JPH1071943A - 制御開始判定方法 - Google Patents

制御開始判定方法

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JPH1071943A
JPH1071943A JP8231075A JP23107596A JPH1071943A JP H1071943 A JPH1071943 A JP H1071943A JP 8231075 A JP8231075 A JP 8231075A JP 23107596 A JP23107596 A JP 23107596A JP H1071943 A JPH1071943 A JP H1071943A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】路面μやブレーキ緩急によらずに正確かつ安定
に制御開始を判定する。 【解決手段】 所定のサンプル時間毎に各車輪の車輪速
の時系列データを検出する車輪速検出手段10と、車輪
速の時系列データからスリップ速度についての制動トル
ク勾配を推定するトルク勾配推定手段12と、推定した
制動トルク勾配と基準値とを比較して制御開始時点を判
定する判定手段14と、から構成する。トルク勾配推定
手段は、車輪速の時系列データから車輪速の変化の履歴
及び車輪加速度の変化の履歴を演算し該履歴に基づいて
制動トルク勾配を演算する。この制動トルク勾配は車輪
の運動状態を正確に反映しており、特にピークμで制動
トルク勾配が0になるという事実は、路面の状態やブレ
ーキ緩急によらずに成立するので、路面μやブレーキ緩
急によらずに正確かつ安定にABSやTRCなどの制御
開始が判定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車輪運動を所定の運
動状態に制御する際の制御開始時点を判定する制御開始
判定方法に係り、詳細には、車輪速度の時系列データか
らスリップ速度に対する制動トルクの勾配を推定し、該
制動トルクの勾配に基づいてアンチロックブレーキ動作
やトラクションコントロールなどの制御開始時点を判定
する制御開始判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アンチロックブレーキ制御装置(AB
S)は、車輪のロックを防止し、最大値に近い制動トル
クを得るように車輪に作用するブレーキ力を制御する。
【0003】このようなABSの制御開始時点を判定す
る技術として、従来では、車輪速度VR を時間について
微分して車輪減速度dVR /dtを求め、この車輪減速
度の値が一定値−a0 (車輪減速度設定値)を下回った
場合にブレーキ圧力を減圧してタイヤのロックを防止す
る技術があった(日本エービーエス株式会社編:自動車
用ABSの研究、P47〜51)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のABSの開始判定方法では、低μ路で車輪減
速度が一定値−a0 に達しないような緩いブレーキをか
けた場合、ABSの制御開始を判定せず、車輪がロック
に至るという問題点が生じる。なお、この問題点は、走
行する路面のμが低い場合、発生する制動トルクが小さ
く緩いブレーキでも車輪がロックしてしまうことに原因
がある。
【0005】このような問題点は、ABSのみならずト
ラクションコントロール(TRC)などのように、車輪
運動を所定の運動状態に制御する技術、例えばピークμ
に追従してロック直前の運動状態に維持したり、所定の
スリップ率の領域に維持したりする技術にみられるもの
で、走行路面のμ値などによって車輪運動の動特性が変
化してしまうことに根本的な原因がある。
【0006】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、車輪運動を所定の運動状態とする制御の制
御開始時点を、走行路面のμ値やブレーキ制動の緩急に
よらずに正確かつ安定に判定できる制御開始判定方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、所定のサンプル時間毎に車輪
速度を検出する車輪速検出工程と、前記車輪速検出手段
により検出された車輪速度の時系列データに基づいて、
スリップ速度に対する制動トルクの勾配を推定するトル
ク勾配推定工程と、前記トルク勾配推定工程により推定
された制動トルクの勾配に基づいて、車輪運動を所定の
運動状態とする制御の制御開始時点を判定する判定工程
と、からなることを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の前記トルク
勾配推定工程が、検出された車輪速度の時系列データに
基づいて、車輪速度の変化に関する物理量及び車輪速度
の変化の変化に関する物理量を演算する第1の演算工程
と、前記第1の演算手段により演算された車輪速度の変
化に関する物理量及び車輪速度の変化の変化に関する物
理量に基づいて、車輪速度の変化に関する物理量の履歴
及び車輪速度の変化の変化に関する物理量の履歴を表す
物理量を演算し、該物理量から制動トルクの勾配を推定
する第2の演算工程と、からなることを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項2の前記第1の
