JP2620729B2 - ペプチド誘導体 - Google Patents

ペプチド誘導体

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JP2620729B2 JP2334791A JP33479190A JP2620729B2 JP 2620729 B2 JP2620729 B2 JP 2620729B2 JP 2334791 A JP2334791 A JP 2334791A JP 33479190 A JP33479190 A JP 33479190A JP 2620729 B2 JP2620729 B2 JP 2620729B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、Arg−Gly−Aspのトリペプチド単位を有す
る。リボソームあるいはミセル等の分子集合体を形成す
るのに最適なペプチド脂質に関する。
(従来の技術) フィブロネクチンは細胞−細胞外基質の接着に関与す
るタンパク質であり、血小板凝集やガン転移にも関与し
ていると考えられている。これらの相互作用は一連の細
胞表面のレセプターにより仲介され、これらのレセプタ
ーが、フィブロネクチンは分子量約25万の巨大分子であ
るにもかかわらずそのアルギニン−グリシン−アスパラ
ギン酸(Arg−Gly−AspまたはRGD)配列を特異的に認識
することが明らかにされ、レセプターとの相互作用に重
要なものであることが報告されている(ネイチャー(Na
ture)、第309号、30頁、1984年)。
以来、Arg−Gly−Asp配列を有するオリゴあるいはポ
リペプチドを用いる研究が成されている。
例えば、Arg−Gly−Asp配列を有する種々の鎖状およ
び環状のオリゴペプチドを用いて血小板凝集を阻害する
方法(高分子学会予稿集(Polymer Preprints,Japa
n)、第38巻、3149頁、1989年、特開平2−174797
号)、Arg−Gly−Asp配列を有するペプチドを細胞移動
抑制剤として用いる方法(特開平2−4716号)、Arg−G
ly−Aspを固定化したPMMA膜を細胞接着膜として用いる
方法(高分子学会予稿集(Polymer Preprints,Japa
n)、第37巻、705頁、1988年)が報告されている。さら
に、ポリマーにArg−Gly−Aspを必須構成単位とするペ
プチドを共有結合させ動物細胞培養基体、生体複合人工
臓器用基体として用いる方法(特開平1−309682号、特
開平1−305960号)、Arg−Gly−Asp−Ser配列を有する
ポリペプチドを体外血液用血小板保護剤として用いる方
法が開示されている(特開昭64−6217号)。
また、Arg−Gly−Asp配列を有するオリゴペプチドあ
るいはその繰り返し構造を有するポリペプチドを用い
て、ガン転移を抑制する方法が知られている((Int.j.
Biol.Macromol.)、第11巻、23頁、1989年、同誌、第11
巻、226頁、1989年、(Jpn.j.Cancer Res.)第60巻、72
2頁、1989年)。
一方、リポソームやミセル等の分子集合体をドラッグ
キャリアーとして用いる方法が多数検討されている
(例えば、リポソーム、245頁〜271頁 南江堂、1988
年、キャンサー リサーチ(Cancer Res.)第43巻、532
8頁、1983年、ジャーナル オブ コントロールド リ
リース(J.Controlled Release)269頁、1990年)。
しかし、リポソーム等の分子集合体形成脂質にArg−G
ly−Asp配列を有するペプチド脂質を用いた例は知られ
ていない。
(発明の目的) 本発明の目的は、Arg−Gly−Aspのトリペプチド単位
を有する、リポソームあるいはミセル等の分子集合体を
形成するのに最適なペプチド脂質誘導体及び合成法を提
供することである。
(発明の構成) 本発明の化合物は下記、一般式(I)で示される合成
ペプチド脂質またはその塩から成るペプチド誘導体であ
る。
R1−(〔X〕−Arg−Gly−Asp−〔Y〕)−Z (I) 式中、Arg、Gly、Aspはそれぞれアルギニン、グリシ
ン、アスパラギン酸残基を示す。
〔X〕、〔Y〕は、存在するかあるいは存在しないア
ミノ酸残基あるいはペプチド残基を示す。存在する場合
には〔X〕、〔Y〕は、Ser、Gly、Val、Asn、Pro、Cys
から選択されるアミノ酸あるいはこれらのアミノ酸の2
〜3残基により構成されるペプチド残基が好ましい。特
に〔Y〕がSerが好ましい。また、〔X〕、〔Y〕が共
に存在しない場合も特に好ましい。Ser、Val、Asn、Pr
o、Cys、Thrはそれぞれセリン、バリン、アスパラギ
ン、プロリン、システィン、トレオニン残基を示す。n
は1〜5の整数を示す。nは1〜3が好ましい。
R1は炭素数6〜24の直鎖または分岐のアシル基であ
り、置換基、不飽和基を有していても良い。好ましくは
炭素数8〜18である。例えばミリストイル基、パルミト
イル基、ステアロイル基、3.7.11.15−テトラメチルヘ
