JP2650788B2 - 煙草用ヒンジ蓋付きパック - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パック本体とその後壁
にヒンジけされた蓋とを持つ煙草用ヒンジ蓋付きパック
で、上記パック本体に設けられ、これから突出するカラ
ーの前壁とカラーの両側壁とを含むカラーを持ち、蓋の
閉まった状態で、上記パック本体から突出する上記カラ
ーの一部であるカラー上部が上記蓋によって囲まれるも
のに関する。

【０００２】

【従来の技術】この様な型のヒンジ蓋付きパックは煙草
のパックとして世界中で使用されているが、その構造は
基本的には皆同じである。

【０００３】最近、この型のパックで、長手方向の縁部
に丸みを持たせたり、多角形即ちベベルを付けたものが
市場に現れ始めている。この種のパック、特に、“丸み
を帯びた縁部”を持たせたものの場合、パックの蓋を閉
めたままの状態を維持するのが難しい。これが難しいの
は、一方では蓋を回動させることによってパックを自由
に開閉出来るようにすると共に、他の一方では、蓋が正
確に閉まるようにしなければならない点に在る。蓋は、
蓋の前壁と幅の狭い蓋の両側壁とで、パック本体から突
出しているカラーのそれぞれの部分、即ちカラーの前壁
とカラーの両側壁とを囲んでいる。蓋はパックの前壁又
はパックの側壁と正確な位置関係で当接することが好ま
しい。しかし、特に上述したようなヒンジ蓋付きパック
の場合、蓋がこの様に正確には閉まらない場合が多い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この様な課題から出発
し、本発明はこの様な型のヒンジ蓋付きパックを更に改
良して、大きな段差や隙間を設けること無く、蓋が常に
正確に閉まっているようにすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明によるヒンジ蓋付きパックは、蓋の閉まった
状態において、上記カラーの上部が、上記蓋の前壁の内
側に設けられたフラップに、正確な位置関係で、かつ着
脱自在に係合して保持されることを特徴としている。

【０００６】つまり、本発明の基本的考え方は、蓋が閉
鎖位置に移動したとき１つの「ロック」状態が作用する
ようにし、上記蓋が摩擦力のような補助的保持力によっ
てその閉鎖位置に固定されるようにするということであ
る。しかし、この補助的な保持力は僅かなものであっ
て、パックを開くときその存在に気が付かない程度のも
のである。

【０００７】好ましくは、蓋の閉まった状態において、
カラーの前壁の一部、特にカラーの前壁に１つの切り欠
き部を区画する少なくとも１つのウエブが蓋の前壁の内
側に設けられたフラップすなわち蓋の内側フラップに、
正確な位置関係で係合される。

【０００８】この効果を上げる目的で、蓋の内側フラッ
プを大きくして、これが実質的にカラーの前壁の高さ全
体にわたって延在するようにする。横側の開口部が、好
ましくは、閉鎖位置において垂直に伸びる両側のフラッ
プの縁部に設けられる。蓋の閉鎖位置において、カラー
の前壁の直立するウエブがこれらの開口部に入り、この
切り欠き部の両側に位置する蓋の内側フラップの部分が
カラーの側部に係合し、増大した摩擦力で係合を行う。

【０００９】カラーの前壁と蓋の内側フラップとをこの
様に設計することによって、蓋を閉鎖位置に持って行っ
たとき、これらの部分がロック状態で互いに係合する。
蓋を開くときは、特別に力を掛けること無く、この係合
を解除することが出来る。

【００１０】蓋の一部とカラーの一部とをこの様に係合
させることによって、たとえ蓋の閉まり具合の悪いパッ
ク、特に縁部に丸みを持たせたパックの場合でも、パッ
クの正確な閉鎖位置を得ることができる。

【００１１】本発明のその他の特徴は、蓋の前壁の内側
フラップ及びカラーのデザインに関するものである。

【００１２】この明細書で用いている係合とは、例えば
２つのものを正確な位置関係で雄雌の如く対応させてこ
れらを例えば引っ掛け、挟持、等によって大きくなった
摩擦力で係合させることを言う。また、特許請求の範囲
の請求項４にいう、カラーと蓋の内側フラップとの相互
係合を有効に行う関連諸部分とは、前記内側フラップの
保持タブ、横縁部および、カラーのウエブの横縁部をい
う。

