JP2682066B2 - 4輪駆動車の前後輪差動制御装置 - Google Patents
4輪駆動車の前後輪差動制御装置Info
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- JP2682066B2 JP2682066B2 JP63259057A JP25905788A JP2682066B2 JP 2682066 B2 JP2682066 B2 JP 2682066B2 JP 63259057 A JP63259057 A JP 63259057A JP 25905788 A JP25905788 A JP 25905788A JP 2682066 B2 JP2682066 B2 JP 2682066B2
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- differential limiting
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Description
【産業上の利用分野】 本発明は、前後輪の差動状態を車両走行状態を反映し
た信号により選択可能に構成すると共に、駆動力を前後
輪に分配するトランスフアへの入力トルクが小さいとき
でも所定の差動制限力を加えるように構成した4輪駆動
車の前後輪差動制御装置の改良に関する。
た信号により選択可能に構成すると共に、駆動力を前後
輪に分配するトランスフアへの入力トルクが小さいとき
でも所定の差動制限力を加えるように構成した4輪駆動
車の前後輪差動制御装置の改良に関する。
4輪駆動車の前後輪差動制御装置としては、 2輪駆動状態及び4輪駆動状態のいずれかを差動制御
クラツチによつて切換え可能としたもの、 2輪駆動状態、4輪駆動状態を伝達容量可変の差動制
御クラツチによつて段階的又は連続的に切換え可能とし
たもの、 前後輪間にセンタデフアレンシヤル装置を備え、その
差動の許可又は禁止のいずれかを差動制御クラツチによ
つて切換え可能としたもの、 前後輪間にセンタデフアレンシヤル装置を備え、その
差動の許可、制限(禁止を含む)状態を伝達容量可変の
差動制御クラツチによつて段階的又は連続的に切換え可
能としたもの、 等が提案されている。 これらの前後輪差動制御装置を具体的に制御する場
合、a)車両の全走行時又はほとんどの走行時に、前記
前後輪の差動を制限あるいは禁止し、この差動制限ある
いは禁止を車両の走行状態に応じて適宜に解除(又は制
限の程度を変更)するように構成することができる。
又、b)通常時においては前後輪の差動が可能な状態に
維持しておき、車両の走行状態に応じて該前後輪の差動
を制限するように構成することもできる。 走行状態に応じて差動制限クラツチを制御する場合、
駆動力の増大に伴つて差動制限力を大きくすることが一
般に行われている。 しかしながら、この場合、トランスフア(差動装置の
概念を含む)に対する入力トルクが零の場合に、差動制
限力をも零となるように設定したとすると、発進の際の
トルクの増大に対して差動制限力を大きくする制御が遅
れてしまう恐れがある。又、差動制限力を零に設定した
状態で急激にトランスフアに大きなトルクが入力された
場合、駆動系の各構成部材間の隙間等が原因となつてガ
タ打ち音や衝撃が発生する不都合がある。 そこで、本出願人は、差動制限力増大の制御の遅れ
や、ガタ打ち音等の発生を効果的に防止する方法とし
て、入力トルクが零の場合であつても、差動制御クラツ
チの差動制限力を零としない方法を提案した(特開昭62
-283021)。
クラツチによつて切換え可能としたもの、 2輪駆動状態、4輪駆動状態を伝達容量可変の差動制
御クラツチによつて段階的又は連続的に切換え可能とし
たもの、 前後輪間にセンタデフアレンシヤル装置を備え、その
差動の許可又は禁止のいずれかを差動制御クラツチによ
つて切換え可能としたもの、 前後輪間にセンタデフアレンシヤル装置を備え、その
差動の許可、制限(禁止を含む)状態を伝達容量可変の
差動制御クラツチによつて段階的又は連続的に切換え可
能としたもの、 等が提案されている。 これらの前後輪差動制御装置を具体的に制御する場
合、a)車両の全走行時又はほとんどの走行時に、前記
前後輪の差動を制限あるいは禁止し、この差動制限ある
いは禁止を車両の走行状態に応じて適宜に解除(又は制
限の程度を変更)するように構成することができる。
又、b)通常時においては前後輪の差動が可能な状態に
維持しておき、車両の走行状態に応じて該前後輪の差動
を制限するように構成することもできる。 走行状態に応じて差動制限クラツチを制御する場合、
駆動力の増大に伴つて差動制限力を大きくすることが一
般に行われている。 しかしながら、この場合、トランスフア(差動装置の
概念を含む)に対する入力トルクが零の場合に、差動制
限力をも零となるように設定したとすると、発進の際の
トルクの増大に対して差動制限力を大きくする制御が遅
れてしまう恐れがある。又、差動制限力を零に設定した
状態で急激にトランスフアに大きなトルクが入力された
場合、駆動系の各構成部材間の隙間等が原因となつてガ
タ打ち音や衝撃が発生する不都合がある。 そこで、本出願人は、差動制限力増大の制御の遅れ
や、ガタ打ち音等の発生を効果的に防止する方法とし
て、入力トルクが零の場合であつても、差動制御クラツ
チの差動制限力を零としない方法を提案した(特開昭62
-283021)。
しかしながら、このように入力トルクが零のときであ
つても差動制限力を零としないような構成とした4輪駆
動車にあつては、入力トルクが小さい状態で、且つ車両
の走行抵抗が大きくなるような状態のときには、車両の
速度が極端に落ちる等の不具合が発生する恐れがある。 例えば、低車速の状態では、前後輪の差動回転が生じ
るような旋回、或いは右、左折が行われることが多いた
め、アクセルのON-OFF時のガタ落ちに対して効果が生じ
るような「所定の差動制限力」を加えておくと、駆動力
