JP2666323B2 - 嫌気性細菌培養用脱酸素剤 - Google Patents
嫌気性細菌培養用脱酸素剤Info
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- JP2666323B2 JP2666323B2 JP2697688A JP2697688A JP2666323B2 JP 2666323 B2 JP2666323 B2 JP 2666323B2 JP 2697688 A JP2697688 A JP 2697688A JP 2697688 A JP2697688 A JP 2697688A JP 2666323 B2 JP2666323 B2 JP 2666323B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、嫌気細菌の培養に適した脱酸素剤に関す
る。
る。
<従来の技術> 脱酸素剤を用いた嫌気性細菌の培養として例えば特公
昭58−4913号公報に示されており、手軽に培養が行なう
ことができ、各機関で用いられるようになってきた。
昭58−4913号公報に示されており、手軽に培養が行なう
ことができ、各機関で用いられるようになってきた。
この嫌気性細菌の培養に用いる脱酸素剤として、特公
昭61−43995号公報に示すように、アスコルビ酸または
その塩、第1鉄塩を主剤とした粉末タイプの脱酸素剤を
用いる雰囲気中の酸素濃度および炭酸ガス濃度を調整す
るため脱酸素剤の組成比を変えて行うものがあった。こ
の脱酸素剤は、予じめ水を加えないで、組成中の結晶水
により徐々に酸素吸収、炭酸ガス発生反応が進むため、
培養雰囲気が嫌気性細菌の培養に適した状態になるまで
約6時間を要してしまい、時間の短縮が望まれていた。
昭61−43995号公報に示すように、アスコルビ酸または
その塩、第1鉄塩を主剤とした粉末タイプの脱酸素剤を
用いる雰囲気中の酸素濃度および炭酸ガス濃度を調整す
るため脱酸素剤の組成比を変えて行うものがあった。こ
の脱酸素剤は、予じめ水を加えないで、組成中の結晶水
により徐々に酸素吸収、炭酸ガス発生反応が進むため、
培養雰囲気が嫌気性細菌の培養に適した状態になるまで
約6時間を要してしまい、時間の短縮が望まれていた。
この短時間で培養雰囲気を達成する脱酸素剤として特
開昭61−138533号公報に示されるようにアルコルビン酸
ナトリウムおよび第一鉄塩の混合水溶液を含浸し易すい
繊維質基材に含浸したものを提案した。
開昭61−138533号公報に示されるようにアルコルビン酸
ナトリウムおよび第一鉄塩の混合水溶液を含浸し易すい
繊維質基材に含浸したものを提案した。
この脱酸素剤は、1時間後に嫌気性細菌培養雰囲気を
達成するが、経時的に炭酸ガスの発生が続き、最終的に
は約20%まで達してしまい、嫌気性細菌の培養雰囲気が
高濃度すぎてしまう問題が発生した。
達成するが、経時的に炭酸ガスの発生が続き、最終的に
は約20%まで達してしまい、嫌気性細菌の培養雰囲気が
高濃度すぎてしまう問題が発生した。
この問題を解決するため別の繊維質基材に例えば水酸
化カルシウム水溶液を含浸させて用いる手段が考えられ
るが、このようにして用いると炭酸ガスの初期における
吸収速度が早く、初期濃度が低く、最終濃度は高く、炭
酸ガスの濃度を一定範囲に保つのは困難であった。
化カルシウム水溶液を含浸させて用いる手段が考えられ
るが、このようにして用いると炭酸ガスの初期における
吸収速度が早く、初期濃度が低く、最終濃度は高く、炭
酸ガスの濃度を一定範囲に保つのは困難であった。
また、溶液タイプの脱酸素剤は、一定の雰囲気を達成
するためにアスコルビン酸ナトリウムと第1鉄塩との濃
度調整が微妙で取扱が煩雑なものであった。
するためにアスコルビン酸ナトリウムと第1鉄塩との濃
度調整が微妙で取扱が煩雑なものであった。
<解決しようとする課題> 本発明の目的は、脱酸素剤の取扱いが簡便な粉末タイ
プで2時間以内、好ましくは1時間以内に好ましい嫌気
性細菌の培養雰囲気(酸素濃度0.1%以下、炭酸ガス濃
度5〜10%)とすることができ、しかもその雰囲気を保
つことができる脱酸素剤を提供することである。
プで2時間以内、好ましくは1時間以内に好ましい嫌気
性細菌の培養雰囲気(酸素濃度0.1%以下、炭酸ガス濃
