JP3589309B2 - メタンの改質による水素の製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、Rhで修飾された(Ni-CeO2)-Pt触媒を用いて、CH4 を相手方ガスと接触反応させることにより、H2とCOとに変換する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化の原因の一つとなっているCO2 の削減が重要な課題となっている。またCO2 のメタノールへの変換などに必要なH2をどのようにして得るかという問題もある。
【0003】
これらの問題解決の有力な手段の一つとして、本発明者らはかねてよりCH4 をCO2 やH2O で改質してH2およびCOに変換させる一連の研究を行っている。
【0004】
すなわち、本発明者らの発表にかかる「日本化学会65春季年会予稿集I、409頁(1993)」の「Rh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒によるメタンの低温CO2-H2O 改質反応」と題する発表には、Ni-CeO2-Pt触媒をRhで修飾したRh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒が、CH4 のCO2 やH2O による改質反応において、高流速条件下で著しく活性が増大することが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら高活性のRh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒を用いても、CH4 とCO2-H2O との反応によるH2およびCOへの改質反応は吸熱反応であるため、反応中の熱の供給が問題となる。この問題は、特に高流速条件下での反応の場合に顕著なものとなる。
【0006】
本発明は、このような背景下において、Rh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒を用いてCH4 の改質を行うにあたり、CH4 の燃焼を経由させて反応熱の一部を触媒層上で補うようにし、しかもその燃焼反応物であるCO2 およびH2O を全てH 2 およびCOの生成に利用することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のメタンの改質による水素の製造法は、Rh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒を用いてCH4 をO2と接触反応させることにより、CH 4 の一部を完全燃焼させて CH 4 を CO 2 と H 2 O とに変換 させる燃焼反応 (2) と、該燃焼反応 (2) により生成した CO 2 および H 2 O のそれぞれをさらに残余の CH 4 と反応させて H 2 と CO とに変換させる改質反応 (3), (4) とを、前記触媒上で進行させ、もってCH4 をH2とCOとに変換させることを特徴とするものである。
【0008】
以下本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明においては、触媒としてRh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒を用いる。この触媒は、たとえば、適当な空隙率を有するセラミックス製の不織布状の担体の表面にAl2O3 を被覆し、そこにRhを担持させ、ついでPtを担持させ、さらにNiとCeO2とを同時担持させることにより得られる。ただし、担体の材質や形状の選択、被覆物形成の有無またはその材質の選択は、種々のバリエーションが可能である。
【0010】
上記の例の場合、セラミックス製の不織布状の担体に対するAl2O3 被覆は、Alの水溶性塩を水溶液または水−有機溶剤混合溶媒による溶液の形で含浸処理した後、NH3 蒸気で処理してゲル化させ、ついで乾燥、焼成することにより行われる。
【0011】
Rhの担持は、Rhの水溶性塩の水溶液を含浸後、乾燥、焼成、水素還元することにより行われる。
【0012】
Ptの担持は、Ptの水溶性塩の水溶液を含浸後、乾燥、焼成、水素還元することにより行われる。
【0013】
NiおよびCeO2の同時担持は、Niの水溶性塩およびCeの水溶性塩の混合水溶液を含浸後、
乾燥、焼成、水素還元することにより行われる。
【0014】