が小さいときにタイトコーナブレーキング現象が生じて
走行がしづらくなり、又燃費等も悪くなる。 一方、このような問題を回避するようなレベルに「所
定の差動制限力」を設定すると、アクセルをON-OFFした
ときや、アクセルがOFF時におけるアツプシフトなどの
ときに発生する駆動系のガタ打ちに対する効果が小さく
なつてしまう。 又、車速が高いときは、前方を走行する車両との間隔
調整等で、アクセルを弛めて一時的に駆動力をなくする
ような状態とすることがよくあるが、車速が高いとき程
車両の直進安定性を向上させるため前後輪の差動制限力
を高めに維持したいという要請がある。 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
つて、駆動力が小さいときであつてもタイトコーナブレ
ーキング現象を生じることなく円滑な走行ができ、且
つ、アクセルON、OFF時等のガタ打ち音が小さく、更に
は高速走行時の安定性の高い4輪駆動車の前後輪差動制
御装置を提供することを目的とする。
つても差動制限力を零としないような構成とした4輪駆
動車にあつては、入力トルクが小さい状態で、且つ車両
の走行抵抗が大きくなるような状態のときには、車両の
速度が極端に落ちる等の不具合が発生する恐れがある。 例えば、低車速の状態では、前後輪の差動回転が生じ
るような旋回、或いは右、左折が行われることが多いた
め、アクセルのON-OFF時のガタ落ちに対して効果が生じ
るような「所定の差動制限力」を加えておくと、駆動力
が小さいときにタイトコーナブレーキング現象が生じて
走行がしづらくなり、又燃費等も悪くなる。 一方、このような問題を回避するようなレベルに「所
定の差動制限力」を設定すると、アクセルをON-OFFした
ときや、アクセルがOFF時におけるアツプシフトなどの
ときに発生する駆動系のガタ打ちに対する効果が小さく
なつてしまう。 又、車速が高いときは、前方を走行する車両との間隔
調整等で、アクセルを弛めて一時的に駆動力をなくする
ような状態とすることがよくあるが、車速が高いとき程
車両の直進安定性を向上させるため前後輪の差動制限力
を高めに維持したいという要請がある。 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
つて、駆動力が小さいときであつてもタイトコーナブレ
ーキング現象を生じることなく円滑な走行ができ、且
つ、アクセルON、OFF時等のガタ打ち音が小さく、更に
は高速走行時の安定性の高い4輪駆動車の前後輪差動制
御装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1図にその要旨を示すように、前後輪の
差動制限力を車両走行状態を反映した信号により変更可
能に構成した4輪駆動車の前後輪差動制御装置におい
て、駆動力を前後輪に分配するトランスフアへの入力ト
ルクを検出する手段と、車速を検出する手段とを備え、
前記車速が所定値以下のときでも前記差動制限力を零以
外の値とすると共に、前記入力トルクが所定値以下のと
きでも差動制限力を零以外の値とし、且つ、該入力トル
クが所定値以下のときに維持する差動制限力を、検出さ
れた車速が高いとき程高い値としたことにより、上記目
的を達成したものである。
差動制限力を車両走行状態を反映した信号により変更可
能に構成した4輪駆動車の前後輪差動制御装置におい
て、駆動力を前後輪に分配するトランスフアへの入力ト
ルクを検出する手段と、車速を検出する手段とを備え、
前記車速が所定値以下のときでも前記差動制限力を零以
外の値とすると共に、前記入力トルクが所定値以下のと
きでも差動制限力を零以外の値とし、且つ、該入力トル
クが所定値以下のときに維持する差動制限力を、検出さ
れた車速が高いとき程高い値としたことにより、上記目
的を達成したものである。
本発明においては、駆動力が小さいときに与える「所
定の差動制限力」を車速に応じて変更するようにし、車
速が高いとき程該駆動力が小さいときに与える「所定の
差動制限力」を高く設定するようにしている。又、その
際たとえ車速が所定値以下の場合であつても差動制限力
は零とはしないようにした。このように、「所定の作動
制限力」の設定にあたつて入力トルク及び車速の双方を
考慮するようにしたのは次の理由による。 即ち、一般に駆動力が小さく、且つ車速が低いときに
は、前後輪の回転数に差が生じるような旋回や右、左折
が行われ易い。駆動力が小さく、且つ前後輪の回転数に
差が生じるような状態となると、前後いずれか一方の車
輪で他方の車輪を回転させ、又反対に他方の車輪で一方
の車輪を制動するような事態となり、これが動力循環と
なつて車両の走行が著しく阻害される。このような場合
であつても、加えられる「所定の差動制限力」が車速が
低いことに対応して低く設定されていれば、上記動力循
環も小さくなり、円滑に走行することができるようにな
る。 一方、比較的高速で走行している場合は、前方を走行
している車両との間隔調整等でアクセルを弛めて一時的
に駆動力のない状態とすることがしばしばある。この場
合、例えばトランスフアへの入力トルクに応じて差動制
限力を設定するように構成していた場合、必然的にこの
ような場合における差動制限力も弱く設定されてしまう
ことになる。しかしながら、車速が高いとき程より車両
の直進安定性が求められるため、前後輪の作動制限力を
高めに維持したいという要請がある。又、高速走行時に
おいては、低速走行時におけるような前後輪の回転数に
差が生じるような旋回や右、左折が行なわれる可能性が
極めて低い。従つて、高車速走行時においては差動制限
力を低めるべきという要請は比較的少ない。従つて、
「所定の差動制限力」として、車速が高い場合にはこれ
を比較的大きな値とすることに意義を見出すことができ
る。 本発明では、以上のような観点で車速が低くても「所
定の差動制限力」を零とはせず、又、入力トルクが所定
値以下でも「所定の作動制限力」は零とはせず、なお且
つ、この入力トルクが小さいときに加える「所定の差動
