JP7361456B2 - 積層体及びコーヒーカプセル、食品容器、化粧品容器 - Google Patents

積層体及びコーヒーカプセル、食品容器、化粧品容器 Download PDF

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Description

本発明は積層体に関し、更に詳しくは、生分解性であり、生産性に優れ、更にはガスバリア性の高い積層体に関する。
プラスチックは、成形性、強度、耐水性、透明性などに優れることから、包装材料として広く使用されている。かかる包装材料に用いられるプラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル系樹脂が挙げられるが、これらのプラスチックは生分解性に乏しく、使用後に自然界に投棄されると、長期間残存して景観を損ねたり、環境破壊の原因となる場合がある。
これに対し、近年、土中や水中で生分解、あるいは加水分解され、環境汚染の防止に有用である生分解性樹脂が注目され、実用化が進められている。かかる生分解性樹脂としては、脂肪族ポリエステル系樹脂や酢酸セルロース、変性でんぷんなどが知られているが、包装材料としては透明性、耐熱性、強度に優れる脂肪族ポリエステル系樹脂が好適である。
従来から生分解性の容器として脂肪族ポリエステル系樹脂の一つであるポリ乳酸の単層容器が用いられており、種々の成形方法が提案されている。例えば、結晶性のポリエステル系樹脂を主成分とする熱成形用シートを、成形時に加熱し、ポリエステル系樹脂の結晶化度を高めた後、成形物を挟持するように冷却部材を接触させて冷却し、且つ前記冷却部材が接触していない部分を空冷する成形品の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、他にもガスバリア層としてポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂という。)を設けた生分解性積層体が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
特開2017-071111号公報 特開2013-212682号公報
しかしながら、近年、ガスバリア性を要する用途にはポリ乳酸の単層容器ではガスバリア性が不十分であり、ガスバリア層を設けて積層体とすることが検討されているが、積層体とすると二次成形の際に、層と層の界面での熱の伝導がうまくいかないことがあり、改善が求められていた。
しかしながら、特許文献2に記載の積層体では、熱伝導速度が速すぎ、成形することができないものであった。そこで、ポリ乳酸単層体のように成形することができ、更にガスバリア性に優れる積層体が求められている。
本発明者らは、上記事情に鑑み、鋭意検討した結果、生分解性樹脂層(A)の少なくとも一方の面に生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)層を介してポリビニルアルコール系樹脂(C)層が積層されてなる積層体であって、
該積層体の厚みが300~2000μmであることを特徴とする積層体によって本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
本発明の積層体は、生分解性を有しており、ポリ乳酸単層体よりも昇温速度が速く、成形可能温度までの到達時間が短いため、生産効率が高く、更にはPVA系樹脂層を有するため、ガスバリア性に優れる生分解性積層体が得られる。
ポリ乳酸単層体よりも昇温速度が速く、短時間で成形可能となった理由としては、PVA系樹脂の水酸基が熱伝導を促進するからであると推測される。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の生分解性積層体は、生分解性樹脂(A)層の少なくとも一方の面に生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)層を介してポリビニルアルコール系樹脂(C)層が積層されてなる積層体であって、
該積層体の厚みが300~2000μmであることを特徴とする積層体である。
以下、生分解性積層体の各層、及びその製造方法について詳細に説明する。
〔生分解性樹脂(A)層〕
次に本発明の積層体の外層に好ましく用いられる生分解性樹脂(A)層について説明する。
かかる生分解性樹脂(A)層は、生分解性樹脂を主成分とする層であり、通常は生分解性樹脂を70重量%以上、特に80重量%以上、殊に90重量%以上、更に98重量%以上含有するものである。上限は100重量%である。
生分解性樹脂(A)としては、例えば、ポリ乳酸、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)(以下、PBATという。)、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシアルカノエート、(ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート)ブロックコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(エチレンンテレフタレート/サクシネート)、ポリ(テトラメチレンアジペート/テレフタレート)、ポリエチレンサクシネート、ポリグリコール酸等の脂肪族ポリエステル;変性でんぷん;カゼインプラスチック;セルロースなどが挙げられ、これらは1種又は2種以上混合して用いることもできる。中でも、強度の点から、ポリ乳酸やPBATが好ましい。また、他の樹脂との接着性及び強度の点から、ポリ乳酸とPBATとの混合物も好ましい。
ポリ乳酸は、乳酸構造単位を主成分とする脂肪族ポリエステル系樹脂であり、L-乳酸、D-乳酸、またはその環状2量体であるL-ラクタイド、D-ラクタイド、DL-ラクタイドを原料とする重合体である。
本発明で用いられるポリ乳酸は、これら乳酸類の単独重合体であることが好ましいが、特性を阻害しない程度の量、例えば10モル%以下であれば、乳酸類以外の共重合成分を含有するものであってもよい。