上に例示した手順により、目的とするRh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒が得られる。各成分の組成は重量比で、Rh : Ni : CeO2 : Pt = (0.05-0.5) : (3.0-10.0) : (2.0-8.0) : (0.3-5.0) 、望ましくは、Rh : Ni : CeO2 : Pt = (0.1-0.4) : (4.0-9.0) : (2.0-5.0) : (0.3-3.0) に設定することが好ましい。
【0015】
なお、上記における各段階での水素還元処理を省略し、実際の使用に際して触媒を高温で水素還元して用いることもできる。各段階で水素還元処理を行ったときも、さらに使用に際して触媒を高温で水素還元して用いることができる。
【0016】
このようにして調製したRh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒を用いてCH4 の改質を行うが、本発明においてはCH4 とO2とを触媒層に供給する方法を採用する。すなわち、CH4 はO2により燃焼してCO2 とH2O を生じ、そのCO2 とH2O とがCH4 と反応して最終的にH2とCOに変換される。
【0017】
この反応は全体として下記の式(1) のように表わされるが、実際は(2) 〜(4) 式のように、燃焼反応で生成したCO2 とH2O がさらにCH4 と改質反応を起こしてCOとH2に変換するという逐次反応となっている。
4 CH4 + 2 O2 → 4 CO + 8 H2 (1)
CH4 + 2 O2 → CO2 + 2 H2O (2)
CH4 + CO2 → 2 CO + 2 H2 (3)
2 CH4 + 2 H2O → 2 CO + 6 H2 (4)
【0018】
この反応は上記の式(1) のように化学量論的に決められるので、CH4 とO2との反応割合は基本的には体積比で2:1に設定されるが、いずれか一方を過少または過多に用いても差し支えない。
【0019】
上記のCH4 とO2との接触反応に際しては、本発明の趣旨を損なわない限りにおいて、さらに系にCO2 または/およびH2O を供給することもできる。この場合は、CO2 やH2O の供給量に見合ってO2の供給量を減ずることができる。なおCO2 を用いるときは、該CO2 としては発電所や製鉄所から排出される燃焼ガス、天然ガス、石油精製ガス、アンモニア合成副生ガス、コークス炉ガスなどから膜分離法、圧力スイング分離法、吸収分離法等の手段により分離取得したものを用いることができるので、廃ガスの有効利用が図られる。
【0020】
反応器は加熱可能に構成される。反応器には、上記のRh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒を通常は固定床として充填するが、場合によっては流動床として充填することもできる。
【0021】
反応温度は350〜800℃、殊に400〜750℃程度が適当である。反応温度はCH4 とO2との反応によって一部補われるが、不足分は外部加熱することになる。反応温度が余りに低いときはCH4 の改質反応自体が円滑に進行せず、一方反応温度が余りに高いときは、熱エネルギー的に不利となる上、CH4 の熱分解によるカーボンの析出が起こる傾向がある。反応圧力は通常は常圧とするが、ある程度の加圧条件を採用してもよい。
【0022】
反応器からの導出物は、その一部を再び反応器の前にリサイクル供給することもできる。
【0023】
【作用】
本発明においては、CH4 の改質反応に対して極めて高い活性を有するRh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒を用いている。この触媒にあっては、Rhを取り込み口として触媒表面上の酸化還元雰囲気を適度の状態に保つ水素スピルオーバー効果により、反応活性が向上するものと考えられる。
【0024】
この触媒は高流速条件下においてRhで修飾していない(Ni-CeO2)-Pt触媒に比し活性が高いが、そのような高流速条件下の反応では吸熱反応による熱の供給が問題となる。しかるに本発明においては、CH4 の燃焼を経由しているため、反応の維持に必要な熱の補充が可能となる。
【0025】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。
【0026】
(触媒の調製)
