JP2682877B2 - 熱転写プリンタの駆動制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プラテンに沿つて移動可能なサーマルヘツ
ドによりインクリボンの熱溶融性インクを溶かし、印字
用紙にそれを転写させて印字を行なう熱転写プリンタの
駆動制御方法に関する。

〔従来の技術〕

第２図は一般的な熱転写プリンタを示したもので、プ
リンタのフレーム１のほぼ中央部には、平板上のプラテ
ン２がその印字面がほぼ垂直となるように配設されてお
り、前記フレーム１の前記プラテン２の前側下方には、
キヤリツジシヤフト３が前記プラテン２と平行に配設さ
れている。また、前記フレーム１の前端縁には、フラン
ジ状のガイド部４が形成されており、このガイド部４の
内側縁には、ラツク５が形成されている。前記キヤリツ
ジシヤフト３および前記ガイド部４には、キヤリツジ６
が取付けられており、このキヤリツジ６は、前記ラツク
５に噛合されるモータの駆動により、前記キヤリツジシ
ヤフト３およびガイド部４に沿つて往復動自在とされて
いる。前記キヤリツジ６の先端部には、前記プラテン２
に対向するようにサーマルヘツド７が取付けられてお
り、前記キヤリツジ６の上面には、インクリボンを収納
し、このインクリボンを前記サーマルヘツド７とプラテ
ン２との間に案内するリボンカセツト（図示せず）が装
着されるようになされている。

また、前記プラテン２の後方には、用紙（図示せず）
をプラテン２の前方に送る用紙挿入口８が形成されてお
り、前記用紙挿入口８の部分には、所定速度で前記用紙
を搬送する紙送りローラ９が配設されている。この紙送
りローラ９の下方には、この紙送りローラ９に圧接され
る圧接ローラ10が回転自在に配設されており、前記紙送
りローラ９とこの圧接ローラ10との間に用紙挿入口８か
ら挿入される用紙を挾持して搬送するようになされてい
る。

第３図はこのようなプリンタにおける従来のキヤリツ
ジの駆動機構およびサーマルヘツドの駆動機構を示した
もので、前記キヤリツジ６内には、キヤリツジ駆動用モ
ータ11が設けられており、このキヤリツジ駆動用モータ
11の出力ピニオン12は、ギア13を介して前記ラツク５に
噛合されている。そして、前記キヤリツジ駆動用モータ
11の正逆回転によりキヤリツジ６が前記キヤリツジシヤ
フト３に沿つて往復動自在とされている。

また、前記キヤリツジ６のプラテン２側には、サーマ
ルヘツド７の固定部材14が支点15を介して枢着されてお
り、この固定部材14の先端部にサーマルヘツド７が装着
されて、プラテン２に対して接離自在とされている。こ
のサーマルヘツド７の固定部材14には、ベルクランク状
に形成されているとともに支点16を中心として回動自在
とされた従動節としてのカムフオロワ17の一端部17aが
当接されており、その他端部17bは、原動節としてのカ
ム部材18の無端状のカム溝19に摺動自在に係合されてい
る。このカム部材18の外周に一体的に形成されたギア20
には、伝達ギア21を介して前記キヤリツジ６に搭載され
ているサーマルヘツドアツプダウン用のモータ22の出力
ピニオン23が噛合されており、前記モータ22の回転によ
りカム部材18が回転され、このカム部材18の回転に伴つ
てカムフオロワ17が回動され、このカムフオロワ17の回
動によりカムフオロワ17の一端部17aに押圧されて固定
部材14がプラテン２に対して進退操作され、サーマルヘ
ツド７によるインクリボンおよび記録紙のプラテン２へ
の圧接およびその解除操作がなされる。

また、インクリボン（図示せず）を巻取るためのイン
クリボン巻き取りボビン24を駆動するモータ25も、前述
したサーマルヘツドアツプダウン用のモータ22とは別に
キヤリツジ６に設けられており、その出力ピニオン25a
には、伝達ギア26を介して前記インクリボン巻取りボビ
ン24と同軸に設けられている巻取りギア27が噛合されて
いる。また、サーマルヘツド７のアツプダウンを検知す
るためのセンサ（図示せず）が設けられており、このセ
ンサによりサーマルヘツド７のアツプダウンに対応して
前記インクリボン巻取り用のモータ25の動作が制御され
るようになつている。

