JP2649871B2 - 疎水性単量体、該疎水性単量体とプロペンアミド誘導体単量体の共重合物およびその用途 - Google Patents

疎水性単量体、該疎水性単量体とプロペンアミド誘導体単量体の共重合物およびその用途

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JP2649871B2
JP2649871B2 JP2412880A JP41288090A JP2649871B2 JP 2649871 B2 JP2649871 B2 JP 2649871B2 JP 2412880 A JP2412880 A JP 2412880A JP 41288090 A JP41288090 A JP 41288090A JP 2649871 B2 JP2649871 B2 JP 2649871B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、共重合高分子物質の改
質に供するイソプレノイド骨格を有する疎水性単量体に
関するものである。また、本発明はArg−Gly−A
spのトリペプチドを必須単位として有するプロペンア
ミド誘導体と疎水性単量体との共重合物およびその塩、
およびそれを有効成分とする動物細胞の接着阻害剤、血
小板の凝集および粘着抑制剤にに関するものである。
【0002】
【従来の技術】フィブロネクチンは細胞−細胞外基質の
接着に関与するタンパク質であり、血小板凝集やガン転
移にも関与していると考えられている。これらの相互作
用は一連の細胞表面のレセプターにより仲介され、フィ
ブロネクチンは分子量約25万の巨大分子であるにもか
かわらず、これらのレセプターがそのArg−Gly−
Asp配列を特異的に認識することが明らかにされ、レ
セプターとの相互作用に重要なものであることが報告さ
れている(ネイチャー(Nature)、第309 巻、30頁、1984
年)。以来、Arg-Gly-Asp 配列を有するオリゴあるいは
ポリペプチドを用いる研究が成されている。
【0003】例えば、Arg-Gly-Asp 配列を有する種々の
鎖状および環状のオリゴペプチドを用いて血小板凝集を
阻害する方法(高分子学会予稿集(Polymer Preprints,
Japan)、第38巻、3149頁、1989年、特開平2-174797
号)、Arg-Gly-Asp 配列を有するペプチドを細胞移動抑
制剤として用いる方法(特開平2-4716号)、Arg-Gly-As
p を固定化したPMMA膜を細胞接着膜として用いる方法(
高分子学会予稿集(PolymerPreprints,Japan) 、第37
巻、705頁、1988年)が報告されている。さらに、ポリ
マーにArg-Gly-Asp を必須構成単位とするペプチドを共
有結合させ動物細胞培養基体、生体複合人工臓器用基体
として用いる方法(特開平1ー309682号、特開平1ー305960
号)、Arg-Gly-Asp-Ser 配列を有するポリペプチドを体
外血液用血小板保護剤として用いる方法が開示されてい
る(特開昭64ー6217 号)。また、Arg-Gly-Asp 配列を有
するオリゴペプチドあるいはその繰り返し構造を有する
ポリペプチドを用いて、ガン転移を抑制する方法が知ら
れている((Int.J.Biol.Macromol.) 、第11巻、23 頁、198
9 年、同誌、第11巻、226頁、1989 年、(Jpn.J.Cancer Re
s.) 第60巻、722頁、1989 年)。
【0004】一般に高分子物質は多様な性状、機能を有
し生体との間で示される相互作用も低分子の場合と非常
に異なっている。そこで低分子薬物、生理活性ペプチド
などを高分子に結合させることで、それらの化合物と細
胞との相互作用や生体内における挙動を制御しようとす
る研究が盛んに行なわれている。この様な、高分子のラ
イフサイエンスへの応用は、医用高分子材料、高分子医
薬、診断用材料、バイオリアクター、バイオアフィニテ
ィー材料などへ幅広く試みられており、これらに関する
高分子材料とその用途については、竹本喜一、砂本順
三、明石満 共編「高分子と医療」(三田出版会)、稲
田祐二著「タンパク質ハイブリッド」、稲田祐二、前田
浩編「続タンパク質ハイブリッド」、稲田祐二、和田博
編「タンパク質ハイブリッド第3巻」(共立出版)等に
詳しく記載されている。
【0005】一般に生物の脂質は、直鎖脂肪酸を主体と
して構成されている。しかし分岐脂肪酸を生体膜の主構
成成分とする菌が知られており、この生体膜の柔軟性が
直鎖のそれより高いことが示差熱分析計で求めた相転移
温度からあきらかになった。イソプレノイドを含む古細
菌、分岐脂肪酸を多く含むグラム陽性菌、グラム陰性菌
は多数研究されている。
【0006】例えば、グラム陽性菌の中で、Bacil
lus属が詳細に研究されており生理学的に多様な菌種
(好高温、好低温、好アルカリ、好酸)に加えて、動物
病原菌、昆虫病原菌や、日常生活(納豆菌)、醗酵工業
に重要な多数の菌を含んでいる。その他に、Arthr
obacter,Brochothrix,Coryn
ebacterium,Desulfotomacul
um,Eubacterium,Frankia,Ku
ruthia,Listeria,Micrococc
us,Nocardia,Peptococcus,P
etostreptococcus,Propioni
bacterium,Renibacterium,R
uminococcus,Sarcina,Sporo
lactobacillus,Stapyloccoc
cus,Streptomyces属等が知られてい
る。
【0007】一方グラム陰性菌の中では、Glidin
g Bacteriaの1群の細菌、Archangi
um,Capnocytophaga,Cytopha
ga,Flexibacter,Myxococcu
s,Sporocytophaga等、Legionn
aires病を起こすLegionellapneum
ophila、やThermus,Bacteroid
es,Butyrivibrio,Desulfobu
lbus,Flavobacterium,Sphin
gobacterium属等が知られている。
【0008】この様な分岐脂肪酸、特にイソプレノイド
骨格を有するアルキル基の性質は直鎖アルキル基と大き
く異なるものである故、高分子化合物の改質剤として有
用なものと考えられるが、未だ炭素数20のイソプレノ
イド骨格を有する疎水性単量体は知られていない。
【0009】プロペン酸誘導体から合成したプロペンア
ミド誘導体はビニル基を有しており、ビニル重合により
容易に重合体が得られ種々の材料に供することが出来
る。水不溶性のビニル重合体にArg−Gly−Asp
を必須単位とするオリゴペプチドを高分子反応により高
分子に導入した例は見られるが、水溶性を有するArg
−Gly−Aspを必須単位とするオリゴペプチドを側
鎖に有する重合可能なプロペンアミド誘導体の疎水性単
量体との共重合物は知られていない。これらは両親媒性
高分子物質であり局所濃縮効果によるレセプターとの結
合能の増強およびミセル形成等による血液中での安定化
等が期待できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な、水溶性を有するプロペンアミド誘導体の疎水性単量
