JP2570551B2 - 樹脂組成物及びその製法 - Google Patents

樹脂組成物及びその製法

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JP2570551B2 JP21778492A JP21778492A JP2570551B2 JP 2570551 B2 JP2570551 B2 JP 2570551B2 JP 21778492 A JP21778492 A JP 21778492A JP 21778492 A JP21778492 A JP 21778492A JP 2570551 B2 JP2570551 B2 JP 2570551B2
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  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性を有し且つ機械
的特性及び耐水性等に優れた樹脂組成物、その製法及び
それを用いた包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市が排出する固形廃棄物は、そ
の量が段々膨大なものとなり、廃棄処理能力の限界に近
づきつつある。この固形廃棄物の元凶の一つとして、プ
ラスチックがいつも指摘されている。
【0003】プラスチック廃棄物の理想的解決法とし
て、自然環境で消滅する分解性プラスチックが注目され
ている。分解性プラスチックには、紫外線によってポリ
マーの分子鎖が切断される光分解性プラスチックと、バ
クテリヤや真菌類が体外に放出する酵素の作用で崩壊す
る生分解性プラスチックとがある。
【0004】しかしながら、光分解性プラスチックの場
合、土中埋没処理では効果が期待できなく、また分解生
成物による環境汚染の恐れもあることから、生分解性プ
ラスチックに大きな期待が寄せられている。
【0005】生分解性プラスチックとしては、従来、ポ
リヒドロキシブチレート(PHB)、3−ヒドロキシブ
チレート(3HB)と3−ヒドロキシバリレート(3H
V)とのランダムコポリマー等が知られている。
【0006】ポリカプロラクトン(PCL)のような生
分解性プラスチックを他の樹脂とブレンドした樹脂組成
物も既に知られており、例えば特開平4−139248
号公報には、エチレン−ビニルアルコール共重合体5乃
至99重量%と脂肪族ポリエステル95乃至1重量%と
から成る生分解性樹脂組成物が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】公知の生分解性プラ
スチックは、空気中では安定しており、分解するのはバ
クテリヤが活動している土中、水中であり、分解生成物
は炭酸ガスと水であるという利点を有しているが、プラ
スチックの主要な用途である容器製造の点で未だ解決し
なければならない問題点を有している。
【0008】即ち、公知の生分解性プラスチックは、分
解温度と成形温度とが、170℃以上と160〜175
℃のように近接しているため、クロロホルム等の溶媒を
使用するキャスト法では成形品を製造可能であるとして
も、溶融成形が難しいという問題がある。
【0009】このため、ボトル等の中空成形品を製造し
ようとすると、樹脂中に多量の可塑剤を含有させて、溶
融押し出し性能を向上させねばならなく、こうして製造
した容器では、水中(内用品)中に可塑剤が抽出される
という好ましくない影響がある。また、この容器では、
従来のポリエチレン製容器等に比して強度が低く、厚み
を大きくして必要な強度をもたしているのが現状であ
る。
【0010】更に上記生分解性プラスチックは、価格が
高価であり、その生分解性を阻害すること無しに、他の
樹脂をブレンドして使用できれば、溶融成形性の点で
も、製造コストの点でも顕著な利点が奏されることが期
待される。従来、他の生分解性ポリマーとしては、水酸
基含有重合体が知られているが、このものは水溶性であ
ったり、耐水性に乏しかったりするほかに、溶融成形性
もないために、この目的には使用できない。
【0011】上記先行技術にみられるエチレン−ビニル
アルコール共重合体は、溶融成形性を有しており、水酸
基含有重合体の中では比較的耐水性に優れているという
利点を有するが、他の水酸基含有重合体と同様に、脂肪
族ポリエステルとの相溶性が必ずしも十分ではなく、成
形物としたとき、相分離を生じ、機械的に割れを生じた
り、期待通りの耐気体透過性が得られないという欠点が
ある。
【0012】本発明者らは、ヒドロキシアルカノエート
単位を主体とする飽和ポリエステル樹脂に、ビニルアル
