JP2655346B2 - ハロゲン化銀感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀感光材料の処理方法

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JP2655346B2 JP1090982A JP9098289A JP2655346B2 JP 2655346 B2 JP2655346 B2 JP 2655346B2 JP 1090982 A JP1090982 A JP 1090982A JP 9098289 A JP9098289 A JP 9098289A JP 2655346 B2 JP2655346 B2 JP 2655346B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、黒色フィルム、黒白ペーパー、カラーフィ
ルム、カラーペーパーなどのハロゲン化銀感光材料を現
像液の組成が連続的に変化する現像処理路に通して現像
処理する方法、特に感度低下がなく、現像カブリを抑制
することができる現像方法に関するものである。
〔従来の技術〕
現像液を収容した現像槽でハロゲン化銀感光材料を黒
白現像または発色現像する際、現像特性の均一化を図る
ために、ハロゲン化銀感光材料の処理量に応じて新鮮な
現像液を補充し、疲労した現像液をオーバーフロー等に
より現像槽から排出している。これは、ハロゲン化銀感
光材料の現像処理量が多くなるにつれて、ハロゲン化銀
感光材料からの溶出に起因する、現像液中のハロゲンイ
オンの濃度が高くなって、該ハロゲンイオンが現像液の
現像活性を低下させるからである。従って、ハロゲンを
含まないか若しくはハロゲンを少ししか含んでいない現
像補充液を加え、そして現像液中に現像主薬がかなり残
存するオーバーフロー液を廃棄している。ここで補充量
が少いと現像活性が低下して感度の低下や階調の低下を
招来し、補充量を多くすると現像カブリをひき起こす。
一方、通常の現像処理は1つの槽で行われているのが
現状であり、現像の効率を向上させ補充量を少くするた
めに上方解放型の複数槽からなる現像浴(多段現像槽)
を使用することが試みられている。この方法を補充量を
少くして使用する場合、感光材料が導入される最初の槽
(前段の槽)に新鮮な現像液を補充し、オーバーフロー
液を順次つぎの槽に導入する方法が好ましいと考えられ
るが、この方法だと処理につれて現像処理された感光材
料の感度が低化するという問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明は、現像カブリを上げることなく感度
を向上させる現像処理方法を提供することを目的とす
る。更にS/N比を向上させる方法を提供することを目的
とする。更に場合によっては、補充量を少くして廃液量
を減少させる方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、ハロゲン化銀感光材料を現像処理するにあ
たり、連続して配置された複数の処理室からなる現像処
理路内に感光材料を通し、かつ補充する現像液を2つに
わけ、複数の現像処理室の後段の処理室にアルカリ剤を
主とする現像液を補充して液のpHを上昇させると、現像
カブリを上げることなく感度を向上させることができ、
上記課題を効率よく解決できるとの知見に基づいてなさ
れたのである。
すなわち、本発明は、現像処理路を仕切って形成され
た複数の連続する処理室からなる現像処理路内に現像液
を収容し、露光済みのハロゲン化銀感光材料を該現像処
理路を通して現像するにあたり、該現像処理路の前段の
処理室に現像主薬を主とする第1現像補充液を補充し、
後段の処理室にアルカリ剤を主とする第2現像補充液を
補充して、最終処理室内の現像液のpHを第1処理室内の
pHよりも1.0以上高め、かつ現像液を処理される感光材
料の移動方向と同じ方向に流して現像することを特徴と
するハロゲン化銀感光材料の処理方法を提供する。
本発明で使用する現像液としては、黒色現像液、発色
現像液(反転カラーに用いられる現像液も含む)があげ
られる。
本発明では複数の処理室からなる現像処理路、つまり
2室以上、好ましくは3室以上、特に好ましくは3〜7
室が連続した処理路を形成する現像処理路に現像液(母
液)を満たした後、処理される感光材料が最初に導入さ
れる室である第1処理室に第1現像補充液を補充し、最
終室またはこれに近接する室に第2現像補充液を補充し
て最終室内の現像液のpHよりも1.0以上高くする。この
際、最終現像室のpHを12.5〜14、好ましくは12.5〜13.5
に維持するのがよい。
上記pHを上昇させるために第2現像補充液に添加する
アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシ
ウムなどのアルカリ金属水酸化物やリン酸2ナトリウム
やリン酸3カリウムなどがあげられ、これらをそのまま
又は濃度の高いもの、例えばアルカリ金属水酸化物40g