体との共重合物およびその塩、とそれを有効成分とする
動物細胞の接着阻害剤、血小板凝集・粘着抑制剤を提供
することである。また、共重合高分子物質の改質に供す
るイソプレノイド骨格を有する疎水性単量体を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】下記一般式(1)の側鎖
にアミド結合、エステル結合、エ−テル結合、ウレタン
結合のいずれかを介して下記一般式(2)の疎水部が結
合された疎水性単量体を提供するものである。 一般式(1)
【0012】
【化5】
【0013】式中、R1 、R2 は水素原子またはカルボ
キシル基を表す。R3 は水素原子、メチル基、エチル
基、ハロゲン原子、カルボキシメチル基のいずれか1つ
を表す。R4 は炭素数が1〜11の直鎖もしくは分岐の
アルキレン基、または炭素数が6〜11のアリーレン基
であり、置換基を有していても良い。置換基としては、
カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシ
ル基、スルホ基、ハロゲン原子、アリール基、ニトロ
基、シアノ基、不飽和基の2重結合、3重結合等があげ
られ、同一鎖に2つ以上有していても良くヘテロ環を有
していても良い。A、B は−O− 又は、−NH−を
示す。[ ]は存在するかあるいは存在しなくても良
い。 一般式(2)
【0014】
【化6】
【0015】式中、Rは炭素数が1〜11の直鎖もし
くは分岐のアルキレン基、または炭素数が6〜11のア
リーレン基であり、置換基を有していても良い。置換基
としては、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、
ヒドロキシル基、スルホ基、ハロゲン原子、アリール
基、ニトロ基、シアノ基、不飽和基の2重結合、3重結
合等があげられ、同一鎖に2つ以上有していても良くヘ
テロ環を有していても良い。Q、D は−O− 又は、
−NH−を示す。Rは炭素数20のイソプレノイド骨
格を有するアルキル基で不飽和基を有していても良い。
〔 〕は存在するかあるいは存在しなくても良い。本発
明に用いることのできるイソプレノイド骨格に結合する
化合物は、通常の重合可能なビニル単量体であれば特に
限定されない。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロ
トン酸、2−アクリルアミドグリコール酸、2−メタク
リルアミドグリコール酸、4−ビニル安息香酸等のカル
ボキシル基、を有するビニル単量体、5−アミノ吉草
酸、6−アモノプロペン酸、12−アミノラウリン酸の
N−メタクリロイル誘導体およびN−アクリロイル誘導
体等が挙げられる。
【0016】さらに、N−メタクリロイルグリシン、N
−メタクリロイル−β−アラニン、N−メタクリロイル
アラニン、N−メタクリロイル−γ−アミノ酪酸、N−
メタクリロイルバリン、N−メタクリロイルロイシン、
N−メタクリロイルイソロイシン、N−メタクリロイル
ノルバリン、N−メタクリロイルノルロイシン、N−メ
タクリロイルセリン、N−メタクリロイルスレオニン、
N−メタクリロイルメチオニン、N−メタクリロイルフ
ェニルアラニン、N−メタクリロイルチロシン、N−α
−メタクリロイルトリプトファン、N−メタクリロイル
プロリン、N−メタクリロイルヒドロキシプロリン、N
−メタクリロイルアスパラギン酸、N−メタクリロイル
アスパラギン、N−メタクリロイルグルタミン酸、N−
メタクリロイルグルタミン、N−α−メタクリロイルア
ルギニン、N−α−メタクリロイルシトルリン、N−ア
クリロイルグリシン、N−アクリロイル−β−アラニ
ン、N−アクリロイルアラニン、N−アクリロイル−γ
−アミノ酪酸、N−アクリロイルバリン、N−アクリロ
イルロイシン、N−アクリロイルイソロイシン、N−ア
クリロイルノルバリン、N−アクリロイルノルロイシ
ン、N−アクリロイルセリン、N−アクリロイルスレオ
ニン、N−アクリロイルメチオニン、N−アクリロイル
フェニルアラニン、N−アクリロイルチロシン、N−α
−アクリロイルトリプトファン、N−アクリロイルプロ
リン、N−アクリロイルヒドロキシプロリン、N−アク
リロイルアスパラギン酸、N−アクリロイルアスパラギ
ン、N−アクリロイルグルタミン酸、N−アクリロイル
グルタミン、N−α−アクリロイルアルギニン、N−α
−アクリロイルシトルリン等のアミノ酸残基を有するビ
ニル単量体が挙げられる。
【0017】好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、N−メタクリロイルグリシン、N−メタク
リロイル−β−アラニン、N−メタクリロイルアラニ
ン、N−メタクリロイル−β−アミノプロピオン酸、N
−メタクリロイル−γ−アミノ酪酸、N−メタクリロイ
ルバリン、N−メタクリロイルロイシン、N−メタクリ
ロイルイソロイシン、N−メタクリロイルノルバリン、
N−メタクリロイルノルロイシンである。又、ジアミノ
アルキル誘導体およびジアミノアリール誘導体のモノメ
タクリルアミドが挙げられるが、好ましくはエチレンジ
アミンモノメタクリルアミド、1,3−ジアミノプロパ
ンモノメタクリルアミド、N−アルギニル−N′−メタ
クリロイルエチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン
モノメタクリルアミドおよび1,6−ジアミノヘキサン
モノメタクリルアミドである。
【0018】イソプレノイド骨格を有する化合物として
は以下の物が挙げられるがこれらに限るものではない
3,7,11−トリメチルドデカ−2、6、10−トリ
エノール、3,7,11−トリメチルドデカ−2、6、
10−トリエノイックアシッド。本発明に係わるわこれ
らの化合物の不斉炭素の立体化学に関しては光学活性体
・ラセミ体のどちらでも良い。さらに本発明は、下記一
般式(3)の側鎖に、下記一般式(4)で示される接着
性ペプチドを必須単位として有するプロペンアミド誘導
体と、上記のイソプレノイド骨格を有する疎水性単量体
との共重合物とその塩を提供するものである。 一般式(3)
【0019】
【化7】
【0020】式中、R7 、R8 は水素原子またはカルボ
キシル基を表す。R9 は水素原子、メチル基、エチル
基、ハロゲン原子、カルボキシメチル基のいずれか1つ
を表す。[ ]は存在するかあるいは存在しなくても良
い。 一般式(4)
【0021】
【化8】
【0022】式中、X,YはSer,Gly,Val,
Asn,Proから選択されるアミノ酸残基又はペプチ
ド残基を示し、Zは−O−又は−NH−を示す。R10
、R11 のいずれか一方は水素原子又は炭素数が1〜
11の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、または炭素数
が6〜11のアリーレン基であり、置換基を有していて
も良い。他方は水素原子である。置換基としては、カル
ボニル基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル
基、スルホ基、ハロゲン原子、アリール基、ニトロ基、
シアノ基、不飽和基の2重結合、3重結合等があげら
れ、同一鎖に2つ以上有していても良い。他方は水素原
