JP2662811B2 - 印刷機の版万力装置 - Google Patents

印刷機の版万力装置

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JP2662811B2 JP30876388A JP30876388A JP2662811B2 JP 2662811 B2 JP2662811 B2 JP 2662811B2 JP 30876388 A JP30876388 A JP 30876388A JP 30876388 A JP30876388 A JP 30876388A JP 2662811 B2 JP2662811 B2 JP 2662811B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は印刷機の版胴に設けられ胴周面に巻付けられ
る版のくわえ側と尻側とを固定する版万力装置に関する
ものである。
〔従来の技術〕
各種印刷機の版胴外周部には、胴の全長におよぶ断面
ほゞ長方形状の切欠きが設けられており、この切欠き内
には、版のくわえ側端部をくわえるくわえ側版万力と、
これにくわえられたのち胴周面に巻付けられた版の尻側
端部をくわえる尻側版万力とからなる版万力装置が、切
欠き底面に固定されて胴軸方向に延設されている。
従来におけるこれらくわえ側,尻側の版万力は、胴軸
方向に延びる長尺の万力台と、この万力台の端縁部に複
数個のボルトで揺動自在に枢支されその揺動により開閉
して万力台との間で版をくわえたり放したりする複数個
のくわえ板と、これら各くわえ板の端縁部切欠きと係合
する複数個のカムとを備えており、複数個のカムは回動
自在なカム軸上に並列して固定されている。また、万力
台とくわえ板との間には、くわえ板を開方向に付勢する
複数個の圧縮コイルばねが介装されている。さらに、尻
側版万力の万力台は、胴周切欠きの底面に、胴周方向へ
移動自在に支持されており、この万力台の長手方向複数
箇所には、複数個の版張りボルトが先端を胴周切欠きの
壁面に当接させて螺入されている。また、尻側版万力と
胴周切欠き側との間には、尻側版万力を切欠き壁面方向
に付勢するばね部材が介装されている。
このように構成されていることにより、版を装着する
場合には、カム軸を回動操作すると、胴長方向へ複数個
に分割されたくわえ板は、カムの係合から解放されて圧
縮コイルばねの弾発力によりいっせいに開くので、くわ
え板と万力台との間へ版の端を挿入したのち、カム軸を
先程とは逆方向へ回動させると、くわえ板はカムの作用
により圧縮コイルばねの弾発力に抗し揺動して閉じ、版
の端をくわえる。このようにしてくわえ側の版万力にく
わえ側端部をくわえられて胴周に巻付けられたのち尻側
の版万力で尻側端部をくわえられた版は、複数個の版張
りボルトを締めることによる尻側版万力の胴周方向への
移動によって張られ、胴周面に密着する。また、版を取
り外す場合は、上記とほゞ逆動作によって行われる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように従来の版万力装置においては、版の装着に
際し、上記のようにカム軸の回動により複数個のくわえ
板を揺動させて版をくわえるものであるために、各くわ
え板を調整したのちくわえを行っても、各くわえ板の間
にくわえ力のばらつきが発生して版がゆがみ易く、この
くわえ板の当り調整がきわめて面倒で長時間を要するも
のであるし、また、複数個の版張りボルトを締めること
により版を張るものであるために、版を均一に張ること
がむずかしくて版の装着精度が低下し易く、この版張り
操作と、上記版くわえ操作とを、各操作場所へ移動して
行うことは、多大の労力と時間を要するという問題があ
った。
〔課題を解決するための手段〕
このような課題を解決するために請求項1記載の発明
では、くわえ側版万力と尻側版万力との少なくとも一方
を、胴周切欠き内に位置して胴軸方向に延びる万力台
と、この万力台に揺動自在に枢支されるくわえ板と、こ
