JP2745342B2 - プロペンアミド誘導体、その重合物およびその用途 - Google Patents
プロペンアミド誘導体、その重合物およびその用途Info
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Description
プチドを必須単位として有するプロペンアミド誘導体、
その重合物及びその塩、並びにそれを有効成分とする動
物細胞の接着阻害剤及び血小板の凝集・粘着抑制剤に関
するものである。また、Arg-Gly-Asp のトリペプチドを
必須単位として有するプロペンアミド誘導体の架橋共重
合物及びその塩、並びにそれを有効成分とする細胞培養
基体に関するものである。
接着に関与するタンパク質であり、血小板凝集やガン転
移にも関与していると考えられている。これらの相互作
用は一連の細胞表面のレセプターにより仲介され、フィ
ブロネクチンは分子量約25万の巨大分子であるにもか
かわらず、これらのレセプターがそのArg-Gly-Asp 配列
を特異的に認識することが明らかにされ、レセプターと
の相互作用に重要なものであることが報告されている
(ネイチャー(Nature) 、第309 巻、30頁、1984年)。
以来、Arg-Gly-Asp 配列を有するオリゴあるいはポリペ
プチドを用いる研究が成されている。
鎖状及び環状のオリゴペプチドを用いて血小板凝集を阻
害する方法(高分子学会予稿集(Polymer Preprints, J
apan)、第38巻、3149頁、1989年、特開平2-174797号)
、Arg-Gly-Asp 配列を有するペプチドを細胞移動抑制
剤として用いる方法(特開平2-4716号) 、Arg-Gly-Asp
を固定化したPMMA膜を細胞接着膜として用いる方法
(高分子学会予稿集(Polymer Preprints, Japan)、第
37巻、705 頁、1988年) が報告されている。さらに、ポ
リマーにArg-Gly-Asp を必須構成単位とするペプチドを
共有結合させ動物細胞培養基体、生体複合人工臓器用基
体として用いる方法(特開平1-309682号、特開平1-3059
60号) 、Arg-Gly-Asp-Ser 配列を有するポリペプチドを
体外血液用血小板保護剤として用いる方法が開示されて
いる(特開昭64-6217 号) 、また、Arg-Gly-Asp 配列を
有するオリゴペプチドあるいはその繰り返し構造を有す
るポリペプチドを用いて、ガン転移を抑制する方法が知
られている((Int. J. Biol. Macromol.)、第11巻、23
頁、1989年、同誌、第11巻、226 頁、1989年、(Jpn. J.
Cancer Res.) 第60巻、722 頁、1989年) 。
し生体との間で示される相互作用も低分子の場合と非常
に異なっている。そこで低分子薬物、生理活性ペプチド
などを高分子に結合させることで、それらの化合物と細
胞との相互作用や生体内における挙動を制御しようとす
る研究が盛んに行なわれている。この様な、高分子のラ
イフサイエンスへの応用は、医用高分子材料、高分子医
薬、診断用材料、バイオリアクター、バイオアフィニテ
ィー材料などへ幅広く試みられており、これらに関する
高分子材料とその用途については、竹本喜一、砂本順
三、明石満 共編“高分子と医療”(三田出版会)、千
畑一郎編“バイオテクノロジーシリーズ固定化酵素”
(講談社)、山崎誠、石井信一、岩井浩一編“アフィニ
ティークロマトグラフィー”(講談社)に詳しく記載さ
れている。
ミド誘導体はビニル基を有しており、ビニル重合により
容易に重合物が得られ種々の材料に供することが出来
る。水不溶性のビニル重合体にArg-Gly-Asp を必須単位
とするオリゴペプチドを高分子反応により高分子に導入
した例は見られるが、Arg-Gly-Asp を必須単位とするオ
リゴペプチドを側鎖に有する単独重合可能なプロペンア
ミド誘導体とその水溶性重合物およびハイドロゲルは知
られておらず、これらはレセプターとの結合能の増強お
よび血液中での安定化等が期待できる。
なプロペンアミド誘導体とその重合物及びその塩、並び