演算工程において、車輪番号i(i=1 、2 、3 、4)の
車輪においてサンプル時刻k(k=1 、2 、......)で
検出された車輪速度の時系列データをωi [k] 、前記サ
ンプル時間をτ、車輪慣性をJとしたとき、車輪速度の
変化に関する物理量として、 を演算し、車輪速度の変化の変化に関する物理量とし
て、 yi [k] =−ωi [k] + 2ωi [k−1]−ωi [k−2] を演算すると共に、前記第2の演算工程において、車輪
速度の変化に関する物理量の履歴及び車輪速度の変化の
変化に関する物理量の履歴を表す物理量θi を、忘却係
数をλ、行列の転置を”T ”として、 トルクの勾配として求めることを特徴とする。
【0010】(本発明の原理)ブレーキ力は、路面と接
するタイヤのトレッドの表面を介して路面に作用する
が、実際には、このブレーキ力は路面と車輪との間の摩
擦力を媒介として路面からの反力(制動トルク)として
車体に作用する。車体がある速度で走行している時、ブ
レーキ力をかけていくと車輪と路面との間にスリップが
生じるが、このときに路面からの反力として作用する制
動トルクは、次式で表されるスリップ速度ωs (角速度
換算)に対して図4のように変化する。
【0011】ωs = ωv − ωi ただし、ωv は車体速度(等価的に角速度で表現したも
の)、ωi は第i輪(iは車輪番号、i=1,2,3,4 )の
角速度に換算した車輪速度である。
【0012】図4に示すように、制動トルクは、最初は
スリップ速度の増大と共に増加し、スリップ速度ω0
に最大値fi0に達し、ω0 より大きいスリップ速度では
スリップ速度の増大と共に減少する。なお、スリップ速
度ω0 は車輪と路面との間の摩擦係数が最大値(ピーク
μ)の時のスリップ速度に相当する。
【0013】従って、図4から明らかなように、スリッ
プ速度に対する制動トルクの勾配(以下「制動トルク勾
配」という)は、ωs <ω0 で正(>0)、ωs =ω0
で0、ωs >ω0 で負(<0)となる。すなわち、制動
トルク勾配が正の時は車輪が路面にグリップしている状
態、制動トルク勾配が0の時はピークμの状態、制動ト
ルク勾配が負の時は車輪がロックに移行する状態、とい
うように制動トルク勾配から車輪運動の運動状態を推定
できる。本発明は、この点に着眼したもので制動トルク
勾配に基づきABSやTRCなどの制御開始時点を判定
する。特に、ピークμとなるスリップ率や制動トルクの
大きさは走行路面のμ値によって大きく異なるが、制動
トルクが最大となる点で制動トルク勾配は常に0となる
ことは走行路面によらずに常に成り立つ性質であり、安
定かつ正確な判定が可能となる。
【0014】(本発明の制動トルク勾配の推定原理)各
車輪の車輪運動及び車体運動は次式の運動方程式によっ
て記述される。
【0015】 ただし、Fi ’は、第i輪に発生した制動力、Tbiは踏
力に対応して第i輪に加えられたブレーキトルク、Mは
車両質量、Rc は車輪の有効半径、Jは車輪慣性、vは
車体速度である。なお、・は時間に関する微分を示す。
(1) 式、(2) 式において、Fi ’はスリップ速度(v/
c −ωi )の関数として示されている。
【0016】ここで、車体速度を等価的な車体の角速度
ωv で表すと共に、制動トルクRci ’をスリップ速
度の1次関数(傾きki 、y切片Ti )として記述す
る。
【0017】 v = Rc ωv (3) Rc i ’(ωv −ωi )=ki ×(ωv −ωi )+Ti (4) さらに、(3) 、(4) 式を(1) 、(2) 式へ代入し、車輪速
度ωi 及び車体速度ω v をサンプル時間τ毎に離散化さ
れた時系列データωi [k] 、ωv [k] (kはサンプル時
間τを単位とするサンプル時刻、k=1,2,.....)として
表すと次式を得 ここで、(5) 、(6) 式を連立し、車体の等価角速度ωv
を消去すると、 を得る。
【0018】ところで、スリップ速度3rad/s という条
件下でRc Mg/4(gは重力加速度)の最大制動トル
クの発生を仮定すると、 を得る。ここで、具体的な定数として、τ=0.005 (se
c) 、Rc =0.3 (m) 、M=1000(kg)を考慮すると、max
(ki ) =245 となる。従って、 となり、(7) 式は次式のように近似することができる。
【0019】 ただし、 である。
【0020】このように整理することにより、(8) 式は
未知係数ki 、fi に関し、線形の形で記述することが
可能となり、(8) 式にオンラインのパラメータ同定手法
を適用することにより、スリップ速度に対する制動トル
ク勾配ki を推定することができる。
【0021】すなわち、以下のステップ1及びステップ
2を繰り返すことにより、検出された車輪速度の時系列
データωi [k] から制動トルク勾配の時系列データを推
定することができ、さらにステップ3で制動トルク勾配
の推定値から制御開始時点を判定する。
【0022】ステップ1: i [k] =−ωi [k] + 2ωi [k−1]−ωi [k−2] (10) とおく。なお、(9) 式の行列φi [k] の第1要素は、1
サンプル時間での車輪速度の変化に関する物理量であ
り、(10)式は、1サンプル時間の車輪速度の変化の1サ
ンプル時間での変化に関する物理量である。
【0023】ステップ2: を示す忘却係数(例えばλ=0.98)であり、”T
