JP2662830B2 - Cm−キチン誘導体およびその用途 - Google Patents

Cm−キチン誘導体およびその用途

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Arg-Gly-Asp のトリペ
プチドを必須単位として有するCM−キチン誘導体およ
びその塩、並びにそれを有効成分とする動物細胞の接着
阻害剤及び血小板の凝集・粘着抑制剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フィブロネクチンは細胞−細胞外基質の
接着に関与するタンパク質であり、血小板凝集やガン転
移にも関与していると考えられている。これらの相互作
用は一連の細胞表面のレセプターにより仲介され、フィ
ブロネクチンは分子量約25万の巨大分子であるにもか
かわらず、これらのレセプターがそのArg-Gly-Asp 配列
を特異的に認識することが明らかにされ、レセプターと
の相互作用に重要なものであることが報告されている
(ネイチャー(Nature) 、第309巻、30頁、198
4年)。以来、Arg-Gly-Asp 配列を有するオリゴあるい
はポリペプチドを用いる研究が進められている。
【0003】例えば、Arg-Gly-Asp 配列を有する種々の
鎖状および環状のオリゴペプチドを用いて血小板凝集を
阻害する方法(高分子学会予稿集(Polymer Preprints,
Japan)、第38巻、3149頁、1989年、特開平2
−174797号)、 Arg-Gly-Asp配列を有するペプチ
ドを細胞移動抑制剤として用いる方法 (特開平2−47
16号) 、Arg-Gly-Asp を固定化したPMMA膜を細胞
接着膜として用いる方法(高分子学会予稿集(Polymer
Preprints,Japan)、第37巻、705頁、1988年) が報
告されている。さらに、ポリマーにArg-Gly-Asp を必須
構成単位とするペプチドを共有結合させ動物細胞培養基
体、生体複合人工臓器用基体として用いる方法(特開平
1−309682号、特開平1−305960号)、Ar
g-Gly-Asp-Ser 配列を有するポリペプチドを体外血液用
血小板保護剤として用いる方法が開示されている(特開
昭64−6217号)。また、Arg-Gly-Asp 配列を有する
オリゴペプチドあるいはその繰り返し構造を有するポリ
ペプチドを用いて、ガン転移を抑制する方法が知られて
いる((Int. J. Biol. Macromol.) 、第11巻、23
頁、1989年、同誌、第11巻、226頁、1989
年、(Jpn. J. CancerRes.)第60巻、722頁、19
89年)。
【0004】キチンはN−アセチル−D−グルコサミン
がβ−(1→4)結合した多糖で、甲穀類や昆虫類の外
骨格の主成分である。下等動物や無脊椎動物に広く分布
して生体の支持や防護の役割をになっており、植物界の
セルロースに相当する。キチンは最後のバイオマスとも
呼ばれ近年その誘導体の研究が盛んに行なわれ、特に溶
媒に可溶なキチン誘導体に関する研究が多く報告されて
いる。C−6位の水酸基にカルボキシルメチル基が結合
したCM−キチンは水溶性であり、各種キチン誘導体の
出発物質としても重要な化合物である。キチンおよびそ
の誘導体については、キチン・キトサン研究会編“キチ
ン・キトサンの応用”(技報堂)、キチン・キトサン研
究会編“最後のバイオマス キチン・キトサン”(技報
堂)に詳しく記載されている。
【0005】CM−キチンはカルボキシル化の際に脱ア
セチル化が起こるため、カルボキシル基に加えてアミノ
基も存在している。CM−キチンのアミノ基は容易に二
塩基酸およびその誘導体好ましくは多塩基酸無水物によ
ってカルボキシル化することが出来る。また、CM−キ
チンのN,O−硫酸化も容易に行なうことが出来る。し
かし、CM−キチンの誘導体としてArg-Gly-Asp を必須
単位とするオリゴペプチドあるいはその繰り返し構造を
有するポリペプチドを導入した化合物は知られておら
ず、導入した場合にはレセプターとの結合能の増強およ
び血液中での安定化が期待できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
なCM−キチン誘導体およびそれを有効成分とする動物
細胞の接着阻害剤並びに血小板凝集・粘着抑制剤を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、CM−キチン
の側鎖にアミド結合、エステル結合、エーテル結合、ウ
レタン結合のいずれかを介し、下記一般式〔I〕又は
〔II〕で表される接着性ペプチドを必須単位として有す
るキチン誘導体またはその塩を提供するものである。 一般式〔I〕 −〔R 1 〕−〔CO〕−(〔X〕-Arg-Gly-Asp−〔Y〕) n −〔Z〕−〔R 2 式中〔 〕は存在するかあるいは存在しなくともよく、
存在する場合はX、YはSer, Gly, Val, Asn, Pro から
選択されるアミノ酸残基又はペプチド残基を示し、
(〔X〕-Arg-Gly-Asp−〔Y〕) は6個までのアミノ酸
残基からなり、Zは−O−または−NH−を示す。 1
は、炭素数が1〜9の直鎖または分岐のアルキレン基、