コール系重合体をブレンドする際、この系中にエチレン
−酢酸ビニル共重合体を共存させると、これらの各樹脂
成分の相溶性が顕著に向上して、溶融成形性が顕著に向
上し、引っ張り強度や強靱性等の機械的特性や耐水性等
も顕著に向上することを見いだした。また、本発明者ら
は分散状態が均一なブレンド物を得る上でブレンドの順
序も著しく重要であることを見いだした。
【0013】即ち、本発明の目的は、生分解性に優れ、
更に樹脂相互の相溶性、溶融成形性、機械的強度、耐水
性等に優れた樹脂組成物、その製法及びそれを用いた包
装材料を提供するにある。
【0014】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、
(A)ヒドロキシアルカノエート単位を主体とする飽和
ポリエステル樹脂と、(B)ビニルアルコール系重合体
と、(C)エチレン−酢酸ビニル共重合体とを含有する
ことを特徴とする樹脂組成物並びにこの組成物からなる
包装材料が提供される。
【0015】本発明によればまた、ヒドロキシアルカノ
エート単位を主体とする飽和ポリエステル樹脂とエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体とをブレンドし、このブレンド
物とビニルアルコール系重合体とをブレンドすることを
特徴とする樹脂組成物の製法が提供される。
【0016】本発明によれば更に、ビニルアルコール系
重合体とエチレン−酢酸ビニル共重合体とをブレンド
し、このブレンド物とヒドロキシアルカノエート単位を
主体とする飽和ポリエステル樹脂とをブレンドすること
を特徴とする樹脂組成物の製法が提供される。
【0017】本発明に用いる樹脂組成物においては、3
成分基準で、飽和ポリエステル樹脂(A)32.0乃至
89.1重量%、ビニルアルコール系重合体(B)8.
0乃至59.4重量%、及びエチレン−酢酸ビニル共重
合体(C)1乃至20重量%を含有するのがよい。
【0018】
【作 用】本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体
が、ヒドロキシアルカノエート単位を主体とする飽和ポ
リエステル樹脂(以下単に飽和ポリエステル樹脂と呼
ぶ)とビニルアルコール系重合体との相溶性を顕著に向
上させるように作用するという知見に基づくものであ
る。
【0019】上記樹脂成分の内、ビニルアルコール系重
合体は樹脂組成物全体に対して生分解性を付与し且つ耐
気体透過性等の容器適応特性を付与する必須成分である
が、ビニルアルコール系重合体を飽和ポリエステル樹脂
にブレンドした場合には、両者の間に相溶性が殆どな
く、また一様な分散状態を形成させることも困難であ
る。しかも、この組成物から形成された成形物は、降伏
点強度に比して破断点強度が低い等機械的に脆いという
致命的な欠点がある。本発明では、上記飽和ポリエステ
ル樹脂とビニルアルコール系重合体とをブレンドする
際、少なくとも何れか一方にエチレン−酢酸ビニル共重
合体を予め共存させておくことにより、相溶性乃至分散
性を向上させ、ブレンド物の脆さを解消することができ
る。
【0020】本発明では、飽和ポリエステル樹脂とビニ
ルアルコール系重合体とをブレンドする際、少なくとも
何れか一方にエチレン−酢酸ビニル共重合体を予め共存
させておくことが均質なブレンド物を形成させる上で重
要である。「図1」は、エチレン−酢酸ビニル共重合体
の配合量と樹脂組成物から成る成形品の降伏点強度との
関係をプロットした結果を示したものである。図中の四
角印(□)は、ヒドロキシアルカノエート単位を主体と
する飽和ポリエステル樹脂、ビニルアルコール系重合体
及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の三者を同時に混合
したもの、白丸印(○)は飽和ポリエステル樹脂にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体を予め混合し、この混合物を
ビニルアルコール系重合体に混合したもの、黒丸印
(●)はビニルアルコール系重合体にエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を予め混合し、この混合物を飽和ポリエス
テル樹脂に混合したものを示す。
【0021】これらの結果から、飽和ポリエステル樹脂
とビニルアルコール系重合体との直接的な接触を避け、
両者の混合に際して、予め一方の樹脂にエチレン−酢酸
ビニル共重合体を混合しておくことが、ブレンド物中の
相分離を防止して、耐衝撃性を向上させる上で重要であ
るという事実が明らかとなる。