は行列の転置を示す。
【0024】なお、(11)式の左辺は、車輪速度の変化に
関する物理量の履歴及び車輪速度の変化の変化に関する
物理量の履歴を表す物理量である。
【0025】ステップ3: ルク勾配の値と基準値とを比較して制御開始時点を判定
する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態に係る制御開始判定装置を詳細に説明する。
【0027】(第1の実施の形態)第1の実施の形態に
係る制御開始判定装置の構成を図1に示す。
【0028】図1に示すように、第1の実施の形態に係
る制御開始判定装置5は、所定のサンプル時間τ毎に車
輪速度を検出する車輪速検出手段10と、検出された車
輪速度の時系列データから制動トルク勾配を推定するト
ルク勾配推定手段12と、推定された制動トルク勾配と
基準値とを比較して制御手段16(例えば、後述するア
ンチロックブレーキ制御装置、トラクションコントロー
ル装置などを含む)の制御開始時点又は制御終了時点を
判定する判定手段14と、から構成される。
【0029】トルク勾配推定手段10は、検出された車
輪速度の時系列データを用いて(9)式から1サンプル時
間での車輪速度の変化に関する物理量及び(10)式から1
サンプル時間の車輪速度の変化の1サンプル時間での変
化に関する物理量を演算し(ステップ1)、演算した物
理量を用いて(11)式から車輪速度の変化に関する物理量
の履歴及び車輪速度の変化の変化に関する物理量の履歴
を表す物理量を演算し(ステップ2)、該物理量から制
動トルク勾配を推定する。
【0030】図2は、上記のように構成された制御開始
判定装置5を車体に実装し該装置による制御開始時点の
判定をアンチロックブレーキ制御やトラクションコント
ロールに応用した場合の構成例を示したものである。
【0031】図2に示した車体の第1輪〜第4輪には、
ブレーキディスク52a、52b、52c、52dと、
フロントホイールシリンダ50a、50b又はリヤホイ
ールシリンダ50c、50dと、車輪速検出手段10と
しての車輪速センサ10a、10b、10c、10dと
がそれぞれ取り付けられている。なお、車輪速センサ1
0a、10b、10c、10dは、取り付けられている
第i輪(iは車輪番号、i=1,2,3,4 )の車輪速度の時
系列データωi [k] (kはサンプル時刻;k=1 、2
、..... ) を検出する。
【0032】フロントホイールシリンダ50a、50b
及びリヤホイールシリンダ50c、50dには、ブレー
キ圧を供給するためのブレーキフルード用の配管が接続
されており、これらの配管はブレーキ油圧回路99に接
続されている。すなわち、ホイールシリンダは、ブレー
キ油圧回路99から供給された油圧に応じたブレーキ圧
を対応するブレーキディスクに各々加える。
【0033】車輪速センサ10a、10b、10c、1
0dには、トルク勾配推定手段12が接続されており、
さらにトルク勾配推定手段12は判定手段14に接続さ
れている。
【0034】そして、判定手段14には、アンチロック
ブレーキ制御及びトラクションコントロールを行うため
の制御信号を出力するABS・TRCコントローラ18
が接続されており、ABS・TRCコントローラ18に
は、ブレーキ油圧回路99が接続されている。
【0035】ブレーキ油圧回路99は、ブレーキペダル
118の踏力に応じた油圧を各ホイールシリンダに供給
すると共に、トラクションコントロールやアンチロック
ブレーキ制御時には、油圧回路を切り替え、ABS・T
RCコントローラ18からの制御信号に応じてホイール
シリンダへ供給する油圧を制御する。
【0036】また、図2の車体のエンジンには、アクセ
ルペダル36に連動してエンジンに吸入される空気量を
制御するためのメインスロットルバルブ32が設けられ
ており、このメインスロットルバルブ32の空気流上流
側にはサブスロットルバルブ28が設けられている。こ
のサブスロットルバルブ28は、ABS・TRCコント
ローラ18に接続されているサブスロットルアクチュエ
ータ26の駆動により開閉される。
【0037】サブスロットルバルブ28は、非トラクシ
ョンコントロール時には、図示しないリターンスプリン
グ等により全開位置に設定されており、トラクションコ
ントロール時にはABS・TRCコントローラ18から
の制御信号に応じてサブスロットルアクチュエータ26
により開閉量を制御される。
【0038】また、メインスロットルバルブ32及びサ
ブスロットルバルブ28には、バルブの開閉位置を検出
するメインスロットルバルブポジションセンサ34及び
サブスロットルバルブポジションセンサ30が各々取り
付けられている。このメインスロットルバルブポジショ
ンセンサ34及びサブスロットルバルブポジションセン
サ30には、エンジン及びトランスミッションを制御す
るエンジン・トランスミッションコントローラ24が接
続されている。さらにエンジン・トランスミッションコ
ントローラ24とABS・TRCコントローラ18とは
双方向に接続されており、バルブの開閉量などに応じて
エンジントランスミッション24がABS・TRCコン
トローラ18を介して車体のエンジンを制御する。
【0039】次に、ブレーキ油圧回路99の構成を図3
を用いて詳細に説明する。図3に示すように、ブレーキ
油圧回路99には、マスターシリンダー系及びパワーサ
