JP2620728B2 - ペプチド含有ポリエチレングリコール誘導体とその用途 - Google Patents

ペプチド含有ポリエチレングリコール誘導体とその用途

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JP2620728B2 JP2333717A JP33371790A JP2620728B2 JP 2620728 B2 JP2620728 B2 JP 2620728B2 JP 2333717 A JP2333717 A JP 2333717A JP 33371790 A JP33371790 A JP 33371790A JP 2620728 B2 JP2620728 B2 JP 2620728B2
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸の
トリペプチド単位を有する、ポリエチレングリコール誘
導体またはその塩及びこれを有効成分とする動物細胞の
接着阻害剤並びに血小板凝集・粘着抑制剤に関する。
[従来の技術] フィブロネクチンは細胞−細胞外基質の接着に関与す
るタンパク質であり、血小板凝集やガン転移にも関与し
ていると考えられている。これらの相互作用は一連の細
胞表面のレセプターにより仲介され、フィブロネクチン
や分子量約25万の巨大分子であるにもかかわらず、これ
らのレセプターがそのアルギニン−グリシン−アスパラ
ギン酸(以下、Arg−Gly−Aspと略す)配列を特異的に
認識することが明らかにされ、レセプターとの相互作用
に重要なものであることが報告されている(ネイチャー
(Nature)、第309巻、30頁、1984年)。以来、Arg−Gl
y−Asp配列を有するオリゴあるいはポリペプチドを用い
る研究が進められている。
例えば、Arg−Gly−Asp配列を有する種々の鎖状およ
び環状のオリゴペプチドを用いて血小板凝集を阻害する
方法(高分子学会予縞集(Polymer Preprints,Japa
n)、第38巻、3149頁、1989年、特開平2−174797
号)、Arg−Gly−Asp配列を有するペプチドを細胞移動
抑制剤として用いる方法(特開平2−4716号)、Arg−G
ly−Aspを固定化したPMMA膜を細胞接着膜として用いる
方法(高分子学会予縞集(Polymer Preprints,Japa
n)、第37巻、705頁、1988年)が報告されている。さら
に、ポリマーにArg−Gly−Aspを必須構成単位とするペ
プチドを共有結合させ動物細胞培養基体、生体複合人工
臓器用基体として用いる方法(特開平1−309682号、特
開平1−305960号)、Arg−Gly−Asp−Ser配列を有する
ポリペプチドを体外血液用血小板保護剤として用いる方
法が開示されている(特開昭64−6217号)。また、Arg
−Gly−Asp配列を有するオリゴペプチドあるいはその繰
り返し構造を有するポリペプチドを用いて、ガン転移を
抑制する方法が知られている((Int.J.Biol.Macromo
l.)、第11巻、23頁、1989年、同誌、第11巻、226頁、1
989年、(Jpn.J.Cancer Res.)第60巻、722頁、1989
年)。
一方、ポリエチレングリコールは、疎水性および親水
性の両親媒性を兼ねそなえた合成高分子である。。この
ポリエチレングリコールを用いて酵素の性質を改変する
方法が報告されており(Trends in Biotech.,第4巻,68
頁,1986年)、ポリエチレングリコール誘導体に酵素を
導入して様々な酵素の改変に成功している。このポリエ
チレングリコール誘導体に、Arg−Gly−Asp配列を有す
るオリゴペプチドあるいはその繰り返し構造を有するポ
リペプチドを導入した化合物は知られておらず、導入し
た場合にはレセプターとの結合能の増強および血液中で
の安定化が期待できる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、アルギニン−グリシン−アスパラギ
ン酸のトリペプチド単位を有する、ポリエチレングリコ
ール誘導体およびその合成法を提供することである。
本発明の他の目的は、これを有効成分とする動物細胞
の接着阻害剤及び血小板凝集・粘着抑制剤を提供するこ
とである。
[課題を解決するための手段] 本発明の化合物は、下記一般式[I]または[III]
で規定されるペプチド含有ポリエチレングリコール誘導
体であり、分子内に存在するイオン性基は適当なイオン
と塩を形成してもよい。
式中、R1、R2はそれぞれ下記一般式[II]で表される
ペプチド残基を示す。
−([X]−Arg−Gly−Asp−[Y])−Z ……[II] 式中のArg、Gly、Aspはそれぞれアルギニン、グリシ
ン、アスパラギン酸残基を表す。[X]、[Y]は存在
するかあるいは存在しないアミノ酸残基またはペプチド
残基を表す。存在する場合には、[X]、[Y]がセリ
ン、グリシン、バリン、アスパラギン、プロリン、シス
テイン、トレオニン残基から選択されるアミノ酸残基ま
たはペプチド残基であることが好ましく、ペプチド残基
を構成するアミノ酸残基の数は2および3が好ましい。
