JP2666800B2 - 酵母の発現ベクター - Google Patents
酵母の発現ベクターInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、分子生物学の分野に関し、より詳しくは酵
母中の遺伝子物質の種々のレベルにおける発現のために
好適なプラスミド・ベクターに関する。 近年、酵母中の複製ベクターとして使用することがで
きるプラスミドが開発されるようになつてきた(Struhl
ほか(1979)PNAS76 1035とKingsmanほか(1979)Gene7
141)。 酵母の複製ベクターは、酵母の宿主有機体の中で自己
複製することができ、そのため酵母に外来DNAを導入す
るのに好適である。 ベクターは、またより高度の分析のために、酵母DNA
の構成部分を単離するために使用されている。このよう
な公知の系は、酵母の宿主有機体内で確実に複製するこ
とができるが、それら自体が挿入されたDNAをかなりの
程度まで発現することができるというわけではない。 組み換えDNA技術の利用による有用で興味深いポリペ
プチドの生産は、従来主として宿主−ベクター系として
の大腸菌によりなされてきた(Martialほか(1979)Sci
ence205 605とNagataほか(1980)Nature284 316)。一
般的にはこれらの発現系は、大腸菌のプロモータ配列、
リボソーム結合部位(シヤイン−デルガーノ(Shine−D
elgarno)配列)それにしばしば“外来”コード配列が
結合される大腸菌のコード配列の最初の数コードンを含
むプラスミド・ベクターに依存している(HallewellとE
mtage(1980)Gene9 27)。極く最近、大腸菌のアミノ
酸配列の付着していない“外来”タンパク質を合成する
ことができる方法が開発されたが、このような理由によ
り多くの場合、融合タンパク質が合成されている(Guar
enteほか(1980)Cell20 543)。 場合により、大腸菌はホスト−ベクター系としては適
当でないこともある。例えば、大腸菌は、有用な薬剤と
なりうるものからは取り除かなければならない多くの有
毒な発熱性因子を持つているのである。勿論、精製され
なければならない度合は、製品によつて異る。また、大
腸菌中のタンパク質分解作用により、有用な製品の生産
量が大幅に減少させられることもある(例えばItakura
ほか(1977)Science198 1056)。真核生物の産物の生
産が興味深いということもあり、これらや他の理由によ
り代替となる宿主−ベクター系、特に真核生物系の使用
への関心が高まつてきた。真核生物の中で、利用するの
に好適であり、恐らく最も扱い易いものは酵母のサツカ
ロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
である。酵母は、安価且つ大量増殖が容易であり、しか
も高度に発達した遺伝系統を持つている。 本発明の目的は、挿入されたポリペプチドのコード配
列を発現させることができる酵母のベクター系を提供す
ることである。 本発明に従つて、我々は酵母の選択マーカ、酵母の複
製源、それに制限部位に挿入されたポリペプチドのコー
ド配列から発現されるように唯一の制限部位に関連して
位置している酵母のプロモータからなる酵母の発現ベク
ターを提供するものである。好ましくは、発現ベクター
は微生物プラスミドの少くとも一部分を含むほうがよ
い。このことにより、酵母の発現ベクターを微生物の宿
主系(例えば大腸菌)で操作することが可能となる。 我々は、2種類の酵母の複製源と当該技術分野では酵
母の複製ベクター構造として知られている選択マーカを
使用した。最初のものは、自然酵母のプラスミド2μ
(2ミクロン)の複製領域に基づいている。このプラス
ミドは不可解なところがあり、容易に検出できる表現型
を持つていなくて、細胞あたり約100のコピー数が存在
している。特別の実験では、2μプラスミド誘導物PJDB
219(Beggs(1978)Nature275 104)からの3.25kb断片
を使用した。当該断片は、次のような2個のEcoRI断片
(2.5kbと0.75kb)から成つている。 LEU2選択マーカは、内部のEcoRI部位を取り巻いてお
り、この部位における開裂により分断され得る。2μ配
列については詳細に説明されており(HartleyとDonelso
n(1980)Nature286 560)、またLEU2領域についても今
まで研究対象となつている(Dobsonほか(1981)Gene16
133)。上に示した3.25kb EcoRI断片は、本発明の発現
ベクターで選択−複製の基本単位として使用した。この
断片を含む本発明の発現ベクターは、細胞あたり約50〜
100プラスミドのコピー数を有する酵母中に安定に保存
しておくことができる。 2番目の種類の酵母の複製源とマーカ配列は、酵母の
染色体DNAから得られた自己複製配列(ARS)に依存して
いる。これらの配列の中の最も特徴的なものは、酵母の
TRP1遺伝子とARS(ARS1)の両方を含んでいる1.45kbp E
coRI断片である(Kingsmanほか(1979)Gene7 141とStr
uhlほかP.N.A.S.76 1035)。この断片をpBR322(微生物
ベクター)に挿入すると、YRp7として知られているプラ
スミドができ、これは大腸菌と酵母の宿主系の両方で複
製可能である。ARSに基づいたプラスミドは非常に不安
定であり、選択がない場合には殆んど全て失なわれ、選
択がある場合には50%位しか保たれず、2番目の配列を
除いて、ARS安定化配列(即ちASS)は、ARS配列に共有
結合的につながつている。現在のところASSは、動原体
のDNA配列であると思われる(L.ClarkeとJ.Carbon(198
0)Nature287 504)。有用な断片は、ASSを持つた627 S
au3a断片を含むように修飾された次のような1.45kb TRP
1:ARS EcoRI断片である。 直ぐ上に示したEcoRI断片は、本発明の発現ベクター
で選択−複製の基本単位として使用した。この断片を含
む本発明の発現ベクターは、細胞あたり約1プラスミド
のコピー数を持つた酵母中に安定して保つておくことが
できる。それらは、有糸分裂と減数分裂で所定の様式に
より分離する。 本発明に従つて、更に、酵母のプロモータが酵母の解
糖系酵素のコードとなる遺伝子の5′領域の少くとも一
部分からなる酵母の発現ベクターを提供する。酵母の解
糖系酵素は、例えばホスホグルコース・イソメラーゼ、
ホスホフラクトキナーゼ、アルドラーゼ、トリオースリ
ン酸イソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、ホ
スホグリセリン酸キナーゼである。 特に好適なものは、酵母のプロモータが酵母のホスホ
グリセリン酸キナーゼ(PGK)遺伝子の5′領域の少く
とも一部分から成つている酵母の発現ベクターである。
酵母の解糖系酵素の5′領域の少くとも一部分を含む酵
母の発現ベクターは、このようなベクターで形質転換さ
れた酵母の栄養培地中の発酵性炭素源の濃度を変えるこ
とにより発現を調節することができる。好ましい発酵性
炭素源はグルコースである。本発明の更により好適な態
様では、PGK遺伝子の5′領域の少くとも一部分が唯一
の制限部位の上流に位置しており、またPGK遺伝子の
3′領域の少くとも一部分が唯一の制限部位の下流に位
置している酵母の発現ベクターを提供する。この“上
流”と“下流”という用語は、転写と翻訳の方向に関連
したものである。 本発明の他の実施例では、酵母のプロモータがTRP1遺
伝子の5′領域の少くとも一部分から成つている酵母の
発現ベクターを提供する。 本発明の発現ベクターには、酵母の複製源と酵母の選
択マーカを含む。好ましい実施例では、これらは酵母の
プラスミド2μ複製源の少くとも一部分とLEU2酵母の選
択マーカの少くとも一部分を含む断片から成つていても
よい。他の好適な実施例では、これらは自己複製配列
(ARS)の少くとも一部分と自己複製配列安定化配列(A
SS)の少くとも一部分を含む断片から成つていてもよ
い。 本発明の酵母の発現ベクターに挿入された遺伝子は、
選択されたベクターに依存する正しい読み取り枠にある
融合タンパク質として発現され得る。 本発明の好適な実施例では、ポリペプチド、好ましく
はヒトのα型インターフエロンのコードとなる遺伝子の
少くとも一部分を含む酵母の発現ベクターを提供する。 本発明の他の態様に従つて、上記ポリペプチドのコー
ドとなる遺伝子を含む酵母の発現ベクターによつて形質
転換された酵母の宿主有機体に上記ポリペプチドを発現
させることから成るポリペプチドの生産方法を提供す
る。 本発明の他の態様に従つて、酵母の発現ベクターの1
キツトを提供する。このキツトは、本発明の2個以上の
酵母の発現ベクターから成つていてもよい。このような
キツトを提供する目的は、分子生物学者に細胞あたり多
くの又は少いコピー数の及び高い又は低いレベルの発現
性を持つた種々のベクターを提供することによつて、彼
等のいつも行う発現の研究を容易にするためである。挿
入されたDNAの読み取り枠は、またキツトから適当なベ
クターを選んで選択可能としてもよい。好ましい実施例
では、それぞれのベクターがTRP1:ARS1:ASS又はLEU2:2
μ複製源選択マーカ、複製系それにTRP1又はPGK 5′領
域の酵母プロモータのどちらかの少くとも一部分のうち
のいずれかを有する4個以上の酵母の発現ベクターから
なるキツトを提供する。 以下、本発明を図面を参照しながら、下記の実施例に
基づいて説明する。 図において、制限エンドヌクレアーゼ地図は、縮尺通
