JP2990802B2 - 一液型ベース塗料組成物及びそれを用いた塗膜形成方法 - Google Patents

一液型ベース塗料組成物及びそれを用いた塗膜形成方法

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JP2990802B2
JP2990802B2 JP2400855A JP40085590A JP2990802B2 JP 2990802 B2 JP2990802 B2 JP 2990802B2 JP 2400855 A JP2400855 A JP 2400855A JP 40085590 A JP40085590 A JP 40085590A JP 2990802 B2 JP2990802 B2 JP 2990802B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる一液
型ベース塗料組成物、並びにそれを用いた塗膜形成方法
に関する。さらに詳細には、本発明は必須の皮膜形成性
成分として、それぞれ、2−オキソ−1,3−ジオキソ
ラン−4−イル基という特定の反応性基を有するビニル
系共重合体(1)を、或いは、該ビニル系共重合体
(1)と、さらにカルボキシル基及び/又は酸無水基を
有する特定の化合物(3)とを含んでなり、かつ、ポリ
アミン系硬化剤は含有しない、とりわけ、貯蔵安定性に
優れ、耐候性並びに平滑性などの塗膜外観にも優れる、
極めて有用なる一液型ベース塗料組成物、並びにそれを
用いた塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、自動車業界を中心に、優れた仕上が
り外観に対するニーズが強い。こうしたニーズに対し
て、塗料業界並びに自動車業界においてよく知られてい
る2コート1ベークによる塗装仕上げ法が採用されてい
る。かかる手法では、まず、ベースコートが塗装され、
充分に塗膜が乾燥しない適当な時間ののちに、上塗りク
リヤーコートが塗装され、次いで、焼付けが行われる。
【0003】かかる手法における問題点としては、ベー
スコート塗装とクリヤー塗装との間のインターバルを短
くすると、クリヤーコートに含まれるシンナーによって
ベースコートが侵食されて仕上がり外観が悪くなるこ
と、そのためにインターバルを短く出来ず、生産性が悪
くなること、そして、クリヤーコート中のシンナー組成
に制限を与えることなどが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、上述した如き要望に添うべく、鋭意、検討した。つ
まり、本発明が解決しようとする課題は、貯蔵安定性に
優れる一液型ベース塗料用組成物であって、しかも、耐
候性並びに平滑性の如き塗膜外観に優れる、極めて有用
なる一液型ベース塗料組成物、並びにそれを用いた塗膜
形成方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を合わ
せて、鋭意、検討を重ねた結果、2−オキソ−1,3−
ジオキソラン−4−イル基を含有するビニル共重合体
(1)と、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル基開環触媒(2)とから成り、かつ、ポリアミン系硬
化剤は含有しない、つまり、ビニル共重合体(1)を必
須の皮膜形成性成分とする一液型ベース塗料組成物が、
或いは、上記したビニル共重合体(1)とカルボキシル
基及び/又は酸無水基含有化合物(3)とを必須の皮膜
形成成分として含み、さらに、2−オキソ−1,3−ジ
オキソラン−4−イル基開環触媒(2)をも含有して成
り、かつ、ポリアミン系硬化剤は含有しない、一液型ベ
ース塗料組成物が、貯蔵安定性に優れ、したがって、作
業性が良好なる一液型ベース塗料を与え、しかも、耐候
性並びに塗膜外観などに優れる塗膜を与えるものである
ことを見いだすに及んで、本発明を完成させるに到っ
た。
【0006】すなわち、本発明は必須の成分として、そ
れぞれ、少なくとも2個の下記一般式(I)で示される
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有す
るビニル共重合体(1)に1種以上の2−オキソ−1,
3−ジオキソラン−4−イル基の開環触媒(2)とを、
或いは、少なくとも2個の2−オキソ−1,3−ジオキ
ソラン−4−イル基を有するビニル共重合体(1)に、
少なくとも2個のカルボキシル基及び/又は酸無水基を
有する化合物(3)と、2−オキソ−1,3−ジオキソ
ラン−4−イル基の開環触媒(2)とを配合せしめて成
り、かつ、ポリアミン系硬化剤は含有しない、一液型ベ
ース塗料組成物、並びに、それを用いる塗膜形成方法を
提供しようとするものである。
