JP2605984B2 - 車両の制動制御装置 - Google Patents

車両の制動制御装置

Info

Publication number
JP2605984B2
JP2605984B2 JP1867291A JP1867291A JP2605984B2 JP 2605984 B2 JP2605984 B2 JP 2605984B2 JP 1867291 A JP1867291 A JP 1867291A JP 1867291 A JP1867291 A JP 1867291A JP 2605984 B2 JP2605984 B2 JP 2605984B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
braking mode
braking
mode
road
vehicle speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1867291A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04257759A (ja
Inventor
仁 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP1867291A priority Critical patent/JP2605984B2/ja
Publication of JPH04257759A publication Critical patent/JPH04257759A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2605984B2 publication Critical patent/JP2605984B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制動状態を路面
に応じて最適に制御する車両の制動制御装置に係り、と
くに、舗装アスファルト路等の通常路(所謂,オンロー
ド)におけるアンチスキッド制御のみならず、通常路以
外の砂利路や岩場路等の非舗装路(所謂,オフロードを
含む)における制動も加味した制動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の制動制御装置としては、例
えば、特公昭50−34185号,特公昭54−187
2号,特開昭56−79043号で提案されているアン
チスキッド制御装置がある。これらのアンチスキッド制
御装置は、車輪速度及び推定車体速度を検出する手段
と、この検出手段による車輪スリップ率及び車輪加減速
度を算出する手段と、これらの算出値と予め設定した基
準値とを個別に比較する手段とを有し、その比較手段の
比較結果に基づきホイールシリンダの液圧を増大,保
持,減少させ、それにより、車輪スリップ率が適正範囲
に収まるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各従来装置は、スリップ率及び車輪加減速度の基準値
が単独の一定値であって、例えば舗装路からラフロード
や岩場へ移行しても、路面の変化に応じて可変されるよ
うになっていない。このため、スリップ率基準値を例え
ば舗装路又はこれに準じた路面を走行する場合に好適な
値に設定した場合、車輪のロック状態(スリップ率=1
00%)又はロック傾向(スリップ率が通常の目標値よ
りも大きい状態)を防止できるが、その状態でラフロー
ドや岩場路を走行した場合には種々の問題が生じる。つ
まり、砂利路等のラフロードではくさび効果が得られ
ず、却って減速度が不足したり、安定性に欠けるという
問題があり、また岩場路では車輪の回転により路面への
引っ掛かりが悪く、減速状態が悪いという問題があっ
た。
【0004】一方、前記各従来装置において、最初から
ラフロードや岩場路を走行するように基準値を設定した
場合、それらのラフロードや岩場路では初期の目的を達
成し得るが、今度は通常の舗装路でスリップ率が深すぎ
(大きすぎ)てロック状態又はロック傾向になり、走行
が不安定になり、制動距離も長くなるという問題があ
る。つまり、オフロードやオンロードに対応して臨機応
変に制動状態を変えることができない。
【0005】本発明は、上述した従来装置の問題点に鑑
みてなされたもので、オフロードやオンロードに対応し
て乗員の意思で制動状態を切換可能にし、且つ、オフロ
ードからオンロードに戻ったときに制動状態の戻し忘れ
があった場合でも、オンロード走行には支障が無いよう
にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】上記目的を達成するため、請求項記載の
発明は、図1に示す如く、オンロード走行に適した基準
スリップ物理量の基準制動モードと、この基準制動モー
ドにおける基準スリップ物理量よりも高いスリップ物理
量に設定された、少なくとも1つの高域側制動モードと
を含む複数の制動モードの中から任意の制動モードを選
択可能な手動切換スイッチと、この手動切換スイッチで
何れの制動モードが選択されているかを判断する制動モ
ード判断手段と、この制動モード判断手段が判断した制
動モードに基づき車輪の制動圧を制御する制動圧制御手
段とを備えるとともに、車速を検出する車速検出手段
と、前記制動モード判断手段高域側制動モードである
判断しているとき、前記車速検出手段の検出値が当該
高域側制動モードに対応して定めた設定車速以上になっ
たか否かを判断する走行状態判断手段と、前記制動モー
ド判断手段で高域側制動モードであると判断していると
きに、前記車速検出手段の検出値の増加に応じて前記高
域側制動モードにおけるスリップ物理量を前記基準スリ
