JP2671698B2 - 樹脂組成物及びそれを用いた容器 - Google Patents

樹脂組成物及びそれを用いた容器

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JP2671698B2
JP2671698B2 JP3369792A JP3369792A JP2671698B2 JP 2671698 B2 JP2671698 B2 JP 2671698B2 JP 3369792 A JP3369792 A JP 3369792A JP 3369792 A JP3369792 A JP 3369792A JP 2671698 B2 JP2671698 B2 JP 2671698B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性を有し且つ機械
的特性及び耐水性等に優れた樹脂組成物及びそれを用い
た包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市が排出する固形廃棄物は、そ
の量が段々膨大なものとなり、廃棄処理能力の限界に近
づきつつある。この固形廃棄物の元凶の一つとして、プ
ラスチックがいつも指摘されている。
【0003】プラスチック廃棄物の理想的解決法とし
て、自然環境で消滅する分解性プラスチックが注目され
ている。分解性プラスチックには、紫外線によってポリ
マーの分子鎖が切断される光分解性プラスチックと、バ
クテリヤや真菌類が体外に放出する酵素の作用で崩壊す
る生分解性プラスチックとがある。
【0004】しかしながら、光分解性プラスチックの場
合、土中埋没処理では効果が期待できなく、また分解生
成物による環境汚染の恐れもあることから、生分解性プ
ラスチックに大きな期待が寄せられている。
【0005】生分解性プラスチックとしては、従来、ポ
リヒドロキシブチレート(PHB)、3−ヒドロキシブ
チレート(3HB)と3−ヒドロキシバリレート(3H
V)とのランダムコポリマー等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】公知の生分解性プラ
スチックは、空気中では安定しており、分解するのはバ
クテリヤが活動している土中、水中であり、分解生成物
は炭酸ガスと水であるという利点を有しているが、プラ
スチックの主要な用途である容器製造の点で未だ解決し
なければならない問題点を有している。
【0007】即ち、公知の生分解性プラスチックは、分
解温度と成形温度とが、180〜190℃と170〜1
75℃のように近接しているため、クロロホルム等の溶
媒を使用するキャスト法では成形品を製造可能であると
しても、溶融成形が難しいという問題がある。
【0008】このため、ボトル等の中空成形品を製造し
ようとすると、樹脂中に多量の可塑剤を含有させて、溶
融押し出し性能を向上させねばならなく、こうして製造
した容器では、水(内容品)中に可塑剤が抽出されると
いう好ましくない影響がある。また、この容器では、従
来のポリエチレン製容器等に比して強度が低く、厚みを
大きくして必要な強度をもたしているのが現状である。
【0009】更に上記生分解性プラスチックは、価格が
高価であり、その生分解性を阻害すること無しに、他の
樹脂をブレンドして使用できれば、溶融成形性の点で
も、製造コストの点でも顕著な利点が奏されることが期
待される。従来、他の生分解性ポリマーとしては、ポリ
カプロラクトン等の飽和ポリエステル樹脂と水酸基含有
重合体が知られている。この内、特に水酸基含有重合体
は水溶性であり、耐水性に乏しく、溶融成形性もないた
めに、この目的には使用できない。
【0010】具体的に本発明者は以前飽和ポリエステル
樹脂と水溶性部分ケン化ポリビニルアルコール樹脂のブ
レンド成形物を作成し、部分ケン化ビニルアルコールを
不溶化させ、かつ、容器適性強度を有する成形物を作り
出した。しかし部分ケン化ポリビニルアルコール樹脂を
用いている為、吸水による機械的強度の低下が著しい。
この点を改善する為本発明者らは、今回種々の水酸基含
有重合体の内でも、エチレン単位、ビニルアルコール単
位及びエステル含有ビニル単位からなる三元共重合樹脂
を選択し、これをヒドロキシアルカノエート単位を主体