または炭素数が6〜9のアリーレン基であり、置換基を
有していてもよい。R 2 は、水素又は炭素数が1〜9の
直鎖または分岐のアルキル基、または炭素数が6〜9の
アリール基であり、置換基を有していてもよい。nは1
〜5の整数を示す。 一般式〔II〕 〔R 3 〕−〔CO〕−(〔X〕-Arg-Gly-Asp−〔Y〕) n −〔Z〕−〔R 4 〕− 式中〔 〕は存在するかあるいは存在しなくともよく、
存在する場合はX、YはSer, Gly, Val, Asn, Pro から
選択されるアミノ酸残基又はペプチド残基を示し、
(〔X〕-Arg-Gly-Asp−〔Y〕) は6個までのアミノ酸
残基からなり、Zは−O−または−NH−を示す。
3 は、水素又は炭素数が1〜9の直鎖または分岐のアル
キル基、または炭素数が6〜9のアリール基であり、置
換基を有していてもよい。R 4 は、炭素数が1〜9の直
鎖または分岐のアルキレン基、または炭素数が6〜9の
アリーレン基であり、置換基を有していてもよい。nは
1〜5の整数を示す。
【0008】R1 及びR2 の置換基としては、カルボニ
ル基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、ス
ルホ基、ハロゲン原子、アリール基、ニトロ基、シアノ
基、不飽和基の2重結合、3重結合等があげられ、同一
鎖に2つ以上有していてもよい。本発明はさらに上記C
M−キチン誘導体またはその塩を有効成分とする動物細
胞の接着阻害剤並びに血小板凝集・粘着抑制剤を提供す
るものである。
【0009】本発明は、硫酸化CM−キチン、カルボキ
シル化CM−キチンまたはCM−キチンに、Arg-Gly-As
p を必須単位として有する接着性ペプチドを共有結合し
てなるCM−キチン誘導体である。CM−キチン誘導体
の分子量は好ましくは20万以下、特に3000−10
万の範囲で、室温で水溶性であることが好ましい。カル
ボキシル化剤として、無水コハク酸、無水マレイン酸、
無水フタル酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、ピ
ロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、等が挙げ
られる。本発明に係わる接着性ペプチドに用いられるア
ミノ酸はL体、D体どちらでもよいが、好ましくはL体
である。
【0010】本発明のCM−キチン誘導体の塩として
は、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホウ
酸塩等の無機酸との塩や、酢酸塩、トリフルオロ酢酸
塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、乳酸塩、酒石酸
塩等の有機酸との塩等が挙げられる。ペプチド合成法と
しては特に限定されないが、液相法、固相法、および自
動合成装置による合成方法が挙げられる。これらの合成
方法の詳細については、生化学実験講座“タンパク質の
化学IV”p207−495(日本生化学会編、東京化学同
人)、“続生化学実験講座タンパク質の化学(下)”(日
本生化学会編、東京化学同人)、泉屋ら編“ペプチド合
成の基礎と実験”(丸善)に記載されている。また、市
販されている合成ペプチドを利用することも可能であ
る。
【0011】CM−キチンおよびカルボキシル化CM−
キチンと接着性ペプチドの結合には、臭化シアン、酸ア
ジド、水溶性カルボジイミド等を利用したアミド結合合
成方法が挙げられる。本発明のCM−キチン誘導体は、
細胞接着性蛋白質のコア配列Arg-Gly-Asp を有し、該コ
ア配列を介して細胞接着性蛋白質と同様の機序で細胞に
接着する。そのため、細胞接着性蛋白質のアゴニストま
たはアンタゴニストとして種々の生物活性を示し、免疫
調整作用、創傷治癒作用、毛細血管中で起こる癌細胞に
よる血小板凝集抑制作用、神経疾患治癒作用などの広範
な生物活性が認められている。
【0012】従って、本発明のCM−キチン誘導体は、
その少なくとも一種を、場合により慣用の担体または医
薬用助剤とともに、癌転移抑制剤、創傷治癒剤、免疫調
整剤、血小板凝集・粘着抑制剤として患者に投与するこ
とが可能である。特に、動物細胞接着阻害剤または血小
板凝集・粘着抑制剤としての使用が好ましい。その投与
量は、0.2μg/kg〜400mg/kgの範囲で、症状、年
齢、体重等に基づいて決定される。
【0013】本発明のCM−キチン誘導体は、ペプチド
系医薬に一般に使用されている投与方法、即ち非経口投
与方法、例えば静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与等に
よって投与するのが好ましい。そのような注射用製剤を
製造する場合、本発明のキチン誘導体を例えば、後記実
施例で示すようにPBSまたは生理食塩水に溶解して、
注射用製剤としてもよく、あるいは0.1N程度の酢酸水
等に溶解した後、凍結乾燥製剤としてもよい。この様な
製剤には、グリシンやアルブミン等の慣用の安定剤を添
加してもよい。さらに、本発明のキチン誘導体は、例え
ばリポソーム中に包容したマイクロカプセル剤とすれ
ば、経口投与することも可能であり、座剤、舌下錠、点
鼻スプレー剤等の形にすれば、消化管以外の粘膜からも