以上を水1に溶解させたものを使用するのが好まし
い。尚、第2現像補充液には、上記アルカリ剤に加えて
後述する現像液に通常添加する種々の添加剤を添加する
ことができる。このうち水酸化ナトリウムまたはリン酸
3ナトリウムを0.2〜20重量%(以下、%と略称す
る)、好ましくは1〜8%含有させる。ただし、現像主
薬を添加する場合には、第1現像補充液に添加する量よ
り少量、好ましくは第1現像補充液に添加する量の1/2
以下とするのがよい。
一方、第1現像補充液には主として現像主薬を含有さ
せる。ここで、現像主薬としては、使用する現像液の母
液に添加する現像主薬の全量、または2/3以上の量を添
加する。具体的には、現像主薬を0.1〜5%、好ましく
は0.3〜1%含有させるのがよい。さらに、保亘剤を0.0
5〜2%、好ましくは0.1〜1%含有させるのがよい。ま
た、後述のキレート剤、特にホスホン酸類を0.2〜10g/
、好ましくは0.5〜3g/含有させるのがよい。第1現
像補充液のpHは現像液の母液と同じでもよく、通常8〜
12、好ましくは9.5〜10.5に調製する。第1現像補充液
には、現像主薬以外に後述の現像液に通常添加すること
ができる種々の添加剤を添加含有させることができる。
本発明では、第1現像補充液を第1現像処理室に添加
(補充)する。該補充量は、処理される感光材料に付着
して第2室に持ち出される量の1.1〜8倍とするのがよ
い。第2現像補充液は、複数からなる現像室の最終室ま
たは該室に近接する室に補充する。特に好ましくは2回
以上に分けて補充するのがよい。第2現像補充液の補充
量は、処理される感光材料に付着して処理室の外に持ち
出される量の1.1〜5倍とするのがよい。
本発明では、上記現像を行うにあたり、感光材料に付
着して現像室から次の現像室に持ち出される現像液の量
とほぼ等しい量の現像液を処理室に補充して現像を行う
と廃棄する現像液の量を全く無くすことができるという
大きな利点が得られる。すなわち、従来は現像補充液量
を100とすると、このうちの20が感光材料に付着して現
像槽から持ち出され、残りの80が現像槽からのオーバー
フローとして廃棄されていたが、上記方法によればこの
ようなオーバーフローを無くすことが可能である。
本発明では、上記現像液を処理される感光材料が現像
処理路を移動するのと同じ方向に流し、最終現像処理室
から外部に廃棄する。尚、第2現像補充液を現像処理路
の最終室または該室に近接する室に補充して最終室のpH
を12.5〜14に維持するのがよい。尚、現像処理路の中間
の処理室にアルカリ剤を添加して該室内の現像液のpHを
0.2〜0.6程度上昇させると、一層効果的に感度の低下を
防止することができる。
本発明で現像を行うために使用する現像処理路とは、
複数の処理室から構成され、1つの処理室の出口が次の
処理室の入口に連結されているといった具合に、連続的
に各処理室は連結されていて、該現像処理路を感光材料
が通過する間、感光材料は空気に暴露されることがない
形態にある処理路を意味する。そして、隣接する処理室
間では処理室内の現像液が少くとも処理時に移動可能な
ものをいい、各処理室間に該処理室を区別する明確な仕
切りがないものをも含むが、各処理室間に前記仕切りが
あって、現像液の移動がわずかである、例えば0.1〜100
ml/分、好ましくは0.1〜0.5ml/分であるものが好まし
い。このような現像処理路としては、第1図〜第4図に
記載の処理路が例示され、各処理室の間には、幅が10mm
以下、好ましくは5mm以下に狭まった区域を有するのが
よい。
具体的に説明すると、第1図に示される処理路は、ブ
レード2で区切られた連続した複数の処理室から構成さ
れ、未処理時には各処理室に収容された液は隣接する処
理室へ移動しないが、感光材料Sを通して現像処理を開
始するとそれに伴って現像液が隣の処理室に移動するよ
うになっている。
第2図に示す処理路では、第1図に示したブレードの
代りに処理路の一部の幅を狭くし、かつ浮きローラー3
と沈みローラー4を設けて各処理室を形成し、未処理時
には液が隣接する処理室へ移動しないが、感光材料Sを
通すと該ローラー3、4が押されて感光材料を通す間隙
を生じ、感光材料Sに伴われて処理液が隣の処理室へ移
動するようになっている。
第3図に示す処理路では、処理路の幅を部分的に狭め
て処理室を形成するのに突起を処理路壁に形成し、その
上に送りローラー7を設けている。
第4図に示す処理路では、主ローラー7、7の間に仕
切部材8を設けている。ここで仕切部材8はその両端部
がそれぞれ上側及び下側の主ローラー7に接触し処理路
内の空間を2分し、ここに2つの処理室を形成してい
る。
本発明を現像方法の好ましいものとして次の工程が例
示される。
