JP2679729B2 - 加硫可能な組成物 - Google Patents

加硫可能な組成物

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JP2679729B2 JP63152135A JP15213588A JP2679729B2 JP 2679729 B2 JP2679729 B2 JP 2679729B2 JP 63152135 A JP63152135 A JP 63152135A JP 15213588 A JP15213588 A JP 15213588A JP 2679729 B2 JP2679729 B2 JP 2679729B2
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憲一 林
義人 松岡
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イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規なパーオキシド加硫可能な含フッ素エラ
ストマーを含む組成物に関するものである。さらに詳し
くいえば、本発明は、良好な耐熱性、耐溶剤性、耐薬品
性を有する上に、ロール混練時の加工性、成形時の流動
性、金型よりの離型性及び耐寒性が優れたパーオキシド
加硫可能な含フッ素エラストマー及びパーオキシド加硫
剤からなる加硫可能な組成物に関するものである。
従来の技術 従来含フッ素エラストマーは、耐熱性、耐溶剤性、耐
薬品性などに優れていることから特に苛酷な条件下で使
用されるO−リング、オイルシール、パッキン、ガスケ
ットなどのシール材やダイヤフラムなどに使用されてい
る。
また含フッ素エラストマーは、種々の加硫方法、例え
ば、ポリアミン加硫、ポリオール加硫、パーオキシド加
硫などが知られており、用途に応じて最適な加硫法が選
定され採用されている。なかでも有機過酸化物を使用す
るパーオキシド加硫法によると、耐スチーム性、耐酸・
耐アルカリ性、耐アミン性などに優れたものが得られる
ことが知られている。この場合の含フッ素エラストマー
としてはヨウ素又は、臭素を架橋点として結合させてい
るものが用いられ、これまで一般式Rf・Ix(ただし、
fはフルオロ炭化水素基又はクロロフルオロ炭化水素
基である)で表わされるヨウ素化合物を用いる方法(特
開昭53-125491号公報)、一般式R・Ix(ただし、Rは
炭素数1〜3の炭化水素基である)で表わされるヨウ素
化合物を用いる方法(特開昭60-221409号公報)、臭素
又はヨウ素を結合する芳香族化合物を用いる方法(特開
昭62-232407号公報)、ヨウ素又は臭素含有過酸化物を
用いる方法(特開昭63-23907号公報)、臭素を含む含フ
ッ素オレフィンを共重合させて得られる臭素を含有する
パーオキシド加硫可能な含フッ素重合体(特公昭53-411
5号公報)、一般式R・Brx(ただし、Rは飽和脂肪族炭
化水素基である)で表わされる臭素化合物を用いる方法
(特開昭59-20310号公報)などが提案されている。
このように、パーオキシド加硫用含フッ素エラストマ
ーには、臭素含有タイプとヨウ素含有タイプがあり、こ
れらはいずれも実用化されているが、含フッ素エラスト
マーが本来有する良好な耐溶剤性、耐油性、耐薬品性を
保持するとともに、ロール混練時の加工性や流動性、離
型性、耐寒性も優れたものは、まだ見出されていないの
が現状である。
すなわち、耐溶剤性の1例として耐メタノール性があ
るが、この耐メタノール性は含フッ素エラストマーのフ
ッ素含有に大きく左右され、フッ素含有が高いほど耐メ
タノール性は良好となるが、このような高フッ素含有タ
イプにすると、ロール混練時の加工性及び耐寒性が低下
する傾向がある。一方、低フッ素含有タイプのものは、
耐寒性は極めて良いが、耐溶剤性や耐薬品性などが著し
く劣る傾向にある。例えばビニリデンフルオリド単位と
ヘキサフルオロプロピレン単位とから成る二元系低フッ
素含量タイプのものは、耐寒性は良好であるものの、耐
メタノール性と耐硫酸性が著しく劣るという欠点があ
る。
また、ロール加工性については、一般的に分子量分布
がブロード化すると向上する傾向にあることが知られて
いるが、ヨウ素含有タイプのものは分子量分布がシャー