かかる共重合成分としては、例えば、グリコール酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシ吉草酸、4-ヒドロキシ吉草酸、6-ヒドロキシカプロン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸;カプロラクトンなどのラクトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール等の脂肪族ジオール類;コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸などの脂肪族二塩基酸を挙げることができる。
また、ポリ乳酸中のL-乳酸成分とD-乳酸成分の含有比率(L/D)は、通常95/5以上であり、特に99/1以上、殊に99.8/0.2のものが好ましく用いられる。かかる値が大きいものほど融点が高くなって、耐熱性が向上し、逆に小さいものほど融点が低くなり、耐熱性が不足する傾向がある。具体的には、ポリ乳酸の単独重合体の場合、L/Dが95/5であるものの融点は152℃であり、99/1であるものの融点は171℃、99.8/0.2であるものは175℃以上である。
また、本発明で用いられるポリ乳酸の重量平均分子量は、通常20000~1000000であり、特に30000~300000、殊に40000~200000のものである。かかる重量平均分子量が大きすぎると熱溶融成形時の溶融粘度が高すぎ、良好な製膜が困難になる傾向があり、逆に小さすぎると、得られた積層体の機械的強度が不充分となる傾向がある。なお、ポリ乳酸系高分子の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、測定される。
詳細には、GPC測定装置(Waters社製GPC-100)、カラム(昭和電工社製、Shodex LF-804)を用いる。測定するポリ乳酸を40℃で溶媒(例えば、クロロホルム)へ溶解させ、濃度1mg/mLのサンプル溶液を準備し、かかるサンプル溶液0.1mLを溶媒(クロロホルム)、温度40℃、1mL/分の流速でカラムに導入しする。
カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定し、ポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、作成したユニバーサル検量線に基づき、ポリ乳酸の重量平均分子量を算出する。
かかるポリ乳酸の市販品としては、例えば、NatureWorks社製「Ingeo」、三井化学社製「Lacea」、浙江海正生物材料股ふん有限公司製「REVODE」、及び東洋紡績社製「バイロエコール」などを挙げることができる。
次にPBATについて説明する。PBATは、アジピン酸とテレフタル酸と1,4-ブタンジオールを縮重合して得られるものである。
アジピン酸の含有量は、通常、10~50モル%、好ましくは15~40モル%である。
テレフタル酸の含有量は、通常、5~45モル%、好ましくは8~35モル%である。
また、1,4―ブタンジオールの含有量は、通常、5~45モル%、好ましくは10~30モル%である。
各成分の含有量が多すぎても少なすぎても、加工性、耐腐食性が低下する傾向がある。
PBATの重量平均分子量は、3000~1000000、好ましくは20000~600000、更に好ましくは50000~400000である。かかる重量平均分子量は、溶離液としてのテトラヒドロフランと、40℃に加熱したカラム(ポリスチレンゲル)を用いて、ISO16014―1規格及びISO16014-3規格に従い、ポリスチレン等価量としてサイズ排除クロマトグラフィー(GPC、ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
かかる重量平均分子量が小さすぎると製造が困難となり、大きすぎると溶融粘度が高くなり成形性が低下する傾向がある。
PBATは、アジピン酸、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール以外にも、その他の共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラヒドロフラン(ポリ-THF)などのジヒドロキシ化合物;グリコール酸、D-、L-、D,L-乳酸、6-ヒドロキシヘキサン酸、その環式誘導体、例えばグリコリド(1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)、D-、L-ジラクチド(3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)、p-ヒドロキシ安息香酸ならびにそのオリゴマーおよびポリマーなどのヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
かかるその他の共重合成分の含有量は、PBAT全体の0.1~30モル%程度である。
また、生分解性樹脂(A)としては、ポリ乳酸とPBATの混合物を用いることもできる。混合の割合としては、ポリ乳酸/PBATが、10/90~90/10、好ましくは20/80~60/40である。
また、本発明の生分解性樹脂(A)層には、生分解性樹脂(A)以外にも熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、充填剤、滑剤、結晶核剤、可塑剤などが配合されていてもよい。
〔生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)層〕
まず、本発明の生分解性積層体において、生分解性樹脂(A)層とポリビニルアルコール系樹脂(C)層の間に介在させる生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)層について説明する。
かかる生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)層は(A)層と(C)層の接着剤層として作用するものである。
本発明で用いられる生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)は、原料の生分解性ポリエステル系樹脂(b)を酸で変性させたものである。
本発明の生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)は、下記一般式(1)~(3)でいずれか1つ以上の構造単位を有することが好ましい。
Figure 0007361456000001
〔式中、lは2~6の整数である。〕
Figure 0007361456000002
〔式中、mは2~6の整数である。〕
Figure 0007361456000003
