JPH1175979A - 劇場ホール用椅子 - Google Patents

劇場ホール用椅子

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Publication number
JPH1175979A
JPH1175979A JP24444397A JP24444397A JPH1175979A JP H1175979 A JPH1175979 A JP H1175979A JP 24444397 A JP24444397 A JP 24444397A JP 24444397 A JP24444397 A JP 24444397A JP H1175979 A JPH1175979 A JP H1175979A
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JP
Japan
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seat
backrest
chair
theater hall
support rod
Prior art date
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Pending
Application number
JP24444397A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Ito
進 伊藤
Toru Sakai
徹 酒井
Kazuo Fujimoto
和男 藤本
Kenji Shoda
賢志 正田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takano Co Ltd
Original Assignee
Takano Co Ltd
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Publication date
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  • Chairs For Special Purposes, Such As Reclining Chairs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 前後の椅子列間の通路スペースを確保しなが
らも十分な長さの肘掛けを備え、老人等が着座あるいは
起立する時の補助機能を果たし、しかも通路幅等の制約
をクリアした上で最適な背角度を設定することができる
ようにする。 【解決手段】 座受6によって摺動可能に支持され着座
者の動きに付随して前位置と後位置との間を摺動する座
席2と、該座席2と連動して傾動する背凭れ3とを備
え、座席2と背凭れ3とが連動して座席2が前方へ移動
したときに背凭れ3が後方へ傾き、座席2が後方へ引き
込まれたときに背凭れ3が立って椅子の前後間隔が最も
広くなるようにしている。これによって、安楽な着座姿
勢を可能とし、また通路スペースを広げると共に非着席
時の椅子前後間隔を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、劇場、映画館、集
会場などで床に固定されて使用される連結客席・椅子
(本明細書ではこれらを総称して劇場ホール用椅子と呼
ぶ)に関する。更に詳述すると、本発明は椅子前後間隔
(前席最後部と後席最前部間の水平距離で客席部通路に
なる間隔)を可変にした劇場ホール用椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】映画館や演劇場、集会場などに据え付け
られる劇場ホール用椅子の場合、建築条例や火災予防条
例などによりレイアウトに規制を受ける。例えば、客席
部通路となる椅子前後間隔は、観客等の行き来を容易に
すると共に有事に備えて避難通路として十分なスペース
を確保する必要があることから、最低限の水平距離(例
えば350mm程度)をとらなければならない。他方、
劇場ホール用椅子のレイアウトに際しては、できる限り
スペースを有効活用して椅子の数を増やし収容可能な観
客定員数を増やすことが望まれる。
【0003】このような要望を満たす劇場ホール用椅子
としては、例えば図10に示すような、座席102を跳
ね上げ可能な椅子101が従来から使用されている。こ
のような跳ね上げ式の座席の場合、跳ね上げられる座席
102は仮想線で示すように肘掛け104よりも内側に
座裏面が収まるように設けられている。このため、椅子
前後間隔Lは、前席の背凭れ103の頂部(前席最後
部)と座席102を跳ね上げた状態で最も前方へ突出し
ている後席の肘掛け104の先端(後席最前部)との間
になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この跳
ね上げ式の劇場ホール用椅子101では、最低限の椅子
前後間隔Lを確保しつつ出来るだけ多くの椅子を据え付
け可能とするレイアウトを採用することが最優先とされ
るため、肘掛け104の長さが跳ね上がった座席102
の座裏面よりも僅かに前方へ突出した程度の長さとされ
ている。このため、座席102の長さに比べて肘掛け1