とする飽和ポリエステル樹脂にブレンドすると、溶融成
形性が顕著に向上し、引っ張り強度や強靱性等の機械的
特性や耐水性等も顕著に向上することを見いだした。
【0011】即ち、本発明の目的は、生分解性に優れ、
更に樹脂相互の相溶性、溶融成形性、機械的強度、耐水
性等に優れた樹脂組成物及びそれを用いた包装材料を提
供するにある。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、
(A)ヒドロキシアルカノエート単位を主体とする飽和
ポリエステル樹脂と、(B)10乃至40モル%のエチ
レン単位、40乃至88モル%のビニルアルコール単位
及び10乃至50モル%のエステル含有ビニル単位から
なる共重合樹脂とを、A:B=95:5乃至60:40
の重量比で含有することを特徴とする樹脂組成物が提供
される。
【0013】本発明によればまた、(A)ヒドロキシア
ルカノエート単位を主体とする飽和ポリエステル樹脂
と、(B)10乃至40モル%のエチレン単位、40乃
至88モル%のビニルアルコール単位及び10乃至50
モル%のエステル含有ビニル単位からなる共重合樹脂と
を、A:B=95:5乃至60:40の重量比で含有す
る樹脂組成物から形成されていることを特徴とする包装
材料が提供される。
【0014】本発明に用いる樹脂組成物においては、
(A)ヒドロキシアルカノエート単位を主体とする飽和
ポリエステル樹脂と(B)ビニルアルコール単位を含有
する熱成形可能な水酸基含有樹脂とが、 A:B=95:5乃至60:40、 の重量比で存在するのがよい。
【0015】
【作 用】本発明では、種々の水酸基含有重合体の内で
も、10乃至40モル%のエチレン単位、40乃至88
モル%のビニルアルコール単位及び10乃至50モル%
のエステル含有ビニル単位からなる共重合樹脂を選択
し、これを、ヒドロキシアルカノエート単位を主体とす
る飽和ポリエステル樹脂(以下単に飽和ポリエステル樹
脂と呼ぶことがある)にブレンドする。
【0016】上記三元共重合樹脂は、水酸基含有重合体
の中でも例外的に、飽和ポリエステル樹脂に対する分散
性に優れており、しかもブレンドされた状態で溶融成形
性を向上させ、しかもブレンドされた組成物は機械的強
度が優れており、吸水による強度低下が極めて小さい。
更に、生分解性も損なわないという予想外の利点を与え
る。
【0017】上記共重合樹脂の内、ビニルアルコール単
位はこの共重合樹脂に対して生分解性を付与する必須成
分であり、一方エチレン単位はこの共重合樹脂に対して
水不溶性かつ溶融成形性を与える必須不可欠な成分であ
る。しかしながら、これらの両単位を有する樹脂、即ち
エチレン−ビニルアルコール共重合体を飽和ポリエステ
ル樹脂にブレンドした場合には、両者の間に相溶性が殆
どなく、また一様な分散状態を形成させることも困難で
ある。しかも、この組成物から形成された成形物は、降
伏点強度に比して破断点強度が低い等機械的に脆いとい
う致命的な欠点がある。本発明では、上記エチレン単位
及びビニルアルコール単位に加えて、エステル基含有ビ
ニル単位を組み込むことにより、分散性を向上させ、ブ
レンド物の脆さを解消することができる。
【0018】用いる共重合樹脂は、10乃至40モル%
のエチレン単位、40乃至88モル%のビニルアルコー
ル単位及び10乃至50モル%のエステル含有ビニル単
位を含有することも重要であり、エチレン単位の含有量
が上記範囲を下回ると水に溶解しはじめ、且つ溶融成形
性が低下する。一方エチレン単位の含有量が上記範囲を
上回ると、組成物の生分解性が低下するようになる。
【0019】また、ビニルアルコール単位の含有量が上
記範囲を下回ると、組成物の生分解性が低下し、一方上
記範囲を上回ると、水浸漬中に吸水し著しい強度低下を
生じるようになる。
【0020】更に、エステル含有ビニル単位の含有量が
上記範囲を下回ると、両樹脂成分の分散性が低下し、ま
た機械的性質が脆くなる傾向があり、一方上記範囲を越
えると、やはり生分解性が低下したり、機械的性質、特
にヤング率や剛性等が低下する傾向がある。
【0021】本発明において、上記三元共重合樹脂を飽
和ポリエステル樹脂に対し配合すると、生分解性の上で
も、予想外の利点が達成されることが分かった。即ち、