〔式中、nは2~6の整数である。〕
本発明で用いられる生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)は、上記一般式(1)~(3)いずれか1つ以上の構造単位を有することが好ましく、生分解性のされやすさの点では全てこれらの構造単位から構成されているものが望ましいが、耐熱性や強度、生分解性の制御などの目的で、他の構造単位を有していてもよい。かかる一般式(1)~(3)で表される構造単位合計量は、通常50モル%以上であり、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。
上記一般式(1)~(3)で表される構造単位をから選ばれる少なくともひとつの構造単位を有する生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)は、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジオール化合物を縮重合し、更に、酸変性することにより得られる。
かかる脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,5-ペンタンジカルボン酸、1,6-ヘキサンジカルボン酸などを挙げることができ、特には成形性と柔軟性の点からアジピン酸が好ましい。
脂肪族ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどを挙げることができ、特には成形性と柔軟性の点から1,4-ブタンジオールが好ましい。
またその他の成分として、具体的には、例えば、4-ヒドロキシ酪酸、5-ヒドロキシ吉草酸、6-ヒドロキシヘキサン酸などのヒドロキシ酸;テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に由来するもの;シュウ酸、マロン酸などのアルキレン鎖の数が2未満であるジカルボン酸に由来するもの;グリコール酸、乳酸などのアルキレン鎖の数が2未満であるヒドロキシカルボン酸に由来するもの;その他、ポリエステル系樹脂の共重合成分として公知のものを挙げることができる。
本発明の生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)の重量平均分子量は、通常5000~50000であり、好ましくは5500~40000、特に好ましくは6000~30000である。かかる重合度が大きすぎると溶融粘度が高くなり溶融成形しにくくなる傾向があり、逆に小さすぎると成形物が脆くなる傾向がある。かかる重量平均分子量は、溶離液としてのテトラヒドロフランと、40℃に加熱したカラム(ポリスチレンゲル)を用いて、ISO16014―1規格及びISO16014-3規格に従い、ポリスチレン等価量としてサイズ排除クロマトグラフィー(GPC、ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
かかる重量平均分子量が小さすぎると製造が困難となり、大きすぎると溶融粘度が高くなり成形性が低下する傾向がある。
本発明の生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)は、原料の生分解性ポリエステル系樹脂(b)にα、β-不飽和カルボン酸またはその無水物(以下、α、β-不飽和カルボン酸またはその無水物をα、β-不飽和カルボン酸類ということがある。)をグラフト重合し、酸で変性されたものである。
かかるα、β-不飽和カルボン酸類としては、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸などのα、β-不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラス酸、テトラヒドロフタル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のα,β-や不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられ、好ましくはα、β-不飽和ジカルボン酸の無水物が用いられ、中でも無水マレイン酸が好ましい。
なお、これらのα、β-不飽和カルボン酸類は、1種を単独で用いる場合に限らず、2種以上を併用してもよい。
原料の生分解性ポリエステル系樹脂(b)にα、β-不飽和カルボン酸類をグラフト重合させる方法としては、(i)原料を溶媒に溶かし溶液として、かかる溶液を混合してグラフト重合させる方法、(ii)分散剤を用いて、原料の懸濁液の状態でグラフト重合させる方法、(iii)原料を溶融状態で混合し、グラフト重合させる方法が挙げられる。中でも(iii)の方法が好ましい。
また、グラフト重合において、熱のみで反応させることも可能であるが、ラジカル開始剤を用いることが反応性を高めることで好ましい。
原料の生分解性ポリエステル系樹脂(b)の市販品としては、例えば、PBATを主成分とするBASF社製「エコフレックス」、ポリブチレンサクシネートを主成分とする三菱化学社製「GS-PLA」、などを挙げることができる。
以下、溶融法を詳細に説明する。溶融法として、原料の生分解性ポリエステル系樹脂(b)とα、β-不飽和カルボン酸類、およびラジカル開始剤を予め混合した後、混練機中で溶融混練して反応させる方法や、混練機中で溶融状態にある生分解性ポリエステル系樹脂に、α、β-不飽和カルボン酸類、およびラジカル開始剤を配合する方法等を用いることができる。
原料を予め混合する際に用いられる混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、等が用いられ、溶融混練に用いられる混練機としては、例えば、単軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダーミキサー等を使用することができる。
溶融混練時の温度設定は、原料の生分解性ポリエステル系樹脂(b)の融点以上であって、かつ、熱劣化しない温度範囲で適宜設定すればよい。好ましくは100~250℃、より好ましくは160~220℃で溶融混合される。
α、β-不飽和カルボン酸類の使用量は、原料の生分解性ポリエステル系樹脂(b)100重量部に対して、通常0.01~5重量部であり、特に0.1~2重量部、殊に0.2~1重量部の範囲が好ましく用いられる。かかる配合量が少なすぎると生分解性ポリエステル系樹脂(b)に十分な量の極性基が導入されず、層間接着性、特にPVA系樹脂層との接着力が不充分になる傾向がある。また、配合量が多すぎると、グラフト重合しなかったα、β-不飽和カルボン酸類が樹脂中に残存する場合があり、それに起因する外観不良などが生じる傾向がある。