子である。nは1〜5の整数を表す。[ ]は存在する
かあるいは存在しなくても良い。
【0023】本発明の、RGDを必須単位として有する
ペプチド断片のN末端に結合する単量体として、N−メ
タクリロイルグリシン、N−メタクリロイル−β−アラ
ニン、N−メタクリロイルアラニン、N−メタクリロイ
ル−γ−アミノ酪酸、N−メタクリロイルバリン、N−
メタクリロイルロイシン、N−メタクリロイルイソロイ
シン、N−メタクリロイルノルバリン、N−メタクリロ
イルノルロイシン、N−メタクリロイルセリン、N−メ
タクリロイルスレオニン、N−メタクリロイルメチオニ
ン、N−メタクリロイルフェニルアラニン、N−メタク
リロイルチロシン、N−α−メタクリロイルトリプトフ
ァン、N−メタクリロイルプロリン、N−メタクリロイ
ルヒドロキシプロリン、N−メタクリロイルアスパラギ
ン酸、N−メタクリロイルアスパラギン、N−メタクリ
ロイルグルタミン酸、N−メタクリロイルグルタミン、
N−α−メタクリロイルアルギニン、N−α−メタクリ
ロイルシトルリン等の各種α、β、γあるいはω−アミ
ノ酸残基を有するプロペンアミド誘導体が挙げられる。
【0024】好ましくは、N−メタクリロイルグリシ
ン、N−メタクリロイル−β−アラニン、N−メタクリ
ロイルアラニン、N−メタクリロイル−β−アミノプロ
ピオン酸、N−メタクリロイル−γ−アミノ酪酸、N−
メタクリロイルバリン、N−メタクリロイルロイシン、
N−メタクリロイルイソロイシン、N−メタクリロイル
ノルバリン、N−メタクリロイルノルロイシンである。
【0025】本発明の、RGDを必須単位としとして有
するペプチド断片のC末端に結合する単量体として、ジ
アミノアルキル誘導体およびジアミノアリール誘導体の
モノメタクリルアミドが挙げられるが、好ましくはエチ
レンジアミンモノメタクリルアミド、1,3−ジアミノ
プロパンモノメタクリルアミド、1,4−ジアミノブタ
ンモノメタクリルアミドおよび1,6−ジアミノヘキサ
ンモノメタクリルアミドである。
【0026】本発明はさらに、上記プロペンアミド誘導
体の疎水性単量体との共重合物、並びにその塩を有効成
分とする動物細胞の接着阻害剤および血小板凝集・粘着
抑制剤を提供するものである。プロペンアミド誘導体の
疎水性単量体との共重合物およびその塩の分子量は好ま
しくは30万以下、特に3000〜20万の範囲で、室
温で均一な分散水溶液となることが好ましい。疎水性単
量体の組成は0.01〜20mol%の範囲で好ましく
は0.05〜5%である。本発明に係わる接着性ペプチ
ドに用いられるアミノ酸はL体、D体どちらでも良い
が、好ましくはL体である。本発明のプロペンアミド誘
導体共重合物の塩として例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、リン酸塩、ホウ酸塩等の無機酸との塩や、酢酸塩、
トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸
塩、乳酸塩、酒石酸塩等の有機酸との塩にしても良く、
そのような塩への変換は慣用手段で行なうことができ
る。
【0027】イソプレノイド骨格を有する単量体は、イ
ソプレノイド骨格側にヒドロキシル基がある場合、カル
ボン酸を有する単量体との酸触媒(p−トルエンスルホ
ン酸等)を用いた脱水反応、酸ハロゲン化物を有する単
量体との反応や酸無水物を有する単量体との反応等によ
る一般的なエステル化反応で合成する事ができる。一
方、イソプレノイド骨格側にカルボキシル基がある場
合、アミノ基を有する単量体との一般的なアミド化反
応、例えば、酸ハロゲン化物法、酸無水物法、活性エス
テル化法やN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)法等で合成する事ができる。これらの合成方
法の詳細については、新実験化学講座14巻「有機化合
物の合成と反応(2)」(日本化学会編、丸善)、OR
GANIC FUNCTIONAL GROUP PR
PARATIONS Second Edition
Volume 1(ACADEMIC PRESS)に
記載されている。
【0028】ペプチド合成方法としては特に限定しない
が、液相法、固相法、および自動合成装置による合成方
法が挙げられる。これらの合成方法の詳細については、
生化学実験講座「タンパク質の化学IV」p207−4
95(日本生化学会編、東京化学同人)、「続生化学実
験講座タンパク質の化学(下)」(日本生化学会編、東
京化学同人)、泉屋ら編「ペプチド合成の基礎と実験」
(丸善)に記載されている。また、市販されている合成
ペプチドを利用することも可能である。
【0029】プロペンアミド誘導体はプロペン酸誘導体
とアミノアルキルカルボン酸および細胞接着性ペプチド
の結合には、活性エステル法、混合酸無水物法、アジド
法、酸塩化物法、対称酸無水物法、DCC法、DCCー
アディティブ法、カルボニルジイミダゾール法等を利用
したアミド結合合成方法が挙げられる。さらに、プロペ
ン誘導体の共重合体は一般のラジカル重合法、イオン重
合法により得られる。共重合体の溶液はゲルろ過法、透
析法等により特定の分子量分画を行なうことが出来る。
【0030】本発明のプロペンアミド誘導体の疎水性単
量体との共重合体並びにその塩は、細胞接着性蛋白質の
コア配列Arg- Gly- Aspを有し、該コア配列を
介して細胞接着性蛋白質と同様の機序で細胞に接着す
る。そのため、細胞接着性蛋白のアゴニストまたはアン
タゴニストとして種々の生物活性を示し、免疫調整作
用、創傷治癒作用、毛細血管中で起こる癌細胞による血
小板凝集抑制作用、神経疾患治癒作用などの広範な生物
活性が認められている。
【0031】従って、本発明のプロペンアミド誘導体の
疎水性単量体との共重合体並びにその塩は、そのすくな
くとも一種を、場合により慣用の担体または医薬用助剤
とともに、癌転移抑制剤、創傷治癒剤、免疫調整剤、血
小板凝集粘着抑制剤として患者に投与することが可能で
ある。疎水性坑癌剤と混合あるいは坑癌剤を含む単量体
と共重合すれば癌治療剤として患者に投与することも可
能である。特に、動物細胞接着阻害剤または血小板凝集
粘着抑制剤としての使用が好ましい。その投与量は、
0.2μg/kg〜400mg/kgの範囲で、症状、
年齢、体重等に基づいて決定される。
【0032】本発明のプロペンアミド誘導体の疎水性単
量体との共重合体並びにその塩は、ペプチド系医薬に一
般に使用されている投与方法、即ち非経口投与方法、例
えば静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与等によって投与
するのが好ましい。そのような注射用製剤を製造する場
合、本発明のプロペンアミド誘導体の疎水性単量体との
共重合体およびその塩を例えば、後記実施例で示すよう
にPBSまたは生理食塩水に対し室温で均一な分散水溶
液とし、注射用製剤としてもよく、あるいは0.1N程
度の酢酸水等に溶解した後、凍結乾燥製剤としても良
い。この様な製剤には、グリシンやアルブミン等の慣用
の安定剤を添加しても良い。さらに、本発明のプロペン
アミド誘導体の疎水性単量体との共重合体並びにその塩
は、経口投与することも可能であり、座剤、舌下錠、点