プになる傾向があるため、ロール加工性はあまり改善さ
れていない。一方、臭素含有タイプのものは、分子量分
布がブロード化する傾向にあるが、架橋点としての臭素
のラジカル活性がヨウ素含有タイプのものに比べて低い
ため、加硫性が低く、また、プレス加硫後の金型離型性
に劣るという欠点がある。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような事情のもとで、含フッ素エラス
トマーが本来有する良好な耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性
を十分に保持するとともに、ロール混練時の加工性、成
形時の流動性及び金型からの離型性が良く、さらに耐寒
性にも優れた、高性能のパーオキシド加硫可能な含フッ
素エラストマー及びパーオキシド加硫剤からなる加硫可
能な組成物を提供することを目的としてなされたもので
ある。
課題を解決するための手段 本発明者らは、このような全体的にバランスのとれた
優れた物性を有する高性能のパーオキシド加硫可能な含
フッ素エラストマーを開発するために鋭意研究を重ねた
結果、極限粘度数、分子量分布を表わす重量平均分子量
Wと数平均分子量Nとの比WN、数平均分子量
Nと極限粘度数[η](ml/g)との比N/[η]がそれ
ぞれ所定の範囲にある特定組成の含フッ素エラストマー
が前記目的に適合しうることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ビニリデンフルオリド(以下、
VdFと略記する)単位、ヘキサフルオロプロピレン(以
下、HFPと略記する)単位及びテトラフルオロエチレン
(以下、TFEと略記する)単位から成るそして、臭素化
された、またはヨウ素化された硬化部位を有する含フツ
素エラストマーにおいて、 (イ) フツ素含量が66.5〜68.5重量%であり、かつヘ
キサフルオロプロピレン単位の含有量が20〜35重量%で
あること、 (ロ) 極限粘度数が40〜100ml/gであること、 (ハ) 重量平均分子量Wと数平均分子量Nとの比
WNが1.5〜3.0であること、及び (ニ) 数平均分子量Nと極限粘度数[η](ml/g)
との比N/[η]が600〜1200であること を特徴とするパーオキシド加硫可能な含有フツ素エラス
トマー及びパーオキシド加硫剤からなる加硫可能な組成
物を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の含フッ素エラストマーは、VdF単位とHFP単位
とTFE単位とから成る共重合体であって、フッ素含量が6
6.5〜68.5重量%、好ましくは66.5〜67.5重量%の範囲
にあり、かつHFP単位の含有量が20〜35重量%、好まし
くは22〜28重量%の範囲にあることが必要である。該フ
ッ素含量が66.5重量%未満ではメタノールなどの溶剤に
対する耐溶剤性や濃硫酸などの薬品に対する耐薬品性に
著しく劣るし、68.5重量%を超えると耐寒性が低下する
傾向が生じる。一方、HFP単位の含有量が20重量%未満
ではエラストマーとしての性質が十分に発揮されないお
それがあるし、35重量%を超えるとロール混練時の加工
性などが低下する傾向がある。
本発明のパーオキシド加硫可能な含フッ素エラストマ
ーとしては、ヨウ素含有タイプ(ヨウ素化された硬化部
位を有する)、臭素含有タイプ(臭素化された硬化部位
を有する)のいずれのものでもよいが、加硫反応性の点
から、ヨウ素含有タイプのものが好ましい。これは、炭
素−ヨウ素結合が炭素−臭素結合に比べて、ラジカルに
よる引き抜き反応性に富むので、ヨウ素含有タイプのも
のの方が有機過酸化物によるパーオキシド加硫を起こし
やすいためである。
このようなヨウ素含有タイプの含フッ素エラストマー
は、公知の方法、例えば一般式 R・Ix (式中のRは炭素数1〜3の炭化水素基、xは1又は2
である) で表わされるヨウ素化合物の存在下に、含フッ素オレフ
ィンを共重合させる方法(特開昭60-221409号公報)な
どによって製造することができる。このヨウ素含有タイ
プの含フッ素エラストマーは、ポリマーに結合している
ヨウ素の含有量が0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2
重量%の範囲にあるものが有利である。
