JP2650388B2 - コンバイン等の走行伝動装置 - Google Patents

コンバイン等の走行伝動装置

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JP2650388B2
JP2650388B2 JP33365188A JP33365188A JP2650388B2 JP 2650388 B2 JP2650388 B2 JP 2650388B2 JP 33365188 A JP33365188 A JP 33365188A JP 33365188 A JP33365188 A JP 33365188A JP 2650388 B2 JP2650388 B2 JP 2650388B2
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久幸 里路
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、コンバイン等の走行伝動装置に関するも
ので、コンバインの外苗植機等に利用できる。
従来の技術 従来、コンバイン等の走行伝動装置において、原動機
側から左右走行装置への伝動を入切りする操向クラッチ
と、この操向クラッチを切りとした後左右走行装置を制
動する操向ブレーキを設けて、これらを操作する操向レ
バーを設けている。
又、一側の操向クラッチを切りとした後この切り側の
走行装置を逆方向へ回転させる逆転装置を設けて、旋回
レバーによってこの逆転装置を作動させて左右走行装置
を互いに逆方向へ駆動させて急旋回するための旋回レバ
ーを設けている。
発明が解決しようとする課題 このように走行伝動装置に、操向レバーと旋回レバー
とを設ける形態にあっては、そのレバー操作が複雑であ
り、戸惑うことがあった。
そこでこの発明は、急旋回するための逆転装置を伝動
する摩擦クラッチの伝動トルクを可変とすることによっ
て、操向クラッチの切りから逆転装置による急旋回伝動
を行わせる操向レバーを設けて、単一の操向レバーによ
ってレバー装置を単純にすると共に操向ブレーキを廃止
して伝動構成の簡略化を図ろうとするものである。
課題を解決するための手段 この発明は、原動機側から左右走行位置(1)への伝
動を入切りする操向クラッチ(2)とこの操向クラッチ
(2)切り側の走行装置(1)を摩擦クラッチ(3)に
よって逆転機構を介して逆方向へ回転させる逆転装置
(4)を有した走行伝動装置において、レバー操作角傾
動の初期には操向クラッチ(2)を切りとし、後期には
該摩擦クラッチ(3)を入りにして該逆転装置(4)に
よる急旋回伝動を行わせる操向レバー(5)を設けたこ
とを特徴とするコンバイン等の走行伝動装置の構成とす
る。
発明の作用 操向レバー(5)を傾動操作すると、この操作角傾動
の初期には操向クラッチ(2)を切りとし、左右走行装
置(1)は原動機側からの伝動が切れて車体の進行方向
が左右に修正される。操向レバー(5)を更に傾動操作
すると、摩擦クラッチ(3)の伝動トルクが順次増大し
て、この操向クラッチ(2)切り側の走行装置(1)は
ブレーキが効いた状態となり、他方の走行装置(1)に
よってひきずられる回転することなく停止するから車体
は旋回する。
操向レバー(5)を更に傾動操作すると、この操作角
傾動の後期には該摩擦クラッチ(3)を入りにして、逆
転装置(4)によって操向クラッチ(2)切り側の走行
装置(1)は逆転機構を介して逆方向へ回転伝動され、
車体は急旋回する。
発明の効果 このように、単一の操向レバー(5)によって、この
操向レバー(5)のレバー操作角傾動の初期には操向ク
ラッチ(2)を切りとし、後期には摩擦クラッチ(3)
を入りとして逆転装置(4)による急旋回伝動を行わせ
るものであるから、レバー操作を簡単にすることができ
る。
又、この操向レバー(5)のレバー操作角傾動の中期
には摩擦クラッチ(3)の伝動トルクが増大して走行装
置(1)が制動されるから、操向ブレーキが不要とな
