JP2003335315A - プラスチック製容器 - Google Patents

プラスチック製容器

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JP2003335315A
JP2003335315A JP2002167722A JP2002167722A JP2003335315A JP 2003335315 A JP2003335315 A JP 2003335315A JP 2002167722 A JP2002167722 A JP 2002167722A JP 2002167722 A JP2002167722 A JP 2002167722A JP 2003335315 A JP2003335315 A JP 2003335315A
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Japan
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resin
filler
polyglycolic acid
layer
resin composition
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JP2002167722A
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English (en)
Inventor
Takuro Ito
卓郎 伊藤
Takuya Kaneda
拓也 金田
Suketaka Watanabe
祐登 渡辺
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂への板状フィラーの分散性が顕著に向上
すると共に、この樹脂組成物の成形時における板状フィ
ラーの配向性も顕著に向上したプラスチック製容器を提
供するにある。 【解決手段】 ポリグリコール酸を主体とする樹脂
(A)に板状フィラー(B)及び樹脂質乃至ワックス状
の分散剤(C)を配合した樹脂組成物からなる少なくと
も1個のガスバリアー層を備えていることを特徴とする
プラスチック製容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチック製容器
に関するもので、より詳細にはガスバリアー性を向上さ
せるためのフィラーの分散性に優れ、優れたガスバリア
ー性と優れた外観特性とを有する包装容器に関する。更
には、自然環境下で分解し消滅する、ガスバリアー性と
優れた外観特性を有する生分解性包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、包装容器としては、金属缶,ガラ
スビン、各種プラスチック製容器等が使用されている
が、容器内に残留する酸素や水分による内容物の変質
や、フレーバーの低下が問題となっている。
【0003】特に、金属缶やガラスビンでは容器壁を通
しての酸素や水分の透過がゼロであるが、プラスチック
製容器の場合には、容器壁を通過する酸素や水分が無視
しえないオーダーで生じ、内容物の保存性の点で問題と
なっている。そのため、プラスチック製容器としてはガ
スバリアー性を有し、内容物の保存性に優れた容器を提
供することが望まれている。
【0004】これを防止するために、プラスチック製容
器では、容器壁を多層構造とし,その少なくとも1個の
層をエチレン−ビニルアルコール共重合体等の酸素バリ
アー性を有する樹脂を用いることが行われたり、オレフ
ィンと環状オレフィンの非晶質乃至低結晶性共重合体樹
脂等の水分バリアー性樹脂を用いることが行われたり、
アルミ箔の積層により酸素及び水分バリアー性の向上が
行われている。
【0005】容器壁を通して容器内に入る酸素や水分を
削減するため、板状無機充填材を混練した樹脂層の適用
例(特願2001−247373)があり、これによる
と水分透過性を有する樹脂層に板状無機充填材を混練す
ることで水分バリアー性樹脂組成物が提案されている。
【0006】一方、プラスチック廃棄物の理想的解決法
として、自然環境で消滅する分解性プラスチックが注目
されており、中でもバクテリヤや真菌類が体外に放出す
る酵素の作用で崩壊する生分解性プラスチックが従来よ
り使用されている。
【0007】しかしながら、この生分解性プラスチック
は、生分解性など環境との調和の点では優れているもの
の、例えば包装容器として用いる場合のガスバリアー性
等の性能や成形性等の点で未だ充分満足し得るものでは
なかった。このため、生分解性樹脂に種々の材料を配合
することは古くから行われている。
【0008】本発明者らの提案に係る特開平6−654
84号公報(特許第2570551号公報)には、
(A)ヒドロキシアルカノエート単位を主体とする飽和
ポリエステル樹脂と、(B)ビニルアルコール系重合体
と、(C)エチレン−酢酸ビニル共重合体とを均質な状
態で含有する樹脂組成物が記載されている。
【0009】特開平8−2517号公報には、生分解性
樹脂を用いて形成した生分解性樹脂層と、生分解性樹脂
に無機物を添加した添加生分解性樹脂層とからなること
を特徴とする樹脂容器が記載されており、無機物として
は、タルク、マイカ、酸化チタン等が、5〜50重量%
の量で使用されることも記載されている。
【0010】特開2000−6230号公報には、板状
添加剤を添加した生分解性樹脂を射出ブロー成形して構
成されたことを特徴とするプラスチック製容器が記載さ
れ、板状添加剤は3〜35重量%の配合量で使用され、
マイカ系無機物が好適であることも記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記提案は、樹脂にポ