本発明の含フッ素エラストマーにおいては、極限粘度
数[η]が40〜100ml/gの範囲にあることが必要であ
る。この極限粘度数は分子量を示す指標であり、その値
が40ml/g未満では低分子量ポリマーが多く、ロール加工
時において、ロールへの粘着が起こりやすくなる。一
方、100ml/gを超えると流動性が低下して加工性が悪く
なる傾向が生じる。特に、ヨウ素を未満に結合する含フ
ッ素エラストマーの場合、分子量が大きくなるのに伴
い、必然的にポリマー中のヨウ素含量が減少するので、
加硫度が低下し、プレス加硫時の金型離型性が悪くな
る。好ましい極限粘度数[η]は、50〜80ml/gの範囲で
選ばれる。
本発明の含フッ素エラストマーにおける分子量分布に
ついては、重量平均分子量Wと数平均分子量Nとの比
WNが1.5〜3.0、好ましくは1.8〜2.8の範囲にあ
り、かつ数平均分子量Nと極限粘度数[η](ml/g)
との比N/[η]が600〜1200、好ましく700〜1100の
範囲にあることが必要である。本発明の含フッ素エラス
トマーは、このような分子量分布を有することにより、
耐寒性が向上する。
一般に、VdF単位を含む含フッ素エラストマーの耐寒
性は、フッ素含量と逆の相関があって、フッ素含量が多
くなるほど耐寒性が悪くなり、同一のフッ素含量であれ
ば、ほぼ同一の耐寒性を示すことが知られている。しか
しながら、本発明の含フッ素エラストマーは、分子量分
布が前記のような特殊な関係にあることにより、耐寒性
の評価手法として用いられているゲーマン捩り試験及び
TR試験において、耐寒性はフッ素含量が同一の市販品ポ
リマーに比べて、かなり改善されている。
前記N/[η]の値は、極限粘度数[η]が同一で
ある場合の低分子量ポリマー成分の含有割合やポリマー
鎖からの分枝の割合などを表わすと考えられており、低
分子量ポリマー成分の含有割合や分枝度が特定の範囲に
ある場合、ポリマー鎖の分子運動が低温で保持されやす
く、その結果耐寒性が改善されるものと思われる。
本発明の含フッ素エラストマーは、このような分子量
分布を有することにより、フッ素含量が同一の従来の含
フッ素エラストマーに比べて、耐寒性が約5℃改善され
ている。したがって、フッ素含量が約67重量%のVdF単
位とHFP単位とTFE単位とから成る本発明の三元系共重合
体は、フッ素含量が約65重量%のVdF単位とHFP単位とか
ら成る二元系共重合体と同等の耐寒性を確保することが
できる。一方、耐溶剤性、例えば耐メタノール性はフッ
素含量によって一義的に決まり、フッ素含量が多いほど
良好となる。すなわち、本発明の含フッ素エラストマー
は、三元系含フッ素エラストマーの良好な耐溶剤性を保
持するとともに、二元系含フッ素エラストマーに匹敵す
る耐寒性を有しており、このことは極めて重要な意義を
有する。
次に本発明の含フッ素エラストマーの好適な製造方法
を説明する。通常、含フッ素エラストマーは、一般的に
は乳化重合法によって製造され極めて特殊なケースとし
て懸濁重合法や溶液重合法によって製造されることがあ
る。本発明の含フッ素エラストマーもいずれの方法で製
造してもよいが、本発明の構成要素である極限粘度数、
WNN/[η]の分子量、分子量分布の特殊な
関係を満足するためには懸濁重合法によって製造するこ
とが好ましい。
本発明の含フッ素エラストマーは、ポリマー中にヨウ
素を結合しているものが好ましく、このような含フッ素
エラストマーは、例えば前記したように、一般式 R・Ix (式中のRは炭素数1〜3の炭化水素基、xは1又は2
である) で表わされるヨウ素化合物の存在下に、含フッ素オレフ
ィンを懸濁重合法により共重合させることにより製造す
ることができる。この懸濁重合法においては、反応温度
を50℃以上の高温とし、重合触媒及び前記ヨウ素化合物
の存在下に、含フッ素オレフィンを比較的重合時間を長
くして重合させることが望ましい。この際、ヨウ素化合
物の仕込みモル数に対して、少ないモル数の重合触媒を
仕込んで重合させると効率よくヨウ素をポリマー中に結
合させることができる。
次に、本発明の含フッ素エラストマーを製造するため
の好ましい懸濁重合法の1例について説明すると、まず
所定の混合モノマー(仕込みモノマー)を溶存した不活
性有機溶媒を懸濁安定剤を含む水媒体中に分散させたの