【００１３】以下、図面を用いて本発明の実施例に就い
て説明する。

【００１４】

【実施例】図面に示す実施例は、普通錫箔等で作られた
内側ブランクに包まれている煙草のグループ５０を入れ
るヒンジ蓋付きパックに関するものである。

【００１５】第１図、第７図および第８図を参照すれ
ば、このヒンジ蓋付きパックはパック本体１０と蓋１１
とから成り立っている。この蓋がパック本体にヒンジさ
れ回動自在にに接続している。このため、蓋の後壁１２
がヒンジ１３を介してパック本体の後壁に接続してい
る。

【００１６】更に、パック本体が底壁１５、両側壁１
６，１７及び前壁１８を持っている。

【００１７】同様に蓋１１も、天井壁１９、側壁２０，
２１及び前壁２２を持っている。

【００１８】第５図に展開図として示すカラー２３が、
パック本体１０に押し込まれている。このカラー２３
が、前壁２４と横方向に伸びる側壁２５，２６を持って
いる。カラーが、カラーの下部２７（第１、７図）でパ
ック本体１０に取り付けられる。このカラーの前壁２４
が、特に接着剤によって、パック本体の前壁１８の内側
に接着される。この実施例においては、このために方形
の糊付けスポット５１が設けられる。カラーの両側壁２
５，２６が、パック本体の両側壁１６，１７の内面に、
それぞれ当接する。

【００１９】カラー２３の上部２８がパック本体１０か
ら突出している（第１、７図）。パックが閉鎖位置にあ
る時、このカラー上部２８が蓋１１によって囲まれる。
この位置においては、カラーの前壁２４の各部分が蓋の
前壁２２の内面にそれぞれ当接し、カラーの両側壁２
５，２６が蓋の両側壁２０，２１にそれぞれ当接する。

【００２０】カラーの前壁２４の区域において、カラー
２３が特殊な形に設計され、切り欠き部２９を持ってい
る（第５、７図）。この切り欠き部２９の側部が上側の
縁部に向かって拡がる形で傾斜した両横縁部３０によっ
て形成されている。この切り欠き部２９の開放側で、こ
れらの横の両縁部３０が、湾曲部３１を介してカラーの
横方向に延在する上側の縁部に繋がる（第５図）。

【００２１】この実施例においては、このヒンジ蓋付き
パックが、上述した丸みを付与された縁部を有するパッ
クとして記載されている。ヒンジ蓋付きパックの長手方
向の両縁部３３，３４が曲線で、丸みを帯びた縁部を形
成し、その曲率半径が個々の煙草の半径にほぼ該当して
いる。

【００２２】長手方向に延在するこの丸みを付与された
両縁部３３，３４がパック本体１０の区域と蓋１１の区
域との両方に亘って存在する。これと同様に、カラーの
両縁部３５，３６もやはり丸みを付与されている。

【００２３】パックの閉鎖位置において、蓋１１の横方
向に延びる閉鎖縁部３７（第１図）が、これと向かい合
うパック本体１０の縁部３８に当接する。この閉鎖位置
はパックの開放を困難にすること無くしっかりと閉ざさ
れて維持されなければならない。このために、閉鎖位置
において、カラー２３が蓋１１の中に取り外し可能に係
合される。このために、蓋を半ば閉ざすと、カラー２３
が蓋の内側のフラップと係合し、更に閉ざすと、摩擦抵
抗が徐々に増加し、パックが閉められたとき蓋１１が正
確な閉鎖位置からずれて半開きにならないようにする。

【００２４】この実施例においては、蓋の内側フラップ
３９が特殊な形に設計され、これがパック用のブランク
の一部分として設けられ（第４図）、蓋の前壁２２に繋
がっている。パックが組み立てられた状態では、この蓋
の内側フラップ３９が蓋の前壁２２の内側に向かって折
り曲げられ、これに接着されている。図に示した実施例
においては、方形の糊付けスポット５２が蓋の内側にフ
ラップ３９を固定するために設けられている。これらの
糊付けスポット５２は蓋の内側フラップ３９の側部が糊
付けされないままで残るような位置に設けられる。