りに描かれているわけではない。場合により、制限部位
は次のように略称する。 RI=EcoRI、Pst又はP=PstI、Bam又はBa=Bam HI、B
g=Bgl II、Pv=Pvu II、Sal又はS=Sal I、Ha 3=Hae
III、H3=Hind III 次に説明する酵母の発現ベクターは、細菌のプラスミ
ドpBR322に基づいており、上述した酵母の複製源基本単
位及び酵母の選択マーカ基本単位のいずれか1つを使用
する。両者の基本単位はEcoRI断片であり、そのため容
易に操作することができる。 標準的な技法を使用して、上述した大腸菌ベクターpB
R322と2μ酵母プラスミドの一部分を含むEcoRI断片か
ら成るpMA3と呼ばれるベクターを作つた。このプラスミ
ドは、多くの公知のキメラ的酵母のプラスミドに反して
比較的安定しているようであり、細胞あたり約50〜100
プラスミドというコピー数の多さで酵母中に保たれる。 また、標準的技法を使用して上述の大腸菌ベクターpB
R322とARS:ASS EcoRI断片から成るpMA91と呼ばれる2番
目のベクターを作つた。このプラスミドも酵母中で安定
しているが、コピー数が1個で存在している。 2個のベクターpMA3とpMA91は、第1図における部分
的地図により表わされている。それらは本発明の範囲内
に入るベクターではないが、本発明のベクターの生産に
は重要な前駆体である。第1図における各々の図で、太
線は酵母のDNAから得られた配列を示す。 pMA3とpMA91のDNAは、標準的方法で作つた(Chinault
とCarbon(1979)Gene5 111)。pMA3は、EcoRIで部分的
に分解し、この分解物は、1%のアガロースゲルで分離
した。複製の2μ源を含む3.25kb2重EcoRI断片とLEU2遺
伝子は、TabakとFlavellの方法((1978)Nucleic Acid
s Res.5 2321)により精製した。同様にpMA91は、EcoRI
を用いて完全に分解し、TRP1遺伝子、ARS1、ASSを含む
1.0kb断片を精製した。このため、2個のDNA断片が複製
−選択系基本単位として使用可能であつた。これらは、
この後それぞれ2μ:LEU2基本単位、TRP1:ARS1:ASS基本
単位と呼ぶ。 これから説明する本発明の特徴的な実施例では、発現
ベクターには、2種類の有用な機能的プロモータ配列の
内の1つを含む。最初のものは酵母のTRP遺伝子の5′
領域から得られるものであり、2番目のものは酵母のPG
K遺伝子の5′領域から得られるものである。幾つかの
ベクターの中には、酵母のPGK遺伝子の3′領域が含ま
れる。 酵母のTRP1遺伝子とARS1を含む1.45kb EcoRI断片は、
完全に合成配列されている(TschumperとCarbon(198
0)Gene10 157)。この断面の構成は第2図に示されて
おり、図中TRP1コード配列の左にある黒い部分は遺伝子
の5′領域である。5′調節領域は、イソ−1−チトク
ロムC及び酵母からのGPD遺伝子の類似領域と著しい相
似性を有している(Smithほか(1979)Cell16 759、Hol
landとHolland(1979)JBC254 5466)。それぞれ開始コ
ードンからヌクレオチド48〜76個上流側で終わる約30個
のヌクレオチドであるプリンに富んだ鎖を含む領域があ
る。また、開始コードンからヌクレオチド10〜15個上流
側にあるCACACA配列もある。この6個のヌクレオチドは
酵母にだけ見られ、真核生物における5′CAP構造とは
異るリボソーム結合部位の存在は疑問と思われるが、こ
の開始コードンへの近さは翻訳におけるリボソーム結合
部位の存在を意味しているのかもしれない(Naksishima
ほか(1980)Nature 156 226、Stilesほか(1981)Cell
25 277)。遺伝子はpBR322で両配置に断片で発現され
るので、TRP1の発現に必要な信号は、プラスミドYRp7
(第2図)の1.45kb断片上にある5′隣接領域内にある
ということは確実である。しかし、開始ATGに対して103
個のヌクレオチド5′しかなく、また殆んどの真核生物
の遺伝子はこれよりかなり長い5′調節領域を持つてい
るので、TRP1を最大に発現させるための全ての信号は存
在していないようである。AluI部位は開始ATGから僅か
ヌクレオチド8個離れたところにあるため、1.45kb Eco
RI断片(第2図参照)の最も左端にある95bp EcoRI−Al
uI断片は、TRP1の発現のために必要な信号を含んでいる
筈である。従つて、この断片から上流側の付加配列は、
最大に発現させるためには必要であるかもしれないが、
この断片が潜在的に有用な“可動プロモータ”を提供す
るのである。TRP1 mRNAは全mRNAの約0.1〜0.01%存在し
ているので、プロモータからの発現のレベルは相対的に
低いと思われる。 2番目に利用可能な酵母のプロモータ配列は、ヒツツ
マンにより最初に単離されたホスホグリセリン酸キナー
ゼ(PGK)遺伝子のものである(Hitzemanほか(197
9)、ICN−UCLA SYMP.14 57)。酵母の解糖系酵素の遺
伝子は、炭素源により調節されており(MaitraとLobo
(1981)JBC246 475)、酵母に異種タンパク質産生のた
めの単純な調節系を発達させる潜在力を与えている。タ
ンパク質と核酸配列の分析により、PGKコード配列の位
置関係を決めることができた。 要するに、多数及び少数のコピー数の2つのプラスミ
ドと高い発現性及び低い発現性の2つのプロモータ配列
を酵母の発現系で使用することができる。或る異種タン
パク質の発現の特徴が適当なプラスミドを選ぶことによ
り極めて簡単に決定することができるように、酵母中に
“有用な”遺伝子が種々のレベルで発現するのに適当な
1組のベクターを提供することが本発明の目的の1つで
ある。 この1組は、2つのプロモータ、TRP1とPGKとTRP1:AR
S1:ASSとLEU2:2μ複製源、選択マーカと複製系の全部で
4つの対の組合せから成つている。加えて、このキツト
には、全部で3コードンの読み取り枠にある酵母のホス
ホグリセリン酸キナーゼのアミノ末端アミノ酸への有用
なポリペプチドの融合をさせるPGK発現系に基づいた分
子を含んでいる。PGKに基づいた発現系において、発現
はグルコースの利用度によつて調節され得る。従つて、
このキツトは、全部又は一部分であつても何等かのポリ
ペプチドのコード配列がどのような条件の下でも発現さ
れるように、あらゆる可能性のある発現をカバーするも
のである。 表1に、このキツトにおけるプラスミドの名称とそれ
らの基本的特徴を挙げる。 p=ベクターは、転写刺激により発現する。 f1=ベクターは、コードン間の接合で融合タンパク質を
産生する。 f2=ベクターは、PGK読み取り枠+1において接合で融
合タンパク質を産生する。 f3=ベクターは、PGK読み取り枠+2において接合で融
合タンパク質を産生する。 実施例1 酵母のTRP1遺伝子の5′領域に基づいた多数の酵母の
発現ベクターを作つた。pMA103と呼ばれる酵母の発現プ
ラスミドを作るための概要を第3図aと第3図bに示
す。部分的制限エンドヌクレアーゼ部位の地図と配列に
ついての情報が示されており、詳しい説明はTschumper
とCarbonによるGene10157(1980)、HartleyとDonelson
によるNature287860(1980)、SutcliffeによるC.S.H.
S.Q.B.4379(1979)に記載されている。T4リガーゼとBa
m HIリンカーの使用は、Maniatisほか(1978)Cell1568
7に従つたものであり、ポリアクリルアミドゲルからの
制限断片の精製はMaxamとGilbert(1980)Methods in E
nz.65499によつたものである。大腸菌の形質転換は、Ca
meronほかP.N.A.S.(1975)723416に記載の方法によつ
た。TRP1遺伝子の5′端にあるEcoRI−AluI断片の1末
端を定めるAluI部位は、ATG開始コードンからヌクレオ
チド8個分だけ上流側に位置している。従つて、このAl
u1部位に挿入されたどんな配列であつても、TRP1プロモ
ータから効率よく転写されなければならない。もし、こ
の配列も5′端に近いATG開始コードンを含んでいると
したら、効率的な転写を期待することにもなろう。その
ため、EcoRI−Alu断片(93bp)は、7%アクリルアミド
ゲルで分離した後、YRp7のEcoRIとAluIによる分解によ
つて産生された他の制限断片から精製した。次にこの断
片をEcoRIで切断されたpBR322につなげ、その後BamHIリ
ンカー、より多くのリガーゼ、スペルミジン(spermidi
ne)を反応物に添加した。20℃で6時間培養した後、こ
のDNAをフエノール抽出し、エタノール沈殿させ、次にB
amHIで分解してリンカーを開裂させた。その後、BamHI
をフエノール抽出により除去し、分子の混合物を結びつ
け、大腸菌のAKEC28を形質転換するために使用した。
(AKEC 28=K.12 trpC1117 leuB6 Thy hsdr-hsdm-)Alu
I末端に付着したBamHIリンカーを持つたYRp7からの93bp
EcoRI−AluI断片により置き換えられたpBR322の小さな
EcoRI−BamHI断片を有するプラスミドを含む形質転換物
コロニーは、テトラサイクリン感受性、1.45kb TRP1:AR
S1断片をプローブとして用いた“グルンスタイン(Grun
stein)とホグネス(Hogness)”交雑((1975)P.N.A.