のくわえ板と万力台との間に介装されくわえ板を版くわ
え方向に付勢するばね部材と、胴軸方向に移動自在に支
持されたバーと、前記くわえ板に設けられた被係合部
と、前記バーに設けられ前記バーの胴軸方向への移動に
より前記被係合部に係合・非係合となり、係合すること
によって前記ばね部材の弾発力に抗して前記くわえ板を
万力台に対して版くわえを解除する方向に揺動させる係
合部とを備えた。
また、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の
発明の構成に加えて、くわえ側、尻側万力の少なくとも
一方の万力台を胴の円周方向へ移動自在に設けるととも
に、この万力台と胴周切欠き壁面との間に介装され万力
台を版張り方向に付勢するばね部材と、前記万力台に設
けられた被係合部と、前記バーに設けられ前記バーの胴
軸方向への移動により前記被係合部に係合・非係合とな
り、係合することによって前記ばね部材の弾発力に抗し
て前記万力台を版張り方向と反対方向に移動させる係合
部とを備えた。
さらに請求項3記載の発明では、上記請求項1記載お
よび請求項2記載の発明の構成に加え、バーに対接され
てこのバーを所定のタイミングで進退させる進退駆動装
置を設けた。
〔作 用〕
くわえ側版万力の開いたくわえ板と万力台との間へ版
の一端を挿入したのち、バーを進退させると、このバー
に備えられた係合部材がくわえ側版万力の被係合部材を
押圧から解放してくわえ板を揺動させ、版の一端はばね
部材のばね力でくわえられる。こうして版の一端をくわ
えさせたのち、版を胴の周面に巻付け、尻側版万力の開
いたくわえ板と万力台との間へ版の他端を挿入する。そ
してバーを進退させると、ころがくわえ側版万力の被係
合部材を押圧から解放してくわえ板を揺動させ、版の他
端はばね部材のばね力でくわえられる。
さらに、バーを進退させると、被係合部材が押圧から
解放されて尻側版万力が移動可能になり、ばね部材の付
勢により移動するので、版が張られて胴周面に密着す
る。
版を版胴から取り外すときには、バーを逆方向に進退
させることにより、版の弛めとくわえ解放とが行われて
版がとり外される。
バーを進退駆動装置により所定のタイミングで所定量
ずつ進退させれば、版のくわえ,くわえ解放作業または
版の着脱作業全体の自動化が可能である。
〔実施例〕
第1図ないし第8図は本発明に係る印刷機の版万力装
置の実施例を示し、第1図はこれを実施した版胴の平面
図、第2図は第1図のII−II断面図、第3図は第1図の
III−III断面図、第4図は第1図のIV−IV断面図、第5
図は第1図のV−V断面図、第6図は第1図のVI−VI断
面図、第7図は第1図のVII−VII断面図、第8図は第1
図のVIII−VIII断面図である。図において、版胴1の外
周部には、断面をほゞ長方形状に形成された切欠き2
が、胴のほゞ全長にわたって設けられており、この切欠
き2の両端部には、鞍形状に形成された一対ずつのガイ
ド3,4が切欠き底面にボルト止めされている。全体を符
号5で示すくわえ側版万力は、断面をほゞ正方形状に形
成されて胴軸方向に延びる万力台6を備えており、この
万力台6の両端薄肉部6aは、前記左右のガイド3に上下
動を規制されかつ円周方向へわずかに移動を許されて嵌
合されている。万力台6の長手方向複数箇所には、第3
図に断面を示すねじ孔6bが設けられていて、このねじ孔
6bには、先端部にテーパ加工が施された調節ねじ7が螺
入されており、この調節ねじ7に対応する箇所のピン孔
には、鍔部を万力台6と切欠き2壁面との間隙に係入さ
せた鍔付きピン8が、先端を調節ねじ7のテーパ加工面
に当接させて摺動自在に挿入されている。こうすること
により、調節ねじ7を回動させると、テーパ加工面の作
用で万力台6が円周方向へ微量だけ移動調節されるよう
に構成されている。第5図に符号9で示すものは、万力
台6側のスタッド10と切欠き2の凹孔2a壁面との間に介
装され版万力5全体を円周方向外方へ付勢する圧縮コイ
ルばねである。