ち、これに有機過酸化物を触媒として添加し機械的にか
きまぜながら温度を好ましくは50〜100℃の範囲を保
ち、かつ圧力が通常5〜20kg/cm2・Gで一定になるよう
に新たな組成の混合モノマー(追添モノマー)を添加し
て重合を進める。この際、生成する含フッ素エラストマ
ーの量がほぼ追添モノマー量に等しく、かつ含フッ素エ
ラストマーの組成が、ほぼ追添モノマー組成と同じにな
るように仕込み組成を決定する。
仕込みモノマー組成及び追添モノマーの組成はガスク
ロマトグラフ(G.C.)により、含フッ素エラストマー中
のモノマー単位の組成は、該エラストマーをアセトンに
溶解後19FNMRによって測定することができる。
この懸濁重合法において用いられる不活性有機溶媒と
しては、連鎖移動を生じやすい炭素−水素結合をもたな
い有機溶媒から選択することが好ましく、例えばパーフ
ルオロジメチルシクロブタン、1,1,2−トリクロロ−1,
2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−
テトラフルオロエタンなどを用いることができるが、特
に1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンが性
能的にも経済的にも好適である。
また懸濁安定剤としては、従来慣用されている公知の
もの、例えばメチルセルロース、ポリビニルアルコール
などを用いることができるが、特にメチルセルロースが
好適である。重合開始剤については、重合温度で重合開
始能を有する有機過酸化物であればよく、特に制限はな
いが、例えばパーオキシジカーボネート系触媒やジアシ
ルパーオキシド系触媒が好ましい。該パーオキシジカー
ボネート系触媒の具体例としては、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジ
カーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネート、ジ−n−ブチルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−see−ブチルパーオキシジカーボネートなどが
挙げられるが、これらの中でジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート及びジ−n−プロピルパーオキシジカー
ボネートが好適である。ジアシルパーオキシド系触媒の
具体例としては、ジパーフルオロブタノイルパーオキシ
ド、イソブチリルパーオキシドなどが挙げられる。
添加するヨウ素化合物としては、例えばモノヨードメ
タン、ジヨードメタン、1−ヨードエタン、1,2−ジヨ
ードエタン、1−ヨード−n−プロパン、ヨウ化イソプ
ロピル、1,3−ジヨード−n−プロパンなどが挙げら
れ、これらの中でジヨードメタンが重合反応性、加硫反
応性、入手の容易さなどの点からもっとも好ましく用い
られる。これらのヨウ素化合物の添加量は、重合触媒添
加量との関係で決定し、ヨウ素をポリマー中に有効に結
合させるために重合触媒モル数に対し過剰量のヨウ素化
合物を用いることが好ましい。
含フッ素エラストマーの分子量を調整するために、メ
タノール、エタノール、イソペンタン、マロン酸ジエチ
ル、四塩化炭素などの連鎖移動剤を併用することができ
るが必ずしも必要でない。
本発明の含フッ素エラストマーは、ポリアミン化合
物、ポリオール化合物などでも加硫可能であるが有機過
酸化物を用いるパーオキシド加硫した場合、本発明の含
フッ素エラストマーの改善された性能が著しく発揮され
る。
次に、パーオキシド加硫法について説明すると、ま
ず、含フッ素エラストマーに多官能性不飽和化合物、有
機過酸化物及び必要に応じて用いられる充てん剤や架橋
助剤として作用する金酸化物又は金属水酸化物などを配
合混練りしたのち、加熱して加硫処理を行う。該多官能
性不飽和化合物としては、例えば、トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルイソシアヌレート、トリス(ジアリル
アミン)−s−トリアジンなどが有用であり、特にトリ
アリルイソシアヌレートが好ましく用いられる。これら
の多官能性不飽和化合物の使用量は、エラストマー100
重量部当り、通常0.1〜10重量部、好ましくは1〜6重
量部の範囲で選ばれる。