鼻スプレー剤等の形にすれば、消化菅以外の粘膜からも
吸収させることも可能である。
【0033】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。なお、以下にお
いてRはアルギニル、Gはグリシル、Dはアスパルチ
ル、Sはセリル、Pはプロリルを表す。
【0034】製造例1 カルボキシエチルメタクリルアミドをショッテンバウマ
ン反応により合成した。即ち、β−アラニン17.8g
(0.2mol)の水酸化ナトリウム水溶液にメタクリ
ル酸クロリド20.9g(0.2mol)を氷冷下滴下
し、4時間撹拌後塩酸により中和した。減圧濃縮により
濃縮し沈殿した塩化ナトリウムをろ別した。濃縮液をク
ロロホルムで抽出し、乾燥後減圧濃縮してクロロホルム
を留去した。濃縮物をエーテルで洗浄し製造物1を白色
固体として17.6g得た。(収率56%) 製造物1 CH2 =C(CH3 )CONH(CH2 2 COOH
【0035】製造例2〜4 製造例1と同じ方法によりアクリル酸クロリド、メタク
リル酸クロリド、エタクリル酸クロリドと4−アミノ酪
酸、5−アミノ吉草酸、グルタミン、との反応により以
下のプロペン酸誘導体を製造した。 製造物2 収率 52% CH2 =CHCONH(CH2 3 COOH 製造物3 収率 61% CH2 =C(C2 5 )CONH(CH24 COOH 製造物4 収率 59% CH2 =C(CH3 )CONHCH(CH2 CH2 CONH2 )COOH
【0036】製造例5 アミノエチルメタクリルアミドをショッテンバウマン反
応により合成した。即ち、エチレンジアミン120g
(2mol)を溶かしたクロロホルム溶液(400m
l)へ、メタクリル酸クロリド20.9g(0.2mo
l)を氷冷下滴下し4時間撹拌後減圧濃縮してクロロホ
ルムを留去した。濃縮物に5%炭酸水素ナトリウム水溶
液50mlを加えクロロホルムで抽出した。硫酸ナトリ
ウム上で乾燥の後濃縮し、クロロホルム/メタノール=
7/3を溶離液としたアルミナカラムクロマトグラフィ
ーにより精製した。(製造物 5) 収量14.8g(57.8%,0.116 mol) CH2 =C(CH3 )CONH(CH2 2 NH2
【0037】製造例6 製造例1で合成したカルボキシエチルメタクリルアミド
をラジカル重合により重合した。カルボキシエチルメタ
クリルアミド2gを20mlのDMFに溶解し、和光純
薬製のラジカル開始剤V65(2,2−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル))10mgを加え窒素気流
下65度で4時間重合した。重合物は酢酸エチルで沈殿
させた後、スペクトラポア7(分子分画量 3000)
を用い純水に対して透析し低分子量画分を除いた後凍結
乾燥した。 収量1.24g(製造物6)
【0038】分子量は東ソー(株)製TSKgel G
3000SWカラムを用い、移動相は0.2Mリン酸緩
衝液(pH7.4)とし、流速1.0ml/minで測
定した。PEG換算分子量は約30000であった。
【0039】合成例1〜8 接着性ペプチドの固相法に
よる合成 Merrifield方式によるペプチド合成装置を用
いて合成を行なった。α−アミノ酸の保護には、Boc
基を用いArg−Gly−Aspを必須単位として含む
オリゴペプチドを合成しその末端に製造例1〜4に示し
たプロペン酸誘導体およびアクリル酸、メタクリル酸、
エタクリル酸を縮合させた。トリフルオロメタンスルホ
ン酸を用いて樹脂からの切断及び側鎖保護基の除去を行
ない、分取用HPLC(高速液体クロマトグラフィー)
で精製し、単一ピークを示すプロペンアミド誘導体を得
た。これを、陰イオン交換樹脂カラム(アンバーライト
IRA−400;Cl型)を通し塩酸塩とした。
【0040】以下、ArgをR、GlyをG、Aspを
D、SerをS、ProをPと示す。また保護基、試薬
の略号は以下の様である。 Boc :t−ブトキシカルボニル OBzl :ベンジルエステル HOBt :ヒドロキシベンゾトリアゾール OSu :N−ヒドロキシスクシンイミド ONb :ニトロベンジルエステル TFA :トリフルオロ酢酸 DCC :ジシクロヘキシルカルボジイミド DC urea :シクロヘキシルウレア Mts :メシチレンスルホニル DMF :ジメチルホルムアミド
【0041】合成物 1 CH2 =CHCONH(CH2 3 CO−RGD 収率35%
【0042】合成物 2 CH2 =C(CH3 )CONH(CH2 2 CO−(RGD)2 (配列番号1) 収率24%
【0043】合成物 3 CH2 =C(CH3 )CONH(CH2 2 CO−(RGD)3 (配列番号2) 収率17%
【0044】合成物 4 CH2 =C(CH3 )CONH(CH2 2 CO−(RGD)5 (配列番号3) 収率10%
【0045】合成物 5 CH2 =C(CH3 )CONHCH(CH2 CH2 CONH2 )CO−RGDS (配列番号4) 収率 33%
【0046】合成物 6 CH2 =C(C2 5 )CONH(CH2 4 CO−GRGDS (配列番号5) 収率 35%
【0047】合成物 7CH2 =C(CH3 )CO−G
RGDSP (配列番号6) 収率 26%
【0048】合成物 8 CH2 =CHCO−GGGRGDS (配列番号7) 収率 30%
【0049】合成例 9 合成物 9 CH=C(CH)CONH(CHCO−RG
DS (配列番号8) 合成物9を逐次延長法により液相法で合成した。 (1)Boc Ser(Bzl)OBzlの合成 BocSer(Bzl) 60g(0.2mol)を4
00mlの酢酸エチルに加え、さらにトリエチルアミン
21g(0.2mol)、臭化ベンジル35.4g
(0.2mol)を加えて還流下4時間反応した。冷却
後塩をろ別した後NaHCO水溶液、NaCl水溶液
で洗浄した。これをNaSOで乾燥した後減圧乾固
し、白色粉末54g(収率68%)を得た。
【0050】(2)BocAsp(OBzl)Ser
(Bzl)OBzlの合成 BocSer(Bzl)OBzl 30g(78mmo
l)にTFA/CH2 Cl2 =1/1の200mlを加
え室温で1時間撹拌した後、TFAとCH2 Cl2 を減
圧濃縮した。これを酢酸エチルに溶解しNaHCO3
溶液で中和した後NaCl水溶液で洗浄した。Na2
4 で乾燥してから酢酸エチルを減圧留去した。この化
合物と、BocAsp(OBzl)OSu 32.8g
(78mmol)をCH2 Cl2 500mlに溶解し終
夜撹拌した。減圧下CH2 Cl2 を留去してから酢酸エ
チルに溶解した。NaHCO3 水溶液、1Mクエン酸水
溶液、NaCl水溶液の順に洗浄し、Na2 SO4 で乾
燥してから減圧乾固して白色粉末を41g(収率89
%)得た。
【0051】(3)BocGlyAsp(OBzl)S
er(Bzl)OBzlの合成 BocAsp(OBzl)Ser(Bzl)OBzl3
5g(59mmol)にTFA:CH2 Cl2 =1:1
の200mlを加えて室温で1時間撹拌した後、TFA
とCH2 Cl2 を減圧濃縮した。これを酢酸エチルに溶
解しNaHCO3 水溶液で中和した後NaCl水溶液で
洗浄した。Na2 SO4 で乾燥してから酢酸エチルを減
圧留去した。この化合物とBocGly 9.8g(5