04が十分な長さを有しておらず、老人等が肘掛け10
4を利用して立ったり座ったりするには、肘掛け104
に手を掛け難く着座などの動作が簡単でないことがある
という問題を有している。
【0005】また、座席102の跳ね上げ時には条例等
が要求する椅子前後間隔Lを満たしていても、座席10
2を倒して着座しているときには座席102が飛び出し
た分だけ通路105の幅が狭くなり観客の行き来に十分
なスペースが確保できないことが多い。したがって着座
者の前を他の者が通ろうとすれば、着座者は一度椅子1
01から立ち上がって座席102を跳ね上げてから通路
を譲らなければならない不便がある。
【0006】さらに、背凭れ103のリクライニング機
能を備えていない椅子101の場合、背凭れの角度が固
定されている上に椅子前後間隔Lを確保するために十分
に倒されていないことから、観客は安楽な姿勢をとれ
ず、長時間座る場合には疲れてしまうこともある。
【0007】加えて、座席102が自動で跳ね上がるよ
うにされている椅子101ならば立ち上がると同時にこ
の座席102が跳ね上がるが、そうでない場合には立ち
上がる度に座席102を手で跳ね上げなければならない
煩わしさがある。また、当然ながら着座時には座席10
2を倒す必要があり、しかも着座する度に同じ動作を繰
り返す必要がある。さらに、自動跳ね上げ式の場合には
たとえ隣りの椅子が空いているからといって、手荷物な
どを一時的にそこに置いておくことさえままならないこ
ともある。
【0008】また、倒されている座席102の後部位置
に子供が立ち乗りしたような場合、誤って座席102が
跳ね上がってしまい足が挟まれたり隙間から落ちるよう
なおそれもある。
【0009】そこで、本発明は、椅子前後間隔と着座時
にも観客の行き来に十分な通路スペースを確保しながら
も十分な長さの肘掛けを備え、しかも着座姿勢を変化さ
せることにより好みの着座姿勢で座ることができる劇場
ホール用椅子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め請求項1記載の発明は、劇場ホールなどの床に固定さ
れる劇場ホール用椅子において、座受によって摺動可能
に支持され着座者の動きに付随して前位置と後位置との
間を摺動する座席と、傾動する背凭れとを備え、座席が
前方へ移動し背凭れが後方へ傾いたときに座席と背凭れ
の開き角を最大にし、座席が後方へ引き込まれ背凭れが
起立したときに椅子の前後間隔が最も広くなるようにし
ている。
【0011】したがって、この劇場ホール用椅子は、着
座者の動きによって座席を前後に移動させると共に背凭
れの傾きを変化させると、座席を前位置に移動させたと
きには座席と背凭れとの開き角を広げて安楽な着座姿勢
を可能とし、また座席を後位置に移動させたときには背
凭れをほぼ鉛直に立てて座席との開き角を狭めて通路ス
ペースを広げると共に非着席時の椅子前後間隔を確保す
る。しかも、起立姿勢をとった時は座が後方へ移動する
ため、椅子の前で直立できるスペースも十分に確保され
る。ここで、背凭れの起立状態は必ずしも鉛直状態を意
味するものではなく、やや後方に傾いた状態も含まれ
る。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の劇
場ホール用椅子において、前方に向かうに従って上向き
の変位を与えるガイド手段を座受に設け、背凭れを支持
する背支桿を座席に回転可能に取り付けると共にその背
支桿の一端をガイド手段に摺動可能に係合させ、座席の
前後方向への移動と連動して背支桿の一端にガイド手段
によって上下方向の変位を与えて背支桿の傾きを変化さ
せるようにしている。この場合、座席が前方へ出された
とき、座席の移動と共に背支桿の下端がガイド手段に案
内されてやや上方へ押し上げられるため、背支桿全体が
前方へ移動しつつ漸次後側へ傾く。したがって、背凭れ
は、下方へ沈み込みながら後方へ傾き、座席との開き角
を広げる。また座席を後方へ移動させると、背支桿およ
び背凭れはこれとは逆に動き、背凭れをほぼ鉛直に立て
てしまい、座席との開き角を狭めて通路スペースを広げ
ると共に非着席時の椅子前後間隔を確保する。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の劇
場ホール用椅子において、背凭れを支える支柱と背凭れ
のうちのいずれか一方に縦溝を、他方に該縦溝に係合す
る支持桿をそれぞれ設け、縦溝と支持桿との係合によっ
て背凭れを鉛直方向な上下動可能に支持させると共に座
席と背凭れとを連結し、座席が前方へ摺動するのに伴い
背凭れを傾動させながら下方へ沈ませるようにしてい
る。この場合、座席が前方へ出されたとき、座席の移動
と共に背凭れの下端が座席によって前方へ牽引される。
このとき、支柱に対して縦溝と支持桿との係合によって
支持されている背凭れは、縦溝と支持桿との相対的摺動
によって背凭れ支持点を相対的に移動させながら背凭れ
全体を後方へ傾けつつ下方へ沈む。即ち、背凭れは座席
が摺動するのに連動して、傾動動作と沈み込み動作とが
組み合わされた動作を行う。したがって、背凭れは、下
方へ沈み込みながら後方へ傾き、座席との開き角を広げ
る。また座席を後方へ移動させると、背支桿および背凭
れはこれとは逆に動き、背凭れをほぼ鉛直に立ててしま