ップ物理量に近づくように変更するスリップ物理量変更
手段と、前記走行状態判断手段設定車速以上の走行状
判断したとき、前記制動圧制御手段が制御する制動
モードを前記基準制動モードに復帰させる制動モード復
帰手段とを備えている。
【0008】
【作用】請求項記載の発明では、乗員がオンロード走
行を行うため、手動切換スイッチにおいて基準制動モー
ドを選択すると、その選択モードは制動モード判断手段
により判断される。そして、制動時において制動圧制御
手段が車輪の制動圧を制御し、ブレーキ力をほぼ所望値
に維持させる。また、例えば砂利路等のラフロードや岩
場路を走行する場合、手動切換スイッチで高域側制動モ
ードを選択すると、制動圧は、通常のオンロード走行時
よりも高いスリップ物理量となる状態に設定される。
【0009】このとき、手動切換スイッチで高域側制動
モードを選択した場合、車速が高域側制動モードにおけ
る設定値を越えていないときに、スリップ率変更手段に
よって車速の増加に応じて基準スリップ物理量に近づく
スリップ物理量が選択され、このスリップ物理量に基づ
いて制動圧制御手段によって制動圧制御が行われる。こ
スリップ物理量は基準制動モード時の基準スリップ物
理量よりも高く、ブレーキ力はロック傾向又はロック状
態(スリップ率100%)となる。これにより、例え
ば、ラフロード(砂利路等)を走行する場合、低速走行
時にはスリップ物理量が高い値となるので、乗員の意思
によって通常のオンロード状態よりも高い制動力に設定
されるから、くさび効果が効いて、減速度が高く且つ走
行安定性も良好になる。また岩場路を走行する場合、ロ
ック状態に設定され、岩場に車輪を引っ掛けることがで
き、しっかりとした走行となる。この低車速走行状態か
ら路面凹凸が小さくなって車速を増加させると、これに
応じてスリップ物理量が基準スリップ物理量に近づくこ
とになり、徐々にロック傾向又はロック状態が緩和され
る。
【0010】一方、このようなオフロードを抜けて通常
のオンロード走行に移ったとき、手動切換スイッチで基
準制動モードが選択されている場合は、前述したように
その基準制動モードとなる。しかし、乗員のスイッチ戻
し忘れがあって、高域側基準モードのままになっていた
場合でも、走行状態判断手段が設定車速以上の走行状態
を判断したならば、制動モードは強制的に基準制動モー
ドに戻される。このため、そのような乗員のうっかりミ
スも的確にカバーされ、復帰した通常のオンロード走行
に支障がでることもない。
【0011】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図2乃至図9に
基づき説明する。本実施例は、アンチスキッド制御を含
む、4輪独立の制動制御装置について実施したもので、
図2は4輪の内の一輪に対する装置構成を示している。
同図において、1は車輪を示し、2は車輪1に対する液
圧式のブレーキを示し、3は制動制御装置を示す。
【0012】ブレーキ2は、ブレーキペダル7、マスタ
ーシリンダ8、車輪1に対する制動用のホイールシリン
ダ9を有している。制動制御装置3は、車輪1の車輪速
度を検出するための車輪速センサ10と、車両の前後方
向の加速度を検出するための前後加速度センサ11と、
ブレーキスイッチ12と、制動モードをマニアルで選択
可能な手動切換スイッチ13と、車速を検出する車速検
出手段としての車速センサ14と、これらのセンサ10
〜12,14及び手動切換スイッチ13からの信号に基
づきホイールシリンダ9の液圧制御のための制御信号を
出力するコントローラ15と、このコントローラ15か
らの制御信号によって前記ホイールシリンダ9の液圧を
調整するアクチュエータ16とにより構成される。
【0013】車輪速センサ10は、車輪1に連動するロ
ータに対向し所定位置に設けられた電磁ピックアップで
構成され、車輪1の回転数に比例した周波数の交流電圧
信号vi を出力する。前後加速度センサ11は車体の所
定位置に設けられており、車両前後方向の加速度を検出
し、これに対応したアナログ直流電圧でなる加速度信号
g(t)を、車両の減速度の場合を正値として出力す
る。ブレーキスイッチ12は、ブレーキペダル7の操作
時にオンとなって論理値「1」,非操作時にオフとなっ
て論理値「0」となるブレーキスイッチ信号BSを出力
する。さらに車速センサ14は車速Vに応じた信号をコ
ントローラ15に供給する。
【0014】さらに、手動切換スイッチ13は図2に示
す如く、制動モードが「ノーマル」,「ラフロード」,
「ロック」の3つのプッシュ式モードスイッチを内蔵
し、選択された(押された)制動モードに対応したスイ
ッチ信号MSを出力するようになっている。このスイッ
チ信号MSは具体的には、「ノーマル」モードのときス
イッチ信号MS=MSNL,「ラフロード」モードのとき
MS=MSRF,「ロック」モードのときMS=MSLK
なる。なお、本実施例で用いた手動切換スイッチ13
は、何れかのモードを選択(オン)すると、他のモード
はオフの状態に自動的に切り換わると共に、後述するマ
イクロコンピュータからの制御信号CSを入力してモー
ドスイッチのオン,オフを変更できるようになってい
る。また、手動切換スイッチ13は、電源がオンとなっ
たとき、イニシャルモードとして必ず「ノーマル」モー
ドが自動的に選択され、一方、電源がオフになったと
き、それまでのモード選択は自動的に解除される構造を
有している。
【0015】前記3つの制動モードは乗員の意思によっ
て選択でき、「ノーマル」モードは通常のオンロード走
行時に選択されるべき基準制動モードであり、「ラフロ
ード」モードは砂利路等の車輪に対するくさび効果が得
られる路面走行用の高域側制動モードであり、残る「ロ