リビニルアルコールやマイカ系添加剤を配合することに
より、ガスバリアー性や水分バリアー性の向上を目的と
したものであるが、樹脂に対する添加剤の分散性が低
く、そのため成形性が低く、成形体の機械的強度やガス
バリアー性が未だ不十分であり、また容器の外観特性も
劣っているという問題がある。
【0012】従って、本発明の目的は、生分解性で且つ
バリアー性樹脂への板状フィラーの分散性が顕著に向上
すると共に、この樹脂組成物の成形時における板状フィ
ラーの配向性も顕著に向上したプラスチック製容器もし
くは生分解性容器を提供するにある。本発明の他の目的
は、板状フィラーを含有するにもかかわらず、成形性に
優れており、しかも成形体の機械的強度や耐衝撃性に顕
著に優れており、更に水分に対するバリアー性を含めて
ガスバリアー性や外観特性が顕著に向上したプラスチッ
ク容器もしくは生分解性容器を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリグ
リコール酸を主体とする樹脂(A)に板状フィラー
(B)及び樹脂質乃至ワックス状の分散剤(C)を配合
した樹脂組成物からなる少なくとも1個のガスバリアー
層を備えていることを特徴とするプラスチック製容器が
提供される。本発明の樹脂組成物においては、 1.前記樹脂組成物がポリグリコール酸を主体とする樹
脂(A)基準で板状フィラー(B)を0.1乃至50重
量%含有するものであること、 2.前記樹脂組成物がポリグリコール酸を主体とする樹
脂(A)基準で分散剤(C)を0.05乃至20.0重
量%含有するものであること、 3.板状フィラーが容器の壁面の面方向に沿って実質上
平行に配向していること、が好ましい。本発明のプラス
チック製容器は、勿論多層構造の容器であってよく、こ
の場合、ポリエステルもしくはポリオレフィン、もしく
は生分解性ポリエステルを主体とする少なくとも1個の
樹脂層を更に備えていることが好ましい。層構成はそれ
自体公知の任意のものであってよく、例えば前記生分解
性樹脂層が内外層として、前記ガスバリアー層が中間層
として存在するものであってよい。また、前記ガスバリ
アー性樹脂層はそのままの状態で或いは被覆保護層付の
状態で最外表面層に存在することができ、この場合には
外観特性の向上が顕著なものとなる。
【0014】
【発明の実施形態】[作用]本発明のプラスチック製容
器は、生分解性樹脂と板状フィラーとを含有するガスバ
リアー層を備えているが、本発明によれば、生分解性樹
脂として、ポリグリコール酸を選択し、このポリグリコ
ール酸に、板状フィラーと共に樹脂状乃至ワックス状分
散剤を含有させることにより、容器のガスバリアー性を
顕著に向上させ、包装容器としたときの外観特性を顕著
に向上させることができる。
【0015】 で表される反復単位からなる重合体であって、脂肪族ポ
リエステル、それもヒドロキシアルカノエート型ポリエ
ステルの内でも最も構造が簡単なものに属するものであ
る。このポリグリコール酸は、他の脂肪族ポリエステル
と同様に生分解性であり、更に酸素や炭酸ガスに対して
低いガス透過性を示すのが特徴であり、これは、本発明
において、ガスバリアー性向上用の板状フィラーを配合
するベース樹脂としてポリグリコール酸を選択すること
の理由の一つでもある。
【0016】本発明においては、このポリグリコール酸
に対して、板状フィラーを樹脂質乃至ワックス状の分散
剤と共に配合することにより、容器のガスバリアー性を
顕著に向上させ、容器の機械的特性や外観特性を改善す
ることができる。
【0017】一般に樹脂に対する板状フィラーの配合量
と、この樹脂組成物を通しての水分透過量との関係を調
べると、配合量の増加につれて水分透過量は単調に減少
しているが、その減少の程度は配合量の増加に伴ってか
なり緩やかなものであることが了解される。これに対し
て、ポリグリコール酸に対して板状フィラーと共に樹脂
質乃至ワックス状の分散剤を配合した場合には、板状フ
ィラーの配合量−水分透過量の関係を離れて、水分透過
量をかなり減少させることができることが確認されてお
り、この減少量は、後述する具体例についていえば、板
状フィラーのみを配合した場合のほぼ1/2になること
が分かる。
【0018】更に、板状フィラーと共に樹脂質乃至ワッ
クス状の分散剤を配合した樹脂組成物の場合は、金属光
沢に近い優れた光輝外観が得られ、後述する例に示すと
おり、板状フィラーのみを配合した場合に比して、包装
容器の外観特性が著しく向上している。
【0019】特に、本発明における樹脂質乃至ワックス
状の分散剤の配合による上記効果は、ポリグリコール酸
樹脂と板状フィラーとの組合せに特有のものであり、樹
脂質乃至ワックス状の分散剤が板状フィラーのポリグリ
コール酸樹脂中への微細且つ一様な分散を可能にすると
共に、容器への成形に際しても、樹脂組成物中の板状フ
ィラーの容器壁面の面方向への配向を容易にしているた
めと考えられる。
【0020】本発明は、以下の考察によって何らかの制
約を受けるものでは決してないが、板状フィラーの分散
性や配向性の向上する理由としては、次のことが考えら
れる。一般に樹脂中に板状フィラーを配合することによ
って、樹脂組成物のガスバリアー性が向上する理由は、
樹脂組成物中に板状フィラーが存在することによって、
この板状フィラーを迂回するようにガスの通過距離が長
くなり、その結果ガスの透過量が減少するというもので
ある。
【0021】ところが、ポリグリコール酸樹脂は典型的
な極性基含有重合体であり、この極性基の存在が水分バ
リアー性が劣る原因とも考えられるものである。一方、
板状フィラーは、その粒子構造の端縁部では電荷が飽和
されていない極性サイトが存在し、これらの極性サイト