S.723961)における陽性信号、その次にプラスミドDNA
の詳しい制限分析を基に同定した。このようにして作ら
れたプラスミドが、第3図bのpMA101である。その次
に、pMA101を唯一のEcoRI部位で切断し、2μ:LEU2複製
/選択基本単位と混合し、連結し、アンピシリン抵抗性
とロイシン・プロトトロフイ(prototrophy)で選んだ
大腸菌AKEC28を形質転換するために使用した。全てのこ
の表現型の形質転換物には、第4図にpMA103として示す
同じ地図又は他の配置にある2μ:LEU2基本単位を持つ
分子を含んでいた。pMA103にある発現部位は、BamHIで
あり、105/μgの頻度で酵母を形質転換する。 同様にしてTRP1:ARS1:ASS基本単位をpMA101のEcoRI部
位に挿入してpMA113を作つたが、この場合には選択はア
ンピシリン抵抗性とトリプトフアン・プロトトロフイに
よるものであつた。pMA113の部分的地図は、第5図に示
されている。pMA113の場合、酵母の形質転換の頻度は10
4/μgである。 実施例2 1.45kb EcoRI TRP1断片の範囲を越えた酵母ゲノムの
領域は、全部のTRP1 5′調節領域を利用するためにクロ
ーン化した。 1.45kb EcoRI:TRP1断片の限界を越えたDNA配列は、TR
P1プロモータからの発現を最大にするために必要であ
る。1.45kb EcoRI断片に重なるHind III断片を単離した
が、それには全てのTRP5′調節領域(第2図に黒い部分
で示す)を含んでいる。このHind III断片の大きさを調
べるため、サザン(Southern)交雑で1.45kb EcoRI断片
(第2図)からのEcoRI−Hind III断片の小さい方をプ
ローブとして使用して、Hind IIIで切断された酵母のDN
Aを完全なものにした。オートラジオグラフイで、1本
の約2.0kbのバンドを見ることができた。次に、Hind II
Iで分解さされた全部の酵母DNAを1%アガロースゲル中
に分散させ、そして1.5〜2.5kbの大きさの範囲にある全
てのDNAをタバク(Tabak)とフラベル(Flavell)によ
る方法(NAR 52321(1978))により精製し、Hind III
で分解されたpTR262を用いて結びつけた(Robertsほか
(1980)Gene12123)。次に700個のテトラサイクリン抵
抗性のコロニーは、精製された1.45kb EcoRI:TRP1断片
をプローブとして使用して、“グルンスタイン(Grunst
ein)−ホグネス(Hogness)”操作によりスクリーニン
グした。1個のコロニーだけがこのプローブとの交雑を
示し、プラスミドDNAはこのクローンから作つた。この
プラスミドは、1.45kb EcoRI TRP1断片からのEcoRI−Hi
nd III断片の小さい方と特異的に交雑する2.2kb Hind I
II断片を含んでいる。−103(ATGにあるAが+1であ
る)の位置にあるEcoRI部位から上流側の領域のヌクレ
オチド配列は、標準的なM13/ジデオキシ配列決定法(Sa
ngerほか(1977)P.N.A.S.746463)により決定した。そ
の配列を第6図に示す。この図で、169から275までのヌ
クレオチド配列は、チユンパー(Tschumper)とカーボ
ン(Carbon)(Gene10157(1980))に従つている。潜
在的に重要な特徴をもつているところにはアンダーライ
ンがひかれている。新規な配列のデータには、上に線が
引かれていない全ての配列を含む。全てのTRP1 5′調節
領域を含むpMA103の誘導体を作るために、1組の構成体
を第7図に概略で示すように作つた。(この図で、太線
は酵母から得られたDNAを示す)2.2kb Hind III断片
は、タバク(Tabak)とフラベル(Flavell)の方法
((1978)NAR52321)により精製し、pBR322のHind III
部位へ挿入し、プラスミドpMA33を作つた。pMA33からの
小さなEcoRI断片を精製し、次にpMA101の唯一のEcoRI部
位に挿入した(第3図b参照)。TRP5′領域の再構成を
確実にするためにこの断片の配置を調べた。得られたプ
ラスミドは、pMA35と呼ばれる。その後、pMA35をEcoRI
で部分的に切断し、2μ:LEU2基本単位を挿入した。−1
03におけるEcoRI部位ではなく、pBR322のEcoRI部位にお
いて2μ:LEU2断片が存在しているので、組み換え分子
をスクリーニングした。このような分子は、pMA36であ
る(第7図)。 実施例3 酵母のPGK遺伝子の5′領域に基づいた多数の酵母の
発現ベクターを作つた。 酵母のPGK遺伝子は、酵母−大腸菌ベクターであるpMA
3(第1図)にある2.95kb Hind III断片上に存在してい
る。この分子の部分的制限地図を第8図aに示す。PGK
Hind III断片は、酵母のポリ−A RNAから作つた32Pでラ
ベルされたcDNAを使つて、λ762(Murrayほか(1977)M
olec.gen.Genet15053)に挿入されたHind III断片の集
団から単離した。この断片は、ヒツツマン(Hitzeman)
ほか((1980)JBC.25512073)によつて説明されたプラ
スミドpB1にあり、そして交雑の選択翻訳実験(Ricciar
diほか(1979)P.N.A.S.764927)における“3.1kb"断片
に似ている。この断片は、SDS−PAGEでの純粋なPGKと同
じ移動度を持つタンパク質を符号化して表わされてい
る。1.95kb断片の制限地図を、第8図bに示す。 酵母PGKの残基270〜400のアミノ酸配列を第9図aに
示す。この配列は手作業の及び自動化されたエドマン
(Edman)分解法により決定されたものである。このア
ミノ酸配列により、2.95kb Hind III断片上にある制限
部位とタンパク質配列にある2個又は3個のアミノ酸の
グループとを引き合わせることができる。第9図bは、
関連ある制限部位を示すものであり、このような部位は
第9図aのアミノ酸配列上に印がつけられている。制限
地図にある4つの部位の位置とタンパク質の配列は一致
しているので、1.95kb Hind III断片上の部位に関する
遺伝子の位置を決めることができる。PGKの分子量が40K
d(415アミノ酸残基)であり、また大きなイントロンが
ないとすれば、コード配列の5′と3′端の位置を予想
することもできる。コード配列の大きさは、直線状だと
すれば、第8図bのように表わされ、開始コードンはEc
oRI部位の左へ約900ヌクレオチドのところ、また終止コ
ードンは右へ約300ヌクレオチドのところにある。 PGK転写物の5′端の位置は、S1保護方法(BerkとShar
p(1978)P.N.A.S.751274)により確認した。コード配
列(第8図b)の5′端に及ぶ1.2kb Hae III断片をア
ガロース・ゲルで精製し、全酵母DNAと交雑させた。交
雑物を種々の濃度のS1ヌクレアーゼで処理し、その後得
られた物を1.95kb Hind III断片をプローブとして使用
し、サザン(Southern)交雑法により1.5%アガロース
・ゲルにかけて分析した。第10図は、1つの保護された
断片の大きさは680bpであることを示している。この図
で、それぞれのレーンにおけるS1の濃度は、a)25単
位、b)50単位、c)100単位である。レーンd)は、
未処理の1.2kb Hae III断片を持つている。これまでの
地図によるデータを基にすると、PGK転写物の5′端
は、2.95kb Hind III断片の上にあるEcoRI部位の左側約
960bpのところにあるようである。このことは、開始コ
ードンの位置に関する我々の予想とよく一致しており、
もし転写物の5′端とBgl II部位の間にイントロンがあ
るとすれば、それらは非常に小さいということを示唆す
るものである。PGK遺伝子の5′“調節”領域は、便利
な制限部位を殆ど含まない領域にあり、そのため配列計
画の作製を比較的困難にしている。この問題を解決する
ため、一般的にも役に立つであろう方法を採用した。プ
ラスミドpMA3−PGKをSal I(第8図)を用いて分解し、
次にエクソヌクレアーゼBAL 31を用いて分解して各端部
から約500bpを取り除いた。このことにより2つの小さ
なSal I断片が失われ、PGK配列とpBR322にあるSal I部
位における最も左のSal I部位から始まりそしてPGKの開
始コードンとpBR322のヌクレオチド1150付近でそれぞれ
終る幾つもの欠損部ができた。これらの欠損された分子
は、Bam HIリンカーが分子で50倍過剰に存在する中で連
結し、その後AKEC28をLEU+、AmpRに形質転換するために
使用した。pMA22a欠損シリーズと呼ばれるこれらの分子
の一般的構造を第11図に示す。70個のこれらの欠損分子
は、PGK遺伝子の5′領域を含むEcoRI−Bam HI断片の長
さを測定することにより分析した。それらの平均的長さ
は1.5kbであるが、500ヌクレオチドを含む大きさであ
る。従つて、この集団は、PGK遺伝子の5′領域の配列
分析のために有用な多くの分子を提供する。このような
2つの欠損部であるCとWを第8図bに示す。これらの
分子からの小さなEcoRI−Bam HI断片を精製し、M13mp70
1でクローン化し、それぞれの場合Bam HI部位から始ま
りEcoRI部位に向つて伸びるようにジデオキシ(dideox
y)鎖末端法(Sangerほか(1977)P.N.A.S.745463)に
より配列化させた。開始コードンから上流側の226ヌク
レオチドと最初の7コードンのヌクレオチド配列を第12
図に示す。(この図で、長四角は転写物の5′端に近い
位置を表す)。この配列は、4つの他の欠損部を重なつ
ている端点と配列化させることにより確認した(データ
は図示せず)。 pMA22a欠損シリーズは、中に発現ベクターに基づいた
多くの潜在的PGKを含む分子の集団から成つている。そ
れぞれ異つた大きさの小さなEcoRI−Bam HI断片を持つ
ており、従つてそれぞれ異つた“量”のPGK5′領域を持
つている。それらは全て、遺伝子が挿入され、そして発
現される唯一のBam HI部位を持つている。第13図は、印
のついた種々の欠損端点の位置を有する−226から+624
