JP2659836B2 - メタノールの改質方法 - Google Patents

メタノールの改質方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はメタノールの改質方法に関するもので、更に
詳しくは、メタノール又はメタノールと水の混合物から
水素含有ガスを改質して製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
燃料の多様化が指向されて、原油以外の化石燃料から
合成され得るメタノールが注目されている。またメタノ
ールはナフサよりはるかに低温で水素含有ガスに分解さ
れるので、メタノール分解反応、水蒸気改質反応の熱源
として廃熱の利用が可能であるという優位性をもってい
る。
メタノール分解反応は次の(1),(2)式のとおり
である。
CH3OH→CO+2H2 ΔH25℃=21.7Kcal/mol …(1) CH3OH+nH2O→(2+n)H2+(1−n)CO+nCO2
(2) ここで0<n<1 メタノール水蒸気改質反応は次の(3)式のとおりで
ある。
CH3OH+H2O→CO2+3H2 ΔH25℃=11.8Kcal/mol …(3) 従来のメタノールを改質する触媒としては、アルミナ
などの担体に白金などの白金属元素又は銅、ニッケル、
クロム、亜鉛などの卑金属元素及びその酸化物などを担
持した触媒が提案されている。又上述した金属担持法に
よる触媒とは別に沈殿法による調製法があり、この方法
で調製される触媒の代表例としては、亜鉛、クロムさら
に銅を含有しななるメタノールの改質触媒がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来、エンジン、ガスタービンなどの排ガスの顕熱を
熱減として利用し、メタノール又はメタノールと水の混
合物を原料として分解又は水蒸気改質反応を行なわせる
場合、排ガス温度は周知のごとく200℃から700℃程度ま
で変化するため、幅広い温度範囲にわたって内燃機関に
搭載できる程度の少量の触媒で改質でき、かつ例えば、
上記の700℃程度の高温下におかれていても改質性能を
劣化しない改質方法並びに安定した触媒が必要である。
従来のメタノールを改質する触媒は、先に述べた金属
担持法や沈殿法によって調製される触媒が提案されてい
るが、これらの触媒は低温活性に乏しく、熱的劣化を起
こしやすいなど現在のところ多くの問題点を残してい
る。
また、反応器としては、シェルアンドチューブ型の熱
交換器型式となっており、チューブ内に触媒を充填し、
原料のメタノール蒸気又はメタノールと水の混合蒸気は
触媒との接触反応により水素含有ガスに改質される。こ
の改質反応は大きな吸熱反応があり、必要な反応熱はシ
ェル側の熱媒から供給れれるが、伝熱速度があまり大き
くないため、触媒層内の温度が反応熱により低くなり、
反応速度を大きくすることが難しいという問題がある。
本発明は上記技術水準に鑑み、伝熱機能及び触媒機能
の双方を同時に併せもって触媒を使用してメタノールの
改質反応を合目的に行い得る方法を提供しようとするも
のである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はメタノール又はエタノールと水の混合物から
水素含有ガスを製造する方法において、金属又は合金材
料に銅及び/又は亜鉛とニッケルの複合酸化物を溶射被
覆してなる触媒を用いるメタノールの改質方法である。
本発明の上記構成における金属又は合金材料として伝
熱管そのものを使用することを好ましい態様とするもの
であり、また金属又は合金材料に複合酸化物を被覆して
なる触媒を還元処理して用いることも好ましい態様とす
るものである。
〔作用〕
金属又は合金材料に触媒成分が担持されているので、
伝熱機能がよい。特に、触媒成分を担持した伝熱管を用
い、該伝熱管の触媒面でメタノール改質を行うと、伝熱
機能と触媒機能の双方を同時に合わせもたせることがで
き、メタノール改質方法として極めて合目的である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でいう水素含有ガスとは、水素を50%以上、一
酸化炭素を35%以下、二酸化炭素を25%以下含有するガ
スである。
素地金属材料としては、鉄、銅、アルミニウム、亜