万力台6の傾斜面複数箇所には、第7図に断面を示す
ねじ孔6cが設けられており、各ねじ孔6cには、半球面状
の頭部を有するピン11が螺入されて樹脂チップ12を介し
止ねじ13で固定されている。万力台6には、全長がこれ
と同長で胴軸方向に3分割された断面ほゞくの字状のく
わえ板14が、その孔をピン11の半球面頭部と嵌合させて
揺動自在に支持されており、そのくわえ面14aは万力台
6のくわえ面と対向している。なお、図示しないがくわ
え面14aには複数条の凸条が形成されていて、対向くわ
え面の凹溝と係合している。万力台6の底面には第8図
に断面を示す複数個のスタッド15が、胴軸方向に並列し
切欠き2の凹孔2a内へ突出して植設されており、これら
各スタッド15のねじ孔に螺入されたばね受けピン16とく
わえ板14の下端凹孔との間には、くわえ板14をそのくわ
え面14aが閉じる方向に付勢する圧縮コイルばね17が介
装されている。
切欠き2内にくわえ側版万力5と平行して位置し全体
を符号20で示す尻側版万力は、断面をほゞ正方形状に形
成されて胴長方向に延びる万力台21を備えており、この
万力台21の両端薄肉部21aは、前記左右のガイド4に上
下動を規制されかつ円周方向へ移動を許されて嵌合され
ている。万力台21の長手方向複数箇所には、第5図に断
面を示すねじ孔21bが万力台21の移動方向に設けられて
いて、このねじ孔21bには、ばね受けピン22が螺入され
ており、このばね受けピン22に嵌装された座金23と切欠
き2の壁面との間には、尻側版万力20全体を切欠き21の
壁面から離間させる方向すなわち後述する版張り方向に
付勢する圧縮コイルばね24が、万力台21のばね孔内に装
填されて介装されている。
万力台21の傾斜面複数箇所には、第4図に断面を示す
ねじ孔21cが設けられており、各ねじ孔21cには、半球面
状の頭部を有するピン25が螺入されて樹脂チップ26を介
し止ねじ27で固定されている。万力台21には、全長がこ
れと同長で胴軸方向に3分割された断面ほゞくの字状の
くわえ板28が、その孔をピン25の半球面頭部と嵌合させ
て揺動自在に支持されており、そのくわえ面28aは万力
台6のくわえ面と対向している。なお、図示しないがく
わえ面28aには複数条の凸条が形成されていて、対向く
わえ面の凹溝と係合している。29は分割されたくわえ板
28の境界部に設けられた調節カラーであって、その両側
に一体形成された右ねじ30と左ねじ31とを両側のくわえ
板28のねじ孔に螺入されており、第3図に示すように工
具32を孔に挿入して調節カラー29を回動させることによ
り、くわえ板28の全長が微量だけ伸縮するように構成さ
れている。そして、万力台21の底面に支持されて切欠き
2の凹孔2b内へ突出されたスタッド33とくわえ板28の下
端との間には、くわえ板28をそのくわえ面28aが閉じる
方向に付勢する圧縮コイルばね34が介装されている。
このように構成されたくわえ側版万力5と尻側版万力
20との間には、複数個のボルト40が、胴軸方向に並列し
て切欠き2の底面に設けられたねじ孔に螺合されてお
り、断面方形に形成された長尺のバー41は、その長孔41
aをこのボルト40と摺動自在に係合させて胴軸方向へ進
退自在に設けられている。このバー41の進退駆動装置に
ついては後述する。一方、くわえ側版万力5の各くわえ
板14に形成されたほゞ垂直の凹溝平面には、胴軸方向に
高さが変化するカム面を有する複数個の版くわえカム42
が、胴軸方向に並列してねじ止め固定されており、バー
41にはこの版くわえカム42を避ける長い切欠き41bが形
成されている。そして、バー41には、その進退により版
くわえカム42に対して係合,非係合となるころ43が、各
版くわえカム42に対応して枢着されており、ころ43と版
くわえカム42との非係合時には、くわえ板14が圧縮コイ
ルばね17の弾発力により閉じて版をくわえ、ころ43と版
くわえカム42との係合時には、くわえ板14が圧縮コイル
ばね17の弾発力に抗して揺動し、くわえ板14が開いて版