(1)3室構成: 第1室に第1現像補充液補充 第3室に第2現像補充液補充 第3室にオーバーフロー液排出 (2)3室構成: 第1室に第1現像補充液補充 第2室に第2現像補充液補充 第3室にオーバーフロー液排出 (3)4室構成: 第1室に第1現像補充液補充 第4室に第2現像補充液補充 第4室にオーバーフロー液排出 (4)4室構成: 第1室に第1現像補充液補充 第3室に第2現像補充液補充 第4室にオーバーフロー液排出 (5)5室構成: 第1室に第1現像補充液補充 第5室に第2現像補充液補充 第5室にオーバーフロー液排出 (6)5室構成: 第1室に第1現像補充液補充 第4室に第2現像補充液補充 第5室にオーバーフロー液排出 (7)5室構成: 第1室に第1現像補充液補充 第3室に第2現像補充液の1/3を補充 第4室に第2現像補充液の1/3を補充 第5室に第2現像補充液の1/3を補充 本発明な現像処理路を出た後、感光材料を公知の方
法、例えば次に示す方法によって感光材料を処理するこ
とができる。
(1)現像−漂白定着−水洗−乾燥 (2)現像−漂白定着−安定化−乾燥 (3)現像−漂白−定着−水洗−乾燥 (4)現像−漂白−定着−安定化−乾燥 (5)現像−漂白−定着−水洗−安定化−乾燥 (6)現像−漂白定着−水洗−安定化−乾燥 (7)黒白現像−水洗−反転−カラー現像−水洗−漂白
−定着−水洗−安定化 上記処理工程において現像と漂白の間に水洗を設ける
ことができる。さらに、必要に応じて停止、調整、中和
などの工程を適宜設けることができる。尚、黒白感光材
料の場合には、上記(3)〜(5)において、漂白工程
と安定化工程を除くことができる。また、上記現像処理
路と同様な処理路を用いて漂白定着などを行うこともで
きる。
次に、本発明の処理方法において使用する処理液につ
いて説明する。
現像処理 本発明では、現像液(母液)として発色現像液又は黒
白現像液を用いる。
このうち、発色現像液は、好ましくは芳香族第一級ア
ミン系発色現像主薬を主成分とするアルカリ性水溶液で
ある。この発色現像主薬としては、アミノフェノール系
化合物も有用であるが、p−フェニレンジアミン系化合
物が好ましく使用され、その代表例としては3−メチル
−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−
4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルア
ニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β
−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−
4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニ
リン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエン
スルホン酸塩が挙げられる。これらの化合物は目的に応
じ2種以上併用することもできる。上記発色現像主薬は
現像液中0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜1.0%含有さ
せるのがよい。
発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もし
くはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物塩、沃化物質、
ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメ
ルカプト化合物のような現像抑制剤またはカブリ防止剤
などを含むのが一般的である。また必要に応じて、ヒド
ロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、亜硫酸
塩、ヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、トリエ
タノールアミン、カテコールスルホン酸類、トリエチレ
ンジアミン(1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン)
類の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレン
グリコールのような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポ
リエチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類
のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラ
ー、ナトリウムボロンハイドライドのようなカブラセ
剤、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助現像
主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリ
ホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸
に代表されるような各種キレート剤、例えば、エチレン
ジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸,シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシ
エチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1
−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホス
ホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチ
レンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキ
シフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表例として上げる
ことができる。
また反転処理を実施する場合は通常黒白現像を行って
から発色現像する。この黒白現像液には、ハイドロキノ
ンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−3−
ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類またはN−メチ
ル−p−アミノフェノールなどのアミノフェノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。
これらの発色現像液及び黒白現像液の母液のpHは一般
的には8〜12、好ましくは9〜10.5である。
漂白及び/又は定着処理(脱銀処理) 発色現像後、通常漂白処理される。漂白処理は定着処
理と同時に行なわれてもよいし(漂白定着処理)、個別
に行なわれてもよい。更に処理の迅速化を図るため、漂
白処理後漂白定着処理する処理方法でもよい。さらに二
槽の連続した漂白定着浴で処理すること、漂白定着処理
の後に定着処理することも目的に応じに任意に実施でき
る。漂白剤としては、例えば鉄(III)、コバルト(II
I)、クロム(VI)、銅(II)などの多価金属の化合
物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。
代表的漂白剤としてはフェリシアン化合物;重クロム酸
塩;鉄(III)もしくはコバルト(III)の有機錯塩、例
えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二
酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン酸類もし
くはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩;過硫酸
塩;臭素酸塩;過マンガン酸塩;ニトロベンゼン類など
を用いることができる。これらのうちエチレンジアミン
四酢酸鉄(III)錯塩を始めとするアミノポリカルボン
酸鉄(III)錯塩及び過硫酸塩は迅速処理と環境汚染防
止の観点から好ましい。さらにアミノポリカルボン酸鉄
(III)錯塩は漂白液においても、漂白定着液において
も特に有用である。これらのアミノポリカルボン酸鉄
(III)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常
5.5〜8であるが、処理の迅速化のために、さらに低いp
Hで処理することもできる。
漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴には、必要に応
じて漂白促進剤を使用することができる。有用な漂白促
進剤として、具体的には、米国特許第3,893,858号、西
独特許第1,290,812号、特開昭53−95630号、リサーチ・
ディスクロージャーNo.17,129号(1978年7月)などに
記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化
合物;特開昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導
体;米国特許第3,706,561号に記載のチオ尿素誘導体;
特開昭58−16235号に記載の沃化物塩;西独特許第2,74
8,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭4
5−8836号記載のポリアミン化合物;臭化物イオン等が
あげられる。なかでもメルカプト基またはジスルフイド
基を有する化合物が促進効果が大きいので好ましく、特
に米国特許第3,893,858号、西独特許第1,290,812号、特
開昭53−95630号に記載の化合物が好ましい。更に、米
国特許第4,552,834号に記載の化合物も好ましい。これ
らの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカ
ラー感光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤
は特に有効である。
定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエ
ーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげ
ることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、
特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。漂
白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜硫酸塩ある
いはカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。
水洗及び/又は安定化処理 上記脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが
一般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特
性(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には
水洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補
充方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得
る。このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水
量の関係は、Journal of the Society of Motion Pictu
re and Television Engineers 第64巻、P.248−253(19
55年5月号)に記載の方法で求めることができる。
前記文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を
大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の
増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感
光材料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感
光材料の処理において、このような問題の解決策とし
て、特開昭62−288838号に記載のカルシウムイオン、マ
グネシウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用い
ることができる。また、特開昭57−8542号に記載のイソ
チアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソ
シアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベン
ゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」、衛
生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」、日本防
菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」に記載の殺菌剤を用い
ることもできる。
使用する水洗水のpHは、4−9であり、好ましくは5
−8である。水洗水温、水洗時間も、感光材料の特性、
用途等で種々設定し得るが、一般には、15−45℃で20秒
−10分、好ましくは25−40℃で30秒−5分の範囲が選択
される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、
直接安定液によって処理することもできる。このような
安定化処理においては、特開昭57−8543号、同58−1483
4号、同60−220345号に記載の公知の方法を用いること
ができる。
又、前記水洗処理に続いて、更に安定化処理する場合
もあり、その例として、撮影用カラー感光材料の最終浴
として使用される、ホルマリンと界面活性剤を含有する
安定浴を挙げることができる。この安定浴にも各種キレ
ート剤や防黴剤を加えることもできる。
上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロ
ー液は脱銀工程等他の工程において再利用することもで
きる。
本発明の方法で処理される感光材料としてはカラー感
光材料の他黒白感光材料がある。例えばカラーペーパ
ー、カラー反転ペーパー、撮影用カラーネガフィルム、
カラー反転フィルム、映画用ネガもしくはポジフィル
ム、直接ポジカラー感光材料などの他に、X線フィル
ム、印刷用感光材料、マイクロフィルム、撮影用黒白フ
ィルムなどを挙げることができる。
感光材料のハロゲン化銀乳剤として公知のものはいず