特に、[X]がグリシン残基、[Y]がセリン残基であ
ることが好ましく、[Y]がセリン−プロリンペプチド
残基であることが好ましい。また[X]、[Y]がとも
に存在しない場合も好ましい。nは1から150までの整
数が好ましく、5から120までの整数が特に好ましい。
mは1から5までの整数を表し、mが1から3までの整
数が特に好ましい。Zは−OHまたは−NH2を表す。
本発明の化合物の好ましい塩の例としてはナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、塩
酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩が挙げられる。
以下に、本発明の好ましい化合物例を挙げるが、本発
明はこれらに限られるものではない。
化合物例 本発明の化合物は、レセプターとの結合能の増強およ
び血液中での安定化が期待さ、アルギニン−グリシン−
アスパラギン酸ペプチド部位がガン細胞、血小板、リン
パ球等の表面に存在するフィブロネクチンレセプターと
結合できることを利用して、ガン転移抑制、血小板凝集
抑制、リンパ球活性化の目的に使用することができる。
次に本発明の化合物の合成法について説明する。本発
明の化合物は、たとえば次の4段階で合成することがで
きる。
ポリエチレングリコール誘導体[IV]及び[V]の合
保護アミノ酸の逐次延伸による保護ペプチドの合成 保護ペプチドのポリエチレングリコール誘導体への導
入による式[VI]及び[VII]の化合物の合成 R3及びR4は式[II]で表されるペプチド残基の保護体
を示す。
脱保護および精製 以下、各段階を詳細に説明する。
一般式[IV]および[V]で表される化合物は、例
えばBiochem.Biophys.Res.Commun.,83,385(1978)、Li
fe Sciences,33,1467(1983)に記載されている方法に
よって合成でき、[V]の化合物は市販もされている。
保護アミノ酸を逐次伸長する方法としては、既知の
方法、すなわち、泉屋ら著「ペプチド合成の基礎と実
験」(丸善)やBodanszky著“PRINCIPLES OF PEPTIDE S
YNTHESIS"、“THE PRACTICEOF PEPTIDE SYNTHESIS"(Sp
ringer Verlag,New York)に記載されている方法がいず
れも有効である。縮合反応の段階では、DCC−additive
法、アジド法、混合酸無水物法、活性エステル法のいず
れを採用してもよいが、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ールとジシクロヘキシルカルボジイミドを併用するDCC
−additive法が最も良好な結果を与える。
一般式[VI]および[VII]で表される化合物は、
一般式[IV]および[V]で表されるポリエチレングリ
コール誘導体および保護ペプチドをこれらが溶解する有
機溶媒中で塩基存在下室温で攪拌、反応させることによ
り得られる。
保護基を脱保護するのに用いられる条件は、用いた
保護基の種類に大きく依存する。通常使用される脱保護
条件は、接触水素添加、トリフルオロ酢酸、無水フッ化
水素、トリフルオロメタンスルホン酸−チオアニソール
混合系、トリフルオロ酢酸−チオアニソール混合系等で
あるが、保護基の種類によってはさらに多様な手段が可
能である。また、目的物の精製は、ゲルろ過法等を用い
ることにより行うことがでる。
本発明において数平均分子量はゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)による測定結果をもとに算
出することができる。
GPCの測定条件は以下のとおりである。
カラム:TSKgel(東洋曹達製) G1000H8 排除限界分子量 1000 カラム寸法 7.51D×600mm 1本 G2000H8 排除限界分子量 10000 カラム寸法 7.51D×600mm 2本 G2500H8 排除限界分子量 20000 カラム寸法 7.51D×600mm 1本 溶媒:テトラヒドロフラン 流量:1ml/min カラム温度:40℃ 検出器:UV,RI併用 TSKスタンダードポリエチレンオキサイドで検量線を
作成。
数平均分子量は、高分子学会編「高分子科学実験法」
(東京化学同人1981年)P.204〜208に記載の一般的な方
法、すなわち線分法を用いて計算した。得られたクロマ
トグラムを等間隔のカウント(D)に分割してi番目の
高分子種のベースラインからのピーク高さをHiとし、以
下の関係式(1)を利用して求めた。
によって、 ここで、Niはi番目の高分子種の数を表わし、Miはi
番目の高分子種の分子量を表わす。(Miは前記の検量線
から求めることができる。)。
本発明のペプチド含有ポリエチレングリコール誘導体
は、細胞接着性蛋白質のコア配列(アルギニン−グリシ
ン−アスパラギン酸)を有し、該コア配列を介して細胞
接着性蛋白質と同様の機序で細胞に接着する。そのた
め、細胞接着性蛋白質のアゴニストまたはアンタゴニス
トとして様々の生物活性を示す。その他にも、免疫調整
作用、創傷治癒作用、毛細血管中で起こる癌細胞による