鉛、コバルト、ニッケルまたはそれらの合金を用いるこ
とができ、これらの表面に銅及び/又は亜鉛とニッケル
の複合酸化物を溶射被覆によって溶着させる。
銅及び/又は亜鉛とニッケルの複合酸化物とは、酸化
ニッケルを30重量%以上含有し、酸化銅、酸化亜鉛の一
種以上の酸化物を10重量%以上含有するものをさす。具
体的には、NiO−CuO,NiO−ZnO,NiO−CuO−ZnOの組み合
わせがある。
溶射被覆の手段としては、粉末式火炎溶射及びプラズ
マ溶射などがある。
また、本発明で触媒反応を行わせる前処理として、水
素を3%以上100%以下含有するガス(不活性ガスバラ
ンス)を、200〜350℃で触媒上を流通させ金属複合酸化
物を還元する処理を行うのが好ましい。
本発明のメタノール改質方法における好ましい反応条
件は、次のとおりである。
反応温度:200〜700℃ 特に好ましくは200〜500℃ 反応圧力:0〜30kg/cm2G 特に好ましくは0〜15kg/cm2G メタノール1モルに対する水の供給モル比:10以下、特
に好ましくは3以下 〔実施例〕 以下、実施例1により本発明を具体的に説明する。
〔触媒の調製法1〕 15mm×70mm×2mm(厚さ)のSUS304板を十分に清浄に
した後、粉末式火炎溶射機に、ニッケル及び銅の複合酸
化物(NiO:70重量%、CuO:30重量%)粉末を粉末供給管
に供給して上記SUS304板上に粉末式火炎溶射を行い、触
媒1を調製した 〔触媒の調製法2〕 粉末式火炎溶射機に、ニッケル及び亜鉛の複合酸化物
(NiO:70重量%、ZnO:30重量%)粉末を供給した以外は
触媒の調製法1と同様にして触媒2を調製した。
〔触媒の調製法3〕 粉末式火炎溶射機に、ニッケル、銅及び亜鉛の複合酸
化物(NiO:40重量%、CuO:30重量%、ZnO:30重量%)粉
末を供給した以外は触媒の調製法1と同様にして触媒3
を調製した。
〔触媒の調製法4〕 予め十分に清浄にした外径10.5mm、長さ100mm、触媒
外表面積33cm2のSUS304管の管外壁に、ニッケル及び銅
の複合酸化物(NiO:70重量%、CuO:30重量%)粉末を上
記調製法1と同様に粉末式火炎溶射機によって触媒4を
調製した。
上記調製法により調製した触媒1,2及び3を石英ガラ
ス製の反応器に充填して200〜350℃で、水素3%(窒素
バランス)ガスを還元処理を行った後、下記第1表に示
す条件で触媒活性評価を行った。その結果に第2表に示
す。第2表から明らかなように、水素と一酸化炭素がほ
ぼ理論量得られ選択性がよいことがわかった。
調製法4で、調製した触媒4を反応管として、反応管
の内側の熱媒で加熱することにより昇温し、熱媒温度を
200〜350℃にし、反応管外表面に水素3%(窒素バラン
ス)ガスを供給して還元処理を行った後、熱媒を昇温
し、熱媒温度を400℃に一定にした後、反応管外表面に4
00℃のメタノール蒸気を8g/hの流量で供給した結果、メ
タノール反応率は98%であった。
一方、同じ触媒外表面積になるように、従来のペレッ
ト型触媒を二重管の外側に充填し、内側は熱媒を通すよ
うな反応管として同じように反応させた結果、メタノー
ル反応率は86%以下であった。結局、本発明による反応
管は伝熱速度が大きいため、メタノール反応率が大きい
ことがわかった。
〔発明の効果〕
以上の実施例からも明らかなように本発明による伝熱
機能の優れた触媒を用いることにより、メタノール改質
反応が極めて合目的に行える方法が提供される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタノール又はメタノールと水の混合物か
    ら水素含有ガスを製造する方法において、金属又は合金
    材料に銅及び/又は亜鉛とニッケルの複合酸化物を溶射
    被覆してなる触媒を用いることを特徴とするメタノール
    の改質方法。
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CN102600845A (zh) * 2012-03-07 2012-07-25 中国科学院山西煤炭化学研究所 一种负载型镍基甲醇裂解催化剂及其制备方法和应用

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