JP2650305B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP2650305B2
JP2650305B2 JP63046696A JP4669688A JP2650305B2 JP 2650305 B2 JP2650305 B2 JP 2650305B2 JP 63046696 A JP63046696 A JP 63046696A JP 4669688 A JP4669688 A JP 4669688A JP 2650305 B2 JP2650305 B2 JP 2650305B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車両の制動時の車輪ロックを防止するア
ンチスキッド制御装置に係り、とくに、制動状態におけ
る路面状況を判断できる手段を有したアンチスキッド制
御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、アンチスキッド制御装置においては、車輪速度
の変化率,即ち車輪加減速度によって車輪がロック方向
に変化しようとしているか否かを判定し、この判定結果
に応じてホイールシリンダの液圧モードを制御している
ものがある(例えば、特公昭51−6305号参照)。つま
り、車輪加減速度DVは、所定時間ΔTだけ前の車輪速度
と現在の車輪速度との差分ΔVから、DV=ΔV/ΔTの演
算を行うことによって求めるとし、車輪加減速度DVの値
が所定基準値g1(g1<0)を下回った時には、それまで
の増圧モードから保持モードに切り換えるよう指令し、
また、減圧中に車輪加減速度DVの値が所定基準値g2(g2
>0)を上回った時には、それまでの減圧モードから保
持モードに切り換えるように指令している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来装置における車輪加減
速度の演算手法では、単に変化率判定時間ΔT毎の車輪
速度の変化率を求めるにすぎなかったため、車輪加減速
度のノイズ除去能力と高い応答性とを両立させることが
困難であった。
具体的には、変化率判定時間ΔTを長く設定すると、
高周波ノイズを的確に除去することができるが、判定時
間の粗さによる検出精度が下がることにより車輪速度の
回復判断が遅れ、特に、制御液圧レベルの高い高摩擦係
数路においてアンチスキッド制御の減圧モードから保持
モードへの切換タイミングが遅れ、この応答性の低下に
よって過減圧となり、ノーブレーキ気味になるという問
題点があった。
反対に、変化率判定時間ΔTを短く設定することによ
り、検出精度を向上させて上述の不都合を回避できる
が、高周波ノイズの除去能力が低下し、特に、低摩擦係
数路においてエンジン系,駆動系の振動にアンチスキッ
ド制御が反応し、誤った液圧制御に陥るという問題点が
あった。
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、路
面摩擦係数の変化に的確に対応したアンチスキッド制御
を行うことができる装置を提供することにあり、詳しく
は、高摩擦係数路においては良好な制御の応答性を得る
ことができ、低摩擦係数路においては耐ノイズ性の向上
を優先させて無用な制御モードの切換を排除できるよう
にすることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明では第1図に示す
ように、車輪の制動用シリンダの圧力を所定の指令信号
に応じて調整するアクチュエータを備え、制動状況に応
じて前記指令信号を制御するようにしたアンチスキッド
制御装置において、車輪の回転速度を検出する車輪速度
検出手段と、この車輪速度検出手段の検出値に基づき、
2つの相異なる変化率判定時間に対する車輪加減速度を
一輪について各々算出する車輪加減速度算出手段と、車
両の前後方向の加速度を検出する前後加速度検出手段
と、この前後加速度検出手段の検出レベルと所定基準値
とを比較し、該比較結果により制動状態にある路面が高
摩擦係数路か低摩擦係数路かを判断する路面状況判断手
段と、この路面状況判断手段による判断結果が高摩擦係
数路の場合には、前記変化率判定時間の短い方の車輪加
減速度に基づき制動状態に応じた指令信号を、且つ、低
摩擦係数路の場合には、前記変化率判定時間の長い方の