また、得られた生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)の酸価は、通常、2.0~6.5mg・KOH/gであり、好ましくは、2.5~6.0mg・KOH/g、特に好ましくは、3.0~5.5mg・KOH/g、更に好ましくは、3.5~5.0mg・KOH/gである。
かかる酸価が高すぎると、外観不良となり、低すぎると他の樹脂との接着性が低下する傾向がある。
上記の酸価を測定する方法を以下に詳細に説明する。
まず、測定する生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)を溶剤でよく洗浄する。かかる洗浄は生分解性酸変性ポリエステル系樹脂の不純物、主に未反応のα、β-不飽和カルボン酸またはその無水物を洗い流すためである。かかる溶剤としては、生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)が溶解することがない溶剤を用いることが必要であり、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。
次に、試験瓶に、溶媒としてテトラヒドロフラン100mlをとり、ホットスターラー(設定温度75℃、スターラー回転数750rpm)で撹拌させながら生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)5gを投入する。生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)が溶解するまで、5~6時間撹拌する。溶解後、超純水4mlを添加して更に10分間撹拌を行い、試験液を作製する。かかる試験液を自動滴定装置により、水酸化カリウム水溶液(N/10)で滴定して、下記の式により酸価を求める。
Figure 0007361456000004
A=生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)に要した水酸化カリウム水溶液N/10の使用量(ml)
B=空試験に要した水酸化カリウム水溶液N/10の使用量(ml)
f=N/10水酸化カリウム水溶液の力価
S=生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(A)採取量(g)
滴定装置
滴定測定装置:京都電子工業(株) 電位差自動滴定装置AT-610
参照電極:複合ガラス電極C-171
滴定液:キシダ化学 水酸化カリウム水溶液(N/10)
ラジカル開始剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルへキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルオキシ)ヘキサン、3,5,5-トリメチルへキサノイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、m-トルオイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、過酸化カリウム、過酸化水素などの有機及び無機の過酸化物;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、アゾジ-t-ブタン等のアゾ化合物;ジクミル等の炭素ラジカル発生剤などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上のものを併用することも可能である。
ラジカル開始剤の配合量は、通常、原料の生分解性ポリエステル系樹脂(b)100重量部に対して0.01~0.7重量部であり、特に0.1~0.5重量部、殊に0.15~0.4重量部の範囲が好ましく用いられる。
かかるラジカル開始剤の配合量が少な過ぎると、グラフト重合が十分に起こらず、本発明の効果が得られない場合があり、多すぎる場合には、生分解性ポリエステル系樹脂の分解による低分子量化がおこり、凝集力不足による接着力強度不足となる傾向がある。
また、本発明の生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)層は、生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)以外の成分を含有してもよく、生分解性樹脂、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、充填剤、滑剤、結晶核剤、可塑剤などが配合されていてもよい。
〔PVA系樹脂(C)層〕
次に、本発明の積層体におけるPVA系樹脂(C)層について説明する。
かかるPVA系樹脂(C)層は、特に積層体のガスバリア性を担うもので、生分解性樹脂層(A)に対し、その少なくとも一方の面に生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)を介して積層されるものである。
本発明のPVA系樹脂(C)層はPVA系樹脂(C)を主成分とする層であり、通常はPVA系樹脂を70重量%以上、特に80重量%以上、殊に90重量%以上含有するものである。かかる含有量が少なすぎると、ガスバリア性が不充分となる傾向がある。
かかるPVA系樹脂(C)層に用いられるPVA系樹脂(C)は、ビニルエステル系単量体を共重合して得られるポリビニルエステル系樹脂をケン化して得られる、ビニルアルコール構造単位を主体とする樹脂であり、ケン化度相当のビニルアルコール構造単位とケン化されずに残ったビニルエステル構造単位から構成される。
上記ビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済的に酢酸ビニルが好ましく用いられる。
本発明で用いられるPVA系樹脂(C)の平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)は、通常、200~1800であり、特に300~1500、殊に300~1000のものが好ましく用いられる。
かかる平均重合度が小さすぎると、PVA系樹脂層の機械的強度が不充分となる傾向があり、逆に平均重合度が大きすぎると、熱溶融成形によってPVA系樹脂層を形成する場合に流動性が不足して成形性が低下する傾向があり、成形時せん断発熱が異常発生して樹脂が熱分解しやすくなる場合がある。
