JP2675698B2 - 電気接触端子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、接触刃を受け入れる電
気接触端子に関し、特に、金属板に打ち抜きもしくは屈
曲加工を施したタイプの接触端子であって、かご状の本
体と、１８０度折曲することにより内壁が外壁と側面で
接触し、かつその前側部分には片持梁構造の接触部が設
けられた二つの側部と、これら側部と連結する底部とを
有する電気接触端子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術およびその課題】従来より上述したような
タイプの接触端子は、広く知られている。このような端
子は、金属板を打ち抜き、折曲し、さらに可能であれば
圧延して製造されるものであるので、組み立てられた端
子より非常に価格が安い反面、打ち抜き、折曲加工され
たこのような接触端子には多くの欠点がある。このよう
な接触端子において、接触刃を接触端子と連結するため
接触端子内部に挿入するに際して強い力を必要とするよ
うに接触刃内部の内壁の接触構成部分を構成した場合
は、電気的接触として優れた特性を与えれるので好まし
い。しかしながら、この場合は挿入力が増加するという
欠点を生ずる。この欠点は、同一のコネクタのなかに多
数の接触端子を設ける場合は、重大なものとなる。他
方、接点を構成する部分が最初からやや離して構成した
場合は、接触刃上の接触をささえる力は満足な電気的接
続を与えるのには不充分な場合を生じるおそれがある。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
し、雄の接触刃が挿入されるときにその案内を行い、か
つ満足な電気的接続を得られる接触端子を提供すること
を目的とするものである。このため、本発明において
は、各外壁は、前方のフラップを内壁の端部を越えて内
側に折曲し、他の側の内壁と接触しない位置で、弾性的
な応力を有しつつ内壁の前方部分を支持する。前方部分
の最も狭い領域の間の静止状態での間隙が、端子に挿入
される接触刃の肉厚より小さい場合は、良質の電気的接
続が得られる。最小の相互距離にある接触部のこれらの
領域に非常に近接した位置に端部を有するフラップは、
接触挿入する際の接触刃の案内の役割を有するものであ
る。接触部間の距離は圧力の大小にかかわらず一定であ
る。接触部の間に間隙があると電解保護被膜をその上に
析出させることができる。接解部間の初期の間隙に、接
触刃を挿入するのに必要な力を減少できる。

【０００４】現実に存在する曲げ金属板の接触端子の大
部分は、例え端子に電線が接続されている場合であって
も、作業者が端子を踏みつけると端子がつぶれるという
欠点を有する。このような押しつぶしを避けるために、
９０度内側に折り曲げ、他方の内壁を支持するフラップ
を有する後部延長部を内壁の一方に設ける試みがなされ
ている。本発明の他の目的は、耐押しつぶし性を増加さ
せた接触端子を提供することである。その結果後部フラ
ップがもしも設けられるならば、対向する側に隣接させ
る必要はない。また、コネクタ内に接触端子を埋め込む
際に、フラップは端子内部への密封剤の侵入およびこれ
による電気的接触の妨害を防止する働きを有する。耐押
しつぶし性を増加するために、面が互いに極めて近接し
て１８０度に曲げられるように、各側部の２つの壁は相
互に支持する領域で直角に曲げられている。もしも押し
つぶし力が端子に加えられるならば、これらの曲げられ
た部分は互いにささえ合って変形に対して高い耐性で抵
抗できる。次に本発明を実施例について図面を参照して
説明する。