車輪加減速度に基づき制動状態に応じた指令信号を前記
アクチュエータに与えるアクチュエータ制御手段とを備
えている。
ここで、この発明の着眼点を説明する。
高摩擦係数路においては、アンチスキッド制御の際の
減圧制御によって生じる車輪加速度は、そのレベルが大
きく、低摩擦係数路に比べて高周波成分を含んでいる。
この高周波成分はエンジン駆動系の振動に近いものの、
エンジン駆動系の振動自体は、路面摩擦のトルクによっ
て吸収され、低摩擦係数路に比べて発生し難い。逆に、
低摩擦係数路においては、アンチスキッド制御の際の液
圧制御によって生じる車輪加減速度は、そのレベルが小
さく、エンジン駆動系の振動よりも充分低い周波数で変
化する。しかし、エンジン駆動系の振動自体が高摩擦係
数路に比べて発生し易い。
したがって、これら各路面の車輪速度変化の特徴を考
慮すると、高摩擦係数路においては、応答性を重視し、
車輪加減速度を演算する際、変化率判定時間を短く設定
した車輪加減速度によって液圧制御を行うのが望まし
い。反対に、低摩擦係数路においては、ノイズ(エンジ
ン,駆動系の振動)に対して強い、変化率判定時間を長
く設定した車輪加減速度によって液圧制御を行うのが望
ましい。そこで、本発明は、これらの着眼点に基づいて
構成している。
〔作用〕
この発明では、車輪加減速度算出手段において、車輪
速度検出値に基づき、2つの異なる変化率判定時間に対
する車輪速度の変化率,即ち車輪加減速度が各々算出さ
れる。また、路面状況判断手段では、前後加速度検出レ
ベルと所定基準値とが比較され、該比較結果により制動
状態にある路面が高摩擦係数路か低摩擦係数路かが判断
される。そこで、アクチュエータ制御手段は、路面状況
判断手段による判断結果が高摩擦係数路の場合には、短
い方の変化率判定時間に係る車輪加減速度に対応した指
令信号を、且つ、低摩擦係数路の場合には、長い方の変
化率判定時間に係る車輪加減速度に対応した指令信号を
アクチュエータに与え、制動用シリンダの圧力を制御す
る。このため、高摩擦係数路での制動にあっては、より
鋭敏な車輪加減速度による制御となるため、制御の応答
性が良い。反対に、低摩擦係数路での制動にあっては、
検出精度を下げた変化率判定時間による制御となるた
め、耐ノイズ性が重視される。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例を第2図乃至第7図に基づ
き説明する。この実施例は四輪独立制御の場合を示す。
第2図は四輪の内、任意の一輪に対する制御構成を示
し、図示しないが他の三輪についても同様の制御構成を
有するものとする。
同図において、1は車輪を示し、2はこの車輪1に対
する液圧式のブレーキ系を示し、4はこのブレーキ系2
に対するアンチスキッド制御装置を示す。
ブレーキ系2は、ブレーキペダル6、マスターシリン
ダ8、車輪1に対するドラム式ブレーキのホイールシリ
ンダ(制動用シリンダ)10を有している。
一方、アンチスキッド制御装置4は、車輪1の車輪速
度を検出するための車輪速センサ12と、車両の前後方向
の加速度を検出する前後加速度センサ13と、ブレーキス
イッチ14と、これらのセンサ13〜15の各検出信号に基づ
きアンチスキッド制御を指令するコントローラ15と、こ
のコントローラ15の出力する制御信号によって前記ホイ
ールシリンダ10の液圧を調整するアクチュエータ16とに
より構成されている。
車輪速センサ12は、各車輪に連動する所定位置に設け
られた電磁ピックアップで構成され、車輪の回転数に比
例した周波数の交流電圧信号viを出力する。また、前後
加速度センサ13は車体の所定位置に設けられており、前
後方向の加速度を検出しこれに対応したアナログ直流電
圧でなる加速度信号gを、車両の減速度の場合を正とし
て出力する。さらに、ブレーキスイッチ14は、ブレーキ
ペダル6の操作時に論理Hレベル,非操作時に論理Lレ
ベルとなるブレーキスイッチ信号BSを出力する。
コントローラ15は、その入力側に、車輪速センサ12の
検出信号viをF−V(周波数−電圧)変換して車輪速度
信号Vwiを演算する車輪速演算回路18を装備している。
この車輪速演算回路18の出力側は、車輪速度信号Vwi
デジタル化するA/D変換器20を各々介してマイクロコン
ピュータ22に至る一方、他の車輪に対する車輪速演算回
路の出力とともにセレクトハイスイッチ23及び車輪加減