また、本発明で用いられるPVA系樹脂(C)のケン化度(JIS K6726に準拠して測定)は、通常、80~100モル%であり、特に90~99.9モル%、殊に98~99.9モル%のものが好適に用いられる。
かかるケン化度が低すぎると、ガスバリア性が低下する傾向がある。
また、本発明では、PVA系樹脂(C)として、ポリビニルエステル系樹脂の製造時に各種単量体を共重合させ、これをケン化して得られたものや、未変性PVAに後変性によって各種官能基を導入した各種変性PVA系樹脂を用いることができる。
ビニルエステル系モノマーとの共重合に用いられる単量体としては、例えば、エチレンやプロピレン、イソブチレン、α-オクテン、α-ドデセン、α-オクタデセン等のオレフィン類、3-ブテン-1-オール、4-ペンテン-1-オール、5-ヘキセン-1-オール、3,4-ジヒドロキシ-1-ブテン等のヒドロキシ基含有α-オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2-ジアルキル-4-ビニル-1,3-ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル、3,4-ジアセトキシ-1-ブテン、等のビニル化合物、酢酸イソプロペニル、1-メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類、塩化ビニリデン、1,4-ジアセトキシ-2-ブテン、ビニレンカーボネート、等が挙げられる。
また、後反応によって官能基が導入されたPVA系樹脂としては、ジケテンとの反応によるアセトアセチル基を有するもの、エチレンオキサイドとの反応によるポリアルキレンオキサイド基を有するもの、エポキシ化合物等との反応によるヒドロキシアルキル基が有するもの、あるいは各種官能基を有するアルデヒド化合物をPVAと反応させて得られたものなどを挙げることができる。
かかる変性PVA系樹脂中の変性種、すなわち共重合体中の各種単量体に由来する構成単位、あるいは後反応によって導入された官能基の含有量は、変性種によって特性が大きくことなるため一概には言えないが、通常、1~20モル%であり、特に2~10モル%の範囲が好ましく用いられる。
これらの各種変性PVA系樹脂の中でも、本発明においては、溶融成形可能なPVA系樹脂が好ましく、更には、側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂、アルキレンオキサイド基含有ポリビニルアルコール系樹脂及びエチレン変性PVA系樹脂等のα-オレフィン単位含有ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、特に、下記一般式(4)で示される側鎖に1,2-ジオール構造を有する構造単位を有するPVA系樹樹が溶融成形が容易になる点で好ましい。
なお、一般式(4)におけるR1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素原子または置換基を有してもよい炭素数1~4のアルキル基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または置換基を有してもよい炭素数1~4のアルキル基を示すものである。置換基とは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、スルホン酸基、エステル基が挙げられる。
Figure 0007361456000005
中でも、一般式(4)で表わされる1,2-ジオール構造単位中のR1~R3、及びR4~R6がすべて水素原子であり、Xが単結合である、下記一般式(4’)で表わされる構造単位を有するPVA系樹脂が最も好ましい。
Figure 0007361456000006
また、一般式(4)で表わされる1,2-ジオール構造単位中のXは熱安定性の点や高温下や酸性条件下での安定性の点で単結合であるものが最も好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば結合鎖であってもよく、かかる結合鎖としては、例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素(これらの炭化水素はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていても良い)の他、-O-、-(CH2O)m-、-(OCH2)m-、-(CH2O)mCH2-、-CO-、-COCO-、-CO(CH2)mCO-、-CO(C64)CO-、-S-、-CS-、-SO-、-SO2-、-NR-、-CONR-、-NRCO-、-CSNR-、-NRCS-、-NRNR-、-HPO4-、-Si(OR)2-、-OSi(OR)2-、-OSi(OR)2O-、-Ti(OR)2-、-OTi(OR)2-、-OTi(OR)2O-、-Al(OR)-、-OAl(OR)-、-OAl(OR)O-、等(Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは1~5の整数)が挙げられる。中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で炭素数6以下のアルキレン基、特にメチレン基、あるいは-CH2OCH2-が好ましい。
かかる側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂の製造法としては、特に限定されないが、例えば、特開2006-95825号公報に説明されている方法を用いることができる。
中でも、共重合反応性および工業的な取扱い性に優れるという点から、3,4-ジアシロキシ-1-ブテンとビニルエステル系化合物を共重合してケン化する方法を用いることが好ましく、特に3,4-ジアセトキシ-1-ブテンと酢酸ビニルを共重合してケン化する方法が好ましく用いられる。
かかる側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂に含まれる1,2-ジオール構造単位の含有量は、通常、1~20モル%であり、さらに2~10モル%、特に3~8モル%のものが好ましく用いられる。かかる含有量が低すぎると、側鎖1,2-ジオール構造の効果が得られにくく、逆に高すぎると、高湿度でのガスバリア性の低下が著しくなる傾向がある。