ック」モードは岩場を走行する際の高域側制動モードで
ある。
【0016】コントローラ15は、車輪速に応じた電圧
信号でなる車輪速度信号Vwiを出力する車輪速演算回路
18と、車体速度を推定する積分器19と、A/D変換
器20,21と、演算,制御用のマイクロコンピュータ
22と、アクチュエータ16に対する駆動回路23とを
備えている。車輪速演算回路18は、車輪速センサ10
の検出信号vi をF−V(周波数−電圧)変換して車輪
速度信号Vwiを演算する周波数/電圧変換器で構成され
ている。この車輪速演算回路18の出力側は積分器19
の初期値入力端に至るとともに、A/D変換器21を介
してマイクロコンピュータ22に接続されている。積分
器19は、前後加速度センサ11の出力g(t)を入力
信号とし、ブレーキスイッチ12のスイッチ信号BSを
制御入力としており、該スイッチ信号BSが論理値
「1」の場合には、その論理値「1」への立ち上がり時
点t0 の車輪速度Vwiを初期値として、 Vref (t)=Vwi(t0 )−∫g(t)dt … (1) の積分演算を行い、車体速度減側に変化する推定車体速
度信号Vref を擬似的に求める回路構成になっている。
反対にブレーキスイッチ信号BSが論理値「0」の場
合、積分器19は推定車体速度信号Vref を常にその時
点の車輪速度信号V wi(t)にリセットして、V
ref (t)=Vwi(t)とする。この積分器19の出力
側はA/D変換器20を介してマイクロコンピュータ2
2に接続される。
【0017】マイクロコンピュータ22は、入力インタ
ーフェイス回路33,演算処理装置34,記憶装置3
5,出力インターフェイス回路36を少なくとも含んで
構成される。演算処理装置34は、各検出信号を入力イ
ンターフェイス回路33を介して読み込み、予め格納さ
れている所定プログラムにしたがって所定の演算・処理
(図4〜図6参照)を行うとともに、出力インターフェ
イス回路36を介して駆動回路23に制御信号を出力
し、また手動切換スイッチ13に制御信号CLを出力す
る。記憶装置35は、演算処理装置34の処理の実行に
必要なプログラム及び制御マップ等の固定データを予め
記憶しているとともに、その処理結果を一時記憶可能に
なっている。
【0018】駆動回路23は、増幅器を含んで構成さ
れ、マイクロコンピュータ22から出力される制御信号
に基づきアクチュエータ16に対する液圧制御信号E
V,AV,MRを各々出力するようになっている。
【0019】一方、アクチュエータ16は図3に示すよ
うに、マスターシリンダ8の液圧流入側とホイールシリ
ンダ9との間に接続された常開の電磁開閉弁でなる流入
弁42と、ホイールシリンダ9に接続された常閉の電磁
開閉弁でなる流出弁44と、この流出弁44の出力側に
接続された蓄圧用のアキュムレータ46及びオイル回収
用のオイルポンプ48と、オイルポンプ48とマスター
シリンダ8との間に装備されたチェック弁50とを備え
ている。
【0020】そして、制動圧の増圧状態では制御信号E
V,AVをオフとすることにより、これに対応して流入
弁42が「開」,流出弁44が「閉」となり、マスター
シリンダ8からの制動液圧を流入弁42を介してホイー
ルシリンダ9に供給でき、この結果、ブレーキペダル7
の踏み込み時にはシリンダ圧が上昇する。制動圧の減圧
状態では制御信号EV,AVをオンとすることにより、
流入弁42が「閉」,流出弁44が「開」となり、ホイ
ールシリンダ9内のオイルをマスターシリンダ8側に回
収でき、この結果、シリンダ液圧が下降する。さらに、
制動圧の保持状態では、制御信号EVをオン,AVをオ
フとすることで両流入弁42,流出弁44が閉じ、ホイ
ールシリンダ9のオイルを閉じ込めることができ、その
圧力を保持できる。制御信号MRはアンチスキッド制御
中オンとされ、これによりポンプ48が駆動する。
【0021】次に、上記実施例の動作を図4乃至図9を
参照しながら説明する。イグニッションスイッチがオン
状態になると、電源が投入され本装置が起動する。つま
り、車輪速センサ10により検出された交流電圧信号v
i は、車輪速演算回路18において車輪速度信号Vwi
変換される。この後、車輪速度信号VwiはA/D変換器
21によりデジタル化されてマイクロコンピュータ22
に供給されるとともに、積分器19にも供給される。
【0022】また、急制動に伴って発生する車両減速度
は、前後加速度センサ11により減速度に対応した減速
度信号g(t)として検出される。積分器19は、ブレ
ーキスイッチ12のオン(BS=「1」)となった時点
から、前記(1)式による車体速度の推定演算を行い、
その結果をマイクロコンピュータ22に出力する。
【0023】さらに、マイクロコンピュータ22では、
所定メインプログラムの実行中に、上記各入力信号に基
づいて一定時間(例えば20msec)毎に図4乃至図6に
示すタイマ割込処理が実行される。
【0024】まず、図4の処理を説明する。同図のステ
ップ101において、演算処理装置34は手動切換スイ
ッチ13の出力信号MSを読み込み、ステップ102に
移行する。ステップ102において、演算処理装置34
はスイッチ信号MS=MSNLか否かを判定することによ
って、制動モードとして「ノーマル」モードが選択され
ているか否かを判断する。この判断にてYESの場合、
即ち「ノーマル」モードの場合はそのままステップ10
3に移行して、スリップ率基準値S0 =S15に設定した
後、メインプログラムに戻る。ここで、スリップ率基準
値S15は、アスファルト路等の通常の舗装路を走行する
際、最大域の摩擦係数となる浅め(低め)の目標値(例
えば15%)である。この基準値S15はまた、モード別
の平均スリップ率Sを表す図7ではa点で示され、且