【0022】これは、エチレン−酢酸ビニル共重合体
が、飽和ポリエステル樹脂或いはビニルアルコール系重
合体に対して相溶性がよく、予め飽和ポリエステル樹脂
或いはビニルアルコール系重合体中に取り込まれたエチ
レン−酢酸ビニル共重合体が、他方の樹脂の相溶性を向
上させると共に、それらの相分離を防止させるように作
用するためと考えられる。勿論、エチレン−酢酸ビニル
共重合体は高分子可塑剤としての作用があり、これによ
る混練性や加工性の向上の寄与も否定できない。
【0023】本発明において、エチレン−酢酸ビニル共
重合体は、3成分基準で1乃至20重量%、特に1乃至
15重量%の量で用いるのがよい。即ち、上記範囲より
も少ない場合には相溶性が低下し、成形物中に相分離を
生じる傾向が大きくなり、好ましくない。一方、上記範
囲よりも多い場合には機械的性質やガスバリヤー性が低
下し、生分解性が低下するので、本発明の目的に好まし
くない。
【0024】一方、飽和ポリエステル樹脂は、32.0
乃至89.1重量%、特に50乃至80重量%の量で、
ビニルアルコール系重合体は8.0乃至59.4重量
%、特に15乃至45重量%の量で用いるのがよい。飽
和ポリエステル樹脂の量が上記範囲よりも少ない場合、
或いはビニルアルコール系重合体の量が上記範囲よりも
多い場合には、相溶性の点で問題を生じたり、生分解性
が低下する傾向がある。逆に、飽和ポリエステル樹脂の
量が上記範囲よりも多い場合、或いはビニルアルコール
系重合体の量が上記範囲よりも少ない場合には、容器の
耐気体透過性や溶融成形性の点で不満足なものとなる。
【0025】
【発明の好適態様】
(飽和ポリエステル樹脂)飽和ポリエステル樹脂として
は、ヒドロキシアルカノエート単位を主体とする生分解
性の飽和ポリエステル樹脂の任意のものが使用される。
この飽和ポリエステル樹脂は、少なくともフィルムを形
成し得る分子量を有するべきであり、一般にその数平均
分子量は、5×104 乃至12×104 、特に6×10
4 乃至11×104 の範囲にあるのがよい。好適な飽和
ポリエステル樹脂の例は、ポリ−β−ヒドロキシアルカ
ノエート、或いは脂肪族ポリラクトン乃至ポリ−ω−ヒ
ドロキシアルカノエート或いはこれらの共重合体であ
る。
【0026】ポリ−β−ヒドロキシアルカノエートとし
ては、下記式
【化1】 式中、Rは直鎖或いは分岐鎖のアルキル基である、で表
される反復単位、例えば、3−ヒドロキシブチレート
[R=−CH3 、3HB]、3−ヒドロキシバリレート
[R=−CH2 CH3 、3HV]、3−ヒドロキシカプ
ロエート[R=−(CH22 CH3 ]、3−ヒドロキ
シヘプタノエート[R=−(CH23 CH3 ]、3−
ヒドロキシオクタノエート[R=−(CH24 CH
3 ]、3−ヒドロキシノナノエート[R=−(CH2
5 CH3 ]、3−ヒドロキシデカノエート[R=−(C
26 CH3 ]、等の1種或いは2種以上からなる重
合体が挙げられる。
【0027】このタイプの好適な樹脂は、3−ヒドロキ
シブチレートと、他の3−ヒドロキシアルカノエート、
特に3−ヒドロキシバリレートとを共重合させた共重合
体であり、これらを95:5乃至85:15、特に9
2:8乃至88:12の重量比で含む共重合体である。
【0028】脂肪族ポリラクトン乃至ポリ−ω−ヒドロ
キシアルカノエートとしては、下記式
【化2】 式中、Rは直鎖或いは分岐鎖のアルキレン基である、で
表される反復単位、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−
バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の反復単位の1
種或いは2種以上からなる重合体が挙げられる。
【0029】このタイプの樹脂の適当な例は、ポリカプ
ロラクトン、或いはカプロラクトンと他のラクトン類の
共重合体である。
【0030】本発明では、「化1」の反復単位と「化
2」の反復単位とから成る共重合体を用いることもでき
る。この共重合体の適当な例は、3−ヒドロキシブチレ
ートとγ−ブチロラクトン或いはε−カプロラクトンと
の共重合体である。また上述した2種以上のブレンド物
をも使用することができる。
【0031】(ビニルアルコール系重合体)本発明に用
いるビニルアルコール系重合体は、分子鎖中にビニルア
ルコール単位、即ち下記式
【化3】 で表される単位を含有するものであり、好適には、更に
上記単位以外にエチレン単位、即ち下記式
【化4】−[−CH2 −CH2 −]− で表される単位を含有するものである。
【0032】溶融成形性やガスバリヤー性の点で好適な