なお、PVA系樹脂中の1,2-ジオール構造単位の含有率は、PVA系樹脂を完全にケン化したものの1H-NMRスペクトル(溶媒:DMSO-d6、内部標準:テトラメチルシラン)から求めることができ、具体的には1,2-ジオール単位中の水酸基プロトン、メチンプロトン、およびメチレンプロトン、主鎖のメチレンプロトン、主鎖に連結する水酸基のプロトンなどに由来するピーク面積から算出すればよい。
また、本発明で用いられるPVA系樹脂(C)は、一種類であっても、二種類以上の混合物であってもよく、その場合は、上述の未変性PVAどうし、未変性PVAと側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂、ケン化度、重合度、変性度などが異なる側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂同士、未変性PVA、あるいは側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂と他の変性PVA系樹脂、などの組み合わせを用いることができる。
また、本発明のPVA系樹脂(C)層は、PVA系樹脂(C)以外の成分を含有してもよく、PVA系樹脂(C)以外他の生分解性樹脂、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、充填剤、滑剤、結晶核剤、可塑剤などが配合されていてもよい。
〔積層体〕
本発明の積層体は、生分解性樹脂(A)層の少なくとも一方の面に、生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)を主成分とする接着剤層を介してPVA系樹脂(C)層が積層されてなるものであり、通常3~15層、好ましくは3~7層、特に好ましくは5~7層の層構造を有する。その構成は特に限定されないが、生分解性樹脂層をa、PVA系樹脂層をc、生分解性酸変性ポリエステル層(接着剤層)をbとするとき、a/b/c、a/b/c/b/a、a/c/b/c/b/c/aなど、任意の組み合わせが可能である。なお、かかる生分解性樹脂層、PVA系樹脂層、生分解性酸変性ポリエステル層は、同一のものでもよく、異なったものであってもよい。
なお、通常は、PVA系樹脂層に吸湿によるガスバリア性能の低下を防止するため、外気、あるいは水分を含有する内容物に接触する層に脂肪族ポリエステル系樹脂層を設ける層構成であることが好ましい。
本発明の積層体の厚さは、通常300~2000μmであり、特に400~1500μm、殊に500~1000μmの範囲が好ましく用いられる。
さらに積層体を構成する各層の厚さ、複数同種の層がある場合は、それぞれ一層ごとの厚さとしては、生分解性樹脂(A)層は、通常100~1000μm、好ましくは200~800μm、特に好ましくは250~700μmである。かかる生分解性樹脂層の厚さが厚すぎると、積層体が硬くなりすぎる傾向があり、逆に薄すぎると積層体が脆くなる傾向がある。
生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)層は、通常1~200μm、好ましくは5~100μm、特に好ましくは10~50μmである。かかる接着剤層が厚すぎると、外観が不良となる場合があり、逆に薄すぎると接着力が弱くなる傾向がある。
また、PVA系樹脂(C)層は、通常5~200μm、好ましくは10~150μm、特に好ましくは15~100μmである。かかるPVA系樹脂層が厚すぎると、硬く脆くなる傾向があり、逆に薄すぎると、バリア性が低くなる傾向があり好ましくない。
積層体全体に対する生分解性樹脂(A)層の厚さ、生分解性樹脂(A)層が複数ある場合は、その厚さの合計値の比は、0.99~0.5、好ましくは0.95~0.6、特に好ましくは0.9~0.8である。かかる比が大きすぎると、PVA系樹脂層が薄くなることになり、バリア性が低くなる傾向があり、小さすぎると積層体が硬く脆くなる傾向がある。
また、生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)層の全体に対する厚さの比は、複数ある場合は、その厚さの合計値の比で、通常0.005~0.5であり、好ましくは0.01~0.1である。かかる比が大きすぎると、外観が悪くなる傾向があり、小さすぎると接着力が弱くなる傾向がある。
PVA系樹脂(C)層の全体に対する厚さの比は、0.005~0.5であり、好ましくは0.01~0.2である。かかる比が小さすぎるとバリア性が低下する傾向があり、大きすぎるとコストがかかり、経済性が低下する傾向がある。
本発明の積層体は、従来公知の成形方法によって製造することができ、具体的には溶融成形法や溶液状態からの成形法を用いることができる。例えば、溶融成形法としては、生分解性樹脂のフィルム、あるいはシートに、接着性樹脂、PVA系樹脂を順次、あるいは同時に溶融押出ラミネートする方法、逆にPVA系樹脂のフィルム・シートに、接着性樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂を順次、あるいは同時に溶融押出ラミネートする方法、または、生分解性樹脂、接着樹脂、PVA系樹脂を共押出する方法が挙げられる。
また、溶液状態からの成形法としては、生分解性樹脂のフィルム、シート等に生分解性酸変性ポリエステル系樹脂を良溶媒に溶解した溶液を溶液コートし、乾燥後、PVA系樹脂の水溶液を溶液コートする方法などを挙げることができる。
中でも、一工程で製造でき、層間接着性が優れた積層体が得られる点で溶融成形法が好ましく、特に共押出法が好ましく用いられる。そして、かかる溶融成形法を用いる場合には、PVA系樹脂として側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂を用いることが好ましい。
上記共押出法においては、例えば具体的にはインフレーション法、Tダイ法マルチマニーホールドダイ法、フィードブロック法、マルチスロットダイ法が挙げられる。ダイスを用いる場合のダイスの形状としてはTダイス、丸ダイス等を使用することができる。
溶融押出時の溶融成形温度は、樹脂により異なるが、通常190~250℃であり、好ましくは200~230℃の範囲が用いられる。
本発明の積層体は、さらに加熱延伸処理されたものであることが好ましく、かかる延伸処理により、強度の向上や、ガスバリア性の向上が期待できる。