制限力」として車速が高いときには比較的高い値を、低
いときには低い値を選定するようにしたため、駆動力が
小さいときであつてもタイトコーナブレーキング現象が
生じ難く、又アクセルのON、OFF時等のガタ打ち音が小
さく、更には高速走行時の安定性が高いという特性を合
理的に得ることができるようになる。
定の差動制限力」を車速に応じて変更するようにし、車
速が高いとき程該駆動力が小さいときに与える「所定の
差動制限力」を高く設定するようにしている。又、その
際たとえ車速が所定値以下の場合であつても差動制限力
は零とはしないようにした。このように、「所定の作動
制限力」の設定にあたつて入力トルク及び車速の双方を
考慮するようにしたのは次の理由による。 即ち、一般に駆動力が小さく、且つ車速が低いときに
は、前後輪の回転数に差が生じるような旋回や右、左折
が行われ易い。駆動力が小さく、且つ前後輪の回転数に
差が生じるような状態となると、前後いずれか一方の車
輪で他方の車輪を回転させ、又反対に他方の車輪で一方
の車輪を制動するような事態となり、これが動力循環と
なつて車両の走行が著しく阻害される。このような場合
であつても、加えられる「所定の差動制限力」が車速が
低いことに対応して低く設定されていれば、上記動力循
環も小さくなり、円滑に走行することができるようにな
る。 一方、比較的高速で走行している場合は、前方を走行
している車両との間隔調整等でアクセルを弛めて一時的
に駆動力のない状態とすることがしばしばある。この場
合、例えばトランスフアへの入力トルクに応じて差動制
限力を設定するように構成していた場合、必然的にこの
ような場合における差動制限力も弱く設定されてしまう
ことになる。しかしながら、車速が高いとき程より車両
の直進安定性が求められるため、前後輪の作動制限力を
高めに維持したいという要請がある。又、高速走行時に
おいては、低速走行時におけるような前後輪の回転数に
差が生じるような旋回や右、左折が行なわれる可能性が
極めて低い。従つて、高車速走行時においては差動制限
力を低めるべきという要請は比較的少ない。従つて、
「所定の差動制限力」として、車速が高い場合にはこれ
を比較的大きな値とすることに意義を見出すことができ
る。 本発明では、以上のような観点で車速が低くても「所
定の差動制限力」を零とはせず、又、入力トルクが所定
値以下でも「所定の作動制限力」は零とはせず、なお且
つ、この入力トルクが小さいときに加える「所定の差動
制限力」として車速が高いときには比較的高い値を、低
いときには低い値を選定するようにしたため、駆動力が
小さいときであつてもタイトコーナブレーキング現象が
生じ難く、又アクセルのON、OFF時等のガタ打ち音が小
さく、更には高速走行時の安定性が高いという特性を合
理的に得ることができるようになる。
以下添付の図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説
明する。 第2図は本発明の実施例が適用された車両用4輪駆動
装置を示すスケルトン図である。 この4輪駆動装置は、エンジン10、自動変速機20、セ
ンタデフアレンシヤル装置30、前輪用デフアレンシヤル
装置40、トランスフア装置50、後輪用デフアレンシヤル
装置60、差動制御クラツチ70、制御装置80、及び各種入
力系90を備える。 エンジン10は車両の前部に横置きにされている。エン
ジン10の出力は自動変速機20に伝達される。 自動変速機20は、流体式トルクコンバータ21及び補助
変速部22を備え、油圧制御部23によつて前進4段、後進
1段の変速段を自動的に切換える周知の構成とされてい
る。前進4段のうちの最高速段(第4速段)はオーバー
ドライブ段となつている。油圧制御部23は、制御装置80
の指令によつて制御される。自動変速機20を経た動力は
出力ギヤ24を介してセンタデフアレンシヤル装置30の入
力ギヤ31に伝達される。 センタデフアレンシヤル装置30は、この入力ギヤ31と
一体化されたデフアレンシヤルケース32を備える。デフ
アレンシヤルケース32には、周知の噛合構成によりピニ
オン軸33、2つの差動ピニオン34、35、後輪出力用サイ
ドギヤ36及び前輪出力用サイドギヤ37が取付けられてい
る。後輪出力用サイドギヤ36はトランスフア装置50のト
ランスフアリングギヤ51に連結されている。前輪出力用
サイドギヤ37は、中空の前輪駆動軸41に連結されてい
る。 前輪用デフアレンシヤル装置40は、この前輪駆動軸41
と一体化されたデフアレンシヤルケース42を備える。こ
のデフアレンシヤルケース42には周知の噛合構成により
ピニオン軸43、2つの差動ピニオン44、45、左側前輪出
力用サイドギヤ46及び右側前輪出力用サイドギヤ47が取
付けられている。左側前輪駆動用サイドギヤ46には左側
前輪車輪48が、又、右側前輪出力用サイドギヤ47には右
側前輪車軸49がそれぞれ連結されている。 一方、トランスフア装置50は、センタデフアレンシヤ
ル装置30の後輪出力用サイドギヤ36に連結されたトラン
スフアリングギヤ51、このトランスフアリングギヤ51と
噛合するドリブンピニオン52、このドリブンピニオン52
とプロペラシヤフト53を介して一体的に回転するトラン
スフア出力回転ギヤ54を備える。トランスフア出力ギヤ
54は後輪用デフアレンシヤル装置60に連結されている。 後輪用デフアレンシヤル装置60は、トランスフア出力
ギヤ54と噛合するリングギヤが一体的に形成されたデフ
アレンシヤルケース61を備える。このデフアレンシヤル
ケース61には、周知の噛合構成によりピニオン軸62、2
つの差動ピニオン63、64、左側後輪出力用サイドギヤ65
及び右側後輪出力用サイドギヤ66が取付けられている。
左側後輪出力用サイドギヤ65は左側後輪車軸67に、右側
後輪出力用サイドギヤ66は右側後輪車軸68にそれぞれ連
結されている。 差動制御クラツチ70は、前記センタデフアレンシヤル
装置30の入力部材であるデフアレンシヤルケース32と該