速度演算回路24A,24Bに各々至る。
この内、セレクトハイスイッチ23は、入力する各車輪
速度信号Vwiの中の最高値を選択(セレクトハイ)する
ように構成されており、これにより、最も実車体速度に
近い車輪速度信号Vwiを次段に設けられた積分回路26の
初期値入力端に印加するようになっている。
また、車輪加減速度演算回路24A,24Bの各々は、所定
時間当たりの車輪速度信号Vwiの変化量を演算する微分
回路で構成されている。つまり、所定の変化率判定時間
ΔT1(例えば30msec)における車輪速度信号Vwiの変化
分をΔV1とし、変化率判定時間ΔT2(例えば100msec:Δ
T1<ΔT2)におけるその変化分をΔV2とすると、前者の
演算回路24AはDV1=ΔV1/ΔT1、後者の演算回路24BはDV
2=ΔV2/ΔT2の式に基づいて、車輪加減速度DV1,DV2
各々演算するようになっている。これらの車輪加減速度
演算回路24A,24B(これらの回路により車輪加減速度算
出手段が形成される)の出力端は、A/D変換器27A,27Bを
各々介してマイクロコンピュータ22に至る。
また、前記前後加速度センサ13の出力端は、コントロ
ーラ15において、A/D変換器28を介してマイクロコンピ
ュータ22に接続されるとともに、積分回路26,A/D変換器
29を介してマイクロコンピュータ22に接続されている。
さらに、ブレーキスイッチ信号BSは、マイクロコンピュ
ータ22及び積分回路26に印加されるようになっている。
積分回路26は、その入力側に後退時の制動状況を考慮
した絶対値回路を内蔵し、演算制御入力としてのブレー
キスイッチ信号BSの論理Hレベルへの立ち上がりに付勢
されて演算開始するようになっている。つまり、初期値
信号をVwi,入力信号をgとしたとき、 Vref=Vwi−∫│g│dt ……(1) の積分演算を行って、車体速度減側に変化する推定車体
速度信号Vrefを擬似的に求めるように構成されている。
マイクロコンピュータ22は、入力インターフェイス回
路33,演算処理装置34,記憶装置35,出力インターフェイ
ス回路36を少なくとも含んで構成される。演算処理装置
34は、デジタル化された各検出信号Vwi、Vref、g、D
V1、DV2を入力インターフェイス回路33を介して読み込
み、予め格納されている所定プログラムにしたがって所
定の演算・処理(第4,5図参照)を行うとともに、必要
に応じてアクチュエータ16駆動用の制御信号を出力イン
ターフェイス回路36を介して出力する。記憶装置35は、
演算処理装置34の処理の実行に必要なプログラム及び制
御マップ等の固定データを予め記憶しているとともに、
その処理結果を一時記憶可能になっている。
一方、マイクロコンピュータ22の出力側には増幅器37
A〜37Cが装備され、マイクロコンピュータ22からの制御
信号は、増幅器37A〜37Cを介して液圧制御信号(指令信
号)EV,AV,MRとしてアクチュエータ16に出力可能に構成
されている。
さらに、アクチュエータ16は、第3図に示すように、
マスターシリンダ8の液圧流入側とホイールシリンダ10
との間に接続された流入弁42と、この流入弁42の出力
側,即ちホイールシリンダ10に接続された流出弁44と、
この流出弁44の出力側に接続された蓄圧用のアキュムレ
ータ46及びオイル回収用のオイルポンプ48と、オイルポ
ンプ48とマスターシリンダ8との間に装備されたチェッ
ク弁50とを備えている。
この内、流入弁40及び流出弁42は、コントローラ15か
らの液圧制御信号EV及びAVにより開閉制御される。つま
り、増圧モードでは制御信号EV,AVをオフとすることに
より、流入弁42が「開」,流出弁44が「閉」となり、マ
スターシリンダ8からの制動液圧を流入弁42を介してホ
イールシリンダ10に供給でき、この結果、シリンダ圧が
上昇する。減圧モードでは制御信号EV,AVをオンとする
ことにより、流入弁42が「開」,流出弁44が「閉」とな
り、ホイールシリンダ10内のオイルをマシターシリンダ
3側に回収でき、この結果、シリンダ液圧が下降する。
さらに、保持モードでは、制御信号EVをオン,AVをオフ
とすることで両流入弁42,流出弁44が閉じ、ホイールシ
リンダのオイルを閉じ込めることができ、その圧力を保
持できる。制御信号MRはアンチスキッド制御中オンとさ
れ、これによりポンプ48が駆動する。