にそれを有効成分とする動物細胞の接着阻害剤、血小板
凝集・粘着抑制剤および細胞培養基体を提供することで
ある。
〔I〕の側鎖に、下記一般式〔II〕で表される接着性ペ
プチドを必須単位として有するプロペンアミド誘導体と
その重合物又はその塩を提供するものである。
し、R3 は水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原
子又はカルボキシメチル基を表す。
r,Gly,Val,Asn,Proから選択されるア
ミノ酸残基又はペプチド残基を表し、Zは−O−又は−
NH−を表す。R4、R5は、炭素数が1〜11の直鎖
又は分岐のアルキレン基、又は炭素数が6〜11のアリ
ーレン基を表し、置換基を有していてもよい。置換基と
しては、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、ヒ
ドロキシル基、スルホ基、ハロゲン原子、アリール基、
ニトロ基、シアノ基、不飽和基の2重結合、3重結合等
があげられ、同一鎖に2つ以上有していてもよい。nは
1〜5の整数を表す。
いて、[]は[]内の基が存在するかあるいは存在しな
くてもよいことを示す。
有するペプチド断片のN末端に結合する単量体として
は、N−メタクリロイルグリシン、N−メタクリロイル
−β−アラニン、N−メタクリロイルアラニン、N−メ
タクリロイル−γ−アミノ酪酸、N−メタクリロイルバ
リン、N−メタクリロイルロイシン、N−メタクリロイ
ルイソロイシン、N−メタクリロイルノルバリン、N−
メタクリロイルノルロイシン、N−メタクリロイルセリ
ン、N−メタクリロイルスレオニン、N−メタクリロイ
ルメチオニン、N−メタクリロイルフェニルアラニン、
N−メタクリロイルチロシン、N−α−メタクリロイル
トリプトファン、N−メタクリロイルプロリン、N−メ
タクリロイルヒドロキシプロリン、N−メタクリロイル
アスパラギン酸、N−メタクリロイルアスパラギン、N
−メタクリロイルグルタミン酸、N−メタクリロイルグ
ルタミン、N−α−メタクリロイルアルギニン、N−α
−メタクリロイルシトルリン等の各種α、β、γあるい
はω−アミノ酸残基を有するプロペンアミド誘導体が挙
げられる。
ン、N−メタクリロイル−β−アラニン、N−メタクリ
ロイルアラニン、N−メタクリロイル−β−アミノプロ
ピオン酸、N−メタクリロイル−γ−アミノ酪酸、N−
メタクリロイルバリン、N−メタクリロイルロイシン、
N−メタクリロイルイソロイシン、N−メタクリロイル
ノルバリン、N−メタクリロイルノルロイシンである。
有するペプチド断片のC末端に結合する単量体として
は、ジアミノアルキル誘導体およびジアミノアリール誘
導体のモノメタクリルアミドが挙げられるが、好ましく
はエチレンジアミンモノメタクリルアミド、1,3−ジ
アミノプロパンモノメタクリルアミド、1,4−ジアミ
ノブタンモノメタクリルアミドおよび1,6−ジアミノ
ヘキサンモノメタクリルアミドである。
体の重合物又はその塩を有効成分とする動物細胞の接着
阻害剤および血小板凝集・粘着抑制剤を提供するもので
ある。
の分子量は、好ましくは30万以下、特に3000〜2
0万の範囲で、室温で水溶性であることが好ましい。
配列を必須単位として共有結合してなる、上記プロペン
アミド誘導体の架橋重合物又はその塩を有効成分とする
動物細胞の培養基体を提供するものである。架橋物は水
溶液中でハイドロゲル状であることが好ましい。
るアミノ酸はL体、D体どちらでもよいが、好ましくは
L体である。
として例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホ
ウ酸塩等の無機酸との塩や、酢酸塩、トリフルオロ酢酸
塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、乳酸塩、酒石酸
塩等の有機酸との塩が挙げられ、そのような塩への変換
は慣用手段で行なうことができる。
はなく、液相法、固相法、および自動合成装置による合
成方法が挙げられる。これらの合成方法の詳細について