前記従来のプリンタにおいては、前記用紙挿入口８か
ら用紙を挿入し、この用紙を前記紙送りローラ９と圧接
ローラ10との間に挟み込んで、紙送りローラ９を回転駆
動させることにより、前記用紙をキヤリツジ６の移動方
向と直交方向に所定速度で搬送する。一方、サーマルヘ
ツドアツプダウン用のモータ22を駆動してサーマルヘツ
ド７を前記用紙に対して所定の圧接力で圧接させ、この
状態で、前記キヤリツジ駆動用のモータ11を駆動してキ
ヤリツジ６を移動させるとともに、前記リボン巻取りモ
ータ25を駆動して巻取りボビン24を回転させてリボンカ
セツトのインクリボンを巻取りながら、前記サーマルヘ
ツド７を所望の印字信号に基づいて駆動することによ
り、前記用紙に所望の印字を行なうものである。

そして、このようなプリンタにおけるサーマルヘツド
７の移送とリボン巻取りの制御としては特公昭62-9634
号に記載された如く印字信号が終了した時点から更に所
定量、サーマルヘツド７をプラテン２に押圧したまま移
動させインクリボンを用紙から引きはがして、完全に巻
取るとともに、キヤリツジ６の移送が完全に停止してか
ら、サーマルヘツド７をプラテン２から離すように制御
していた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、前記従来の熱転写プリンタの駆動制御方法に
おいては、キヤリツジが完全に停止するまで、サーマル
ヘツドをプラテンに押圧し、インクリボンを巻き取つて
おり、キヤリツジが完全に停止した後、サーマルヘツド
をプラテンから離すように制御しているため、ヘツドア
ツプ直前まで、インクリボンを引き出す力が働いてお
り、インクリボンが印字用紙とスリツプすることによる
印字汚れが発生したり、黒ベタ等の高デユーテイの印字
を行なつた後であると、サーマルヘツドの蓄熱により、
インクリボンのインクが溶融し、印字用紙への転写によ
る印字汚れが発生してしまうという欠点があつた。

〔課題を解決するための手段〕 本発明は上述の欠点を解決し、印字動作中の印字汚れ
を発生させなくすることを目的としてなされたもので、
記録信号に基づくサーマルヘッドへの通電を終えインク
リボンを用紙から引き剥がした時点で、前記リボン巻取
りモータを停止してインクリボンの巻取りを停止た後、
前記ヘッドアップダウン機構によりサーマルヘッドをプ
ラテンから離間させながらキャリッジ移送機構によりさ
らに所定量サーマルヘッドをその通電の終了地点から移
動させた後、前記リボン巻取り機構を再び駆動してイン
クリボンのたるみ分を巻き取るようにしたことを特徴と
する。

〔作用〕

本発明による上述の手段は以下の様に作用する。

記録信号に基づくサーマルヘツドへの通電を終えた時
点で、インクリボンの巻取りを停止し、その後ヘツドア
ツプ動作を行なうことにより、インクリボンが弛んだ状
態でヘツドアツプがなされることになり、インクリボン
が印字用紙とスリツプすることがなく、また、サーマル
ヘツドの移送中にサーマルヘツドをプラテンから離すた
め、サーマルヘツドに蓄熱による余熱があつても印字用
紙やインクリボンに対して影響を与えない。