生分解性飽和ポリエステルは、風呂等の黴が発生すると
ころで分解される可能性があるが、本発明の組成物で
は、この様な場所においても分解に対してより耐性があ
り、しかも地中や大地表面或いは自然環境下ではより分
解され易いという傾向を示す。これは、上記三元共重合
体は、シュードモナス等の水性細菌で分解され易いな
ど、生分解スキームが相互に異なっているためと認めら
れる。
【0022】
【発明の好適態様】(樹脂組成物) 本発明の組成物は、(A)ヒドロキシアルカノエート単
位を主体とする飽和ポリエステル樹脂と、(B)エチレ
ン単位、ビニルアルコール単位及びエステル含有ビニル
単位からなる三元共重合樹脂とのブレンド物から形成さ
れる。これら両樹脂成分は、 A:B=95:5乃至60:40、 の重量比で存在するのがよく、飽和ポリエステル成分
(A)の含有量が上記範囲よりも低い場合には吸水によ
る機械的強度の低下が促進され、一方三元共重合樹脂の
含有量が上記範囲よりも低い場合には、成形物の機械的
強度は著しく弱くなる。
【0023】本発明の樹脂組成物では、両成分が良く分
散した均質組成物の状態から、一方の樹脂が連続相で、
他方の樹脂が分散相となった分散構造の組成物まで、各
種の分散構造をとり得る。
【0024】この組成物において、共重合樹脂の分布配
向状態は種々変化していてもよいが、完全な層状態か
ら、粒子、繊維及び薄片の分散乃至連続状態迄変化し得
る。一般には、器壁厚み方向に透視したときに中間層が
実質上連続していることが好ましく、この状態とは、 (I) 中間層が連続した膜の形で存在する場合、 (II) 中間層が連続した膜の形ではないが、多数の薄
片(フレーク)状となっていてしかもこれらの薄片が少
なくともそれらの端縁部で厚み方向に重なり合ってい
て、透視したとき面方向に連続しているようにみえる場
合、 及び (III) 上記(I)と(II)との中間状態や上記(I)と
(II)との組合せで存在する場合、等が含まれる。
【0025】(飽和ポリエステル樹脂) 飽和ポリエステル樹脂としては、ヒドロキシアルカノエ
ート単位を主体とする生分解性の飽和ポリエステル樹脂
の任意のものが使用される。この飽和ポリエステル樹脂
は、少なくともフィルムを形成し得る分子量を有するべ
きであり、一般にその数平均分子量は、50000乃至12000
0、特に60000乃至110000の範囲にあるのがよい。好適な
飽和ポリエステル樹脂の例は、ポリ−β−ヒドロキシア
ルカノエート、或いは脂肪族ポリラクトン乃至ポリ−ω
−ヒドロキシアルカノエート或いはこれらの共重合体で
ある。
【0026】ポリ−β−ヒドロキシアルカノエートとし
ては、下記式
【化1】 で表される反復単位、例えば、 3−ヒドロキシブチレート[R=−CH3 、3HB]、 3−ヒドロキシバリレート[R=−CH2 CH3 、3HV]、 3−ヒドロキシカプロエート[R=−(CH22 CH3 ]、 3−ヒドロキシヘプタノエート[R=−(CH23 CH3 ]、 3−ヒドロキシオクタノエート[R=−(CH24 CH3 ]、 3−ヒドロキシノナノエート[R=−(CH25 CH3 ]、 3−ヒドロキシデカノエート[R=−(CH26 CH3 ]、 等の1種或いは2種以上からなる重合体が挙げられる。
【0027】このタイプの好適な樹脂は、3−ヒドロキ
シブチレートと、他の3−ヒドロキシアルカノエート、
特に3−ヒドロキシバリレートとを共重合させた共重合
体であり、これらを95:5乃至85:15、特に9
2:8乃至88:12の重量比で含む共重合体である。
【0028】脂肪族ポリラクトン乃至ポリ−ω−ヒドロ
キシアルカノエートとしては、下記式
【化2】 で表される反復単位、例えば、γ−ブチロラクトン、δ
−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の反復単位の
1種或いは2種以上からなる重合体が挙げられる。
【0029】このタイプの樹脂の適当な例は、ポリカプ
ロラクトン、或いはカプロラクトンと他のラクトン類の
共重合体である。
【0030】本発明では、「化1」の反復単位と「化
2」の反復単位とから成る共重合体を用いることもでき
る。この共重合体の適当な例は、3−ヒドロキシブチレ