血小板凝集の抑制作用、神経疾患治癒作用等の広範な生
物活性が認められる。
従って、本発明のペプチド含有ポリエチレングリコー
ル誘導体は、その少なくとも一種を、場合により慣用の
担体または医薬用製剤とともに、癌転移抑制剤、創傷治
癒剤、免疫調整剤、血小板凝集抑制剤または神経疾患治
療剤として患者に投与することが可能である。特に動物
細胞接着阻害剤または血小板凝集・粘着抑制剤としての
使用が好ましい。その投与量は、0.2μg/kg〜400mg/kg
の範囲で症状、年令、体重等に基づいて決定される。
本発明のペプチド含有ポリエチレングリコール誘導体
は、ペプチド系医薬に一般に使用されている投与方法、
即ち非経口投与方法、例えば静脈内投与、筋肉内投与、
皮下投与等によって投与するのが好ましい。そのような
注射用製剤を製造する場合、本発明のペプチド含有ポリ
エチレングリコール誘導体を例えば、後記実施例で示す
ようにPBS(NaH2PO40.005M,NaCl0.07M)または生理食塩
水に溶解して、注射用製剤としてもよく、あるいは0.1N
程度の酢酸水等に溶解した後、凍結乾燥製剤としてもよ
い。このような製剤には、グリシンやアルブミン等の慣
用の安定化剤を添加してもよく、血中半減期を延長させ
る等の目的のために、コラーゲンやリポソームを担体と
して用いてもよい。
さらに、本発明のペプチド含有ポリエチレングリコー
ル誘導体は、例えばリポソーム中に包含したマイクロカ
プセル剤とすれば、経口投与剤とすることも可能であ
り、座剤、舌下錠、点鼻スプレー剤等の形にすれば、消
化管以外の粘膜から吸収させることも可能である。
実施例1 以下に本発明の化合物(1)の合成例を示す。
化合物(1)を以下の合成経路で合成した。なお、ア
ミノ酸、各種保護基および脱保護試薬は通常用いられて
いる略号を使って表した。また、他の化合物例もここに
例示した方法で合成できる。
Bzl:ベンジル基、 TFA:トリフルオロ酢酸、 Boc:t−ブトキシカルボニル基、 HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、 Z:ベンジルオキシカルボニル基、 以下にそれぞれの合成法を記す。
(1b)の合成 文献(Biochem.Biophys.Res.Commun.,83,385(197
8)、Life Sciences,33,1467(1983))に記載の方法に
より、アルドリッチ社から購入した平均分子量5,000の
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(1a)(10
g,2mmol)を充分乾燥し、トルエン(100ml)、炭酸ナト
リウム(5g)、塩化シアヌル(1.1g,6mmol)を加え、80
℃で120時間攪拌した。反応液が室温になるまで放冷し
た後にろ過し、ろ液にヘキサンを加えて結晶化した。さ
らにトルエン・アセトン・ヘキサンの溶媒系からこの結
晶を再結晶させ精製し、白色粉末(7g)を得た。
(1d)の合成 文献(Chem.Pharm.Bull.,24,3025(1978))に記載の
方法により、国産化学(株)から購入した(1c)(29.5
g,0.1mol)、トリエチルアミン(14ml)、臭化ベンジル
(17.1g)、酢酸エチル(200ml)の混合物を3時間加熱
還流した。反応液を室温になるまで放冷した後に、1N炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを
ろ過して除き、ろ液を減圧濃縮して無色油状物を得た。
この反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出
液ヘキサン/酢酸エチル40:1)で精製し、(1d)(36
g)を得た。
(1e)の合成 (1d)(7.71g,20mmol)を塩化メチレン20mlに溶解
し、トリフルオロ酢酸20mlを加えて室温で30分間攪拌し
た。溶媒を減圧留去した後にクロロホルム100mlを加
え、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各100ml
で数回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナ
トリウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮して無色油状
物を得た。これとBocAsp(OBzl)(国産化学(株)から
購入)(6.47g,20mmol)、DCC(4.54g,22mmol)、HOBt
(2.76g,18mmol)、DMF80mlの混合物を0℃で3時間、
さらに室温で12時間攪拌した。DCUreaを除去した後に溶
媒を減圧留去し、クロロホルム100mlを加え、1N炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過し
て除き、ろ液を減圧濃縮し、t1c(薄膜クロマトグラフ
ィー)で単独スポットなので精製することなく次の反応
に用いた。
(1f)の合成 (1e)の合成と同様に行った。トリフルオロ酢酸で脱
保護した後に、BocGly(国産化学(株)から購入)(3.