い、座席との開き角を狭めて通路スペースを広げると共
に非着席時の椅子前後間隔を確保する。
【0014】請求項4記載の劇場ホール用椅子において
は、座席が座受に対してリンクを介して前後方向に揺動
可能に取り付けられ、座席がリンクの鉛直方向最大変位
点を通過して前位置と後位置との2位置間で移動するよ
うにしている。この場合、着座者の動きによって座席を
前後に移動させると、座席がリンクの回転中心を中心に
してリンクの鉛直方向最大変位点を通過するようにして
前位置と後位置との2位置間で移動する。即ち、座席は
動きの途中で一旦持ち上がるようにして前位置あるいは
後位置のいずれかに至るため、それらの位置で着座者の
体重によって固定される。また、この座席の前後動に伴
って背凭れの下端が前後方向へ牽引されるため、背凭れ
回転中心を中心に前後方向に背凭れが揺動しその傾きを
変える。したがって、背凭れは、座席の前方への移動に
伴って後方へ傾いて座席との開き角を広げ、また座席の
後方への移動に伴って背凭れをほぼ鉛直に立てて座席と
の開き角を狭め、通路スペースを広げると共に非着席時
の椅子前後間隔を確保する。このとき、背凭れが後ろか
ら押されたりしても、座席を着座者ごと持ち上げる力が
必要となるため、容易には座席の位置並びに背凭れの傾
きが変わることがない。
【0015】請求項5記載の劇場ホール用椅子では、座
席は前方に向かうに従って下方向の変位が与えられるよ
うにしている。この場合、着座者が腰掛けたときその体
重に応じて座席を前方へ付勢する分力が発生するため、
座席は前方へ摺動し易く、また着座している間には背凭
れが後ろから押されても座席が後方へ戻り難い。
【0016】さらに請求項6記載の劇場ホール用椅子
は、後位置に位置する座席の先端部のほぼ上方まで延び
る肘掛けを備えるようにしている。この場合、椅子前後
間隔を最優先したレイアウトにしても、最大限の肘掛け
の長さが確保される。したがって、この椅子に座るとき
あるいはこの椅子から立ち上がるときにこの肘掛けに容
易に手を掛けることができ、着座動作などが楽になる。
また着座時に肘や腕を置くスペースも十分に確保され
る。
【0017】更に、請求項7記載の劇場ホール用椅子で
は、座席は後位置へ移動したときに背凭れの下に潜り込
むようにしている。この場合、座席を後位置へ収納した
ときに、背凭れの下に座席の後部が潜り込むことで最小
の奥行き寸法とすることが可能となる。即ち、座席の長
さと椅子の奥行き寸法とが一致する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1に、本発明の劇場ホール用椅子の一実
施形態を示す。この実施形態の劇場ホール用椅子1は、
座受6によって摺動可能に支持され着座者の動きに付随
して前位置(実線で示す位置)と後位置(仮想線で示す
位置)との間を摺動する座席2と、該座席2と連動して
傾動する背凭れ3及び固定的な肘掛け4とを備えてい
る。
【0020】座受6は、劇場、映画館、集会場などの床
に固定される脚5に直にあるいは脚5に掛け渡された桁
材15の上に載置されて固定される。図示している実施
形態では桁材15の上に載置してから止め金具16を用
いてボルト止めなどによって固定されている。座受6
は、図3に示すように、ガイドレールを兼ねる側壁部6
aを両側に有する略コ形を成し、その底部が桁材15あ
るいは脚5に固定されている。両側壁部6aは座席2に
取り付けられるスライダ10を支持して案内する。ま
た、この座受6の底部には、前方が持ち上がるように緩
やかに傾斜した受板13が溶接付けなどで取り付けら
れ、更にその上にコ形の押さえ金具12が固定されてい
る。この押さえ金具12は略U形を成す背支桿8の下端
8aが通された状態で受板13に溶接などによって固着
されている。この受板13と押さえ金具12によってガ
イド手段14が構成されている。他方、背支桿8はその
下端8a寄りの部位が座席2側のスライダ10の後方の
連結シャフト9によって座席2の後端に連結され、椅子
の前後方向に揺動自在に連結されて支持されている。し
たがって、座席2の前後動に伴ってガイド手段14に沿
って移動する背支桿8の下端8aは、前方に向かうに従
って上向きの変位が与えられ、後方に向かうに従って下
向きの変位が与えられる。
【0021】また、座受6に摺動自在に支持されている
座席2は前方に向かうに従って下方向の変位が与えられ
るように設けられている。例えば、図1に示すように、
座受6の両側の側壁部6aの上端が僅かに前下りの勾配
θ3を持つように形成され、座席2を支持して前後へ摺
動させるためのスライダ10とその上の座席2が前下り
で摺動するように設けられている。この場合、着座者が
腰掛けると、その体重に応じて座席を前方へ付勢する分
力が発生するため、座席は前方へ摺動し易く、また着座
している間には背凭れが後ろから押されても座席が簡単
に後方へ戻り難くなる。しかも、座席2が前位置に安定
するので着座者は楽な着座姿勢を維持し易くなる。加え
て、このような座席2によれば、たとえ着座者がこの劇
場ホール用椅子1の座席2が摺動可能であることを知ら
なくても、着座した状態で楽な姿勢をとろうしたとき
に、摺動機構7によって座席2が前方へ摺動すると共に
背凭れ3が後方へ倒れることとなる。また着座している
間は勾配θ3のため後方から背凭れ3に力がかかっても