つ、車速Vの変化に対するスリップ率基準値S0 を表す
図8では一点鎖線aで示される。図8に示すように、ス
リップ率基準値S15は車速Vが変化しても一定値に保持
される。
【0025】しかし、ステップ102の判断にてNOの
場合、即ち「ノーマル」モード以外の場合は、続いてス
テップ104に移行し、スイッチ信号MS=MSRFか否
か(「ラフロード」モードか否か)を判断する。このス
テップ104でYESと判断された場合、「ラフロー
ド」モード選択であるから、ステップ105,106を
処理する。ステップ105では車速信号Vを入力し、ス
テップ106では車速値V>V100 か否かを判断する。
このステップ106の車速判断は、「ラフロード」モー
ドの選択中に設定車速値V100(図8参照:例えば10
0km/h)を越える高速走行、即ちラフロード走行を
脱して通常の舗装路又はこれに準じる路面を走行してい
る確率が非常に高い状態を識別しようとするものであ
る。
【0026】そこで、ステップ106の判断にてNOの
場合は、上述したような高速走行に至っていない、即ち
依然としたラフロードを走行していると推定されるか
ら、ステップ107にてラフロード走行に適したスリッ
プ率基準値S0を設定する。ここでの基準値設定は、図
8における車速V−スリップ率S変化曲線b(破線)に
対応して予め記憶されたテーブルを参照することによっ
てなされる。この変化曲線bによるスリップ率基準値S
b は、車速V=0のときS0 =S50(例えば50%)を
とり、この状態から車速Vが上昇してV=V100 に到達
するまで直線的に下降し、V=V100 の点でS0 =S15
をとる。つまり、「ラフロード」制動モードにおける平
均スリップ率Sは図7b点で示されるように、S=Sba
v (>S15)となり、ノーマル時よりも深め(大きめ)
のスリップ率となる。ステップ107処理後、演算処理
装置34はその処理をメインプログラムに戻す。
【0027】また、前記ステップ106においてYES
の場合は、「ラフロード」モード選択中に高速走行にな
り、ラフロードを抜けたと考えられるので、演算処理装
置34はステップ108,109を処理する。この内、
ステップ108では、再びノーマル制動モードであるス
リップ率基準値S0 =S15に設定し、ステップ109で
は手動切換スイッチ13に対して制御信号CSを出力し
て、手動切換スイッチ13を「ノーマル」モードに強制
復帰させた後、メインプログラムに戻る。
【0028】一方、ステップ104にてNOの判断のと
きは岩場路を降りる場合の「ロック」モードが選択され
ている状態である。そこで、演算処理装置34はステッ
プ110で車速信号Vを読み込んだ後、ステップ111
に移行して車速V>V40か否かを判断する。このステッ
プ111の車速判断は、「ロック」モード選択中に設定
車速値V50(図8参照:例えば50km/h)を越える
高速走行、即ち岩場路を脱して通常の舗装路又はこれに
準じる路面を走行している蓋然性が非常に高い状態を識
別するものである。
【0029】そこで、ステップ111の判断にてNOの
場合は、上述したような高速走行に至っていない、即ち
依然とした岩場を走行していると推定されるから、ステ
ップ112にて岩場走行に適したスリップ率基準値S0
を設定する。ここでの基準値設定は、図8における車速
V−スリップ率S変化曲線c(二点鎖線)に対応して予
め記憶されたテーブルを参照することによってなされ
る。この変化曲線cによるスリップ率基準値SC は、車
速V=0からV=V20(例えば20km/h)までは一
定基準値S0 =S100 (=100%)をとり、車速Vが
20からV50(例えば50km/h)の間は車速の増大
に応じて基準値S0 が徐々に低下し、V=V50の位置で
0 =S15となる。つまり、「ロック」制動モードにお
ける平均スリップ率Sは図7c点で示されるように、S
=Scav (>Sbav )となり、ラフロード時よりも更に
深め(大きめ)のスリップ率となる。次いで演算処理装
置34はその処理をメインプログラムに戻す。
【0030】また、前記ステップ111においてYES
の場合は、「ロック」モード選択中に高速走行になり、
岩場路を抜けたと考えられるので、演算処理装置34は
ステップ113,114を処理する。この内、ステップ
113では、再びノーマル制動モードであるスリップ率
基準値S0 =S15に設定し、ステップ114では手動切
換スイッチ13に対して制御信号CSを出力して、手動
切換スイッチ13を「ノーマル」モードに強制復帰させ
る。その後、メインプログラムに戻る。
【0031】続いて、図5の処理を説明する。同図のス
テップ121では、演算処理装置34は、積分器19に
係る推定車体速度信号Vref を読み込み、その値を推定
車体速度として一時記憶し、ステップ122に移行す
る。ステップ122では、車輪速演算回路18に係る車
輪速度信号Vwiを読み込み、その値を車輪速度として一
時記憶する。次いで、ステップ123に移行し、前回の
割込処理に係る車輪速度Vwiとの差分から車輪加減速度
αwiを演算し、その値を一時記憶する。次いでステップ
124に移行し、 Si ={(Vref −Vwi)/Vref }×100 … (2) の式に基づき車輪1のスリップ率Si 〔%〕を演算し、
この値を記憶した後、ステップ125に移行する。ステ
ップ125では、前記図4の処理によって設定されてい
る最新のスリップ率基準値S0 を読み出す。この後、メ
インプログラムに戻る。
【0032】続いて、図6の処理を液圧制御状態別に説
明する。この処理は、前述した図5の処理により逐次更
新設定されている車輪加減速度αwi,スリップ率S
i (スリップ物理量)に基づき行われる。図6におい
て、前回のアンチスキッド制御終了の際、制御フラグA