9mmol)をCH2 Cl2 に溶解し、DCC12.2
g(59mmol)を氷冷下加え3時間撹拌してから、
さらに室温で終夜撹拌した。DCureaをろ別してか
ら減圧濃縮し酢酸エチルに溶解した。NaHCO3 水溶
液、1Mクエン酸水溶液、NaCl水溶液の順に洗浄
し、Na2 SO4 で乾燥してから減圧乾固して白色粉末
を30.5g(収率75%)得た。
【0052】(4)BocArg(Mts)GlyAs
p(OBzl)Ser(Bzl)OBzlの合成 BocGlyAsp(OBzl)Ser(Bzl)OB
zl 25g(39mmol)にTFA:CHCl
=1:1 100mlを加えて室温で1時間撹拌した
後、TFAとCHClを減圧濃縮した。これを酢酸
エチルに溶解しNaHCO水溶液で中和した後NaC
l水溶液で洗浄した。NaSOで乾燥してから酢酸
エチルを減圧留去した。 この化合物とBocArg
(Mts)17.8g(39mmol)をDMF400
mlに溶解し、DCC8.0g(39mmol) HO
Bt6.8g(45mmol)を氷冷下加え3時間撹拌
してから、さらに室温で終夜撹拌した。DCureaを
ろ別してから減圧濃縮し酢酸エチルに溶解した。NaH
CO水溶液、1Mクエン酸水溶液、NaCl水溶液の
順に洗浄し、NaSOで乾燥してから減圧乾固して
白色粉末を19.5g(収率50%)得た。
【0053】(5)合成物15の合成 BocArg(Mts)GlyAsp(OBzl)Se
r(Bzl)OBzlの15.0g(15mmol)に
TFA:CH2 Cl2 =1:1の100mlを加えて室
温で1時間撹拌した後、TFAとCH2 Cl2 を減圧濃
縮した。これを酢酸エチルに溶解しNaHCO3水溶液
で中和した後NaCl水溶液で洗浄した。Na2 SO4
で乾燥してから酢酸エチルを減圧留去した。この化合物
とカルボキシエチルメタクリルアミド2.4g(15m
mol)をCH2 Cl2200mlに溶解しDCC3.
1g(15mmol)を氷冷下加え3時間撹拌してか
ら、さらに室温で終夜撹拌した。減圧濃縮してからアセ
トンを加え生じたDCureaをろ別した。減圧濃縮
後、酢酸エチルに続いてエーテルで洗浄し、減圧乾燥し
て白色粉末を10.0g(収率65%)得た。この化合
物10g(9.8mmol)のTFA溶液に、1M−ト
リフルオロメタンスルホン酸−チオアニソール−mー ク
レゾールのTFA溶液を氷冷下加えて1時間反応させ、
ペプチド側鎖および末端の保護基の脱保護を行なった。
反応液をエーテル中に投入しオイル状の沈殿物を蒸留水
に溶解し酢酸エチルで洗浄した後、陰イオン交換樹脂カ
ラム(アンバーライトIRA−400;Cl型)に通し
て塩酸塩とし凍結乾燥した。白色固体4.8g(収率8
0%)が得られた。
【0054】
【0055】合成例10 合成物10 CH2 =C(CH3 )CONH(CH2 2 CO−RGDSGNH2 (配列番号9) 合成例9と同様な方法でペプチド鎖を延長した。以下に
その概略を示す。 (1)BocSer(Bzl)GlyNH2 の合成 BocSer(Bzl) : 59g(0.2mol) GlyNH2 ・HCl : 22.1g(0.2mol) N−メチルモルホリン : 20.2g(0.2mol) CH2 Cl2 : 800ml DCC :41.2g(0.2mol) (1)の収量 :58.3g(収率83%)
【0056】(2)BocAsp(OBzl)Ser
(Bzl)GlyNH2 の合成 (1)の生成物 :56.2g(0.16mol) TFA/CH2 Cl2 :200ml/200ml BocAsp(OBzl) :51.7g(0.16mol) CH2 Cl2 :800ml DCC :33g(0.16mol) (2)の収量 :71.2g(収率 80%)
【0057】(3)BocGlyAsp(OBzl)S
er(Bzl)GlyNH2 の合成 (2)の生成物 :66.7g(0.12mol) TFA/CH2 Cl2 :200ml/200ml BocGly :51.7g(0.12mol) CH2 Cl :700ml DCC :24.7(0.12mol) (3)の収量 :61.8g(収率 84%)
【0058】(4)BocArg(Mts)GlyAs
p(OBzl)Ser(Bzl)GlyNH2 の合成 (3)の生成物 :61.3g(0.1mol) TFA/CH2 Cl2 :200ml/200ml BocArg(Mts) :45.6g(0.1mol) DMF :800ml DCC :22.5(0.1mol) HOBt :14g(0.1mol) (4)の収量 :42.8g(収率 45%)
【0059】(5)合成物10の合成 (4)の生成物 :5.0g(5.3mmol) TFA/CH2 Cl2 :50ml/50ml カルボキシエチルメタクリルアミド :0.83g(5.3mmol) DMF :50ml DCC :1.1g(5.3mmol) HOBt :0.72g(5.3mmol) 1M−トリフルオロメタンスルホン酸−チオアニソール−mー クレゾール のTFA溶液 : 250ml アンバーライトIRA−400;Cl型処理 合成物10 :2.29g(収率 65%)
【0060】合成例11 合成物11 RGDG−NH−(CH2 2 NHCO(CH3 )C=CH (配列番号10) 合成物11を逐次延長法により液相法にて合成した。 (1)BocGlyONbの合成 BocGly35.0g(0.2mol)、トリエチル
アミン28ml(0.2mol)および臭化p−ニトロ
ベンジル43.2g(0.2mol)を400mlの酢
酸エチルに溶解し、5時間還流した後室温で一晩放置し
た。生成した塩をろ別し、NaHCO3 水溶液で洗浄し
た後さらに水洗し、Na2SO4 で乾燥、ろ液を減圧濃
縮し酢酸エチル−ヘキサンより再結晶した。 52.7
g (収率85%)以下合成例9と同様な方法でペプチ
ド鎖を延長した。以下に、その概略を示す。
【0061】(2)BocAsp(OBzl)GlyO
Nbの合成 (1)の生成物 :46.5g(0.15mol) TFA/CH2 Cl2 :200ml/200ml BocAsp(OBzl) :48.5g(0.15mol) CH2 Cl2 :750ml DCC :30.9g(0.15mol) (2)の収量 :64.0g(収率 80%)
【0062】(3)BocGlyAsp(OBzl)G
lyONbの合成 (2)の生成物 :64.0g(0.12mol) TFA/CH2 Cl2 :200ml/200ml BocGly :21g(0.12mol) CH2 Cl2 :750ml DCC :24.7g(0.12mol) (3)の収量 :58.8g(収率 83%)
【0063】(4)BocArg(Mts)GlyAs
p(OBzl)GlyONbの合成 (3)の生成物 :53.7g(91mmol) TFA/CH2 Cl2 :200ml/200ml BocArg(Mts) :41.5g(91mmol) DMF :800ml DCC :18.7g(91mmol) HOBt :13.5g(0.1mol) (4)の収量 :46.5g(収率
55%)
【0064】(5)BocArg(Mts)GlyAs
p(OBzl)GlyOHの合成 (4)の生成物9.29g(10mmol)を90%酢
酸300mlに溶かし、Zn末32.7g(0.5mo