センタデフアレンシヤル装置30の出力部材である前輪駆
動軸41とをトルク伝達関係に接続するものである。この
差動制御クラツチ70は、湿式の多板クラツチ部71及びこ
れを制御する油圧制御部72とから主に構成されている。 第3図に示されるように、多板クラツチ部71には油圧
サーボ部73が付設されている。この油圧サーボ部73の油
室74にサーボ油圧(クラツチ油圧)が供給されるとサー
ボピストン75がリターンスプリング76のバネ力に抗して
図中右方へ移動する。これによつて多板クラツチ部71が
押圧され、該多板クラツチ部71を介してデフアレンシヤ
ルケース32と前輪駆動軸41とがトルク伝達関係に接続さ
れる。又、油室74に供給されるサーボ油圧の増減に応じ
てその伝達トルク容量が比例的に増減される。油圧サー
ボ部73の油室74に対するサーボ油圧の供給は油圧制御部
72によつて行われる。 油圧制御部72は、自動変速機20内に組込まれたオイル
ポンプ74の油圧をエンジン負荷に応じた油圧に調圧する
ライン圧制御弁77と、電磁式のサーボ油圧制御弁78とを
備える。サーボ油圧制御弁78は、油室74に接続されたポ
ートaとライン油圧制御弁77よりライン油圧を供給され
る油圧ポートbと、ドレンポートcとを備える。このサ
ーボ油圧制御弁78は、通電時にはポートaを油圧ポート
bに接続し、非通電時にはポートaをドレンポートcに
接続する。サーボ油圧制御弁78の制御は、制御装置80に
より所定のデユーテイ比のパルス信号が与えられること
によつて行われる。これにより、このデユーテイ比に応
じた大きさのサーボ油圧が油室74に供給され、該デユー
テイ比に応じた差動制限力が発生されることになる。 制御装置80は、入力系90からの各入力信号に応じて前
記油圧制御部23及び72を制御する。 この制御装置80には、スロツトル開度センサ91からの
スロツトル開度情報、マニユアルシフトポジシヨンセン
サ92からの自動変速機20のシフトレンジ情報、前輪回転
数センサ93からの前輪回転数情報、後輪回転数センサ94
からの後輪回転数情報、操舵角センサ95からの車両の操
舵角情報、制動センサ96からの制動情報、O/Dスイツチ9
7からの運転者のオーバードライブ(第4速段)走行の
許可に関する情報、冷却水温センサ98からのエンジン冷
却水温情報が入力されている。O/Dスイツチ97がOFFとさ
れたとき及び冷却水温が低いときは、自動変速機20は、
第4速段には変速されず、第1速段〜第3速段間で変速
が行われる。 更に制御装置80には、差動セレクトスイツチ99からの
運転者の差動制御状態の要求に関する情報も入力されて
いる。差動セレクトスイツチ99は「FREE(フリー)」と
「AUTO(オート)」の2つのモードが選択できるように
なつている。FREEモードのときは差動制御クラツチ70の
クラツチ油圧が「FREE」、即ち零(差動許可)とされ
る。AUTOモードのときは車両走行状態に応じて自動的に
クラツチ油圧が適宜に切換え制御されるようになつてい
る。 制御装置80は、公知の方法により、マニユアルシフト
レンジ情報と、前輪回転数情報あるいは後輪回転数情報
のいずれか遅い方(車速情報)と、スロツトル開度情報
とに応じて、予め定められた変速パターンに従つて、自
動変速機20の変速段制御のための制御信号を油圧制御部
23に出力する。 又、制御装置80は、車両の種々の走行状態に応じて、
差動制御クラツチ70のクラツチ油圧を制御する。差動制
御クラツチ70のクラツチ油圧を任意に制御する構成につ
いては、既に詳述した通りである。 次に、上記装置で実行される差動制限制御のフローチ
ヤートを第4図に示す。 まず、フラグF1、F2を説明する。 フラグF1は、駆動力が小さく(トランスフア装置50、
あるいは差動制御クラツチ70への入力トルクが小さ
く)、且つ低車速時用の差動制限力が与えるべきときに
1、そうでないときに零となるフラグである。 フラグF2は、同じく中、高車速時用の差動制限力を与
えるべき場合に1、そうでない場合に零とされるフラグ
である。 これらのフラグF1、F2は、初期状態はいずれも零とさ
れている。 又、この制御フローにおいて採用されているスロツト
ル開度θに関する閾値には、θ1〜θ4の4つがあり、θ
1<θ3≦θ2<θ4の関係がある。又、車速Vに関する閾
値として、V1、V2の2つがあり、V1<V2の関係がある。 この実施例では、駆動力が大きいか小さいかをスロツ
トル開度θの値を判断することによつて行つている。 制御フローがスタートすると、ステツプ101及び102に
おいてフラグF1及びフラグF2の値が判定される。当初は
フラグF1及びフラグF2とも零に設定されているため、ス
テツプ103へと進む。 ステツプ103においては、スロツトル開度θが閾値θ2
以下であるか否かが判定される。スロツトル開度θが閾
値θ2より大きかつた場合は、駆動力が大きいと判定さ
れ、ステツプ104及び105においてそれぞれフラグF1、F2
が零とされ、ステツプ106において第5図に示されてい
るように、駆動力が大きくなるに従つて強くなるような
特性のマツプに従つて差動制限力が付与され、その後リ
ターンされる。即ち、この場合は特に車速には依存しな
いで差動制限力が決定される。 一方、ステツプ103においてスロツトル開度θが閾値
θ2以下であると判定されたときは、ステツプ107に進
む。ステツプ107では車速Vが閾値V1以下であるか否か
が判定される。車速Vが閾値V1より高かつた場合は、現
在の走行状態が第6図(A)のBの領域にあると判断さ
れるため、ステツプ108に進んで差動制限力が比較的高
いFC2にセツトされる。その後ステツプ109及び110でフ
ラグF2が1、F1が零にそれぞれ設定された後リターンさ
れる。又、ステツプ107において車速Vが閾値V1以下で
あると判定されたときは、ステツプ111に進んでスロツ
トル開度θが閾値θ1以下であるか否かが判定される。
スロツトル開度θが閾値θ1以下であると判定されたと
きは、現在の走行状態が第6図(A)のAの領域にある