エチレンビニルアルコール共重合体は、エチレン含有量
10乃至60モル%、特に20乃至50モル%で且つ残
留ビニルエステル含有量5モル%以下、特に2モル%以
下のものである。用いるエチレンビニルアルコール共重
合体は、フィルムを形成するにたる分子量を有するべき
である。
【0033】本発明において、エチレンビニルアルコー
ル共重合体の代わりに、ビニルアルコール重合体やビニ
ルアルコール単位と他のエチレン系不飽和単量体との共
重合体を使用することもできる。
【0034】(エチレン−酢酸ビニル共重合体)エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体としては、エチレンと酢酸ビニ
ル単位、即ち下記式
【化5】 で表される単位を5乃至60重量%、特に10乃至50
重量%で含有する共重合体が好適に使用される。
【0035】エチレン−酢酸ビニル共重合体は、そのメ
ルトフローレート(MFR)が0.5乃至150g/1
0min、特に2乃至100g/10minの範囲にあ
ることが、本発明の目的に好都合である。
【0036】本発明で用いるビニルアルコール系重合体
及びエチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレン単位が
相互に結合したエチレンセグメントが存在するとして
も、そのセグメントの分子量は500以下であることが
生分解性の点で好ましい。一方、ビニルアルコール単位
相互が結合したセグメントも存在することが好ましい。
ビニルアルコールが複数個、特に3個結合したセグメン
トでは、一個の2級水酸基がケト基となって分解が早く
進む傾向がある。
【0037】(樹脂組成物及びその製法)本発明の樹脂
組成物は、(A)ヒドロキシアルカノエート単位を主体
とする飽和ポリエステル樹脂と、(B)ビニルアルコー
ル系重合体と、(C)エチレン−酢酸ビニル共重合体と
を含有するが、飽和ポリエステル樹脂とビニルアルコー
ル系重合体とをブレンドする際、少なくとも何れか一方
にエチレン−酢酸ビニル共重合体を予め共存させておく
ことにより、均質なブレンド物を形成させる。
【0038】エチレン−酢酸ビニル共重合体は、上記飽
和ポリエステル樹脂或いはエチレン−酢酸ビニル共重合
体の一方にのみ予め配合してもよく、或いは両方の樹脂
に配合しておくこともできる。本発明の最も好適な態様
では、ヒドロキシアルカノエート単位を主体とする飽和
ポリエステル樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体とを
ブレンドし、このブレンド物とビニルアルコール系重合
体とをブレンドする。
【0039】他の好適な態様では、ビニルアルコール系
重合体とエチレン−酢酸ビニル共重合体とをブレンド
し、このブレンド物とヒドロキシアルカノエート単位を
主体とする飽和ポリエステル樹脂とをブレンドする。
【0040】本発明の樹脂組成物には、その用途に応じ
て、各種着色剤、充填剤、無機系或いは有機系の補強
剤、滑剤、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、増粘
剤、減粘剤、安定剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、防錆剤
等を配合することができる。
【0041】本発明によれば、(A)飽和ポリエステル
樹脂或いは(B)ビニルアルコール系重合体と、(C)
エチレン−酢酸ビニル共重合体とを、溶融、混練し、こ
れを残りの樹脂成分とブレンドし、これを混練し、押出
乃至射出することにより、包装材料を製造する。本発明
において、上記ブレンド物は、このものの単一層から成
る包装材料に適用できるばかりではなく、このブレンド
物が連続した層を形成するという範囲で他の樹脂層との
積層多層構造物の形で包装体とすることができる。この
積層には、共押出、共射出、押出コート、サンドイッチ
ラミネーション、ドライラミネーション等の公知の積層
技術が使用される。
【0042】包装材料等の製造に際し、一方の樹脂成分
とエチレン−酢酸ビニル共重合体とのブレンド物と、他
方の樹脂成分とを混合物の形で押出機或いは射出機のホ
ッパーに供給する。この混合物は、両者のドライブレン
ドでもよいし、メルトブレンドでもよい。ドライブレン
ドは、例えばリボンブレンダー、コニカルブレンダー、
ヘンシェルミキサーのような各種混合機を用いて行うこ
とができ、一方メルトブレンドは単軸または二軸押出
機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて
行うことが出来る。一般には操作の簡便さからドライブ
レンドを用いてもよいことが本発明の特徴である。尚、
エチレン−酢酸ビニル共重合体とのブレンド物の製造
は、上記メルトブレンドと同様に行えばよい。
【0043】押出機としては、任意のスクリュウを備え
た押出機が好適に使用される。ダイスとしては、フラッ
トダイやリングダイを使用することができ、例えばフィ
ルムの成形には、Tダイ法やインフレーション製膜法が
使用される。また、押し出されたパリソンを中空成形す
ることにより、ボトル、チュウブ、タンク等の中空成形
容器が成形される。
【0044】射出機としては、射出プランジャまたはス
クリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノズ
ル、スプルー、ゲートを通して前記混合物を射出型中に
射出する。これにより、樹脂が射出型キャビティ内に流
入し、冷却固化されて本発明の包装材料となる。
【0045】(用途)本発明の組成物は、各種プラスチ
ック包装容器、例えばボトル、カップ、チューブ、プラ
スチック缶、パウチ、キャップ等として、またフィル
ム、トレイ等の包装材料として、更にコンテナー、タン
ク、籠等の流通用容器として、更にパイプ、ケース等の
構造物として有用である。
【0046】
【実施例】次に本発明を実施例をあげて説明する。
【0047】(成形方法)(株)東芝機械、TEM35
B、二軸押し出し機を用い、押し出し温度180℃、ス
クリュー回転速度100ppmにてメルトブレンドを行
い、ペレット化した。特に2回に分けてメルトブレンド
する場合においても同条件を用いた。更に、本ペレット
を押し出し成形により0.5mm厚のシートに作成し
た。
【0048】また、上記ペレットを(株)池貝製、ES
65型押し出し機を用い、押し出し温度180℃、スク
リュー回転速度300rpm、金型温度16℃、ブロー
エアー圧6Kg/cm2 にてダイレクトブロー成形し
た。
【0049】(測定方法)(株)ORIENTEC社製、UCT
−5T型、テンシロンを用い、100Kgロードセル、
500mm/minで引っ張り強度の測定を行った。試料
形状はASTM D−1822型を用いた。本測定より
機械的強度の結果を得た。
【0050】実施例1 飽和ポリエステル樹脂に、ポリ−ω−ヒドロキシアルカ
ノエートとして(株)ダイセル化学工業社製ポリカプロ
ラクトンH−7(A)を用い、ビニルアルコール系重合
体に(株)クラレ社製、エバールG(B)を、エチレン
−酢酸ビニル共重合体に(株)住友化学工業社製、エバ
テート、R5011を用いた。
【0051】飽和ポリエステル樹脂(A)、ビニルアル
コール系重合体(B)、更に、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(C)を (A):(B):(C)=69.5:29.5:1乃至 60:25:15 の重量範囲でメルトブレンドして得たシート成形物を用
い、エチレン−酢酸ビニル共重合体含有量と機械的強度
(降伏点強度)の関係を図1に示した。
【0052】特に、本シート成形物は、MD方向にビニ
ルアルコール系重合体(B)の流動配向に起因すると思
われる割れが生じやすい為、シート成形物のTD方向打
ちぬき測定試料による機械的強度の結果を示した。
【0053】図1より、はじめに樹脂(A)と樹脂
(C)をメルトブレンドし、このブレンド物に樹脂
(B)をブレンドした物、及び、はじめに樹脂(B)と
樹脂(C)をメルトブレンドし、このブレンド物に樹脂
(A)をブレンドした異なる手順の2種類のブレンド物
は、樹脂(A)、樹脂(B)、樹脂(C)を1回のメル
トブレンドで成形した物に比べ、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(C)が1〜15%重量組成範囲において強度
増加が観測され、特に、5%重量組成比の成形物におい
て最も良い強度的性質を示した。
【0054】更に、本3成分系樹脂組成物において飽和
ポリエステル樹脂(A)とビニルアルコール系重合体
(B)の組成比に着目した機械的強度の変化は、表−1
に示す様に、ビニルアルコール系重合体の含有量が増加
するに従い、MD方向にビニルアルコール系重合体の流
動配向に起因すると思われる割れが生じ脆い性質を有し
た為、飽和ポリエステル樹脂(A)、ビニルアルコール
系重合体(B)、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体
(C)の組成範囲を以下の通りにした。 (A):(B):(C)= 32.0 〜 89.1 : 8.0 〜 59.