50g,20mmol)、DCC(4.54g,22mmol)、HOBt(2.76g,18m
mol)、DMF80mlを加えて縮合反応した。t1cで単独スポ
ットなので精製することなく次の反応に用いた。
(1g)の合成 (1e)の合成と同様に行った。トリフルオロ酢酸で脱
保護した後に、BocArg(Z)(国産化学(株)から購
入)(10.83g,20mmol)、DCC(4.54g,22mmol)、HOBt
(2.76g,18mmol)、DMF80mlを加えて縮合反応した。ク
ロマトグラフィー(溶出液クロロホルム・メタノール9
9:1)により精製して、(1g)の白色粉末14.4gを得た。
(1h)の合成 (1g)(1.03g,1mmol)を塩化メチレン10mlに溶解
し、トリフルオロ酢酸10mlを加えて室温で30分間攪拌し
た。溶媒を減圧留去した後にクロロホルム100mlを加
え、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各100ml
で数回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナ
トリウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮して白色粉末
を得た。これと(1b)(2.5g)、トリエチルアミン(0.
1g)、クロロホルム50mlの混合物を室温で24時間攪拌し
た。ゲルろ過(Sephadex LH−60)により精製し、(1
h)を3.1gを得た。
(1)の合成 (1h)(3.1g)を酢酸50mlに溶解し、10%パラジウム
炭素1gを加え、室温で常圧加水素分解を24時間行った。
触媒をセライトを用いてろ別し、溶媒を減圧留去した。
ゲルろ過(Sephadex LH−60)により精製し、(1)を
2.5g得た。
アミノ酸分析:Gly(1.03),Asp(0.98),Ser(0.92) 数平均分子量:6000 実施例2 実施例1記載の方法にしたがい、化合物(2)を合成
した。平均分子量5,000のポリエチレングリコールモノ
メチルエーテルを用いて、ポリエチレングリコール誘導
体[V]を合成した。化合物(2)の物性値を表1に示
す。
実施例3 実施例1記載の方法にしたがい、化合物(3)を合成
した。平均分子量2,000のポリエチレングリコールモノ
メチルエーテルを用いて、ポリエチレングリコール誘導
体[IV]を合成した。保護ペプチドはBoc Asp(OBzl)O
Bzlを出発物質にN端側へ逐次延長した。化合物(3)
の物性値を表1に示す。
実施例4 実施例1記載の方法にしたがい、化合物(4)を合成
した。平均分子量750のポリエチレングリコールモノメ
チルエーテルを用いて、ポリエチレングリコール誘導体
[V]を合成した。化合物(4)の物性値を表1に示
す。
実施例5 実施例1記載の方法にしたがい、化合物(5)を合成
した。平均分子量5,000のポリエチレングリコールモノ
メチルエーテルを用いて、ポリエチレングリコール誘導
体[IV]を合成した。保護ペプチドはBoc Pro OBzlを出
発物質にN端側へ逐次延長した。化合物(5)の物性値
を表1に示す。
実施例6 実施例1記載の方法にしたがい、化合物(6)を合成
した。平均分子量5,000のポリエチレングリコールモノ
メチルエーテルを用いて、ポリエチレングリコール誘導
体[IV]を合成した。保護ペプチドはBoc Pro NH2を出
発物質にN端側に逐次延長した。化合物(6)の物性値
を表1に示す。
製剤例 生理食塩水に、本発明のペプチド含有ポリエチレング
リコール誘導体(1)を100μg/mlの濃度で溶解して、
注射用製剤を調製した。この製剤は、動物細胞の接着阻
害剤及び血小板凝集・粘着抑制剤として使用可能であ
る。
試験例 『細胞接着阻害活性の測定』 本発明のペプチド含有ポリエチレングリコール誘導体
は細胞のフィブロネクチンやビトロネクチンに対する接
着を阻害する。その活性測定方法を以下に示す。ここで
用いられた競争法は基本的に生化学分野では広く用いら
れているものであり、例えば『Methods in Enzymolog
y』82 803(1981)、特開平1−309682、同2−174797
に開示されている。
実験方法 1.吸着プレートの作製 市販のフィブロネクチン(ヒト由来:生化学工業
(株)から購入)あるいはビトロネクチン(ヒト由来:
フナコシ(株)から購入)をPBS(NaH2PO40.005M+NaCl
0.07M)で各々1.0μ/ml、2.0μ/mlに希釈し、その
希釈液0.5mlを24ウエルのプラスチックプレートにい
れ、37℃で一晩保温し、コーテイングした。次に非特異