【０００５】

【実施例】本発明の一例である端子を、図１及び図３か
ら図７に示す。この端子は、図２に示す未完成部材(bla
nk)から製造されるものである。端子は普通一般的な構
造のコネクタに使用されるものである。端子１０は一体
（ワンピース）であり、雄接触刃１２を受け入れる前部
の本体と電線を締付する後胴部１４を有するものであ
る。図２および図４には、端子１０の一部分のみが示さ
れている。後胴部１４には２組の突出部１６および１８
があり、それぞれ図３に示すように電線２０の管及びコ
アの上を締付けている。端子１０の本体は、底部２２と
２つの側部２４とでかご状の形状をしている。各側部２
４は外壁２６と内壁２８とで構成されている。各外壁２
６は、図２に示す一点鎖線３０に沿って９０度の角度に
始めの未完成部材（以下、ブランクとする。）ブランク
を折曲げて製作される。内壁２８は、図２の３２で示さ
れるエッジに沿って１８０度の角度に折り曲げて外壁２
６に接触させている。２つの壁２６と２８の組は図２中
３４で示される線に沿って直角に折り曲げられる。

【０００６】初めのブランクには切抜３６があり、内壁
２８はその後方の部分においてのみ相当する外壁２６と
接続している形である。各内壁の前方の部分は接触刃１
２に対し弾性的接触で支えるように構成されている。実
施例において示されるように、各内壁２８は末端からそ
の長さ方向の部分にわたってさらに支持を可能とするた
めにスリット３８を設けて分離されている。しかしなが
らこのように分離することは不可欠のものではない。接
触部の一方または両方ともスリット３８を設けなくとも
よく、逆に各接触部に１以上のスリットを設けることも
できる。

【０００７】壁２６と壁２８の部分で１８０度に折り曲
げられ閉じ合わされている部分は、かごの天井を構成し
ている。図に示すように、１８０度に折り曲げられた部
分は間隙４２によって分離され残されているのに対し、
ブランクは、互いに対向して相互に突合せられる突合せ
部４０を形成するために打ち抜かれ、これは内壁２８の
片持梁構造の領域に連続した天井を構成する。端子の内
側においてコネクタの絶縁材料が突出することにより密
封されるようにコネクタ内に端子が配置されたときに、
この構造は有利である。他方、端子の最大の押しつぶし
強度が要求される場合には、切抜は１８０度に曲げられ
た部分が図８の破線で示されるように互いに接触するよ
うにすることができる。後者の構造は、束でまたはルー
ズに束ねられる際に端子が互いに接触する危険性を限定
し、接触部を完全に保護している。

【０００８】スペーサフラップ４４は内壁２８の内の一
方の後方が延びて形成されており、図２および図６に示
すように他方の内壁に対して支持するために９０度にま
げられている。このフラップの第１の目的は、端子を受
け入れるコネクタを密封するために一般に使用される成
形物の侵入を防ぐことである。しかしながらフラップは
また押しつぶしに対する抵抗力を付与するとの意味を有
するものである。

【０００９】各内壁２８は、図６に示すような形状とす
ることが好ましい。電気的接触部である片持梁構造の部
分は、壁２８の全長の半分よりわずかに長い長さを有
し、自由端に極めて近い位置において、他の壁の方向へ
直に向いた凸部を有する肉厚の大きい屈曲部と内側への
勾配を有するように形成されている。互いに２つの接触
部に加え、接触部の勾配および互いに他方の接触部の方
向に向かう二つの接触部の偏りによる弾性力は、それぞ
れの外壁２６の折曲部４６により吸収される。図１に示
すように、折曲部４６の折曲部分はかご状部分の底部お
よび天井部の前方端部に位置し、絶縁物内への端子の挿
入を容易にし、さらに絶縁物の損失を制限するように丸
い形状とされている。さらに挿入中の危険を減少させる
ため、底部及び天井の端部は柔らかくされる。同様に、
本体の後方部分の側部及び天井との間のコーナーは、製
造過程において柔らかくされる。

