JP2670668B2 - 粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents

粉体塗料用樹脂組成物

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JP2670668B2 JP61127315A JP12731586A JP2670668B2 JP 2670668 B2 JP2670668 B2 JP 2670668B2 JP 61127315 A JP61127315 A JP 61127315A JP 12731586 A JP12731586 A JP 12731586A JP 2670668 B2 JP2670668 B2 JP 2670668B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる粉体塗料用樹脂組成物に
関し,さらに詳細には特定のポリエステル樹脂と特定の
重合物とブロックイソシアネートとから構成される,と
くに塗膜の物性,外観および耐候性,耐汚染性などに優
れた粉体塗料用樹脂組成物に関するものである。 〔従来技術とその問題点〕 一般に,カルボキシル基含有ポリエステル樹脂とグリ
シジル基及び/またはβ−メチルグリシジル基含有ビニ
ル系重合体樹脂とから構成される粉体塗料は,これら両
樹脂の相溶性が悪く,しかもカルボキシル基とグリシジ
ル基及び/またはβ−メチルグリシジル基との硬化反応
が速いことから加熱時に高粘度領域から急激な増粘現象
を示す。従ってかかる構成になる粉体塗料を塗布し,焼
き付けした場合,溶融流動性が不十分となり,かくして
得られる硬化塗膜は十分な物性ならびに外観を示さない
という欠点を有するものであった。 これに対して,ポリエステル樹脂にカルボキシル基以
外の特定量の水酸基を持たせ,グリシジル基及び/又は
β−メチルグリシジル基含有ビニル系重合体との相溶性
を改良するとともに,さらにブロックイソシアネートを
併用することにより加熱時の溶融粘度を低下させ,塗膜
外観の向上,および補助架橋による塗膜物性の改良が試
みられているが,高外観かつ耐汚染性,各種物性のバラ
ンスを満足することができず,家電製品へ適用するには
未だ難しい状況にある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明者らは,こうして従来技術における欠点の存在
に鑑み鋭意研究した結果,カルボキシル基および水酸基
を併せ有するポリエステル樹脂に,(β−メチル)グリ
シジル(メタ)アクリレートを必須の単量体とした特定
の分子量範囲のビニル系重合体,水酸基を含有する単量
体を必須の成分とした特定の分子量範囲のビニル系重合
体,およびブロックイソシアネートとを組み合わせて用
いた場合,水酸基含有ビニル系重合体がポリエステル樹
脂及びグリシジル基含有ビニル系重合体両者に均一に相
溶するためと考えられる効果により,これら各成分の相
溶性は勿論のこと,こうした組み合わせになる粉体塗料
から得られる硬化塗膜は,物性および耐候性に優れ,加
えて塗膜の外観,耐汚染性にも極めて優れることを見出
して,本発明を完成させるに到った。 〔発明の構成〕 (問題点を解決するための手段) 本発明を概説することにすると、本発明は、基本的に
は、必須の成分として、それぞれ、 (A) 酸価が5〜100mgKOH/g(以下、単位は省略をし
て、数字のみを記述することにする。)で、水酸基価が
5〜100mgKOH/g(同上)で、軟化点が80〜150℃で、か
つ、数平均分子量が1,000〜10,000なる範囲内のポリエ
ステル樹脂の60〜96重量部と、 (B) グリシジル(メタ)アクリレートおよび/また
はβ−メチルグリシジル(メタ)アクリレートよりなる
群から選ばれる一種以上のビニル系モノマーの10〜95重
量%と、該ビニル系モノマーと共重合性を有する其の他
のビニル系モノマーであって、しかも、水酸基含有ビニ
ル系モノマーを除くビニル系モノマーの90〜5重量%と
から得られる、数平均分子量が300〜8,000なる範囲内
の、グリシジル基および/またはβ−メチルグリシジル
基を有するビニル系重合体の3〜40重量部と、 (C) 水酸基含有ビニル系モノマーの10〜95重量%
と、該ビニル系モノマーと共重合性を有する其の他のビ
ニル系モノマーであって、しかも、グリシジル(メタ)