【0007】さらには、少なくとも2個の2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基を含有するビニル共
重合体(1)と、2個のカルボキシル基及び/又は酸無
水基を有するポリエステル樹脂、ビニル系共重合体及び
低分子化合物より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の開環
触媒(2)とを配合せしめて成り、かつ、ポリアミン系
硬化剤は含有しない、一液型ベース塗料組成物、並び
に、それを用いる塗膜形成方法を提供しようとするもの
である。
【0008】
【化3】
【0009】(ただし、式中におけるR1、R2及びR3
は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい水素
原子又は炭素数が1〜4なるアルキル基を表わすものと
する。)ここに、おいて、本発明の必須成分である、上
記した少なくとも2個の2−オキソ−1,3−ジオキソ
ラン−4−イル基を有するビニル共重合体(1)として
は、たとえば、1個の重合性不飽和二重結合と少なくと
も1個の2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル
基を併せ有する化合物(4)と他の重合性不飽和単量体
を、常法により共重合させても得られるし、或いは、グ
リセリルカーボネートの如き2−オキソ−1,3−ジオ
キソラン−4−イル基及び水酸基を併せ有する化合物
(5)を、該水酸基と相互に反応しうる官能基を有する
ビニル系共重合体に付加せしめてもまた得られる。
【0010】上記した水酸基と相互に反応しうる官能基
として特に代表的なものを挙げるにとどめれば、イソシ
アネート基、酸無水基または酸クロライドなどがある。
就中、1個の重合性不飽和二重結合と少なくとも1個の
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を併せ
有する化合物(4)と他の重合性不飽和単量体とを、常
法により共重合させて得る方法が、簡便であるので特に
推奨するものである。
【0011】少なくとも2個の2−オキソ−1,3−ジ
オキソラン−4−イル基含有するビニル系共重合体
(1)を得るに当たって用いられる、前記した1個の重
合性不飽和二重結合及び少なくとも1個の2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基を併せ有する化合物
(4)とは、下記一般式(II);
【0012】
【化4】
【0013】(ただし、式中におけるR1、R2、R3
びR4は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよ
い水素原子又はC1〜C4なるアルキル基を表わすものと
する。)で示されるようなものである。具体的には、
2,3−カーボネートプロピル(メタ)アクリレート、
3,4−カーボネートブチル(メタ)アクリレート、
4,5−カーボネートペンチル(メタ)アクリレート、
6,7−カーボネートヘキシル(メタ)アクリレート、
2,3−カーボネートプロピルビニルエーテル又はメチ
ル−2,3−カーボネートプロピルクロトネートなどが
ある。
【0014】これらの化合物の使用量としては、1以上
50重量部以下、好ましくは、5以上35重量部以下な
る範囲内が適切である。1重量部未満では、塗膜を形成
するさいに、架橋が不十分となり、充分なる塗膜性能が
発揮されないし、一方、50重量部を超えると、堅くて
脆い塗膜になるので、いずれの場合も好ましくない。ま
た、前記した2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−
イル基(以下、シクロカーボネート基と略記する。)を
有する不飽和単量体(4)と共重合可能な他のビニル単
量体としては、特に限定されるものではないが、さらに
官能基として水酸基及び/又はカルボキシル基をも有す
るような不飽和単量体を用いるのが望ましく、こうした
形のシクロカーボネート基と水酸基及び/又はカルボキ
シル基とを併せ有する不飽和単量体との共重合によるの
が、本発明の効果を、一層、高めることが出来るので、
特に推奨される。
【0015】こうした水酸基含有不飽和単量体として特
に代表的なものを挙げるにとどめれば、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートもしくは4−ヒドロキヂブチル(メ
タ)アクリレートの如きヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート類;2−ヒドロキシエチルビニルエーテルも
しくは4−ヒドロキシブチルビニルエーテルの如きヒド
ロキシアルキルビニルエーテル類;アリルアルコールも
しくはヒドロキシエチルアリールエーテルの如きアリル
化合物;さらには、上記した単量体に対してε−カプロ