有機過酸化物としては、熱によって容易にパーオキシ
ラジカルを発生するものが好ましく、例えば、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサンなどのジアルキルパーオキシドが好適である。
架橋助剤としての金属酸化物や水酸化物としては、例
えばカルシウム、マグネシウム、鉛、亜鉛などの酸化物
や水酸化物を有効である。これらの架橋助剤は、目的に
よって特に用いなくてもよい。充てん剤としては、例え
ばカーボンブラック、シリカ、クレー、タルクなどが必
要に応じ適宜用いられる。
前記の含フッ素エラストマー、多官能性不飽和化合
物、有機過酸化物及び必要に応じて用いられる充てん剤
や架橋助剤などの混合物は、ロールやバンバリーミキサ
ーなどで混練り後、金属に入れ加圧して一次加硫し次い
で二次加硫する。一般に一次加硫の条件は、温度100〜2
00℃、加硫時間5分〜30分、圧力20〜300kg/cm2・Gの
範囲から選ばれ、二次加硫の条件は、温度100〜200℃、
加硫時間0〜20時間の範囲から選ばれる。
発明の効果 本発明の含フッ素エラストマーは、良好な耐熱性、耐
溶剤性、耐薬品性を有し、かつロール混練時の加工性に
優れる上に、優れた耐寒性を併わせもつので、該含フツ
素エラストマー及びパーオキシド加硫剤からなる本発明
の組成物は、厳しい条件下に使用されるガスケット、O
−リング、オイルシールなどのシール材やダイヤフラ
ム、ホース、保護コーティングなどに好適に用いられ
る。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によって何ら限定されるもので
はない。
なお、含フッ素エラストマーの物性及び分子量分布、
加硫ゴムの物性は、次の方法に従って求めた。
含フッ素エラストマーの物性及び分子量分布 (1) 極限粘度数[η] 0.1g/100ml濃度のメチルエチルケトン溶液を、毛細管
粘度計を用いて、35℃で測定した。
(2) 分子量NW及び分子量分布WNは、次
の条件で測定し、求めた。
分子量分布測定条件 液体クロマトグラフ:LC-3A型(島津製作所(株)製) カラム:KF-80M(2本)+KF-800P(プレカラム)(昭和
電工(株)製) 検出器:ERC-7510S(エルマ光学(株)製) インテグレーター:7000A(システムインスツルメンツ社
製) 展開溶媒:テトラヒドロフラン 濃 度:0.1重量% 温 度:35℃ 分子量検量線用標準ポリマー:単分散ポリスチレン各種
(東洋曹達(株)製)(WN〜1.2(max)) 加工性、加硫ゴムの物性 (1) 引張特性 以下に示すパーオキシド加硫標準条件で、厚さ2mmの
加硫シートを作成し、これから3号ダンベル型試験片を
打抜き、JIS-K6301に準じて引張試験機[東洋精機
(株)製]を用い、引張速度50cm/分で測定した。
パーオキシド加硫標準条件 含フッ素エラストマー:100重量部 メディアムサーマルカーボン:30重量部 トリアリルイソシアヌレート:4重量部 パーヘキサ2,5B-40:3.75重量部 (日本油脂(株)製) 混練方法:ロール 一次熱プレス加硫:160℃×10分間 二次オーブン加硫:180℃×4時間 (2) 加工性 加工性の評価は、前記パーオキシド加硫標準条件の配
合で、ロール混練加工、成形する際の作業性により求め
た。
(i) ロール加工性 ロールへの粘着性、泣きわかれ、粉入れ時間、シート
出し状態を総合的にみて判定した。
○:優れる、△:普通、×:劣る (ii) 流動性 毛管流動性試験機キャピログラフ[東洋精機(株)
製]による測定結果より判定した。
○:優れる、△:普通、×:劣る (iii) 離型性 標準条件で一次プレス加硫し、厚さ2mmのシートを作
成した際の金型よりの離型性で判定した。
○:優れる、△:普通、×:劣る (3) 耐寒性 (i) ゲーマン捩り試験 ASTM D 1053-65に記載するゲーマン捩り試験法により
測定した。
(ii) TR試験 ASTM D 1329-72に従って測定されたTR10は、試験片が
その伸張長さの10%収縮する温度である。
(4) 耐液体性 JIS K 6301に従って各種液体中に浸せき後体積膨潤率
を測定した。
SFエンジン油;トヨタモーターオイルキャッスルクリー
ンターボSF 実施例1 電磁誘導式かきまぜ機を備えた内容積約15lのオート