れも用いることができる。カラープリント用感光材料の
場合は塩臭化銀乳剤(迅速処理のためには塩化銀が90モ
ル%以上が好ましい)、撮影用カラー感光材料の場合は
沃臭化銀乳剤(沃化銀の含有量は2〜15モル%が好まし
い)が好ましい。特に、本発明の現像においては、塩化
銀感光材料を用いると、現像液中への臭素イオンの放出
がないので、臭素イオンの不均一分散による現像ムラを
生じ難いので好ましい。しかも現像速度が速いため処理
路の長さを短くでき処理装置のコンパクト化が容易で、
処理液の濃度の不均一分布も解消されるので好ましい。
またハロゲン化銀粒子としては球状、立方体8面体、菱
12面体、14面体などであり、高感度感光材料には平板状
(好ましくはアスペクト比5〜20)が好ましい。これら
の粒子は均一な相からなる粒子であっても多層構造から
なる粒子であってもよい。さらに、表面潜像型粒子でも
内部潜像型粒子であってもよい。粒子サイズ分布として
は多分散でも単分散(好ましくは標準偏差/平均粒子サ
イズ≦15%)でもよいが後者の方が好ましい。これらの
ハロゲン化銀粒子は単独で用いてもよいが目的に応じて
混合して用いることができる。
上記写真乳剤は、リサーチ・デイスクロージャー(R
D)vol.176 Item No.17643(I、II、III)項(1978年1
2月)に記載された方法により調製することができる。
また、乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および分光
増感を行ったものを使用できる。このような工程で使用
される添加剤はリサーチ・ディスクロージャー第176
巻、No.17643(1978年12月)および同第187巻、No.1871
6(1979年11月)に記載されており、その該当個所を後
掲の表にまとめて示す。
さらに、使用できる公知の写真用添加剤も上記の2つ
のリサーチ・ディスクロージャーに記載されており、後
掲の表に記載個所を示した。
カラー感光材料には、種々のカラーカプラーを含有さ
せることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディス
クロージャー(RD)No.17643、VII−C〜Gに記載され
た特許に開示されている。色素形成カプラーとしては、
減色法の三原色(すなわち、イエロー、マゼンタおよび
シアン)を発色現像で与えるカプラーが重要であり、耐
拡散性の、4当量または2当量カプラーの具体例は前述
RD17643、VII−CおよびD項記載の特許に記載されたカ
プラーの外、下記のものを好ましく使用できる。
使用できるイエローカプラーとしては、公知の酸素原
子離脱型のイエローカプラーあるいは窒素原子離脱型の
イエローカプラーがその代表例として挙げられる。α−
ピバロイルアセトアニリド系カプラーは発色色素の堅牢
性、特に光堅牢性が優れており、一方α−ベンゾイルア
セトアニリド系カプラーは高い発色濃度が得られる。
使用できるマゼンタカプラーとしては、バラスト基を
有し疎水性の、5−ピラゾロン系およびピラゾロアゾー
ル系のカプラーが挙げられる。5−ピラゾロン系カプラ
ーは3−位がアリールアミノ基もしくはアシルアミノ基
で置換されたカプラーが、発色色素の色相や発色濃度の
観点で好ましい。
使用できるシアンカプラーとしては、疎水性で耐拡散
性のナフトール系およびフェノール系のカプラーがあ
り、好ましくは酸素原子離脱型の二当量ナフトール系カ
プラーが代表例として挙げられる。また湿度および温度
に対し堅牢なシアン色素を形成しうるカプラーは、好ま
しく使用され、その典型例を挙げると、米国特許第3,77
2,002号に記載されたフェノール核のメタ−位にエチル
基以上のアルキル基を有するフェノール系シアンカプラ
ー、2,5−ジアシルアミノ置換フェノール系カプラー、
2−位にフェニルウレイド基を有しかつ5−位にアシル
アミノ基を有するフェノール系カプラー、欧州特許第16
1626A号に記載の5−アミドナフトール系シアンカプラ
ーなどである。
発色色素が適度に拡散性を有するカプラーを併用して
粒状性を改良することができる。このようなカプラー
は、米国特許第4,366,237号などにマゼンタカプラーの
具体例が、また欧州特許第96570号などにはイエロー、
マゼンタもしくはシアンカプラーの具体例が記載されて
いる。
色素形成カプラーおよび上記の特殊カプラーは、二量
体以上の重合体を形成してもよい。ポリマー化された色
素形成カプラーの典型例は、米国特許第3,451,820号な
どに記載されている。ポリマー化マゼンタカプラーの具
体例は、米国特許第4,367,282号などに記載されてい
る。
カップリングに伴って写真的に有用な残基を放出する
カプラーもまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制
剤を放出するDIRカプラーは前述のRD17643、VII〜F項
に記載された特許のカプラーが有用である。
本発明で処理される感光材料には、現像時に画像状に