の吸引反発により凝集構造を形成していると考えられる
ものであり、板状フィラーの上記凝集構造はポリグリコ
ール酸樹脂との相互作用により、より大きな粗いものと
なっていると信じられる。これに対して、本発明に用い
る樹脂質乃至ワックス状の分散剤は、非極性基(長鎖脂
肪族炭化水素基)あるいは非極性基と極性基との組合せ
とを有するものであり、この非極性基の存在が、板状フ
ィラーの凝集構造或いは板状フィラーとポリグリコール
酸樹脂との凝集構造の生起を解消乃至緩和して、板状フ
ィラーの分散性向上及び配向助長に役立っているものと
思われる。
【0022】[ポリグリコール酸を主体とする樹脂
(A)]本発明のプラスチック製容器におけるガスバリ
アー性層のベース樹脂としては、ポリグリコール酸を主
体とする樹脂を用いる。ポリグリコール酸は、下記式 からなる反復単位を主体とする樹脂であり、この樹脂は
式(1)のグリコレート反復単位のみからなる単独重合
体であっても、式(1)の反復単位以外の反復単位を含
む共重合体であってもよい。
【0023】共重合体を構成する前記式(1)以外の反
復単位としては、ポリグリコール酸以外の脂肪族ポリエ
ステル反復単位、例えば下記式 式中、Rは炭素数2以上のアルキリデン基、または
直鎖或いは分岐鎖のアルキレン基である、からなるヒド
ロキシアルカノエート型エステル反復単位や、下記式 式中 R及びRの各々は、アルキレン基であ
る、からなるジオール型ポリエステル反復単位が挙げら
れる。このような反復単位の例として、3−ヒドロキシ
ブチレート、3−ヒドロキシバリレート、3−ヒドロキ
シカプロエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−
ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナノエー
ト、3−ヒドロキシデカノエート、γ−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の反復
単位の1種或いは2種以上が挙げられる。
【0024】本発明に用いるポリグリコール酸樹脂にお
いて、前記式(1)の反復単位はこの樹脂当たり60重
量%以上、好ましくは65重量%以上、最も好適には7
0重量%以上の量で存在することが好ましい。ポリグリ
コール酸樹脂における式(1)の反復単位の量は、容器
のガスバリアー性や機械的物性に大きな影響をもたらす
ものであり、一方式(2)や(3)の反復単位の量は、
樹脂の融点、加工温度、結晶性、加工適性等に大きな影
響をもたらすものであり、要求される性能に応じてホモ
ポリマーや種々の共重合比の共重合体が使用される。
【0025】本発明に用いるポリグリコール酸樹脂は、
それ自体公知の任意の製造方法で製造されたものでよ
く、例えばグリコリド(1、4−ジオキサン−2、3−
ジオン)のカチオン開環重合や、グリコール酸やグリコ
ール酸アルキルエステルの重縮合で製造されたものでよ
いが、勿論本発明に用いるポリグリコール酸樹脂はこの
製法によるものに制限されない。
【0026】本発明に用いるポリグリコール酸樹脂の融
点は、190℃以上、特に200乃至260℃の範囲に
あることが、樹脂容器の耐熱性や加工性の点で好まし
い。一方、ポリグリコール酸樹脂の分子量は、メルトイ
ンデックス(260℃,2.16kg)で表して、3g
/10min以上、特に5乃至15g/10minの範
囲にあることが好ましい。
【0027】本発明において、バリアー性樹脂層のベー
ス樹脂(A)として、上記のポリグリコール酸樹脂単独
を用いることもできるし、このポリグリコール酸樹脂
と、他の熱可塑性樹脂とのブレンド物を用いることもで
きる。ポリグリコール酸にブレンドする他の熱可塑性樹
脂としては、生分解性の樹脂、特に脂肪族ポリエステル
樹脂が好ましい。脂肪族ポリエステル樹脂としては、例
えばヒドロキシアルカノエート単位を主体とする飽和ポ
リエステル樹脂、例えばポリヒドロキシブチレート(P
HB)、3−ヒドロキシブチレート(3HB)と3−ヒ
ドロキシバリレート(3HV)とのランダムコポリマ
ー、分岐型3−ヒドロキシブチレート(3HB)と3−
ヒドロキシバリレート(3HV)とのランダムコポリマ
ー、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)、ポリ乳酸
(PLLA)や、脂肪族ポリエステル、特にポリブチレ
ンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネート
・アジペート(PBAS)等が挙げられる。ベース樹脂
(A)の60重量%以上、特に65重量%以上をポリグ
リコール酸樹脂が占めることが、本発明の目的達成の点
で望ましい。
【0028】[板状フィラー]本発明に用いる板状フィ
ラーは、粒子構造が板状であって、成形時に容器器壁面
に対して板状の配向可能なものが使用される。この板状
フィラーは、5以上、特に10乃至400のアスペクト
比(面方向寸法/厚さ方向寸法の比)を有する無機フィ
ラー或いは有機フィラーであることが好ましく、その粒
子径(最大方向寸法)は一般に0.2乃至400μm、
特に0.5乃至200μmの範囲にあることが好まし
い。
【0029】このような板状フィラーとしては、一般に
フレークとして知られている有機或いは無機の充填剤や
顔料が使用され、例えば天然或いは合成の鉱物、セラミ
ックス、金属、樹脂或いはこれらの複合体が使用され
る。無機の板状フィラーとしては、天然或いは合成の雲
母(マイカ)、ガラスフレーク、セラミックフレーク、
金属フレーク等が挙げられ、一方樹脂の板状フィラーと
しては、樹脂の溶融温度で実質上溶融しない樹脂製フレ
ーク等があげられる。