次に、上記実施例の動作を第4図乃至第7図を参照し
ながら説明する。第6図は見易くするため任意の一輪に
ついて示している。
イグニッションスイッチがオン状態になると、電源が
投入され本装置が起動する。
つまり、車輪速センサ12により検出された交流電圧信
号viは、車輪速度演算回路18において車輪速度信号Vwi
に変換される。この後、車輪速度信号VwiはA/D変換器20
によりデジタル化されてマイクロコンピュータ22に供給
されるとともに、セレクトハイスイッチ23及び車輪加減
速度演算回路24A,24Bにも各々供給される。
この内、車輪加減速度演算回路24A,24Bは、入力する
車輪速度信号Vwiに対して、相異なる長さの変化率判定
時間ΔT1,ΔT2で微分演算を各別に施して車輪加減速度
信号DV1,DV2とし、これをA/D変換器27A,27Bによりデジ
タル化してマイクロコンピュータ22に各々供給する。こ
れは四輪毎に行われる。
また、セレクトハイスイッチ23は、入力する各車輪速
度信号Vwiをハイセレクトして、これを積分回路26に初
期値として供給する。
また、前後加速度センサ13による検出信号gは、A/D
変換器28によりマイクロコンピュータ22に供給されると
ともに、ブレーキスイッチ14のブレーキスイッチ信号BS
が論理Hレベルのときには、積分回路26において前記
(1)式による車体速度の推定演算に供される。この結
果、推定される車体速度信号VrefはA/D変換器29を介し
てマイクロコンピュータ22に供給される。
さらに、マイクロコンピュータ22では、上記各入力信
号に基づいて一定時間(例えば20msec)毎且つ各車輪毎
に第4,5図に示すタイマ割込処理が実行される。
この処理を、第6,7図に示すアンチスキッド制御例と
ともに説明する。
いま、時刻t0以前では定速走行状態にあるとする。こ
の状態における第4図の処理は以下のようになる。ま
ず、同図のステップにおいてブレーキスイッチ信号BS
を読み込み、ステップでブレーキスイッチ14がオンか
否かを判断するが、ブレーキスイッチ14が非操作(オ
フ)であるから、ステップに移行する。このステップ
では、車輪加減速度wi及びスリップ率Siをクリヤし
た後、メインプログラムに復帰する。
また、この状態における第5図の処理は以下のように
なる。いま、前回のタイマ割込制御で後述する減圧タイ
マL及び制御フラグASが共にクリヤされているとする。
そこで、第5図のステップに係るスリップ率Si≧S
0(S0は基準スリップ率であって、ここでは15%に設定
されている)の判断では「NO」となり、ステップの減
圧タイマL>0か否かの判断では「NO」となり、ステッ
プの制御終了条件を満たすか否かの判断に移行する。
この判断は、具体的には、推定車体速度Vrefが停車状態
に相当する所定値Vref0に対してVref≦Vref0か否か、緩
増圧回数Nが所定値N0に対してN≧N0か否か等を判断す
ることにより行われるから、「NO」となる。さらに、ス
テップの減圧タイマL>0か否かの判断で「NO」、ス
テップの車輪加減速度Vwi≧α(αは加速側の基
準値:正値)か否かの判断で「NO」、ステップのwi
≦−α(αは減速側の基準値:正値)か否かの判断
で「NO」となり、ステップに移行する。ステップで
は制御フラグAS=0か否かを判断するが、未だアンチス
キッド制御開始前で制御フラグASがクリヤされているか
ら、「YES」となって、ステップに移行して通常ブレ
ーキモードが指令される。
つまり、演算処理装置34は、各アクチュエータ16に出
力する液圧制御信号EV,AVをオンとする。このため、流
入弁42が開,流出弁44が閉となり、マスターシリンダ8
からのオイルはホイールシリンダ10に流入可能となる。
したがって、この状態において、ブレーキペダル6を踏
み込んだ場合にはシリンダ液圧を急増させることがで
き、ブレーキペダル6を踏み込まない場合にはシリンダ
液圧は零となっている。
この定速走行状態において、時刻t0でアクセルペダル
6を踏み込み、急制動を行ったとする。つまり、時刻t0
でブレーキスイッチ14のブレーキスイッチ信号BSがそれ
までの論理Lレベルから論理Hレベルに立ち上がる。こ
の立ち上がりに付勢されて積分回路26が前記(1)式の
演算を開始する。これとともに、前述した如く、ブレー
キペダル6の踏み込みによって制動液圧が急上昇し(第