【００１０】接触部の自由な傾き方向の運動量を増加す
るために、外壁２６には浅い凹部４８が設けられており
（例えば、この凹部は壁の全肉厚の約２０％の深さを有
する。）、折曲部４６によって支持される端部および内
壁２８の基部側部分にそれぞれ面している。外壁２６に
は、現在用いられているいかなる形状を有する固定タブ
５２をも受け入れ、絶縁物内で端子を固定するための開
口部５０が形成されている。図６に示されるように、各
々の固定タブ５２は絶縁物を製造の形成の際に形成され
た長いくちびるのような形状に構成され、開口部５０で
連結するように内側に受部を有する。固定タブが受部を
越えて延びているので、絶縁部の前側通路５４に沿って
もしくは通してチューブを押し付けることによりコネク
タとの固定を解除することができる（固定タブ５２にフ
ィットさせるためギャップを有する環状のリップによっ
て決定される。）。このチューブは、固定タブと端子の
側部との間に滑り込むものである。２つの開口部５０の
対称的な位置のため、端子は絶縁物の室のなかで２つの
対称的位置のいずれかに置かれている。

【００１１】以下、ワイヤを自動的にかしめる機械へ送
るため細長くした本発明の端子を製造する方法について
簡単に説明する。自動車の分野で普通の電流に使用され
る端子の場合には、一般的に０.３から０.４ｍｍの厚さ
を有する銅合金板を打抜き及び折り曲げして製造が行わ
れる。第１工程において、金属板は図２に示される型の
ブランクの連続を形成するために打抜され、細長い端部
５６によってそれぞれ連結している。図２に示す一点鎖
線に折り曲げ線がプレスにより印が付けられる。支持領
域を構成する外側に厚くした部分を形成するため、接触
部はたたいたり、上反りにしたりして形成される。この
際、折曲部４６が形成される。図６に示すように、接触
部の自由端部分の肉厚を減少させること、および接触部
の自由端部分とそれぞれの折曲部４６端部で構成される
ユニットに傾斜、例えば１５゜程度の傾斜を与えること
は有利である。そのような傾斜は雄接触刃を挿入するの
を容易にする。凹部４８はまたブランクを折り曲げ、接
触部を形づくる前に打ちたたかれて構成される。

【００１２】内壁及び外壁の間での１８０度に折曲、お
よび天井に属する内壁から側部に属する内壁の部分を分
離して９０度に内側に曲げることが行われる。そこでフ
ラップ４４が内側に曲げられかごがブランクの軸に接近
する直線３４に沿うて曲げられ閉じられる。本発明は実
施例に記載し、示した特別な具体例に限定されない。種
々な変形が可能である。例えば端子の面を正確に平行で
なく傾斜する端子を構成することも可能である。図４に
おける一点鎖線に示すようなくぼみは雄の接触刃の傾い
た通路に密封突出部を受け入れるのを意図し、密封のた
めの具体例に必要であり、接触部の天井の前面に設ける
ことが可能である。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、底部と、前記底部に接触する
２つの側部と、長いかご状の本体を区切る前記側部の１
つに各々接続する２つの部分からなる天井とを有し、打
抜き金属板から形成され、接続刃と連結するためのワン
ピースの電気接触端子であって、前記側部の各々は、１
８０度の角度で折曲げられることにより隙間ない接触状
態で側面において接触する外壁と内壁とを有し、前記側
部の前記内壁の各々は、延長方向前方に突出する前部の
片持梁構造の接触部を有し、また、前記側部の外壁の各
々は、延長方向に直角に端部において内側に折曲げられ
た折曲部を有し、これにより他方の接触部と接触しない
ように前記片持梁構造の接触部の１つを各々支持する電
気接触端子であるので、雄の接触刃が挿入されるときに
その案内を行い、かつ満足な電気的接続を得られるとい
う効果を有すると共に、耐押しつぶし性に優れた接触端
子を提供するという効果も有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の実施例の一部断面視した斜視
図である。

【図２】図２は、図１に示す端子のブランク（未完成状
態）を示す平面図である。

【図３】図３は、図１に示す端子の正面図である。

【図４】図４は、図３に示す端子の平面図である。

【図５】図５は、図３に示す端子の側面図である。

【図６】図６は、図１に示す端子の側部の構造を拡大し
て示した断面図である。

【図７】図６の〓線で切断した部分を示す断面図であ
る。

【図８】図６の〓線で切断した部分を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１０ 接触端子 １２ 接触刃 １４ 後胴部 １６ 突出部 １８ 突出部 ２０ 電線 ２２ 底部 ２４ 側部 ２６ 外壁 ２８ 内壁

