JP2675960B2 - 折り畳み椅子 - Google Patents

折り畳み椅子

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JP2675960B2
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窪田展久
村上智一
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Takano Co Ltd
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Kokuyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、折り畳んで積み重ねる
ことができるようにした折り畳み椅子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の折り畳み椅子として、例えば、
金属製パイプを略U字形に成形し、その開放端側に背も
たれが取り付けてなる前脚と、同じく金属製パイプを略
U字形に成形してなる後脚と、前脚と後脚とに軸支され
る座とからなり、前脚と後脚とを接近することにより座
が跳ね上がり、前脚、後脚、及び座を略平面的に折り畳
むことができるように構成したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成のものでは、使用しない場合に平面状に折り畳んで
積み重ねることができるため、折り畳みのできない他の
椅子と比べて収納スペースが少なくて済むという利点は
あるが、このような前脚や後脚は、金属製パイプにより
形成されたものであるゆえに積み重ねられた場合に相互
に接触していても滑り易く、多数積み重ねると位置ずれ
が生じて崩れるおそれがある。すなわち、上記のもので
は平面的に折り畳むことができるため、折り畳まれた状
態では平板的になり相互に係合可能な形状を有しておら
ず、椅子自身で位置ずれを防止し得るような構成は有し
ていない。本発明は、このような不具合を解消すること
を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る折り畳み椅子は、前脚と、
後脚と、座とを略平面的に折り畳むことができるように
構成したものであって、後脚と座とを相互に回動可能に
結合する連結手段と、該連結手段に着脱可能に装着され
て連結手段を被覆する被覆手段と、装着された際に背面
側となる該被覆手段の表面に設けられ該表面に積み重ね
られた前脚と後脚との横方向の移動を禁止する移動禁止
手段とを備えてなることを特徴とする。
【0005】簡単な構成で確実に積み重ねられた前脚と
後脚との移動を禁止するには、移動禁止手段が、折り畳
まれた状態の前脚と後脚との間の隙間に挿入し得る突条
からなるものが好ましい。
【0006】
【作用】このような構成のものであれば、平面状に折り
込んで積み上げた場合に、上側の椅子の前脚と後脚とは
被覆手段の背面側表面に接触することになるが、これら
の前脚と後脚とは移動禁止手段により横方向の移動が禁
止される。そのため、多数の椅子を積み上げても、横ず
れが生じるのを効果的に防止することができ、積み上げ
状態が崩れるのを防ぐことができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜6を参照
して説明する。図1に示す折り畳み椅子100は、前脚
1と、後脚2と、座3とを略平面的に折り畳むことがで
きるように構成してあり、後脚2と座3とを相互に回動
可能に結合する連結手段たる連結機構4と、該連結機構
4に着脱可能に装着されて連結機構4を被覆する被覆手
段たる連結金具カバー5と、装着された際に背面側とな
るこの連結金具カバー5の表面5aに設けられ該表面5
aに積み重ねられた前脚1と後脚2との横方向の移動を
禁止する移動禁止手段たる突条6とを備えている。
【0008】前脚1及び後脚2は、スチールパイプを略
U字形に曲げて形成してあり、床面に平行に載置される
ベース杆11、21を有している。後脚2のベース杆2
1には椅子を使用する際の安定性を向上させるための、
合成樹脂製で円筒形状の一部を中心軸方向に所定幅で切