特に、本発明の積層体において、PVA系樹脂として側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂を用いると、延伸性が良好となる。
なお、上記延伸処理等については、公知の延伸方法を採用することができる。
例えば具体的には、積層体シートの両耳を把んで拡幅する一軸延伸、二軸延伸;積層体シートを金型を用いて延伸加工する深絞成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等の金型を用いた成形法;パリソン等の予備成形された積層体を、チューブラー延伸法、延伸ブロー法等で加工する方法が挙げられる。かかる延伸法として、フィルムやシート状の成形物を目的とする場合、一軸延伸、二軸延伸法を採用することが好ましい。
また、深絞成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等の金型成形方法の場合は、積層体を、熱風オーブン、加熱ヒーター式オーブン又は両者の併用などにより均一に加熱して、チャック、プラグ、真空力、圧空力などにより延伸することが好ましい。
カップやトレイ等の、絞り比(成形品の深さ(mm)/成形品の最大直径(mm))が通常0.1~3である成形物を目的とする場合、深絞成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等の金型を用いて延伸加工する金型成形方法を採用することが好ましく、中でも、成形性の点で真空圧空成形法が好ましい。
成形品の形状としては、カップ、トレイ、シートなどが挙げられる。
本発明の積層体を金型を用いて形成する際の、成形温度としては、通常50~150℃、好ましくは60~120℃、更に好ましくは70~100℃である。かかる温度が低すぎると、延伸が十分できない可能性があり、高すぎると成形物が熱劣化する場合がある。
また、金型を用いて形成する際の昇温速度は、通常1℃/秒以上、好ましくは1.5℃/秒以上、2.0℃/秒以上である。かかる速度が遅すぎると生産効率が低下する傾向がある。
本発明の積層体は、PVA系樹脂層が生分解性であり、その他の層も生分解性樹脂を主成分としているため、生分解性に優れるものである。ここでいう生分解性とは、ポリエステル系樹脂等の非水溶性樹脂については、ISO14855 58℃ 60日以内、PVA系樹脂等の水溶性樹脂については、ISO14851に準拠するものである。
本発明の積層体は、例えば、コーヒーカプセル、シュリンクフィルムなどの食品包装材料、薬品包装材料、化粧水やファンデーションのケースなどの化粧品類の包装材料、金属部品類の包装材料、電子部品の包装材料、酸化や吸湿による特性低下を抑制すべき物品類の包装材料、匂い移り、匂い漏れが気になる物質の包装材料や、マルチシート、燻蒸用シート、育苗用トレイ、被覆用シートなどの各種農業用シートや農業用資材として有用である。
以下に、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例の記載に限定されるものではない。
尚、明細書中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
〔生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)の作製〕
原料の生分解性ポリエステル系樹脂(b)としてPBAT(BASF社製「Ecoflex C1200」)100部、無水マレイン酸0.35部、ラジカル開始剤として2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルオキシ)ヘキサン(日本油脂社製「パーヘキサ25B」)0.25部をドライブレンドした後、これを二軸押出機にて下記条件で溶融混練し、ストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーでカットし、円柱形ペレット形状の生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)を得た。また、得られた生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)の酸価は4.9mg・KOH/gであった。
二軸押出機
直径(D):15mm、
L/D:60
スクリュ回転数:200rpm
メッシュ:90/90mesh
加工温度:210℃
〔PVA系樹脂(C)の作製〕
還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル68.0部、メタノール23.8部、3,4-ジアセトキシ-1-ブテン8.2部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.3モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で、m-ジニトロベンゼンを添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液とした。
ついで、上記メタノール溶液をさらにメタノールで希釈し、濃度45%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位および3,4-ジアセトキシ-1-ブテン構造単位の合計量1モルに対して10.5ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行するとともにケン化物が析出し、粒子状となった時点で濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、目的とする側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂を作製した。
得られたPVA系樹脂のケン化度は、残存酢酸ビニルおよび3,4-ジアセトキシ-1-ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量にて分析したところ、99.2モル%であった。また、平均重合度は、JIS K 6726に準じて分析を行ったところ、450であった。また、一般式(4‘)で表される1,2-ジオール構造単位の含有量は、1H-NMR(300MHzプロトンNMR、d6-DMSO溶液、内部標準物質;テトラメチルシラン、50℃)にて測定した積分値より算出したところ、6モル%であった。
〔積層体の作製〕