度5〜10%)とすることができ、しかもその雰囲気を保
つことができる脱酸素剤を提供することである。
<課題を解決する為の手段> 本発明は、アスコルビン酸またはその塩を主剤とし、
水酸化アルカリ化合物、第1鉄塩、活性炭、ケイ酸カル
シウムおよび水を加えてなる脱酸素剤で、ケイ酸カルシ
ウムの量を活性炭に対して等量以上の範囲とし、しかも
ケイ酸カルシウムと活性炭の合計量が2/3〜1の範囲と
した脱酸素剤である。
水酸化アルカリ化合物、第1鉄塩、活性炭、ケイ酸カル
シウムおよび水を加えてなる脱酸素剤で、ケイ酸カルシ
ウムの量を活性炭に対して等量以上の範囲とし、しかも
ケイ酸カルシウムと活性炭の合計量が2/3〜1の範囲と
した脱酸素剤である。
また、水酸化アルカリ化合物の量は、所期の炭酸ガス
の濃度に応じて定めればよく、また水の量は、他の成分
の合計重量に対して約1/2であるのが好ましい。
の濃度に応じて定めればよく、また水の量は、他の成分
の合計重量に対して約1/2であるのが好ましい。
酸素吸収反応に必要な水は、充填前に予じめ活性炭に
吸着させておいてもよいが、透湿性、防水性の材料で包
装し、使用前にエージングを行い、水を活性炭に吸着さ
せるのが好ましい。
吸着させておいてもよいが、透湿性、防水性の材料で包
装し、使用前にエージングを行い、水を活性炭に吸着さ
せるのが好ましい。
この水を包装する材料としては、例えば内面に熱可塑
性ウレタン層、外面に不織布等の通気性材料を用いれば
よい。
性ウレタン層、外面に不織布等の通気性材料を用いれば
よい。
<作用> 脱酸素剤のケイ酸カルシウムの量が一定範囲で混合さ
れているので粉末タイプであるが、各組成の分散が均一
であり、また水により固まったり、べたついたりするこ
とがなく、主剤による酸素吸収速度が速く、同時に炭素
ガスの発生速度も早く、短時間に培養雰囲気を達成する
ことができる。
れているので粉末タイプであるが、各組成の分散が均一
であり、また水により固まったり、べたついたりするこ
とがなく、主剤による酸素吸収速度が速く、同時に炭素
ガスの発生速度も早く、短時間に培養雰囲気を達成する
ことができる。
そして、反応が各部で均一に進むもので経時的にも炭
酸ガス濃度を5〜10%の範囲に保つことができる。
酸ガス濃度を5〜10%の範囲に保つことができる。
<実施例> 下記表−1からなる組成の脱酸素剤をそれぞれ8gずつ
内側が穴あきポリエチレンフィルム、外側が不織布から
なる袋に充填密封した薬剤包装体と内側が熱可塑性ウレ
タン層、外側が不織布からなる袋に水を4gずつ充填、密
封した水包装体とをポリ塩化ビニリデンコートポリエス
テル/ポリエチレンからなる外装体に密封し、40℃で3
日間エージング後、外装体を開封し、薬剤包装体のみ取
り出して、容量1の容器中にそれぞれ入れ、経時的に
容器中の酸素濃度および炭酸ガス濃度を測定した。その
結果を表−2に示す。
内側が穴あきポリエチレンフィルム、外側が不織布から
なる袋に充填密封した薬剤包装体と内側が熱可塑性ウレ
タン層、外側が不織布からなる袋に水を4gずつ充填、密
封した水包装体とをポリ塩化ビニリデンコートポリエス
テル/ポリエチレンからなる外装体に密封し、40℃で3
日間エージング後、外装体を開封し、薬剤包装体のみ取
り出して、容量1の容器中にそれぞれ入れ、経時的に
容器中の酸素濃度および炭酸ガス濃度を測定した。その
結果を表−2に示す。
表中の数値は、重量部を示す。
表中の数値は酸素濃度/炭酸ガス濃度を示す。
<発明の効果> 本発明の脱酸素剤は以上の構成からなるので、アスコ
ルビン酸またはその塩からなる主剤の酸素吸収反応が均
一、かつ迅速に進み、またこの反応に伴なう主剤の分解
反応も同時に進行し、一定の酸素吸収量、炭酸ガス発生
量を制御できる。
ルビン酸またはその塩からなる主剤の酸素吸収反応が均
一、かつ迅速に進み、またこの反応に伴なう主剤の分解
反応も同時に進行し、一定の酸素吸収量、炭酸ガス発生
量を制御できる。
これにより、系内の炭酸ガス濃度を低くしたい場合に
は、水酸化アルカリの量を多くすることにより容易に調
整可能で、嫌気性細菌の培養に必要な酸素濃度および炭
酸ガス濃度を2時間以内に得ることができる。
は、水酸化アルカリの量を多くすることにより容易に調