プライ系のブレーキフルードを蓄えるリザーバー100
が設けられている。このリザーバー100には、内部に
蓄えられたブレーキフルードの液面低下を検出するレベ
ルウォーニングスイッチ102と、パワーサプライ系の
異常高圧時にブレーキフルードをリザーバー100へリ
リーフするためのリリーフバルブ104が設けられてい
る。
【0040】また、リザーバー100のリリーフバルブ
104側から配設された配管には、リザーバー100か
らブレーキフルードを汲み上げ、高油圧のフルードを吐
出するポンプ106が設けられ、さらにフルード吐出側
には、該ポンプで発生させた油圧(パワーサプライ系)
を蓄圧するアキュームレーター108と該アキュームレ
ータ108の油圧を検出する圧力センサー110とが設
けられている。この圧力センサー110は、アキューム
レーター110の油圧に基づいてポンプ106の制御信
号を出力し、低圧時にはウォーニング信号(ABS、T
RC制御の禁止信号)を出力する。
【0041】また、アキュームレータ108の高油圧側
の配管には、アキュームレーター110の油圧低圧時に
ポンプ106の制御信号を出力すると共に油圧低圧時の
ウォーニング信号(ABS、TRC制御の禁止信号)を
出力する圧力スイッチ112が設けられている。
【0042】また、リザーバー100から延設された他
の配管には、ブレーキペダル118にかかった踏力に応
じた油圧を発生させるマスターシリンダー114が接続
されている。このマスターシリンダー114とブレーキ
ペダル118との間には、アキュームレーター110の
高油圧を踏力に応じた油圧に調圧・導入しブレーキの助
勢力を発生させるブレーキブースター116が配置され
ている。
【0043】このブレーキブースター116には、アキ
ュームレーターの高油圧側の配管とリザーバー100か
ら直接延設された配管とが接続されており、ブレーキペ
ダル118の踏み込み量が一定値以下の場合、リザーバ
ー100からの通常の油圧が導入され、踏み込み量が一
定値を越えるとアキュームレーター108からの高油圧
が導入される。
【0044】また、マスターシリンダー114からは該
マスターシリンダーの油圧(マスタ圧)を前後輪に各々
供給するためのフロント用マスタ圧配管164及びリヤ
用マスタ圧配管166が設けられている。そして、フロ
ント用マスタ圧配管164及びリヤ用マスタ圧配管16
6には、前後輪で適正な制動力の配分となるようにリヤ
系統のブレーキ油圧を調圧するP&Bバルブ120が介
在されている。なお、P&Bバルブ120は、フロント
系統欠損時にはリヤ系統の調圧を中止する。
【0045】また、P&Bバルブ120から延びたフロ
ント用マスタ圧配管164には、パワーサプライ系の油
圧が低下した場合にフロントホイールシリンダー油圧を
増圧して高い制動力を確保するための増圧装置122が
設けられている。この増圧装置122には、ブレーキブ
ースター116のブースター室に接続されたブースター
配管168が接続されており、このブースター配管16
8と増圧装置122との間には、圧力リミッター124
及び差圧スイッチ126が介在されている。
【0046】圧力リミッター124は、システム正常時
にブレーキブースター116の助勢力限界以上の入力付
加に対し、増圧装置122及び差圧スイッチ126を作
動させないようにブースター室との経路を閉じる。ま
た、差圧スイッチ126はマスターシリンダー114と
ブースター室との油圧差を検出する。
【0047】このブースター配管168には、右前輪用
の制御ソレノイドバルブ132(以下、「バルブSF
R」)の増圧側バルブ132aと、左前輪用の制御ソレ
ノイドバルブ134(以下、「バルブSFL」)の増圧
側バルブ134aが接続されている。さらにバルブSF
Rの減圧側バルブ132b及びバルブSFLの減圧側バ
ルブ134bには、リザーバー100から直接延設され
た低圧配管162が接続されている。
【0048】バルブSFR及びバルブSFLの圧力供給
側の配管には、切り替えソレノイドバルブ136(以
下、「バルブSA1」)及び切り替えソレノイドバルブ
138(以下、「バルブSA2」)が各々接続されてお
り、このバルブSA1及びバルブSA2には、さらに増
圧装置122の増圧側配管が接続されている。そして、
バルブSA1の圧力供給側の配管は、フロントホイール
シリンダー50aに接続されており、バルブSA2は、
フロントホイールシリンダー50bに接続されている。
【0049】バルブSA1及びバルブSA2は、通常の
ブレーキモード時には、増圧装置122からの圧力が、
各々フロントホイールシリンダー50a、50bにかか
るように弁を切り替え、ABSモード時には、バルブS
FR及びバルブSFLからの圧力が各々フロントホイー
ルシリンダー50a、50bにかかるように弁を切り替
える。すなわち、前輪では、通常ブレーキモードとAB
Sモードとの切り替えは左右輪毎に独立して行うことが
可能となっている。
【0050】また、ブースター配管168には、切り替
えソレノイドバルブ129、130(以下、「ST
R」、「SA3」)を介して、右後輪用の制御ソレノイ
ドバルブ140(「バルブSRR」)の増圧側バルブ1
40aと、左後輪用の制御ソレノイドバルブ142
(「バルブSRL」)の増圧側バルブ140bが接続さ
れている。さらにバルブSRRの減圧側バルブ140b
及びバルブSRLの減圧側バルブ142bには、リザー