アクリレートおよび/またはβ−メチルグリシジル(メ
タ)アクリレートを除くビニル系モノマーの90〜5重量
%とから得られる、数平均分子量が300〜8,000なる範囲
内の、水酸基含有ビニル系重合体の3〜40重量部と、 (D) ブロックイソシアネートの1〜20重量部 とを含有することから成る、粉体塗料用樹脂組成物を提
供しようとするものである。 以下,本発明の構成について詳しく説明する。 まず,構成成分から説明する。 (i) ポリエステル樹脂(A)成分について; 前記した(A)成分としてのポリエステル樹脂は,そ
れぞれ酸価が5〜100,好ましくは10〜70で,水酸基価が
5〜100,好ましくは10〜70で,軟化点が80〜150℃,好
ましくは100〜130℃で,かつ▲▼が1,000〜10,000,
好ましくは2,000〜5,000なる範囲のものを指称するが,
かかる範囲内のものである限りにおいては分枝構造のも
のでも線状構造のものでもよい。 そして,当該ポリエステル樹脂の調整法としては,特
に制限なく周知慣用の方法がそのまま適用でき,その酸
成分にしてもアルコール成分にしても共に周知慣用の二
塩基酸および三塩基酸以上の多塩基酸成分と二価アルコ
ールおよび三価アルコール以上の多価アルコール成分が
使用できる。 したがって,酸成分およびアルコール成分としてそれ
ぞれ代表的なもののみ挙げるに止めるが,まず酸成分と
してはテレフタル酸,イソフタル酸,フタル酸,メチル
テレフタル酸,トリメリット酸,ピロメリット酸および
それらの無水物;あるいはアジビン酸,セバシン酸,コ
ハク酸,マレイン酸,フマル酸,テトラヒドロフタル
酸,メチルテトラヒドロフタル酸,ヘキサヒドロフタル
酸,メチル−ヘキサヒドロフタル酸およびそれらの無水
物などであり,他方,アルコール成分としてはエチレン
グリコール,プロピレングリコール,1,3−ブタンジオー
ル,1,4−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,ネオ
ベンチルグリコール,ビスヒドロキシエチルテレフタレ
ート,水添ビスフェノールA,水添ビスフェノールAのエ
チレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド
付加物,トリメチロールエタン,トリメチロールプロバ
ン,グリセリン,ペンタリスリトールおよび2,2.4−ト
リメチルペンタン−1,3−ジオールなどが使用できる。 また,当該ポリエステルの調製にあたっては,酸成分
との組み合わせで,次のようなエポキシ基有化合用が使
用できることは勿論である。例えば,n−ブチルグリシジ
ルエーテル,フェニルグリシジルエーテル,バーサティ
ック酸グリシジルエステル;グリシド;ビスフェノール
A型エポキシ樹脂などが代表例として挙げられる。 (ii)(β−メチル)グリシジル基含有ビニル系重合体
(B)成分について; 次に前記した(B)成分としての(β−メチル)グリ
シジル基を含有するビニル系重合体は,▲▼が300
〜8,000,好ましくは500〜6,000の範囲にあるものであ
り,グリシジルアクリレート,グリシジルメタアクリレ
ート,β−メチルグリシジルアクリレートおよびβ−メ
チルグリシジルメタアクリレートから選ばれる1種以上
の(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレートを10
〜95重量%,好ましくは15〜80重量%,およびビニル系
モノマーと共重合性を有するその他のビニル系モノマー
5〜90重量%,好ましくは20〜85重量%から得られるも
のである。グリシジル基含有ビニル系モノマーが10重量
%未満の場合,良好な塗膜物性が得られず,95重量%を
越えて用いると硬化塗膜がもろくなり良好な硬化塗膜が
得られない。 (iii) 水酸基含有ビニル系重合体(C)成分につい
て; 次に,前記した(C)成分としての水酸基を含有した
ビニル系重合体は,▲▼が300〜8,000,好ましくは5
00〜6000の範囲にあり,水酸基含有ビニル系モノマー10
〜95重量%および該ビニル系モノマーと共重合性を有す
るその他のビニル系モノマー90〜5重量%とから得られ
るものである。 水酸基含有ビニル系モノマーの代表例としてβ−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート,β−ヒドロキシプ