は、生化学実験講座“タンパク質の化学IV”p207−
495(日本生化学会編、東京化学同人)、“続生化学
実験講座タンパク質の化学(下)”(日本生化学会編、
東京化学同人)、泉屋ら編“ペプチド合成の基礎と実
験”(丸善)に記載されている。また、市販されている
合成ペプチドを利用することも可能である。
の結合方法としては、活性エステル法、混合酸無水物
法、アジド法、酸塩化物法、対称酸無水物法、DCC
法、DCC−アディティブ法、カルボニルジイミダゾー
ル法等を利用したアミド結合合成方法が挙げられる。プ
ロペンアミド誘導体の重合物および架橋重合物は一般の
ラジカル重合法、イオン重合法により得られる。水溶性
重合物はゲルろ過法、透析法等により特定の分子量分画
を行なうことが出来る。架橋重合物は多官能性モノマー
の組成を変えることで含水率、ゲル強度等の物性が異な
るハイドロゲルとして得ることができる。架橋重合物
中、多官能性単量体由来の構成単位の含有量は好ましく
は0.1〜30モル%であり、さらに好ましくは0.5
〜20モル%である。
リコールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミ
ド等のジメタクリレート、ジアクリレート、ジメタクリ
ルアミド、ジアクリルアミドやジビニルベンゼン等の芳
香環を有する多官能性単量体、さらに細胞接着性フラグ
メントを有する多官能性単量体等を用いることができ
る。
重合物又はその塩は、細胞接着性蛋白質のコア配列Arg-
Gly-Asp を有し、該コア配列を介して細胞接着性蛋白質
と同様の機序で細胞に接着する。そのため、細胞接着性
蛋白のアゴニスト又はアンタゴニストとして種々の生物
活性を示し、免疫調整作用、創傷治癒作用、毛細血管中
で起こる癌細胞による血小板凝集抑制作用、神経疾患治
癒作用などの広範な生物活性が認められている。
よびその重合物又はその塩は、その少なくとも一種を、
場合により慣用の担体又は医薬用助剤とともに、癌転移
抑制剤、創傷治癒剤、免疫調整剤、血小板凝集粘着抑制
剤として患者に投与することが可能である。特に、動物
細胞接着阻害剤又は血小板凝集粘着抑制剤としての使用
が好ましい。その投与量は、0.2μg/kg〜400mg/
kgの範囲で、症状、年齢、体重等に基づいて決定され
る。
重合物又はその塩は、ペプチド系医薬に一般に使用され
ている投与方法、即ち非経口投与方法、例えば静脈内投
与、筋肉内投与、皮下投与等によって投与するのが好ま
しい。そのような注射用製剤を製造する場合、本発明の
プロペンアミド誘導体およびその重合物又はその塩を例
えば、後記実施例で示すようにPBS又は生理食塩水に
溶解して、注射用製剤としてもよく、あるいは0.1N程
度の酢酸水等に溶解した後、凍結乾燥製剤としてもよ
い。この様な製剤には、グリシンやアルブミン等の慣用
の安定剤を添加してもよい。さらに、本発明のプロペン
アミド誘導体およびその重合物又はその塩は、例えばリ
ポソーム中に包容したマイクロカプセル剤あるいはミク
ロスフェア状、ハイドロゲル状とすれば、経口投与する
ことも可能であり、座剤、舌下錠、点鼻スプレー剤等の
形にすれば、消化管以外の粘膜からも吸収させることも
可能である。
用方法については、通常の方法で行なわれ特に限定され
ない。例えば、接着性ペプチドを共有結合処理したビー
ズ培養液中に浮遊させて低速度で撹拌を行なうことで動
物細胞をマイクロキャリアー表面に接着させ培養する方
法、接着性ペプチドを共有結合処理したシャーレ・ロー
ラーびん等の上で動物細胞を培養する方法、接着性ペプ
チドを共有結合処理した中空糸に培養液を還流させ動物
細胞を中空糸内面に接着させ培養する方法、接着性ペプ
チドを共有結合処理したマイクロキャリアーを充填した
カラムを用いる方法等が挙げられる。
培養に使用することができ、細胞の種類は特に限定され
ず、生体由来細胞、ハイブリドーマ等が挙げられる。
発明はこれに限定されるものではない。
ン反応により合成した。即ち、β−アラニン17.8g
(0.2mol)の水酸化ナトリウム水溶液にメタクリル酸ク
ロリド20.9g(0.2mol)を氷冷下滴下し、4時間撹拌
後、塩酸により中和した。減圧濃縮し、沈澱した塩化ナ
トリウムをろ別した。濃縮液をクロロホルムで抽出し、
乾燥後減圧濃縮してクロロホルムを留去した。濃縮物を
エーテルで洗浄し製造物1を白色固体として17.6g得
た。(収率56%)製造物1 CH2=CCH3−CO−NH−C2H4−COOH
リル酸クロリド、エタクリル酸クロリドと4−アミノ酪
酸、5−アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、12−
アミノラウリン酸、ロイシン、グルタミン、p−アミノ
安息香酸との反応により以下のプロペン酸誘導体を製造
した。 製造物2 CH2=CH−CO−NH−(CH2)3−COOH 収率52% 製造物3 CH2=CC2H5 −CO−NH−(CH2)4−COOH 収率61% 製造物4 CH2=CCH3−CO−NH−(CH2)5−COOH 収率69% 製造物5 CH2=CH−CO−NH−(CH2)11 −COOH 収率71% 製造物6 CH2=CH−CO−NH−CH(CH2CH(CH3)2) −COOH 収率64% 製造物7 CH2=CCH3−CO−NH−CH(C2H4CONH2) −COOH 収率59% 製造物8 CH2=CH−CO−NH−p −C6H4−COOH 収率68%
応により合成した。即ち、エチレンジアミン120g
(2mol)を溶かしたクロロホルム溶液(400ml)へ、
メタクリル酸クロリド20.9g(0.2mol)を氷冷下滴下
し4時間撹拌後減圧濃縮してクロロホルムを留去した。
濃縮物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを加えク
ロロホルムで抽出した。硫酸ナトリウム上で乾燥の後濃
縮し、クロロホルム/メタノール=7/3を溶離液とし
たアルミナカラムクロマトグラフィーにより精製した。
をラジカル重合により重合した。カルボキシエチルメタ
クリルアミド2gを20mlのDMFに溶解し、和光純薬
製のラジカル開始剤V65(2,2−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル))10mgを加え窒素気流下6
5℃で4時間重合した。重合物は酢酸エチルで沈澱させ
た後、スペクトラポア7(分子分画量3000)を用い
純水に対して透析し低分子量画分を除いた後凍結乾燥し
た。収量1.24g(製造物10)分子量は東ソー(株)
製 TSKgel G3000SW カラムを用い、移動相は0.2Mリン
酸緩衝液(pH7.4)とし、流速1.0ml/min で測定し
た。PEG換算分子量は約30000であった。
をラジカル重合により重合しハイドロゲルを作成した。
cm)2枚とガスケットを用意した。カルボキシエチルメ
タクリルアミド2gとメチレンビスアクリルアミド10
0mg(5wt%)を蒸留水12mlに溶解し1N NaOH でpH
7.4に合わせた。これに過硫酸アンモニウム10mgを加
え充分窒素置換をした後、ガラス板の間に注入した。万
力でガラス板を押え、60℃で20時間重合させた。生
成したハイドロゲルを蒸留水で洗浄し未反応モノマーを
除いた。(紫外線ランプにより滅菌処理した後細胞培養
実験に供した)(製造物11)
行なった。α−アミノ酸の保護には、Bco基を用いArg-
Gly-Asp を必須単位として含むオリゴペプチドを合成し
その末端に製造例1〜8に示したプロペン酸誘導体およ
びアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸を縮合させ
た。トリフルオロメタンスルホン酸を用いて樹脂からの
切断及び側鎖保護基の除去を行ない、分取用HPLC
(高速液体クロマトグラフィー)で精製し、単一ピーク
を示すプロペンアミド誘導体を得た。これを、陰イオン
交換樹脂カラム(アンバーライトIRA−400;Cl
型)を通し塩酸塩とした。
erをS、ProをPと示す。また保護基、試薬の略号は以
下の様である。
に加え、さらにトリエチルアミン21g(0.2mol)、臭
化ベンジル35.4g(0.2mol)を加えて還流下4時間反
応させた。冷却後、塩をろ別し、NaHCO3水溶液、NaCl水
溶液で洗浄した。これをNa2SO4で乾燥した後減圧乾固
し、白色粉末54g(収率68%)を得た。
=1/1 200mlを加え室温で1時間撹拌した後、T
FAとCH2Cl2を減圧濃縮した。これを酢酸エチルに溶解
しNaHCO3水溶液で中和した後NaCl水溶液で洗浄した。Na
2SO4で乾燥してから酢酸エチルを減圧留去した。
(78mmol)をCH2Cl2500mlに溶解し終夜撹拌した。
減圧下CH2Cl2を留去してから酢酸エチルに溶解した。Na
HCO3水溶液、1Mクエン酸水溶液、NaCl水溶液の順に洗
浄し、Na2SO4で乾燥してから減圧乾固して白色粉末を4
1g(収率89%)得た。
A:CH2Cl2=1:1200mlを加え室温で1時間撹拌し
た後、TFAとCH2Cl2を減圧濃縮した。これを酢酸エチ
ルに溶解しNaHCO3水溶液で中和した後NaCl水溶液で洗浄
し、Na2SO4で乾燥してから酢酸エチルを減圧留去した。
をCH2Cl2に溶解し、DCC12.2g(59mmol)を氷冷
下加え3時間撹拌してから、さらに室温で終夜撹拌し
た。DCureaをろ別してから減圧濃縮し酢酸エチルに溶解
した。NaHCO3水溶液、1Mクエン酸水溶液、NaCl水溶液
の順に洗浄し、Na2SO4で乾燥してから減圧乾固して白色
粉末を30.5g(収率75%)得た。
l の合成 BocGlyAsp(OBzl)Ser(Bzl)OBzl 25g(39mmol)にT
FA:CH2Cl2=1:1200mlを加え室温で1時間撹拌
した後、TFAとCH2Cl2を減圧濃縮した。これを酢酸エ
チルに溶解しNaHCO3水溶液で中和した後NaCl水溶液で洗
浄した。Na2SO4で乾燥してから酢酸エチルを減圧留去し
た。
mmol)をDMF400mlに溶解し、DCC8.0g(39
mmol)、 HOBt 6.8g(45mmol)を氷冷下加え3時間
撹拌してから、さらに室温で終夜撹拌した。DCureaをろ
別してから減圧濃縮し酢酸エチルに溶解した。NaHCO3水
溶液、1Mクエン酸水溶液、NaCl水溶液の順に洗浄し、
Na2SO4で乾燥してから減圧乾固して白色粉末を19.5g
(収率50%)得た。
mol)にTFA:CH2Cl2=1:1を100ml加えて室温
で1時間撹拌した後、TFAとCH2Cl2を減圧濃縮した。
これを酢酸エチルに溶解しNaHCO3水溶液で中和した後、
NaCl水溶液で洗浄した。Na2SO4で乾燥してから酢酸エチ
ルを減圧留去した。
アミド2.4g(15mmol)をCH2Cl2200mlに溶解しD
CC3.1g(15mmol)を氷冷下加え3時間撹拌してか
ら、さらに室温で終夜撹拌した。減圧濃縮してからアセ
トンを加え、生じたDCureaをろ別した。減圧濃縮後、酢
酸エチルに続いてエーテルで洗浄し、減圧乾燥して白色
粉末を10.0g(収率65%)得た。
液に、1M−トリフルオロメタンスルホン酸−チオアニ
ソール−m−クレゾールのTFA溶液を氷冷下加えて1
時間反応させ、ペプチド側鎖および末端の保護基の脱保
護を行なった。反応液をエーテル中に投入しオイル状の
沈澱物を蒸留水に溶解し酢酸エチルで洗浄した後、陰イ
オン交換樹脂カラム(アンバーライトIRA−400;
Cl型)に通して塩酸塩とし凍結乾燥した。白色固体4.
8g(収率80%)が得られた。
にその概略を示す。 (1) BocSer(Bzl)GlyNH2 の合成 BocSer(Bzl) :59g(0.2mol) GlyNH2・HCl :22.1g(0.2mol) N-メチルモルホリン :20.2g(0.2mol) CH2Cl2 :800ml DCC :41.2g(0.2mol) (1) の収量 58.3g(収率83%)
2mol)および臭化p−ニトロベンジル43.2g(0.2mo
l)を400mlの酢酸エチルに溶解し、5時間還流した後
室温で一晩放置した。沈澱物をろ別しろ液を減圧濃縮し
た。酢酸エチル1000mlに溶解し、水およびNaHCO3水
溶液で洗浄した後さらに水洗し、Na2SO4で乾燥、ろ液を
減圧濃縮し酢酸エチル−ヘキサンより再結晶した。52.
7g(収率85%)。
を延長した。以下に、その概略を示す。 (2) BocAsp(OBzl)GlyONbの合成 (1) の生成物 :46.5g(0.15mol) TFA/CH2Cl2 :200ml/200ml BocAsp(OBzl) :48.5g(0.15mol) CH2Cl2 :750ml DCC :30.9g(0.15mol) (2) の収量 64.0g(収率80%)
mlに溶かし、Zn 末32.7g(0.5mol)を加え、0℃で
3時間撹拌した。Zn 末をろ別し、ろ液を減圧濃縮、こ
れにクエン酸を加えて酸性にし酢酸エチルで抽出した。
Na2SO4で乾燥し減圧濃縮してからエーテルを加えて白色
粉末6.26g(収率79%)を得た。
O−CCH3=CH2 (配列番号18)
を行なった後、以下の合成により合成物18を得た。
7.4に調整した後開始剤として、過硫酸カリウム2.5mg
と亜硫酸水素ナトリウム1.0mgを加え窒素気流下20℃
で20時間重合した。
を用いて純水に対して透析し低分子量分を除いた後凍結
乾燥させた。収量240mg(合成物19)
り分子量分画を行なった。分子量は、製造例10と同様
の方法で測定した。
量を変えて行なった。
7の重合を行なった。
/1とした。
ゲルをラジカル重合法により合成した。シラン処理した
ガラス板(5cm×6cm×1cm)2枚とガスケットを用意
した。合成物15 2g(3.2mmol)と合成物18 0.
21g(0.3mmol)を蒸留水12mlに溶解し1N NaOH
でpH7.4に合わせた。これに過硫酸アンモニウム11mg
を加え充分窒素置換をした後ガラス板の間に注入した。
万力でガラス板を押え、60℃で40時間重合させた。
生成したハイドロゲルを蒸留水で洗浄し未反応モノマー
を除いた(合成物37)。紫外線ランプにより滅菌処理
した後、細胞培養実験に供した。
は、細胞のフィブロンネクチンやビトロネクチンに対す
る接着を阻害する。その活性測定方法を以下に示す。本
実験例で用いられた競争法は基本的に生化学分野では広
く用いられているものであり例えば“Methods in Enzym
ology"、82、803−831(1981)、特開平1
−309682号、同2−174797号に開示されて
いる。
トの作製市販のフィブロネクチン(ヒト由来:生化学工
業(株)より購入)あるいはビトロネクチン(ヒト由来
フナコシ薬品(株)より購入)をPBSで各々1.0μ
l/ml、2.0μl/mlに希釈しその希釈液0.5mlを24
穴のプラスチックプレートに入れ37℃で一晩保温しコ
ーティングした。次に非特異的吸着を防ぐ目的で牛血清
アルブミン(BSA 1%)を加え37℃で1時間保温
し、その後、通常の洗浄操作(PBS)を加え充分に水
切りしてフィブロネクチン吸着プレートを作製した。同
様の操作によりビトロネクチン吸着プレートを作製し
た。
合物の塩をDulbecco'sModified Eagles Medium(以下D
MEMと略記する)に溶解し、0、0.25、0.5、1.
0、1.5mg/mlの溶液とした。この溶液0.25mlを上記
方法で作製したプレートに入れ、そこへ血管内皮細胞
(4×106 cells /ml)の懸濁液を0.25ml加え、3
7℃で1時間保温し細胞を接着させた。DMEM培地で
3回洗浄し、未接着の細胞を剥離し、2%トリパンブル
ーで染色して細胞数を計測した。結果を表1及び表2に
示す。
重合物の塩のin vitro系での血小板凝集阻害作用をヒト
多血小板血漿を用いて検討した。以下にその実験方法を
示す。
を加え遠心分離(1000rpm 、10分)し、上層を多
血小板血漿として分取した。凍結乾燥より得たプロペン
アミド誘導体及びその重合物の塩を0〜1.5mg/mlの種
々の濃度となる様に生理食塩水に溶解した。この塩溶液
25μlを血漿200μlに加え、37℃で3分間イン
キュベートしたのち、50μMアデノンシ二リン酸(A
DP)溶液あるいは200μg/mlのコラーゲン溶液を
25μl加え凝集の様子をアグリゴメーターを用いて透
過度を測定することにより検定した。結果を表3に示
す。
添加時の透過度 T =プロペンアミド誘導体またはその重合物の塩、添
加時の透過度
0、×:80以上
いて細胞培養を行なった。細胞は血管内皮細胞を用い、
培養液はDMEMおよび10%ウシ胎児血清(FCS)
を含むDMEMを用いた。この培養液に細胞を1×10
4 個/mlの割合となるように浮遊させ、予め架橋重合物
を入れておいたプラスチックシャーレの中に、1×10
4 個/cm2 となる割合で加えた。これを37℃、5%の
炭酸ガス雰囲気下にて培養した。培養後、位相差顕微鏡
にて接着性および増殖性の観察を行った。結果を表4に
示した。
いDMEM培地において細胞接着性および増殖性は、実
施例の合成物37の基体に比べ劣っていた。
Arg Gly Asp 1 5 10
15
いる 配列 Xaa Arg Gly Asp Ser 1 5
Claims (8)
- 【請求項1】 下記一般式〔I〕の側鎖に、下記一般式
〔II〕又は〔III〕で表される接着性ペプチドを必