までのPGK遺伝子の配列を示す。欠損端点の番号(第13
図)は、アミノ酸32と33のコードンの間の欠損端点を有
するpMA22a欠損である例えばプラスミドpMA279のような
欠損を持つたプラスミドの名前を保持している。この位
置に配列CCGGATCCGGのBam HIリンカーを挿入した。各欠
損端点には、−1位置に挿入されたBgl IIリンカーCAAA
AGATCTTTTGを有するpMA301という例外はあるが、同じBa
m HIリンカーがある。このBgl IIリンカーは、開始ATG
の周りの領域のA量を増やすために使用した。 明らかに、プラスミドpMA278とpMA301は、それらの発
現部位に挿入された何等かのコード配列との転写融合物
を作り、従つて表1におけるpMA200p型となる。それに
対し、他のものは全て転写融合物と翻訳融合物の両者を
作るのである(即ち、融合タンパク質ができる)。pMA2
30は+1(読み取り枠)融合ベクターであり、pMA283は
内枠(+3)融合ベクターである。分子は、表1におけ
るpMA200f1、f2及びf3型である。 実施例4 酵母のPGK遺伝子からの5′と3′領域の両方から成
るpMA3013と呼ばれるPGKに基づく発現ベクターを作つ
た。 PGKの3′領域のヌクレオチド配列は標準的方法で決
定した。これを第14図に示す。第15図は、pMA3013を作
るための概要を示す。プラスミドpMA3−PGKはBgl IIとP
st Iを用いて切断し、PGK遺伝子(第15図に波線で示
す)の3′端を含む断片はタバク(Tabak)とフラベル
(Flavell)の方法(NAR52321(1978))により精製し
た。この後この断片をBgl IIとPst Iで切断されたpMA30
1と連結し、混合物は大腸菌株AKEC28をアンピシリン耐
性とロイシン、プロトトロフイに形質転換するために使
用した。できたクローンは、3つのHind III部位を持つ
たプラスミドを得るためスクリーニングした。このよう
なプラスミドは、pMA3013である。pMA3013は、PGKの
5′と3′領域に隣接した唯一のBgl II発現部位を持つ
ている。 実施例5 上述の種々の酵母の発現ベクターを、ヒトのα型イン
ターフエロンを異種で、潜在的に有用なコード配列とし
て使用して試験した。この配列は、ワーウイツク(Warw
ick)大学のバーク(D.C.Burke)教授によつて最初に作
られたプラスミドN5H8の誘導体であるBam HI断片に含ま
れている。インターフエロンの信号配列にあるアミノ酸
S15に対応する位置にあるATGの後にBam HIが配置される
ように修飾した。このBam HI断片のヌクレオチド配列を
第16図に示す。Bam HI断片はそれ自身の翻訳開始コード
ンを持つているので、転写融合の構成物において使用す
ることができ、また融合タンパク質を産生することにな
るベクターにおいても使用することができる。この断片
を種々の分子の発現部位に挿入した。この分子の一般的
構成を第17図に示す。次に、できた分子を酵母の菌株MD
40−4C(MD40−4C=αura2 trp1 leu2−3 leu2−112 hi
s3−11 his3−15)へ標準的な形質転換法で移入した(H
innenほか(1978)P.N.A.S.751919)。酵母中に産生さ
れたインターフエロンの濃度は、セムリキ・フオレスト
・ウイルス(SFV)を誘発剤として用いたウイルスRNA減
少検定法において、牛(EBTr)の細胞を使用して測定し
た(AthertonとBurke(1975)J.Gen.Virol29197)。表
2は、種々の組み換え分子を含む酵母細胞中に産生され
たインターフエロンの濃度を示すものである。 使用される発現ベクターが依存する系に、かなりの範
囲の発現能力があることがわかる。最高のレベルは、融
合タンパク質ベクターpMA230、転写ベクターpMA301とpM
A3013について得られ、それらでは全細胞タンパク質の
2%もがインターフエロンタンパク質として存在してい
る(第18図)。この図はクーマシ(Coomassie)で染め
たSDS−PAGEによるタンパク質の展開図であり、図にお
いてそれぞれ次のようなものを含む。 (a)pMA230を含むMD40−4cからの全タンパク質。 (b)pMA230/インターフエロンを含むMD40−4cからの
全タンパク質。 (c)NK2カラムでの部分的精製後のpMA230/インターフ
エロンを含むMD40−4cからのタンパク質。分子量のマー
カの位置を図に示す。矢印は、PGK−インターフエロン
融合タンパク質の位置を表す。 プラスミドを産生する全てのインターフエロンは、発
現プラスミドにより与えられる表現型との全個体群にお
ける細胞の割合によつて測定した場合、少くとも40代は
安定して保たれる。 実施例6 酵母中のPGKはグルコースによつて“誘発”される。
従つて、この調節系の認識に必要な構造が例えばpMA230
にある1500ヌクレオチドPGK断片上に存在しているかど
うかを確認することは興味深いことであつたし、もしそ
うであればヒトのα型インターフエロンはグルコースに
よつて調節され得る。 Bam HI部位に挿入されたα型インターフエロンの配列
を有するpMA230を含む酵母菌株MD40−4dは、炭素源とし
て酢酸塩に富む培地において、2×106細胞/mlの濃度に
なるまで12代増殖させた。これらの細胞は、新鮮な培地
を含む2つのフラスコに分けて接種材料として使用し
た。1つのフラスコには炭素源としてグルコースを含
み、もう1つの方には酢酸塩を含んでいた。従つて、酢
酸塩/酢酸塩、酢酸塩/グルコース、グルコース/グル
コースという接種材料/培地の3状態があつた。これら
の培地のアリコートを種々の間隔で取り出し、抽出物を
調製し、インターフエロン濃度を検定した。これらの検
定の結果を第19図に示す。この図において、●はグルコ
ース/グルコース、○は酢酸塩/酢酸塩、△は酢酸塩/
グルコースを表す。第19図のデータは、 グルコース/
グルコース培地には比較的高濃度のインターフエロンを
含み、これに対して酢酸塩/酢酸塩培地には実験中を通
して低濃度のインターフエロンしか含んでいないことを
示している。酢酸塩/グルコース培地は、細胞をグルコ
ース培地に移した後(時間0、第19図)、インターフエ
ロン濃度が増加することを表している。このインターフ
エロンの誘発は、約8時間以上にわたつて起きた。そし
て、グルコースで増殖した細胞により産生されたインタ
ーフエロンの濃度は、酢酸塩で増殖した細胞より20〜30
倍高い。 これらの結果は、インターフエロン濃度の炭素源によ
る調節は、PGK遺伝子の5′調節領域によつて仲立ちさ
れるということを強く示唆しているのであるが、酢酸塩
又はグルコースで増殖した細胞におけるプラスミドの安
定性には差異がないということを証明することが重要で
ある。従つて、第19図に表わされている実験の間、種々
の点で取つた酵母細胞のアリコートから、全DNAを調製
した。DNAはEcoRIを用いて分解し、断片は1%アガロー
ス・ゲルで分離した。その後分離したバンドをニトロセ
ルロースにブロット(blot)し、そして32P−YRP7と交
雑させた。このプローブのpBR322部分は、酵母のDNA調
製物におけるプラスミドの濃度を測定するのに役立ち、
これに対して1.45kb断片の配列は、DNA量の調節、輸送
効率、交雑効率を証明するために使用した。このサザン
(Southern)ブロット分析に加えて、アリコートにおけ
るLeu+細胞の割合は、ロイシンを含む培地とロイシンを
含まない培地でのコロニー数を比較することにより測定
した。全ての場合で、サザン交雑のグラフは同一であ
り、99%以上の細胞がLeu+であつて(データは図示せ
ず)、酢酸塩又はグルコースでの増殖は、プラスミドの
コピー数又は安定性に何等の影響を与えないことを示し
ている。
母中の遺伝子物質の種々のレベルにおける発現のために
好適なプラスミド・ベクターに関する。 近年、酵母中の複製ベクターとして使用することがで
きるプラスミドが開発されるようになつてきた(Struhl
ほか(1979)PNAS76 1035とKingsmanほか(1979)Gene7
141)。 酵母の複製ベクターは、酵母の宿主有機体の中で自己
複製することができ、そのため酵母に外来DNAを導入す
るのに好適である。 ベクターは、またより高度の分析のために、酵母DNA
の構成部分を単離するために使用されている。このよう
な公知の系は、酵母の宿主有機体内で確実に複製するこ
とができるが、それら自体が挿入されたDNAをかなりの
程度まで発現することができるというわけではない。 組み換えDNA技術の利用による有用で興味深いポリペ
プチドの生産は、従来主として宿主−ベクター系として
の大腸菌によりなされてきた(Martialほか(1979)Sci
ence205 605とNagataほか(1980)Nature284 316)。一
般的にはこれらの発現系は、大腸菌のプロモータ配列、
リボソーム結合部位(シヤイン−デルガーノ(Shine−D
elgarno)配列)それにしばしば“外来”コード配列が
結合される大腸菌のコード配列の最初の数コードンを含
むプラスミド・ベクターに依存している(HallewellとE
mtage(1980)Gene9 27)。極く最近、大腸菌のアミノ
酸配列の付着していない“外来”タンパク質を合成する
ことができる方法が開発されたが、このような理由によ
り多くの場合、融合タンパク質が合成されている(Guar
enteほか(1980)Cell20 543)。 場合により、大腸菌はホスト−ベクター系としては適
当でないこともある。例えば、大腸菌は、有用な薬剤と
なりうるものからは取り除かなければならない多くの有
毒な発熱性因子を持つているのである。勿論、精製され
なければならない度合は、製品によつて異る。また、大
腸菌中のタンパク質分解作用により、有用な製品の生産
量が大幅に減少させられることもある(例えばItakura
ほか(1977)Science198 1056)。真核生物の産物の生
産が興味深いということもあり、これらや他の理由によ
り代替となる宿主−ベクター系、特に真核生物系の使用
への関心が高まつてきた。真核生物の中で、利用するの
に好適であり、恐らく最も扱い易いものは酵母のサツカ
ロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