造核剤もしくは現像促進剤またはそれらの前駆体を放出
するカプラーを使用することができる。このような化合
物の具体例は、英国特許第2,097,140号、同第2,131,188
号に記載されている。
その他、特開昭60−185950などに記載のDIRレドック
ス化合物放出カプラー、欧州特許第173302A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラーなどを使用する
ことができる。
〔発明の効果〕
ハロゲン化銀感光材料を現像処理するにあたり、連続
した複数の処理室からなる現像処理路に感光材料を通
し、かつ現像主薬を主として含有する第1現像補充液を
現像処理路の第1室に補充し、後段の室にアルカリ剤を
主とする第2現像補充液を補充して最終室の液のpHを上
昇させると、現像カブリを上げることなく感度を向上さ
せることができる。また、本発明の方法によれば、現像
処理の間感光材料が空気に触れることがないので、現像
処理液の劣化が少く、かつ補充量も少くできる。更に写
真処理のS/N比も向上するという利点も得られる。
次に実施例により本発明を説明する。
〔実施例〕
比較例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体の上に、
以下に示す層構成の多層カラー感光材料を作製した。
(層構成) 以下に各層の組成を示す。数字はm2あたりの塗布量を
gで表わす。ハロゲン化銀乳剤およびコロイド銀は銀換
算塗布量をgで、また分光増感色素はハロゲン化銀1モ
ルあたりの添加量をモルで表わす。
支持体 ポリエチレンラミネート紙 第E1層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2)と青味染
料(群青)を含む。
第E1層 ハロゲン化銀乳剤 0.26 分光増感色素(ExSS−1) 1.0×10-4 分光増感色素(ExSS−2) 6.1×10-5 ゼラチン 1.11 シアンカプラー(ExCC−1) 0.21 シアンカプラー(ExCC−2) 0.26 紫外線吸収剤(ExUV−1) 0.17 溶媒(ExS−1) 0.23 現像調節剤(ExGC−1) 0.02 安定剤(ExA−1) 0.006 造核促進剤(ExZS−1) 3.0×10-4 造核剤(ExZK−1) 8.0×10-6 第E2層 ゼラチン 1.41 混色防止剤(ExKB−1) 0.09 溶媒(ExS−1) 0.10 溶媒(ExS−2) 0.10 第E3層 ハロゲン化銀乳剤 0.23 分光増感色素(ExSS−3) 3.0×10-4 ゼラチン 1.05 マゼンタカプラー(ExMC−1) 0.16 色像安定剤(ExSA−1) 0.20 溶媒(ExS−3) 0.25 現像調節剤(ExGC−1) 0.02 安定剤(ExA−1) 0.006 造核促進剤(ExZS−1) 2.7×10-4 造核剤(ExZS−1) 1.4×10-5 第E4層 ゼラチン 0.47 混色防止剤(ExKB−1) 0.03 溶媒(ExS−1) 0.03 溶媒(ExS−2) 0.03 第E5層 コロイド銀 0.09 ゼラチン 0.49 混色防止剤(ExKB−1) 0.03 溶媒(ExS−1) 0.03 溶媒(ExS−2) 0.03 第E6層 第E4層と同じ 第E7層 ハロゲン化銀乳剤 0.40 分光増感色素(ExSS−3) 4.2×10-4 ゼラチン 2.17 イエローカプラー(ExYC−1) 0.51 溶媒(ExS−2) 0.20 溶媒(ExS−4) 0.20 現像調節剤(ExGC−1) 0.06 安定剤(ExA−1) 0.001 造核促進剤(ExZS−1) 5.0×10-4 造核剤(ExZK−1) 1.2×10-6 第E8層 ゼラチン 0.54 紫外線吸収剤(ExUV−2) 0.21 溶媒(ExS−4) 0.08 第E9層 ゼラチン 1.28 ポリビニルアルコールのアクリル変性供重合体(変性度
17%) 0.17 流動パラフィン 0.03 ポリメタクリル酸メチルのラテックス粒子(平均粒径2.
8μm) 0.05 第B1層 ゼラチン 8.70 第B2層 第E9層と同じ 各層には上記組成物の他にゼラチン硬化剤ExGK−1お
よび界面活性剤を添加した。
試料を作製するのに用いた化合物 (ExS−4)溶媒 O=PO−C9H19(iso)) (ExUV−2)紫外線吸収剤 上記(1):(2):(3)の2:8:9混合物(重量比) (ExA−1)安定剤 4−ヒドロキシ−5,6−トリメチレン−1,3,3a,7−テト
ラザインデン (ExZS−1)造核促進剤 2−(3−ジメチルアミノプロピルチオ)−5−メルカ
プト−1,3,4−チアジアゾール塩酸塩 (ExZK−1)造核剤 6−エトキシチオカルボニルアミノ−2−メチル−1−
プロパルギルキノリニウム トリフルオロメタンスルホ
ナート (ExGK−1)ゼラチン硬化剤 1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウ
ム塩 以上の様にして作成した直接ポジ型ハロゲン化銀カラ