ラクトンを付加した水酸基含有不飽和単量体などを挙げ
ることができる。
【0016】こうした水酸基の導入により、カーボネー
トとの反応が起こって、架橋密度の増大化をも誘起さ
れ、ひいては、耐溶剤性並びに耐候性などが向上する処
となる。また、カルボキシル基含有不飽和単量体も用い
ることができる。かかるカルボキシル基含有不飽和単量
体を用いるときは、カルボキシル基及び/又は酸無水基
含有化合物(3)との相溶性を著しく向上させることに
なるので、特に有効である。
【0017】本発明において用いられる上記カルボキシ
ル基含有不飽和単量体として特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、フマル酸もしくはイタコン酸の如きα,β−不飽和
モノ−又はジカルボン酸類;マレイン酸ジエチル、マレ
イン酸ジブチル、フマル酸ジブチルもしくはイタコン酸
ジエチルの如きα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸
とC1〜C4なる1価アルコールとのモノエステル化合
物;又は2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの
如き水酸基含有ビニル単量体に、無水フタル酸の如き酸
無水物を付加させて得られるような不飽和単量体などで
ある。
【0018】その他の共重合可能なビニル単量体として
特に代表的なもののみを挙げるにとどめれば、C1〜C
22なるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー
ト、2−エトキシエチル(メタ)アクリレートもしくは
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、又は(メタ)ア
クリロニトリルなどの(メタ)アクリレート類;グリシ
ジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−アルコキ
シメチル化(メタ)アクリルアミド、燐酸基含有(メ
タ)アクリレート、加水分解性シリル基含有(メタ)ア
クリレートの如き反応性基含有(メタ)アクリレート
類;或いは、スチレン、tert−ブチルスチレン、α
−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き芳香族
ビニル単量体類;そして、テトラフルオロエチレンもし
くはヘキサフルオロプロピレンの如き含フッ素ビニル単
量体類などである。
【0019】かくして、少なくとも2個の2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基含有ビニル系共重合
体(1)を調製するには、溶液重合法や非水分散重合法
などの公知慣用の方法によればよいが、溶液ラジカル法
によるものが、最も簡便である。ここで用いられる溶剤
類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサ
ン、オクタン、「ソルベッソ 100」もしくは「ソル
ベッソ 150」の如き炭化水素系溶剤;酢酸メチル、
酢酸ブチル、酢酸アミル、エチルエトキシプロピオネー
トもしくはエトキシプロピオネートアセテートの如きエ
ステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、メチルアミルケトンもしくはシクロヘキサノン
の如きケトン系溶剤であり、これらは単独使用でも2種
以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0020】また、ラジカル重合開始剤として特に代表
的なもののみを挙げれにとどめば、アゾビスイソブチロ
ニトリルに代表されるアゾ及び/又はベンゾイルパーオ
キサイトに代表される過酸化物系などの開始剤である。
さらに必要応じて、分子量調整剤として、ラウリルメル
カプタン、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタ
ノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプ
ロピオン酸またはα−メチルスチレンダイマーの如き各
種の連鎖移動剤を用いることが出来る。
【0021】かくして得られるビニル共重合体(1)の
数平均分子量としては、800以上50,000以下な
る範囲内が、塗膜性能或いは塗装作業性などの面から適
切である。次に、本発明の必須成分である、前記したカ
ルボキシル基及び/又は酸無水基含有化合物(3)とし
ては、こうした特定の官能基を有するビニル系共重合
体、ポリエステル樹脂及び低分子化合物よりなる群から
選ばれる少なくとも1種を用いることが出来る。
【0022】具体的には、まず、ビニル系共重合体とし