生分解性樹脂(A)としてポリ乳酸(PLA)(A)(ネイチャーワークス社製「Ingeo4032D」)、上記で得られた側鎖に1,2-ジオール構造を有するPVA系樹脂(C)、生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)を用い、押出機を3台備えた3種5層多層性膜装置にて、PLA/生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)/PVA(C)/生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B2)/PLAの3種5層構造の積層体を製造した。得られた積層体の厚さは800μmであり、各層の厚さは、365μm/20μm/30μm/20μm/365μmであった。
なお、各押出機、およびロールの設定温度は下記の通りである。
設定温度
PLA(A):C1/C2/C3/C4/h1/N1=200/210/210/200/190/190℃
PVA(C):C1/C2/C3/C4/h1/N1=180/200/210/210/210/210℃
分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B):C1/C2/C3/h1/N1=200/210/210/210/210℃
ダイス:D5/D4/D3/D2/D1=190/190/190/190/190℃
ロール:50℃
〔昇温速度評価〕
上記で得られたシートを用いて、カットテスト成形機FKC-0631-20(浅野研究所製/圧空真空成型機)にてカップ成形を行った(設定したシート温度に到達するとカップに成形される。)。ヒーター温度は、250℃とし、カップに成形されるまでの時間を測定し、昇温速度を算出した。結果を表1に示す。
〔成形性評価〕
得られたカップを目視で観察して以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:白化している箇所や穴が無い
×:白化している箇所があり、穴があいている。
〔酸素透過度測定〕
得られた積層体に対して、酸素透過度測定装置(OX-TRAN2/20、米国のMOCON社製)により、23℃及び50%RHの条件で酸素の透過度を測定した。
結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、各層の厚みをPLA/生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)/PVA(C)/生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)/PLA=225μm/15μm/20μm/15μm/225μm、総厚み500μmに変更した以外は実施例1と同様に成形し、評価した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、各層の厚みをPLA/生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)/PVA(C)/生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)/PLA=90μm/6μm/8μm/6μm/90μm、総厚み200μmに変更した以外は実施例1と同様に成形し、評価した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、積層体を製造せずにポリ乳酸単層で成形し、同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007361456000007
本発明の積層体は昇温速度が速く、生産性に優れ、更には成形性に優れるものであった。一方、層の厚みが薄い比較例1は、昇温速度は速いが、成形物に穴が開き、成形性に劣るものであった。またポリ乳酸単層の比較例2は、昇温速度が遅く、更にはガスバリア性も劣るものであった。
本発明の積層体は、ガスバリア性と生分解性を有しており、さらに層間接着性に優れることから、コーヒーカプセル、食品や薬品類の各種包装材料や農業用フィルムとして有用である。

Claims (8)

  1. 生分解性樹脂(A)層の少なくとも一方の面に生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)層を介してポリビニルアルコール系樹脂(C)層が積層されてなる積層体であって、前記生分解性酸変性ポリエステル系樹脂(B)の酸価が2.0~6.5mg・KOH/gであり、該積層体の厚みが300~2000μmであることを特徴とする積層体。
  2. 生分解性樹脂(A)がポリ乳酸、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)及びポリブチレンサクシネートの少なくともひとつを含有することを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 生分解性酸変性ポリエステル(B)の原料の生分解性ポリエステル(b)が、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)及びポリヒドロキシアルカノエートの少なくともひとつを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。
  4. ポリビニルアルコール系樹脂(C)が溶融成形可能なポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項1~3いずれか記載の積層体。
  5. ポリビニルアルコール系樹脂(C)が、側鎖に一級水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂、アルキレンオキサイド基含有ポリビニルアルコール系樹脂及びα-オレフィン単位含有ポリビニルアルコール系樹脂から選ばれる一種以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする請求項1~3いずれか記載の積層体。
  6. 請求項1~4いずれか記載の積層体からなるコーヒーカプセル。
  7. 請求項1~4いずれか記載の積層体からなる食品容器。
  8. 請求項1~4いずれか記載の積層体からなる化粧品容器。
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