ートとγ−ブチロラクトン或いはε−カプロラクトンと
の共重合体である。また上述した2種以上のブレンド物
をも使用することができる。
【0031】(共重合樹脂) 本発明に用いる共重合樹脂は、前述した単位からなり、
少なくともフィルムを形成するにたる分子量を有するも
のである。好適な共重合樹脂は、ビニルアルコール単
位、即ち下記式
【0032】
【化3】 で表される単位と、エチレン単位、即ち下記式
【0033】
【化4】 で表される単位及び下記式
【0034】
【化5】 で表されるビニルエステル単位及び/または
【0035】
【化6】 式中、R3 は水素原子或いはメチル基であり、R4 はア
ルキル基である、で表される(メタ)アクリル酸エステ
ル単位の少なくとも1種からなる。
【0036】ビニルエステル単位の適当な例は酢酸ビニ
ル単位であり、(メタ)アクリル酸エステル単位の適当
な例はメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル等であ
る。本発明の目的に特に好適な共重合樹脂は、エチレン
−酢酸ビニル共重合体を、前記組成比となるように部分
ケン化するか、或いはエチレン−酢酸ビニル−(メタ)
アクリル酸エステル共重合体を、前記組成比となるよう
に部分乃至完全ケン化することにより得られる。勿論、
上記共重合樹脂は、その本質を損なわない範囲内で、一
般に5モル%以下の範囲で他の共単量体を含有していて
も何等差し支えない。
【0037】本発明で用いる共重合樹脂は、エチレン単
位が相互に結合したエチレンセグメントが存在するとし
ても、そのセグメントの分子量は2000以下、特に5
00以下であることが生分解性の点で好ましい。一方、
ビニルアルコール単位相互が結合したセグメントも存在
することが好ましい。ビニルアルコールが複数個、特に
3個結合したセグメントでは、一個の2級水酸基がケト
基となって分解が進む。
【0038】(包装材料) 本発明の成形用組成物には、その用途に応じて、各種着
色剤、充填剤、無機系或いは有機系の補強剤、滑剤、可
塑剤、レベリング剤、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、安
定剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、防錆剤等を配合するこ
とができる。
【0039】本発明によれば、(A)ヒドロキシアルカ
ノエート単位を主体とする飽和ポリエステル樹脂と、
(B)三元共重合樹脂とを、 A:B=95:5至60:40 の重量比で含有する組成物を、溶融、混練し、これを押
出乃至射出することにより、包装材料を製造する。
【0040】包装材料の製造に際し、飽和ポリエステル
樹脂と共重合樹脂とを混合物の形で押出機或いは射出機
のホッパーに供給する。この混合物は、両者のドライブ
レンドでもよいし、メルトブレンドでもよい。ドライブ
レンドは、例えばリボンブレンダー、コニカルブレンダ
ー、ヘンシェルミキサーのような各種混合機を用いて行
うことができ、一方メルトブレンドは単軸または二軸押
出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用い
て行うことが出来る。一般には操作の簡便さからドライ
ブレンドを用いてもよいことが本発明の特徴である。
【0041】押出機としては、任意のスクリュウを備え
た押出機が好適に使用される。ダイスとしては、フラッ
トダイやリングダイを使用することができ、例えばフィ
ルムの成形には、Tダイ法やインフレーション製膜法が
使用される。また、押し出されたパリソンを中空成形す
ることにより、ボトル、チュウブ、タンク等の中空成形
容器が成形される。
【0042】射出機としては、射出プランジャまたはス
クリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノズ
ル、スプルー、ゲートを通して前記混合物を射出型中に
射出する。これにより、樹脂が射出型キャビティ内に流
入し、冷却固化されて本発明の包装材料となる。
【0043】(用途) 本発明の組成物は、各種プラスチック包装容器、例えば
ボトル、カップ、チューブ、プラスチック缶、パウチ、