ては、たとえば、カルボキシル基含有不飽和単量体及び
/又は酸無水基含有不飽和単量体を、前述した如き共重
合可能な他の不飽和単量体と共重合させることにより得
られるようなものでもよい。かかるカルボキシル基含有
不飽和単量体としては、前述した如きものが用いられ
る。
【0023】また、酸無水基含有不飽和単量体として特
に代表的なもののみを例示するに止めれば、無水マレイ
ン酸や無水イタコン酸などに代表される、酸無水基及び
不飽和基を併せ有する単量体などである。さらに、カル
ボキシル基含有不飽和単量体及び/又は酸無水基含有不
飽和単量体と他の共重合可能なる不飽和単量体として
は、前述したシクロカーボネート基含有不飽和単量体と
共重合可能な不飽和単量体として挙げられたものをも用
いることが出来る。
【0024】次に、カルボキシル基含有ポリエステル樹
脂としては、たとえば、酸成分を多価アルコールに対し
て過剰に反応させて得られるものとか、水酸基含有ポリ
エステル樹脂に酸無水化合物を反応させて得られるもの
ようなものなどが特に代表的なものである。該ポリエス
テル樹脂として具体的なものには、フタル酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸
又はダイマー酸などに代表される多価カルボン酸とエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール又はトリメチロールプロパンの如き多価アル
コールとを、公知慣用の方法によって縮合させて得られ
るようなものなどを挙げることが出来る。
【0025】さらには、ポリエステル樹脂中の水酸基
に、トリメリット酸などの酸無水基含有化合物を付加せ
しめることにより得られし、多価カルボン酸が過剰にな
るような条件で反応させても得られる。次に、カルボキ
シル基含有低分子化合物として特に代表的なもののみを
例示するに止めれば、アジピン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸又はダイマー酸などを挙げることが出来るが、一分
子中にカルボキシル基を2個以上含むような化合物であ
れば、特に限定されるものではない。
【0026】一方、酸無水基含有低分子化合物として特
に代表的なもののみを例示するに止めれば、トリメリッ
ト酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、無水ピロメリット酸、グリセロ
ールトリス(トリメリテート)又はエチレングリコール
ジ(トリメリテート)などが挙げられる。
【0027】次に、本発明の必須成分である、前記した
シクロカーボネート基の開環触媒(2)について説明す
ると、このシクロカーボネート基からの脱炭酸ガス反応
にとって重要な成分であるが、それらのうちでも特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、テトラメチル
アンモニウムフルオライド、トリメチルベンジルアンモ
ニウムハイドロオキサイド、2−ヒドロキシピリジン又
はトリメチルベンジルアンモニウムメトキサイドの如き
4級アンモニウム塩類;燐酸、p−トルエンスルホン酸
又はジメチル硫酸の如き酸触媒;或いは炭酸カルシウム
の如き炭酸塩などである。
【0028】そして、当該シクロカーボネート基分解触
媒の使用量としては、前述したビニル系共重合体の固形
分100重量部に対して、0.01〜5重量部なる範囲
内が適切である。かかる使用量は、120〜160℃な
る温度範囲で、20分程度焼き付けるさいに、0.01
重量部未満の場合には、どうしても、架橋反応が充分に
進行しないし、一方、5重量部を超えると、塗料の貯蔵
安定性に問題が発生するし、硬化塗膜の耐水性なども悪
くなる。
【0029】また、さらにエポキシ基開環触媒を、シク
ロカーボネート基の脱炭酸ガス反応によって生じるエポ
キシ基とカルボキシル基との反応を促進するために用い
ることもでき、かかる成分としては、エステル化反応を
促進せしめるために、通常用いられる塩基性触媒の使用
が好ましい。かかる塩基性触媒としては、前述した4級
アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩、さらには、トリ
フェニルホスフィンに代表される3級有機燐化合物など
がある。当該エポキシ基開環触媒の使用量としては、前
述のビニル系共重合体(1)の固形分 100重量部に
対して、5重量部以下となる範囲内が好ましい。
【0030】かくして得られる本発明の塗料組成物に
は、必要に応じて、レベリング剤、紫外線吸収剤などの
公知慣用の添加剤類をも配合せしめることができるし、
有機顔料、無機顔料または金属顔料をも配合せしめるこ
とができるし、さらには、本発明組成物には、公知慣用
の可塑剤を、またはポリエステル樹脂、さらには、ポリ