4 : 1.0 〜 20.0
【0055】実施例2 成形法の項に記載した手順に従い、飽和ポリエステル樹
脂(A)とビニルアルコール系重合体(B)、更に、エ
チレン酢酸ビニル共重合体(C)を (A):(B):(C)=67:28:5 の重量組成比でブレンドし、ダイレクトブロー成形し
た。内容量400mlの扁平な厚さ0.4mmのボトル
形状物を得た。強度的には実施例1に示した物と同等の
性質であり、剛性を有するとともに脆性はなかった。因
みに、2℃の蒸留水を充填後、密栓し1.2mの高さよ
り10本落下させたが破損した物はなかった。
【0056】
【表1】 ○ 容器適性を十分満足する △ 容器適性をある程度満足する × 容器適性を満足しない
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ヒドロキシアルカノエ
ート単位を主体とする飽和ポリエステル樹脂或いはビニ
ルアルコール系重合体に、エチレン−酢酸ビニル共重合
体をブレンドし、このものを残りの樹脂或いは樹脂組成
物とブレンドすることにより、生分解性に優れ、更に樹
脂相互の相溶性、溶融成形性、機械的強度、耐水性等に
優れた樹脂組成物が得られ、この組成物を包装材料の製
造に用いることにより、優れた利点が奏された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1におけるエチレン−酢酸ビニル共重
合体(C)含有量とブレンド成形法に関す降伏点強度を
示すグラフであり、図中の各曲線は試料 飽和ポリエステル樹脂(A)とエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(C)をメルトブレンド後、本ブンレド物に
ビニルアルコール系重合体(B)をメルトブレンドして
得られたシート成形物: ビニルアルコール系重合体(B)とエチレン−酢酸
ビニル共重合体(C)をメルトブレンド後、本ブレンド
物に飽和ポリエステル樹脂(A)をメルトブレンドして
得られたシート成形物: 飽和ポリエステル樹脂(A)とビニルアルコール系
重合体(B)とエチレン酢酸−ビニル共重合体(C)を
1回でメルトブレンドして得られたシート成形物の値を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/04 LGU C08L 31/04 LDJ 31/04 LDJ LDK LDK B65D 1/00 A

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ヒドロキシアルカノエート単位を
    主体とする飽和ポリエステル樹脂と、(B)ビニルアル
    コール系重合体と、(C)エチレン−酢酸ビニル共重合
    体とを均質な状態で含有することを特徴とする樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシアルカノエート単位を主体と
    する飽和ポリエステル樹脂及びビニルアルコール系重合
    体が、少なくとも一方が予めエチレン−酢酸ビニル共重
    合体と混合された状態で相互に混合されて成る請求項1
    記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 3成分基準で、飽和ポリエステル樹脂
    (A)32.0乃至89.1重量%、ビニルアルコール
    系重合体(B)8.0乃至59.4重量%、及びエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体(C)1乃至20重量%を含有
    することを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 飽和ポリエステル樹脂(A)が脂肪族ポ
    リラクトン乃至ポリ−ω−ヒドロキシアルカノエートで
    ある請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ビニルアルコール系重合体(B)がポリ
    ビニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共
    重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 エチレン−酢酸ビニル共重合体が5乃至
    60重量%の酢酸ビニル単位を含有するものである請求
    項1記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ヒドロキシアルカノエート単位を主体と
    する飽和ポリエステル樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重
    合体とをブレンドし、このブレンド物とビニルアルコー
    ル系重合体とをブレンドすることを特徴とする樹脂組成
    物の製法。
  8. 【請求項8】 ビニルアルコール系重合体とエチレン−
    酢酸ビニル共重合体とをブレンドし、このブレンド物と
    ヒドロキシアルカノエート単位を主体とする飽和ポリエ
    ステル樹脂とをブレンドすることを特徴とする樹脂組成
    物の製法。
  9. 【請求項9】 ヒドロキシアルカノエート単位を主体と
    する飽和ポリエステル樹脂32.0乃至89.1重量%
    と、ビニルアルコール系重合体8.0乃至59.4重量
    %、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体1乃至20重量
    %を含有する樹脂組成物から形成されていることを特徴
    とする包装材料。
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