である。酵母は、安価且つ大量増殖が容易であり、しか
も高度に発達した遺伝系統を持つている。 本発明の目的は、挿入されたポリペプチドのコード配
列を発現させることができる酵母のベクター系を提供す
ることである。 本発明に従つて、我々は酵母の選択マーカ、酵母の複
製源、それに制限部位に挿入されたポリペプチドのコー
ド配列から発現されるように唯一の制限部位に関連して
位置している酵母のプロモータからなる酵母の発現ベク
ターを提供するものである。好ましくは、発現ベクター
は微生物プラスミドの少くとも一部分を含むほうがよ
い。このことにより、酵母の発現ベクターを微生物の宿
主系(例えば大腸菌)で操作することが可能となる。 我々は、2種類の酵母の複製源と当該技術分野では酵
母の複製ベクター構造として知られている選択マーカを
使用した。最初のものは、自然酵母のプラスミド2μ
(2ミクロン)の複製領域に基づいている。このプラス
ミドは不可解なところがあり、容易に検出できる表現型
を持つていなくて、細胞あたり約100のコピー数が存在
している。特別の実験では、2μプラスミド誘導物PJDB
219(Beggs(1978)Nature275 104)からの3.25kb断片
を使用した。当該断片は、次のような2個のEcoRI断片
(2.5kbと0.75kb)から成つている。 LEU2選択マーカは、内部のEcoRI部位を取り巻いてお
り、この部位における開裂により分断され得る。2μ配
列については詳細に説明されており(HartleyとDonelso
n(1980)Nature286 560)、またLEU2領域についても今
まで研究対象となつている(Dobsonほか(1981)Gene16
133)。上に示した3.25kb EcoRI断片は、本発明の発現
ベクターで選択−複製の基本単位として使用した。この
断片を含む本発明の発現ベクターは、細胞あたり約50〜
100プラスミドのコピー数を有する酵母中に安定に保存
しておくことができる。 2番目の種類の酵母の複製源とマーカ配列は、酵母の
染色体DNAから得られた自己複製配列(ARS)に依存して
いる。これらの配列の中の最も特徴的なものは、酵母の
TRP1遺伝子とARS(ARS1)の両方を含んでいる1.45kbp E
coRI断片である(Kingsmanほか(1979)Gene7 141とStr
uhlほかP.N.A.S.76 1035)。この断片をpBR322(微生物
ベクター)に挿入すると、YRp7として知られているプラ
スミドができ、これは大腸菌と酵母の宿主系の両方で複
製可能である。ARSに基づいたプラスミドは非常に不安
定であり、選択がない場合には殆んど全て失なわれ、選
択がある場合には50%位しか保たれず、2番目の配列を
除いて、ARS安定化配列(即ちASS)は、ARS配列に共有
結合的につながつている。現在のところASSは、動原体
のDNA配列であると思われる(L.ClarkeとJ.Carbon(198
0)Nature287 504)。有用な断片は、ASSを持つた627 S
au3a断片を含むように修飾された次のような1.45kb TRP
1:ARS EcoRI断片である。 直ぐ上に示したEcoRI断片は、本発明の発現ベクター
で選択−複製の基本単位として使用した。この断片を含
む本発明の発現ベクターは、細胞あたり約1プラスミド
のコピー数を持つた酵母中に安定して保つておくことが
できる。それらは、有糸分裂と減数分裂で所定の様式に
より分離する。 本発明に従つて、更に、酵母のプロモータが酵母の解
糖系酵素のコードとなる遺伝子の5′領域の少くとも一
部分からなる酵母の発現ベクターを提供する。酵母の解
糖系酵素は、例えばホスホグルコース・イソメラーゼ、
ホスホフラクトキナーゼ、アルドラーゼ、トリオースリ
ン酸イソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ、エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、ホ
スホグリセリン酸キナーゼである。 特に好適なものは、酵母のプロモータが酵母のホスホ
グリセリン酸キナーゼ(PGK)遺伝子の5′領域の少く
とも一部分から成つている酵母の発現ベクターである。
酵母の解糖系酵素の5′領域の少くとも一部分を含む酵
母の発現ベクターは、このようなベクターで形質転換さ
れた酵母の栄養培地中の発酵性炭素源の濃度を変えるこ
とにより発現を調節することができる。好ましい発酵性
炭素源はグルコースである。本発明の更により好適な態
様では、PGK遺伝子の5′領域の少くとも一部分が唯一
の制限部位の上流に位置しており、またPGK遺伝子の
3′領域の少くとも一部分が唯一の制限部位の下流に位
置している酵母の発現ベクターを提供する。この“上
流”と“下流”という用語は、転写と翻訳の方向に関連
したものである。 本発明の他の実施例では、酵母のプロモータがTRP1遺
伝子の5′領域の少くとも一部分から成つている酵母の
発現ベクターを提供する。 本発明の発現ベクターには、酵母の複製源と酵母の選
択マーカを含む。好ましい実施例では、これらは酵母の
プラスミド2μ複製源の少くとも一部分とLEU2酵母の選
択マーカの少くとも一部分を含む断片から成つていても
よい。他の好適な実施例では、これらは自己複製配列
(ARS)の少くとも一部分と自己複製配列安定化配列(A
SS)の少くとも一部分を含む断片から成つていてもよ
い。 本発明の酵母の発現ベクターに挿入された遺伝子は、
選択されたベクターに依存する正しい読み取り枠にある
融合タンパク質として発現され得る。 本発明の好適な実施例では、ポリペプチド、好ましく
はヒトのα型インターフエロンのコードとなる遺伝子の
少くとも一部分を含む酵母の発現ベクターを提供する。 本発明の他の態様に従つて、上記ポリペプチドのコー
ドとなる遺伝子を含む酵母の発現ベクターによつて形質
転換された酵母の宿主有機体に上記ポリペプチドを発現
させることから成るポリペプチドの生産方法を提供す
る。 本発明の他の態様に従つて、酵母の発現ベクターの1
キツトを提供する。このキツトは、本発明の2個以上の
酵母の発現ベクターから成つていてもよい。このような
キツトを提供する目的は、分子生物学者に細胞あたり多
くの又は少いコピー数の及び高い又は低いレベルの発現
性を持つた種々のベクターを提供することによつて、彼
等のいつも行う発現の研究を容易にするためである。挿
入されたDNAの読み取り枠は、またキツトから適当なベ
クターを選んで選択可能としてもよい。好ましい実施例
では、それぞれのベクターがTRP1:ARS1:ASS又はLEU2:2
μ複製源選択マーカ、複製系それにTRP1又はPGK 5′領
域の酵母プロモータのどちらかの少くとも一部分のうち
のいずれかを有する4個以上の酵母の発現ベクターから
なるキツトを提供する。 以下、本発明を図面を参照しながら、下記の実施例に
基づいて説明する。 図において、制限エンドヌクレアーゼ地図は、縮尺通
りに描かれているわけではない。場合により、制限部位
は次のように略称する。 RI=EcoRI、Pst又はP=PstI、Bam又はBa=Bam HI、B
g=Bgl II、Pv=Pvu II、Sal又はS=Sal I、Ha 3=Hae
III、H3=Hind III 次に説明する酵母の発現ベクターは、細菌のプラスミ
ドpBR322に基づいており、上述した酵母の複製源基本単
位及び酵母の選択マーカ基本単位のいずれか1つを使用
する。両者の基本単位はEcoRI断片であり、そのため容
易に操作することができる。 標準的な技法を使用して、上述した大腸菌ベクターpB
R322と2μ酵母プラスミドの一部分を含むEcoRI断片か
ら成るpMA3と呼ばれるベクターを作つた。このプラスミ
ドは、多くの公知のキメラ的酵母のプラスミドに反して
比較的安定しているようであり、細胞あたり約50〜100
プラスミドというコピー数の多さで酵母中に保たれる。 また、標準的技法を使用して上述の大腸菌ベクターpB
R322とARS:ASS EcoRI断片から成るpMA91と呼ばれる2番
目のベクターを作つた。このプラスミドも酵母中で安定
しているが、コピー数が1個で存在している。 2個のベクターpMA3とpMA91は、第1図における部分
的地図により表わされている。それらは本発明の範囲内
に入るベクターではないが、本発明のベクターの生産に
は重要な前駆体である。第1図における各々の図で、太
線は酵母のDNAから得られた配列を示す。 pMA3とpMA91のDNAは、標準的方法で作つた(Chinault
とCarbon(1979)Gene5 111)。pMA3は、EcoRIで部分的
に分解し、この分解物は、1%のアガロースゲルで分離
した。複製の2μ源を含む3.25kb2重EcoRI断片とLEU2遺
伝子は、TabakとFlavellの方法((1978)Nucleic Acid
s Res.5 2321)により精製した。同様にpMA91は、EcoRI
を用いて完全に分解し、TRP1遺伝子、ARS1、ASSを含む
1.0kb断片を精製した。このため、2個のDNA断片が複製
−選択系基本単位として使用可能であつた。これらは、
この後それぞれ2μ:LEU2基本単位、TRP1:ARS1:ASS基本
単位と呼ぶ。 これから説明する本発明の特徴的な実施例では、発現
ベクターには、2種類の有用な機能的プロモータ配列の
内の1つを含む。最初のものは酵母のTRP遺伝子の5′
領域から得られるものであり、2番目のものは酵母のPG
K遺伝子の5′領域から得られるものである。幾つかの
ベクターの中には、酵母のPGK遺伝子の3′領域が含ま
れる。 酵母のTRP1遺伝子とARS1を含む1.45kb EcoRI断片は、
完全に合成配列されている(TschumperとCarbon(198
0)Gene10 157)。この断面の構成は第2図に示されて
おり、図中TRP1コード配列の左にある黒い部分は遺伝子
の5′領域である。5′調節領域は、イソ−1−チトク
ロムC及び酵母からのGPD遺伝子の類似領域と著しい相
似性を有している(Smithほか(1979)Cell16 759、Hol
landとHolland(1979)JBC254 5466)。それぞれ開始コ
ードンからヌクレオチド48〜76個上流側で終わる約30個
のヌクレオチドであるプリンに富んだ鎖を含む領域があ
る。また、開始コードンからヌクレオチド10〜15個上流