クレーブを窒素ガスで十分に掃気し、減圧−窒素充てん
を3回繰り返して窒素置換したのち、減圧状態で脱酸素
した純水4,760g、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフル
オロエタン(以下フロン113という)2,190g及び懸濁安
定剤としてのメチルセルロース(粘度50cp)4.8g、ジヨ
ードメタン15.8gを仕込み、600rpmでかきまぜながら温
度50℃に保った。次いでVdF24.4重量%、HFP69.6重量
%、TFE6.0重量%から成る混合モノマーを仕込みガスと
して、15kg/cm2・Gとなるまで仕込んだ。次に触媒とし
て、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート20.5重量
%を含有したフロン113溶液を21.4g仕込み重合を開始さ
せた。重合により圧力が14.5kg/cm2・Gまで低下した
ら、VdF52.3重量%、HFP25.6重量%、TFE22.1重量%か
ら成る混合モノマーを追添ガスとして追添し、再び圧力
を15kg/cm2・Gに戻した。このような操作を繰り返し、
8.3時間重合反応を行った。重合反応終了後、残存する
混合モノマーを掃気し得られた懸濁液を遠心分離機で脱
水し、十分水洗したのち、100℃で真空乾燥して約3.3kg
のエラストマーを得た。得られた含フッ素エラストマー
19FNMRにより分析したところ、VdF単位53.2重量%、H
FP単位26.7重量%、TFE単位20.1重量%であり、フッ素
含量は、67.1重量%であった。
また[η]は、55ml/g、Nは4.6×104WN
2.2、N/[η]は、836であった。
該含フッ素エラストマーを標準条件によりパーオキシ
ド加硫したところ、加工性に優れ、かつ優れた特性を示
す加硫物が得られた。加硫ゴムの特性を第2表に示す。
実施例2〜5、比較例1〜2 第1表に示す重合条件で重合を行った以外は、実施例
1と同様に実施した。得られたエラストマーのポリマー
特性、加工性、加硫ゴム物性を第2表に示す。
比較例3〜5 市販のパーオキシド加硫可能な含フッ素エラストマー
の加工性、加硫ゴム物性を第2表に示す。
これらの実施例及び比較例の結果から、フッ素含有量
と耐寒性との関係を求めた。第1図はフッ素含有量とゲ
ーマン捩り試験における耐寒温度との関係を示すグラ
フ、第2図はフッ素含有量とTR試験における耐寒温度と
の関係を示すグラフである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、含フッ素エラストマーのフッ素含
量と耐寒温度との関係を示すグラフであり、第1図はゲ
ーマン捩り試験、第2図はTR試験による場合である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 直喜 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1 号 旭化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−112611(JP,A) 特開 昭63−304012(JP,A) 特開 平1−40509(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニリデンフルオリド単位、ヘキサフルオ
    ロプロピレン単位及びテトラフルオロエチレン単位から
    成るそして、臭素化された、またはヨウ素化された硬化
    部位を有する含フツ素エラストマーにおいて、 (イ)フツ素含量が66.5〜68.5重量%であり、かつヘキ
    サフルオロプロピレン単位の含有量が20〜35重量%であ
    ること、 (ロ)極限粘度数が40〜100ml/gであること、 (ハ)重量平均分子量Wと数平均分子量Nとの比W
    Nが1.5〜3.0であること、及び (ニ)数平均分子量Nと極限粘度数[η](ml/g)と
    の比N/[η]が600〜1200であること を特徴とするパーオキシド加硫可能な含フツ素エラスト
    マー及びパーオキシド加硫剤からなる加硫可能な組成
    物。
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