キサデカノイル基、3.7.11−トリメチルドデカノイル基
が好ましい例として示される。
Zは水酸基あるいはアミノ基を示す。
以下に本発明の好ましい具体例を物性値とともに示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。
ペプチド脂質−1 C9H19CO−Arg−Gly−Asp−OH FAB−MASS(POS.)(M+H)+501 アミノ酸分析 Arg0.94、Gly0.93、Asp0.99 ペプチド脂質−2 C13H27CO−Arg−Gly−Asp−OH FAB−MASS(POS.)(M+H)+557 アミノ酸分析 Arg0.97、Gly0.94、Asp0.92 ペプチド脂質−3 C15H31CO−Arg−Gly−Asp−OH FAB−MASS(POS.)(M+H)+584 アミノ酸分析 Arg1.02、Gly0.99、Asp0.91 ペプチド脂質−4 FAB−MASS(POS.)(M+H)+641 アミノ酸分析 Arg0.97、Gly0.92、Asp1.01 ペプチド脂質−5 C15H31CO−Arg−Gly−Asp−Ser−OH FAB−MASS(POS.)(M+H)+671 アミノ酸分析 Arg0.99、Gly0.99、Asp0.93、Ser0.78 ペプチド脂質−6 C17H35CO−Arg−Gly−Asp−Ser−OH FAB−MASS(POS.)(M+H)+700 アミノ酸分析 Arg0.98、Gly1.02、Asp0.95、Ser0.62 ペプチド脂質−7 FAB−MASS(POS.)(M+H)+658 アミノ酸分析 Arg0.96、Gly0.97、Asp0.96、Ser0.71 ペプチド脂質−8 C17H35CO−Arg−Gly−Asp−Ser−Gly−OH FAB−MASS(POS.)(M+H)+757 アミノ酸分析 Gly2.07、Arg1.01、Asp1.02、Ser0.78 ペプチド脂質−9 C13H27CO−Gly−Arg−Gly−Asp−Ser−Pro−OH FAB−MASS(POS.)(M+H)+798 アミノ酸分析 Gly2.01、Arg1.18、Asp1.12、Ser0.74、
Pro0.98 ペプチド脂質−10 C13H27CO−Arg−Gly−Asp−NH2 FAB−MASS(POS.)(M+H)2556 アミノ酸分析 Arg1.12、Gly1.21、Asp1.22 ペプチド脂質−11 FAB−MASS(POS.)(M+H)+570 アミノ酸分析 Arg0.91、Gly0.96、Asp0.94 ペプチド脂質−12 C15H31CO−Arg−Gly−Asp−Ser−NH2 FAB−MASS(POS.)(M+H)+671 アミノ酸分析 Arg1.32、Gly1.30、ASp1.28、Ser0.96 ペプチド脂質−13 FAB−MASS(POS.)(M+H)+727 アミノ酸分析 Arg1.14、Gly1.11、ASp1.12、Ser0.73 ペプチド脂質−14 C19H39CO−Arg−Gly−Asp−Gly−NH2 FAB−MASS(POS.)(M+H)+697 アミノ酸分析 Gly1.78、Arg0.87、Asp0.71、 ペプチド脂質−15 C13H27CO−(Arg−Gly−Asp)−OH FAB−MASS(POS.)(M+H)+885 アミノ酸分析 Arg2.21、Gly2.11、Asp1.98 ペプチド脂質−16 C15H31CO−(Arg−Gly−Asp−Ser)−OH FAB−MASS(POS.)(M+H)+1087 アミノ酸分析 Arg2.15、Gly2.04、Asp2.12、Ser1.45 ペプチド脂質−17 C17H35CO−(Arg−Gly−Asp−Ser)−NH2 FAB−MASS(POS.)(M+H)+1114 アミノ酸分析 Arg1.67、Gly1.70、Asp1.43、Ser1.03 ペプチド脂質−18 C13H27CO−(Arg−Gly−Asp)−NH2 FAB−MASS(POS.)(M+H)+1212 アミノ酸分析 Arg3.16、Gly3.10、Asp2.88 ペプチド脂質−19 C15H31CO−(Arg−Gly−Asp−Ser)−OH FAB−MASS(POS.)(M+H)+1502 アミノ酸分析 Arg2.89、Gly2.82、Asp2.99、Ser2.15 本発明の化合物は、たとえば次の工程により合成する
ことができる。
ペプチドフラグメント保護体の調製 ペプチドフラグメント保護体と、R1−Wとの縮合
(R1は相当するアシル基を示す。Wは例えば水酸基ある
いはハロゲン原子を示す。) 脱保護および精製 以下、各工程の詳細な説明をする。
ペプチドフラグメント保護体の調製は保護アミノ酸
を逐次伸長する既知の方法、すなわち、泉屋ら著「ペプ
チド合成の基礎と実験」(丸善)やBodanszky著“PRINC
IPLES OF PEPTIDE SYNTHESIS"、“THE PRACTICE OF PEP
TIDE SYNTHESIS"(Springer Verlag,New York)に記載
されている方法がいずれも有効である。縮合反応の段階
では、DCC−additive法、アジド法、混合酸無水物法、