側にあるCACACA配列もある。この6個のヌクレオチドは
酵母にだけ見られ、真核生物における5′CAP構造とは
異るリボソーム結合部位の存在は疑問と思われるが、こ
の開始コードンへの近さは翻訳におけるリボソーム結合
部位の存在を意味しているのかもしれない(Naksishima
ほか(1980)Nature 156 226、Stilesほか(1981)Cell
25 277)。遺伝子はpBR322で両配置に断片で発現され
るので、TRP1の発現に必要な信号は、プラスミドYRp7
(第2図)の1.45kb断片上にある5′隣接領域内にある
ということは確実である。しかし、開始ATGに対して103
個のヌクレオチド5′しかなく、また殆んどの真核生物
の遺伝子はこれよりかなり長い5′調節領域を持つてい
るので、TRP1を最大に発現させるための全ての信号は存
在していないようである。AluI部位は開始ATGから僅か
ヌクレオチド8個離れたところにあるため、1.45kb Eco
RI断片(第2図参照)の最も左端にある95bp EcoRI−Al
uI断片は、TRP1の発現のために必要な信号を含んでいる
筈である。従つて、この断片から上流側の付加配列は、
最大に発現させるためには必要であるかもしれないが、
この断片が潜在的に有用な“可動プロモータ”を提供す
るのである。TRP1 mRNAは全mRNAの約0.1〜0.01%存在し
ているので、プロモータからの発現のレベルは相対的に
低いと思われる。 2番目に利用可能な酵母のプロモータ配列は、ヒツツ
マンにより最初に単離されたホスホグリセリン酸キナー
ゼ(PGK)遺伝子のものである(Hitzemanほか(197
9)、ICN−UCLA SYMP.14 57)。酵母の解糖系酵素の遺
伝子は、炭素源により調節されており(MaitraとLobo
(1981)JBC246 475)、酵母に異種タンパク質産生のた
めの単純な調節系を発達させる潜在力を与えている。タ
ンパク質と核酸配列の分析により、PGKコード配列の位
置関係を決めることができた。 要するに、多数及び少数のコピー数の2つのプラスミ
ドと高い発現性及び低い発現性の2つのプロモータ配列
を酵母の発現系で使用することができる。或る異種タン
パク質の発現の特徴が適当なプラスミドを選ぶことによ
り極めて簡単に決定することができるように、酵母中に
“有用な”遺伝子が種々のレベルで発現するのに適当な
1組のベクターを提供することが本発明の目的の1つで
ある。 この1組は、2つのプロモータ、TRP1とPGKとTRP1:AR
S1:ASSとLEU2:2μ複製源、選択マーカと複製系の全部で
4つの対の組合せから成つている。加えて、このキツト
には、全部で3コードンの読み取り枠にある酵母のホス
ホグリセリン酸キナーゼのアミノ末端アミノ酸への有用
なポリペプチドの融合をさせるPGK発現系に基づいた分
子を含んでいる。PGKに基づいた発現系において、発現
はグルコースの利用度によつて調節され得る。従つて、
このキツトは、全部又は一部分であつても何等かのポリ
ペプチドのコード配列がどのような条件の下でも発現さ
れるように、あらゆる可能性のある発現をカバーするも
のである。 表1に、このキツトにおけるプラスミドの名称とそれ
らの基本的特徴を挙げる。 p=ベクターは、転写刺激により発現する。 f1=ベクターは、コードン間の接合で融合タンパク質を
産生する。 f2=ベクターは、PGK読み取り枠+1において接合で融
合タンパク質を産生する。 f3=ベクターは、PGK読み取り枠+2において接合で融
合タンパク質を産生する。 実施例1 酵母のTRP1遺伝子の5′領域に基づいた多数の酵母の
発現ベクターを作つた。pMA103と呼ばれる酵母の発現プ
ラスミドを作るための概要を第3図aと第3図bに示
す。部分的制限エンドヌクレアーゼ部位の地図と配列に
ついての情報が示されており、詳しい説明はTschumper
とCarbonによるGene10157(1980)、HartleyとDonelson
によるNature287860(1980)、SutcliffeによるC.S.H.
S.Q.B.4379(1979)に記載されている。T4リガーゼとBa
m HIリンカーの使用は、Maniatisほか(1978)Cell1568
7に従つたものであり、ポリアクリルアミドゲルからの
制限断片の精製はMaxamとGilbert(1980)Methods in E
nz.65499によつたものである。大腸菌の形質転換は、Ca
meronほかP.N.A.S.(1975)723416に記載の方法によつ
た。TRP1遺伝子の5′端にあるEcoRI−AluI断片の1末
端を定めるAluI部位は、ATG開始コードンからヌクレオ
チド8個分だけ上流側に位置している。従つて、このAl
u1部位に挿入されたどんな配列であつても、TRP1プロモ
ータから効率よく転写されなければならない。もし、こ
の配列も5′端に近いATG開始コードンを含んでいると
したら、効率的な転写を期待することにもなろう。その
ため、EcoRI−Alu断片(93bp)は、7%アクリルアミド
ゲルで分離した後、YRp7のEcoRIとAluIによる分解によ
つて産生された他の制限断片から精製した。次にこの断
片をEcoRIで切断されたpBR322につなげ、その後BamHIリ
ンカー、より多くのリガーゼ、スペルミジン(spermidi
ne)を反応物に添加した。20℃で6時間培養した後、こ
のDNAをフエノール抽出し、エタノール沈殿させ、次にB
amHIで分解してリンカーを開裂させた。その後、BamHI
をフエノール抽出により除去し、分子の混合物を結びつ
け、大腸菌のAKEC28を形質転換するために使用した。
(AKEC 28=K.12 trpC1117 leuB6 Thy hsdr-hsdm-)Alu
I末端に付着したBamHIリンカーを持つたYRp7からの93bp
EcoRI−AluI断片により置き換えられたpBR322の小さな
EcoRI−BamHI断片を有するプラスミドを含む形質転換物
コロニーは、テトラサイクリン感受性、1.45kb TRP1:AR
S1断片をプローブとして用いた“グルンスタイン(Grun
stein)とホグネス(Hogness)”交雑((1975)P.N.A.
S.723961)における陽性信号、その次にプラスミドDNA
の詳しい制限分析を基に同定した。このようにして作ら
れたプラスミドが、第3図bのpMA101である。その次
に、pMA101を唯一のEcoRI部位で切断し、2μ:LEU2複製
/選択基本単位と混合し、連結し、アンピシリン抵抗性
とロイシン・プロトトロフイ(prototrophy)で選んだ
大腸菌AKEC28を形質転換するために使用した。全てのこ
の表現型の形質転換物には、第4図にpMA103として示す
同じ地図又は他の配置にある2μ:LEU2基本単位を持つ
分子を含んでいた。pMA103にある発現部位は、BamHIで
あり、105/μgの頻度で酵母を形質転換する。 同様にしてTRP1:ARS1:ASS基本単位をpMA101のEcoRI部
位に挿入してpMA113を作つたが、この場合には選択はア
ンピシリン抵抗性とトリプトフアン・プロトトロフイに
よるものであつた。pMA113の部分的地図は、第5図に示
されている。pMA113の場合、酵母の形質転換の頻度は10
4/μgである。 実施例2 1.45kb EcoRI TRP1断片の範囲を越えた酵母ゲノムの
領域は、全部のTRP1 5′調節領域を利用するためにクロ
ーン化した。 1.45kb EcoRI:TRP1断片の限界を越えたDNA配列は、TR
P1プロモータからの発現を最大にするために必要であ
る。1.45kb EcoRI断片に重なるHind III断片を単離した
が、それには全てのTRP5′調節領域(第2図に黒い部分
で示す)を含んでいる。このHind III断片の大きさを調
べるため、サザン(Southern)交雑で1.45kb EcoRI断片
(第2図)からのEcoRI−Hind III断片の小さい方をプ
ローブとして使用して、Hind IIIで切断された酵母のDN
Aを完全なものにした。オートラジオグラフイで、1本
の約2.0kbのバンドを見ることができた。次に、Hind II
Iで分解さされた全部の酵母DNAを1%アガロースゲル中
に分散させ、そして1.5〜2.5kbの大きさの範囲にある全
てのDNAをタバク(Tabak)とフラベル(Flavell)によ
る方法(NAR 52321(1978))により精製し、Hind III
で分解されたpTR262を用いて結びつけた(Robertsほか
(1980)Gene12123)。次に700個のテトラサイクリン抵
抗性のコロニーは、精製された1.45kb EcoRI:TRP1断片
をプローブとして使用して、“グルンスタイン(Grunst
ein)−ホグネス(Hogness)”操作によりスクリーニン
グした。1個のコロニーだけがこのプローブとの交雑を
示し、プラスミドDNAはこのクローンから作つた。この
プラスミドは、1.45kb EcoRI TRP1断片からのEcoRI−Hi
nd III断片の小さい方と特異的に交雑する2.2kb Hind I
II断片を含んでいる。−103(ATGにあるAが+1であ
る)の位置にあるEcoRI部位から上流側の領域のヌクレ
オチド配列は、標準的なM13/ジデオキシ配列決定法(Sa
ngerほか(1977)P.N.A.S.746463)により決定した。そ
の配列を第6図に示す。この図で、169から275までのヌ
クレオチド配列は、チユンパー(Tschumper)とカーボ
ン(Carbon)(Gene10157(1980))に従つている。潜
在的に重要な特徴をもつているところにはアンダーライ
ンがひかれている。新規な配列のデータには、上に線が
引かれていない全ての配列を含む。全てのTRP1 5′調節
領域を含むpMA103の誘導体を作るために、1組の構成体
を第7図に概略で示すように作つた。(この図で、太線
は酵母から得られたDNAを示す)2.2kb Hind III断片
は、タバク(Tabak)とフラベル(Flavell)の方法
((1978)NAR52321)により精製し、pBR322のHind III
部位へ挿入し、プラスミドpMA33を作つた。pMA33からの
小さなEcoRI断片を精製し、次にpMA101の唯一のEcoRI部
位に挿入した(第3図b参照)。TRP5′領域の再構成を