除したような形状をしている滑動防止部材7が装着され
ている。そして、前脚1と後脚2とは、それぞれの傾斜
杆12、22において、座3の側面31に回動可能に連
結されて、座3を回動可能に支持している。
【0009】すなわち、前脚1は、左右の傾斜杆12の
略中間が座3の奥行き方向の中間より若干後方で座3の
側面31に軸着してある。この軸着構造において、前脚
1と座3の側面31との間には、座3の回動がスムーズ
にできるように間隙が形成されている。また、前脚1の
開放端部つまり傾斜杆12の最上端部には、背中の形状
に合うように後方に湾曲した背もたれ8が取り付けてあ
る。このような背もたれ8にあっては、折り畳まれた際
に、その湾曲した後面8aが、前脚1、後脚2及び座3
の含まれる平面から後方に突出することになる。また後
脚2は、折り畳まれた際に傾斜部分の長さが長くなるよ
う、傾斜杆22の長さが可変できる構成で、その上端2
3が前脚1の背もたれ8より下側に、前脚1の外側から
軸着され、かつ、上端23より少し下側の部位を座3の
後縁32に近い左右の側面31aに、連結機構4を介し
て回動可能に連結されている。
【0010】この連結機構4は、一方の端部41a側が
後脚の床面に対する角度に合わせて折り曲げられ、また
他方の端部41bは後脚2の外形にあわせて形成され、
全体としてL字形状をしている連結金具41と、その一
方の端部41aを回動可能に座3の側面31に軸着する
軸金具42とからなる。しかして、この連結金具41
は、前脚1を跨ぐようにして、つまり前脚1の外側に後
脚2を配設するようにして後脚2と座3とを連結するも
ので、その一方の端部41aは軸金具42により座3の
側面31に連結され、他方の端部41bは溶接により後
脚2の傾斜杆22の背面側に固定される。一方の端部4
1aは、軸金具42により前脚1に接触しないように間
隙が形成されて軸着されている。これに加えて、連結金
具41の長さは、前脚1と後脚2との間にも間隙gが形
成される寸法にしてあり、このような構造にすることに
より、前脚1と後脚2と座3とは、折り畳まれた際に略
同一平面内に位置するようになる。
【0011】この連結機構4の連結金具41には、連結
金具41の溶接部分を被覆するべく連結金具41全体を
被覆する連結金具カバー5が着脱可能に装着される。連
結金具カバー5は、合成樹脂製で、連結金具41の外形
に合わせて形成してあり、その背面側の表面5aには、
連結金具カバー5に一体成形で突条6が形成してある。
この突条6は、折り畳まれた状態の前脚1と後脚2との
間の間隙gに挿入し得る形状をして、その間隙gに対応
する位置に形成されている。すなわち、突条6は、折り
畳み椅子100が折り畳まれた際に、座3の着座表面3
aと同じ方向に向く連結金具カバー5の表面5aに形成
されもので、後脚2の傾斜杆22の軸方向に長い断面形
状略台形のもので、その略台形の両側部分は前脚1と後
脚2との形状に合わせて凹面形状にしてあるとともに、
前脚1と後脚2との間の間隙gの延長上に位置してい
る。
【0012】このような構成において、使用時には、保
管時に折り畳まれていた座3を前下方向に押し広げる
と、前脚1と後脚2とが前後方向に大きく開いて座3を
略水平状態に保持する形態になる。この使用状態では、
開いた後脚2のベース杆21の滑動防止部材7は、その
下面で床面と接触し、座3を後ろ方向に押す力が加わっ
た場合に、ベース杆21が後方に滑動するのを防止して
いる。
【0013】一方、保管をするために折り畳み椅子10
0を折り畳むと、前脚1と後脚2と座3とが略同一平面
内に位置し、背もたれ8の後面8aが前脚1より後方に
突出する形態となる。そして、積み重ねるべく折り畳ん
だ椅子100を床面に載置すると、連結金具カバー5が
上方を向いた状態になる。一方、積む椅子100の下面
の連結金具カバー5に対応する位置には、連結金具41
の一方の端部41aが若干露出するものの、前脚1及び
後脚2の傾斜杆12、22が所定の間隔をあけて位置し
ているだけである。しかして、床面に載置した第1の折
り畳み椅子100aの上に、左右方向にあってはそれぞ
れの前脚1及び後脚2が直上に重なるようにして、及び
前後方向にあってはそれぞれの後脚2のベース杆21が
直上に重なるようにして第2の折り畳み椅子100bを