と考えられるため、ステツプ112に進んで差動制限力が
比較的小さいFC1にセツトされる。その後、ステツプ113
及び114においてフラグF1が1、F2が零に設定された後
リターンされる。スロツトル開度θが閾値θ1より高か
つたときはステツプ104〜106へと流れる。 ステツプ106を介してリターンされた場合はフラグF1
及びF2とも零に維持されているため、上述したフローが
繰り返される。 ステツプ112(差動制限力をFC1にセツト)を介してリ
ターンされた場合は、F1のみが1に設定されるため、ス
テツプ101においてYESの判定がなされ、フローはステツ
プ115へと進む。ステツプ115ではスロツトル開度θが閾
値θ3以下であるか否かが判定される。スロツトル開度
θが閾値θ3以下であつた場合は、ステツプ116に進んで
車速Vが閾値V1以下であるか否かが判定される。車速V
が閾値V1以下であつたときは、現時点の走行状態が第6
図(B)のCの領域にあると考えられるため、差動制限
力FC1の状態、即ち比較的低い差動制限力の状態がその
まま継続される。一方、ステツプ115、或いは116のいず
れかでNOの判定がなされたときは、差動制限力FC1を続
けるべき状態でなくなつたと判断し、ステツプ117に進
んでフラグF1が零に設定されリターンされる。従つて、
リターン後は再びステツプ103以下の手順に従つて差動
制限力が決定される。 一方、ステツプ108(差動制限力をFC2にセツト)を介
してリターンされた場合は、ステツプ101、102からステ
ツプ118へと進んでくる。ステツプ118では、スロツトル
開度θが閾値θ4以下であるか否かが判定される。スロ
ツトル開度θが閾値θ4以下であるときはステツプ119に
進んで車速Vが閾値V2以下であるか否かが判定される。
ここで、車速Vが閾値V2より大きいと判断されたとき
は、現時点での走行状態が第6図(B)のDの領域にあ
ると考えられるため、差動制限力FC2をそのまま継続す
べくリターンされる。しかしながら、ステツプ118でス
ロツトル開度θが閾値θ4より大きいと判断された場
合、或いはステツプ119で車速Vが閾値V2以下であると
判断された場合は、差動制限力FC2を維持すべき走行状
態でなくなつたと判定しステツプ120に進んでフラグF2
を零としリターンされる。従つて、リターン後は再びス
テツプ103以下のフローが実行されることになる。 この実施例では、このように差動制限力を与えるとき
とこれを変更するときとでスロツトル開度θ及び車速V
の双方にヒステリシスを設けるようにしているため、例
えばちよつとしたアクセル操作で差動制限力がFC1、
FC2、あるいは駆動力に応じた値との間でハンチングし
たりするのを防止することができる。 又、この実施例によれば、いかなるスロツトル開度で
あつても、又いかなる車速であつても必ずFC1、FC2、或
いはそれ以上の差動制限力が常に加わつているため、加
速時の差動制限力の増強制御の応答性がよくなり、良好
な加速性能を得ることができる。 又、アクセルをON、OFFしたり、或いはアクセルがOFF
の状態でアツプシフトされたりするときのガタ打ち音を
制御することができるようになる。 又、低車速領域では極めて低い差動制限力FC1が与え
られるため、タイトコーナブレーキング現象を発生する
ことなく良好に旋回したり、右、左折したりすることが
できるようになる。 更に、駆動力が小さいときであつても、車速がある程
度高くなつた場合(V1≦V≦V2)は、差動制限力はFC2
に高められるため、良好な操縦安定性を得ることができ
るようになる。なお、この強い差動制限力FC2は車速が
更に高くなると(V>V2)、解除される。これは前後輪
のタイヤの有効半径の違いによる差動が大きくなるため
である。 なお、上記実施例においては、第7図に示されるよう
に駆動力が小さいときの差動制限力を2段階(FC1と
FC2)に切り替えただけであつたが、例えば、第8図に
示されるように、車速に応じて連続的に「所定の差動制
限力」を変更するような制御を行なうのは無論自由であ
る。 この場合は、ステツプ108、或いは112において、加え
るべき差動制限力を、車速に応じて対応させた第7図に
示したようなマツプから呼び出すようにすればよい。
明する。 第2図は本発明の実施例が適用された車両用4輪駆動
装置を示すスケルトン図である。 この4輪駆動装置は、エンジン10、自動変速機20、セ
ンタデフアレンシヤル装置30、前輪用デフアレンシヤル
装置40、トランスフア装置50、後輪用デフアレンシヤル
装置60、差動制御クラツチ70、制御装置80、及び各種入
力系90を備える。 エンジン10は車両の前部に横置きにされている。エン
ジン10の出力は自動変速機20に伝達される。 自動変速機20は、流体式トルクコンバータ21及び補助
変速部22を備え、油圧制御部23によつて前進4段、後進
1段の変速段を自動的に切換える周知の構成とされてい
る。前進4段のうちの最高速段(第4速段)はオーバー
ドライブ段となつている。油圧制御部23は、制御装置80
の指令によつて制御される。自動変速機20を経た動力は
出力ギヤ24を介してセンタデフアレンシヤル装置30の入
力ギヤ31に伝達される。 センタデフアレンシヤル装置30は、この入力ギヤ31と
一体化されたデフアレンシヤルケース32を備える。デフ
アレンシヤルケース32には、周知の噛合構成によりピニ
オン軸33、2つの差動ピニオン34、35、後輪出力用サイ
ドギヤ36及び前輪出力用サイドギヤ37が取付けられてい
る。後輪出力用サイドギヤ36はトランスフア装置50のト
ランスフアリングギヤ51に連結されている。前輪出力用
サイドギヤ37は、中空の前輪駆動軸41に連結されてい
る。 前輪用デフアレンシヤル装置40は、この前輪駆動軸41
と一体化されたデフアレンシヤルケース42を備える。こ
のデフアレンシヤルケース42には周知の噛合構成により
ピニオン軸43、2つの差動ピニオン44、45、左側前輪出