6図(3)参照)、制動状態に入る。これに伴って前後
加速度信号gが徐々に増加して時刻t1で所定基準値g0
越える前後加速度信号gが得られる(第6図(4)参
照)。これと並行して、前後加速度信号gを個別に微分
演算した車輪加減速度信号DV1,DV2が第6図(5)a,
(5)bの如く得られる。ここで、変化率の判定基準時
間が前述の如く異なるため、信号DV2の方が信号DV1より
も緩やかに変化している。
この制動開始初期t0〜t1における第4図の処理は以下
のようになる。まず、前述したステップ,を介して
ステップに移行し、前後加速度信号gを読み込む。続
いて、ステップで所定基準値g0に対してg≧g0か否か
を判断する。この基準値g0は、前後加速度gのレベル
(振幅)によって制動状態にある路面が乾燥アスファル
ト路等の高摩擦数路か積雪路等の低摩擦係数路かを弁別
可能な値である。そこで、時刻t0〜t1間はg<g0である
ので、ステップ,に移行する。ステップでは、長
い方の変化率判定時間ΔT2に係る車輪加減速度信号DV2
を読み込み、ステップでは、読み込んだ車輪加減速度
信号DV2の値を第5図の処理に係る車輪加減速度wi
セットする。続いて、ステップで積分演算に係る推定
車体速度信号Vrefを読み込み、ステップで該当する車
輪速度信号Vwiを読み込み、ステップで該当する車輪
1のスリップ率Siを、 に基づき算出し、これを一時記憶してメインプログラム
に復帰する。
この制動開始時t0〜t1における第5図の処理は以下の
ようになる。つまり、この段階では、スリップ率Siは未
だ基準値Siに達しておらず、また車輪減速度wi(=DV
2)が、−αwi<αであるから(第6図(5b)
参照)、前述したと同様にステップ〜を介してステ
ップの急増圧モードが指令される。そこで、ブレーキ
ペダル6が踏み込まれているので、ホイールシリンダ10
の圧力が第6図(3)の如く急上昇する。
そして、制動開始間もない時刻t1において前後加速度
g=g0となるため、現在の制動状態にある路面は高摩擦
係数路であると認識する。そこで、第4図の処理におい
て、ステップからステップ,を介する処理が行わ
れる。つまり、ステップでは短い方の判定時間ΔT1
係る前後加減速度信号DV1を読み込み、ステップでは
wi=DV1とする。この前後加減速度信号DV1は第6図
(5)aに示すように、時刻t2まではDV1>−αとな
る。このため、時刻t2までは第5図の処理においても前
述した急増圧モードが指令される。
このようにして液圧が急増に伴い、車輪回転速度Vwi
が徐々に低下し、第6(5)aに示す如く、車輪減速度
wiがマイナス方向に増大するとともに、スリップ率Si
が大きくなる。そして、時刻t2を経過すると車輪減速度
wiが基準値−αを下回るので、第5図におけるステ
ップで「YES」と判断され、ステップに移行して高
圧側の保持モードが指令される。
この保持モードでは、演算処理装置34は液圧制御信号
EVをオン,AVをオフとする。これにより、ホイールシリ
ンダ10のオイルが封じ込められ、その圧力が第6図
(3)の如く保持される。
この圧力保持の間であっても高圧による制動が行われ
ているので、スリップ率Siが徐々に高くなり、その値が
時刻t3において基準値S0に等しくなる。これにより、第
5図のステップで「YES」と判断され、ステップの
wi≧αか否かの判断で「NO」となり、ステップに
移行して減圧タイマLに所定の初期値L0をセットすると
ともに、制御フラグASを立ててアンチスキッド制御開始
を示す。その後、ステップ,を介してステップに
移行し、減圧モードを指令する。
この減圧モードでは、演算処理装置34は、液圧制御信
号EV,AVを共にオンとする。これにより、前述したよう
にホイールシリンダ10の液圧が第6図(3)に示すよう
に下降する。
この減圧により、車輪回転速度Vwiが、応答遅れ後の
適宜な時点から徐々に回復して車体速度に近づくように
変化するから(第6図(2)参照)、その車輪加速度
も徐々に増大し、時刻t4wiとなる。そこで、第5図
にステップにおいて「YES」と判断され、ステップ
に移行して減圧タイマLをクリヤする。この後、ステッ
プ〜,を介してステップに移行し、再び低圧で
の保持モードを指令する。
この保持モードでも、演算処理装置34は、前述したス
テップと同様に制御するから、液圧が保持される(第