l)を加え、0度Cで3時間撹拌した。Zn末をろ別
し、ろ液を減圧濃縮、これにクエン酸を加えて酸性にし
酢酸エチルで抽出した。NaSOで乾燥し減圧濃縮
してからエーテルを加えて白色粉末 6.41g(収率
79%)を得た。
【0065】(6)合成物11の合成 (5)の生成物 :5.44g(6.7mmol) アミノエチルメタクリルアミド :0.86g(6.7mmol) DMF :60ml DCC :1.4g(6.7mmol) HOBt :0.95g(7mmol) 1M−トリフルオロメタンスルホン酸−チオアニソール−mー クレゾール のTFA溶液 : 250ml アンバーライトIRA−400;Cl型処理 合成物11 :2.9g(収率 75%) アミノ酸分析(nmol/50μl) R:4.5915 G:9.4324 D:4.6618 マススペクトル M+ :514
【0066】合成例12 合成物12
【0067】
【化9】
【0068】3,7,11,15−テトラメチルヘキサ
デカ−2−エノ−ル 15g(50.7mmol)をク
ロロホルム 500mlに溶かし、トリエチルアミン
5.13g(50.7mmol)を加えた。氷冷下メタ
クリル酸クロライド 5.3g(50.7mmol)を
滴下し4時間撹拌した。減圧濃縮により濃縮し沈殿物を
ろ別した。クロロホルムを加えNaCl水溶液で洗浄し
てからNa2 SO4 で乾燥の後濃縮し、クロロホルムを
溶離液としたシリカカラムクロマトグラフィ−により精
製した。 オイル状生成物の収量13.9g (75.5%,38.3mmol) MS:364 NMR:ビニル基のプロトン化学シフト δ 5.55,6.1ppm エステル結合α位メチレンプロトン化学シフト δ 4.6〜4.7ppm
【0069】合成例13 合成物13
【0070】
【化10】
【0071】3,7,11,15−テトラメチルヘキサ
デカノ−ル 15.1g(50.7mmol)をクロロ
ホルム 500mlに溶かし、トリエチルアミン5.1
3g(50.7mmol)を加えた。氷冷下メタクリル
酸クロライド 5.3g(50.7mmol)を滴下し
4時間撹拌した。減圧濃縮により濃縮し沈殿物をろ別し
た。クロロホルムを加えNaCl水溶液で洗浄してから
Na2SO4 で乾燥の後濃縮し、クロロホルムを溶離液
としたシリカカラムクロマトグラフィ−により精製し
た。 オイル状生成物の収量 14.4g(77.8
%、38.3mmol) MS:366 NMR:ビニル基のプロトン化学シフト δ 5.55,6.1ppm エステル結合α位メチレンプロトン化学シフト δ 4.0〜4.1ppm
【0072】合成例14 合成物9と合成物12のモノマーをラジカル共重合し
た。合成物9 1.0g(1.64mmol)と合成物
12 12.4mg(0.034mmol)を10ml
のDMFに溶解し、和光純薬製のラジカル開始剤V65
(2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル))5mgを加え窒素気流下65度で5時間重合し
た。重合物は酢酸エチルで沈殿させた後、スペクトラポ
ア7(分子分画量 3000)を用い純水に対して透析
し低分子量画分を除いた後凍結乾燥した。収量265m
g(合成物14)。合成物14中の合成物9の組成を元
素分析N値より算出したところ、約 98.4%であっ
た。 元素分析N値18.23% 合成物14をゲルクロマトグラフィーにより分子量分画
を行なった。分子量は東ソー(株)製TSKgel G
3000SWカラムを用い、移動相はDMFとし、流速
1.0ml/minで測定した。PEG換算分子量は約
27000であった。
【0073】合成例15 合成物9と合成物12とのラジカル共重合を開始剤量を
変えて合成例14と同様の方法で行なった。 開始剤 V65: 20mg 収量 203mg(合成物15) 分子量 4000 合成物9の組成 約 98.2%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値18.21%
【0074】合成例16〜17 合成例14と同じ方法でモノマー組成を変更して共重合
を行なった。 合成物16 モノマー 合成物 9 1.0g (1.64mmol) 合成物12 66.3mg(0.18mmol) 開始剤 V65 5.3mg 収量 178mg(合成物16) 分子量 10000 合成物9の組成 約 89.5%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値17.20%
【0075】合成例17 モノマー 合成物 9 1.0g (1.64mmol) 合成物12 3.0mg(0.0082mmol) 開始剤 V65 5.0mg 収量 230mg(合成物17) 分子量 25000 合成物9の組成 約 99.3%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値18.33%
【0076】合成例18〜27 合成物14と同じ方法により合成物1〜8および10、
11とイソプレノイド骨格を有する疎水性単量体との共
重合を行なった。 合成例18 モノマー 合成物 1 1.0g(1.92mmol) 合成物12 14.3mg(0.039mmol) 開始剤 V65 5.1mg 収量 237mg(合成物18) 分子量 12000 合成物1の組成 約 97.8%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値18.50%
【0077】合成例19 モノマー 合成物 2 1.0g(1.13mmol) 合成物12 8.4mg(0.023mmol) 開始剤 V65 5.0mg 収量 203mg(合成物19) 分子量 11000 合成物2の組成 約 98.1%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値20.38%
【0078】合成例20 モノマー 合成物 3 1.0g(0.80mmol) 合成物12 32.3mg(0.089mmol) 開始剤 V65 5.2mg 収量 178mg(合成物20) 分子量 90000 合成物3の組成 約 90.7%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値20.66%
【0079】合成例21 モノマー 合成物 4 1.0g(0.51mmol) 合成物13 20.4mg(0.056mmol) 開始剤 V65 5.1mg 収量 152mg(合成物21) 分子量 8000 合成物4の組成 約 89.1%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値21.44%
【0080】合成例22 モノマー 合成物 5 1.0g(1.50mmol) 合成物13 11.2mg(0.031mmol) 開始剤 V65 5.1mg 収量 241mg(合成物22) 分子量 13000 合成物5の組成 約 98.1%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値18.73%