S及び減圧タイマLがクリヤされている(ステップ13
3,147)。
【0033】まず、急増圧状態(通常ブレーキ状態)か
ら説明する。制動開始直後でスリップ率Si 及び車輪加
減速度αwiが小さい状態では、同図のステップ131の
スリップ率Si ≧S0 (S0 :最新のスリップ率基準
値)の判断で「NO」となり、ステップ132の減圧タ
イマL>0か否かの判断で「NO」となると、ステップ
133の制御終了条件を満たすか否かの判断に移行す
る。この判断は、具体的には、推定車体速度Vref が停
車状態に相当する所定値Vref0以下か否か等を判断する
ことにより行われるから、「NO」となる。さらに、ス
テップ134の減圧タイマL>0か否かの判断で「N
O」、ステップ135の車輪加減速度αwi≧α
1 (α1 :加速側の基準車輪加減速度(正値))か否か
の判断で「NO」、ステップ136のαwi≦α2 (α2
は減速側の基準車輪加減速度:負値)か否かの判断で
「NO」となり、ステップ137に移行する。ステップ
137では制御フラグAS=0か否かを判断するが、未
だアンチスキッド制御開始前で制御フラグASがクリヤ
されているから、「YES」となって、ステップ138
に移行して急増圧状態(通常ブレーキ状態)が指令され
る。
【0034】つまり、演算処理装置34は、アクチュエ
ータ16に出力する液圧制御信号EV,AVのオフを指
令する。このため、流入弁42が開,流出弁44が閉と
なり、マスターシリンダ8からのオイルはホイールシリ
ンダ9に流入可能となる。したがって、ブレーキペダル
7の操作時にはシリンダ液圧の急増(急増圧)による制
動状態(図9中の区間a参照)となる。なお、ブレーキ
ペダル7を踏み込まなければ非制動状態のままである。
【0035】このようにして液圧が急増すると、車輪速
度Vwiが徐々に低下し、車輪加減速度αwiがマイナス方
向に増大し、スリップ率Si が大きくなる。そして、車
輪加減速度αwiが減速側の基準値α2 を下回ると、前述
したステップ136で「YES」と判断され、ステップ
139に移行して高圧側の保圧状態を指令する。
【0036】つまり、演算処理装置34は、液圧制御信
号EVをオン,AVをオフを指令する。これにより、図
9中の区間bのように、ホイールシリンダ9のオイルが
封じ込められ、その圧力が保持される。
【0037】この圧力保持の間でも高圧による制動が行
われているので、スリップ率Si が徐々に高くなり、そ
の値が基準値S0 に達し又は越えたとする。これによ
り、図6のステップ131で「YES」と判断され、ス
テップ140のαwi≧α1 (α 1 :加速側の基準値)か
否かの判断で「NO」となり、ステップ141に移行し
て減圧タイマLに所定の初期値L0 (正の整数)をセッ
トし、制御フラグASを立ててアンチスキッド制御開始
を示す。その後、ステップ133,134を介してステ
ップ142に移行し、減圧状態を指令する。
【0038】つまり、演算処理装置34は、液圧制御信
号EV,AV,MRを共にオンとする。これにより、流
入弁42が閉,流出弁44が開となり且つアクチュエー
タ16のオイルポンプ48が駆動し、前述したようにホ
イールシリンダ9の液圧が下降する(図9中の区間c参
照)。
【0039】この減圧により、車輪速度Vwiが徐々に回
復して車体速度に近づく。そして、車輪加減速度αwi
基準値α1 に到達した時点で、ステップ140で「YE
S」と判断され、ステップ143で減圧タイマLがクリ
ヤされ、この後、ステップ133〜135,144を介
してステップ145に移行し、又は、ステップ131で
スリップ率Si <S0 となる場合は、ステップ132〜
135,144を介してステップ145に移行する。こ
のステップ145では、再び低圧側での保圧状態が指令
される。
【0040】つまり、演算処理装置34は前述したステ
ップ139と同様に制御する。これにより、液圧が保持
される(図9中の区間d参照)。そして、この液圧保持
を行うことによって、スリップ率Si が回復し、Si
0 且つα2 <αwi<α1 になった時点でステップ13
1〜137を介してステップ146に移行する。このス
テップ147で緩増圧状態が指令される。
【0041】つまり、演算処理装置34は、液圧制御信
号EVをオン,AVをオフとし、流入弁42の閉,流出
弁44を閉とした状態で、信号EVを階段状にオフさせ
ることにより短時間だけ流入弁42を開とし、これを所
定時間毎に繰り返す。このため、図9中の区間eに示す
如く液圧が略ステップ状に上昇する。
【0042】以下、制動が完了して、前述した制御終了
条件が満足されるまで、ホイールシリンダ9の減圧,保
圧,緩増圧,保圧のアンチスキッドサイクルが繰り返さ
れる。そして、制御終了条件が満足されると、ステップ
147で減圧タイマL及び制御フラグASがクリヤさ
れ、ステップ138の通常ブレーキ状態に戻る。
【0043】なお、高摩擦係数路の制動等において、減
圧している間に、車輪加減速度αwiの回復よりも早くス
リップ率Si がその基準値S0 以下に改善された場合、
ステップ131,132を介してステップ148に移行
する。そして、このステップ148では減圧タイマL=
L−1を行って待機する。この待機後、ステップ146
に係る緩増圧がステップ145に係る保圧状態よりも先
に指令される。
【0044】以上の処理は車両の一輪について説明した
が、他の三輪についても同様に処理される。本実施例で
は、図4ステップ101,102,104の処理が制動
モード判断手段を構成し、図4ステップ105,10
6,110,111の処理が走行状態判断手段を構成し
ている。図4ステップ108,109,113,114