整可能で、嫌気性細菌の培養に必要な酸素濃度および炭
酸ガス濃度を2時間以内に得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】アスコルビン酸またはその塩を主剤とし、
水酸化アルカリ化合物、第1鉄塩、ケイ酸カルシウム、
活性炭および水を加えてなる嫌気性細菌培養用脱酸素
剤。 - 【請求項2】ケイ酸カルシウムの量を活性炭に対して等
量以上である第1項記載の嫌気性細菌培養用脱酸素剤。 - 【請求項3】ケイ酸カルシウムと活性炭の合計量が主剤
に対して2/3〜1の範囲である第1項または第2項記載
の嫌気性細菌培養用脱酸素剤。 - 【請求項4】水の量が他の成分の合計量の約1/2である
第1項乃至第3項のいずれか1項記載の嫌気性細菌培養
用脱酸素剤。 - 【請求項5】水が防水性で透湿性を有する材料で包装さ
れている第4項記載の嫌気性細菌培養用脱酸素剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2697688A JP2666323B2 (ja) | 1988-02-08 | 1988-02-08 | 嫌気性細菌培養用脱酸素剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2697688A JP2666323B2 (ja) | 1988-02-08 | 1988-02-08 | 嫌気性細菌培養用脱酸素剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01202281A JPH01202281A (ja) | 1989-08-15 |
JP2666323B2 true JP2666323B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=12208189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2697688A Expired - Fee Related JP2666323B2 (ja) | 1988-02-08 | 1988-02-08 | 嫌気性細菌培養用脱酸素剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2666323B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU647460B2 (en) * | 1991-02-28 | 1994-03-24 | Toppan Printing Co. Ltd. | Atmosphere conditioning agent |
EP0869172B1 (en) * | 1997-04-01 | 2003-10-15 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Atmosphere regulator and method for culturing anaerobic bacteria |
EP1550506B1 (en) * | 2002-10-08 | 2016-03-09 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Oxygen scavenger composition |
CN107532120A (zh) * | 2015-04-29 | 2018-01-02 | 3M创新有限公司 | 独立成套的产生无氧环境的培养装置 |
JP7322545B2 (ja) * | 2019-06-24 | 2023-08-08 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 嫌気性細菌培養用ガス濃度調整剤及びこれを用いた嫌気性細菌の培養方法 |
-
1988
- 1988-02-08 JP JP2697688A patent/JP2666323B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01202281A (ja) | 1989-08-15 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |