複数の色素形成
層、例えばマゼンタ色素形成層、シアン色素形成層およ
びイエロー色素形成層を少なくとも1層ずつ有する感光
材料に画像を形成する際に、本発明によれば、少なくと
も1つの光源の単独の露光によって、複数の色素形成
層、すなわち、この光源の単独の露光に対し最高感度の
色素形成層と、この最高感度の色素形成層の発色色素に
対し余色の関係にある色素の色素形成層とを同時に発色
させ、前記最高感度の色素の高濃度発色中に前記余色の
色素の微妙な低濃度の発色をさせることができ、前記余
色の色素の微妙な発色濃度の変化も安定して正確に視認
限界濃度以下に制御することができる。
【0204】従って、本発明によれば彩度の高い画像、
特に高純度の赤系統の画像、例えば真紅の薔薇や赤いビ
ロードの衣服などをその細部の陰影を含めて正確かつ安
定して表現することができ、高彩度でも高画質な画像を
形成することができる。すなわち、本発明によれば、高
純度色の再現とその中に含まれる微妙な陰影の再現とを
両立させた極めて高画質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成方法に用いられる感光
材料の一実施例の感度特性を示すグラフの一例である。
【図2】 本発明に係る画像形成方法に用いられる光源
の一実施例の光出力特性を示すグラフの一例である。
【図3】 本発明に係る画像形成方法において実施され
る光源の変調制御信号と露光光量との関係を示すグラフ
の一例である。
【図4】 本発明に係る画像形成方法において実施され
る光源の変調制御信号と感光材料の再生濃度との間の関
係を示すグラフの一例である。
【図5】 本発明の画像形成方法を実施する画像形成装
置の一実施例の線図的断面図である。
【図6】 図5に示す画像形成装置の露光装置の一実施
例の模式的斜視図である。
【図7】 本発明の画像形成方法の実施例において用い
た感光材料の分光感度特性の一例を示すグラフである。
【図8】 本発明の画像形成方法の実施例において用い
た感光材料の分光感度特性の別の例を示すグラフであ
る。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ相異なる狭帯域波長の光ビームを
    射出する複数の光源を画像データに基づいて変調して、
    各々の光ビームに対して最高感度を示す異なる色の色素
    形成層を支持体上に少なくとも一層ずつ有してなる感光
    材料に画像を書込む画像形成方法であって、少なくとも
    1つの光源の光ビームの照射による最高感度の色素形成
    層の発色の濃度が、その光源の露光量の変調制御の最少
    単位の変化に対して視認限界以上変化する、感光材料の
    露光ダイナミックレンジの範囲について、当該色の色素
    形成層を他の色素形成層に対し最高感度を示す異なる光
    源の光ビームの照射によって発色させ、その発色濃度の
    変化が(この光源の露光量変調制御の最小単位の変化に
    対して)視認限界以下となるよう構成したことを特徴と
    する画像形成方法。
  2. 【請求項2】前記感光材料が、支持体上にイエロー色素
    形成層、マゼンタ色素形成層およびシアン色素形成層を
    少なくとも有してなり、前記光源が、少なくとも3種の
    発振波長の異なるレーザー光源であり、各光源の変調が
    それぞれ画像データのR、G、B成分を用いて演算され
    る信号変換方式によって行われる請求項1に記載の画像
    形成方法。
  3. 【請求項3】支持体上にイエロー色素形成層、マゼンタ
    色素形成層およびシアン色素形成層を少なくとも一層ず
    つ有してなる感光材料に、画像データに基づいて変調さ
    れた複数の光源を用いて画像を書込む画像形成方法にお
    いて、該光源が少なくとも三種の発振波長の異なるレー
    ザー光源であり、しかも各光源の変調がそれぞれ画像デ
    ータのR、G、B成分を用いて演算される信号変換方式
    を用いる画像形成方法であって、さらに、単独の露光で
    複数の乳剤層を発色させることのできる光源が少なくと
    も一種存在し、このとき、該光源単独の露光によって発
    色した複数の乳剤層のうち最も高感度な乳剤層の露光ダ
    イナミックレンジの範囲内でその感光層に対応する発色
    色素と余色の関係にある色素の少なくとも一種が階調を
    有して付加されるようにレーザー光源の発振波長および
    /または感光層の分光感度分布の設定が調整されたこと
    を特徴とするカラー画像形成方法。
  4. 【請求項4】支持体上にイエロー色素形成層、マゼンタ
    色素形成層およびシアン色素形成層を少なくとも一層ず
    つ有してなる感光材料に、画像データに基づいて変調さ
    れた複数の光源を用いて画像を書込む画像形成方法にお
    いて、各光源の変調がそれぞれ画像データのR、G、B
    成分を用いて演算される信号変換方式を用いる画像形成
    方法であって、さらに、単独の露光で最も高感度な乳剤
    層と、この最高感度乳剤層の発色色素と余色の関係にあ
    る色素を含む乳剤層の少なくとも1種との複数の乳剤層
    を発色させることのできる光源が少なくとも1種存在
    し、この余色の関係にある色素の乳剤層を最高感度で発
    色させる異なる光源の露光による前記余色の関係にある
    色素の発色の濃度が、この異なる光源の露光量の変調制
    御の最小単位の変化に対して視認限界以上変化する、前
    記感光材料のダイナミックレンジの範囲について、前記
    複数の乳剤層を発色させることのできる光源によって発
    色させ、その発色濃度の変化を視認限界以下になるよう
    構成したことを特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】前記複数の乳剤層を発色させることのでき
    る光源単独の露光による前記余色の関係にある色素の少
    なくとも1種の発色は、この光源単独の露光に対して最
    も高感度な乳剤層の発色色素の画像濃度1.5から2.
    5の間に設定された一定値以上の濃度領域において階調
    を有して付加される請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】前記感光材料中のマゼンタ色素形成層に含
    まれる色素形成要素が、芳香族第一級アミン現象主薬の
    酸化体とのカップリング反応によってマゼンタ色素を生
    成することのできる化合物であって、マゼンタ単色で発
    色させて感光材料の吸収スペクトルのプロファイルにお
    いて、 前記感光材料が反射支持体を用いている場合は、 K(br)≦0.56であるかまたはK(rr)≦0.
    18であり、 前記感光材料が透過支持体を用いている場合は、 K(bt)≦0.44であるかまたはK(rt)≦0.
    09であることを満足させることを特徴とする請求項2
    ないし5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】感光材料中のマゼンタ色素形成層に含まれ
    る色素形成要素が芳香族第一級アミン現像主薬の酸化体
    とのカップリング反応によってマゼンタ色素を生成する
    ことのできる化合物であって、下記一般式(I)で表さ
    れる化合物であることを特徴とする請求項2ないし5の
    いずれかに記載の画像形成方法。 【化1】 ここで、Rは水素原子または置換基を表し、Yは水素原
    子または離脱基を表し、Za、ZbおよびZcはメチ
    ン、置換メチン、=N−または−NH−のいずれかを表
    し、窒素原子を2〜4個含む5員のアゾール環を形成す
    る。
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