厚さ1mmのセラミックス繊維製の不織布(東芝モノフラックス株式会社製のファイバーフラックスFF、流路空隙率88%、耐熱性1200℃)を担体として用い、この担体に含浸法によりAl(NO3)3の水−メタノール混合溶媒溶液を含浸させた後、NH3 で処理してゲル化させた。これを1日風乾後、5分間焼成することにより、17重量%のAl2O3 を担体表面に被覆させた。
【0027】
次に、このAl2O3 被覆担体にRh(NO3)3水溶液を含浸させ、先ほどと同様に風乾し、焼成した後、水素還元を行うことによりRhを担持させた。以下同様にして、Pt(NH3)4(OH)2 水溶液よりPtを担持させ、さらにNi(NO3)2とCe(NO3)3の混合水溶液よりNiとCeO2を同時担持させた。以上の3段階にわたる担持操作により、Rh装飾Ni-CeO2-Pt触媒を調製した。
【0028】
以上の触媒調製工程のフローチャートは次のようになる。
1.担体(ファイバーフラックス)
2.Al(NO3)3 aq.-MeOH soln. 含浸
3.NH3 vapor 処理、乾燥、焼成
4.Rh(NO3)3 aq.含浸、乾燥、焼成、水素還元
5.Pt(NH3)4(OH)2 aq. 含浸、乾燥、焼成、水素還元
6.{Ni(NO3)2 + Ce(NO3)3} aq. 含浸、乾燥、焼成、水素還元
【0029】
得られたRh装飾Ni-CeO2-Pt触媒の各成分の割合は次の通りであった。
Rh: 0.2 wt%
Ni: 6.6 wt%
CeO2: 3.9 wt%
Pt: 2.2 wt%
【0030】
(反応)
図1に示した常圧固定床流通反応装置を用いた。石英管に触媒を流軸に対して垂直に充填し、これに原料ガスを流通させた。
【0031】
原料ガスは全て反応式の量論比に従い、燃焼反応を経由する反応の場合はN2で稀釈した10% CH4 - 5% O2 を、燃焼反応を経由しない反応の場合はN2で稀釈した10% CH4 - 5% CO2 - 5% H2O をそれぞれ流通させた。H2O は、図1に示すようなH2O 飽和器により加えた。触媒は全て反応前にN2で稀釈した40%-H2気流中において 400℃で30分間熱処理してから反応に用いた。
【0032】
温度は、室温から 400℃までは 6.3℃/minで、 400℃から 700℃までは 2.5℃/minで上昇させた。温度の測定は、熱電対を触媒に接触させて行った。途中、生成ガスを数回サンプリングし、MS-5A, Porapak-Qを充填したガスクロマトグラフおよび赤外線式CO2 連続分析装置で分析した。
【0033】
( Ni 系触媒等における Rh 修飾の効果)
燃焼を経由するメタン改質反応についてNi系触媒へのRh転化効果を調べるために、Ni単元触媒、CeO2単元触媒、Ni+CeO2 触媒、Pt単元触媒、Rh単元触媒、(Ni+CeO2)-Pt触媒、およびRh装飾(Ni+CeO2)-Pt触媒の7種類について活性を比較した。各触媒の調製および組成は、上述のRh装飾(Ni+CeO2)-Pt触媒の場合に準じて行った。SVは全て73,000h-1 で行った。各触媒について、CH4 のH2, CO2 への転化率の温度依存性を図2に示す。
【0034】
Ni+CeO2 触媒では燃焼反応が起こっただけであったが、Pt単元触媒、Rh単元触媒、(Ni+CeO2)-Pt触媒、およびRh装飾(Ni+CeO2)-Pt触媒では、 300℃付近から燃焼反応が起こり、さらにその反応生成物(CO2, H2O)による改質反応が 400℃付近から起こった。H2への転化率は 700℃において(Ni+CeO2)-Pt触媒がPt単元触媒よりも約10% 、Rh単元触媒よりも約20% ほど高かった。さらにRhで修飾すると、特に中温部(400〜 600℃) での活性の上昇が見られた。これはメタン改質反応におけるRh修飾効果ほど顕著ではなかったものの、その場合と同様に、Rhを取り込み口として触媒表面上の酸化還元雰囲気を適度な状態に保つい
わゆる水素スピルオーバー効果により、反応活性が上昇したものと考えられる。
【0035】
(高流速条件下における Rh 修飾 (Ni+CeO 2 )-Pt 触媒の特性)
低流速条件下(SV: 73,000h-1) ではRh装飾(Ni+CeO2)-Pt触媒とRh修飾Pt触媒との間に活性の差がほとんど見られなかったので、高流速条件下(SV: 358,000h-1)で活性の比較を行った。図3にSVが358,000h-1でのCH4 のH2, CO2 への転化率の温度依存性を示した。この図に示したように、高流速条件下では活性に明らかに差が見られ、Rh装飾(Ni+CeO2)-Pt触媒の方がRh修飾Pt触媒よりも 400〜 700℃の温度域でH2への転化率が約10% ほど高かった。このように、Rh装飾(Ni+CeO2)-Pt触媒は高流速下になるほど他の触媒に対する優位性がより大きく現われることが認められた。