エチレンワックス類、セルロース類、架橋重合体微粒子
または無機系微粒子の如き流動性調整剤などをも添加配
合せしめることができる。
【0031】さらに、本発明塗料組成物は、2コート1
ベーク方式または2コート2ベーク方式で塗膜を形成す
るに当り、ベースコートとして用いることが出来る。こ
のさい、クリヤーコート用塗料組成物としては、特に限
定されるものではなく、塗膜を形成するものであれば、
どのようなものでもよい。該クリーヤーコート用組成物
として代表的なものを挙げるるにとどめれば、水酸基含
有樹脂とメラミン樹脂、水酸基含有樹脂とポリイソシア
ネート、カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有樹
脂、又は加水分解性シリル基含有樹脂などや、さらに
は、本発明のベースコート用組成物をクリヤーコート用
として用いたものや、これらを2種以上併用したものな
どである。
【0032】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例及び比較例に
より、一層、具体的に説明する。以下において、部及び
%は特に断りのないかぎり、すべて重量基準であるもの
とする。 参考例 1〔シクロカーボネート基含有ビニル系共重合
体(1)の調製例〕 温度計、冷却管、攪機及び窒素ガス導入管を備えた4つ
口フラスコに、キシレンの500部及びn−ブタノール
の300部を仕込んで、120℃まで昇温したところ
へ、2,3−カーボネートプロピルメタクリレートの3
00部、メチルメタクリレートの200部、スチレンの
200部及びn−ブチルメタクリレートの300部から
なる混合物と、キシレンの200部、アゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)の10部及びtert−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエートの10部の混合
物とを、同温度で5時間かけて滴下し、滴下終了後も、
同温度に7時間保持し反応させ、不揮発分が50.7%
で、かつ、25℃におけるガードナー粘度(以下、粘度
と略記する。)がS−Tなる樹脂溶液を得た。以下、こ
れを樹脂(A−1)と略記する。 参考例 2(同上) 単量体混合物として、2,3−カーボネートブチルアク
リレートの250部、スチレンの150部、イソブチル
メタアクリレートの350部、2−エチルヘキシルメタ
クリレートの150部、2,3−カーボネートプロピル
アクリレートの50部及びメタクリル酸の50部よりな
る混合物を用いるように変更した以外は、参考例1と同
様にして、不揮発分が50.6%で、かつ、粘度がZな
る樹脂を得た。以下、これを樹脂(A−2)と略記す
る。 参考例 3〔カルボキシル基含有アクリル樹脂(3)の
調製例〕 単量体混合物として、アクリル酸の300部、スチレン
の300部及びn−ブチルメタクリレートの400部を
用い、開始剤としては、AIBNの15部、tert−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの70部
を用いるように変更した以外は、参考例1と同様にし
て、不揮発分50.2%で、かつ、粘度がOなる樹脂を
得た。以下、これを樹脂(B−1)と略記する。 参考例 4〔カルボキシル基含有ポリエステル樹脂の調
製例〕 「プラクセル 308」〔ダイヤル化学(株)製のカプ
ロタクトン重合ポリオール〕の500部に、無水フタル
酸の87部と、キシレンの100部及び酢酸ブチルの5
0部とを仕込んだのち、120℃にて2時間の反応を行
って、不揮発分が80%で、かつ、粘度がQなる樹脂溶
液を得た。以下、これを樹脂(B−2)と略記する。 実施例 1〜5及び比較例1〜3 参考例1〜4で得られた樹脂を用い、第1表に示される
ような配合組成比に従って、本発明の塗料組成物を得
た。さらに、本発明の塗料組成物をベースコートとして
用いる2コート1ベーク仕上げ、或いは、2コート2ベ
ーク仕上げにより得られた塗膜の性能の評価を行った。
それらの結果を同表に示した。
【0033】
【表1】
【0034】なお、同表の脚注は、次の通りである。使
用した顔料の種類は、次の通りであります。 7160NS:〔東洋アルミニウム(株)社製のアルミ
フレーク〕 MA−100:〔三菱化成(株)社のカーボンブラッ
ク〕 CR−93:〔石原産業(株)社製の酸化チタン;「タ
イペークCR−9−93」〕 NS:〔同上社製の「ファーストゲン・ブルー(Fas
tgen Blue) NK〕 Y:〔同上社製の「ファーストゲン・ブルー(Fast
gen Red)Y」) そして、比較例3で用いたアクリル樹脂/メラミン樹脂
からなる塗料は、「アクリディ ック 47−712」
〔大日本インキ化学工業(株)世の水酸基含有アクリル