り、構成を簡単にすることができるから走行伝動装置を
コンパクトな構成とすることができる。
実施例 なお、図例において、コンバインは左右走行装置
(1)を有した車台(6)上に脱穀装置(7)を搭載
し、前部に穀稈を刈取って後方の該脱穀装置(7)へ搬
送する刈取装置(8)を昇降シリンダ(9)への油圧操
作によって昇降自在に設けている。(10)は操縦席で、
この前側の操縦台に車体の進行方向を左右に操向する操
向レバー(5)を設けている。
該車台(6)の前部に、原動機から入力伝動されて左
右走行装置(1)を伝動する走行伝動機構を内装した伝
動ケース(11)を設けている。
該伝動ケース(11)内には、原動機側から変速伝動さ
れる操向軸(12)が回転自在に軸受されており、この操
向軸(12)の中央部にセンタギヤー(13)が回転自在に
設けられ、該センタギヤー(13)の左右両側にクラッチ
ギヤー(14)がこの軸上を摺動自在に設けられている。
該クラッチギヤー(14)はセンタギヤー(13)の左右内
歯に対して係脱自在で、これらクラッチギヤー(14)と
センタギヤー(13)とで操向クラッチ(2)を構成して
いる。
該クラッチギヤー(14)は、シフタ(15)によって操
向軸(12)上を摺動して操向クラッチ(2)が入切りさ
れる構成である。該左右のクラッチギヤー(14)と常時
噛合の左右減速ギヤー(16)が減速軸(17)に設けら
れ、これら減速ギヤー(16)と一体のギヤー(18)と常
時噛合の走行ギヤー(19)を左右の走行軸(20)に各々
設けている。
該左右の走行軸(20)の近傍位置にクラッチ軸(21)
を回転自在に軸受し、このクラッチ軸(21)に逆転用の
摩擦クラッチ(3)を設けている。この摩擦クラッチ
(3)は、該クラッチ軸(21)に対して固定側と、この
軸に対して回転自在のギヤー(22)を一体の遊嵌側とか
ら構成されており、油圧が作用すると該ギヤー(22)が
クラッチ軸(21)と一体回転する構成としている。該ギ
ヤー(22)は右走行ギヤー(19)と常時噛合っている。
該クラッチ軸(21)の一側には中間ギヤー(23)を一
体的に設け、この中間ギヤー(23)と噛合うカウンタギ
ヤー(24)をカウンタ軸(25)に一体的に設けている。
該カウンタ軸(25)の他側にはカウンタギヤー(26)を
一体的に設け、このカウンタギヤー(26)と左走行ギヤ
ー(19)とを常時噛合させている。
逆転装置(4)は、操向クラッチ(2)切り側の走行
ギヤー(19)が、摩擦クラッチ(3)への油圧操作によ
って他側の走行ギヤー(19)からカウンタギヤー(24)
(26)、中間ギヤー(23)、及び摩擦クラッチ(3)の
ギヤー(22)を介して逆方向へ回転伝動される構成であ
る。
第2図は油圧回路図で、左右のクラッチギヤー(14)
のシフタ(15)を回動させる左右の操向シリンダ(27)
の油圧回路にクラッチバルブ(28)を設けている。該左
右の操向シリンダ(27)は、ピストンが突出して該シフ
タ(15)を回動させ、クラッチギヤー(14)が移動して
センタギヤー(13)との噛合が離脱された位置、即ち操
向クラッチ(2)切り位置において、これら左右の操向
シリンダ(27)を連通させて排油する油路(33)を設
け、この油路(33)に、摩擦クラッチ(3)と操向レバ
ー(5)による操作の流量制御弁(29)とを設けてい
る。左右の操向シリンダ(27)の排油路(30)は該油路
(33)と連通している。(31)は油圧ポンプ、(32)は
リリーフバルブである。
該操向レバー(5)は、中立位置から左右方向へ所定
の操作角を傾動自在の構成で、レバー操作角傾動の初期
には、スイッチ(34)を各々ONとしてクラッチバルブ
(28)の左右ソレノイドへ通電して油路が切換えられ、
更に傾動すると流量制御弁(29)を制御して流量が絞り
調節され、後期には摩擦クラッチ(3)を入りとするよ
うに構成している。この操向レバー(5)は前後方向へ
の傾動によって昇降バルブを切換え、昇降シリンダ