活性エステル法のいずれを採用してもよいが、1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾールとジシクロヘキシルカルボジ
イミドを併用するDCC−additive法が最も良好な結果を
与えた。
尚、用いる保護アミノ酸はα−アミノ基をBoc基で保
護し、側鎖およびα−カルボキシル基をベンジルエステ
ル、ベンジルエーテル、ベンジルチオエーテル等のベン
ジル系保護基で保護したものが特に良好な結果を与え
た。
相当するR1−Wとの縮合に関しては通常の方法が用
いられる。Wが水酸基のものに関しては例えばDCC法、D
CC−addtive法、CDI法等が採用される。Wがハロゲンの
ものに関しては例えば相当する酸クロライド等を用いれ
ばよい。
保護基を脱保護するのに用いられる条件は、用いた
保護基の種類に大きく依存する。通常使用される脱保護
条件は、加水素分解、トリフルオロ酢酸、無水フッ化水
素、トリフルオロメタンスルホン酸−チオアニソール混
合系、トリフルオロ酢酸−チオアニソール混合系等であ
るが、保護基の種類によってはさらに多様な手段が可能
である。また、目的物の精製は、再沈澱法、ゲルろ過法
等を採用できる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。
さらに、本発明の化合物の好ましい具体例で示したペ
プチド脂質は同様の方法により合成できる。
実施例1 ペプチド脂質−1の合成 文献(Chem.Pharm.Bull.,24,3025(1976))に記載の
方法により、国産化学(株)から購入したBoc−Asp(OB
zl)32.3g、トリエチルアミン14ml、臭化ベンジル17.1
g、酢酸エチル200mlの混合物を3時間加熱還流した。反
応液を室温になるまで放冷した後、1N炭酸水素ナトリウ
ム水溶液,飽和食塩水各200mlで洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除き、ろ
液を減圧濃縮して無色油状物を得た。この反応混合物を
シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液 ヘキサン/酢
酸エチル 95:5)で精製し、Boc−Asp(OBzl)−OBzl
36gを得た。ジクロロメタン20mlに溶解し、トリフルオ
ロ酢酸20mlを加えて室温で30分間撹拌しTFA−Asp(OBz
l)−OBzlを定量的に得た。
TFA−Asp(OBzl)−OBzl 8.5gをジクロロメタンに溶
解して、Boc−グリシン無水物6.7g、ジメチルアミノピ
リジン(DMAP)2.5gを加え室温で6時間撹拌した。
反応液を1N炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除
き、ろ液を減圧濃縮した。残留物をジクロロメタン20ml
に溶解し、トリフルオロ酢酸20mlを加えて室温で20分間
撹拌した。溶媒を減圧留去した後にクロロホルム100ml
を加え、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各10
0mlで数回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫
酸ナトリウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮してGly
−Asp(OBzl)−OBzlを得た。
これを、精製すること無しに、Boc−Arg(Z)(国
産化学(株)から購入)10.83g、DCC4.54g、HOBt2.76
g、DMF80mlを加えて一昼夜撹拌して、DCUreaを除去した
後に溶媒を減圧留去し、クロロホルム100mlを加え、1N
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを
ろ過して除き、ろ液を減圧濃縮した。
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液クロロホルム/酢酸エチル6:4)により精製して、白
色粉末としてBoc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−OB
zl 13.2gを得た。FAB−MASS(M+H)2894 Boc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−OBzl 1.34
g、を塩化メチレン10mlに溶解し、トリフルオロ酢酸10m
lを加えて室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去した
後にクロロホルム100mlを加え、1N炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水各100mlで数回洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除き、
ろ液を減圧濃縮して白色粉末としてArg(Z)−Gly−