の処理が制動モード復帰手段を構成している。図4ステ
ップ103,107,112の処理及び図5,図6の処
理並びに車輪速センサ10,ブレーキスイッチ12,前
後加速度センサ11,コントローラ15,及びアクチュ
エータ16が制動圧制御手段を構成している。
【0045】次に、手動切換スイッチ13にて「ノーマ
ル」モードを選択した場合の、オンロード走行における
全体動作を図9に基づき説明する。なお、同図中の速度
を示す横向き一点鎖線は、スリップ率基準値S0 (「ノ
ーマル」制動モード時の例えば15%)に対応した目標
車輪速度であるため、この目標車輪速度と実際の車輪速
度Vwiとの交点がスリップ率Si =S0 となったことを
示す。
【0046】「ノーマル」モードが選択されると、図4
のステップ102,103に示した処理によって、スリ
ップ率基準値S0 は舗装路等の通常路面を走行するに適
した値S15に戻される。
【0047】いま、時刻t0 で急制動が開始されたとす
ると、ブレーキスイッチ12がオンとなる。そこで、積
分器19は時刻t0 における車輪速度Vwi(t0 )を初
期値とし、前記第(1)式に基づき推定車体速度Vref
を図9に示す如く算出する。
【0048】この制動初期にあっては、スリップ率Si
及び車輪加減速度αwiが共に小さいから急増圧が指令さ
れ(図6ステップ138)、シリンダ液圧が急増する。
これに伴って車輪速度Vwiが低下し、時刻t1 で車輪加
減速度αwi=α2 となるから、t1 以後は保圧状態が指
令される(同図ステップ139)。この保圧状態はスリ
ップ率Si =S0 となる時刻t2 まで継続される。
【0049】この時刻t2 を経過すると、スリップ率S
i ≧S0 且つ車輪加減速度αwi<α 1 となるから、減圧
状態が指令される(同図ステップ142)。この減圧に
よって車輪加減速度αwiが回復し、αwi=α1 となる時
刻t3 では、今度は、低圧側の保圧状態が設定される
(同図ステップ145)。
【0050】この保圧状態の間に車輪速度Vwiが充分回
復し、Si <S0 且つα2 <α<α 1 を満足する時刻t
4 において再増圧条件が満足され、緩増圧状態が設定さ
れる(図6ステップ146)。この緩増圧状態は、Si
<S0の状態のままαwi=α 2 となる時刻t5 まで継続
され、その後、Si =S0 となる時刻t6 まで高圧側の
保圧状態が前述と同様に設定される。以下、同様にし
て、減圧,保持,緩増圧,…,が制動終了後まで繰り返
され、舗装路等の通常路面のμに応じた的確な車輪摩擦
係数が得られ、オンロード走行時に最適な制動性能とな
る。
【0051】これに対して、砂利路等のラフロードを走
行するため、乗員は手動切換スイッチ13の選択モード
を「ラフロード」にしたとする。そこで、演算処理装置
34は図4ステップ101〜107の処理を行って、ス
リップ率基準値Sb を通常路面走行時よりも深め、且
つ、車速Vが上昇するほど小さくなる値に設定する。そ
こで、砂利路等を走行している間は、前述した図5,図
6の処理によって、ブレーキ力は通常路走行時よりも大
きく、且つ、実際の車輪スリップ率も深くなる。これに
より、アスファルト等の通常路と違い、例えば砂利に拠
るくさび効果が得られるから、良好な車両減速度を得る
とともに安定性も向上する。
【0052】この制動状態において、車速Vが大きくな
ると、路面状況が通常路面に似通ってきていると判断さ
れ、スリップ率基準値Sb (=S0 )が下げられるか
ら、その時点の路面μに適応した摩擦係数に調整され
る。そして、車速Vが設定値V10 0 を越えると、少なく
とも、ラフロードの走行は終わったものとして、図4ス
テップ106,108,109の処理が行われ、前述し
た通常路走行時の制御に強制的に戻される。このため、
その後は、手動切換スイッチ13の高域側のモードを再
選択しない限り、車速Vの如何に関わらず、通常路に適
したブレーキ力となる。
【0053】このように、ラフロードから通常路に移
り、乗員が手動切換スイッチ13の戻し切換を忘れてい
たとしても、過大なブレーキ力に因る、オンロード走行
時の減速度,安定性,及び操舵性の低下が未然に防止さ
れる。なお、ラフロードから通常路に抜け出た時点で、
乗員が手動切換スイッチ13を「ノーマル」モードに切
り換えた場合は、その「ノーマル」モードでの制御が前
述の如く実施される。
【0054】さらに、岩場路を走行するため、乗員が手
動切換スイッチ13の選択モードを「ロック」にしたと
する。これにより、演算処理装置34は図4ステップ1
01〜104,111,112の処理を行って、設定値
20以下の低速ではロック状態に設定する。そこで、岩
場を低速で走行している間は、前述した図5,図6の処
理によって、車輪のスリップ率が殆ど100%の状態,
即ち車輪が回転しない状態になるから、車輪が岩に引っ
掛かる。このため、ブレーキの操作,非操作を繰り返し
ながら岩場を降りることができる。
【0055】このロック状態においても、車速Vが設定
値V20より大きくなるほど、路面状況が通常路面に似通
ってきていると判断され、スリップ率SC (=S0 )を
下げて摩擦係数が調整される。そして、車速Vが設定値
50を越えると、少なくとも、岩場の走行は終わったも
のとして、図4ステップ111,113,114の処理
が行われ、前述した通常路走行時の制御に強制的に戻さ
れる。このため、その後の制動時には、車速Vの如何に
拠らず、通常のアンチスキッド制御が実施される。かか
る走行復帰時に、乗員が手動切換スイッチ13の戻し切
換を忘れていたとしても、スリップ率が適合しない状態
でハイウエイ等を走行するような事態が防止される。こ
れに対し、岩場から通常路に抜け出た時点で、乗員が手
動切換スイッチ13を「ノーマル」モードに切り換えた