(9)へ圧油を給排して伸縮させ、刈取装置(8)を昇
降する構成としている。
原動機側から操向軸(12)のセンタギヤー(13)へ伝
動されると、このセンタギヤー(13)から左右クラッチ
ギヤー(14)を経て左右減速ギヤー(16)、ギヤー(1
8)が伝動回転され、左右の走行ギヤー(19)、左右走
行軸(20)が伝動されて左右走行装置(1)が伝動駆動
され、車体は走行する。
操向レバー(5)を中立位置から例えば左側へ傾動す
ると、クラッチバルブ(28)が切換えられ、油圧ポンプ
(31)からの圧油は左の操向シリンダ(27)へ供給され
てピストンが伸長し、シフタ(15)を介して左クラッチ
ギヤー(14)が移動し、センタギヤー(13)との噛合が
離脱して左操向クラッチ(22)が切りとなって左走行装
置(1)への伝動が断たれ、車体の進行方向が左方向へ
修正される。
操向レバー(5)をこの操向クラッチ(2)切り位置
から更に傾動すると、流量制御弁(29)が絞られて油路
(33)内の油圧が上昇するが、排油路(30)内の油圧も
同様に上昇するのでピストンは操向クラッチ(2)切り
位置に保持される。この圧油によって摩擦クラッチ
(3)の伝達トルクが順次増大すると、操向クラッチ
(2)切り側の左走行装置(1)を逆転させようとする
がまだ逆転には至らず、この走行装置(1)はブレーキ
が作用した状態となって、他方の右走行装置(1)の回
転によってひきずられるが回転することなく左走行装置
(1)は停止し、車体は左旋回する。
操向レバー(5)を操作角一杯傾動すると、流量制御
弁(2)が絞られて油路(33)及び排油路(30)内の油
圧が上昇し、ピストンは操向クラッチ(2)切り位置に
保持された状態で、この圧油は摩擦クラッチ(3)へ作
用する。すると、該摩擦クラッチ(3)が入りとなって
ギヤー(22)がクラッチ軸(21)と一体回転し、右側の
走行ギヤー(19)から逆転装置(4)によってこの操向
クラッチ(2)切り側の左走行装置(1)が逆方向へ回
転し車体は急旋回する。
このように、操向レバー(5)の操作角傾動の初期に
は操向クラッチ(2)を切りとし、中期にはこの操向ク
ラッチ(2)切り側の走行装置(1)を制動し、後期に
は逆転装置(4)を入りとして該走行装置(1)を逆方
向へ回転して急旋回伝動を行うものであるからレバー操
作が単純化され、単一の操向レバー(5)の傾動に応じ
て車体の進行方向の修正、旋回、及び急旋回を行うこと
ができる。その上従来のような操向ブレーキ装置が不要
となるから走行伝動装置の構成がコンパクト化され、コ
ストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明の一実施例を示すもので、第1図はコンバ
インの全体側面図、第2図は油圧回路図、第3図は操向
レバーの操作状態図、第4図は走行伝動装置の一部の正
断面図である。 図中、符号(1)は走行装置、(2)は操向クラッチ、
(3)は摩擦クラッチ、(4)は逆転装置、(5)は操
向レバーを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機側から左右走行装置(1)への伝動
    を入切りする操向クラッチ(2)とこの操向クラッチ
    (2)切り側の走行装置(1)を摩擦クラッチ(3)に
    よって逆転機構を介して逆方向へ回転させる逆転装置
    (4)を有した走行伝動装置において、レバー操作角傾
    動の初期には操向クラッチ(2)を切りとし、後期には
    該摩擦クラッチ(3)を入りにして該逆転装置(4)に
    よる急旋回伝動を行わせる操向レバー(5)を設けたこ
    とを特徴とするコンバイン等の走行伝動装置。
JP33365188A 1988-12-28 1988-12-28 コンバイン等の走行伝動装置 Expired - Lifetime JP2650388B2 (ja)

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