Asp(OBzl)−OBzlを定量的に得た。
デカン酸258mgをジクロロメタン50mlに溶解し、室温
でDCC309mgを加え一時間撹拌した。Arg(Z)−Gly−
Asp(OBzl)−OBzl 1.19gを加えて10時間撹拌した。反
応液をろ過し、ろ液を水で洗い有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除き、ろ液
を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶出液クロロホルム/酢酸エチル1:1)により
精製し、C9H19CO−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−OB
zl 620mgを得た。
C9H19CO−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−OBzl500m
gを酢酸50mlに溶解し、10%パラジウム炭素100mgを加
え、室温で常圧加水素分解を24時間行った。触媒をセラ
イトを用いてろ別し、溶媒を減圧留去し残留物を再沈澱
法(酢酸−酢酸エチル)により精製しペプチド脂質−1
182mgを得た。
実施例2 ペプチド脂質−2の合成 ミリスチン酸を用いて実施例1と同様に合成した。
実施例3 ペプチド脂質−3の合成 パルミチン酸を用いて実施例1と同様に合成した。
実施例4 ペプチド脂質−4の合成 合成フィトール(Cis−trans混合物)50g、をエタノ
ールに溶解して二酸化白金500mgを用いて室温で水素添
加を行い3.7.11.15−テトラメチルヘキサデカノールを
定量的に得た。
3.7.11.15−テトラメチルヘキサデカノールをJones試
薬により酸化して3.7.11.15−テトラメチルヘキサデカ
ン酸を得た。
以上の様に合成した3.7.11.15−テトラメチルヘキサ
デカン酸を用いて実施例1と同様に合成した。
実施例5 ペプチド脂質−5の合成 文献(Chem.Pharm.Bull.,24,3025(1976))に記載の
方法により、国産化学(株)から購入したBoc−Ser(Bz
l)29.5g、トリエチルアミン14ml、臭化ベンジル17.1
g、酢酸エチル200mlの混合物を3時間加熱還流した。反
応液を室温になるまで放冷した後に、1N炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除き、
ろ液を減圧濃縮して無色油状物を得た。この反応混合物
をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液 ヘキサン/
酢酸エチル40:1)で精製し、Boc−Ser(Bzl)−OBzl36g
を得た。
次に、Boc−Ser(Bzl)−OBzl 7.71g、を塩化メチレ
ン20mlに溶解し、トリフルオロ酢酸20mlを加えて室温で
30分間撹拌した。溶媒を減圧留去した後にクロロホルム
100mlを加え、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩
水各100mlで数回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。硫酸ナトリウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮し
て無色油状物を得た。これとBoc−Asp−(OBzl)(国産
化学(株)から購入)6.47g、ジシクロロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)4.54g、ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル(HOBt)2.76g、DMF80mlの混合物を0℃で3時間、さ
らに室温で12時間撹拌した。
DCUreaを除去した後に溶媒を減圧留去し、クロロホル
ム100mlを加え、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食
塩水各200mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。硫酸ナトリウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮
し、ジクロロメタン20ml、トリフルオロ酢酸20mlを加え
て室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去した後にクロ
ロホルム100mlを加え、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和食塩水各100mlで数回洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除き、ろ液を減
圧濃縮してAsp(OBzl)−Ser(Bzl)−OBzlを得た。さ
らにBoc−Gly(国産化学(株)から購入)3.50g、DCC4.