力用サイドギヤ46及び右側前輪出力用サイドギヤ47が取
付けられている。左側前輪駆動用サイドギヤ46には左側
前輪車輪48が、又、右側前輪出力用サイドギヤ47には右
側前輪車軸49がそれぞれ連結されている。 一方、トランスフア装置50は、センタデフアレンシヤ
ル装置30の後輪出力用サイドギヤ36に連結されたトラン
スフアリングギヤ51、このトランスフアリングギヤ51と
噛合するドリブンピニオン52、このドリブンピニオン52
とプロペラシヤフト53を介して一体的に回転するトラン
スフア出力回転ギヤ54を備える。トランスフア出力ギヤ
54は後輪用デフアレンシヤル装置60に連結されている。 後輪用デフアレンシヤル装置60は、トランスフア出力
ギヤ54と噛合するリングギヤが一体的に形成されたデフ
アレンシヤルケース61を備える。このデフアレンシヤル
ケース61には、周知の噛合構成によりピニオン軸62、2
つの差動ピニオン63、64、左側後輪出力用サイドギヤ65
及び右側後輪出力用サイドギヤ66が取付けられている。
左側後輪出力用サイドギヤ65は左側後輪車軸67に、右側
後輪出力用サイドギヤ66は右側後輪車軸68にそれぞれ連
結されている。 差動制御クラツチ70は、前記センタデフアレンシヤル
装置30の入力部材であるデフアレンシヤルケース32と該
センタデフアレンシヤル装置30の出力部材である前輪駆
動軸41とをトルク伝達関係に接続するものである。この
差動制御クラツチ70は、湿式の多板クラツチ部71及びこ
れを制御する油圧制御部72とから主に構成されている。 第3図に示されるように、多板クラツチ部71には油圧
サーボ部73が付設されている。この油圧サーボ部73の油
室74にサーボ油圧(クラツチ油圧)が供給されるとサー
ボピストン75がリターンスプリング76のバネ力に抗して
図中右方へ移動する。これによつて多板クラツチ部71が
押圧され、該多板クラツチ部71を介してデフアレンシヤ
ルケース32と前輪駆動軸41とがトルク伝達関係に接続さ
れる。又、油室74に供給されるサーボ油圧の増減に応じ
てその伝達トルク容量が比例的に増減される。油圧サー
ボ部73の油室74に対するサーボ油圧の供給は油圧制御部
72によつて行われる。 油圧制御部72は、自動変速機20内に組込まれたオイル
ポンプ74の油圧をエンジン負荷に応じた油圧に調圧する
ライン圧制御弁77と、電磁式のサーボ油圧制御弁78とを
備える。サーボ油圧制御弁78は、油室74に接続されたポ
ートaとライン油圧制御弁77よりライン油圧を供給され
る油圧ポートbと、ドレンポートcとを備える。このサ
ーボ油圧制御弁78は、通電時にはポートaを油圧ポート
bに接続し、非通電時にはポートaをドレンポートcに
接続する。サーボ油圧制御弁78の制御は、制御装置80に
より所定のデユーテイ比のパルス信号が与えられること
によつて行われる。これにより、このデユーテイ比に応
じた大きさのサーボ油圧が油室74に供給され、該デユー
テイ比に応じた差動制限力が発生されることになる。 制御装置80は、入力系90からの各入力信号に応じて前
記油圧制御部23及び72を制御する。 この制御装置80には、スロツトル開度センサ91からの
スロツトル開度情報、マニユアルシフトポジシヨンセン
サ92からの自動変速機20のシフトレンジ情報、前輪回転
数センサ93からの前輪回転数情報、後輪回転数センサ94
からの後輪回転数情報、操舵角センサ95からの車両の操
舵角情報、制動センサ96からの制動情報、O/Dスイツチ9
7からの運転者のオーバードライブ(第4速段)走行の
許可に関する情報、冷却水温センサ98からのエンジン冷
却水温情報が入力されている。O/Dスイツチ97がOFFとさ
れたとき及び冷却水温が低いときは、自動変速機20は、
第4速段には変速されず、第1速段〜第3速段間で変速
が行われる。 更に制御装置80には、差動セレクトスイツチ99からの
運転者の差動制御状態の要求に関する情報も入力されて
いる。差動セレクトスイツチ99は「FREE(フリー)」と
「AUTO(オート)」の2つのモードが選択できるように
なつている。FREEモードのときは差動制御クラツチ70の
クラツチ油圧が「FREE」、即ち零(差動許可)とされ
る。AUTOモードのときは車両走行状態に応じて自動的に
クラツチ油圧が適宜に切換え制御されるようになつてい
る。 制御装置80は、公知の方法により、マニユアルシフト
レンジ情報と、前輪回転数情報あるいは後輪回転数情報
のいずれか遅い方(車速情報)と、スロツトル開度情報
とに応じて、予め定められた変速パターンに従つて、自
動変速機20の変速段制御のための制御信号を油圧制御部
23に出力する。 又、制御装置80は、車両の種々の走行状態に応じて、
差動制御クラツチ70のクラツチ油圧を制御する。差動制
御クラツチ70のクラツチ油圧を任意に制御する構成につ
いては、既に詳述した通りである。 次に、上記装置で実行される差動制限制御のフローチ
ヤートを第4図に示す。 まず、フラグF1、F2を説明する。 フラグF1は、駆動力が小さく(トランスフア装置50、
あるいは差動制御クラツチ70への入力トルクが小さ
く)、且つ低車速時用の差動制限力が与えるべきときに
1、そうでないときに零となるフラグである。 フラグF2は、同じく中、高車速時用の差動制限力を与
えるべき場合に1、そうでない場合に零とされるフラグ
である。 これらのフラグF1、F2は、初期状態はいずれも零とさ
れている。 又、この制御フローにおいて採用されているスロツト
ル開度θに関する閾値には、θ1〜θ4の4つがあり、θ
1<θ3≦θ2<θ4の関係がある。又、車速Vに関する閾
値として、V1、V2の2つがあり、V1<V2の関係がある。 この実施例では、駆動力が大きいか小さいかをスロツ
トル開度θの値を判断することによつて行つている。 制御フローがスタートすると、ステツプ101及び102に
おいてフラグF1及びフラグF2の値が判定される。当初は
フラグF1及びフラグF2とも零に設定されているため、ス