吸着を防ぐ目的で牛血清アルブミン(BSA 1%)を加
え、37℃、1時間保温し、その後通常の洗浄操作(PB
S)を行い充分に水きりして吸着プレートを作製した。
2.接着阻害実験 Dulbeccos Modified Eagles Medium(以下DMEMと略記
する)で希釈したペプチド含有ポリエチレングリコール
誘導体溶液0.25〜1.5mlを上記方法で作製したプレート
にいれ、そこへ血管内皮細胞(4×106cells/ml)懸濁
液を0.25ml加え、37℃で一時間保温し細胞を接着させ
た。DMEM培地で3回洗浄し、未接着の細胞を除いた後、
0.025%EDTAトリプシン溶液で接着した細胞を剥離し、
2%トリパンブルーで染色して細胞数を計測した。結果
を下記表2に示す。表中、RGDはアルギニン−グリシン
−アスパラギン酸のトリペプチドを表し、GRGDSはグリ
シン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−セリン
のペンタペプチドを表す。
『血小板凝集阻害活性試験』 本発明のペプチド含有ポリエチレングリコール誘導体
のIN VITRO系での血小板凝集阻害作用をヒト多血小板血
漿を用いて検定した。以下にその実験方法を示す。
実験方法 新鮮なヒト血液に1/9量の3.8%クエン酸ナトリウムを
加え遠心(1000rpm、10分)し、上層を多血小板血漿と
して分取した。この血漿200μにペプチド含有ポリエ
チレングリコール誘導体溶液25μ(max1.5mg/ml)を
加え、3分間37℃でインキュベートしたのち、20−50μ
MADP(アデノシンニリン酸)溶液あるいは200μg/mlの
コラーゲン溶液を25μ加えて凝集の程度を、アグリゴ
メーターを用いて透過度を測定することにより検定し
た。結果を表3に示す。
凝集阻害率(1−T/T0)/100% T0=ペプチド含有ポリエチレングリコール誘導体非添加
時の透過度 T=ペプチド含有ポリエチレングリコール誘導体添加時
の透過度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 7/06 C08G 65/32 NQH 7/08 A61K 37/02 ACB C08G 65/32 NQH ADS

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[I]で表されるペプチド含有
    ポリエチレングリコール誘導体またはその塩。 ただし、nは1から150までの整数を表す。また、R1
    下記一般式[II]で表されるペプチド残基を示す。式
    中、Arg、Gly、Aspはそれぞれアルギニン、グリシン、
    アスパラギン酸残基を表す。[X]、[Y]は存在する
    かあるいは存在しないアミノ酸残基またはペプチド残基
    を表す。mは1から5までの整数を表す。Zは−OHまた
    は−NH2を表す。 −([X]−Arg−Gly−Asp−[Y])−Z ……[II]
  2. 【請求項2】下記一般式[III]で表されるペプチド含
    有ポリエチレングリコール誘導体またはその塩。 ただし、nは1から150までの整数を表す。また、R2
    請求項(1)の一般式[II]で表されるペプチド残基を
    示す。
  3. 【請求項3】一般式[II]において、[X]、[Y]が
    存在するアミノ酸残基を表し、[X]、[Y]がセリ
    ン、グリシン、バリン、アスパラギン、プロリン、シス
    テイン、トレオニン残基から選択されるアミノ酸残基ま
    たはペプチド残基である請求項(1)記載のペプチド含
    有ポリエチレングリコール誘導体またはその塩。
  4. 【請求項4】一般式[II]において、[X]、[Y]が
    存在するアミノ酸残基を表し、[X]、[Y]がセリ
    ン、グリシン、バリン、アスパラギン、プロリン、シス
    テイン、トレオニン残基から選択されるアミノ酸残基ま
    たはペプチド残基である請求項(2)記載のペプチド含
    有ポリエチレングリコール誘導体またはその塩。
  5. 【請求項5】請求項(1)−(4)のいずれか1項記載
    のペプチド含有ポリエチレングリコール誘導体またはそ
    の塩を有効成分とする動物細胞の接着阻害剤。
  6. 【請求項6】請求項(1)−(4)のいずれか1項記載
    のペプチド含有ポリエチレングリコール誘導体またはそ
    の塩を有効成分とする血小板凝集・粘着抑制剤。
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