JP2011072492A - 椅子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床面に固定されたベースに起立される支柱の上端に、前後方向に延出された支杆を架設し、前記支杆に摺動自在に設けられ、前後方向に伸縮するガイド部材の前端と、前記支柱に上下方向に伸縮自在に設けられ、上向きに付勢する付勢部材の上端とに、座の下面の前後部を、それぞれ左右方向の枢軸をもって回動自在に軸支することで、前記座を、略水平な使用状態から前下方に傾倒した不使用状態に、傾倒可能としたことを特徴とする椅子である。
【選択図】図1
Description
これに対して、特許文献2および特許文献3に開示された椅子は、床面に固定されたベース上に椅子を起立させた構成であり、机に対して近接する位置まで傾倒する収納状態と、着座するために机に対して離間する着座状態とに可変するため、椅子の収納時のみならず使用時においても、着座者が腰を浮かせながら椅子を前傾させることで、椅子の後方に通路を確保することが可能である。
特に、ベースから座にかけて複雑なリンク機構を必要とせず、リンク機構の頻繁なメンテナンスを要さず、座の下方には支柱が起立されているだけで、座に着座した際の足元の邪魔になるようなことはないから、足元の空間が狭められることがなく、足回りを広くした自由な姿勢で着座することができる。
特に、本発明の椅子は、前記座31の可動機構が簡易な構成であり、従来の支柱の傾倒に追従させて座を可動させるための複雑なリンク機構を用いない利点がある。
本発明の椅子1は、図2に示すように、座31、座受け板32、コ字状のガイド部40、からなる座31の可動に係る部材(図中、左方)と、支柱51、支杆54、背杆53が一体に形成されたボディ50(図中、中央)と、ベース91、傾倒部材81、付勢部材70(ガススプリング70)、カバー部材61、からなる、傾倒および昇降部材(図中、右方)とに大別される。
使用者が着座するための略平板状の座31は、該座31の直下に位置する座受け板32へと、前記座31の中央部分が当接する状態で固着される。
前記座受け板32は、その上面に座31を取り付けるとともに、座受け板32の前後には、それぞれ下方へと突出する支持片36,37が設けられ、該支持片36,37には左右方向に貫通する軸孔33、34がそれぞれ設けられている。
また、枢軸41の左右端から水平方向の円筒部材(ガイド部材42)が、それぞれ保持部43を介して取り付けられ、後述する、支杆54の内部55(空洞55)へと前後摺動自在に挿通される。
まず、椅子の躯体となるボディ50は、略垂直に起立する角柱状の支柱51と、該支柱51の上方に一体に配設された台形状の取付部材56と、該取付部材56の左右から水平方向に伸びる左右1対の支杆54と、該支杆54の後方から緩やかに上方に伸びる背杆53と、からなり、該背杆53の上方に背凭れ21が取り付けられる。
図中下方に配置されたベース部材91(ベース91)は、平板状の固定板96と、該固定板96より上方に立設するカバー部95とからなる。
前記固定板96には、四隅に取付孔97をそれぞれ有しており、この取付孔97へとアンカー94等を用いて、ベース部材91を床面へと固定する構成である。
そして、筒本体72の内部を、図示しないオリフィスを有するピストン75で二室に区切ることにより、ピストン75から延設された前記ロッド73が常に伸びる方向へと付勢力を生じている。
同様に、前記ガイド部材42の一端に形成された外方へと突出するストッパ45が、支杆54の内部55に形成された図示しないストッパ58で規制されており、ガイド部材42が外方へと飛び出して脱落してしまうことを防止している。
図3に示すように、ガススプリング70のロッド73に設けられた軸支部74が、図示しないベース内部の軸受け92へと、枢軸98を用いて軸支されており、ベース91に対して回動自在(傾倒自在)、かつガススプリング70上方の筒本体72が上方へと付勢力を生じている。
他方、ガススプリング70上方の筒本体72に設けられた軸支部71は、カバー部材61に収納された状態で、座受け板32の後方32bの軸孔34に枢軸35で軸支されており、座受け板32の後方32bを、回動自在かつ常に上方へと押し上げている。
これに伴い、座受け板32の前方32aが、枢軸41を支点に回動するとともに、座受け板32を前方へと移動させる力が生じるため、座受け板32のガイド部材42が支杆54の内部55を前方へと摺動する。
他方、着座状態から起立したときは、座31の後方が上昇する動作に追従して、座31の前方が後進することで、座31が略垂直の状態へと戻ることはいうまでもない。