〔実施例〕

以下、本発明による熱転写プリンタの駆動制御方法に
ついて説明する。第１図においてその動作タイミングを
表わすようにサーマルヘツドアツプダウン用のモータ22
を駆動し、サーマルヘツド７をプラテン２に対して所定
の圧接力で圧接させ（）、この状態でキヤリツジ駆動
用のモータ11を駆動してキヤリツジ６を、プラテン２に
沿つてスローアツプ状態（ア）から定速で移動させると
ともに、リボン巻取りモータ25を駆動して巻取りボビン
24を回動させてリボンカセツトのインクリボンを巻取り
ながらサーマルヘツド７を所望の記録信号に基づいて駆
動することにより印字用紙に所望の印字を行なう（イ
）そして１行の最後の印字が終り、インクリボンが用
紙からひきはがされた時点でリボン巻取りモータ25の駆
動を停止することによつて、インクリボンの巻取り動作
を停止する（）。その後サーマルヘツド７をプラテン
２から離す（）。この時キヤリツジ７は、キヤリツジ
駆動用のモータ11の駆動上、スローダウンの状態にあり
（ウ）、更に所定量移動した後停止する（）。そして
キヤリツジ７が停止した後再びリボン巻取用モータ25を
駆動してたるんだ余分のインクリボンを巻取る（）こ
とによつて１行の印字が終了する。

尚、上述の実施例においてはキヤリツジ移動用モー
タ、ヘツドアツプダウン用モータ、リボン巻取用モータ
をそれぞれ別々に設けた構成の熱転写プリンタについて
説明したが、本願発明はこれに限定されることなく、１
つのモータで例えばヘツドアツプダウンとリボン巻取り
を兼用させてあつても、それぞれの機構が独立して制御
されるような熱転写プリンタには、当然適用できるもの
である。

〔発明の効果〕

以上、述べた様に、本発明においては、サーマルヘツ
ドへの通電が終り、キヤリツジがまだスローダウン領域
で移動している際中にインクリボンの巻取りを停止し、
その後サーマルヘツドをプラテンから離すようにしたた
め、印字動作終了後、インクリボンと印字用紙とがスリ
ツプすることがなく印字用紙の汚れを防止できるだけで
なく、サーマルヘツドが蓄熱し、余熱があつたとして
も、インクリボンのインクが溶融して、印字用紙に転写
されるということがないという顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はキヤリツジの移送速度とヘツドアツプダウン及
びリボン巻取りの動作タイミングを示す説明図であり、
第２図は一般的な熱転写プリンタを示す斜視図、第３図
はそのサーマルヘツドの接離駆動及びインクリボンの巻
取り機構を示す概略構成図である。 ２……プラテン ５……ラツク ６……キヤリツジ ７……サーマルヘツド 11……キヤリツジ駆動用モータ 22……サーマルヘツドアツプダウン用モータ 24……インクリボン巻取りボビン 25……リボン巻取り用モータ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】発熱素子を備えたサーマルヘッドと、該サ
   ーマルヘッドを搭載したキャリッジをプラテンに沿って
   印字桁方向へ往復移動させるキャリッジ移送機構と、該
   キャリッジ移送機構を駆動するキャリッジ移送用モータ
   と、前記サーマルヘッドをプラテンに対して接離動作を
   行なうヘッドアップダウン機構と、インクリボンの巻取
   り動作を行なうリボン巻取り機構と、該リボン巻取り機
   構を駆動するリボン巻取り用モータとを備え、前記サー
   マルヘッドを前記プラテンに圧接した状態で前記キャリ
   ッジ駆動用モータを駆動してキャリッジを印字桁方向に
   移動させながら前記サーマルヘッドの発熱素子を記録信
   号に基づいて選択的に通電制御するとともに前記リボン
   巻取り機構によりインクリボンを巻き取ることで所望の
   印字を行なうようにした熱転写プリンタにおいて、記録
   信号に基づくサーマルヘッドへの通電を終え、インクリ
   ボンを用紙から引きはがした時点で、前記リボン巻取り
   モータを停止してインクリボンの巻取りを停止た後、前
   記ヘッドアップダウン機構によりサーマルヘッドをプラ
   テンから離間させながらキャリッジ移送機構によりサー
   マルヘッドをその通電の終了地点からさらに所定量移動
   させた後、前記リボン巻取り機構を再び駆動してインク
   リボンのたるみ分を巻き取るようにしたことを特徴とす
   る熱転写プリンタの駆動制御方法。