ロピレン(メタ)アクリレート,β−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート,4−ヒドロキシブチル(メタ)ア
クリレート,β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トにε−カプロラクトンを付加させたもの〔たとえばプ
ラクセルFM,FAシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)
やンTONETMM−100(ユニオンカーバイト社製)〕;一般
名ポリプロピレングリコールモノメタクリレートで表わ
されるブレンマーPP−1000や一般名ポリエチレングリコ
ールモノメタクリレートで表わされるブレンマーPEシリ
ーズ(両者共,日本油脂(株)製);(メタ)アクリル
酸,マレイン酸,フマル酸もしくはイタコン酸の如き不
飽和カルボン酸類と,「カージュラE」(シェル化学
(株)製,分枝状脂肪酸のグリシジルエステル),オク
チル酸グリシジルエステルもしくはヤシ油脂肪酸グリシ
ジムエステルの如き一価カルボン酸のモノグリシジルエ
ステル類またはブチルグリシジルエーテルの如きモノグ
リシジルエーテル類などで代表されるモノエポキシ化合
物との付加物;あるいは重合性不飽和結合を有する低分
子量のポリエステル系樹脂などがあげられる。当該水酸
基含有ビニル系重合体は,これら水酸基含有ビニル系モ
ノマーを10〜95重量%,好ましくは15〜80重量%および
該ビニル系モノマーと共重合可能なその他のビニル系モ
ノマー5〜90重量%,好ましくは20〜85重量%を共重合
して得られるものである。水酸基含有ビニル系モノマー
の使用量が10重量%未満の場合,前記ポリエステル樹脂
(A)成分との相溶性が悪くなり,また95重量%を越え
て用いると耐水性が悪くなる。 なお,前記した2種の重合物(B)成分と(C)成分
において,その分子量が300よりも低いと得られる塗膜
の機械的強度が不十分となり,また塗膜の焼付時に発煙
するようになるし,逆に,8,000を越えると得られる塗膜
の鮮映性ないしは平滑性が劣るのみならず,樹脂間の相
溶性も悪くなり,架橋反応が十分に進行しえなくなって
塗膜の強度も劣ることになるので,いずれの場合にも不
適当である。 また,前記した2種の重合物,即ち,ビニル系重合体
(B)成分および(C)成分の調製時に用いられる共重
合性を有するその他のビニル系モノマーとしては,(β
−メチル)グリシジル(メタ)アクリレートおよび水酸
基を有するビニル系モノマーを除いたエチル(メタ)ア
クリレート,ブチル(メタ)アクリレートで代表される
炭素数1〜22なるアルキル基を有するアルキル(メタ)
アクリレート,スチレン,ビニルトルエン。t−ブチル
スチレン,α−メチルスチレン,2−エトキシエチレン
(メタ)アクリレート,(メタ)アクリロニトリル,シ
クロヘキシル,(メタ)アクリレート,(メタ)アクリ
ル酸,マレイン酸,フマル酸,またはイタコン酸の如き
不飽和カルボン酸類,マレイン酸もしくはフマル酸とC1
〜C18のアルキル基の1価アルコール類とのジエステル
類,(メタ)アクリルアミドもしくはN−アルコキシメ
チル化(メタ)アクリルアミドの如き(メタ)アクリル
アミド類,N,Nジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリ
レート類,または燐酸基含有(メタ)アクリレート類,
酢酸ビニルやヘキサフルオロプロピレン,テトラフルオ
ロエチレン等の含フッ素ビニル系モオマー等が用いられ
る。 そしてこれらのビニル系モノマーは所望の塗膜性能に
応じて単独又は二種以上の混合物として用いることがで
きる。とくにスチレンや,(メタ)アクリル酸エステ
ル,中でもシクロヘキシルメタアクリレートおよびセロ
ソルブメタアクリレートなどは,前記ポリエステル樹脂
(A)成分との相溶性に優れているために好適なもので
ある。 本発明においては、前記したモノマー以外にも、共重
合性を有するようなものでさえあれば、いずれの化合物
をも使用することが出来るのは、勿論であるが、それぞ
れ、前述した(メチル)グリシジル基含有ビニル系重合
体(B)の調製の際には、水酸基含有ビニル系モノマー
の使用を、一切、欠如するというようにし、他方、前述