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部と、前記底部に接触する２つの側部
   （２４）と、長いかご状の本体を区切る前記側部の１つ
   に各々接続する２つの部分からなる天井とを有し、打抜
   き金属板から形成され、接続刃と連結するためのワンピ
   ースの電気接触端子であって、 前記側部の各々は、１８０度の角度で折曲げられること
   により隙間ない接触状態で側面において接触する外壁
   （２６）と内壁（２８）とを有し、 前記側部の前記内壁の各々は、延長方向前方に突出する
   前部の片持梁構造の接触部を有し、 また、前記側部の外璧の各々ば、延長方向に直角に端部
   において内側に折曲げられた折曲部（４６）を有し、こ
   れにより他方の接触部と接触しないように前記片持梁構
   造の接触部の１つを各々支持し、 前記２つの側剖は後方領域にて９０度の角度に曲げら
   れ、これにより前記１８０度の角度に折曲げられた部分
   は、相互に突き合わされるかもしくは接近して、前記後
   方領域において前記天井を構成する ことを特徴とする電
   気接触端子。
2. 【請求項２】 前記１８０度に折り曲げた部分は相互に
   接触することを特徴とする請求項１記載の電気接触端
   子。
3. 【請求項３】 前記折曲部（４６）が折曲げられた前記
   端部が、本体の前方端部の前方に位置することを特徴と
   する請求項１記載の電気接触端子。
4. 【請求項４】 各前記折曲部（４６）および内壁の各前
   方端部分は、延長方向に沿って後方に傾斜する通路を区
   切るための内側への傾斜を有することを特徴とする請求
   項１記載の電気接触端子。
5. 【請求項５】 前記内壁の１つは、前記内壁の他の１つ
   に対して近接するように９０度内側に折曲げられている
   後方の延長部を有することを特徴とする請求項１記載の
   電気接触端子。
6. 【請求項６】 前記外壁の各々は、固定用の突起を受け
   入れるための開口部（５０）を有することを特徴とする
   請求項１記載の電気接触端子。
7. 【請求項７】 ワンピースの金属を打ち抜いて得られ、
   延長方向に沿った長い形状をなし、前方本体と電線を固
   定する後胴部とからなる接触刃と連結するための電気接
   触端子であって、 前記本体が、延長方向に沿う細長い底部と、 前記延長方向の平行直線に沿うて９０度に曲げられ、前
   記底部に接続し、さらに天井を構成するために９０度に
   曲げられる外壁と、前記外壁のその後方部分に沿うて１
   ８０度に折り曲げられ接続する内壁を有し、前記内壁は
   前記外壁に対して密着して接近する後方部分を有し、前
   記の片持梁構造の電気接触端子は前記底部に直角に前記
   接触端子の長さ方向の中央面に対して弾性力を加えてい
   る第１の側部と、 前記延長方向の平行直線に沿うて９０度に曲げられ前記
   底部に接続し、さらに天井を構成するために９０度に曲
   げられた外壁と、前記外壁のその後方部分に沿うて１８
   ０度に折曲げられ接続している内壁を有し、前記内壁は
   前記外壁に対して密着して近接する後方部分を有し、前
   部の片持梁構造の電気接触部分は前記底部に対して直角
   に前記接触端子の長さ方向の中央面に対して弾性力を加
   えている第２の側部とを包含し、前記第１及び第２の側
   部とは互いに前記中央面に関して対称に配置され、そこ
   で各々の前記外壁は延長方向に対して直角に端部にて内
   側に折り曲げ返された前方フラップを有し、前記片持梁
   構造の接触部分のそれぞれの１つに他の接触部分を接触
   させて保持することを特徴とする電気接触端子。