キャップ等として、またフィルム、トレイ等の包装材料
として、更にコンテナー、タンク、籠等の流通用容器と
して、更にパイプ、ケース等の構造物として有用であ
る。
【0044】
【実施例】次に本発明の方法を実施例をあげて説明す
る。成形方法 (株)東芝機械製、TEM−35B、二軸押し出し機を
用い、押し出し温度180℃,スクリュー回転速度10
0rpm にてメルトブレンドを行い、ペレット化した。更
に、本ペレットを押し出し成形により0.5mm厚のシー
トに成形した。又、上記ペレットを(株)池貝製、ES
65型、押し出し機を用い、押し出し温度180℃、ス
クリュー回転速度300rpm 、金型温度16℃,ブロー
エア圧6kg/cm2 にてダイレクトブロー成形を行った。
【0045】測定方法 1)機械的強度の測定 (株)ORIENTEC社製、UCT−5T型,テンシ
ロンを用い、100kgロードセルにて500mm/min の
引っ張り速度で測定した。測定試料の形状はASTM
D−1822型を用いた。本測定より引っ張り応力−ひ
ずみ曲線を得た。又、機械的強度の湿度依存性を調べる
為、上記シート片を室温下蒸留水に浸漬保存した。吸水
による重量増加が恒量を示した時点で機械的強度の測定
を行った。 2)シート断面の層観察 ライヘルト、ユンク社製光学顕微鏡ウルトラミクロトー
ム2550スーパカットを用い、シート断面を8〜10
μm厚にスライスした。このスライス切片を(株)ニコ
ン社製,104型偏光顕微鏡OPTIPHOH 2−P
OLを用い透過光で観察した。
【0046】実施例1 飽和ポリエステルにポリ−ω−ヒドロキシアルカノエー
トとして(株)ダイセル化学工業社製ポリカプロラクト
ンH−7(A)を使用し、これとエチレン単位,ビニル
アルコール単位,エステル含有ビニル単位からなる三元
共重合体として、エチレン単位が20モル%含有し、ケ
ン化度がそれぞれ86.2%、65.5%である三元共
重合体樹脂(B)をブレンドした。
【0047】比較の為、樹脂(B)の代わりに、エチレ
ン単位を32モル%含有する完全ケン化エチレンビニル
アルコール樹脂と、水溶性を有するケン化度60%の部
分ケン化ポリビニルアルコール樹脂も使用し、それぞれ
樹脂(A)とブレンドした。飽和ポリエステル樹脂
(A)と上記三元共重合体樹脂(B)を (A):(B)=98:2乃至40:60 のブレンド重量比範囲で押し出し成形し、シート片を作
成した。このシート片につき代表的な引っ張り応力−ひ
ずみ曲線を図1に示した。比較の為、樹脂(A)と完全
ケン化エチレンビニルアルコール樹脂のブレンド成形物
の結果も図1に示した。
【0048】図1より、エチレン単位,ビニルアルコー
ル単位,エステル含有ビニル単位からなる三元共重合体
樹脂と飽和ポリエステル樹脂の成形物は降伏点を有し、
降伏点以後の伸びが観測された。拠って、剛性があり、
かつ、脆性がないことがわかる。又、降伏点強度も向上
していた。一方、エチレンビニルアルコール樹脂と飽和
ポリエステル樹脂の成形物では降伏点強度に比して破断
点強度が低く、機械的強度の面で脆い性質を有した。
【0049】表1に示す様に、飽和ポリエステル樹脂
(A)と上記三元共重合体樹脂(B)のブレンド成形物
の強度はブレンド重量比(A):(B)=98:2の成
形物で150kg/cm2 以下で、極めて低い値となった。
又、上記ブレンドのシート片を室温下蒸留水に浸漬保
存し、吸水による重量増加が恒量になった時点の機械的
強度の測定結果を図2に示した。
【0050】比較の為、樹脂(A)と水溶性を有する6
0%部分ケン化ポリビニルアルコール樹脂のブレンド成
形物の結果も図2に示した。図2より、上記三元共重合
体樹脂と飽和ポリエステル樹脂の成形物、及び部分ケン
化ポリビニルアルコール樹脂と飽和ポリエステル樹脂の
成形物の両成形物において、吸水による弾性率、降伏点
強度の低下が確認された。しかし、弾性率及び降伏点強
度の低下率は異なり、三元共重合体樹脂を用いた成形物
の低下率は小さいのに対して、部分ケン化ポリビニルア
ルコール樹脂を用いた成形物は、弾性率及び降伏点強度
の低下が著しく大きい。拠って、三元共重合体樹脂を用
いたブレンド系では、耐水性を有する事がわかる。
【0051】この場合も、表1に示す様に、飽和ポリエ
ステル樹脂(A)と上記三元共重合体樹脂(B)のブレ