ー感光材料を250CMSで像様に露光し、以下の処理を行な
った。処理工程は以下の通りであった。
処理工程A 時 間 温度 補充量 発色現像 3分15秒 38℃ 350ml/m2 漂白定着 90秒 38℃ 200ml/m2 安定 20秒 38℃ − 20秒 38℃ − 20秒 38℃ 200ml/m2 安定浴の補充方式は、安定浴に補充し、安定浴の
オーバーフロー液を安定浴に導き、安定浴のオーバ
ーフロー液を安定浴に導く、いわゆる向流補充方式と
した。
但し処理は富士フィルム製カラーペーパー処理機FPRP
−115を用い発色現像部分のみ第5図のスリット型の現
像処理路を用い、第5図でH1を補充孔、F1をオーバーフ
ロー孔とした(A法)。発色現像液をいれる現像処理路
のタンク液量は3である。処理後、現像処理路の入口
のpHは10.35であり、現像処理路出口のpHは9.96であっ
た。
使用した現像液の母液と補充液の組成を次に示す。
pHは水酸化カリウム又は塩酸で調整した。
pHはアンモニア水又は塩酸で調整した。
処理工程B 発色現像液の補充量を、100ml/m2とし、更に第5図で
H1〜H3を補充孔、F1をオーバーフロー孔とし、かつ補充
の仕方を下記の通りにして処理した以外はA法と同様に
処理した。
H1第1補充液補充孔 70ml/m2補充 H2:第3補充液補充孔 20ml/m2補充 H3:第2補充液 10ml/m2補充 F3:H3のオーバーフロー液を廃液する。
第1補充液 炭酸カリウムの量を10.0gにし、かつ水で全量を700ml
に調製し、pHを10.2にした以外は、上記補充液と同様の
成分を使用して第1補充液を調製した。
第3補充液 炭酸カリウムの35%水溶液(pH11.48)。
第2補充液 水酸化カリウムの45%水溶液(pH14)。
処理後の現像処理路入口のpHは、10.29であり、現像
処理路出口のpHは13.2であった。
本処理方法では、処理方法Aと同様の漂白定着液のよ
び安定液を使用した。
A,B法でいづれも感光材料が86m2分処理されるまで連
続ランニングを行った。いづれの方法でも写真性の劣化
はなくコントロールストリップスの写真性能管理内に管
理できた。しかしA法に比べてB法では現像カブリが0.
01(GL、BLと低く、感度はlogE=0.06と高かった。つま
り、B法ではA法に比べてS/N比が良好であった。
上記利点に加えて、B法によれば現像液のオーバーフ
ロー液をA法の約1/6に減らすことができ、かつ写真性
能も良好であることがわかる。
実施例1 比較例1の現像処理において、現像処理路に第1図に
示すブレードを設けて、処理室を3つ形成し、比較例1
のB法と同様に3つの補充液をB法と同様の順序、補充
量で補充して現像処理したところ、比較例1のB法と同
様の優れた効果が得られた。
この時、ランニング86m2分処理後、未処理期間を5時
間設けると、比較例1の方法では写真性能のS/N比が悪
化したが、本実施例の方法では処理中S/N比の良好な状
態を持続することができた。尚、処理後の第1室のpH
は、10.27であり、第3室のpHは13.5であった。
実施例2 比較例1の現像処理において、現像処理路として第2
図に示す区切られた処理室を5つ有するものを用い、第
1室に補充液H1を補充し、第3室に補充液H3、第4室に
補充液H2を補充し、第5室からオーバーフローF1を排出
した。それ以外は比較例1のB法と同様にして現像処理
をおこなったところ、実施例1と同様の優れた写真性能
が得られた。
尚、感光材料が一番初めに入る処理室を第1処理室と
し、次に入る処理室を第2室とし、この順で室の番号を
きめた。処理後の第1室のpHは、10.26であり、第5室
のpHは13.8であった。
【図面の簡単な説明】 第1図〜第4図は、本発明の現像を行う現像処理路の概
略を示す断面図であり、第5図は、比較例の現像を行う
現像処理路の概略を示す断面図である。 図中、1は現像液が充填される現像処理路、2はブレー
ド、3は浮きローラー、4は沈みローラー、6は送りロ
ーラー、7は主ローラー、8は仕切部材、Sは処理され
る感光材料である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現像処理路を仕切って形成された複数の連
    続する処理室からなる現像処理路内に現像液を収容し、
    該現像処理路内で露光済みのハロゲン化銀感光材料及び
    現像液を空気に暴露することなく通して現像するにあた
    り、該現像処理路の前段の処理室に現像主薬を主とする
    第1現像補充液を補充し、後段の処理室にアルカリ剤を
    主とする第2現像補充液を補充して、最終処理室内の現
    像液のpHを第1処理室内のpHよりも1.0以上高め、かつ
    現像液を処理される感光材料の移動方向と同じ方向に流
    して現像することを特徴とするハロゲン化銀感光材料の
    処理方法。
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