JP3623053B2 - 生分解性樹脂成形体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた成形性、機械的性能を有し、薬品、化粧品、食品および産業資材・機械類の包装部材、機械部品、繊維、モノフィラメントおよび衣料などとして好適に使用される生分解性に優れる樹脂組成物からの成形体およびその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、数多くのプラスチックスが包装材料、衣料、繊維、モノフィラメントおよび工業機械部品用の成形材料として各種の産業分野において利用されている。同時に、環境保護の立場から、プラスチックの再利用が叫ばれるとともに、再利用が不可能な利用分野において、微生物の働きおよび加水分解などにより速やかに分解する生分解性樹脂の利用が社会的に強く要請されてきている。
【0003】
ポリ−3−ヒドロキシ酪酸は、化学合成や微生物による発酵法により製造される。ポリ−3−ヒドロキシ酪酸は、自然界に広く分布している微生物の働きにより完全に分解される生分解性を有し、かつ、熱可塑性であることから、既存の成形法による各種用途への利用が積極的に検討されつつある。しかしながら、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸は、融点が約175℃と現在知られている生分解性樹脂の中では高い値を有しているものの、溶融状態での熱安定性が不足するため成形が困難であった。ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の酸素透過率は未延伸ポリエチレンテレフタレートと同程度の値を示し、低密度ポリエチレンと比べて、可成り低い値を示すものの、得られた成型品は硬くて脆い性質があり、特に伸び率は1〜3%と小さい。そのため従来からトリアセチンなどの可塑剤を添加することにより改質を行うことが試みられているが、添加した成型物の伸び率は2〜4%に止まり、その効果は僅かである。
【0004】
一方、ポリ乳酸は、加水分解に引続いて微生物の代謝により分解される生分解性樹脂である。ポリ乳酸の2軸延伸フィルムは、透明性が高く、2軸延伸ポリプロピレンや2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに似た機械物性を示し、包装材料など各種用途に展開が図られている。しかしながら、未延伸シート・フィルムや射出成型品は、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸と同様、硬くて脆い性質のため、得られた成型品の伸び率は小さい。特開平4−335060号公報に、D−またはDL−ラクチドやヒドロキシカルボン酸を共重合させることなどにより改質を行う方法が開示されているが、そのために弾性率が低下する。また、ポリ乳酸の酸素透過率は、ポリエチレンテレフタレートに比べて3倍程度の大きさであり、そのために、用途によって、その使用が制限される場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術に見られる前記問題を解決し、機械的性能、耐熱性および成形性に優れ、高い実用性を有する生分解性樹脂組成物から成形された成形体およびその成形加工法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸は、ともに伸び率が小さいにもかかわらず、両者を特定の条件で溶融混練し、該溶融混練物を成形したところ、以外にも、引張強度、弾性率ともに高い値を保持したまま、伸び率の大きい成型物を得ることができることを新たに見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
通常、2種類の樹脂を溶融混練した場合、その機械的な物性値は、両者の混合比から算出される幾何平均値または算術平均値に近似した値を示す。しかしながら、本発明によると、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸およびポリ乳酸は、それぞれをフィルムあるいはシートに成形した際、破断までの伸びがわずか数%であるのにも拘わらず、両者の溶融混練により得られた樹脂組成物においては、伸びは、数十%となり、混合比から算出される幾何平均値あるいは算術平均値より大幅に大きくなる。
【0008】
また、伸び率が改善されることにより、引張強度、弾性率の低下が一般的に考えられるが、本発明では、引張強度、弾性率は、ともに低下しないで算術平均値に近似した値を保持する。
すなわち、D−、DL−ラクチドやヒドロキシカルボン酸とを共重合させるなどの煩雑な手法を用いなくとも、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸とを単に溶融混練するだけで、大きな伸び率を有する生分解性樹脂から成形体を容易に得ることができる。
【0009】
さらには、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸との混合物を成形して得られたフィルムまたはシートは、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の混合比に見合った酸素透過率を示す。また、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の混合比が大きくなるになるに従い透明性は減少するが、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の混合比が20重量%程度までならば、実用上、何等支障のないような充分に高い透明性を維持させることができる