バー100から直接延設された低圧配管162が接続さ
れている。
【0051】バルブSRRの圧力供給側の配管は、リヤ
ホイールシリンダー50dに接続されており、バルブS
RLはリヤホイールシリンダー50cに接続されてい
る。
【0052】また、バルブSTRには、アキュームレー
タ108から延設された高圧配管167が接続されてお
り、バルブSTRは、ABSモード時には、ブースター
配管168の高油圧がバルブSA3にかかるように弁を
切り替え、TRCモード時には、高圧配管167の踏力
とは無関係の高油圧がバルブSA3にかかるように弁を
切り替える。これによって、TRCモードではドライバ
がブレーキペダル118を踏んでいない場合でも高油圧
を各リヤホイールシリンダに与えることが可能となる。
【0053】そして、バルブSA3は、通常のブレーキ
モード時には、リヤ用マスタ圧配管166からのマスタ
圧がバルブSRL及びバルブSRRにかかるように弁を
切り替え、ABS(TRC)モード時には、バルブST
Rを介して供給された油圧(ABSモードではブースタ
ー配管168の油圧、TRCモードでは高圧配管167
の油圧となる)がかかるように弁を切り替える。すなわ
ち、後輪では、通常ブレーキモードとABS(TRC)
モードとの切り替えは左右まとめて行われる。
【0054】なお、上記の切り替えソレノイドバルブS
A1、SA2、SA3、STR及び制御ソレノイドバル
ブSRL、SRR、SFL、SFRは、ABS・TRC
コントローラ18に接続されており、このコントローラ
からの制御信号に応じて開閉やバルブポジションの位置
が切り替えられる。
【0055】次に、図2の車体でABSを行う場合の第
1の制御例を図5のフローチャートを用いて説明する。
なお、ABSを作動させる領域では、車輪加速度(ωi
[k]−ωi [k-1] /τ)は負であり、このロジックは車
輪加速度が負のとき実行される。
【0056】図5に示すように、図2の判定手段14
が、トルク勾配推定手段12により推定された制動トル
ク勾配kが基準値E(>0)より小さいか否かを判定す
る(ステップ200)。なお、この基準値Eは、図4の
ピークμに追従するABS制御領域のスリップ速度下限
値に対する制動トルク勾配の値に相当する。
【0057】制動トルク勾配が基準値E以上であると判
定された場合(ステップ200否定判定)、すなわち、
図4のピークμ追従領域の下限値より小さいスリップ速
度領域の場合、切り替え弁(図3のSA1、SA2、S
A3)を非ABSモードに設定する(ステップ20
2)。この場合、マスタ圧に対応するブレーキ力がホイ
ールシリンダに加えられる。
【0058】これに対し、制動トルク勾配kが基準値E
より小さいと判定された場合(ステップ200肯定判
定)、すなわち、図4のピークμ追従領域のスリップ速
度領域となった場合、切り替え弁をABSモードに設定
し(ステップ204)、次にブレーキ力を低減させる
(ステップ206)。なお、ブレーキ力の低減時には、
図3のバルブSFL、SFR、SRL、SRRの増圧側
バルブ132a、134a、140a、142aを閉
じ、減圧側バルブ132b、134b、140b、14
2bを開放する。これによって、各ホイールシリンダに
は、低圧配管162の油圧が加えられ制動力が減少す
る。
【0059】このように図5のABSでは、制動トルク
勾配kが基準値E以上のときはピークμから遠いとみな
してABSを作動させず、制動トルク勾配が基準値Eよ
り小さいときはピークμ近傍若しくはピークμを越えて
ブレーキ力が加えられたとみなしてABSモードに切り
替えブレーキ力を低減させる。これによって、ピークμ
に追従したブレーキ動作が実現でき、タイヤのロックが
防止できる。
【0060】次に、図2の車体でABSを行う場合の第
2の制御例を図6のフローチャートを用いて説明する。
【0061】図6に示すように、図2の判定手段14
が、トルク勾配推定手段12により推定された制動トル
ク勾配kが基準値E(>0)より小さいか否かを判定す
る(ステップ210)。
【0062】制動トルク勾配kが基準値E以上と判定さ
れた場合(ステップ210否定判定)、切り替え弁(図
3のSA1、SA2、SA3)を非ABSモードに設定
する(ステップ212)。この場合、マスタ圧に対応す
るブレーキ力がホイールシリンダに加えられる。
【0063】これに対し、制動トルク勾配kが基準値E
より小さいと判定された場合(ステップ210肯定判
定)、すなわち、制動トルク勾配がABSの制御開始の
範囲に収まった場合、切り替え弁をABSモードに設定
する(ステップ214)。そして、さらに制動トルク勾
配kが基準値−e(<0、e<E)より小さいか否かを
判定する(ステップ216)。
【0064】制動トルク勾配が基準値−eより小さいと
判定された場合(ステップ216肯定判定)、すなわ
ち、ピークμを越えてブレーキ力がかけられたとみなさ
れたときには、ブレーキ力を低減させて(ステップ21
8)、再びステップ210に戻り同様の処理を実行す
る。
【0065】制動トルク勾配が基準値−e以上と判定さ
れた場合(ステップ216否定判定)、制動トルク勾配
が基準値e(>0)を越えているか否かを判定する(ス
テップ220)。
【0066】制動トルク勾配が基準値eを越えていると
判定された場合(ステップ220肯定判定)、すなわ