載置すると、第2の折り畳み椅子100bの前脚1及び
後脚2のそれぞれの傾斜杆12、22の間の間隙gに、
連結金具カバー5の表面5aの突条6が挿入される。こ
の状態では、突条6の高さ以上に第2の折り畳み椅子1
00bの全体が浮上がらないかぎりは、座3の左右にあ
る前脚1と後脚2とのそれぞれの傾斜杆12、22が、
突条6により左右方向に移動するのを禁止され、したが
って折り畳み椅子100b全体も左右の移動を禁止され
る。
【0014】このようにして、連結金具カバー5の突条
6をその上に積まれる折り畳み椅子100の前脚1と後
脚2の傾斜杆12、22の間にある間隙gに挿入して多
数の折り畳み椅子100を積み重ねても、連結金具カバ
ー5の位置でそれぞれの折り畳み椅子100が左右方向
への移動が禁止されているので、左右方向には容易にス
タッキングが崩れることがない。なお、前後方向におけ
る移動に対しては、背もたれ8同士が当接しているので
移動は禁止されるが、これをより確実にするべく、連結
金具カバー5の突条6が設けられている表面5aに、上
に積み重ねられる折り畳み椅子100の連結金具41の
一方の端部41aに、あるいは一方の端部41aと軸金
具42とに係合する係合凹部を設けるものであってもよ
い。すなわち、そのような係合凹部は、係合する一方の
端部41aが傾斜杆22の中心軸と平行状態に位置して
いるので、この一方の端部41aの両側を傾斜杆22の
中心軸方向において挾持するように係合する形状に形成
されるものであればよい。このように、連結金具カバー
5の位置で左右前後の移動を禁止しておけば、多数をス
タッキングしておいても崩れることがなくなり、収納場
所を節約できるとともに積み重ねて収納した場合の安全
性を向上させることができる。
【0015】なお、本発明は以上説明した実施例に限定
されるものではない。例えば、移動禁止手段としては、
上記実施例に説明した突条6以外に、前脚1と後脚2と
の傾斜杆12、22の外形に対応してそれぞれ設けられ
た凹溝であってもよい。すなわち、傾斜杆12、22が
上記実施例と同様に丸パイプであれば、凹溝としては、
その断面が半円形状となるように形成し、傾斜杆12、
22が角パイプであれば、その角パイプの断面形状と略
同一の断面形状となるように形成すればよい。その他、
各部の構成は図示例に限定されるものではなく、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、折り
畳んで順次上に積み重ねることにより、被覆手段の表面
に設けられた突条が上に積み重ねられた前脚と後脚との
間隙に挿入されるので、積み重ねられた状態から前脚及
び後脚が左右方向に移動するのを容易に禁止することが
でき、上に積み重ねられたものの滑落を確実に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す背面から見た斜視図。
【図2】同実施例の連結金具カバーを拡大して示す斜視
図。
【図3】同実施例の折り畳んだ状態の上面図。
【図4】同実施例の折り畳んだ状態の下面図。
【図5】同実施例の折り畳んで積み重ねた状態を示す斜
視図。
【図6】同実施例の折り畳んで積み重ねた状態における
要部の断面図。
【符号の説明】
1…前脚 2…後脚 3…座 4…連結機構 5…連結金具カバー 6…突起 41…連結金具 42…軸金具 g…間隙

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前脚と、後脚と、座とを略平面的に折り畳
    むことができるように構成した折り畳み椅子であって、
    後脚と座とを相互に回動可能に結合する連結手段と、該
    連結手段に着脱可能に装着されて連結手段を被覆する被
    覆手段と、装着された際に背面側となる該被覆手段の表
    面に設けられ該表面に積み重ねられた前脚と後脚との横
    方向の移動を禁止する移動禁止手段とを備えてなること
    を特徴とする折り畳み椅子。
  2. 【請求項2】移動禁止手段が、折り畳まれた状態の前脚
    と後脚との間の隙間に挿入し得る突条からなることを特
    徴とする請求項1記載の折り畳み椅子。
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