【0010】
発明の要旨は、
(1) ポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸とを溶融混練温度180〜230℃、溶融混練時間3〜25分の条件で溶融混練して得られ、かつ、該溶融混練物からTダイ・冷却法で得た厚さ150μmの未延伸フィルムの短冊型試験片を温度23℃、相対湿度50%で引張試験をした際に伸び率X(%)、引張強度Y(kgf/mm2)および弾性率Z(kgf/mm2)のそれぞれが、下記の式(1)〜式(3)を満足することができる機械的性能に優れた生分解性樹脂組成物から成形された成形体。
Figure 0003623053
[但し、ここでA(X)、A(Y)およびA(Z)はそれぞれポリ−3−ヒドロキシ酪酸の伸び率(%)、引張強度(kgf/mm2)および弾性率(kgf/mm2)を、また、B(X)、B(Y)およびB(Z)はそれぞれポリ乳酸の伸び率(%)、引張強度(kgf/mm2)および弾性率(kgf/mm2)を示す。また、cは、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の混合比(重量%)を示す。]
【0011】
) ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の混合比が5〜60重量%である生分解性樹脂組成物から成形された前記(1)記載の成形体。
) ポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸とを溶融混練温度180〜230℃、溶融混練時間3〜25分の条件で溶融混練して得られた生分解性樹脂組成物の熔融混練物を0〜90℃にて冷却し前記(1)記載の成形体を得ることを特徴とする成形加工法。
である。
【0012】
本発明におけるポリ−3−ヒドロキシ酪酸およびポリ乳酸のそれぞれの混合比とは、両者の混合物のポリ−3−ヒドロキシ酪酸おびポリ乳酸のそれぞれの含有率(重量%)を意味し、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸との混合物100重量部中のポリ−3−ヒドロキシ酪酸の重量部およびポリ乳酸の重量部のそれぞれとして表示される。
【0013】
また、本発明における成形物の代表例として、フィルム、シート、繊維、ブローボトルおよび射出成形体などを挙げることができる。
なお、式(1)〜式(3)における右辺は、それぞれ、混合比から算出される算術平均値の2.5倍の 伸び率(%)、0.9倍の引張強度(kgf/mm2)および0.9倍の弾性率(kgf/mm2)をそれぞれ示している。また、本発明における溶融混練時間とは、空のスクリュー型連続押し出し機にポリ−3−ヒドロキシ酪酸およびポリ乳酸を投入してから、溶融した樹脂が最初に吐出されるまでの時間とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において使用されるポリ−3−ヒドロキシ酪酸は、化学合成法で製造されたものでも、微生物による発酵法により製造されたものでもよい。しかしながら、化学合成法は現在のところ工業的に困難であり、発酵法、たとえば、プロトモナス エクストルクエンス(Protomonas extorquens)K(微工研菌寄第3548号)、ハイホミクロビウム メチロボラム(Hyphomicrobium methylovorum)IFO 14180、ハイホミクロビウム ホウランディカム(Hyphomicrobium hollandicum)ATCC 27498、メチロバクテリウム フジサワエンス(Methylobacterium fujisawaense)NCIB 12417、パラコッカス デニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans)ATCC 17441、アルカリゲネス ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)ATCC 17697およびシュードモナス レモニエリ(Pseudomonas lemonnieri)ATCC 17989などの細菌を用いて容易に製造することができる。これらの製造法の詳細は、たとえば、特開平7−75590号公報などに記載されている。
【0015】
この場合に、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸をこれらポリ−3−ヒドロキシ酪酸を含有する細菌から分離精製することが好ましい。これらポリ−3−ヒドロキシ酪酸を含有する細菌からポリ−3−ヒドロキシ酪酸を分離精製する方法に関しては、たとえば、アメリカ特許第3036959号明細書、同第4101533号明細書、同第3275610号明細書およびヨーロッパ特許第15123号明細書に示されているようなピリジン、塩化メチレン、1,2ープロピレンカーボネート、クロロホルム、1,2ージクロロエタンなどの溶剤による抽出や次亜塩素酸や酵素を用いてポリ−3−ヒドロキシ酪酸以外の菌体成分を可溶化し取り除く方法、また、特開平7−177894号公報に示されている高圧ホモジナイザーで菌体を破砕し、引き続いて酵素、過酸化水素処理などで精製する方法などが知られている。
【0016】
本発明における生分解性樹脂組成物に使用されるポリ−3−ヒドロキシ酪酸は、重量平均分子量で100,000以上が好ましい。ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の重量平均分子量が100,000未満の場合には、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の熱安定性が劣るため、また、100,000未満の分子量のポリ−3−ヒドロキシ酪酸を使用すると溶融混練時に溶融粘度が低くなり過ぎ、いずれの場合も、満足な成形品が得られないか、あるいは成形品の機械的性能が充分でないなどの不都合が生じる場合がある。