をくわえから解放するように構成されている。
また、尻側版万力20の各くわえ板28に形成されたほゞ
垂直の凹溝平面には、胴軸方向に高さが変化するカム面
を有する複数個の版くわえカム44が、胴軸方向に並列し
てねじ止め固定されており、バー41にはこの版くわえカ
ム44を避ける長い切欠き41cが形成されている。そし
て、バー41には、その進退により版くわえカム44に対し
て係合,非係合となるころ45が、各版くわえカム44に対
応して枢着されており、ころ45と版くわえカム44との非
係合時には、くわえ板28が圧縮コイルばね34の弾発力に
より閉じて版をくわえ、ころ45と版くわえカム44との係
合時には、くわえ板28が圧縮コイルばね34の弾発力に抗
して揺動し、くわえ板28が開いて版をくわえから解放す
るように構成されている。
さらに、各くわえ板28に形成されたほゞ垂直の平面に
は、第6図に断面を示すような胴軸方向に高さが変化す
るカム面を有する複数個の版張りカム46が、胴軸方向に
並列してボルト47で固定されており、バー41にはこの版
張りカム46を避ける長い切欠き41dが形成されている。
そして、バー41には、その進退により版張りカム46に対
して係合,非係合となるころ48が、各版張りカム46に対
応して枢着されており、ころ48と版張りカム46との非係
合時には、尻側版万力20全体が圧縮コイルばね24の弾発
力により切欠き2の壁面から遠ざかる方向に平行移動し
て版張り状態となり、ころ48と版くわえカム46との係合
時には、尻側版万力20全体が圧縮コイルばね24の弾発力
に抗して切欠き2の壁面に近付く方向に平行移動して版
弛め状態となるように構成されている。
上記3種のカム42,44,46は、その対応ころ43,45,48と
の係合位相を違えて位置設定されている。すなわち、第
1図はすべてのころ43,45,48が非係合で例えば版が装着
されている状態を示しており、この状態からバー41を図
の右方へ移動させると、ころ48と版張りカム46−ころ45
と版くわえカム44−ころ43と版くわえカム42の順に係合
するように構成されている。そしてこのようにすべての
ころ43,45,48が係合していて版が外されている状態から
バー41を図の左方へ移動させると、ころ43と版くわえカ
ム42−ころ45と版くわえカム44−ころ48と版張りカム46
の順に係合が解かれるように構成されている。
版胴1の両方の軸端部近傍には、バー41を上記所定の
タイミングで進退駆動する駆動装置の一例として示す一
対のエアシリンダ50A,50Bがフレーム側に支持されて設
けられており、そのピストンロッド51A,51Bの作用端
は、フレーム側にブラケット52A,52Bを介して枢支され
たレバー53A,53Bの遊端部に枢着されている。そして、
レバー53A、53Bの中央部に支持されたころ座54A,54B
は、バー41側の支持金具55に枢支されて版胴1の回転に
より所定の版くわえ,版張り位置へ周回してきたのち停
止するころ56に対接するように構成されている。そして
両側のエアシリンダ50A,50Bは常にそのピストンロッド5
1A,51Bを互いに逆方向へ同量だけ進退させてバー41をが
たなく進退させるように構成されている。58はバー41の
摺動部上方を覆うカバーであり、59,60は万力台6,21を
胴軸方向へ微動調節して固定する調節ボルトである。
以上のように構成された版万力装置の動作を説明す
る。図示の状態からエアシリンダ50Aのヘッドエンド側
とエアシリンダ50Bのロッドエンド側へエアを送入して
バー41を図の右方へ大きく移動させ、すべてのころ43,4
5,48をカム42,44,46と係合させると、尻側版万力20が切
欠き2の壁面に近付く方向に移動するとともに、くわえ
側のくわえ板14と、尻側のくわえ板28とが開く。そこで
版の一端をくわえ面14aと万力台6のくわえ面との間へ
挿入する。そして、エアシリンダ50Aのロッドエンド側
とエアシリンダ50Bのヘッドエンド側へエアを送入して