須単位として有するプロペンアミド誘導体又はその塩。 一般式〔I〕 R1R2C=CR3−CO−[NH]− 式中、R1、R2は水素原子又はカルボキシル基を表
し、R3は水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原
子又はカルボキシメチル基を表す。 一般式〔II〕 −(R 4 )−[CO]−([X]−Arg−Gly−Asp−[Y])n− [Z]−H 一般式〔III〕 H−[CO]−([X]−Arg−Gly−Asp−[Y])n−[Z]− (R 5 )− 一般式〔III〕、〔III〕において 、X、YはSe
r,Gly,Val,Asn,Proから選択されるア
ミノ酸残基又はペプチド残基を表し、Zは−O−又は−
NH−を表す。R4、R5は、炭素数が1〜11の直鎖
又は分岐のアルキレン基、又は炭素数が6〜11のアリ
ーレン基を表し、置換基を有していてもよい。nは1〜
5の整数を表す。一般式〔I〕、〔II〕、〔III〕
において、[]は[]内の基が存在するかあるいは存在
しなくてもよいことを示す。 - 【請求項2】 請求項1記載のプロペンアミド誘導体の
重合物又はその塩。 - 【請求項3】 分子量が約3,000 〜200,000 の範囲であ
る、請求項2記載のプロペンアミド誘導体の重合物又は
その塩。 - 【請求項4】 請求項1記載のプロペンアミド誘導体の
架橋重合物又はその塩。 - 【請求項5】 多官能性単量体由来の構成単位が 0.1〜
30モル%である請求項4記載の架橋重合物又はその
塩。 - 【請求項6】 請求項1、2又は3記載のプロペンアミ
ド誘導体、その重合物又はその塩を有効成分とする動物
細胞の接着阻害剤。 - 【請求項7】 請求項1、2又は3記載のプロペンアミ
ド誘導体、その重合物又はその塩を有効成分とする血小
板凝集・粘着抑制剤。 - 【請求項8】 請求項4又は5記載のプロペンアミド誘
導体の架橋重合物又はその塩を有効成分とする動物細胞
培養基体。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3066157A JP2745342B2 (ja) | 1990-11-30 | 1991-03-29 | プロペンアミド誘導体、その重合物およびその用途 |
EP91120332A EP0488258B1 (en) | 1990-11-27 | 1991-11-27 | Propenamide derivatives, polymers, copolymers and use thereof |
DE69118826T DE69118826T2 (de) | 1990-11-27 | 1991-11-27 | Propenamidderivate, deren Polymere, Copolymere und deren Verwendung |
US08/278,251 US6046289A (en) | 1990-11-27 | 1994-07-20 | Propenamide derivatives containing Arg-Gly-Asp polymers obtained therefrom |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33479290 | 1990-11-30 | ||
JP2-334792 | 1990-11-30 | ||
JP3066157A JP2745342B2 (ja) | 1990-11-30 | 1991-03-29 | プロペンアミド誘導体、その重合物およびその用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04213310A JPH04213310A (ja) | 1992-08-04 |
JP2745342B2 true JP2745342B2 (ja) | 1998-04-28 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3066157A Expired - Fee Related JP2745342B2 (ja) | 1990-11-27 | 1991-03-29 | プロペンアミド誘導体、その重合物およびその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2745342B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP3066157A patent/JP2745342B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
第11回日本バイオマテリアル学会大会予稿集1989第82頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04213310A (ja) | 1992-08-04 |
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