した水酸基含有ビニル系重合体(C)の調製の際には、
(メチル)グリシジル基含有ビニル系モノマーの使用
を、一切、欠如するというようにすることが必須の要件
である。 そして,前記した重合体(B)成分および(C)成分
の製造法については特に制限はなく,周知慣用の方法が
そのまま適用できる。しかしながら分子量の調製が容易
である溶液重合法が推奨され,重合後に脱溶剤すること
によって目的重合物を得ることができる。すなわちトル
エン,キシレン,酢酸エチル等の公知慣用の溶剤を用
い,アゾビスイソブチロニトリル,ベンゾイルパーオキ
サイド等の公知慣用のラジカル発生剤の存在下に重合さ
せるのが良い。分子量調節剤としてラウリルメルカプタ
ン,オクチルメルカプタン,2−メルカプトエタノール,
チオグリコール酸オクチル,3−メルカプトプロピオン酸
またはα−メチルスチレンダイマーの如き連鎖移動剤を
用いることもできる。 (iv) ブロックイソシアネート(D)成分について; (D)成分としてのブロックイソシアネートは,キシ
リレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート
またはヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族,
芳香族または脂環族イソシアネート,あるいはこれらと
活性水素化合物との付加物中に含まれる遊離イソシアネ
ート基を,メタノール,イソプロパノール,ブタノー
ル,乳酸エチルまたはε−カプロラクタムなどの如き公
知慣用のブロック化剤でブロックしたものが代表的なも
のである。かかる活性水素化合物として代表的なものに
は,エチレングリコール,ブチレングリコール,トリメ
チルロールプロパン,グリセリン,エチレンジアミンま
たはヘキサメチレンジアミンなどの如き各種低分子量物
やポリオール,ポリエーテル,ポリエステルまたはポリ
アミドなどの如き各種高分子量物が含まれる。また、ブ
ロック化剤の使用を、一切、欠如した形の、ウレトジオ
ン結合を有するノン・ブロック・イソシアネートを使用
することも出来る。 而して,本発明になる粉体塗料用樹脂組成物は前記し
たポリエステル樹脂(A)成分,(β−メチル)グリシ
ジル基含有ビニル系重合体(B)成分,水基含有ビニル
系重合体(C)成分およびブロックイソシアネート
(D)成分なるそれぞれの成分から成るものであり,こ
れら各成分の使用比率は60〜96:3〜40:3〜40:1〜20,好
ましくは60〜90:7〜30:7〜30:3〜15なる範囲が好適であ
り,各成分の持つ官能基の中でカルボキシル基に対する
エポキシ基,遊離イソシアネート基に対する水酸基の比
率をそれぞれ0.5〜1.5に保つことが望ましい このようにして得られる本発明になる粉体塗料用樹脂
組成物には,さらに必要に応じて顔料またはその他の充
填剤,2−エチルヘキシルアクリレート重合体またはシリ
コーンの如き流動調整剤を,また場合によっては,アミ
ノ類,イミダゾール類または有機錫化合物の如き各種触
媒,あるいはエポキシ樹脂または石油樹脂の如き各種樹
脂などをも配合せしめることができることはいうまでも
ないことである。 本発明になる粉体塗料用組成物は押出機などの如き公
知慣用の混練機を用いて混練され,次いで粉砕された粉
体塗料とされる。粉体塗料の塗装法としては,静電塗装
または流動浸漬塗装法などの如き公知慣用の方法がその
まま利用できる。 〔実 施 例〕 次に本発明を参考例,実施例および比較例により具体
的に説明するが,以下において部とあるのは特に断りの
ない限り,すべて重量部を意味するものとする。 参考例 1〔ポリエステル樹脂(A)成分の調製剤〕 エチレングリコールの344部,ネオペンチルグリコー
ルの1,348部,ジメチルテレフタレートの1,796部および
酢酸亜鉛の1.8部からなる混合物を仕込み,生成するメ
タノールを系外に除去しながら徐々に210℃まで昇温
し,さらにテレフタル酸の596部,イソフタル酸の740
部,アジピン酸の80部およびジブチル錫オキサイドの2
部を添加してから10時間を要して240℃まで昇温させ
た。 次いで,得られた反応物を180℃に降温して無水トリ
メリット酸136部を加え,さらに同温度で反応を続行せ
しめて酸価が24,水酸基価が14,軟化点が114℃,かつ▲
▼が4,000なるポリエステル樹脂(A)成分を得