バー41を図の左方へ少し移動させると、版くわえカム42
がころ43との係合を解かれて保持から解放されるので、
くわえ板14が圧縮コイルばね17の弾発力により図の時計
方向に回動して閉じ、版の一端をくわえる。このときの
くわえ力としては、圧縮コイルばね17のばね力が平均し
て各くわえ箇所に作用するので、版の全幅にわたって均
一である。
こうして版の一端をくわえさせたのち、版胴をほゞ1
回転させると、版が版胴1の周面に巻付けられるので、
版の他端を開いている尻側のくわえ板28と万力台21との
間へ挿入する。そしてエアシリンダ50A,50Bによりバー4
1を図の左方へさらに少し移動させると、版くわえカム4
4がころ45との係合を解かれて保持から解放されるの
で、尻側のくわえ板28が圧縮コイルばね34の弾発力によ
り図の時計方向に回動して閉じ、版の他端をくわえる。
このときのくわえ力としては、圧縮コイルばね34のばね
力が平均して各くわえ箇所に作用するので、版の全幅に
わたって均一である。そこで、エアシリンダ50A,50Bに
よりバー41を図の左方へさらに少し移動させると、ころ
48が版張りカム46との係合を解かれて保持から解放され
るので、尻側版万力20は圧縮コイルばね24の弾発力によ
り切欠き2の壁面から遠ざかる方向に移動し、版が張ら
れて版胴1の周面に密着する。この場合、版は圧縮コイ
ルばね24の弾発力によって張られるので、版の全幅にわ
たり均一に張られる。
この状態すなわち図示の状態から版を取り外す場合に
は、エアシリンダ50A,50Bによりバー41を図の右方へ少
し移動させると、ころ48が版張りカム46と係合して万力
台21を押すので、尻側版万力20が切欠き2の壁面方向へ
移動し、版が弛められる。そこで、エアシリンダ50A,50
Bによりバー41をさらに少し右方へ移動させると、ころ4
5が版くわえカム44と係合し、くわえ板28が圧縮コイル
ばね34の弾発力に抗して開き版の一端が解放されるの
で、版の一端をくわえ部から抜いたのち、版胴1をほゞ
1回転させると、版が巻付けを解かれる。そこで、エア
シリンダ50A,50Bによりバー41をさらに少し右方へ移動
させると、ころ43が版くわえカム42と係合し、くわえ板
14が圧縮コイルばね17の弾発力に抗して開き、版の他端
が解放されるので、版の一端をくわえ部から抜くことに
より、版の取り外し作業が終了する。
このように、版の両端のくわえと解放ならびに版の張
りと弛めとを、2箇所におけるエアシリンダの作動によ
って行うことができ、自動化が容易である。
なお、本実施例においては、バー41の進退駆動装置と
してエアシリンダ50A,50Bを例示したが、油圧シリンダ
やモータなどでもよい。またレバー操作等により手動で
バー41を進退させてもよい。
〔発明の効果〕
以上の説明により明らかなように請求項1記載の発明
によれば印刷機の版万力装置において、くわえ側版万力
と尻側版万力との少なくとも一方を、胴周切欠き内に位
置して胴軸方向に延びる万力台と、この万力台に揺動自
在に枢支されるくわえ板と、このくわえ板と万力台との
間に介装されくわえ板を版くわえ方向に付勢するばね部
材と、胴軸方向に移動自在に支持されたバーと、前記く
わえ板に設けられた被係合部と、前記バーに設けられ前
記バーの胴軸方向への移動により前記被係合部に係合・
被係合となり、係合することによって前記ばね部材の弾
発力に抗して前記くわえ板を万力台に対して版くわえを
解除する方向に揺動させる係合部とを備えたことによ
り、版の両端はばね部材のばね力でくわえられるので、
版のくわえ部にはその全幅にわたって均一なくわえ力が
作用し、くわえ精度が向上するとともに、くわえ板の面
倒な調整の必要がなく、かつ1箇所に位置して版くわえ
作業および版のくわえ解放作業が可能になるので、準備
時間が短縮され生産性が向上する。
また、請求項2記載の発明においては、請求項1記載
の発明の構成に加えて、くわえ側,尻側版万力の少なく
とも一方の万力台を胴の円周方向へ移動自在に設けると