確実にするためにこの断片の配置を調べた。得られたプ
ラスミドは、pMA35と呼ばれる。その後、pMA35をEcoRI
で部分的に切断し、2μ:LEU2基本単位を挿入した。−1
03におけるEcoRI部位ではなく、pBR322のEcoRI部位にお
いて2μ:LEU2断片が存在しているので、組み換え分子
をスクリーニングした。このような分子は、pMA36であ
る(第7図)。 実施例3 酵母のPGK遺伝子の5′領域に基づいた多数の酵母の
発現ベクターを作つた。 酵母のPGK遺伝子は、酵母−大腸菌ベクターであるpMA
3(第1図)にある2.95kb Hind III断片上に存在してい
る。この分子の部分的制限地図を第8図aに示す。PGK
Hind III断片は、酵母のポリ−A RNAから作つた32Pでラ
ベルされたcDNAを使つて、λ762(Murrayほか(1977)M
olec.gen.Genet15053)に挿入されたHind III断片の集
団から単離した。この断片は、ヒツツマン(Hitzeman)
ほか((1980)JBC.25512073)によつて説明されたプラ
スミドpB1にあり、そして交雑の選択翻訳実験(Ricciar
diほか(1979)P.N.A.S.764927)における“3.1kb"断片
に似ている。この断片は、SDS−PAGEでの純粋なPGKと同
じ移動度を持つタンパク質を符号化して表わされてい
る。1.95kb断片の制限地図を、第8図bに示す。 酵母PGKの残基270〜400のアミノ酸配列を第9図aに
示す。この配列は手作業の及び自動化されたエドマン
(Edman)分解法により決定されたものである。このア
ミノ酸配列により、2.95kb Hind III断片上にある制限
部位とタンパク質配列にある2個又は3個のアミノ酸の
グループとを引き合わせることができる。第9図bは、
関連ある制限部位を示すものであり、このような部位は
第9図aのアミノ酸配列上に印がつけられている。制限
地図にある4つの部位の位置とタンパク質の配列は一致
しているので、1.95kb Hind III断片上の部位に関する
遺伝子の位置を決めることができる。PGKの分子量が40K
d(415アミノ酸残基)であり、また大きなイントロンが
ないとすれば、コード配列の5′と3′端の位置を予想
することもできる。コード配列の大きさは、直線状だと
すれば、第8図bのように表わされ、開始コードンはEc
oRI部位の左へ約900ヌクレオチドのところ、また終止コ
ードンは右へ約300ヌクレオチドのところにある。 PGK転写物の5′端の位置は、S1保護方法(BerkとShar
p(1978)P.N.A.S.751274)により確認した。コード配
列(第8図b)の5′端に及ぶ1.2kb Hae III断片をア
ガロース・ゲルで精製し、全酵母DNAと交雑させた。交
雑物を種々の濃度のS1ヌクレアーゼで処理し、その後得
られた物を1.95kb Hind III断片をプローブとして使用
し、サザン(Southern)交雑法により1.5%アガロース
・ゲルにかけて分析した。第10図は、1つの保護された
断片の大きさは680bpであることを示している。この図
で、それぞれのレーンにおけるS1の濃度は、a)25単
位、b)50単位、c)100単位である。レーンd)は、
未処理の1.2kb Hae III断片を持つている。これまでの
地図によるデータを基にすると、PGK転写物の5′端
は、2.95kb Hind III断片の上にあるEcoRI部位の左側約
960bpのところにあるようである。このことは、開始コ
ードンの位置に関する我々の予想とよく一致しており、
もし転写物の5′端とBgl II部位の間にイントロンがあ
るとすれば、それらは非常に小さいということを示唆す
るものである。PGK遺伝子の5′“調節”領域は、便利
な制限部位を殆ど含まない領域にあり、そのため配列計
画の作製を比較的困難にしている。この問題を解決する
ため、一般的にも役に立つであろう方法を採用した。プ
ラスミドpMA3−PGKをSal I(第8図)を用いて分解し、
次にエクソヌクレアーゼBAL 31を用いて分解して各端部
から約500bpを取り除いた。このことにより2つの小さ
なSal I断片が失われ、PGK配列とpBR322にあるSal I部
位における最も左のSal I部位から始まりそしてPGKの開
始コードンとpBR322のヌクレオチド1150付近でそれぞれ
終る幾つもの欠損部ができた。これらの欠損された分子
は、Bam HIリンカーが分子で50倍過剰に存在する中で連
結し、その後AKEC28をLEU+、AmpRに形質転換するために
使用した。pMA22a欠損シリーズと呼ばれるこれらの分子
の一般的構造を第11図に示す。70個のこれらの欠損分子
は、PGK遺伝子の5′領域を含むEcoRI−Bam HI断片の長
さを測定することにより分析した。それらの平均的長さ
は1.5kbであるが、500ヌクレオチドを含む大きさであ
る。従つて、この集団は、PGK遺伝子の5′領域の配列
分析のために有用な多くの分子を提供する。このような
2つの欠損部であるCとWを第8図bに示す。これらの
分子からの小さなEcoRI−Bam HI断片を精製し、M13mp70
1でクローン化し、それぞれの場合Bam HI部位から始ま
りEcoRI部位に向つて伸びるようにジデオキシ(dideox
y)鎖末端法(Sangerほか(1977)P.N.A.S.745463)に
より配列化させた。開始コードンから上流側の226ヌク
レオチドと最初の7コードンのヌクレオチド配列を第12
図に示す。(この図で、長四角は転写物の5′端に近い
位置を表す)。この配列は、4つの他の欠損部を重なつ
ている端点と配列化させることにより確認した(データ
は図示せず)。 pMA22a欠損シリーズは、中に発現ベクターに基づいた
多くの潜在的PGKを含む分子の集団から成つている。そ
れぞれ異つた大きさの小さなEcoRI−Bam HI断片を持つ
ており、従つてそれぞれ異つた“量”のPGK5′領域を持
つている。それらは全て、遺伝子が挿入され、そして発
現される唯一のBam HI部位を持つている。第13図は、印
のついた種々の欠損端点の位置を有する−226から+624
までのPGK遺伝子の配列を示す。欠損端点の番号(第13
図)は、アミノ酸32と33のコードンの間の欠損端点を有
するpMA22a欠損である例えばプラスミドpMA279のような
欠損を持つたプラスミドの名前を保持している。この位
置に配列CCGGATCCGGのBam HIリンカーを挿入した。各欠
損端点には、−1位置に挿入されたBgl IIリンカーCAAA
AGATCTTTTGを有するpMA301という例外はあるが、同じBa
m HIリンカーがある。このBgl IIリンカーは、開始ATG
の周りの領域のA量を増やすために使用した。 明らかに、プラスミドpMA278とpMA301は、それらの発
現部位に挿入された何等かのコード配列との転写融合物
を作り、従つて表1におけるpMA200p型となる。それに
対し、他のものは全て転写融合物と翻訳融合物の両者を
作るのである(即ち、融合タンパク質ができる)。pMA2
30は+1(読み取り枠)融合ベクターであり、pMA283は
内枠(+3)融合ベクターである。分子は、表1におけ
るpMA200f1、f2及びf3型である。 実施例4 酵母のPGK遺伝子からの5′と3′領域の両方から成
るpMA3013と呼ばれるPGKに基づく発現ベクターを作つ
た。 PGKの3′領域のヌクレオチド配列は標準的方法で決
定した。これを第14図に示す。第15図は、pMA3013を作
るための概要を示す。プラスミドpMA3−PGKはBgl IIとP
st Iを用いて切断し、PGK遺伝子(第15図に波線で示
す)の3′端を含む断片はタバク(Tabak)とフラベル
(Flavell)の方法(NAR52321(1978))により精製し
た。この後この断片をBgl IIとPst Iで切断されたpMA30
1と連結し、混合物は大腸菌株AKEC28をアンピシリン耐
性とロイシン、プロトトロフイに形質転換するために使
用した。できたクローンは、3つのHind III部位を持つ
たプラスミドを得るためスクリーニングした。このよう
なプラスミドは、pMA3013である。pMA3013は、PGKの
5′と3′領域に隣接した唯一のBgl II発現部位を持つ
ている。 実施例5 上述の種々の酵母の発現ベクターを、ヒトのα型イン
ターフエロンを異種で、潜在的に有用なコード配列とし
て使用して試験した。この配列は、ワーウイツク(Warw
ick)大学のバーク(D.C.Burke)教授によつて最初に作
られたプラスミドN5H8の誘導体であるBam HI断片に含ま
れている。インターフエロンの信号配列にあるアミノ酸
S15に対応する位置にあるATGの後にBam HIが配置される
ように修飾した。このBam HI断片のヌクレオチド配列を
第16図に示す。Bam HI断片はそれ自身の翻訳開始コード
ンを持つているので、転写融合の構成物において使用す
ることができ、また融合タンパク質を産生することにな
るベクターにおいても使用することができる。この断片
を種々の分子の発現部位に挿入した。この分子の一般的
構成を第17図に示す。次に、できた分子を酵母の菌株MD
40−4C(MD40−4C=αura2 trp1 leu2−3 leu2−112 hi
s3−11 his3−15)へ標準的な形質転換法で移入した(H
innenほか(1978)P.N.A.S.751919)。酵母中に産生さ
れたインターフエロンの濃度は、セムリキ・フオレスト
・ウイルス(SFV)を誘発剤として用いたウイルスRNA減
少検定法において、牛(EBTr)の細胞を使用して測定し
た(AthertonとBurke(1975)J.Gen.Virol29197)。表
2は、種々の組み換え分子を含む酵母細胞中に産生され
たインターフエロンの濃度を示すものである。 使用される発現ベクターが依存する系に、かなりの範
囲の発現能力があることがわかる。最高のレベルは、融
合タンパク質ベクターpMA230、転写ベクターpMA301とpM
A3013について得られ、それらでは全細胞タンパク質の
2%もがインターフエロンタンパク質として存在してい
る(第18図)。この図はクーマシ(Coomassie)で染め
たSDS−PAGEによるタンパク質の展開図であり、図にお