6図(3)参照)。
そして、この液圧保持を行うことによって、ステップ
率Siが回復し、時刻t5を過ぎるとwi<αになる。そ
こで、第5図の処理ではステップ〜を順次介してス
テップに移行し、緩増圧モードを指令する。
この緩増圧モードでは、演算処理装置34は、液圧制御
信号AVをオフに制御する一方、制御信号EVのオフを所定
微小間隔で断続的に繰り返して行う。これにより、第6
図(3)に示す如く液圧が略ステップ状に上昇する。
このような繰り返しで時刻t10までは、車輪加減速度
信号DV1に基づきアンチスキッド制御が行われるが、時
刻t10において制動路面が低摩擦係数路に急変し、これ
に応じて前後加速度信号gが基準値g0を下回ったとす
る。
これにより、第4図の処理では再びステップ,の
処理を介して行われ、wi=DV2に設定される。
そして、この時刻t10ではSi<S0であり緩増圧モード
が指令されているが、このt10を過ぎると、緩増圧によ
る制動及び路面急変によって車輪回転速度Vwiが低下し
始め、スリップ率Siが大きくなり、時刻t11においてSi
=S0になる。このとき、車輪加減速度wi(=DV2
が、wi<αであるから、第5図の処理では、ステッ
プ,,,,,を介して、前述した減圧モー
ドが指令される。これによって、緩増圧時及び路面変更
の反動で車輪速度Vwiが一度は急激に低下するものの、
所定時間遅れの後、徐々に車体速度方向に回復する。こ
の中で、時刻t12においてwi(=DV2)=−αとなる
が、Si>S0,wi<αであるから、前述した減圧モー
ドが引き続いて指令される。
そして、この減圧モードはwi(=DV2)<αを満
足する時刻t13まで継続され、時刻t13からt14までは、
wi(=DV2)≧αであるから、低圧側の保持モード
が前述の如く指令される。そして、時刻t14を経過する
と、wi(=DV2)<αであるから、前述した緩増圧
モードが、Si=S0となる時刻t15まで指令される。
以下、制御終了条件が満足されるまで、ホイールシリ
ンダ10毎に上述したスキッドサイクルが繰り返される。
そして、制御終了条件が満足されると、第5図のステッ
プにおいて減圧タイマL及び制御フラグASをクリヤ
し、ステップの通常ブレーキモードに戻る。
この第6図のスキッドサイクルについての液圧モード
の変化の一部を、横軸に車輪加減速度wi,縦軸にスリ
ップ率Siとする制御マップ上に時間経過と伴に示すと、
第7図のようになる。同図において、実線部分は車輪加
減速度DV1にかかる制御を、点線部分は車輪加減速度DV2
にかかる制御を各々示し、矢印は制御方向を示す。
ところで、上述の制御の場合、時刻t10以前の高μ路
での制動にあっては、エンジン系,駆動系の振動に起因
したノイズ混入が少ないため、車輪加減速度を検出する
際の判定時間を短くして検出精度を高くしている。これ
によって、液圧制御の良好な応答性が得られ、的確な制
動性能となる。これに反し、時刻t10以降の低μ路での
制動にあっては、車輪回転速度にエンジン系,駆動系の
振動が混入するから(第6図(2)中の※印部分参
照)、短い判定時間ΔT1を基準とする車輪加減速度DV1
は、閾値α1,−α間を何度も往復する不必要な高周波
のノイズ成分を含んでしまう(第6図(5)a中の※印
部分参照)。このため、そのまま車輪加減速度DV1に基
づき液圧制御を行うと、無用な制御の切換が実行され、
制動性能が低下してしまう。しかしながら、本実施例で
は、判定時間を長く(=ΔT2)することにより、車輪加
減速度の検出精度を所定レベルまで下げ、耐ノイズ性の
向上を優先している。したがって、低μ路での上述した
無用な切換が制御され、的確な制動性能が維持される。
なお、高摩擦係数路の制動等において、減圧している
間に、車輪加速度wiの回復よりも早くスリップ率Si
その基準値S0以下に改善された場合、第5図のステップ
,を介してステップに移行する。そして、このス
テップでは減圧タイマL=L−1を行う。この後、ス
テップ〜を介して、ステップに係る緩増圧モード
が保持モードよりも先に指令される。
ここで、本実施例では、車輪速センサ12及び車輪速演
算回路18により車輪速度検出手段が構成される。前後加
速度センサ14及び第4図のステップにより前後加速度
検出手段が形成され、第4図のステップにより路面状
況判断手段が構成され、A/D変換器27A,27B及び第4図の