樹脂〕と、「スーパーベッカミン L−117−60」
(同上製のブチルエーテル化メラミン樹脂)とを、7
0:30(固形分重量比)なる割合で配合せしめたもの
からなる。
【0035】また、クリヤー塗料Aは、「アクリディッ
ク 44−179」(同上製の水酸基含有アクリル樹
脂)と、「スーパーベッカミン L−117−60」
(同上社製のブチルエーテル化メラミン樹脂)とを、7
0:30(固形分重量比)なる割合で配合せしめたもの
からなるものである。さらに、クリヤー塗料Bは、「ア
クリディック BU−955」(同上社製の水酸基含有
アクリル樹脂)と、「バーノック DN−950」〔大
日本インキ化学(株)製ポリイソシアネート樹脂〕と
を、OH/NCO=1/1なる当量比で配合せしめたも
のからなるものである。
【0036】そして、実施例4のみは、2コート2ベー
ク仕上げにより、それ以外のものは、いずれも、2コー
ト1ベーク仕上げにより、塗膜を形成せしめた。焼付け
条件は、いずれの例も、140℃で20分間とした。
【0037】
【発明の効果】本発明の塗料組成物、並びにそれを用い
た塗装仕上げ方法は、それぞれ、塗料組成物は一液型塗
料として、貯蔵安定性に優れ、したがって、作業性が良
好であることは勿論、本発明の塗装仕上げ方法により得
られた塗膜は、耐候性並びに塗膜外観、とりわけ、平滑
性などにも優れるものである。
【0038】したがって、本発明の塗料組成物、並びに
それを用いた塗装仕上げ方法は、自動車塗装の新機軸を
拓くものであると言えよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−273574(JP,A) 特開 平2−53880(JP,A) 特開 平4−161465(JP,A) 特開 平4−146981(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 145/00 C09D 127/12 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2個の下記一般式(I)で示
    される2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基
    を有するビニル共重合体(1)と、1種以上の2−オキ
    ソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の開環触媒
    (2)とを含有し、ポリアミン系硬化剤は含有しないこ
    とを特徴とする、一液型ベース塗料組成物。 【化1】 (ただし、式中におけるR1、R2及びR3 は、それぞ
    れ、同一であっても異なっていてもよい水素原子又は炭
    素数が1〜4なるアルキル基を表わすものとする。)
  2. 【請求項2】 少なくとも2個の下記一般式(I)で示
    される2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基
    を有するビニル共重合体(1)と、少なくとも2個のカ
    ルボキシル基及び/又は酸無水基を有する化合物(3)
    と、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の
    開環触媒(2)とを含有し、ポリアミン系硬化剤を含有
    しないことを特徴とする、一液型ベース塗料組成物。 【化2】 (ただし、式中におけるR1、R2及びR3 は、それぞ
    れ、同一であっても異なっていてもよい水素原子又は炭
    素数が1〜4なるアルキル基を表わすものとする。)
  3. 【請求項3】 前記した少なくとも2個の2−オキソ−
    1,3−ジオキソラン−4−イル基を有するビニル共重
    合体(1)が、アクリル系共重合体である、請求項1ま
    たは2に記載の一液型ベース塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記した少なくとも2個の2−オキソ−
    1,3−ジオキソラン−4−イル基を有するビニル系共
    重合体(1)が、一分子中に1個の重合性不飽和二重結
    合と少なくとも1個の2−オキソ−1,3−ジオキソラ
    ン−4−イル基を併せ有する化合物と含フッ素ビニル単
    量体類とを共重合させて得られるビニル系共重合体であ
    る、請求項1または2に記載の一液型ベース塗料組成
    物。
  5. 【請求項5】 2コート1ベーク方式又は2コート2ベ
    ーク方式で塗膜を形成するに当り、ベースコートとし
    て、請求項1、2、3又は4記載の一液型ベース塗料組
    成物を用いることを特徴とする、塗膜形成方法。
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