いてそれぞれ次のようなものを含む。 (a)pMA230を含むMD40−4cからの全タンパク質。 (b)pMA230/インターフエロンを含むMD40−4cからの
全タンパク質。 (c)NK2カラムでの部分的精製後のpMA230/インターフ
エロンを含むMD40−4cからのタンパク質。分子量のマー
カの位置を図に示す。矢印は、PGK−インターフエロン
融合タンパク質の位置を表す。 プラスミドを産生する全てのインターフエロンは、発
現プラスミドにより与えられる表現型との全個体群にお
ける細胞の割合によつて測定した場合、少くとも40代は
安定して保たれる。 実施例6 酵母中のPGKはグルコースによつて“誘発”される。
従つて、この調節系の認識に必要な構造が例えばpMA230
にある1500ヌクレオチドPGK断片上に存在しているかど
うかを確認することは興味深いことであつたし、もしそ
うであればヒトのα型インターフエロンはグルコースに
よつて調節され得る。 Bam HI部位に挿入されたα型インターフエロンの配列
を有するpMA230を含む酵母菌株MD40−4dは、炭素源とし
て酢酸塩に富む培地において、2×106細胞/mlの濃度に
なるまで12代増殖させた。これらの細胞は、新鮮な培地
を含む2つのフラスコに分けて接種材料として使用し
た。1つのフラスコには炭素源としてグルコースを含
み、もう1つの方には酢酸塩を含んでいた。従つて、酢
酸塩/酢酸塩、酢酸塩/グルコース、グルコース/グル
コースという接種材料/培地の3状態があつた。これら
の培地のアリコートを種々の間隔で取り出し、抽出物を
調製し、インターフエロン濃度を検定した。これらの検
定の結果を第19図に示す。この図において、●はグルコ
ース/グルコース、○は酢酸塩/酢酸塩、△は酢酸塩/
グルコースを表す。第19図のデータは、 グルコース/
グルコース培地には比較的高濃度のインターフエロンを
含み、これに対して酢酸塩/酢酸塩培地には実験中を通
して低濃度のインターフエロンしか含んでいないことを
示している。酢酸塩/グルコース培地は、細胞をグルコ
ース培地に移した後(時間0、第19図)、インターフエ
ロン濃度が増加することを表している。このインターフ
エロンの誘発は、約8時間以上にわたつて起きた。そし
て、グルコースで増殖した細胞により産生されたインタ
ーフエロンの濃度は、酢酸塩で増殖した細胞より20〜30
倍高い。 これらの結果は、インターフエロン濃度の炭素源によ
る調節は、PGK遺伝子の5′調節領域によつて仲立ちさ
れるということを強く示唆しているのであるが、酢酸塩
又はグルコースで増殖した細胞におけるプラスミドの安
定性には差異がないということを証明することが重要で
ある。従つて、第19図に表わされている実験の間、種々
の点で取つた酵母細胞のアリコートから、全DNAを調製
した。DNAはEcoRIを用いて分解し、断片は1%アガロー
ス・ゲルで分離した。その後分離したバンドをニトロセ
ルロースにブロット(blot)し、そして32P−YRP7と交
雑させた。このプローブのpBR322部分は、酵母のDNA調
製物におけるプラスミドの濃度を測定するのに役立ち、
これに対して1.45kb断片の配列は、DNA量の調節、輸送
効率、交雑効率を証明するために使用した。このサザン
(Southern)ブロット分析に加えて、アリコートにおけ
るLeu+細胞の割合は、ロイシンを含む培地とロイシンを
含まない培地でのコロニー数を比較することにより測定
した。全ての場合で、サザン交雑のグラフは同一であ
り、99%以上の細胞がLeu+であつて(データは図示せ
ず)、酢酸塩又はグルコースでの増殖は、プラスミドの
コピー数又は安定性に何等の影響を与えないことを示し
ている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の発現ベクターの構造において前駆体
として使用される2つの酵母の複製ベクターの部分的制
限エンドヌクレアーゼの図である。それらはpMA3及びpM
A91と表示されている。 第2図は、TRP1遺伝子のEcoRI断片の重なりを示す部分
的制限エンドヌクレアーゼの地図である。 第3図は、酵母の発現ベクターpMA103の構造を示す模式
図である。 第4図は、酵母の発現ベクターpMA103の部分的制限エン
ドヌクレアーゼの地図である。 第5図は、酵母の発現ベクターpMA113の部分的制限エン
ドヌクレアーゼの地図である。 第6図は、TR1 5′調節領域の配列を示すヌクレオチド
配列の図である。 第7図は、酵母の発現プラスミドpMA36の構造を示す模
式図である。 第8図aは、酵母のPGK遺伝子の位置を示すプラスミドp
MA3−PGKの部分的制限エンドヌクレアーゼの地図であ
る。 第8図bは、pMA3−PGKの2.95kb Hind III断片の地図で
ある。 第9図aは、酵母のPGKの270〜400残基の配列を示すア
ミノ酸配列の図である。 第9図bは、1.95kb Hind III断片の部分的エンドヌク
レアーゼの地図である。 第9図aと第9図bにより、PGKアミノ酸配列と制限部
位との比較ができる。 第10図は、PGKコード配列の5′端に及ぶHae III断片の
SI RNA保護の結果を示す図である。 第11図は、pMA22aの欠損例の一般的構造を示す部分的制
限エンドヌクレアーゼの地図である。 第12図は、PGK遺伝子の5′領域の配列を示すヌクレオ
チド配列の図である。 第13図は、印をつけた多くの欠損端を持つた−226から
+624までのPGK遺伝子の配列を示すヌクレオチド配列の
図である。 第14図は、EcoRI部位から停止コードンを越えてヌクレ
オチド140までのPGKの3′端における配列を示すヌクレ
オチド配列の図である。 第15図は、酵母の発現プラスミドpMA3013の構造を示す
模式図である。 第16図は、修飾されたBamHIヒトのα型インターフエロ
ン遺伝子断片の配列を示すヌクレオチド配列の図であ
る。 第17図は、一般的なインターフエロン酵母の発現プラス
ミドを示す部分的制限エンドヌクレアーゼの地図であ
る。 第18図は、pMA230でつくられたインターフエロン融合タ
ンパク質の産生を示す(矢印で表示)クーマシ(Coomas
sie)染めのSDS−PAGEゲルの図である。 第19図は、インターフエロンの発現のグルコース調節を
示す図である。
として使用される2つの酵母の複製ベクターの部分的制
限エンドヌクレアーゼの図である。それらはpMA3及びpM
A91と表示されている。 第2図は、TRP1遺伝子のEcoRI断片の重なりを示す部分
的制限エンドヌクレアーゼの地図である。 第3図は、酵母の発現ベクターpMA103の構造を示す模式
図である。 第4図は、酵母の発現ベクターpMA103の部分的制限エン
ドヌクレアーゼの地図である。 第5図は、酵母の発現ベクターpMA113の部分的制限エン
ドヌクレアーゼの地図である。 第6図は、TR1 5′調節領域の配列を示すヌクレオチド
配列の図である。 第7図は、酵母の発現プラスミドpMA36の構造を示す模
式図である。 第8図aは、酵母のPGK遺伝子の位置を示すプラスミドp
MA3−PGKの部分的制限エンドヌクレアーゼの地図であ
る。 第8図bは、pMA3−PGKの2.95kb Hind III断片の地図で
ある。 第9図aは、酵母のPGKの270〜400残基の配列を示すア
ミノ酸配列の図である。 第9図bは、1.95kb Hind III断片の部分的エンドヌク
レアーゼの地図である。 第9図aと第9図bにより、PGKアミノ酸配列と制限部
位との比較ができる。 第10図は、PGKコード配列の5′端に及ぶHae III断片の
SI RNA保護の結果を示す図である。 第11図は、pMA22aの欠損例の一般的構造を示す部分的制
限エンドヌクレアーゼの地図である。 第12図は、PGK遺伝子の5′領域の配列を示すヌクレオ
チド配列の図である。 第13図は、印をつけた多くの欠損端を持つた−226から
+624までのPGK遺伝子の配列を示すヌクレオチド配列の
図である。 第14図は、EcoRI部位から停止コードンを越えてヌクレ
オチド140までのPGKの3′端における配列を示すヌクレ
オチド配列の図である。 第15図は、酵母の発現プラスミドpMA3013の構造を示す
模式図である。 第16図は、修飾されたBamHIヒトのα型インターフエロ
ン遺伝子断片の配列を示すヌクレオチド配列の図であ
る。 第17図は、一般的なインターフエロン酵母の発現プラス
ミドを示す部分的制限エンドヌクレアーゼの地図であ
る。 第18図は、pMA230でつくられたインターフエロン融合タ
ンパク質の産生を示す(矢印で表示)クーマシ(Coomas
sie)染めのSDS−PAGEゲルの図である。 第19図は、インターフエロンの発現のグルコース調節を
示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ス−ザン・メアリ・キングズマン
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〜146
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.酵母の選択マーカ、酵母の複製源、及び、制限部位
に挿入されたポリペプチドのコード配列から発現が得ら
れるように、唯一の制限部位に関係して位置している酵
母のプロモータから成る酵母の発現ベクターであって、 上記酵母のプロモータが少なくとも該酵母のPGK遺伝子
の5′領域の機能的に活性のプロモータ部分を含むこと
を特徴とする酵母の発現ベクター。 2.酵母の発現ベクターが、少なくとも該酵母のプラス
ミド2μ複製源の一部分と、少なくともLEU2酵母の選択
マーカの一部分とを含む特許請求の範囲1項の酵母の発
現ベクター。 3.酵母の発現ベクターが、少なくとも自己複製配列の
一部分と、少なくとも自己複製配列安定化配列の一部分
とを含む特許請求の範囲1項の酵母の発現ベクター。 4.酵母の発現ベクターが少なくともポリペプチドのコ
ードとなる遺伝子の一部分を含む特許請求の範囲1〜3
項のいずれか1項の酵母の発現ベクター。 5.酵母の発現ベクターが少なくともヒトのα型インタ
ーフェロンのコードとなる遺伝子の一部分を含む特許請
求の範囲1〜4項のいずれか1項の酵母の発現ベクタ
ー。
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