【0017】
また、本発明における生分解性樹脂組成物のもう一つの構成成分であるポリ乳酸は、化学合成法、あるいは発酵法により得られるL−乳酸を原料とし、たとえば、ラクチドとした後、開環重合させる方法や、L−乳酸を直接重合させる方法により製造することができる。ポリ乳酸の製造法の詳細は、特開平6−287278号公報および特開平6−65360号公報などに記載されている。
本発明で使用されるポリ乳酸は、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の場合と同様に溶融粘度などの点から、重量平均分子量で100,000以上が好ましく、さらには100,000から300,000が特に好ましい。
【0018】
本発明の成形体に使用される生分解性樹脂組成物において、無機充填剤や顔料、酸化防止剤、結晶核剤、可塑剤などの慣用の補助添加物を配合することもできる。
また、本発明における溶融混練には、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸との共重合体などの製造に使用される相溶化剤の添加は必要としない。本発明の場合は、このような相溶化剤を用いることなしに、生分解性、成形性および機械的性能が共に優れた生分解性樹脂を得ることができる。
【0019】
本発明において、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸とを溶融混練する際、熔融混練温度は180〜230℃とされる。180℃より低い温度では、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸およびポリ乳酸が充分に溶融せず、そのために充分な混練が行われない危険性がある。また、230℃より高い温度ではポリ−3−ヒドロキシ酪酸およびポリ乳酸が熱分解され、満足し得るような機械的性能が得られないおそれがある。
【0020】
溶融混練時間は、3〜25分とされる。3分より短いと両原料が充分に溶融しない危険性があり、25分より長いとポリ−3−ヒドロキシ酪酸およびポリ乳酸が熱分解され、充分な機械的性能が得られなくなる危険性がある。
【0021】
本発明における大きな伸び率の獲得は、主にポリ乳酸の結晶化速度がポリ−3−ヒドロキシ酪酸との溶融混練により低下し、結果としてポリ乳酸の結晶化度が低くなることに起因すると推測され、DSC測定によるポリ乳酸のガラス転移点が、約50〜70℃であることから、たとえば、冷却温度を100℃などとした場合、ポリ乳酸は結晶化が進む方向となり、得られる伸び率が小さくなるだけでなく、冷却に必要な時間が長くなるため生産性の面から見ても好ましくない。従って、フィルムおよびシートに成形する場合の冷却チルロール温度および射出成形品などの成形体を得る場合の金型温度などの冷却温度は、0〜90℃とする必要性があり、好ましくは0〜70℃とされる。
【0022】
本発明において溶融混練する際のポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸の具体的な混合比は、溶融混練の温度、滞留時間および混練状態などによって異なり、一概に特定し得ないが、通常は、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸5〜60重量%、すなわちポリ乳酸95〜40重量%が好ましい。ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の混合比が60重量%よりも大きくなるとポリ−3−ヒドロキシ酪酸の、また、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の混合比が5重量%未満になるとポリ乳酸の、それぞれの脆い性質が現れるため、引張強度、弾性率は算術平均値に近似した値を保持することはできるが、伸び率が小さくなる。
【0023】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例における引張特性および酸素透過率はそれぞれ次のようにして測定した。
引張特性
装置:ストログラフV1―C(東洋精機製作所社製)
試験片形状:短冊型 長さ100mm、幅10mm、チャック間隔50mm
引張速度:50mm/min.
測定条件:温度23℃、相対湿度50%
【0024】
酸素透過率
装置:OX−TRAN 10/50A(モダン コントロール社 Modern controls, Inc. 製)
測定条件:温度 23℃,相対湿度 60%
また、以下の実施例および比較例において、「PHB」および「PLA」は、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸およびラクティー(L−純度98%のポリ乳酸の商品名 株式会社島津製作所製)をそれぞれ示す。
【0025】
実施例1〜6
プロトモナス エクストルクエンス(Protomonas extorquens)K(微工研菌寄第3548号)を好気的に培養し、菌体内にPHBを蓄積させた後、高圧ホモジナイザーで菌体を破壊し、引続き蛋白質分解酵素、過酸化水素による処理で精製して高純度のPHBを得た。このPHBをスクリュー型押出機を用いてペレット化した。こうして得られたPHBペレットとPLAとを、PHB混合比が5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%および60重量%となるようにそれぞれ秤取し、両者を混合した。これを単軸押出機(株式会社東洋精機製、ラボプラストミル、スクリュー直径:20mm)を使用し、溶融混練時間5〜6分、シリンダー温度180〜190℃の条件で溶融混練を行い、Tダイ・冷却ロール法により、厚さ約150μmのフィルムを作製した。冷却チルロールは60℃に温調した。その結果、いずれの混合比においても容易にフィルムを得ることができた。