【0030】これらの板状フィラーの内でも、本発明に
おいては光輝性を有する板状フィラーを用いることが包
装容器の装飾効果の点で好ましい。光輝性板状フィラー
の特に好適なものとして、微粒子被覆パール顔料を挙げ
ることができる。これらの光輝性顔料粒子は、何れも偏
平であって、成形の際、面方向に平行に配向する傾向を
有するものであり、特異な金属状光沢或いは真珠状光沢
を有する。
【0031】微粒子被覆パール顔料としては、それ自体
公知の任意の微粒子被覆パール顔料が何れも使用される
が、特に好適なものとして、雲母チタン顔料が挙げられ
る。干渉有彩色の発生を、雲母チタン顔料を例として説
明すると、この雲母チタン顔料はアスペクト比の大きい
雲母基体とこの雲母基体表面に形成された二酸化チタン
の微粒子析出層(以下単にチタン層とも呼ぶ)とから成
る。
【0032】この雲母チタン顔料に光線が入射するとチ
タン層の表面で入射して反射する光線と、チタン層と雲
母基体との界面で入射して反射する光線とが干渉し、干
渉光を生ずる。
【0033】チタン層の厚みと、光の干渉により生じる
有彩色との間には一定の関係があり、この関係は下記の
通りである。 光学的距離 幾何学的厚 1m当たり 色 (nm) さ(nm) のTiO(mg) 銀 96 35 85 薄い金 150 59 145 金 175 71 163 赤 250 95 186 紫 297 117 231 青 325 129 250 緑 358 145 275 第2オータ゛ーの金 412 161 320 第2オータ゛ーの紫 487 194 385
【0034】雲母チタン顔料は、雲母(3Al
O・6SiO・nHO )の薄片状結晶を核と
し、この核の上に酸化チタン水和物を析出させ、これを
焼成して、二酸化チタンとしたものである。表面の二酸
化チタン層は、アナターゼ型でもよいし、またルチル型
であってもよい。雲母は、劈開性を有し、厚さが1μm
以下で、アスペクト比が50以上と大きい薄片状の結晶
であることが特徴であり、この表面に屈折率の大きいチ
タン顔料の薄層を形成させることにより、その層厚に応
じて、上記のような有彩色の干渉色が得られるわけであ
る。
【0035】光輝性顔料の他の例として、金属フレーク
顔料、特にアルミフレーク顔料が挙げられる。アルミフ
レークとしては、リーフイング型のものでも、ノンリー
フイング型のものでも使用できる。リーフイング型のも
のは、ステアリン酸のような高級脂肪酸で処理されたも
のであり、表面に浮く傾向はあるがややキラキラ感に欠
ける傾向がある。一方、ノンリーフイング型のものは表
面に浮く傾向は少ないが、見る角度によってキラキラ感
が強い。また、アルミフレークに微粒子や着色物質を付
着させて、特異な色調のメタリック感を発現する、いわ
ゆる着色アルミフレークも使用できる。
【0036】光輝性フレークの更に他の例として、樹脂
製のグリッターと呼ばれるものを用いることもできる。
このグリッターの代表的なものは、ポリエチレンテレフ
タレートフイルムにアルミニウムを蒸着し、有彩色の場
合は、その上にさらに着色したものである。グリッター
の色相としては、無色のもの、green, light green,roy
al blue, sky blue, light blue, pink, red, yellow
等の各種色相のものが使用される。使用できるグリッタ
ーのサイズは、0.3mm×0.3mm以下のものが好
ましい。グリッターのサイズが上記範囲を上回ると、ポ
リグリコール酸樹脂中への分散が悪くなるので好ましく
ない。
【0037】[樹脂質乃至ワックス状の分散剤]本発明
では、ポリグリコール酸樹脂中に板状フィラーを樹脂質
乃至ワックス状の分散剤と共に分散させる。用いる樹脂
質乃至ワックス状の分散剤は、既に指摘したとおり、非
極性基或いは更に極性基を備えたものである。このよう
な樹脂質乃至ワックス状の分散剤は、上記の基を有する
ワックス類、半固体状物質或いは樹脂からなっている。
【0038】ワックス類としては、一般に天然に産出す
るワックス類、例えばモンタンワックス、カルナウバワ
ックス、綿蝋、蜜蝋、木蝋、羊毛蝋等や、鉱物系或いは
合成系のワックス類が、単独或いは2種以上の組合せで
使用される。鉱物系或いは合成系のワックスとしては、
飽和脂肪族炭化水素化合物を主体とするもので、通常分
子量が2000以下、好ましくは1000以下、更に好
ましくは800以下のパラフィン系ワックスと呼ばれる
ものである。これら脂肪族炭化水素化合物としては、具
体的にはドコサン、トリコサン、テトラコサン、トリア
コンタン等の炭素数22以上のn−アルカンあるいはこ
れらを主成分とした低級n−アルカンとの混合物、石油
から分離精製された所謂パラフィンワックス、エチレン
あるいはエチレンと他のα−オレフィンとを共重合して
得られる低分子量重合体である中・低圧ポリエチレンワ
ックス、高圧法ポリエチレンワックス、エチレン共重合
ワックスあるいは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポリ
エチレン等のポリエチレンを熱減成等により分子量を低
下させたワックス及びそれらのワックスの酸化物あるい
はマレイン酸変性等の酸化ワックス、マレイン酸変性ワ
ックス等が挙げられる。
【0039】半固体状物質としては、植物油脂、動物油
脂、鉱物油或いは合成油の少なくとも1種が挙げられ
る。油脂は、天然の動植物界に広く存在し、脂肪酸とグ
リセリンとのエステルを主成分とするものであり、例え
ばサフラワー油、大豆油、菜種油、パーム油、パーム核
油、綿実油、ヤシ油、米糠油、ゴマ油、ヒマシ油、亜麻
仁油、オリーブ油、桐油、椿油、落花生油、カポック
油、カカオ油、木蝋、ヒマワリ油、コーン油などの植物