吸収させることが可能である。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが本
発明はこれらに限定されるものではない。 製造例1 接着性ペプチドの固相法による合成 Merrifield方式によるペプチド合成装置を用いて合成を
行なった。αアミノ基の保護にはBoc 基を用い、樹脂か
ら切出した後、分取用HPLC(高速液体クロマトグラ
フィー)で精製し、単一ピークを示す接着性合成ペプチ
ドを得た。 接着性合成ペプチド 名 称 構造式 略号 配列番号 収率 ペプチド-1 H-Arg-Gly-Asp-OH RGD 1 37% ペプチド-2 H-(Arg-Gly-Asp)2-OH (RGD)2 2 28% ペプチド-3 H-(Arg-Gly-Asp)3-OH (RGD)3 3 19% ペプチド-4 H-(Arg-Gly-Asp)5-OH (RGD)5 4 11%
【0015】製造例2 ペプチド−5 H-(Arg-Gly-Asp-Ser-Gly)-NH2(配列番号
5)ペプチド−5を逐次延長法により液相法で合成し
た。 (1)Boc Ser(Bzl)GlyNH2 の合成 BocSer(Bzl)59g (0.2mol)をCH2Cl2400ml に溶解しDC
C41.2g(0.2mol)を氷冷下に加えた。この溶液に、GlyN
H2・HCl22.1gをCH2Cl2 400mlに溶かしてから、N−メチ
ルモルホリン20.2gで氷冷下中和した溶液を添加し
た。氷冷下3時間攪拌してから、さらに室温で終夜攪拌
した。沈澱物をろ別してから減圧濃縮し酢酸エチルに溶
解した。NaHCO3水溶液、1Mクエン酸水溶液、NaCl水溶
液の順に洗浄し、Na2SO4で乾燥してから減圧乾固して白
色粉末58.3g(収率83%)を得た。
【0016】(2)BocAsp(OBzl)Ser(Bzl)GlyNH2 の合成 Boc Ser(Bzl)GlyNH2 56.2g(0.16mol)にTFA/CH2Cl
2=1/1 400mlを加え室温で1時間攪拌した後、TFA とC
H2Cl2を減圧濃縮した。これを酢酸エチルに溶解しNaHCO
3水溶液で中和した後NaCl水溶液で洗浄した。Na2SO4
乾燥してから酢酸エチルを減圧留去した。
【0017】この化合物と、BocAsp(OBzl)51.7g (0.16m
ol)をCH2Cl2 800mlに溶解し、DCC33g(0.16mol)を氷冷
下加え3時間攪拌してから、さらに室温で終夜攪拌し
た。減圧下CH2Cl2を留去してから酢酸エチルに溶解し
た。NaHCO3水溶液、1Mクエン酸水溶液、NaCl水溶液の
順に洗浄し、Na2SO4で乾燥してから減圧乾固して白色粉
末71.2g(収率80%)を得た。
【0018】(3)BocGlyAsp(OBzl)Ser(Bzl)GlyNH2 の合
成 BocAsp(OBzl)Ser(Bzl)Gly NH2 66.7g(0.12mol)にTFA:CH
2Cl2=1:1 400mlを加えて室温で1時間攪拌した後、
TFAを減圧濃縮した。これを酢酸エチルに溶解しNaHC
O3水溶液で中和した後NaCl水溶液で洗浄した。Na2SO4
乾燥してから酢酸エチルを減圧留去した。
【0019】この化合物とBocGly51.7g(0.12mol)をCH2C
l2 700mlに溶解し、DCC24.7g (0.12mol)を氷冷下加え3
時間攪拌してから、さらに室温で終夜攪拌した。DCurea
をろ別してから減圧濃縮し酢酸エチルに溶解した。NaHC
O3水溶液、1Mクエン酸水溶液、NaCl水溶液の順に洗浄
し、Na2SO4で乾燥してから減圧乾固して白色粉末61.8g
(収率84%)を得た。
【0020】(4)BocArg(Mts)GlyAsp(OBzl)Ser(Bzl)GlyN
H2の合成 BocGlyAsp(OBzl)Ser(Bzl)Gly NH2 61.3g(0.1mol)にTFA:
CH2Cl2=1:1 400mlを加えて室温で1 時間攪拌した
後、TFA とCH2Cl2を減圧濃縮した。これを酢酸エチルに
溶解しNaHCO3水溶液で中和した後NaCl水溶液で洗浄し
た。Na2SO4で乾燥してから酢酸エチルを減圧留去した。
【0021】この化合物とBocArg(Mts)(Mts はメシチレ
ン−2−スルホニル基を示す)45.6g(0.1mol)をDMF 80
0ml に溶解し、DCC22.5g(0.1mol )、HOBt14g(0.1mol)
を氷冷下加え3時間攪拌してから、さらに室温で終夜攪
拌した。DCureaをろ別してから減圧濃縮し酢酸エチルに
溶解した。NaHCO3水溶液、1Mクエン酸水溶液、NaCl水
溶液の順に洗浄し、Na2SO4で乾燥してから減圧乾固して
白色粉末42.8g(収率45%)を得た。
【0022】(5) ペプチド−5 保護体の脱保護 BocArg(Mts)GlyAsp(OBzl)Ser(Bzl)GlyNH2 5g(5.3mmol)
のTFA 溶液に、1Mトリフルオロメタンスルホン酸- チオ
アニソール−m−クレゾールのTFA 溶液を氷冷下加えて
1時間反応させ、ペプチド側鎖および末端の保護基の脱
保護を行った。反応液をエーテル中に投入しオイル状の
沈殿物を蒸留水に溶解し酢酸エチルで洗浄した後、陰イ
オン交換樹脂カラム(アンバーライトIRA−400C