ここでいう椅子の収納状態1aとは、図6に示すように、座31が略垂直に起立した不使用状態かつ支柱51がベース91に対して前傾した状態をいう。この状態(収納状態)では、椅子全体が、椅子の前方に位置する机面の下方スペースへと入り込むため、椅子の後方に、人が通れる通路が確保される構成である。
よって、未使用の椅子を前傾させることで、未使用の椅子を机に近接させて収納し、椅子の後方に大きな通路を確保することが可能である。そして、椅子の使用者は、その都度、未使用の椅子(収納状態の椅子)を引き出して着座することが効率的である。
着座者は、前記収納状態1aにおける前傾した椅子の背凭れ21を持ち、後方へと引くことで、図8および図9に示すように、ベース内部の傾倒部材81が、枢軸99を軸に後方へと回転(傾倒)して、支柱51を介し椅子全体が後傾する。このとき、ガススプリング70が僅かに縮むとともに、傾倒部材81の下面がベース91の下面に当接して、椅子1の後傾が規制される。
前記椅子の引き出し状態で、着座者は、椅子の前方に起立し、座へと着座することで、図10および図11に示すように、座が下降してガススプリング70が最も縮み、この状態が座31の水平状態すなわち着座状態となる。
座31の後方31bの下降に伴い、ガススプリング70が収縮するとともに、支杆54内部のガイド部材42が前進して座31が水平状態となり、これにより、着座者は、机面15との最適な距離をもって着座することが可能である。
なお、着座者が起立して席を離れる際には、ガススプリング70の上方への付勢力により、自動的に座31が略垂直に持ち上がり、支柱51が前方へと傾倒する収納状態1aへと移行することはいうまでもない。
特に、従来の複雑なリンク機構を用いることなく、簡単な構成で、座31を可動自在に構成し、着座者が座りやすく、また、着座後も足元の空間を大きくとることが可能である。さらには、ベース91から座31にかけて1本の支柱で済むため、シンプルな構成からなる意匠性の高い椅子1を提供することが可能である。
例えば、着座している椅子1の後方には後の机が位置しており、着座者の後方を人が通過しようとする場合、椅子と机との間に通路を確保する必要がある。
この場合、着座者が一度起立して椅子1を収納状態1aに戻さないと、通路を確保することが困難であるが、本発明の椅子1は、着座者が座った状態で僅かに前方へとかがむことにより、支柱51が着座者の動きに追従して前方に傾倒するため、背凭れ21が大きく傾倒し、椅子1の後方に大きな通路を形成することが可能である。
21 背凭れ
31 座
31a 座の前方
31b 座の後方
32 座受け板
32a 座受け板の前方
32b 座受け板の後方
33 軸孔
34 軸孔
35 枢軸
36 支持片
37 支持片
40 ガイド部
41 枢軸
42 ガイド部材
43 保持部
50 ボディ
51 支柱
53 背杆
54 支杆
55 支杆の内部(空洞)
56 軸支部材
58 ストッパ
59 空洞
61 カバー
62 ストッパ
70 付勢部材(ガススプリング)
71 軸支部
72 筒本体
73 ロッド
74 軸支部
81 傾倒部材
82 軸孔
84 空洞
91 ベース
92 軸受け
93 軸孔
95 カバー部
96 固定板
97 取付孔
98 枢軸
99 枢軸
Claims (6)
- 床面に固定されたベースから起立する支柱の上部に、前後方向に延出する支杆を設け、
前記支杆に摺動自在に設けられ、前後方向に伸縮するガイド部材の前端と、
前記支柱に上下方向に伸縮自在に設けられ、上向きに付勢する付勢部材の上端とに、
座の下面の前後部を、それぞれ左右方向の枢軸をもって回動自在に軸支することで、前記座を、略水平な使用状態から前下方に傾倒した不使用状態に、傾倒可能としたことを特徴とする椅子。 - 前記支柱は、前記ベースに左右方向の枢軸をもって回動自在に軸支されることを特徴とする、請求項1に記載の椅子。
- 前記支杆の後部より背杆を起立させ、該背杆に背凭れを取り付けたことを特徴とする、請求項1または2に記載の椅子。
- 前記支杆は、支柱上部に固着した左右一対の管材からなり、該管材に左右一対のガイド部材を摺動自在に挿通し、該左右一対のガイド部材の前端同士を連結する軸に、前記座の下面の前部を軸支することを特徴とする、請求項1乃至3に記載の椅子。
- 座の下面に固着した座受け板の前後端にそれぞれ形成された下向き支持片に、前記ガイド部材の前端と、前記付勢部材の上端とを、軸支することを特徴とする、請求項1乃至4に記載の椅子。
- 前記支柱上端より伸縮する前記付勢部材の上部を、支柱内を摺動するカバー部材により覆ったことを特徴とする、請求項1乃至5に記載の椅子。
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2009
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