性油脂及びイワシ油、ニシン油、イカ油、サンマ油など
の魚油、肝油、鯨油、牛脂、牛酪脂、馬油、豚脂、羊脂
などの動物性油脂の単独またはそれらを組合せが挙げら
れる。また、鉱物油としては、流動パラフィン、スピン
ドル油などが挙げられ、合成油としては、シリコーン
油、エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、ポ
リフェニルエーテル油、リン酸エステル油、ポリクロロ
トリフルオロエチレン油、フルオロエステル油、ネオペ
ンチルポリオールエステル油等が挙げられる。
【0040】半固体状物質としては、高級脂肪酸やその
石鹸を用いることもできる。高級脂肪酸としては、炭素
数10乃至22、特に14乃至18の飽和乃至不飽和脂
肪酸、例えばカプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリ
ン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデル酸、ツズ
酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が使用される。
ステアリン酸が好適なものである。脂肪酸は勿論牛脂脂
肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の混合脂肪酸で
あってもよい。また、石鹸としては、上記脂肪酸のナト
リウム石鹸、カリウム石鹸、アンモニウム石鹸、アミン
石鹸、カルシウム石鹸、マグネシウム石鹸、亜鉛石鹸等
を用いることもできる。
【0041】樹脂としては、オレフィンを構成単位とし
て含有し且つ極性基を有する単量体単位を含む共重合樹
脂が好適に使用される。このような極性基含有オレフィ
ン重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸
メチル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイ
オノマー)、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水
物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等の変性オレフ
ィン樹脂やこれらの樹脂を含有するブレンド物を挙げる
ことができる。酸変性オレフィン樹脂のベースポリマー
としては、低−、中−、高−密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレ
ン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体などが挙げられる。
【0042】[ガスバリアー性樹脂組成物]本発明に用
いるガスバリアー性樹脂組成物は、ポリグリコール酸樹
脂100重量部当たり板状フィラーを0.1乃至50重
量部、特に2乃至35重量部、樹脂質乃至ワックス状の
分散剤を0.05乃至20.0重量部、特に1乃至10
重量部含有する。
【0043】板状フィラーの含有量が上記範囲を下回る
と、板状フィラーを用いることによるガスバリアー性の
改善が不十分となり、外観性能の向上も望めなくなる。
一方板状フィラーの配合量が上記範囲を上回ると、樹脂
組成物の物性が脆くなる傾向があり、容器の耐衝撃性が
低下するので好ましくない。
【0044】また、樹脂質乃至ワックス状の分散剤の含
有量が上記範囲を下回ると、板状フィラーの分散性が低
下し、樹脂質乃至ワックス状の分散剤が上記範囲内にあ
る場合に比して、やはりガスバリアー性や外観特性が低
下する傾向がある。一方樹脂質乃至ワックス状の分散剤
が上記範囲を上回ると、樹脂組成物の機械的特性や熱的
特性が上記範囲内にある場合に比して劣る傾向があり、
容器の物性の点で好ましくない。
【0045】本発明において、ガスバリアー性樹脂組成
物を形成する順序には、特に制限はなく、前述した3成
分を同時に混合してもよく、また3成分の内2成分、例
えば板状フィラーと樹脂質乃至ワックス状の分散剤とを
予めブレンドし、このブレンド物をポリグリコール酸樹
脂と混合してもよい。また、板状フィラーと樹脂状乃至
ワックス状分散剤とをポリグリコール酸樹脂中に高濃度
で含有する樹脂組成物、すなわちマスターバッチを調製
し、このマスターバッチをポリグリコール酸樹脂中にブ
レンドすることもできる。
【0046】各成分のブレンドには、ドライブレンドや
メルトブレンドを用いることができる。例えば、ドライ
ブレンドには、ヘンシェルミキサー、ホモミキサー等を
使用することができ、またメルトブレンドには、各種ニ
ーダー、バンバリーミキサー、ロール、1軸或いは2軸
押出機などを用いることができる。
【0047】本発明に用いる樹脂組成物には、その用途
に応じて、各種着色剤、充填剤、無機系或いは有機系の
補強剤、滑剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、レベリ
ング剤、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、安定剤、抗酸化
剤、紫外線吸収剤等を、公知の処方に従って配合するこ
とができる。
【0048】また、本発明に用いる樹脂組成物において
は、上記生分解性樹脂の他に他の樹脂、特にガスバリア
ー性樹脂をブレンドして使用することもできる。例え
ば、このような他の樹脂としては熱可塑性ポリビニルア
ルコールをブレンドしたり、分岐型3−ヒドロキシブチ
レート(3HB)と3−ヒドロキシバリレート(3H
V)とのランダムコポリマー等を用いることができる。
また、このガスバリアー性樹脂は、ポリグリコール酸樹
脂100重量部当たり0.1乃至49重量部、特に0.
5乃至30重量部の量で用いることが好ましい。
【0049】本発明のプラスチック製容器は、前述した
樹脂組成物を用いる点を除けば、それ自体公知の方法で
製造が可能である。例えば、フィルム、シート或いはチ
ューブの成形は、前記樹脂組成物を押出機で溶融混練し
た後、T−ダイ、サーキュラーダイ(リングダイ)等を
通して所定の形状に押出すことにより行われ、T−ダイ
法フィルム、ブローウンフィルム等が得られる。Tダイ
フィルムはこれを二軸延伸することにより、二軸延伸フ
ィルムが形成される。また、前記樹脂組成物を射出機で
溶融混練した後、射出金型中に射出することにより、容
器や容器製造用のプリフォームを製造することができ
る。更に、前記樹脂組成物を押出機を通して、一定の溶
融樹脂塊に押し出し、これを金型で圧縮成形することに
より、容器や容器製造用のプリフォームを製造する。成
形物は、フイルム、シート、ボトル乃至チューブ形成用
パリソン乃至はパイプ、ボトル乃至チューブ成形用プリ
フォーム等の形をとり得る。
【0050】本発明のプラスチック製容器においては、
板状フィラーが樹脂質乃至ワックス状の分散剤を介して
ポリグリコール酸樹脂中に微細且つ一様に分散した分散
構造をとること、この樹脂組成物では、フィラーの板状
形状及び上記の分散構造にも関連して、溶融成形時の流
動配向や延伸時の延伸配向により板状フィラーが容器器
壁面の面方向に有効に面配向した配向構造をとることが
認められる。このため、本発明の容器では、水分等の気
体に対するガスバリアー性に顕著に優れていると共に、
光輝性のある均一な外観が得られるなど、外観特性、商
品価値の点においても顕著に優れている。
【0051】パリソン、パイプ或いはプリフォームから
のボトルの形成は、押出物を一対の割型でピンチオフ
し、その内部に流体を吹込むことにより容易に行われ
る。また、パイプ乃至はプリフォームを冷却した後、延
伸温度に加熱し、軸方向に延伸すると共に、流体圧によ
って周方向にブロー延伸することにより、延伸ブローボ
トル等が得られる。更に、また、フイルム乃至シート
を、真空成形、圧空成形、張出成形、プラグアシスト成
形等の手段に付することにより、カップ状、トレイ状等
の包装容器が得られる。
【0052】フィルム等の包装材料は、種々の形態の包
装袋として用いることができ、その製袋は、それ自体公
知の製袋法で行うことができ、三方或いは四方シールの
通常のパウチ類、ガセット付パウチ類、スタンディング
パウチ類、ピロー包装袋などが挙げられるが、この例に
限定されない。
【0053】本発明において、ポリグリコール酸樹脂組
成物は、単層の形で容器として使用できるのは勿論のこ
と、このポリグリコール酸樹脂組成物から成る少なくと
も一層と、他の樹脂からなる少なくとも一層の積層物の
形で包装容器として使用できる。
【0054】多層構成の包装材料及び包装容器の場合、
上記ポリグリコール酸樹脂組成物層と組み合わせる他の
樹脂層としては、他のポリエステル主体の樹脂、ポリオ
レフィン主体の樹脂、更には、他の生分解性樹脂、ガス
バリアー性樹脂等が挙げられる。多層プラスチック製容
器に用いる樹脂としては、従来から公知のものは全て使
用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、
ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステ
ル;ポリカーボネート類;アクリル-ブタジエン-スチレ
ン共重合体(ASB樹脂);ポリアセタール樹脂;ナイ
ロン6、ナイロン66、MXD6ナイロン、それらの共
重合ナイロン等のナイロン類;ポリメチルメタクリレー
ト等のアクリル樹脂;アイソタクティック・ポリプロピ
レン;ポリスチレン等の他、低-、中−、或いは高−密
度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−ブテン−1共重合体、スチレン−ブタジエン熱可
塑性エラストマーや、エチレン−ビニルアルコール共重
合体や環状オレフィン共重合体等のガスバリアー性樹脂
等を挙げることができる。更に、多層プラスチック製容
器に用いる生分解性樹脂としては、特にヒドロキシアル
カノエート単位を主体とする飽和ポリエステル樹脂、例
えばポリヒドロキシブチレート(PHB)、3−ヒドロ
キシブチレート(3HB)と3−ヒドロキシバリレート
(3HV)とのランダムコポリマー、炭素に各種側鎖成
分を有した3−ヒドロキシブチレート(3HB)と3−
ヒドロキシバリレート(3HV)系のランダムコポリマ
ー、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)、ポリ乳酸
(PLLA)や、脂肪族ポリエステル、特にポリブチレ
ンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネート
・アジペート(PBAS)を一種又は二種以上を組み合
わせて好適に使用することができる。更に、25重量%
以上の脂肪族二塩基性カルボン酸とそれ以外の酸成分が
芳香族二塩基性カルボン酸であるポリエステル、例えば
ポリブチレンテレフタレート/アジペートも生分解性樹
脂として用いることができる。
【0055】多層押出成形体の製造には、それ自体公知
の共押出成形法を用いることができ、例えば樹脂の種類
に応じた数の押出機を用いて、多層多重ダイを用いる以
外は上記と同様にして押し出し成形を行えばよい。ま
た、多層射出成形体の製造には、樹脂の種類に応じた数
の射出成形機を用いて、共射出法や逐次射出法により多
層射出成形体を製造することができる。更に、多層フィ
ルムや多層シートの製造には、押出コート法や、サンド
イッチラミネーションを用いることができ、また、予め
形成されたフィルムのドライラミネーションによって多
層フィルムあるいはシートを製造することもできる。
【0056】本発明の包装容器は、水分の透過による内
容物の減量を抑制し、シェルフライフを向上させる容器
として有用である。充填できる内容物としては、飲料で
はビール、ワイン、フルーツジュース、炭酸ソフトドリ
ンク等、食品では果物、ナッツ、野菜、肉製品、幼児食
品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用
油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品類等、そ
の他では医薬品、化粧品、トイレタリー製品などが挙げ
られるが、これらの例に限定されない。
【0057】
【実施例】本発明を次の例により更に説明するが、本発
明はこれらの実施例に制限されるものでない。
【0058】(材料)ガスバリアー層のベース樹脂とし
ては、ポリグリコール酸樹脂を用いた。ポリグリコール
酸に含有させる板状フィラーとしては、平均アスペクト
比が200で、平均厚みが0.6μmで、表面を二酸化
チタンで処理した光輝性雲母顔料、並びにこの光輝性雲
母顔料に常温で粘着性のオレフィンワックスを含浸させ
たフィラーを用いた。生分解性樹脂以外の積層樹脂とし
ては、ポリエチレンテレフタレートを用いた。生分解性
樹脂としては、ポリ乳酸或いはポリブチレンテレフタレ
ートアジペート樹脂を用いた。
【0059】(容器への成形)プリフォームへの成形に
は、2本の射出機とホットランナーとからなる共射出機
を用いた。ポリエチレンテレフタレートの射出成形は3
00℃までの温度範囲で行い、ポリ乳酸とポリブチレン
テレフタレートアジペート樹脂の射出成形は220℃ま
での温度範囲で行い、ポリグリコール酸樹脂組成物の射
出成形は250℃までの温度で行い、ポリエチレンテレ
フタレート/ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリエチレ
ンテレフタレート/ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリ
エチレンテレフタレートと、ポリ乳酸/ポリグリコール
酸樹脂組成物/ポリ乳酸/ポリグリコール酸樹脂組成物
/ポリ乳酸、及び、ポリブチレンテレフタレートアジペ
ート樹脂/ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリブチレン
テレフタレートアジペート樹脂/ポリグリコール酸樹脂
組成物/ポリブチレンテレフタレートアジペート樹脂の
2種5層の共射出プリフォームを製造した。次に、ブロ
ー成形機を用い、プリフォームを150℃までの温度に
再加熱後、350ml容積のボトルにブロー成形した。
【0060】(ボトル強度)試験ボトルに水道水を32
0ml充填、ポリプロピレン製キャップで密栓し、5℃条
件に24時間保存した。以後、1.2m高さから正立落下さ
せ、ボトル底部に生じる亀裂や割れを目視観察した。ボ
トル底部に亀裂や割れが生じたボトルを×とし、亀裂や
割れが観測されないボトルを○とした。
【0061】(酸素バリヤー性の評価)成形ボトルをガ
ス置換装置で脱気後、窒素ガスを充填し、更に水道水1
0mlを充填後、40℃−RH30%条件に21日間保
存し、ガスクロマトグラフィー装置にてボトル内酸素濃
度を測定し、酸素初期濃度との差から外部からボトル内
部への酸素透過量を求めた。
【0062】(生分解性の評価)成形ボトルを牛糞と腐
葉土から養生した堆肥(堆肥温度 70℃近傍に調整)
中に6ヶ月保存し、形状や残留プラスチック片がないこ
とが確認された場合、生分解性を○とした。また、堆肥
中に残留するプラスチック片が確認された場合、×とし
た。
【0063】[実施例1]生分解性樹脂以外の積層樹脂と
しては、ポリエチレンテレフタレートを用い,ガスバリ
アー層に、平均アスペクト比が200で、平均厚みが
0.6μmで、表面を酸化チタンで処理した光輝性雲母
顔料に常温で粘着性のオレフィンワックスを光輝性雲母
顔料基準で10重量%含新浸させたフィラーを、ポリグ
リコール酸にポリグリコール酸基準で10重量%メルト
ブレンドしたポリグリコール酸樹脂組成物を用いた。共
射出成形により、ポリエチレンテレフタレート/ポリグ
リコール酸樹脂組成物/ポリエチレンテレフタレート/
ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリエチレンテレフタレ
ートの2種5層の多層プリフォームを製造し、再加熱
後、ブロー成形により、胴部肉厚300μmで350m
l容器の多層ボトルを成形した。得られた結果を表1に
示す。
【0064】[比較例1]実施例1において、フィラーを
含有したポリグリコール酸樹脂組成物の代わりに、ポリ
グリコール酸樹脂単独を用いる以外は、実施例1と同様
の多層ボトルを成形した。
【0065】[実施例2]生分解性ポリエステルにポリ
乳酸を用い、ガスバリアー層に、平均アスペクト比が2
00で、平均厚みが0.6μmで、表面を二酸化チタン
で処理した光輝性雲母顔料に常温で粘着性のオレフィン
ワックスを光輝性雲母顔料基準で10重量%含浸させた
フィラーを、ポリグリコール酸にポリグリコール酸基準
で10重量%メルトブレンドしたポリグリコール酸樹脂
組成物を用いた。共射出成形により、ポリ乳酸/フィラ
ー配合ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリ乳酸/フィラ
ー配合ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリ乳酸の2種5
層の多層プリフォームを製造し、再加熱後、ブロー成形
により、胴部肉厚300μmで350ml容積の多層ボ
トルを成形した。得られた結果を表2に示す。
【0066】[比較例2]生分解性ポリエステルにポリ
乳酸を用い、ガスバリアー層にポリグリコール酸樹脂を
用いた。共射出成形により、ポリ乳酸/ポリグリコール
酸樹脂/ポリ乳酸/ポリグリコール酸樹脂/ポリ乳酸の
2種5層の多層プリフォームを製造し、再加熱後、ブロ
ー成形により、胴部肉厚300μmで350ml容積の
多層ボトルを成形した。得られた結果を表2に示す。
【0067】[比較例3]生分解性ポリエステルにポリ
乳酸を用い、ガスバリアー層に、平均アスペクト比が2
00で、平均厚みが0.6μmで、表面を二酸化チタン
で処理した光輝性雲母顔料を、ポリグリコール酸にポリ
グリコール酸基準で10重量%メルトブレンドしたポリ
グリコール酸樹脂組成物を用いた。共射出成形により、
ポリ乳酸/顔料配合ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリ
乳酸/顔料配合ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリ乳酸
の2種5層の多層プリフォームを製造し、再加熱後、ブ
ロー成形により、胴部肉厚300μmで350ml容積
の多層ボトルを成形した。得られた結果を表2に示す。
【0068】[比較例4]生分解性ポリエステルにポリ
乳酸を用い、ガスバリアー層に、平均アスペクト比が2
00で、平均厚みが0.6μmで、表面を二酸化チタン
で処理した光輝性雲母顔料に常温で粘着性のオレフィン
ワックスを光輝性雲母顔料基準で10重量%含浸させた
フィラーを、ポリグリコール酸にポリグリコール酸基準
で55重量%メルトブレンドしたポリグリコール酸樹脂
組成物を用いた。共射出成形により、ポリ乳酸/フィラ
ー配合ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリ乳酸/フィラ
ー配合ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリ乳酸の2種5
層の多層プリフォームを製造し、再加熱後、ブロー成形
により、胴部肉厚300μmで350ml容積の多層ボ
トルを成形した。得られた結果を表2に示す。
【0069】[実施例3]生分解性ポリエステルにポリ
ブチレンテレフタレートアジペートを用い、ガスバリア
ー層に、平均アスペクト比が200で、平均厚みが0.