l 型)に通して塩酸塩とし凍結乾燥した。白色固体2.17
g(収率86%)が得られた。 アミノ酸分析 (nmol/50 μl) Arg 4.9877, Gly 10.3916, Asp 5.0199, Ser 4.8891, マススペクトル M+ 404
【0023】製造例3 ペプチド−6 H−(Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro)−OH
(配列番号6)Merrifield方式によるペプチド合成装置
を用いて合成を行なった。αアミノ基の保護にはBoc 基
を用い、樹脂から切出した後分取用HPLC(高速液体
クロマトグラフィー)で精製し、単一ピークを示す接着
性合成ペプチドを得た。 収率 25%
【0024】合成例1 CM−キチン−RGDS(配列
番号7)の合成 粘度9cps(1%溶液、20℃)、エーテル化度0.7
8、脱アセチル化度0.5のCM−キチン(焼津水産化学
工業製)0.30gをpH7.4のリン酸バッファーに溶解
し、0℃に保ちながら水溶性DCC〔1−エチル−3,3
−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド〕12
8mgの2.6mlリン酸バッファー溶液を加えて、1.5時間
反応させた。ついで、8mlのリン酸バッファーに溶解し
た接着性ペプチド Arg-Gly-Asp-Ser (RGDS)(国産化学
工業製)400mgを添加し4℃で一晩反応させた。反応
溶液を、Visking tubeに入れ、イオン交換水、ついで純
水に対して透析し低分子量成分を除いて精製、凍結乾燥
した。収量0.24g 構造の確認は、IRおよびアミノ
酸分析により行なった。 CM−キチンRGDS アミノ酸分析 ( nmol/50μl ) グルコサミン 20.5558 Arg 2.0556 Gly 2.1352 Asp 1.9854 Ser 1.8792 以下の計算式に従いアルギニン残基濃度とグルコサミン
濃度の比よりRGDSフラグメントの導入率を計算し約
10%の値を得た。
【0025】 導入率= [Arg] / [グルコサミン] ×100 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動
1652cm-1 合成例2 スクシニル化CM−キチン−RGDSの合
成 合成例1のCM−キチン20.0gを1%トリエチルアミ
ン溶液100mlに溶解、これに無水コハク酸34.0g、
4−ジメチルアミノピリジン2.00gを加え室温で一昼夜
かくはんした。反応終了後溶液を大過剰のアセトンに投
入して、スクシニル化CM−キチンを再沈殿させた。沈
殿を集め更に大量のメタノールで洗浄した後エーテルで
洗浄し真空乾燥させた。収量22.40gスクシニル化C
M−キチン0.30gをpH7.4のリン酸バッファーに溶解
し、0℃に保ちながら水溶性DCC(1−エチル−3,
3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド)1
28mgの2.6mlリン酸バッファー溶液を加えて、1.5時
間反応させた。ついで、8mlのリン酸バッファーに溶解
したRGDS400mgを添加し4℃で一晩反応させた。
反応溶液を、Visking tubeに入れイオン交換水、ついで
純水に対して透析し、低分子量成分を除いて精製、凍結
乾燥した。収量0.26g構造の確認は、IRおよびアミ
ノ酸分析により行なった。アミノ酸分析の結果RGDS
フラグメントの導入率は約10%であった。
【0026】スクシニル化CM−キチン−RGDSの構
造式を以下に示す。
【0027】
【化1】
【0028】 スクシニル化CM−キチンRGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 23.6218 Arg 2.3622 Gly 2.1253 Asp 2.2391 Ser 2.0031 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動 16
52cm-1
【0029】合成例3 マレイル化CM−キチンRG
DS 合成例1のCM−キチン20.00gと36.6gの無水マ
レイン酸を合成例2と同様に反応させマレイル化CM−
キチン21.60gを得た。マレイル化CM−キチン0.3
0gをpH7.4のリン酸バッファーに溶解し、合成例2と
同様にしてRGDSフラグメントを共有結合させた。収
量0.33g 構造の確認は、IRおよびアミノ酸分析によ
り行なった。アミノ酸分析の結果RGDSフラグメント
の導入率は約11%であった。 マレイル化CM−キチンRGDS アミノ酸分析 (nmol/50 μl) グルコサミン 28.4956 Arg 3.1345 Gly 2.7751 Asp 2.7213 Ser 2.5694 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1648
cm-1
【0030】合成例4 フタロイル化CM−キチン−
RGDS 合成例1のCM−キチン20.00gと50.0gの無水フ
タル酸を合成例2と同様に反応させ、フタロイル化CM
−キチン22.31gを得た。
【0031】フタロイル化CM−キチン0.30gをpH7.