場合は、その「ノーマル」モードでの制御が前述の如く
実施される。
【0056】さらに、岩場,ラフロードが混在する場所
を走行する場合には、手動切換スイッチ13の制動モー
ドを適宜選択して走行することにより、上述した利点を
そのまま享受することができる。
【0057】なお、本発明の制動モード復帰手段は、前
述したようにスリップ率基準値S0 を変更してノーマル
モードに復帰させる構成に限定されることなく、例えば
手動切換スイッチの選択モードを強制的に自動復帰させ
た後、このスイッチ信号MSを読み込んでノーマルモー
ドの制動制御を実施させる構成(即ち、図4のステップ
108,113を省略する構成)としてもよい。
【0058】また、本発明の制動圧制御手段が実施す
る、図4ステップ112におけるスリップ率基準値SC
の設定は、図8の曲線cに対応したものに限定されるこ
となく、例えば、曲線cが車速Vの上昇に応じて低下
し、曲線bと交わった後は、その曲線bに乗り換えた、
より滑らかな基準値設定を行うようにしてもよい。ま
た、車速Vの上昇に対する曲線b,cの傾斜は任意に設
定できる。
【0059】さらに、本発明における手動切換スイッチ
が包含する高域側制動モードは、前述した実施例記載の
ように、「ラフロード」,「ロック」モードの2つに限
定されるものではなく、任意の深めのスリップ率を目標
とする1つのモードにしてスイッチを簡素化してもよい
し、又は3つ以上持たせて選択の幅を広げるようにもで
きる。
【0060】さらにまた、前記実施例におけるコントロ
ーラ15は、この全体をコンピュータによって構成する
こともでき、その一方で、マイクロコンピュータ22を
カウンタ,比較器,フリップフロップ等の電子回路によ
って構成することもできる。一方、前記実施例における
ブレーキ2はドラム式ブレーキであってもよいし、ディ
スク式ブレーキであってもよい。また、この発明は4輪
独立制御のアンチスキッド制御を含む制動制御装置のみ
ならず、例えば後2輪制御のアンチスキッド制御を含む
制動制御装置についても適用できる。
【0061】さらにまた、前記実施例では再増圧を緩増
圧モードにより行う場合を説明したが、これは単なる通
常ブレーキ時のような直線的な再増圧であってもよい。
また、この発明は低圧側の保圧状態を設定しない場合に
も同様に適用できる。また、スリップ物理量としては、
スリップ率以外に、スリップ量(車体速度−車輪速度)
を用いてもよい。
【0062】さらにまた、前記実施例における車速検出
手段,走行状態判断手段,及び制動モード復帰手段を外
して、単に、手動切換スイッチのモード選択に応じて制
動圧を調整する装置としても実施できる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明の制動制御装
置にあっては、オンロード走行に適した基準スリップ物
理量の基準制動モードと、この基準制動モードにおける
スリップ物理量よりも高いスリップ物理量に設定され
た、少なくとも1つの高域側制動モードとを含む複数の
制動モードの中から任意の制動モードを選択可能な手動
切換スイッチを設け、そのスイッチにより選択された制
動モードを判断し、制動圧を制御するとともに、高域側
制動モードでは、車速の増加に応じてスリップ物理量を
基準スリップ物理量に近づけ、且つ車速検出値が設定値
以上になった状態が判断されたときに、制動モードを基
準制動モードに強制復帰させるようにしたため、例えば
ラフロードや岩場路から通常路面に抜けた状態を車速の
大小を介して比較的簡単に推定でき、その通常路復帰時
に乗員の手動切換スイッチの戻し忘れがあっても、高域
側制動モード時の過大なブレーキ力のまま通常路を走行
することにより、減速度が不足したり、安定性が低下す
るような事態が未然に防止される。しかも、高域側制動
モードでは、路面凹凸が小さくなる即ち良路に近くなる
につれて車速を増加させた場合、このときの低車速から
車速が増加するに応じてスリップ物理量が小さくなっ
て、基準スリップ物理量に近づくので、実際の走行路面
を車速から判断して、これに応じた最適なスリップ物理
量を設定することができ、高域側制動モードでの制動力
制御を高精度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】アクチュエータのブロック図である。
【図4】制動モードに応じたスリップ率基準値の設定処
理の手順例を示すフローチャートである。
【図5】スリップ率の演算処理の手順例を説明するフロ
ーチャートである。
【図6】アンチスキッド制御を包含した制動圧制御の手
順例を示すフローチャートである。
【図7】制動モードに応じた平均スリップ率の大小関係
を説明する説明図である。
【図8】車速に対するスリップ率基準値の変化の様子を
制動モード別に示すグラフである。
【図9】ノーマルモード時の制動圧制御の一例を示すタ
イミングチャートである。
【符号の説明】
1 車輪 2 ブレーキ 3 制動制御装置 10 車輪速センサ 11 前後加速度センサ 12 ブレーキスイッチ 13 手動切換スイッチ 14 車速センサ 15 コントローラ 16 アクチュエータ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オンロード走行に適した基準スリップ物
    理量の基準制動モードと、この基準制動モードにおける
    基準スリップ物理量よりも高いスリップ物理量に設定さ
    れた、少なくとも1つの高域側制動モードとを含む複数
    の制動モードの中から任意の制動モードを選択可能な手
    動切換スイッチと、この手動切換スイッチで何れの制動
    モードが選択されているかを判断する制動モード判断手
    段と、この制動モード判断手段が判断した制動モードに
    基づき車輪の制動圧を制御する制動圧制御手段とを備え
    るとともに、 車速を検出する車速検出手段と、前記制動モード判断手
    高域側制動モードであると判断しているとき、前記
    車速検出手段の検出値が当該高域側制動モードに対応し
    て定めた設定車速以上になったか否かを判断する走行状
    態判断手段と、前記制動モード判断手段で高域側制動モ
    ードであると判断しているときに、前記車速検出手段の
    検出値の増加に応じて前記高域側制動モードにおけるス
    リップ物理量を前記基準スリップ物理量に近づくように
    変更するスリップ物理量変更手段と、前記走行状態判断
    手段設定車速以上の走行状態判断したとき、前記制
    動圧制御手段が制御する制動モードを前記基準制動モー
    ドに復帰させる制動モード復帰手段とを備えたことを特
    徴とする車両の制動制御装置。
JP1867291A 1991-02-12 1991-02-12 車両の制動制御装置 Expired - Lifetime JP2605984B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1867291A JP2605984B2 (ja) 1991-02-12 1991-02-12 車両の制動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1867291A JP2605984B2 (ja) 1991-02-12 1991-02-12 車両の制動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04257759A JPH04257759A (ja) 1992-09-11
JP2605984B2 true JP2605984B2 (ja) 1997-04-30

Family

ID=11978098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1867291A Expired - Lifetime JP2605984B2 (ja) 1991-02-12 1991-02-12 車両の制動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2605984B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1355209A1 (en) 2002-04-18 2003-10-22 Ford Global Technologies, LLC Vehicle control system
GB0208877D0 (en) 2002-04-18 2002-05-29 Ford Global Tech Inc Behicle control
JP4543906B2 (ja) * 2004-12-02 2010-09-15 トヨタ自動車株式会社 Abs装置及びabs制御方法
GB2552021B (en) 2016-07-08 2019-08-28 Jaguar Land Rover Ltd Improvements in vehicle speed control

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04257759A (ja) 1992-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2509299B2 (ja) 四輪駆動車のアンチスキッド制御装置
JP2977037B2 (ja) アンチスキッド制御装置
CN114248630B (zh) 一种电动汽车的防溜坡驻车控制方法、整车控制器、介质
JPH1029524A (ja) 車輪スリップ制御装置
JP2010500950A (ja) 車両の駆動車輪の改善された横すべり防止装置、およびその実施方法
JP2605984B2 (ja) 車両の制動制御装置
KR0156552B1 (ko) 차량용 앤티록 브레이크시스템의 브레이크압력 제어방법
KR102325692B1 (ko) 차량의 구동 제어 방법 및 장치
JP2001071884A (ja) 自動車車輪におけるブレーキ作用の調節方法および装置
JP3517954B2 (ja) 車両のアンチスキッド制御装置
US5443583A (en) Method for judging friction coefficient of road surface and method for anti-skid brake control using said method
JP2789892B2 (ja) 車両制動能力判定装置
CN112848915A (zh) 驱动扭矩控制器、控制方法、汽车以及计算机存储介质
JP3196686B2 (ja) 路面摩擦係数推定装置
JP2003327104A (ja) 制動制御装置
JP2650305B2 (ja) アンチスキッド制御装置
CN114987413B (zh) 基于asr的驱动防滑控制方法及电子设备
JPH0476821B2 (ja)
JP4543906B2 (ja) Abs装置及びabs制御方法
KR100267332B1 (ko) 거친 노면에서의 제동 제어방법
JPH0624321A (ja) 車両用absにおける制動圧力の制御方法および制御装置
JPH0656023A (ja) アンチスキッド制御装置
JP2600261B2 (ja) 車両の制動制御装置
CN116714441A (zh) 分布式拖滞扭矩控制方法、系统及可读存储介质
JPH0542943Y2 (ja)