【0081】合成例23 モノマー 合成物 6 1.0g(1.41mmol) 合成物13 10.6mg(0.029mmol) 開始剤 V65 5.1mg 収量 204mg(合成物23) 分子量 8000 合成物6の組成 約 97.3%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値17.56%
【0082】合成例24 モノマー 合成物 7 1.0g(1.45mmol) 合成物12 10.7mg(0.03mmol) 開始剤 V65 5.1mg 収量 234mg(合成物24) 分子量 11000 合成物7の組成 約 98.4%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値18.07%
【0083】合成例25 モノマー 合成物 8 1.0g(1.44mmol) 合成物12 10.7mg(0.029mmol) 開始剤 V65 5.1mg 収量 256mg(合成物25) 分子量 14000 合成物8の組成 約 97.2%(元素分析N値より算
出) 元素分析N値19.86%
【0084】合成例26 モノマー 合成物10 1.0g(1.50mmol) 合成物12 11.2mg(0.031mmol) 開始剤 V65 5.1mg 収量 235mg(合成物26) 分子量 12000 合成物10の組成 約 97.5%(元素分析N値より
算出) 元素分析N値20.78%
【0085】合成例27 モノマー 合成物11 1.0g(1.71mmol) 合成物12 12.7mg(0.035mmol) 開始剤 V65 5.1mg 収量 214mg(合成物27) 分子量 13000 合成物12の組成 約 97.6%(元素分析N値より
算出) 元素分析N値21.21%
【0086】試験例1 細胞接着性阻害活性の測定 本発明のプロペンアミド誘導体共重合物の塩が細胞のフ
ィブロンネクチンやビトロネクチンに対する接着阻害活
性の測定方法を以下に示す。本実験例で用いられた競争
法は基本的に生化学分野では広く用いられているもので
あり例えば「Methods in Enzymology 」,82,803-831 (1
981), 特開平1ー309682号、同2ー17479
7号に開示されている。
【0087】実験方法 1.フィブロネクチンおよびビトロネクチン吸着プレー
トの作製 市販のフィブロネクチン(ヒト由来:生化学工業(株)
より購入)あるいはビトロネクチン(ヒト由来 フナコ
シ薬品(株)より購入)をPBSで各々1.0μl/m
l、2.0μl/mlに希釈しその希釈液0.5mlを
24穴のプラスチックプレートに入れ37度で一晩保温
しコーティングした。次に非特異的吸着を防ぐ目的で牛
血清アルブミン(BSA 1%)を加え37度で1時間
保温し、その後通常の洗浄操作(PBS)を加え充分に
水切りしてフィブロネクチン吸着プレートを作製した。
同様の操作によりビトロネクチン吸着プレートを作製し
た。
【0088】2.接着阻害実験 凍結乾燥により得たプロペンアミド誘導体共重合物の塩
をDulbecco's Modified Eagles Medium (以下DMEMと略
記する)を用い、0、0.25、0.5、1.0、1.
5mg/mlの各濃度のプロペンアミド誘導体共重合物
の塩溶液とした。この溶液0.25mlを上記方法で作
製したプレートに入れ、そこへ血管内皮細胞(4×10
6 cells/ml)の懸濁液を0.25ml加え37
度で1時間保温し細胞を接着させた。DMEM倍地で3
回洗浄し、未接着の細胞を剥離し、2%トリパンブルー
で染色して細胞数を計測した。結果を表1及び表2に示
す。
【0089】 表1 フィブロネクチンに対する細胞接着阻害(cells/well) 濃度(mg/ml ) 添加化合物 0 0.25 0.5 1.0 1.5 合成物14−1 × △ △ ○ ○ 合成物14−2 × △ △ ○ ○ 合成物14−3 × △ △ ○ ○ 合成物15 × △ △ ○ ○ 合成物16 × △ △ ○ ○ 合成物17 × △ △ ○ ○ 合成物18 × × △ △ ○ 合成物19 × △ △ ○ ○ 合成物20 × △ △ ○ ○ 合成物21 × △ △ ○ ○ 合成物22 × △ △ ○ ○ 合成物23 × △ △ ○ ○ 合成物24 × △ △ ○ ○ 合成物25 × △ △ ○ ○ 合成物26 × △ △ ○ ○ 合成物27 × △ △ ○ ○ 製造物 6 × × × × × RGD × × × × △ RGDS × × × △ △ (cells/well);○:50以下、△:50〜100、×:100以上
【0090】 表2 ビトロネクチンに対する細胞接着阻害(cells/well) 濃度(mg/ml ) 添加化合物 0 10 50 100 300 合成物14−1 × △ △ ○ ○ 合成物14−2 × △ △ ○ ○ 合成物14−3 × △ △ ○ ○ 合成物15 × △ △ ○ ○ 合成物16 × △ △ ○ ○ 合成物17 × △ △ ○ ○ 合成物18 × △ △ ○ ○ 合成物19 × △ △ ○ ○ 合成物20 × △ △ ○ ○ 合成物21 × △ △ ○ ○ 合成物22 × △ △ ○ ○ 合成物23 × △ △ ○ ○ 合成物24 × △ △ ○ ○ 合成物25 × △ △ ○ ○ 合成物26 × △ △ ○ ○ 合成物27 × △ △ △ ○ 製造物 6 × × × × × RGD × × × × △ RGDS × × × △ △ (cells/well)○:100 以下、△:100 〜200 、×:200 以上
【0091】試験例2 血小板凝集阻害活性の測定 本発明において合成したプロペンアミド誘導体共重合物
の塩のin vitro系での血小板凝集阻害作用をヒ
ト多血小板血漿を用いて検討した。以下にその実験方法
を示す。
【0092】実験方法 新鮮なヒト血液に1/9量の3.8%クエン酸ナトリウ
ムを加え遠心分離(1000rpm,10分)し、上層
を多血小板血漿として分取した。凍結乾燥より得たプロ
ペンアミド誘導体共重合物の塩を0〜1.5mg/ml
の種々の濃度になる様に生理食塩水に溶解した。この塩
の溶液25μlを血しょう200マイクロリットルに加
え、37度で3分間でインキュベートしたのち、50μ
M アデノシン二リン酸(ADP)溶液あるいは200
μg/mlのコラーゲン溶液を25μl加え凝集の様子
をアグリゴメーターを用いて透過度を測定することによ
り検定した。結果を表3に示す。血小板凝集阻害率は下
記の式で示される値である。 凝集阻害率(1−T/T)× 100% T=プロペンアミド誘導体共重合物の塩非添加時の透過度 T =プロペンアミド誘導体共重合物の塩添加時の透過度
【0093】 表3 血小板凝集阻害 阻害活性 添加化合物 ADP刺激 コラーゲン刺激 合成物14−1 ○ ○ 合成物14−2 ○ ○ 合成物14−3 ○ ○ 合成物15 ○ ○ 合成物16 ○ ○ 合成物17 ○ ○ 合成物18 △ ○ 合成物19 ○ ○ 合成物20 ○ ○ 合成物21 ○ ○ 合成物22 ○ ○ 合成物23 ○ ○ 合成物24 ○ ○ 合成物25 ○ ○ 合成物26 ○ ○ 合成物27 ○ ○ 製造物 6 × × RGD △〜○ △〜○ RGDS △〜○ △〜○ IC50(μg/ml );○:40以下、△:80〜40、×:80以上
【0094】
【発明の効果】本発明の疎水性単量体は、Arg−Gl
y−Aspを必須単位とするオリゴペプチドを分子内に