4のリン酸バッファーに溶解し、合成例2と同様にして
RGDSフラグメントを共有結合させた。収量0.44g
構造の確認は、IRおよびアミノ酸分析により行なっ
た。アミノ酸分析の結果RGDSフラグメントの導入率
は約12%であった。 フタロイル化CM−キチンRGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 19.1856 Arg 2.3023 Gly 2.2231 Asp 1.8937 Ser 1.7632 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1652
cm-1
【0032】合成例5 イタコニル化CM−キチン−
RGDS 合成例1のCM−キチン20.00gと38.0gの無水イ
タコン酸を合成例2と同様に反応させイタコニル化CM
−キチン21.45gを得た。イタコニル化CM−キチン
0.30gをpH7.4のリン酸バッファーに溶解し、合成例
2と同様にしてRGDSフラグメントを共有結合させ
た。収量0.36g 構造の確認は、IRおよびアミノ酸
分析により行なった。アミノ酸分析の結果RGDSフラ
グメントの導入率は約9%であった。 イタコニル化CM−キチンRGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 35.2316 Arg 3.1708 Gly 3.2511 Asp 3.1005 Ser 2.8862 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1650
cm-1
【0033】合成例6 トリメリチル化CM−キチン
−RGDS 合成例1のCM−キチン20.00gと64.9gのトリメ
リト酸無水物を合成例2と同様に反応させトリメリチル
化CM−キチン23.75gを得た。トリメリチル化CM
−キチン0.30gをpH7.4のリン酸バッファーに溶解
し、合成例2と同様にしてRGDSフラグメントを共有
結合させた。収量0.37g構造の確認は、IRおよびア
ミノ酸分析により行なった。アミノ酸分析の結果 RGDS
フラグメントの導入率は約14%であった。 トリメリチル化CM−キチンRGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 18.7612 Arg 2.6266 Gly 2.7899 Asp 2.5532 Ser 2.2689 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1656
cm-1
【0034】合成例7 CM−キチン−GRGDS
(配列番号8) 接着性ペプチドフラグメントとしてGly-Arg-Gly-Asp-Se
r(GRGDS)(国産化学工業製)460mgを用い、
合成例1と同様にしてCM−キチン−GRGDSを合成
した。収量0.36g 構造の確認は、IRおよびアミノ
酸分析により行なった。アミノ酸分析の結果GRGDS
フラグメントの導入率は約10%であった。 CM−キチン−GRGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 15.3319 Arg 1.5332 Gly 3.2132 Asp 1.3468 Ser 1.1132 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1654
cm-1
【0035】合成例8 スクシニル化CM−キチン−
GRGDS 接着性ペプチドフラグメントとしてGRGDS460mg
を用い、合成例2と同様にしてスクシニル化CM−キチ
ン−GRGDSを合成した。収量0.39g 構造の確認
は、IRおよびアミノ酸分析により行なった。アミノ酸
分析の結果GRGDSフラグメントの導入率は約12%
であった。 スクシニル化CM−キチン−GRGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 30.3268 Arg 3.6392 Gly 7.0624 Asp 3.5691 Ser 3.3006 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1648
cm-1
【0036】合成例9 スクシニル化CM−キチン−
RGD(配列番号9) 接着性ペプチドフラグメントとしてRGD 460mgを用
い、合成例2と同様にしてスクシニル化CM−キチン−
RGDを合成した。収量0.34g構造の確認は、IRお
よびアミノ酸分析により行なった。アミノ酸分析の結果
RGDフラグメントの導入率は約16%であった。 スクシニル化CM−キチン−RGD アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 27.8867 Arg 4.4619 Gly 4.5518 Asp 4.4911 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1650
cm-1
【0037】合成例10 スクシニル化CM−キチン−
(RGD)(配列番号10) 接着性ペプチドフラグメントとして(RGD)2460mg
を用い、合成例2と同様にしてスクシニル化CM−キチ
ン−(RGD)2を合成した。収量0.31g 構造の確認
は、IRおよびアミノ酸分析により行なった。アミノ酸
分析の結果(RGD)2フラグメントの導入率は約12%
であった。 スクシニル化CM−キチン(RGD)2 アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 25.1913 Arg 6.0459 Gly 5.9883 Asp 5.8996 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1654
cm-1
【0038】合成例11 スクシニル化CM−キチン−
(RGD)3(配列番号11) 接着性ペプチドフラグメントとして(RGD)3460mg
を用い、合成例2と同様にしてスクシニル化CM−キチ
ン−(RGD)3を合成した。収量0.33g 構造の確認
は、IRおよびアミノ酸分析により行なった。アミノ酸
分析の結果(RGD)3フラグメントの導入率は約10%