ともに、この万力台と胴周切欠き壁面との間に介装され
万力台を版張り方向に付勢するばね部材と、前記万力台
に設けられた被係合部と、前記バーに設けられ前記バー
の胴軸方向への移動により前記被係合部に係合・非係合
となり、係合することによって前記ばね部材の弾発力に
抗して前記万力台を版張り方向と反対方向に移動させる
係合部とを備えたことにより、版はばね部材のばね力で
張られるので、版にはその全幅にわたり均一な引っ張り
力が作用し、版がゆがむことがなく見当精度が向上す
る。また、従来のように版を張るために多数のボルトを
操作する必要がなく版のくわえと解放、ならびに版の張
りと弛めとを1箇所に位置してのカム軸の回動操作で行
うことができるので、さらに準備時間が大幅に短縮され
て生産性が向上し、労力がより軽減される。
さらに、請求項1および請求項2記載の構成に加え
て、バーを進退させる進退駆動装置を設けたことによ
り、版のくわえ作業、ならびにくわえ側版万力への版の
くわえから尻側版万力による版の張りまでの一連作業お
よび一連の版外し作業を、押ボタン操作等により自動化
することができるので、さらに生産性が向上し、労力が
軽減される。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第8図は本発明に係る印刷機の版万力装置
の実施例を示し、第1図はこれを実施した版胴の平面
図、第2図は第1図のII−II断面図、第3図は第1図の
III−III断面図、第4図は第1図のIV−IV断面図、第5
図は第1図のV−V断面図、第6図は第1図のVI−VI断
面図、第7図は第1図のVII−VII断面図、第8図は第1
図のVIII−VIII断面図である。 1……版胴、2……切欠き、5……くわえ側版万力、6,
21……万力台、11,25……ピン、14,28……くわえ板、1
7,24,34……圧縮コイルばね、20……尻側版万力、40…
…ボルト、41……バー、41a……長孔、42,44……版くわ
えカム、43,45,48……ころ、50……エアシリンダ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】くわえ側版万力と尻側版万力との少なくと
    も一方を、胴周切欠き内に位置して胴軸方向に延びる万
    力台と、この万力台に揺動自在に枢支されるくわえ板
    と、このくわえ板と万力台との間に介装されくわえ板を
    版くわえ方向に付勢するばね部材と、胴軸方向に移動自
    在に支持されたバーと、前記くわえ板に設けられた被係
    合部と、前記バーに設けられ前記バーの胴軸方向への移
    動により前記被係合部に係合・非係合となり、係合する
    ことによって前記ばね部材の弾発力に抗して前記くわえ
    板を万力台に対して版くわえを解除する方向に揺動させ
    る係合部とを備えたことを特徴とする印刷機の版万力装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の印刷機の版万力装置におい
    て、くわえ側、尻側万力の少なくとも一方の万力台を胴
    の円周方向へ移動自在に設けるとともに、この万力台と
    胴周切欠き壁面との間に介装され万力台を版張り方向に
    付勢するばね部材と、前記万力台に設けられた被係合部
    と、前記バーに設けられ前記バーの胴軸方向への移動に
    より前記被係合部に係合・非係合となり、係合すること
    によって前記ばね部材の弾発力に抗して前記万力台を版
    張り方向と反対方向に移動させる係合部とを備えたこと
    を特徴とする印刷機の版万力装置。
  3. 【請求項3】請求項1および請求項2記載の印刷機の版
    万力装置において、前記バーに対接されこのバーを進退
    させる進退駆動装置を設けたことを特徴とする印刷機の
    版万力装置。
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