【００２５】この場合、ブランクの長手方向に沿う蓋の
内側フラップ３９の寸法（第４図）が蓋の前壁２２の高
さにほぼ対応している。蓋の内側フラップ３９の横縁部
４０及び４１の設計に当たり、蓋を閉じたとき、カラー
２３の一部分、即ち、切り欠き部２９を区画する直立し
た両横ウエブ４２（第５図）が、前記の蓋の内側フラッ
プ３９の両横縁部を、４１の場所に固定されるように設
計する。

【００２６】特に第６図を参照すれば、このために、蓋
の内側フラップ３９の両横縁部４０，４１が開口部を備
えている。この実施例の場合、開口部４３が縁部に向か
って開口する形で設けられる。この開口部４３が曲線を
描く滑り縁部４４によって形成され、この滑り縁部がこ
の開口部に設けられたスリット状の鋭角をなす延長部４
５に繋がっている。この延長部４５が横向きの縁部４６
と交わるまで延びている。

【００２７】蓋１１を閉鎖位置に持って行ったとき、カ
ラーの前壁２４のウエブ４２がこの開口部４３の中に入
る。蓋１１とカラー２３との相対的寸法によって、カラ
ーがその上側両縁部３２とそのウエブ４２の湾曲部３１
とで、蓋の前壁２２の内面に沿って滑って行く。この段
階において、ウエブ４２の丸みを帯びた部分の上端部
が、ある圧力を持って、蓋の前壁２２即ち蓋の内側フラ
ップ３９に当接する。更に蓋が閉じられると、ウエブ４
２の湾曲部３１（第５、７図）が開口部４３の区域に入
って行く。この区域では上述したごとく、蓋の内側フラ
ップ３９が蓋の前壁２２に接続されていないので、ウエ
ブ４２の端部が横向縁部４６の下に入り、従ってこの縁
部４６によって形成されている保持タブ４７の下に入
る。パックが完全に閉じられたときは、ウエブ４２の傾
斜した横縁部３０が開口部４３のスリット状延長部４５
（第６図）の中にある（第１図）。つまり、ウエブ４２
の一部分が保持タブ４７の下に、即ち上記タブ４７と蓋
の前壁２２との間に延びる。従って、カラー２３即ちそ
のウエブ４２が保持タブ４７と蓋の前壁２２との間に割
り込んだ楔止め位置に移動する。保持タブ４７の部分の
先で、カラーの前壁２４が蓋の内側フラップ３９の内面
に当接する（第３図）。

【００２８】閉じた位置において、この楔止め効果、即
ちカラーに２３に掛かる増加した摩擦によって、蓋１１
が閉鎖位置に固定される。パックを開くときは、蓋の内
側フラップ３９がこの楔止め位置から引き出される。こ
の開き方は普通のヒンジ蓋付きパックの場合と比較して
何も異なる所がない。

【００２９】カラー２３と蓋の内側フラップ３９との間
の上記の楔止め又は摩擦による接続は、パックを使い始
めて、煙草の上の部分がたとえ露出していても、煙草が
これに影響されないようにして行われる。このために、
第６図に示すように、蓋の前壁２２と向き合う蓋の内側
フラップ３９の範囲を区画する縁部４９よりも、保持タ
ブ４７の側部の縁部４８が若干後退して設けられる。つ
まり保持タブ４７の区域においては、蓋の内側フラップ
３９の幅が狭くなっている。保持タブ４７はその縁部が
煙草の中心線に当たらず、この中心からずれているよう
にして設けられる。従って同様に、煙草の中心線からず
れた位置にあるウエブ４２を、煙草の表面に触れること
無く、保持タブ４７の下に押し込むことが出来る。この
位置関係が第９図に示されている。この実施例において
は、カラー２３と蓋の内側フラップ３９との間の摩擦又
は楔止めの係合部が一番隅の煙草５３と次の煙草５４と
の間にある。この区域においては、煙草５３と５４との
円周面の間に保持タブ４７を通す十分な空間があり、従
って、保持タブ４７を、煙草５３，５４に触れること無
く、楔止め位置に押し込むことができる。