ンド成形物の強度は、ブレンド重量比(A):(B)=
40:60の成形物にて吸水による強度低下は著しい。
樹脂(A)の重量組成比が50%以上の場合では充分に
強度が保持されていた。
【0052】上記飽和ポリエステル樹脂(A)と三元共
重合体樹脂(B)のシート成形物のシート断面の顕微鏡
観察から、本シートは均一組成物より構成されており、
両樹脂は分散性が良い事がわかった。そのため、強度的
に優れたものが得られていると思われる。
【0053】実施例2 飽和ポリエステル樹脂(A)と三元共重合体樹脂(B)
を (A):(B)=70:30 の重量比で、成形方法のに記載した方法にてダイレク
トブロー成形した。内容量400ccの扁平な厚さ0.4
mmのボトル形状の成形品を得た。強度的には、実施例1
に示したものと同等の性能であり、剛性を有するととも
に脆性もなかった。因みに、2℃の蒸留水を充填した
後、密栓し、1.2mの高さより10本落下させたが破
損したものはなかった。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、種々の水酸基含有重合
体の内でも、エチレン単位、ビニルアルコール単位及び
エステル含有ビニル単位を特定の量比で含む共重合樹脂
を選択し、これを、ヒドロキシアルカノエート単位を主
体とする飽和ポリエステル樹脂にブレンドすることによ
り、この三元共重合樹脂は、水酸基含有重合体の中でも
例外的に、飽和ポリエステル樹脂に対する分散性に優れ
ており、しかもブレンドされた状態で溶融成形性を向上
させ、しかもブレンドされた組成物は機械的強度及び吸
水時の機械的強度低下が著しく抑制され、且つ生分解性
も損なわないという予想外の利点を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における成形シート片の引っ張り応
力−ひずみ曲線を示すグラフであって、図中の各曲線
は、試料 エチレン単位を32モル%含有する完全ケン化エチ
レンビニルアルコール樹脂と飽和ポリエステルを30:
70の割合でブレンドしたブレンド成形物 エチレン単位を20モル%含有する86.2%ケン
化三元共重合体樹脂と飽和ポリエステルを30:70の
割合でブレンドしたブレンド成形物 エチレン単位を20モル%含有する65.5%ケン
化三元共重合体樹脂と飽和ポリエステルを30:70の
割合でブレンドしたブレンド成形物についてのものであ
る。
【図2】 実施例1における成形シート片について吸水
前後における弾性率及び降伏点強度の変化を示すグラフ
であって、図中の記号は、試料 ▲:60%部分ケン化ポリビニルアルコール樹脂と飽和
ポリエステル樹脂を3 0:70の割合でブレンドした
レンド成形物 ●:エチレン単位を20モル%含有する86.2%ケン
化三元共重合体樹脂と飽和ポリエステル樹脂を30:7
0の割合でブレンドしたブレンド成形物 ○:エチレン単位を20モル%含有する65.5%ケン
化三元共重合体樹脂と飽和ポリエステル樹脂を30:7
0の割合でブレンドしたブレンド成形物についてのもの
であり、矢印の付いた印が吸水後の値を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ヒドロキシアルカノエート単位を
    主体とする飽和ポリエステル樹脂と、(B)10乃至4
    0モル%のエチレン単位、40乃至88モル%のビニル
    アルコール単位及び10乃至50モル%のエステル含有
    ビニル単位からなる共重合樹脂とを、 A:B=95:5乃至60:40 の重量比で含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ヒドロキシアルカノエート単位を
    主体とする飽和ポリエステル樹脂と、(B)10乃至4
    0モル%のエチレン単位、40乃至88モル%のビニル
    アルコール単位及び10乃至50モル%のエステル含有
    ビニル単位からなる共重合樹脂とを、 A:B=95:5乃至60:40 の重量比で含有する樹脂組成物から形成されていること
    を特徴とする包装材料。
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