【0026】
得られたフィルムから、長さ100mm、幅10mmの短冊型試験片を切り出し、この試験片について23℃での引張試験を行い、また、酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0003623053
【0028】
比較例1
実施例1〜6で用いたPHBペレットのみを実施例1〜6と同様にして成形し、厚さ約150μmのフィルムを作製した。その結果、フィルムを容易に得ることができた。
得られたフィルムから、長さ100mm、幅10mmの短冊型試験片を切り出し、この試験片について23℃での引張試験を行い、また、酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0029】
比較例2
PLAのみを実施例1〜6と同様にして成形し、厚さ約150μmのフィルムを作製した。但し、冷却チルロール温度は28℃、60℃および90℃とした。その結果、いずれの冷却温度においても容易にフィルムを得ることができた。
冷却温度60℃のとき得られたフィルムから、長さ100mm、幅10mmの短冊型試験片を切り出し、この試験片について23℃での引張試験を行い、また、酸素透過率を測定した。これらの結果を表1に示す。なお、冷却チルロール温度を28℃および90℃のそれぞれとして得られたフィルムについても、これと同様な結果が得られた。
【0030】
比較例3
実施例1〜6で示したPHBペレットおよびPLAを用い、両者をPHB混合比が60重量%となるように秤取し、混合した。この混合物を実施例1〜6と同様に成形して、フィルムの作製を試みた。但し、溶融混練温度を250℃とした。その結果、冷却チルロールに溶融した樹脂が粘着し、フィルムを作製できなかった。
【0031】
比較例4
実施例1〜6で示したPHBペレットおよびPLAを用い、両者をPHB混合比が60重量%となるように秤取し、混合した。この混合物を実施例1〜6と同様にして成形し、厚さ約150μmのフィルムを作製した。但し、溶融混練時間2〜2.5分で容易にフィルムを得ることができた。
得られたフィルムから、長さ100mm、幅10mmの短冊型試験片を切り出し、この試験片について23℃での引張試験を行った。その結果を表1に示したが、引張強度および弾性率は、混合比より算出される算術平均値の0.9倍を越える高い値を保持したが、伸び率は、2.5倍を下回り、満足する結果を得られなかった。
【0032】
比較例5
実施例1〜6で示したPHBペレットおよびPLAを用い、両者をPHB混合比が60重量%となるように秤取し、混合した。この混合物を実施例1〜6と同様にして成形し、厚さ約150μmのフィルムを作製した。但し、混練時間を30分とした。その結果、容易にフィルムを作製することができた。
得られたフィルムから、長さ100mm、幅10mmの短冊型試験片を切り出し、この試験片について23℃での引張試験を行った。その結果を表1に示したが、伸び率は、混合比より算出される算術平均値の2.5倍を越えたが、引張強度および弾性率は、0.9倍を下回り、満足できる結果を得られなかった。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、従来のポリ−3−ヒドロキシ酪酸およびポリ乳酸の低い伸び率を改善することができ、また、機械的性能、耐熱性、および生分解性に優れたフィルム、シート、繊維、ブローボトル、射出成形体およびその他の成形物が容易に得られる。

Claims (3)

  1. ポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸とを溶融混練温度180〜230℃、溶融混練時間3〜25分の条件で溶融混練して得られ、かつ、該溶融混練物からTダイ・冷却法で得た厚さ150μmの未延伸フィルムの短冊型試験片を温度23℃、相対湿度50%で引張試験をした際に伸び率X(%)、引張強度Y(kgf/mm2)および弾性率Z(kgf/mm2)のそれぞれが、下記の式(1)〜式(3)を満足することができる機械的性能に優れた生分解性樹脂組成物から成形された成形体。
    Figure 0003623053
    [但し、ここでA(X)、A(Y)およびA(Z)はそれぞれポリ−3−ヒドロキシ酪酸の伸び率(%)、引張強度(kgf/mm2)および弾性率(kgf/mm2)を、また、B(X)、B(Y)およびB(Z)はそれぞれポリ乳酸の伸び率(%)、引張強度(kgf/mm2)および弾性率(kgf/mm2)を示す。また、cは、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の混合比(重量%)を示す。]
  2. ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の混合比が5〜60重量%である生分解性樹脂組成物から成形された請求項1記載の成形体。
  3. ポリ−3−ヒドロキシ酪酸とポリ乳酸とを溶融混練温度180〜230℃、溶融混練時間3〜25分の条件で溶融混練して得られた生分解性樹脂組成物の熔融混練物を0〜90℃にて冷却し請求項1記載の成形体を得ることを特徴とする成形加工法。
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