ち、ピークμから少し離れたとみなされたときには、ブ
レーキ力を増加させて(ステップ222)、再びステッ
プ210に戻り同様の処理を実行する。なお、ブレーキ
力の増加時には、図3のバルブSFL、SFR、SR
L、SRRの減圧側バルブ132b、134b、140
b、142bを閉じ、増圧側バルブ132a、134
a、140a、142aを開放する。これによって、各
ホイールシリンダには、高圧のブースター配管168の
油圧が加えられ制動力が増加する。
【0067】制動トルク勾配が基準値e以下と判定され
た場合(ステップ220否定判定)、すなわち、制動ト
ルク勾配が0を含むピークμの領域(−e〜e)にある
ときは、ブレーキ力を保持させて(ステップ224)、
再びステップ210に戻り同様の処理を実行する。な
お、ブレーキ力の保持時には、図3のバルブSFL、S
FR、SRL、SRRの減圧側バルブ132b、134
b、140b、142b及び増圧側バルブ132a、1
34a、140a、142aを共に閉じる。これによっ
て、各ホイールシリンダに加えられた油圧が保持され
る。
【0068】このように図6のABSでは、制動トルク
勾配が基準値Eより小さくなったときにABSの制御を
開始すると共に、制動トルク勾配が0を含むピークμの
領域に維持されるように、ブレーキ力を減少、保持、増
加させる制御開始の判定を行う。これによって、図5の
ABSよりきめ細かなピークμに追従したブレーキ動作
が実現できると共に最小の制動距離で安定な制動動作が
可能となる。
【0069】次に、図2の車体でTRCを行う場合の制
御例を図7のフローチャートを用いて説明する。なお、
TRCを作動させる領域では車輪加速度は正であり、こ
のロジックは車輪加速度が正のときに実行される。
【0070】図7に示すように、図2の判定手段14
が、トルク勾配推定手段12により推定された制動トル
ク勾配kが基準値F(>0)より小さいか否かを判定す
る(ステップ230)。なお、この基準値Fは、制動ト
ルク勾配を所定範囲に収めてTRCを行う際の制動トル
ク勾配の上限値として定められたものである(図4のト
ラクション制御領域を参照)。制動トルク勾配kが基準
値F以上と判定された場合(ステップ230否定判
定)、切り替え弁(図3のSA1、SA2、SA3)を
非TRCモードに設定する(ステップ232)。そし
て、図2のサブスロットルバルブ28を全開にする(ス
テップ234)。これによって、非TRCモード時に
は、マスタ圧に対応するブレーキ力がホイールシリンダ
に加えられると共に、図2のメインスロットルバルブ3
2の開閉量のみに依存した空気量がエンジンに供給され
る通常の走行運転となる。
【0071】これに対し、制動トルク勾配kが基準値F
より小さいと判定された場合(ステップ230肯定判
定)、すなわち、制動トルク勾配がTRC制御開始の範
囲に収まった場合、切り替え弁をTRCモードに設定す
る(ステップ236)。
【0072】そして、図2のABS・TRCコントロー
ラ18が、推定された制動トルク勾配を基準値に一致さ
せるようにサブスロットルバルブ28の開度を制御する
(ステップ238)と共に、推定された制動トルク勾配
を基準値に一致させるように制御ソレノイドバルブを制
御してブレーキ力を調節する(ステップ240)。な
お、この場合、ドライバがブレーキペダル118を踏ん
でいない場合にも必要に応じてブレーキ力がかけられ
る。
【0073】なお、ステップ238とステップ240の
制御においても、判定手段14が制動トルク勾配と基準
値とを比較し、この比較の結果に基づいてABS・TR
Cコントローラ18によるブレーキ力の増減やサブスロ
ットルバルブ28の開度調節のタイミング(制御開始時
点)を決定する。
【0074】このように図7のTRCでは、ピークμを
越えた運動状態とならないように、制動トルク勾配に基
づいてTRCを行うので、車両姿勢を安定に保つことが
できる。
【0075】以上のように、第1の実施の形態では、車
輪速の時系列データのみから制動トルク勾配を推定し、
この制動トルク勾配の値に基づいて、ABSやTRCの
制御開始時点と共にブレーキ力の増減やサブスロットル
バルブの開度調節の制御開始時点を判定する。これによ
って、車両の走行する路面状態によりピークμとなるス
リップ速度が変化したとしても、ピークμで制動トルク
勾配が0となる事実は変わらないため安定なABSやT
RCの制御を行うことができる。
【0076】また、本実施の形態では、車体速度を推定
する必要が無いので、従来のように、車体速度の推定の
ために車輪速度から求めた速度vw と実車体速度vv*
が一致もしくは近い値になるまでブレーキ力の増圧減圧
を比較的低周波で繰り返したり、基準速度と比較する車
体速度が実際の車体速度と大きく異なる場合等で、車輪
が長時間ロック状態に陥るとか復帰のためブレーキ力を
極端に減少させてしまうなどの問題を回避でき、快適な
ABSを実現できる。
【0077】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の
形態の制御開始判定装置を説明する。なお、第2の実施
の形態は、ブレーキ力に励振を加えた場合の車輪速度の
振動特性に基づいてブレーキ力をピークμに制御するA
BS装置に制御開始判定装置を適用したものである。
【0078】図8に第2の実施の形態の制御開始判定装
置5をABS装置に適用した場合の構成を示す。なお、