であった。 スクシニル化CM−キチン(RGD)3 アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 22.3161 Arg 6.6949 Gly 6.5132 Asp 6.2323 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1648
cm-1
【0039】合成例12 スクシニル化CM−キチン−
(RGD)5(配列番号12) 接着性ペプチドフラグメントとして(RGD)5460mg
を用い、合成例2と同様にしてスクシニル化CM−キチ
ン−(RGD)5を合成した。収量0.28g 構造の確認
は、IRおよびアミノ酸分析により行なった。アミノ酸
分析の結果(RGD)5フラグメントの導入率は約15%
であった。 スクシニル化CM−キチン−(RGD)5 アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 23.6811 Arg 23.0108 Gly 21.0993 Asp 20.3332 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1656
cm-1
【0040】合成例13 硫酸化CM−キチン−RGD
S(配列番号7) エーテル化度0.50、脱アセチル化度0.05のCM−キ
チンを戸倉らの方法(Jpn. J. Cancer Res., 80, 866-87
2(1989),Cancer Res., 50, 3631-3637(1990)) に従い硫
酸化し、合成例1と同様にしてRGDSフラグメントを
共有結合させた。収量0.36g 構造の確認は、IRお
よびアミノ酸分析により行なった。アミノ酸分析の結果
RGDSフラグメントの導入率は約12%であった。
【0041】 硫酸化CM−キチン−RGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 33.1569 Arg 3.9780 Gly 3.9251 Asp 3.6053 Ser 3.4921 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1650
cm-1
【0042】合成例14 硫酸化CM−キチン−GRG
DS(配列番号8) 接着性ペプチドフラグメントGRGDS460mgと合成
例13の硫酸化CM−キチンとを合成例1と同様にして
共有結合させ、硫酸化CM−キチン−GRGDSを合成
した。収量0.35g 構造の確認は、IRおよびアミノ
酸分析により行なった。アミノ酸分析の結果GRGDS
フラグメントの導入率は約10%であった。 硫酸化CM−キチン−GRGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 25.1515 Arg 2.51 Gly 5.2134 Asp 2.4251 Ser 2.1111 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1655
cm-1
【0043】合成例15 硫酸化スクシニル化CM−キ
チン−RGDS(配列番号7) 合成例2のスクシニル化CM−キチンを合成例13と同
じ方法で硫酸化し、合成例2と同様にしてRGDSフラ
グメントを共有結合させた。収量0.37g構造の確認
は、IRおよびアミノ酸分析により行なった。アミノ酸
分析の結果RGDSフラグメントの導入率は約14%で
あった。 硫酸化スクシニル化CM−キチン−RGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 18.6932 Arg 2.6170 Gly 2.7739 Asp 2.5931 Ser 2.2168 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1654
cm-1
【0044】合成例16 硫酸化スクシニル化CM−キ
チン−GRGDS(配列番号8) 合成例2のスクシニル化CM−キチンを合成例13と同
じ方法で硫酸化し、合成例7と同様にしてGRGDSフ
ラグメントを共有結合させた。収量0.31g構造の確認
は、IRおよびアミノ酸分析により行なった。アミノ酸
分析の結果RGDSフラグメントの導入率は約17%で
あった。 硫酸化スクシニル化CM−キチン−GRGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 22.5661 Arg 3.8362 Gly 7.4963 Asp 3.6811 Ser 3.2593 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1652
cm-1
【0045】合成例17 CM−キチン−RGDSG−NH2 (配列番号13) 接着性ペプチドフラグメントとしてペプチド −5(R
GDSG−NH2)460mgを用い、合成例1と同様にし
てCM−キチン−RGDSG−NH2 を合成した。 収量0.36g 構造の確認は、IRおよびアミノ酸分析により行った。
アミノ酸分析の結果RGDSG−NH2 フラグメントの
導入率は約10%であった。 CM−キチンRGDSG−NH2 アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 17.6368 Arg 1.8166 Gly 3.8243 Asp 1.8468 Ser 1.6112 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1658
cm-1
【0046】合成例18 CM−キチン−RGDS(配列番号7) 接着性ペプチドフラグメントとしてRGDS1.5gを用
い、合成例1と同様にしてCM−キチン−RGDSを合
成した。 収量0.32g 構造の確認は、IRおよびアミノ酸分析により行なっ
た。アミノ酸分析の結果RGDSの導入率は約20%で
あった。
【0047】 CM−キチンRGDS アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 20.4598 Arg 4.1052 Gly 4.2688 Asp 3.9808 Ser 3.7784 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1655