簡単には動かない。
【0022】また、背凭れ3は背支桿8を有し、該背支
桿8によって座席2の後端に連結され、椅子の前後方向
に揺動自在に支持されている。他方、背支桿8の下端8
a部分は座受6に設けられたガイド手段14に摺動可能
に係合されている。したがって、座席2の前後方向への
移動と連動して背支桿8の下端8aに対してはガイド手
段14によって上下方向の変位が与えられ背支桿8の傾
きが角度θ2の範囲で変化させられる。即ち、座席2が
前方へ出されたとき、座席2の移動と共に背支桿8の下
端8aがガイド手段14に案内されてやや上方へ押し上
げられるため、背支桿8全体が前方へ移動しつつ漸次後
側へ傾く。このとき、背凭れ3が後方へ傾いて背凭れ3
と座席2との開き角θ1を広げて安楽な姿勢を可能とす
る。その反面、座席2が後方へ引き込まれたときには、
背凭れ3が立って開き角θ1を狭めて通路スペースを広
げると共に非着席時の椅子前後間隔Lを確保する。
【0023】更に、座席2の両側には肘掛け4が設置さ
れている。この肘掛け4は例えば桁材15に取り付けら
れ、座席2の移動に関係なく一定位置にある。この肘掛
け4は、座席2が後位置に引き込まれた状態で座席の前
端縁と同じ位置にまで先端が突出するように設けられて
いる。このとき、最低限の椅子前後間隔Lを確保しつつ
最大の肘掛け長さを提供することができる。
【0024】尚、座席2そのものはその構造や材質など
に特に限定されるものはなく、従来の座席と同じ構造の
ものでも実施可能である。また、図示していないが、座
席2と脚側部材例えば座受6との間には座席2を後位置
に復帰させる力を常時付勢する復帰スプリングのような
付勢手段が設けられている。この付勢手段は、引っ張り
ばねやガススプリング、圧縮ばねなどをスライダ10や
連結シャフト11ないし9と座受6との間にスライダ1
0と平行に設置される。したがって、着座者が立ち上が
れば付勢手段によって自動的に後方位置へ座席2は戻さ
れ、それに連動して背凭れ3はほぼ鉛直方向に立つ。座
席2と背凭れ3とが連動して座席2が前方へ移動したと
きに背凭れ3が後方へ傾き、座席2が後方へ引き込まれ
たときに背凭れ3が立つように設けられている。
【0025】以上のように構成された劇場ホール用椅子
1によると、次のようにして観客の行き来に十分な通路
スペースを確保しながらも十分な長さの肘掛けを備え、
しかも着座姿勢を変化させることにより好みの着座姿勢
で座ることができる。
【0026】即ち、着座者の動きによって座席2が前方
へ出されたとき、座席2の移動と共に背支桿8の下端8
aがガイド手段14に案内されてやや上方へ押し上げら
れるため、背支桿8全体が前方へ移動しつつ支点・連結
シャフト9を中心として後方へ回動し傾く。したがっ
て、背凭れ3は、下方へ沈み込みながら後方へ傾き、座
席2との開き角θ1を広げる。このとき、座席2をやや
前下りに摺動するように設けられているため、着座者が
腰を下ろしたときに座席2が自然にかつ滑らかに摺動す
るようになり、加えて座席2が前位置に安定するので着
座者は楽な着座姿勢を得易くなる。しかも、座席2が前
下りでスライドするので、着座者がいる状態で背凭れ3
を後方から押しても座席2や背凭れ3が簡単に動いてし
まうことはない。更に、この劇場ホール用椅子1では、
座席2が前方へ摺動する際にも着座者の背中が接触する
背凭れ3(特に背支点付近)が連動して沈み込みながら
傾くので、着座者の背中の動きに背凭れ3が追随してそ
の間にずれが生じ難く、シャツの裾がはみ出てしまうと
いったような不快な現象が少なくなる。
【0027】また、着席状態でその前を人が通るときに
は、座ったまま座席2を後方へ移動させると、背支桿8
および背凭れ3が逆に動いて背凭れ3をほぼ鉛直に立て
てしまう。したがって、座席2との開き角θ1を狭めて
着座したまま通路スペースを広げることができる。勿
論、座席2を後位置へ移動させると、椅子の前で直立で
きるスペースも十分に確保される。尚、着座者が立ち上
がると、付勢手段によって座席2が自動的に後方位置へ
戻されるので、それに伴って背凭れ3もほぼ鉛直状態に
戻り、非着席時の椅子前後間隔Lが自動的に確保され
る。勿論、付勢手段を備えていないときでも、座席2あ
るいは背凭れ3を軽く押すことによって、座席2と背凭
れ3とを連動させて簡単に所定の椅子前後間隔Lを確保
することができる。
【0028】更に、座席2と背凭れ3が動いている間で
も、図示するように、背凭れ3の下端と座席2の後端と
が常時接触しているので、座席2と背凭れ3との間に隙
間が発生することがなく、この隙間から着座者の持ち物
が落下することがなくなる。
【0029】また、図4〜図6に他の実施形態を示す。
この実施形態の劇場ホール用椅子1は、背凭れ3を支柱
を兼ねた固定的な支持桿19に揺動自在に支持させ、座
席2に対して連動可能なように連結したものである。具
体的には、背凭れ3に縦溝17を、背支桿19の上端に
支持桿18を設け、これらの係合によって背凭れ3を揺
動かつ上下動自在に支持するように設けられている。背
凭れ3と座席2とは連結板31によって連結され、座席
2が前方へ摺動するのに伴い背凭れ3を傾動させながら
下方へ沈ませるように設けられている。
【0030】支持桿18は、背凭れ3側のフック21に
よって形成される縦溝17と前後方向及び上方向で係合
して背凭れ3を支持する部材であり、本実施形態の場
合、背支桿19の上端を水平に折り曲げて構成してい
る。勿論、このようなパイプ構造に特に限定されず、両
側の肘掛け4あるいはこれを支持する部材に掛け渡され
たパイプや各々突出するピンのようなものでも実施可能
である。また、背凭れ3側に設けられた縦溝17は例え
ばインナーシェル(芯材)20によって形成される逆U
形のフック21のようなもので構成されている。勿論、
このような構造に特に限定されるものではなく、長孔を
設けた鋼板製ブラケットを背凭れ3に取り付けたり、金
属製U形フックやこれらの樹脂成形品などを背凭れ3に
固着しても良い。更に、縦溝17と支持桿18との関係
は、上述のものに特に限定されず、例えば背凭れ3側に
支持桿18を設ける一方肘掛け4側に縦溝17を設ける
ようにしても良い。さらには、これら縦溝17や支持桿
18の代わりに、例えばリニアスライダと回転対偶とを
組合わせたものなどを用いても構わず、要は背凭れ3に
対し傾動と沈み込み動作を併せて行わせることができる
機構であればよい。尚、図中の符号22は背凭れ3の背
面となる上甲板である。
【0031】また、座席2は摺動機構7を介して脚5あ
るいは脚5に掛け渡された桁材15の上に載置されて固
定された座受6に前後方向に摺動可能に支持されてい
る。この摺動機構7は、本実施形態の場合、座受6に溶
接付けなどで取り付けられたU形の支持フレーム24
と、この支持フレーム24の上を前後方向へ摺動するス
ライダ25とから構成されている。スライダ25は、支
持フレーム24の前後方向に延びる部分を上から弾力的
に把持するC形の摺動部28とこれらを前後で連結する
連結シャフト26,27とから構成され、その上に座席
2が載置されて取り付けられている。そして、前方の連
結シャフト26には座席2を後方へ復帰させる力を常時
付与する例えば引っ張りばね等の付勢手段29の一端が
取り付けられている。また、付勢手段29の他端は固定
部材例えば後方の下甲板23に取り付けられている。し
たがって、スライダ25には常時下甲板23側へ引っ張
られる力が作用しており、その上の座席2が前位置に移
動した状態で荷重が除かれると、即ち着座者が立ち上が
ると、自動的に座席2を後位置まで復帰させる。
【0032】また、背凭れ3は座受6に溶接付けなどで
固着された背支桿19の上端に形成された支持桿18に
フック21部分を引っかけるようにして、椅子の前後方
向に揺動自在でかつ上下方向にも摺動自在に支持されて
いる。本実施形態の場合、背支桿19と摺動機構7の支
持フレーム24とは一本のパイプを折り曲げて一体に形
成されている。また、この背凭れ3の下端部分はインナ
ーシェル20と一体成形された連結板31の把持爪30
によってスライダ25の後方の連結シャフト27に係合
されている。連結シャフト27と把持爪30との係合は
連結シャフト27を把持爪30が嵌合されることによっ
て行われる。
【0033】ここで、座受6に摺動自在に支持されてい
る座席2は前方に向かうに従って下方向の変位が与えら
れるように設けられている。例えば、図4に示すよう
に、座受6に対し支持フレーム24が僅かに前下りの勾
配θ3を持つように溶接付けなどで固着されている。し
たがって、着座者が腰掛けると、その体重に応じて座席
2を前方へ付勢する分力が発生するため、座席2は前方
へ摺動し易く、また着座している間には背凭れ3が後ろ
から押されても座席2が簡単に後方へ戻り難くなる。し
かも、座席2が前位置に安定するので着座者は楽な着座
姿勢を維持し易くなる。加えて、このような座席2によ
れば、たとえ着座者がこの劇場ホール用椅子1の座席2
が摺動可能であることを知らなくても、着座した状態で
楽な姿勢をとろうしたときに、摺動機構7によって座席
2が前方へ摺動すると共に背凭れ3が後方へ倒れること
となる。また着座している間は勾配θ3のため後方から
背凭れ3に力がかかっても簡単には動かない。
【0034】更に、座席2の両側には肘掛け4が設置さ
れている。この肘掛け4は例えば桁材15に取り付けら
れ、座席2の移動に関係なく一定位置にある。この肘掛
け4は、座席2が後位置に引き込まれた状態で座席の前
端縁と同じ位置にまで先端が突出するように設けられて
いる。このとき、最低限の椅子前後間隔Lを確保しつつ
最大の肘掛け長さを提供することができる。
【0035】以上のように構成された劇場ホール用椅子
によると、座席2の前後方向への移動と連動して背支桿
19の上端の支持桿18と縦溝17を介して係合する背
凭れ3の下端が牽引されて背凭れ3に対して揺動と上下
動とが同時に与えられる。例えば、座席2が前方へ出さ
れたとき、座席2の移動と共に背凭れ3の下端が座席2
によって前方へ牽引される。このとき、背支桿19の上
端の支持桿18と縦溝17との係合によって支持されて
いる背凭れ3は、縦溝17と支持桿18との相対的摺動
によって背凭れ3を後方へ傾けつつ下方へ沈む。これに
よって、背凭れ3と座席との開き角θ1が広がり安楽な
姿勢をとることができる。しかも、このとき背支点(背
凭れ支持点)も沈みながら前方へ移動するため、着座者
の背中と背凭れ3との間でずれ即ち背支点の移動がほと
んど起こらず、例えばシャツの裾がはみ出てしまうとい