54g、HOBt2.76g、DMF80mlを加えて0℃で3時間、さら
に室温で12時間撹拌した。
DCUreaを除去した後に溶媒を減圧留去し、クロロホル
ム100mlを加え、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食
塩水各200mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。硫酸ナトリウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮
し、ジクロロメタン20ml、トリフルオロ酢酸20mlを加え
て室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去した後にクロ
ロホルム100mlを加え、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和食塩水各100mlで数回洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除き、ろ液を減
圧留去してGly−Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−OBzlを得
た。これを、精製すること無しにBoc−Arg(Z)(国
産化学(株)から購入)10.83g、DCC4.54g、HOBt2.76
g、DMF80mlを加えて一昼夜撹拌し、DCUreaを除去した後
に溶媒を減圧留去し、クロロホルム100mlを加え、1N炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを
ろ過して除き、ろ液を減圧濃縮した。
残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液クロ
ロホルム・メタノール99:1)により精製して、白色粉末
としてBoc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−Ser(Bz
l)−OBzl 14.4gを得た。FAB−MASS(M+H)+1071 Boc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−
OBzl 1.03g、を塩化メチレン10mlに溶解し、トリフル
オロ酢酸10mlを加えて室温で30分間撹拌した。溶媒を減
圧留去した後にクロロホルム100mlを加え、1N炭酸水素
ナトリウム水溶液、飽和食塩水各100mlで数回洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過
して除き、ろ液を減圧濃縮して白色粉末としてArg
(Z)−Gly−Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−OBzlを定量
的に得た。
パルミチン酸256mg、をジクロロメタン50mlに溶解
し、室温でDCC206mgを加え一時間撹拌した。Arg(Z)
−Gly−Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−OBzl0.97gを加え
て10時間撹拌した。反応液をろ過して、ろ液を水で洗い
有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウ
ムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮し、残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液クロロホルム/
酢酸エチル1:1)により精製しC15H31CO−Arg(Z)
Gly−Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−OBzl640mgを得た。
C15H31CO−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−Ser(Bz
l)−OBzl500mgを酢酸50mlに溶解し、10%パラジウム炭
素100mgを加え、室温で常圧加水素分解を24時間行っ
た。触媒をセライトを用いてろ別し、溶媒を減圧留去し
残留物を再沈澱法(酢酸−酢酸エチル)により精製しペ
プチド脂質−5 120mgを得た。
実施例6 ペプチド脂質−6の合成 ステアリン酸を用いて実施例5と同様に合成した。
実施例7 ペプチド脂質−7の合成 ファルネソルを用いて、実施例4と同様にして3.7.11
−トリメチルドデカン酸を調製した。3.7.11−トリメチ
ルドデカン酸を用いて実施例5と同様にペプチド脂質−
7を合成した。
実施例8 ペプチド脂質−14の合成 国産化学(株)から購入したBoc−Asp(OBzl) 6.47
g、Gly−NH2・HCl 2.2g、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(DCC)4.54g、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HO
Bt)2.76g、N,N−ジイソプロピルエチルアミン2.6g、DM
F80mlの混合物を0℃で3時間、さらに室温で24時間撹
拌した。DCUreaを除去した後に溶媒を減圧留去し、クロ
ロホルム100mlを加え、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和食塩水各200mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃
縮し、ジクロロメタン20ml、トリフルオロ酢酸20mlを加
えて室温で30分間撹拌した後、溶媒を減圧留去してTFA
−Asp(OBzl)−Gly−NH2を得た。
TFA−Asp(OBzl)−Gly−NH2をジクロロメタン80mlに
溶解して、Boc−グリシン無水物6.7g、ジメチルアミノ
ピリジン(DMAP)2.5gを加え室温で6時間撹拌した。
反応液を1N炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除
き、ろ液を減圧濃縮した。残留物をジクロロメタン20ml
に溶解酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過
して除き、ろ液を減圧濃縮し、ジクロロメタン20ml、ト
リフルオロ酢酸20mlを加えて室温で30分間撹拌した。溶
媒を減圧留去してTFA−Gly−Asp(OBzl)−Gly−NH2
得た。これを、精製すること無しにBoc−Arg(Z)
(国産化学(株)から購入)10.83g、DCC4.54g、HOBt
2.76g、N,Nジイソプロピルエチルアミン2.6g、DMF80ml
を加えて一昼夜撹拌した。DCUreaを除去した後に溶媒を
減圧留去し、クロロホルム100mlを加え、1N炭酸水素ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除