cm-1
【0048】合成例19 CM−キチン−GRGDSP(配列番号14) 接着性ペプチドフラグメント−6(製造例3)、Gly-Ar
g-Gly-Asp-Ser-Pro(GRGDSP)480mgを用い、合
成例1と同様にしてCM−キチン−GRGDSPを合成
した。 収量0.35g 構造の確認は、IRおよびアミノ酸分析により行なっ
た。アミノ酸分析の結果GRGDSPフラグメントの導
入率は約10%であった。
【0049】 CM−キチンGRGDSP アミノ酸分析 (nmol/50μl) グルコサミン 15.3319 Arg 1.5332 Gly 3.2132 Asp 1.3468 Ser 1.1132 Pro 1.3326 IR:アミドカルボニル(C=O)の伸縮振動1657
cm-1
【0050】試験例1 『細胞接着阻害活性の測定』 本発明のCM−キチン誘導体が細胞のフィブロネクチン
やビトロネクチンに対する接着を阻害する活性測定方法
を以下に示す。ここで用いられた競争法は基本的に生化
学分野では広く用いられているものであり、例えば『Me
thods in Enzymology 』82 803〜831頁(19
81)、特開平1−309682、同2−174797
に開示されている。
【0051】実験方法 1. 吸着プレートの作製 市販のフィブロネクチン(ヒト由来:生化学工業(株)
より購入)あるいはビトロネクチン(ヒト由来:フナコ
シ(株)より購入)をPBS(NaH2PO4 0.005 M + NaCl
0.07M)で各々1.0μl /ml、2.0μl /mlに希釈し
その希釈液0.5mlを24ウエルのプラスチックプレート
にいれ、37℃で一晩保温しコーテイングした。次に非
特異吸着を防ぐ目的で牛血清アルブミン(BSA 1
%)を加え37℃で1時間保温し、その後通常の洗浄操
作(PBS)を行い充分に水きりして吸着プレートを作
製した。
【0052】2. 接着阻害実験 凍結乾燥により得たCMキチン誘導体をDulbecco ,s Mo
dified Eagles Medium(以下DMEMと略記する)で希釈し
て、0、0.25、0.5、1.0及び1.5mg/mlの各濃度の
CM−キチン誘導体溶液とした。この溶液0.25mlを上
記方法で作成したプレートにいれ、そこへ血管内皮細胞
(4×106 cells/ml)懸濁液を0.25ml加え、37
℃で一時間保温し細胞を接着させた。DMEM培地で3
回洗浄し、未接着の細胞を除いた後、0.025% EDTA トリ
プシン溶液で接着した細胞を剥離し、 2%トリパンブル
ーで染色して細胞数を計測した。 結果を下記表1及び表
2に示す。
【0053】 表−1フィブロネクチンに対する細胞接着阻害(細胞/ウェル) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 濃度 添加 (mg/ml) 0 0.25 0.5 1.0 1.5 化合物 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CM−キチン 160 171 157 165 152 CM−キチン誘導体−1 160 131 106 79 69 〃 2 160 135 99 82 75 〃 3 160 123 100 77 55 〃 4 160 141 121 80 67 〃 5 160 136 105 86 72 〃 6 160 127 107 93 66 〃 7 160 119 98 84 71 〃 8 160 130 113 80 59 〃 9 160 121 97 85 65 〃 10 160 122 110 87 73 〃 11 160 143 125 78 70 〃 12 160 125 101 89 77 硫酸化 CM−キチン 160 150 155 147 141 CM−キチン誘導体 -13 160 97 77 57 33 〃 14 160 111 93 68 41 〃 15 160 105 89 65 37 〃 16 160 103 81 75 50 〃 17 160 99 84 61 35 〃 18 160 133 101 75 52 〃 19 160 127 106 79 56 RGD 160 157 162 141 83 GRGDS 160 154 140 95 80 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0054】 表−2 ビトロネクチンに対する細胞接着阻害(細胞/ウェル) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 濃度 添加 (mg/ml) 0 10 50 100 300 化合物 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CM−キチン 249 260 243 240 255 CM−キチン誘導体−1 249 148 89 72 41 〃 2 249 137 96 78 59 〃 3 249 141 87 69 49 〃 4 249 145 90 67 45 〃 5 249 129 91 80 48 〃 6 249 133 98 71 56 〃 7 249 143 85 79 55 〃 8 249 130 95 69 47 〃 9 249 139 88 77 58 〃 10 249 136 86 71 43 〃 11 249 147 100 73 45 〃 12 249 150 101 80 59 硫酸化 CM−キチン 249 231 235 222 200 CM−キチン誘導体 -13 249 103 70 47 31 〃 14 249 107 78 43 34 〃 15 249 115 69 54 38 〃 16 249 122 81 63 40 〃 17 249 114 76 48 33 〃 18 249 125 83 56 44 〃 19 249 130 92 63 39 RGD 249 171 132 104 73 GRGDS 249 157 116 87 61 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0055】試験例2 『血小板凝集阻害活性試験』 本発明のCM−キチン誘導体の IN VITRO 系での血小板
凝集阻害作用をヒト多血小板血漿を用いて検定した。以