った不快感を与えることがない。また座席2を後方へ移
動させると、背凭れ3の下端が後方へ押されて背凭れ3
が立ちながら持ち上げられる。即ち、背凭れ3をほぼ鉛
直に立ててしまい、座席との開き角θ1を狭めて通路ス
ペースを広げると共に非着席時の椅子前後間隔Lを確保
する。
【0036】更に、図7に本発明の劇場ホール用椅子の
他の実施形態を示す。この実施形態の劇場ホール用椅子
1は、摺動機構7としてリンク32を利用したもので、
座席2が座受6に対してリンク32を介して前後方向に
揺動可能に取り付けられ、座席3がリンク32の鉛直方
向最大変位点を通過して前位置(図7の右側の劇場ホー
ル用椅子1において実線で示される位置)と後位置(図
7の右側の劇場ホール用椅子1において仮想線で示され
る位置)との2位置間で移動するように設けられたもの
である。
【0037】背凭れ3は両側の肘掛け4に前後方向に揺
動自在に支持されている。本実施形態では、背凭れ3の
揺動中心は、肘掛け4からつり下げられたブラケットと
背凭れ3から前方へ突き出たブラケットとを貫通してこ
れらを連結するピン33である。このピン33が設けら
れる位置や構造については特に限定されないが、本実施
形態では図示するように肘掛け4の後部位置に設けら
れ、背凭れ3がそのほぼ中央を中心として傾動するよう
に設けられている。また背凭れ3はその下端が連結ピン
34によって座席2を支える支持部材36の後端に回転
可能に連結されており、座席2の前後方向への摺動に連
動して傾動するように設けられている。なお上述のよう
に形成された場合、リンク機構によって円弧を描くよう
に摺動する座席2と、ピン33を中心として傾動する背
凭れ3とでは連結ピン34における移動量が異なりずれ
が生じてしまうことがあるので、必要に応じてこのずれ
を吸収する手段例えば長孔などが設けられることがあ
る。
【0038】座席2は座受6にリンク32を介して連結
され、リンク32と座受6とを連結するピン35を中心
として前後方向に揺動自在に支持されている。リンク3
2は座席が前位置と後位置とに移動したときに座受6と
当接してそれ以上揺動しないように設けられている。本
実施形態の場合、リンク32の形状をほぼ三角形にする
ことによって、座席2の前位置と後位置とでリンク32
のいずれか一辺と座受6とが当接するように設けられて
いる。尚、背凭れ3の傾動範囲については、座席2が後
位置まで摺動したとき背凭れ3がほぼ鉛直に立つ位置ま
で傾動できるようにすることが好適であり、こうするこ
とにより着座者のいないときの通路のスペースが最大限
確保されることになる。ただし背凭れ3は必ずしも鉛直
に立つ必要はなく、僅かに後方へ傾いても良く、通路の
スペースが十分に確保されるような傾動範囲を有してい
ればよい。
【0039】更に、座席2の両側には肘掛け4が設置さ
れている。この肘掛け4は例えば桁材15に取り付けら
れ、座席2の移動に関係なく一定位置にある。この肘掛
け4は、座席2が後位置に引き込まれた状態で座席の前
端縁と同じ位置にまで先端が突出するように設けられて
いる。このとき、最低限の椅子前後間隔Lを確保しつつ
最大の肘掛け長さを提供することができる。
【0040】以上のように構成された劇場ホール用椅子
1では、着座者の動きによって座席2を前後に移動させ
ると、座席2がリンク32と座受6とを連結するピン3
5を回転中心としてリンク32の鉛直方向最大変位点を
通過するようにして前位置と後位置との2位置間で移動
する。即ち、座席2は動きの途中で一旦持ち上がるよう
にして前位置あるいは後位置のいずれかに至るため、そ
れらの位置で着座者の体重によって固定される。また、
この座席2の前後動に伴って背凭れ3の下端が前後方向
へ牽引されるため、背凭れ3の回転中心即ちピン33を
中心に前後方向に背凭れが揺動しその傾きを変える。
【0041】したがって、背凭れ3は、座席2の前方へ
の移動に伴って後方へ傾いて座席2との開き角θ1を広
げ、また座席2の後方への移動に伴って背凭れ3をほぼ
鉛直に立てて開き角θ1を狭め、通路スペースを広げる
と共に非着席時の椅子前後間隔Lを確保する。このと
き、背凭れ3が後ろから押されたりしても、座席2を着
座者ごと持ち上げる力が必要となるため、容易には座席
2の位置並びに背凭れ3の傾きが変わることがない。
【0042】よって、この実施形態の劇場ホール用椅子
1によると、上述の各実施形態の椅子と同じ作用・効果
が得られる。
【0043】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば上述の各実施形態では背凭れと座席とがそ
れらが交差するコーナー部分で分離されているが、これ
に特に限定されず背凭れの一部と座席とが一体化されて
コーナー部分が座席の一部を成すように形成しても良
い。この場合、座席の上に落ちたものが座席と背凭れと
の隙間から更に床の上に落ちることがないので、着座者
が紛失する心配が少ない。また、背支点まで座席と背凭
れとを一体化しておけば、背凭れを傾動させたときにも
衣服の背中がずれ出ることがない。
【0044】更には、後方位置に移動させた時に、図8
に示すように座席2の後ろ側部分が背凭れ3の下に潜り
込むように座席2及び背凭れ3を形成しても良い。尚、
この図は図1の実施形態を一部変更して概略的に示すも