含むプロペンアミド誘導体と共重合させることにより、
細胞接着抑制効果や血小板凝集・粘着抑制効果を示す両
親媒性の高分子化合物を作るのに有用である。また、こ
の高分子化合物は、局所濃縮効果によるレセプターとの
結合能の増強およびミセル形成等による血液中での安定
化等が期待できる。
【0095】
【配列表】
【0096】配列番号:1 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 β- Ala-Arg-Gly-Asp-Arg-Gly-Asp 1 5
【0097】配列番号:2 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 β- Ala-Arg-Gly-Asp-Arg-Gly-Asp-Arg-Gly-Asp 1 5
【0098】配列番号:3 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 β- Ala-Arg-Gly-Asp-Arg-Gly-Asp-Arg-Gly-Asp-Arg-Gly-Asp-Arg-Gly-Asp 1 5 10 15
【0099】配列番号:4 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gln-Arg-Gly-Asp-Ser 1 5
【0100】配列番号:5 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly-Arg-Gly-Asp-Ser 1 5
【0101】配列番号:6 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro 1 5
【0102】配列番号:7 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly-Gly-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser 1 5
【0103】配列番号:8 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 β-Ala-Arg-Gly-Asp-Ser 1 5
【0104】配列番号:9 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 β-Ala-Arg-Gly-Asp-Ser-Gly 1 5
【0105】配列番号:10 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Arg-Gly-Asp-Gly 1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 5/08 C07K 7/06 Z 5/10 C08F 220/16 MMC 7/06 220/58 MNG C08F 220/16 MMC 220/60 MNH 220/58 MNG A61K 37/02 ACB 220/60 MNH ADS C12N 5/06 C12N 5/00 E (56)参考文献 特開 昭54−76513(JP,A) 特開 昭51−118830(JP,A) 特開 昭62−95525(JP,A) 特開 昭54−127493(JP,A) 米国特許3746748(US,A) Synthetic Communi cations,vol.20 no. 4,(1990)p.557−562 Journal oF Applie d Polymer Science, vol.30(1985)p.3961−3970 Polymer,vol.16(1975) p.881−888 第11回日本バイオマテリアル学会大会 予稿集(1989)第82頁

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)の側鎖にアミド結合、エ
    ステル結合、エーテル結合、ウレタン結合のいずれを介
    して下記一般式(2)の疎水部が結合された疎水性単量
    体。 一般式(1) 【化1】 式中、R、Rは水素原子またはカルボキシル基を表
    す。Rは水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原
    子、カルボキシメチル基のいずれか1つを表す。R
    炭素数が1〜11の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、
    または炭素数が6〜11のアリーレン基であり、置換基
    を有していても良い。A、B は−O−又は、−NH−
    を示す。〔 〕は存在するかあるいは存在しなくても良
    い。 一般式(2) 【化2】 式中、Rは炭素数が1〜11の直鎖もしくは分岐のア
    ルキレン基、または炭素数が6〜11のアリーレン基で
    あり、置換基を有していても良い。Q、D は−O−
    又は、−NH−を示す。Rは炭素数20のイソプレノ
    イド骨格を有するアルキル基で不飽和基を有していても
    良い。〔 〕は存在するかあるいは存在しなくても良
    い。
  2. 【請求項2】下記一般式(3)の側鎖にアミド結合を介
    して下記一般式(4)で表される接着性ペプチドが必須
    単位として結合されたプロペンアミド誘導体と請求項1
    記載の疎水性単量体との共重合物またはその塩。 一般式(3) 【化3】 式中、R7 、R8 は水素原子またはカルボキシル基を表
    す。R9 は水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原
    子、カルボキシメチル基のいずれか1つを表す。[ ]
    は存在するかあるいは存在しなくても良い。 一般式(4) 【化4】 式中、X,YはSer,Gly,Val,Asn,Pr
    oから選択されるアミノ酸残基又はペプチド残基を示
    し、Zは−O−又は−NH−を示す。R10、R11 のい
    ずれか一方は水素原子又は炭素数が1〜11の直鎖もし
    くは分岐のアルキレン基、または炭素数が6〜11のア
    リーレン基であり、置換基を有していても良い。他方は
    水素原子である。nは1〜5の整数を表す。[ ]は存
    在するかあるいは存在しなくても良い。
  3. 【請求項3】分子量が約3,000〜200,000の
    範囲である、請求項2記載のプロペンアミド誘導体の共
    重合物およびその塩。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載のプロペンアミド誘
    導体の共重合物およびその塩を有効成分とする動物細胞
    の接着を阻害する薬剤。
  5. 【請求項5】請求項2または3記載のプロペンアミド誘
    導体の共重合物およびその塩を有効成分とする血小板凝
    集・粘着抑制剤。
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Synthetic Communications,vol.20 no.4,(1990)p.557−562
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