【００３０】なお、冒頭に掲記した特許請求の範囲の各
請求項の記載には、本件発明へのアクセスが容易になる
ように、実施例の説明において使用した符号を必要に応
じて使用しているが、特許請求の範囲の記載を、実施例
のみに限定することを意図するものではない。この点
は、特許実務上従来から広く認識され受け入れられてい
る通りである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明によるヒンジ蓋付パック、即ち
“円形エッジ”パックの閉ざされた状態を示す正面図、

【図２】図２は、図１の線ＩＩ−ＩＩに沿う断面図、

【図３】図３は、図２の隅の部分を拡大して示す断面
図、

【図４】図４は、図１に示すパックのブランクの展開図
である。

【図５】図５は、図４のブランクに用いられるカラーを
拡大して示す展開図、

【図６】図６図は、図４のブランクの内側蓋フラップの
一部分を拡大して示す展開図、

【図７】図７は、図１のパックの蓋を半ば閉じた状態
を、その一部を切り開き内部を示す正面図、

【図８】図８は、図７の線ＶＩＩＩ−ＶＩＩＩに沿う断
面の拡大図、

【図９】図９は、図１の線ＩＩ−ＩＩに沿う断面を中に
包装された煙草と共に示す拡大図、である。

【符号の説明】

１０…パック本体、１１…蓋、１６，１７…パックの側
壁、１９…天井壁、２０，２１…蓋の側壁、２２…蓋の
前壁、２３…カラー、２４…カラーの前壁、２７…カラ
ーの下部、２８…カラーの上部、３７…閉鎖縁部、３８
…向き合う縁部、３９…蓋の内側フラップ、４２…ウエ
ブ、４３…開口部、４５…スリット状延長部、４７…保
持タブ

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下記の特徴(a)-(f) からなる煙草用ヒン
   ジ蓋付きパック。 (a) ヒンジ蓋付きパックは、パック本体(10)と、前記パ
   ック本体の後壁(14)に回動自在にヒンジされた蓋(11)と
   からなる、 (b) カラーの前壁(24)とカラーの両側壁(25,26) とから
   なるカラー(23)が、パック本体(10)内に固定され、その
   一部が前記パック本体(10)から突出する、 (c) パックが閉じた状態において、パック本体(10)から
   突出するカラーの上部(28)が、蓋(11)によって囲まれ
   る、 (d) パックが閉じた状態において、カラーの前壁(24)の
   一部が、蓋(11)の内側に設けられた蓋の内側フラップ(3
   9)と正確な位置関係で係合される、 (e) カラーの前壁(24)の区域内に、横ウエブ(42)によっ
   て区画される切り欠き部(29)が形成される、 (f) 蓋の内側フラップ(39)が、その少なくとも一方の横
   縁部(40,41) に、開口部(43)を備え、カラーの前壁(24)
   のウエブ(42)が、 前記ウエブ(42)の一部が、蓋の内側フラップ(39)と蓋の
   前壁(22)の間の区域へ移動されるように、 前記開口部(43)内へ押し込まれることが可能である、
2. 【請求項２】 ウエブ(42)が、その上部自由端位置に湾
   曲部(31)を備え、 前記ウエブ(42)の傾斜した横縁部(30)が、前記湾曲部(3
   1)と隣接する請求項１記載のヒンジ蓋付きパック。
3. 【請求項３】 カラー前壁(24)のウエブ(42)の一部を密
   接状態で覆う、開口部(43)の隣りにある蓋の内側フラッ
   プ(39)の保持タブ(47)が、前記開口部(43)の区域におい
   て、前記内側フラップ(39)の横縁部(46)によって、カラ
   ー前壁(24)の前記ウエブ(42)を区画する請求項１または
   ２記載のヒンジ蓋付きパック。
4. 【請求項４】 蓋の内側フラップ(39)の幅は、その両側
   の保持タブ(47)の区域における幅の方が、蓋の前壁(22)
   の下端部と隣接する区域における幅よりも小さく、ま
   た、 カラー(23)と蓋の内側フラップ(39)との相互係合を有効
   に行う関連諸部分、すなわち、前記内側フラップ(39)の
   保持タブ(47)、横縁部(46)および、カラー(24)のウエブ
   (42)の横縁部(30)が、パックの前方に配列された２本の
   紙巻き煙草の中間に位置する請求項３記載のヒンジ蓋付
   きパック。