のである。このようにした場合は、座席2の前端縁から
背凭れ3の上部までの距離、即ち椅子の奥行き長さを短
くすることが可能となるため、最小奥行き長さをさらに
短くすることができるようになる。特に、座席2の後端
縁が背凭れ3のほぼ真下まで引き込まれる場合、座席2
の長さが椅子の奥行き寸法となる。したがって劇場ホー
ル用椅子1を更にコンパクトに設計することが可能とな
る。
【0045】また、上述の実施形態では背凭れ3は常に
座席2と連動するように設けられていたが、これに限ら
れることはなく、座席2が前後動する間に背凭れ3が傾
動する範囲と傾動しない範囲とを部分的に設けるように
しても良い。例えば図4〜図6に示した実施形態におい
て、連結シャフト27に係合させる把持爪30を設ける
代わりに、座席2の摺動方向へ延びる長孔51を図9に
示すように連結板31に設けると共に、背凭れ3を後方
へ引っ張る付勢手段52を併せて設けることによって、
座席2と背凭れ3とを独自に位置調整できるようにして
も良い。
【0046】この場合、座席2が後方位置にある時は、
連結シャフト27は長孔51の後方端51bと当接する
状態にあるため、連結板31は後方に位置し、背凭れ3
はほぼ鉛直に立っている。そして座席2が前方へ摺動し
始めても、この背凭れ3は付勢手段52により後方へ引
っ張られたままであるため、座席2と連動せず鉛直状態
に保たれる。一方、連結シャフト27が長孔51の前方
端51aと当接するまで座席2が摺動すると、そこから
先は背凭れ3もこの座席2に連動するようにして傾動す
る。即ち、上述した実施形態では座席2が摺動する全範
囲で連動していた背凭れ3が、この場合は部分的に連動
している。
【0047】このように座席2と背凭れ3とに互いに独
立して動く範囲が設けられていても、肘掛け4の長さあ
るいは通路のスペースを十分に確保する際の支障となる
ものとはならない。したがって既述の実施形態と同様に
通路スペースなどを十分に確保した上で座席2や背凭れ
3の動きの自由度を増大させることが可能である。
【0048】更に、上述の各実施形態では座受6と座席
2の間に介在される摺動機構7が僅かに前下りの勾配θ
3を持つように配置されており、着座者の体重に応じた
前方への分力を生じさせて座席2を摺動し易くなるよう
にしている。したがって、この目的を達成できるならば
θ3の角度は特に限定されることはなく、例えば0即ち
水平であっても構わない。この場合においても、摺動機
構における摩擦が十分に小さく、摺動性を備えているも
のであることが好適であることはいうまでもない。ま
た、この場合、外力付与による座席2や背凭れ3の不測
の動きを防ぐには、ロック機構などを別途組み込むこと
によって十分に防止し得る。
【0049】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の発明の劇場ホール用椅子によると、着座者の動
きによって座席を前後に移動させると共に背凭れの傾き
を変化させ得るため、座席を前位置に移動させ背凭れを
後傾したときには座席と背凭れとの開き角を広げて安楽
な着座姿勢を可能とし、また座席を後位置に移動させ背
凭れをほぼ鉛直に起立させたときには座席との開き角を
狭めて通路スペースを広げると共に非着席時の椅子前後
間隔を確保することができる。したがって、着座者がい
ないときの椅子前後間の通路スペースが十分に確保され
ると共に、着座しているときでも、座ったまま座席を引
くことによりその前の通路に他の者が通れるスペースを
つくり出すことができる。また、背凭れを傾斜させ座席
と背凭れとの開き角を広げることができるので、安楽な
姿勢がとれ疲れ難い。加えて座席を跳ね上げたりする煩
わしさとも無縁であり、また子供が隙間から落ちるよう
なおそれもない。しかも、起立姿勢をとった時は座が後
方へ移動するため、椅子の前で直立できるスペースも十
分に確保される。
【0050】更に、請求項2記載の発明の劇場ホール用
椅子によると、座席が前方へ摺動するのに伴い背支桿を
傾動させ、これと同時に背凭れを傾動させながら下方へ
沈ませるようにしているので、背凭れは着座者の背凭れ
と一体となって傾動するようになり、着座者の背中と背
凭れとの間でずれが生じなくなり、着衣の乱れ、例えば
シャツの裾がはみ出てしまうといった不快感を与えるこ
とがない。また座席と背凭れとが常に接触しながら摺動
あるいは傾動するため、座席と背凭れとの間に隙間が発
生せずそこから物が落下するようなこともなくなる。
【0051】更に、請求項3記載の発明の劇場ホール用
椅子によると、簡単な構造で背凭れは着座者の背凭れと
一体となって傾動するようになり、着座者の背中と背凭
れとの間でずれを生じさせなくすることができるように
なる。
【0052】更に、請求項4記載の劇場ホール用椅子に
よると、着座者の動きによって座席を前後に移動させ、
座席がリンクの回転中心を中心にしてリンクの鉛直方向
最大変位点を通過するようにして前位置と後位置との2
位置間で移動するようにしているので、座席はそれらの
位置で着座者の体重によって固定される。このため、背
凭れが後ろから押されたりしても、座席を着座者ごと持
ち上げる力が必要となるため、容易には座席の位置並び
に背凭れの傾きが変わることがない。
【0053】更に、請求項5記載の劇場ホール用椅子に