テツプ103へと進む。 ステツプ103においては、スロツトル開度θが閾値θ2
以下であるか否かが判定される。スロツトル開度θが閾
値θ2より大きかつた場合は、駆動力が大きいと判定さ
れ、ステツプ104及び105においてそれぞれフラグF1、F2
が零とされ、ステツプ106において第5図に示されてい
るように、駆動力が大きくなるに従つて強くなるような
特性のマツプに従つて差動制限力が付与され、その後リ
ターンされる。即ち、この場合は特に車速には依存しな
いで差動制限力が決定される。 一方、ステツプ103においてスロツトル開度θが閾値
θ2以下であると判定されたときは、ステツプ107に進
む。ステツプ107では車速Vが閾値V1以下であるか否か
が判定される。車速Vが閾値V1より高かつた場合は、現
在の走行状態が第6図(A)のBの領域にあると判断さ
れるため、ステツプ108に進んで差動制限力が比較的高
いFC2にセツトされる。その後ステツプ109及び110でフ
ラグF2が1、F1が零にそれぞれ設定された後リターンさ
れる。又、ステツプ107において車速Vが閾値V1以下で
あると判定されたときは、ステツプ111に進んでスロツ
トル開度θが閾値θ1以下であるか否かが判定される。
スロツトル開度θが閾値θ1以下であると判定されたと
きは、現在の走行状態が第6図(A)のAの領域にある
と考えられるため、ステツプ112に進んで差動制限力が
比較的小さいFC1にセツトされる。その後、ステツプ113
及び114においてフラグF1が1、F2が零に設定された後
リターンされる。スロツトル開度θが閾値θ1より高か
つたときはステツプ104〜106へと流れる。 ステツプ106を介してリターンされた場合はフラグF1
及びF2とも零に維持されているため、上述したフローが
繰り返される。 ステツプ112(差動制限力をFC1にセツト)を介してリ
ターンされた場合は、F1のみが1に設定されるため、ス
テツプ101においてYESの判定がなされ、フローはステツ
プ115へと進む。ステツプ115ではスロツトル開度θが閾
値θ3以下であるか否かが判定される。スロツトル開度
θが閾値θ3以下であつた場合は、ステツプ116に進んで
車速Vが閾値V1以下であるか否かが判定される。車速V
が閾値V1以下であつたときは、現時点の走行状態が第6
図(B)のCの領域にあると考えられるため、差動制限
力FC1の状態、即ち比較的低い差動制限力の状態がその
まま継続される。一方、ステツプ115、或いは116のいず
れかでNOの判定がなされたときは、差動制限力FC1を続
けるべき状態でなくなつたと判断し、ステツプ117に進
んでフラグF1が零に設定されリターンされる。従つて、
リターン後は再びステツプ103以下の手順に従つて差動
制限力が決定される。 一方、ステツプ108(差動制限力をFC2にセツト)を介
してリターンされた場合は、ステツプ101、102からステ
ツプ118へと進んでくる。ステツプ118では、スロツトル
開度θが閾値θ4以下であるか否かが判定される。スロ
ツトル開度θが閾値θ4以下であるときはステツプ119に
進んで車速Vが閾値V2以下であるか否かが判定される。
ここで、車速Vが閾値V2より大きいと判断されたとき
は、現時点での走行状態が第6図(B)のDの領域にあ
ると考えられるため、差動制限力FC2をそのまま継続す
べくリターンされる。しかしながら、ステツプ118でス
ロツトル開度θが閾値θ4より大きいと判断された場
合、或いはステツプ119で車速Vが閾値V2以下であると
判断された場合は、差動制限力FC2を維持すべき走行状
態でなくなつたと判定しステツプ120に進んでフラグF2
を零としリターンされる。従つて、リターン後は再びス
テツプ103以下のフローが実行されることになる。 この実施例では、このように差動制限力を与えるとき
とこれを変更するときとでスロツトル開度θ及び車速V
の双方にヒステリシスを設けるようにしているため、例
えばちよつとしたアクセル操作で差動制限力がFC1、
FC2、あるいは駆動力に応じた値との間でハンチングし
たりするのを防止することができる。 又、この実施例によれば、いかなるスロツトル開度で
あつても、又いかなる車速であつても必ずFC1、FC2、或
いはそれ以上の差動制限力が常に加わつているため、加
速時の差動制限力の増強制御の応答性がよくなり、良好
な加速性能を得ることができる。 又、アクセルをON、OFFしたり、或いはアクセルがOFF
の状態でアツプシフトされたりするときのガタ打ち音を
制御することができるようになる。 又、低車速領域では極めて低い差動制限力FC1が与え
られるため、タイトコーナブレーキング現象を発生する
ことなく良好に旋回したり、右、左折したりすることが
できるようになる。 更に、駆動力が小さいときであつても、車速がある程
度高くなつた場合(V1≦V≦V2)は、差動制限力はFC2
に高められるため、良好な操縦安定性を得ることができ
るようになる。なお、この強い差動制限力FC2は車速が
更に高くなると(V>V2)、解除される。これは前後輪
のタイヤの有効半径の違いによる差動が大きくなるため
である。 なお、上記実施例においては、第7図に示されるよう
に駆動力が小さいときの差動制限力を2段階(FC1と
FC2)に切り替えただけであつたが、例えば、第8図に
示されるように、車速に応じて連続的に「所定の差動制
限力」を変更するような制御を行なうのは無論自由であ
る。 この場合は、ステツプ108、或いは112において、加え
るべき差動制限力を、車速に応じて対応させた第7図に
示したようなマツプから呼び出すようにすればよい。
以上説明した通り、本発明によれば、入力トルクが小
さい場合であつても所定の差動制限力が加えられている
ためアクセルのON、OFF等に伴うガタ打ち音を抑制する
ことができ、又、入力トルクが小さくしかも車速が低い
ときは「所定の差動制限力」が低めに設定されるため、
タイトコーナブレーキング現象を起こすことなく円滑に
走行することができ、更に、入力トルクが小さい場合で