第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を
付して説明を省略する。
【0079】図8に示すように、第2の実施の形態に係
る車体は、制御開始判定装置5と共に、運転者が操作指
令するブレーキ力へ能動的にタイヤがグリップしている
時の車輪速度の共振周波数f1 と同じ周波数の微小振動
を加える際の微小振幅指令Pv を演算する微小ブレーキ
力励振指令演算部152と、検出された車輪速度の共振
周波数f1 成分の振幅値ωd を検出する振幅値検出部1
54と、検出値ωd と微小ブレーキ力励振振幅指令Pv
とに基づいてブレーキ力低減指令Pr を演算するブレー
キ力低減指令演算部150と、を含んで構成されてい
る。
【0080】このブレーキ力低減指令演算部150及び
微小ブレーキ力励振指令演算部152は、ブレーキ力低
減指令演算部150からのブレーキ力低減指令Pr 、運
転者操作部156によるブレーキ力Pd 及び微小ブレー
キ力励振指令演算部152からの微小ブレーキ力励振振
幅指令Pv に基づいて制御対象となる車両運動系158
への入力であるブレーキ力指令を生成し、このブレーキ
力指令を車両運動系158へ加えるブレーキバルブドラ
イバ160に接続されている。
【0081】また、微小ブレーキ力励振指令演算部15
2は、制御開始判定装置5の判定手段14に接続されて
おり、判定手段14の制御開始時点の判定に応じてブレ
ーキ力の励振開始又は励振停止をブレーキバルブドライ
バ160に指令する。
【0082】なお、第2の実施の形態では、微小ブレー
キ力励振指令演算部152において、運転者が操作指令
するブレーキ力にタイヤがグリップしている時の車輪速
度の共振周波数f1 と同じ周波数の微小振動を加える際
の微小振幅指令Pv を演算し、運転者が操作指令するブ
レーキ力へ能動的にタイヤがグリップしている時の車輪
速度の共振周波数f1 と同じ周波数の微小振動を加える
ことにより、その増幅特性から、共振周波数f1 の変化
を検出する。
【0083】図11に示すように、車輪共振系の周波数
特性は、摩擦係数μがピーク値に近付いていくと、共振
周波数における車輪速度のゲインのピークが低くなり、
摩擦係数μがピーク値を越えると共振周波数はタイヤが
グリップしている時の共振周波数f1 よりも高い周波数
側にずれる。タイヤがグリップしている状態での共振周
波数f1 の成分についてみると、ピークμ状態に近づく
ことによって、共振周波数f1 成分の振幅の減少となっ
て現れてくる。従って、車輪速度に現れる共振周波数f
1 の微小振動成分のゲインからピークμ状態への接近を
検知することが可能である。
【0084】振幅値検出部154は、図10に示すよう
に、通過帯域がタイヤがグリップしている時の車輪速度
の共振周波数f1 を含む所定範囲に設定された帯域通過
フィルタ162、帯域通過フィルタ162出力を整流す
る全波整流器164、及び全波整流器164出力を平滑
化して直流化する低域通過フィルタ166により構成さ
れている。振幅値検出部154は、タイヤがグリップし
ている時の車輪速度の共振周波数f1 の成分のみを検出
し、車輪速度の共振周波数f1 の成分を直流化して出力
するので、検出値ωd は車輪速度の共振周波数f1 成分
の振幅値となる。
【0085】また、ブレーキ力低減指令演算部150
は、図12に示すように、検出値ωdの微小ブレーキ力
励振振幅指令Pv に対するゲインである微小励振ゲイン
d を演算する演算部168と、微小励振ゲインgd
基準値gs との差gd −gs 、比例ゲインGPr1 及び積
分ゲインGIr1 を用いた比例積分制御により低減ブレー
キ力を演算するPI制御器170と、運転者の操作によ
るブレーキ力Pd を超えて指令されないように正値を除
去して負の値のみを採用して低減ブレーキ力指令Pr
して出力する正値除去部172とから構成される。
【0086】次に、第2の実施の形態の制御の流れを図
9のフローチャートを用いて説明する。
【0087】図9に示すように、図8の判定手段14が
トルク勾配推定手段12により推定された制動トルク勾
配が基準値G以下であるか否かを判定する(ステップ2
50)。なお、基準値Gは、ブレーキ力の励振を開始す
る際に妥当であると判断されたスリップ速度に対する制
動トルク勾配の値から定められたものである。
【0088】制動トルク勾配が基準値G以下の場合(ス
テップ250肯定判定)、微小ブレーキ力励振指令演算
部152が励振の指令を出し、この指令を受けたブレー
キバルブドライバ160が車輪速度の共振周波数f1
ブレーキ力を微小励振する(ステップ252)。
【0089】次に、微小励振ゲインgd が基準値gs
り大きければ(ステップ254肯定判定)、すなわち微
小ブレーキ力励振振幅指令Pv で励振したときの検出値
ωdが基準値gs v (ただし、ωd は回転速度で単位
は〔rad/s〕、Pv は圧力またはトルクで単位は
〔Pa〕または〔Nm〕である)より大きければ図11
で説明したようにタイヤがグリップしているものとし
て、平均ブレーキ力Pm を維持する(ステップ25
8)。逆に微小励振ゲインgd が基準値gs 以下となれ
ばステップ254否定判定)、すなわち微小ブレーキ力
励振振幅指令Pv で励振したときの検出値ωd が基準値
s v より小さくなれば、摩擦係数がピークμに近付