よると、座席を前方やや下方向へ摺動するように設け、
座席が前方へ摺動するのに伴い下方へ移動するようにし
ているため、着座者が腰掛けたとき座席は前方へ摺動し
易く、また着座者がいる間は後方へ戻り難い。したがっ
て座席の前位置で楽な着座姿勢を得易くなるとともに、
座席をその位置に安定させ易くなる。
【0054】更に、請求項6記載の劇場ホール用椅子に
よると、後位置に位置する座席の先端部のほぼ上方まで
延びる肘掛けを備えているため、最低限の椅子前後間隔
Lを確保しつつ最大の肘掛け長さを得ることができる。
したがって、着座者は座るときあるいは立ち上がるとき
にこの肘掛けに容易に手を掛けることができ、着座動作
などが楽になる。また肘や腕を置くスペースも十分に確
保される。
【0055】更に、請求項7記載の劇場ホール用椅子に
よると、背凭れの下に座席の後部がが潜り込むことで最
小の奥行き寸法とすることができ、しかも椅子を使う場
合には安楽で快適な座り心地を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の劇場ホール用椅子の第一の実施形態を
示す縦断面図である。
【図2】図1の劇場ホール用椅子の座席と背凭れの支持
構造を示す中央半裁断面平面図である。
【図3】図1の劇場ホール用椅子の背支桿と座席及び座
受けとの関係を示す説明図である。
【図4】本発明の劇場ホール用椅子の第二の実施形態を
示す縦断面図である。
【図5】図4の劇場ホール用椅子の座席と背凭れの支持
構造を示す中央半裁断面平面図である。
【図6】図4の劇場ホール用椅子の摺動機構を示す説明
図である。
【図7】本発明の劇場ホール用椅子の第三の実施形態を
示す縦断面図である。
【図8】座席と背凭れの形状を変化させた実施形態を示
す概略側面図であり、(A)は座席が後方に位置してい
る状態、(B)は前方に位置している状態を示す。
【図9】座席と背凭れとが部分的に連動するようにした
実施形態を示す部分側面図である。
【図10】従来の劇場ホール用椅子を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 劇場ホール用椅子 2 座席 3 背凭れ 4 肘掛け 6 座受 7 摺動機構 8 背支桿 8a 背支桿の下端 14 ガイド手段 17 縦溝 18 支持桿 19 連結桿 32 リンク θ1 座席と背凭れとの開き角 θ2 背凭れの傾動角 θ3 摺動機構の勾配
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正田 賢志 愛知県名古屋市昭和区福江一丁目22−16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 劇場ホールなどの床に固定される劇場ホ
    ール用椅子において、座受によって摺動可能に支持され
    着座者の動きに付随して前位置と後位置との間を摺動す
    る座席と、傾動する背凭れとを備え、前記座席が前方へ
    移動し前記背凭れが後方へ傾いたときに座席と背凭れの
    開き角を最大にし、前記座席が後方へ引き込まれ前記背
    凭れが起立したときに椅子の前後間隔が最も広くなるこ
    とを特徴とする劇場ホール用椅子。
  2. 【請求項2】 前方に向かうに従って上向きの変位を与
    えるガイド手段を前記座受に設け、前記背凭れを支持す
    る背支桿を前記座席に回転可能に取り付けると共にその
    背支桿の一端を前記ガイド手段に摺動可能に係合させ、
    前記座席の前後方向への移動と連動して前記背支桿の一
    端に前記ガイド手段によって上下方向の変位を与えて前
    記背支桿の傾きを変化させることを特徴とする請求項1
    記載の劇場ホール用椅子。
  3. 【請求項3】 前記背凭れを支える支柱と前記背凭れの
    うちのいずれか一方に縦溝を、他方に該縦溝に係合する
    支持桿をそれぞれ設け、前記縦溝と支持桿との係合によ
    って前記背凭れを鉛直方向な上下動可能に支持させると
    共に前記座席と前記背凭れとを連結し、前記座席が前方
    へ摺動するのに伴い前記背凭れを傾動させながら下方へ
    沈ませることを特徴とする請求項1記載の劇場ホール用
    椅子。
  4. 【請求項4】 前記座席が前記座受に対してリンクを介
    して前後方向に揺動可能に取り付けられ、前記座席が前
    記リンクの鉛直方向最大変位点を通過して前記前位置と
    後位置との2位置間で移動することを特徴とする請求項
    1記載の劇場ホール用椅子。
  5. 【請求項5】 前記座席は前方に向かうに従って下方向
    の変位が与えられることを特徴とする請求項1から3の
    いずれかに記載の劇場ホール用椅子。
  6. 【請求項6】 前記後位置に位置する前記座席の先端部
    のほぼ上方まで延びる肘掛けを備えることを特徴とする
    請求項1から5のいずれかに記載の劇場ホール用椅子。
  7. 【請求項7】 前記座席は後位置へ移動したときに前記
    背凭れの下に潜り込むことを特徴とする請求項1から6
    のいずれかに記載の劇場ホール用椅子。
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