た。以下,これを樹脂(A−1)と略記する。 参考例 2(同上) エチレングリコールの336部,ネオペンチルグリコー
ルの1,316部,ジメチルテレフタレートの1,752部および
酢酸亜鉛の1.8部からなる混合物を仕込み,生成するメ
タノールを系外に除去しながら徐々に210℃まで昇温し
たのち,1,500部のテレフタル酸および2部のジブチル錫
オキサイドを加え,10時間を要して240℃まで昇温し,さ
らに同温度で反応を続行せしめて酸価が15,水酸基価15,
軟化点117℃,かつ▲▼が3,700なるポリエステル樹
脂(A)成分を得た。以下,これを樹脂(A−2)と略
記する。 参考例 3〔ビニル系重合体(B)成分の調製剤〕 グリシジルメタクリレートの45部,n−ブチルメタクリ
レートの10部,シクロヘキシルメタクリレートの20部,n
−ブチルアクリレートの5部,スチレン20部,t−ブチル
パーベンゾエートの1部およびクメンハイドロパーオキ
サイドの0.5部からなる混合物を,加圧下で150℃に加熱
されている100部のキシレンに滴下して重合させたのち
キシレンを除去せしめ,▲▼が1,500なる目的重合
物を得た。以下,これを重合体(B−1)と略記する。 参考例 4(同上) 参考例3と同様にして,β−メチルメタクリレート40
部,n−ブチルメタクリレートの10部,エチルセロソルブ
メタクリレートの15部,メチルメタクリレートの15部,
スチレン20部のビニル系モノマーを重合させ,▲▼
が1600なる目的重合物を得た。以下,これを重合体(B
−2)と略記する。 参考例 5〔ビニル系重合体(C)成分の調製剤〕 参考例3と同様にして,β−ヒドロキシエチルメタア
クリレートの34部,n−ブチルメタクリレートの21部,エ
チルセロソルブメタクリレートの15部,n−ブチルアクリ
レートの10部,およびスチレンの20部よりなるビニル系
モノマー混合物を重合せしめて、数平均分子量が1600な
る目的重合体を得た。以下,これを重合体(C−1)と
略記する。 参考例 6〔同上〕 参考例3と同様にして、β−ヒドロキシエチルメタク
リレートの40部,n−ブチルメタクリレートの10部,エチ
ルセロソルブメタクリレートの15部,メチルメタクリレ
ートの15部およびスチレンの20部よりなるビニル系モノ
マー混合物を重合せしめて、数平均分子量が1,800なる
目的重合体を得た。以下,これを重合体(C−2)と略
記する。 参考例 7〔グリシジル基または水酸基が少量である比
較対照ビニル系重合体〕 参考例3と同様にして,グリシジルメタクリレートの
8部,n−ブチルメタクリレートの4部,エチルセロソル
ブメタクリレートの24部,メチルメタクリレートの24部
およびスチレンの40部よりなるビニル系モノマー混合物
を重合せしめて、数平均分子量が1,600なる対照重合体
を得た。以下,これを重合体(B′−1)と略記する。 参考例 8〔同上〕 参考例3と同様にして,β−ヒドロキシエチルメタク
リレートトの7部,n−ブチルメタクリレート13部,エチ
ルセロソルブメタアクリレート20部,メチルメタアクリ
レート20部,スチレン40部のビニル系モノマーを重合さ
せ,▲▼が1800なる比較対照重合体を得た。以下,
これを重合体(C′−1)と略記する。 次に、特開昭59−6267号公報に記載されている発明
と、本発明との比較検討を行なうために、それぞれの官
能基を有する対照用のアクリル樹脂を調製した。 アクリル・ポリオール同志を比較検討するというよう
な場合には、それぞれ、分子量ならびに官能基量を揃え
るようにすればよく、このようにすることによって始め
て、比較検討が可能となる。 参考例9〔比較対照用グリシジル基含有アクリル樹脂の
調製例〕 それぞれ、メチルメタクリレート:n−ブチルメタクリ
レート:グリシジルメタクリレート=44.4:30.6:25.0な
る単量体重量%比の単量体の併用とするように変更した
以外は、参考例3と同様にして、Mnが1,610なる比較対
照用グリシジル基含有アクリル樹脂を得た。以下、これ
を「アクリル樹脂X」と略記する。 参考例10〔比較対照用水酸基含有アクリル樹脂の調製
例〕 それぞれ、メチルメタクリレート:n−ブチルメタクリ
レート:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=43.9:36.