き、ろ液を減圧濃縮した。
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液クロロホルム/メタノール系 1:0−9:1)により精製
して、白色粉末としてBoc−Arg(Z)−Gly−Asp(OB
zl)−Gly−NH210.6gを得た。FAB−MASS(M+H)+861 Boc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−Gly−NH21.29
g、を塩化メチレン10mlに溶解し、トリフルオロ酢酸10m
lを加えて室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去した
後にクロロホルム100mlを加え、1N炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水各100mlで数回洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除き、
ろ液を減圧濃縮して白色粉末としてArg(Z)−Gly−
Asp(OBzl)−Gly−NH2を定量的に得た。アラキジン酸4
68mg、をジクロロメタン50mlに溶解し、室温でDCC309mg
を加え一時間撹拌した。Arg(Z)−Gly−Asp(OBz
l)−Gly−NH21.15gを加えて10時間撹拌した。反応液を
ろ過し、ろ液を水で洗い有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過して除き、ろ液を減圧
濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液クロロホルム/メタノール系95:5−8:2)によ
り精製し、C19H39CO−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)
−Gly−NH2 820mgを得た。
C19H39CO−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−Gly−NH
2 500mgを酢酸50mlに溶解し、10%パラジウム炭素100m
gを加え、室温で常圧加水素分解を24時間行った。触媒
をセライトを用いてろ別し、溶媒を減圧留去し残留物を
再沈澱法(酢酸−酢酸エチル)により精製しペプチド脂
質−14 190mgを得た。
実施例9 ペプチド脂質−15の合成 実施例1と同様にして保護アミノ酸を順次縮合してBo
c−(Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl))−OBzlを調製
した。続いて、ジクロロメタンに溶解してトリフルオロ
酢酸を加え、TFA−(Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl))
−OBzlとした。
ミリスチン酸456mg、をクロロホルム100mlに溶解し、
室温でDCC412mgを加え一時間撹拌した。
TFA−(Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl))2OBzl 3.1
9gを加えて10時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を水
で洗い有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナ
トリウムをろ過して除き、ろ液を減圧濃縮し、残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液クロロホ
ルム・メタノール 95:5)により精製し、C13H27CO−
(Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl))−OBzl 950mgを
得た。
C13H27CO−(Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl))−O
Bzl 500mgを酢酸50mlに溶解し、10%パラジウム炭素10
0mgを加え、室温で常圧加水素分解を24時間行った。触
媒をセライトを用いてろ別し、溶媒を減圧留去し残留物
を再沈澱法(酢酸−酢酸エチル)により精製しペプチド
脂質−15 130mgを得た。
(有用性) 本発明の化合物は細胞移動抑制剤、細胞接着膜、細胞
培養基体として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 47/42 A61K 47/42 B C12N 5/06 C12N 5/00 E

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記、一般式(I)で示される合成ペプチ
    ド脂質またはその塩から成るペプチド誘導体。 R1−(〔X〕−Arg−Gly−Asp−〔Y〕)−Z (I) 式中、Arg、Gly、Aspはそれぞれアルギニン、グリシ
    ン、アスパラギン酸残基を示す。 〔X〕、〔Y〕は、存在するかあるいは存在しないアミ
    ノ酸残基あるいはペプチド残基を示す。nは1〜5の整
    数を示す。 R1は炭素数6〜24の直鎖または分岐のアシル基であり、
    置換基、不飽和基を有していても良い。Zは水酸基ある
    いはアミノ基を示す。
  2. 【請求項2】請求項(1)の一般式(I)において
    〔X〕、〔Y〕が、存在するアミノ酸残基あるいはペプ
    チド残基を示し、〔X〕、〔Y〕は、Ser、Gly、Val、A
    sn、Pro、Cys、Thrから選択されるアミノ酸あるいはこ
    れらのアミノ酸の2〜3残基により構成されるペプチド
    残基である請求項(1)記載の合成ペプチド脂質。 Ser、Val、Asn、Pro、Cys、Thrはそれぞれセリン、バリ
    ン、アスパラギン、プロリン、システイン、トレオニン
    残基を示す。
  3. 【請求項3】合成ペプチド脂質が下記式(II)で示され
    る請求項(1)記載の合成ペプチド脂質。 R1−(Arg−Gly−Asp−Ser)−Z (II) 式中、nは1〜5を示す。 R1は炭素数6〜24の直鎖または分岐のアシル基であり、
    置換基、不飽和基を有していても良い。Zは水酸基ある
    いはアミノ基を示す。
  4. 【請求項4】合成ペプチド脂質が下記式(III)で示さ
    れる請求項(1)記載の合成ペプチド脂質。 R1−(Arg−Gly−Asp)−Z (III) 式中、nは1〜5を示す。 R1は炭素数6〜24の直鎖または分岐のアシル基であり、
    置換基、不飽和基を有していても良い。Zは水酸基ある
    いはアミノ基を示す。
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