【0036】
(燃焼を経由しないメタン改質反応の反応機構)
燃焼を経由しないメタン改質反応の反応機構について検討した。先に述べたように最も活性の高いことが認められたRh装飾(Ni+CeO2)-Pt触媒を用い、SVを73,000h-1 の低流速の条件で行った。図4においては、CH4, CO2, H2O の転化率とCO, H2への反応進行度の温度依存性を示した。
【0037】
この反応では、次式(b), (c)に示すようにCH4 を直接CO2 とH2O とで改質しており、全体として(a) 式で表わされるような大きな吸熱反応(ΔH=+480.64kJ/mol at 500℃)となっている。
2 CH4 + H2O + CO2 → 3 CO + 5 H2 (a)
CH4 + CO2 → 2 CO + 2 H2 (b)
CH4 + H2O → CO + 3 H2 (c)
【0038】
図4において、 400℃付近でのCO2 の転化率がマイナスになっていること、すなわちCO2 の量が反応前よりも多いことや、H2O の転化率が他の転化率に比べて高いのは、次の式(d) のような熱力学的に有利なCOシフト反応(ΔH=-37.09kJ/mol at 500 ℃)が優先的に起こっているためと考えられる。
CO + H2O → CO2 + H2 (d)
【0039】
(燃焼を経由するメタン改質反応の反応機構)
燃焼を経由するメタン改質反応について検討した。燃焼を経由しない場合と同様にRh装飾(Ni+CeO2)-Pt触媒を用い、SVを73,000h-1 の低流速の条件で行った。図5においては、
CH4 の転化率と、CH4 からH2, CO, CO2, H2Oへの転化率の温度依存性を示した。
【0040】
この反応は全体として次式(1) のように表わされるが、実際は(2) 〜(4) 式のように、
燃焼反応で生成したCO2 とH2O がさらにCH4 と改質反応を起こしてCOとH2に変換するという逐次反応となっている。
4 CH4 + 2 O2 → 4 CO + 8 H2 (1)
CH4 + 2 O2 → CO2 + 2 H2O (2)
CH4 + CO2 → 2 CO + 2 H2 (3)
2 CH4 + 2 H2O → 2 CO + 6 H2 (4)
【0041】
このことは、図5に示すように、 350〜 400℃付近からCO2 の生成が始まり、それに少し遅れてH2とCOが生成し始め、その量が増えるに従ってCO2 への転化率が減っていることから読み取ることができる。ここでCOよりもH2への転化率の方が高いのは、CO2 改質反応(3) (ΔH=+258.86kJ/mol at 500℃)より吸熱の小さい水蒸気改質反応(4) (ΔH=+221.77kJ/mol at 500℃)の寄与の方が大きいことと、さらには下記の(5) 式に示すような発熱を伴なう副反応のCOシフト反応(ΔH=-37.09kJ/mol at 500 ℃)の存在により、実際のH2/CO 比が(1) 式から求めたH2/CO 比 2よりも大きくなるためと考えられる。
CO + H2O → CO2 + H2 (5)
【0042】
しかし、高温になるに従ってH2とCOへの転化率は近い値となり、このことは図6に示すようなH2/CO 体積比の温度依存性にも現れた。この図6に示すように、高温になるに従って、燃焼を経由するメタン改質反応では量論値 2に、燃焼を経由しない反応では量論値 1.7に近づいていった。
【0043】
(燃焼を経由する場合としない場合とのメタン改質反応の比較)
燃焼を経由するメタン改質反応と、経由しない反応のそれぞれについてSVを73,000〜358,000h-1に変えたときの転化率の変化を調べた。触媒は、共にRh装飾(Ni+CeO2)-Pt触媒を用いた。図7には各反応、SVにおけるCH4 の転化率の温度依存性を示した。
【0044】
この図7のように、燃焼を経由しないメタン改質反応においては、SVの上昇により転化率が明らかに低下したが、燃焼を経由する反応の場合においては、SVが約5倍になったにももかかわらず、高活性を維持することができた。
【0045】