ステップ〜,,、第6図ステップ〜,〜
の処理及び、各増幅器37A〜37Cによってアクチュエー
タ制御手段が形成される。
なお、前記実施例におけるコントローラ15は、この全
体をコンピュータによって構成することもでき、その一
方で、マイクロコンピュータ22をカウンタ,比較器,フ
リップフロップ等の電子回路によって構成することもで
きる。
また、前記実施例はドラム式ブレーキについて適用し
た場合を示したが、これはディスク式ブレーキについて
も同様に適用可能である。
さらに、前記実施例では4輪独立制御のアンチスキッ
ド制御装置について述べたが、この発明は必ずしもこれ
に限定されることなく、例えば後2輪制御のアンチロッ
クブレーキについて適用することもできる。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、この発明は、各車輪速度検
出値から車輪加減速度を算出するに際して、2つの相異
なる変化率判定時間についての車輪加減速度を車輪毎に
検出するとともに、前後加速度検出値に応じて制動時の
路面が高摩擦係数路か低摩擦係数路かを判断し、高摩擦
係数路の場合には短い方の判定時間に係る車輪加減速度
に基づき、且つ、低摩擦係数路の場合には長い方の判定
時間に係る車輪加減速度に基づき、制動状態に応じた制
動用シリンダの圧力制御を行うとしたため、制動路面に
応じて車輪加減速度の検出精度(不感帯)を調整でき
る。即ち、高摩擦係数路にあっては、検出精度を上げる
ことによって制動用シリンダの圧力制御の応答性を向上
させ、良好な制動性能を得ることができ、且つ、低摩擦
係数路にあっては、エンジン系,駆動系の振動によるノ
イズを考慮して検出精度を下げることにより、車輪加減
速度の耐ノイズ性を優先して向上させ、従来のようなノ
イズによる無用なシリンダ圧の切換を防止でき、これが
ため、路面摩擦係数の変化に対応した的確なアンチスキ
ッド制御を行うことができるという優れた効果が得られ
る。これとともに、無用な制御モードの切換による機械
的摩耗も抑制されるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の特許請求の範囲との対応図、第2図
はこの発明の一実施例の構成を、任意の一輪の系統を中
心にして示すブロック図、第3図は第2図のアクチュエ
ータの構成を示すブロック図、第4図,第5図は各々マ
イクロコンピュータにおいて実行される処理手順を示す
概略フローチャート、第6図はアンチスキッド制御例を
一輪について示すタイミングチャート、第7図は制御マ
ップを示すグラフである。 図中、1は車輪、4はアンチスキッド制御装置、10はホ
イールシリンダ、12は車輪速センサ、13は前後加速度セ
ンサ、14はブレーキスイッチ、15はコントローラ、16は
アクチュエータ、22はマイクロコンピュータである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪の制動用シリンダの圧力を所定の指令
    信号に応じて調整するアクチュエータを備え、制動状況
    に応じて前記指令信号を制御するようにしたアンチスキ
    ッド制御装置において、 車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手段と、この車
    輪速度検出手段の検出値に基づき、2つの相異なる変化
    率判定時間に対する車輪加減速度を一輪について各々算
    出する車輪加減速度算出手段と、車両の前後方向の加速
    度を検出する前後加速度検出手段と、この前後加速度検
    出手段の検出レベルと所定基準値とを比較し、該比較結
    果により制動状態にある路面が高摩擦係数路か低摩擦係
    数路かを判断する路面状況判断手段と、この路面状況判
    断手段による判断結果が高摩擦係数路の場合には、前記
    変化率判定時間の短い方の車輪加減速度に基づき制動状
    態に応じた指令信号を、且つ、低摩擦係数路の場合に
    は、前記変化率判定時間の長い方の車輪加減速度に基づ
    き制動状態に応じた指令信号を前記アクチュエータに与
    えるアクチュエータ制御手段とを備えたことを特徴とす
    るアンチスキッド制御装置。
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