1:20.0なる単量体重量%の単量体を併用とするように変
更した以外は、参考例3と同様にして、Mnが1,620なる
比較対照用水酸基含有アクリル樹脂を得た。以下、これ
を「アクリル樹脂Y」と略記する。 参考例11〔比較対照用グリシジル基・水酸基併有アクリ
ル樹脂の調製例〕 それぞれ、メチルメタクリレート:n−ブチルメタクリ
レート:グリシジルメタクリレート:2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート=34.9:20.1:25.0:20.0なる単量体重
量%比の単量体の併用とするように変更した以外は、参
考例3と同様にして、Mnが1,590なる比較対照用グリシ
ジル基・水酸基併有アクリル樹脂を得た。以下、これを
「アクリル樹脂Z」と略記する。 実施例1〜4および比較例1〜4 第1表に示される各成分をドライブレンドし,次いで
押出機で混練し,冷却してから粉砕せしめて各粉体塗料
を得た。 しかるのち,この粉体塗料を燐酸亜鉛処理鋼板に塗布
し,次いで180℃で20分間焼付けて各硬化塗膜を得た。
かくして得られたそれぞれの塗膜について諸性能を調べ
た。 結果を第1表に示す。 第1表に示されるように,比較例のものに対して本発
明になる粉体塗料用樹脂組成物から得られた塗膜は,い
ずれも外観,機械的強度,及び耐候性などに優れている
ことがわかる。 比較例5〜7 参考例2で得られたポリエステル樹脂(A−2)と、
それぞれ、参考例9〜11で得られた、アクリル樹脂X、
YまたはZとを使用して、第2表に示すような塗料配合
で以て、つまり、本発明における、それぞれ、ポリエス
テル樹脂(A)成分と、(β−メチル)グリシジル基含
有ビニル系重合体(B)成分と、水酸基含有ビニル系重
合体(C)成分と、ブロックイソシアネート(D)との
間の配合比が、実施例1の場合と同様となるようにし
て、対照用の粉体塗料を調製した。 具体的には、実施例1〜4および比較例1〜4と同様
にして、此の対照用粉体塗料を作製し、各試験に供し
た。それぞれの結果は、まとめて、第2表に示す。 本発明に係る粉体塗料用樹脂組成物は、特開昭59−62
67号公報に記載されている発明に係る粉体塗料組成物に
比して、とりわけ、エリクセン値、耐衝撃性、折り曲げ
性、耐汚染性ならびに耐候性などの上で、格段に優れた
効果を奏しているということが、無理なく、理解され得
よう。 〔発明の効果〕 本発明のポリエステル樹脂成分,(β−メチル)グリ
シジル基含有ビニル系重合体成分,水酸基含有ビニル系
重合体成分,及びブロックイソシアネート成分かなる粉
体塗料用樹脂組成物は,外観に優れ,かつ各種物性,耐
汚染性に優れるバランスのとれた塗膜を与えることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−6267(JP,A) 特開 昭54−36339(JP,A) 特開 昭60−120764(JP,A) 特開 昭62−240369(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.(A) 酸価が5〜100mgKOH/gで、水酸基価が5〜
    100mgKOH/gで、軟化点が80〜150℃で、かつ、数平均分
    子量が1,000〜10,000なる範囲内のポリエステル樹脂の6
    0〜96重量部と、 (B) グリシジル(メタ)アクリレートおよび/また
    はβ−メチルグリシジル(メタ)アクリレートよりなる
    群から選ばれる一種以上のビニル系モノマーの10〜95重
    量%と、該ビニル系モノマーと共重合性を有する其の他
    のビニル系モノマーであって、しかも、水酸基含有ビニ
    ル系モノマーを除くビニル系モノマーの90〜5重量%と
    から得られる、数平均分子量が300〜8,000なる範囲内
    の、グリシジル基および/またはβ−メチルグリシジル
    基を有するビニル系重合体の3〜40重量部と、 (C) 水酸基含有ビニル系モノマーの10〜95重量%
    と、該ビニル系モノマーと共重合性を有する其の他のビ
    ニル系モノマーであって、しかも、グリシジル(メタ)
    アクリレートおよび/またはβ−メチルグリシジル(メ
    タ)アクリレートを除くビニル系モノマーの90〜5重量
    %とから得られる、数平均分子量が300〜8,000なる範囲
    内の、水酸基含有ビニル系重合体の3〜40重量部と、 (D) ブロックイソシアネートの1〜20重量部 とを、必須の構成成分として含有することを特徴とす
    る、粉体塗料用樹脂組成物。
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