下にその実験方法を示す。
【0056】実験方法 新鮮なヒト血液に1/9量の3.8%クエン酸ナトリウム
を加え遠心(1000rpm 、10分)し、上層を多血小
板血漿として分取した。凍結乾燥により得たCM−キチ
ン誘導体を生理食塩水に0−1.5mg/mlの種々の濃度に
なるように溶解した。CM−キチン誘導体溶液25μl
を血漿200μl に加え、37℃で3分間インキュベー
トしたのち、50μM ADP(アデノシン二リン酸)溶
液あるいは200μg /mlのコラーゲン溶液を25μl
加えて凝集の程度をアグリゴメーターを用いて透過度を
測定することにより検定した。結果を表−3に示す。 凝集阻害率(1−T/T0 ) ×100% T0 =CM−キチン誘導体の塩非添加時の透過度 T =CM−キチン誘導体の塩添加時の透過度
【0057】
【0058】
【配列表】
【0059】 配列番号:1 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【0060】 配列番号:2 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【0061】 配列番号:3 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【0062】 配列番号:4 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Arg Gly Asp Arg Gly Asp Arg Gly Asp Arg Gly Asp Arg Gly Asp 1 5 10 15
【0063】 配列番号:5 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【0064】 配列番号:6 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【0065】 配列番号:7 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:C末端フラグメント 配列
【0066】 配列番号:8 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:C末端フラグメント 配列
【0067】 配列番号:9 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:C末端フラグメント 配列
【0068】 配列番号:10 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:C末端フラグメント 配列
【0069】 配列番号:11 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:C末端フラグメント 配列
【0070】 配列番号:12 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:C末端フラグメント 配列
【0071】 配列番号:13 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:C末端フラグメント 配列
【0072】 配列番号:14 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:C末端フラグメント 配列

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CM−キチンの側鎖にアミド結合、エス
    テル結合、エーテル結合、ウレタン結合のいずれかを介
    し、下記一般式〔I〕又は〔II〕で表される接着性ペプ
    チドを必須単位として有するキチン誘導体またはその
    塩。 一般式〔I〕 −〔R 1 〕−〔CO〕−(〔X〕-Arg-Gly-Asp−〔Y〕) n −〔Z〕−〔R 2 式中〔 〕は存在するかあるいは存在しなくともよく、
    存在する場合はX、YはSer, Gly, Val, Asn, Pro から
    選択されるアミノ酸残基又はペプチド残基を示し、
    (〔X〕-Arg-Gly-Asp−〔Y〕) は6個までのアミノ酸
    残基からなり、Zは−O−または−NH−を示す。 1
    は、炭素数が1〜9の直鎖または分岐のアルキレン基、
    または炭素数が6〜9のアリーレン基であり、置換基を
    有していてもよい。R 2 は、水素又は炭素数が1〜9の
    直鎖または分岐のアルキル基、または炭素数が6〜9の
    アリール基であり、置換基を有していてもよい。nは1
    〜5の整数を示す。 一般式〔II〕 〔R 3 〕−〔CO〕−(〔X〕-Arg-Gly-Asp−〔Y〕) n −〔Z〕−〔R 4 〕− 式中〔 〕は存在するかあるいは存在しなくともよく、
    存在する場合はX、YはSer, Gly, Val, Asn, Pro から
    選択されるアミノ酸残基又はペプチド残基を示し、
    (〔X〕-Arg-Gly-Asp−〔Y〕) は6個までのアミノ酸
    残基からなり、Zは−O−または−NH−を示す。
    3 は、水素又は炭素数が1〜9の直鎖または分岐のアル
    キル基、または炭素数が6〜9のアリール基であり、置
    換基を有していてもよい。R 4 は、炭素数が1〜9の直
    鎖または分岐のアルキレン基、または炭素数が6〜9の
    アリーレン基であり、置換基を有していてもよい。nは
    1〜5の整数を示す。
  2. 【請求項2】 分子量が約3,000−100,000の範
    囲である請求項1記載のCM−キチン誘導体またはその
    塩。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のCM−キチン誘
    導体またはその塩を有効成分とする動物細胞の接着阻害
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のCM−キチン誘
    導体またはその塩を有効成分とする血小板凝集・粘着抑
    制剤。
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