6μmで、表面を二酸化チタンで処理した光輝性雲母顔
料に常温で粘着性のオレフィンワックスを光輝性雲母顔
料基準で10重量%含浸させたフィラーを、ポリグリコ
ール酸にポリグリコール酸基準で10重量%メルトブレ
ンドしたポリグリコール酸樹脂組成物を用いた。共射出
成形により、ポリブチレンテレフタレートアジペート/
フィラー配合ポリグリコール酸樹脂組成物/ポリブチレ
ンテレフタレートアジペート/フィラー配合ポリグリコ
ール酸樹脂組成物/ポリブチレンテレフタレートアジペ
ートの2種5層の多層プリフォームを製造し、再加熱
後、ブロー成形により、胴部肉厚300μmで350m
l容積の多層ボトルを成形した。得られた結果を表2に
示す。
【0070】[比較例5]生分解性ポリエステルにポリ
ブチレンテレフタレートアジペートを用い、ガスバリア
ー層にポリグリコール酸樹脂を用いた。共射出成形によ
り、ポリブチレンテレフタレートアジペート/ポリグリ
コール酸樹脂/ポリブチレンテレフタレートアジペート
/ポリグリコール酸樹脂/ポリブチレンテレフタレート
アジペートの2種5層の多層プリフォームを製造し、再
加熱後、ブロー成形により、胴部肉厚300μmで35
0ml容積の多層ボトルを成形した。得られた結果を表
2に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、ポリグリコール酸樹脂
に板状フィラーと樹脂質乃至ワックス状の分散剤とを含
有させることにより、樹脂への板状添加剤の分散性を顕
著に向上させることができ、この樹脂組成物の成形時に
おける板状添加剤の面方向への配向性も顕著に向上させ
ることができる。更に、第2のバリアー性樹脂層を含有
することで顕著なガスバリアー性向上が確保された。本
発明に用いる樹脂組成物は、板状フィラーを含有するに
もかかわらず、成形性に優れており、しかも成形体の機
械的強度や耐衝撃性に顕著に優れており、更に水分に対
するバリアー性を含めてガスバリアー性や外観特性を顕
著に向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 祐登 神奈川県横浜市鶴見区下野谷町1−8 東 洋製罐株式会社技術本部鶴見分室内 Fターム(参考) 3E033 AA01 BA14 BA17 BA30 BB02 BB08 CA03 CA16 CA20 FA02 FA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリグリコール酸を主体とする樹脂
    (A)に板状フィラー(B)及び樹脂質乃至ワックス状
    の分散剤(C)を配合した樹脂組成物からなる少なくと
    も1個のガスバリアー層を備えていることを特徴とする
    プラスチック製容器。
  2. 【請求項2】 前記樹脂組成物がポリグリコール酸を主
    体とする樹脂(A)基準で板状フィラー(B)を0.1
    乃至50重量%含有するものであることを特徴とする請
    求項1に記載のプラスチック製容器。
  3. 【請求項3】 前記樹脂組成物がポリグリコール酸を主
    体とする樹脂(A)基準で分散剤(C)を0.05乃至
    20.0重量%含有するものであることを特徴とする請
    求項1または2に記載のプラスチック製容器。
  4. 【請求項4】 板状フィラーが容器の壁面の面方向に沿
    って実質上平行に配向していることを特徴とする請求項
    1乃至3の何れかに記載のプラスチック製容器。
  5. 【請求項5】 ポリエステルもしくはポリオレフィンを
    主体とする少なくとも1個の樹脂層を更に備えているこ
    とを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のプラス
    チック製容器。
  6. 【請求項6】 ポリヒドロキシアルカノエートを主体と
    する少なくとも1個の生分解性樹脂層を更に備えている
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のプラ
    スチック製容器。
  7. 【請求項7】 前記ポリエステルもしくはポリオレフィ
    ンを主体とする樹脂層、もしくは前記生分解性樹脂層が
    内外層として、前記ガスバリアー性樹脂層が中間層とし
    て存在することを特徴とする請求項5または6に記載の
    プラスチック製容器。
  8. 【請求項8】 前記ガスバリアー性樹脂層がそのままの
    状態で或いは被覆保護層付の状態で最外表面層に存在す
    ることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載のプ
    ラスチック製容器。
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