このように、燃焼を経由する反応が高流速条件下でも高活性を維持するのは、メタン改質に必要な反応熱の一部を燃焼熱でもって触媒層上で補い、高流速条件下においても安定した熱供給が行われたためと考えられる。
【0046】
( O 2 と共に CO 2 , H 2 O を供給した場合)
CH4 とO2との接触反応に際し、O2の供給量を減ずると共に、それに見合った量のCO2 、
H2O 、またはCO2 とH2O の双方を供給する実験を行ったところ、燃焼経由の場合と燃焼非経由の場合との中間程度の結果が得られた。
【0047】
(反応式および反応エンタルピーのまとめ)
なお、燃焼を経由するメタン改質反応、燃焼反応を経由しないメタン改質反応、および副反応のCOシフト反応の反応式、および 500℃における反応エンタルピーをまとめると次のようになる。ΔHは、kJ/mol at 500 ℃である。
・燃焼反応を経由するメタン改質反応
2 CH4 + O2 → 2 CO + 4 H2 ΔH = -48.80
CH4 + 2 O2 → CO2 + 2 H2O ΔH = -800.00
CH4 + CO2 → 2 CO + 2 H2 ΔH = +258.86
CH4 + H2O → CO + 3 H2 ΔH = +221.77
・燃焼反応を経由しないメタン改質反応
2 CH4 + H2O + CO2 → 3 CO + 5 H2 ΔH = +480.64
CH4 + CO2 → 2 CO + 2 H2 ΔH = +258.86
CH4 + H2O → CO + 3 H2 ΔH = +221.77
・COシフト反応
CO + H2O → CO2 + H2 ΔH = -37.09
【0048】
【発明の効果】
本発明においては、CH4 の改質反応に対して極めて高い活性を有するRh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒を用いているため、他の類似の触媒に比し反応活性が向上し、かつ高流速条件下の反応においてはさらに反応活性が向上する。
【0049】
そして高流速条件下の反応を行うにあたっても、CH4 の燃焼を経由させて反応熱の一部を触媒層上で補うようにしているので、反応の維持に必要な熱の補充が可能となり、しかもその燃焼反応物であるCO2 およびH2O を全てH2およびCOの生成に利用することができる。
【0050】
よって本発明は、メタンの接触改質による水素の製造法として工業的性に富むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において用いた常圧固定床流通反応装置の説明図である。
【図2】各触媒上でのCO2, H2 への転化率の温度依存性を示したグラフである。
【図3】高流速条件下でのCO2, H2 への転化率の温度依存性を示したグラフである。
【図4】燃焼非経由のメタン改質反応におけるCH4, CO2転化率の温度依存性を示したグラフであ
る。
【図5】燃焼経由のメタン改質反応におけるH2, CO, CO2, H2O転化率の温度依存性を示したグラ
フである。
【図6】H2/CO 体積比の温度依存性を示したグラフである。
【図7】メタン転化率の温度依存性を示したグラフである。
Claims (4)
- Rh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒を用いてCH4 をO2と接触反応させることにより、CH 4 の一部を完全燃焼させて CH 4 を CO 2 と H 2 O とに変換させる燃焼反応 (2) と、該燃焼反応 (2) により生成した CO 2 および H 2 O のそれぞれをさらに残余の CH 4 と反応させて H 2 と CO とに変換させる改質反応 (3), (4) とを、前記触媒上で進行させ、もってCH4 をH2とCOとに変換させることを特徴とするメタンの改質による水素の製造法。
- CH4 とO2との接触反応に際し、さらに系にCO2 または/およびH2O を供給することを特徴とする請求項1記載の製造法。
- 接触反応を温度350〜800℃で行うことを特徴とする請求項1記載の製造法。
- Rh修飾(Ni-CeO2)-Pt触媒の各成分の組成が、重量比で、Rh : Ni : CeO2 : Pt = (0.05-0.5) : (3.0-10.0) : (2.0-8.0) : (0.3-5.0) である請求項1または2記載の製造法。
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