あつても車速がある程度高くなつたときは、「所定の差
動制限力」が比較的高く設定されるため、良好な操縦安
定性を得ることができるようになるという優れた効果が
得られる。
さい場合であつても所定の差動制限力が加えられている
ためアクセルのON、OFF等に伴うガタ打ち音を抑制する
ことができ、又、入力トルクが小さくしかも車速が低い
ときは「所定の差動制限力」が低めに設定されるため、
タイトコーナブレーキング現象を起こすことなく円滑に
走行することができ、更に、入力トルクが小さい場合で
あつても車速がある程度高くなつたときは、「所定の差
動制限力」が比較的高く設定されるため、良好な操縦安
定性を得ることができるようになるという優れた効果が
得られる。
第1図は、本発明の要旨を示すブロツク図、 第2図は、本発明が適用される4輪駆動車の動力伝達系
統を示すスケルトン図、 第3図は、センタデフアレンシヤル装置の差動を制限す
るための差動制御クラツチのスケルトン図、 第4図は、上記実施例装置で採用されている制御手順を
示す流れ図、 第5図は、駆動力に応じた差動制限力を与えるときの特
性例を示す線図、 第6図(A)(B)は車両の走行状態の領域を示す線
図、 第7図は、上記実施例で駆動力が小さいときに設定され
る差動制限力を車速との関係で示した線図、 第8図は、他の実施例における第7図相当の線図であ
る。 10……エンジン、20……自動変速機、30……センタデフ
アレンシヤル装置、40……前輪用デフアレンシヤル装
置、50……トランスフア装置、60……後輪用デフアレン
シヤル装置、70……差動制御クラツチ、80……制御装
置、90……入力系、92……マニユアルシフトポジシヨン
センサ、93……前輪回転数センサ、94……後輪回転数セ
ンサ、99……差動セレクトスイツチ、V……車速、θ…
…スロツトル開度、FC1、FC2……差動制限力。
統を示すスケルトン図、 第3図は、センタデフアレンシヤル装置の差動を制限す
るための差動制御クラツチのスケルトン図、 第4図は、上記実施例装置で採用されている制御手順を
示す流れ図、 第5図は、駆動力に応じた差動制限力を与えるときの特
性例を示す線図、 第6図(A)(B)は車両の走行状態の領域を示す線
図、 第7図は、上記実施例で駆動力が小さいときに設定され
る差動制限力を車速との関係で示した線図、 第8図は、他の実施例における第7図相当の線図であ
る。 10……エンジン、20……自動変速機、30……センタデフ
アレンシヤル装置、40……前輪用デフアレンシヤル装
置、50……トランスフア装置、60……後輪用デフアレン
シヤル装置、70……差動制御クラツチ、80……制御装
置、90……入力系、92……マニユアルシフトポジシヨン
センサ、93……前輪回転数センサ、94……後輪回転数セ
ンサ、99……差動セレクトスイツチ、V……車速、θ…
…スロツトル開度、FC1、FC2……差動制限力。
Claims (1)
- 【請求項1】前後輪の差動制限力を車両走行状態を反映
した信号により変更可能に構成した4輪駆動車の前後輪
差動制御装置において、 駆動力を前後輪に分配するトランスフアへの入力トルク
を検出する手段と、 車速を検出する手段とを備え、 前記車速が所定値以下のときでも前記差動制限力を零以
外の値とすると共に、前記入力トルクが所定値以下のと
きでも差動制限力を零以外の値とし、且つ、該入力トル
クが所定値以下のときに維持する差動制限力を、検出さ
れた車速が高いとき程高い値とした ことを特徴とする4輪駆動車の前後輪差動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63259057A JP2682066B2 (ja) | 1988-10-14 | 1988-10-14 | 4輪駆動車の前後輪差動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63259057A JP2682066B2 (ja) | 1988-10-14 | 1988-10-14 | 4輪駆動車の前後輪差動制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02106440A JPH02106440A (ja) | 1990-04-18 |
JP2682066B2 true JP2682066B2 (ja) | 1997-11-26 |
Family
ID=17328727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63259057A Expired - Lifetime JP2682066B2 (ja) | 1988-10-14 | 1988-10-14 | 4輪駆動車の前後輪差動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2682066B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03217336A (ja) * | 1990-01-19 | 1991-09-25 | Mazda Motor Corp | 車両の差動制限装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63134347A (ja) * | 1986-11-26 | 1988-06-06 | Toyota Motor Corp | 4輪駆動制御装置 |
-
1988
- 1988-10-14 JP JP63259057A patent/JP2682066B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02106440A (ja) | 1990-04-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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