きつつあるため平均ブレーキ力Pm を低減させる(ステ
ップ256)。
【0090】そして、ステップ250に戻って制動トル
ク勾配が基準値G以下を保っているときは微小ブレーキ
力励振を維持して同様にピークμ追従制御を行うが、制
動トルク勾配が基準値Gを越えたときは(ステップ25
0否定判定)、ピークμから離れたグリップ状態とみな
して微小ブレーキ力励振を停止させる(ステップ26
0)。
【0091】上記図9のブレーキ力制御で加えられる平
均ブレーキ力Pm は、図13(a)に示すように、 Pm =Pd +Pr ,Pr ≦0 であり、低減ブレーキ力指令Pr は常に負の値であるか
ら、運転者操作によるブレーキ力Pd を超えて平均ブレ
ーキ力Pm が指令されることはない。このABSによれ
ば、運転者の操作によるブレーキ力と微小振動ブレーキ
力との和のブレーキ力を車輪に加えたときに、摩擦係数
がピークμ状態に達すると、平均ブレーキ力が低減され
それ以上のブレーキ力増加が抑圧され、これによってタ
イヤがロックするのが防止される。
【0092】また、上記のブレーキ力制御では、図13
(a)に示すように図9のステップ250で肯定判定さ
れた微小励振開始時点からブレーキ力Pb に微小励振P
v が重畳されたことがわかる。
【0093】これに対して、従来の微小励振を用いたA
BSのブレーキ力の時間的変化は、図13(b)に示す
ように、運転者がブレーキペダルを踏んで車輪にブレー
キ力が加えられた時点からブレーキ力Pb に微小励振P
v が重畳されている。このようにブレーキペダルを踏ん
で直ぐに微小励振した場合には、第2の実施の形態と比
較して長い時間微小励振しなければならない。また、ブ
レーキペダルを踏んでもABSを行う必要が無い場合も
あり、ブレーキ力を微小励振したことが無駄になる。
【0094】第2の実施の形態では、判定手段14が制
動トルク勾配に基づいて判定した制御開始時点からブレ
ーキ力を微小励振させるので、ピークμの検出精度を低
下させることなく、ブレーキ力の微小励振時間を短時間
で済ませると共にブレーキ力の微小励振を効率的に行う
ことができる。
【0095】以上が、本発明の実施の形態であるが、上
記例にのみ限定されるものではない。例えば、上記実施
の形態をABSとTRCに適用する例を示したが、車輪
運動を所定の運動状態に制御する技術であれば、ABS
やTRCに限らず適用可能である。
【0096】また、サブスロットルバルブの開度とブレ
ーキ力とを併用してTRCを行う技術に本発明の制御開
始判定装置を適用する例を示したが、サブスロットルバ
ルブの開度とブレーキ力とのいずれか1つでTRCを行
う技術にも上記実施の形態を適用することができる。
【0097】さらに、自動車のみならず、列車等にも上
記実施の形態を適用することができる。
【0098】
【実施例】車輪速度50rad/s を初速として、ブレーキ
力により緩制動、急制動及び追い込み制動をした各々の
場合について、上記実施の形態の制御開始判定装置5で
ABSの制御開始判定を行った実験結果を図14〜図1
7に示す。なお、この実験では、制動トルク勾配kの基
準値を50とした。すなわち、k<50となった時点を
ブレーキ力を低減させてABSを開始する制御開始時点
と判定する。ただし、この実験では制御開始時点のみを
判定し実際の制御は行っていない。
【0099】図14(a)、(b)、(c)は、車輪が
ロックしない緩制動の場合の車輪速度と車体速度、スリ
ップ率度、及び制動トルク勾配の時間的変化を示すもの
である。このような緩制動の場合には、2sec 以降で制
動がかけられてスリップ率が上昇する傾向を示しても、
制動トルク勾配は制動がかけられた時刻近傍で最小値1
50となり、基準値50以下とはならない。従って、こ
の場合には、ABSの制御開始判定を行わない。
【0100】図15(a)、(b)、(c)は、車輪が
ロックしない急制動の場合の車輪速度と車体速度、スリ
ップ率度、及び制動トルク勾配の時間的変化を示すもの
である。このような急制動の場合には、2sec 以降で図
14よりも急な制動がかけられてスリップ率が上昇する
傾向を示しても、制動トルク勾配は制動がかけられた時
刻近傍で最小値110程度となり、基準値50以下とは
ならない。従って、この場合にも、ABSの制御開始判
定を行わない。
【0101】図16(a)、(b)、(c)は、車輪が
ロックする急制動の場合の車輪速度と車体速度、スリッ
プ率度、及び制動トルク勾配の時間的変化を示すもので
ある。このような急制動の場合には、制動がかけられた
2.2sec から車輪速度と車体速度の差が大きくなって
スリップ率が急上昇する。制動トルク勾配は、このスリ
ップ率が急上昇する時刻から急下降し、時刻t1 以降か
ら基準値50以下となる。実際に時刻t1 からブレーキ
力を低減させれば車輪がロックするようなスリップ率領
域でロックを防止できることが図16から容易に理解で
きる。
【0102】図17(a)、(b)、(c)は、車輪が
ロックする追い込み制動の場合の車輪速度と車体速度、
スリップ率度、及び制動トルク勾配の時間的変化を示す
ものである。このような追い込み制動の場合には、制動
がかけられた2.5sec 以降からスリップ率が緩やかに
上昇し、3.2sec でスリップ率が急上昇する。制動ト
ルク勾配は、このスリップ率が急上昇する時刻から急下
降し、時刻t2 以降から基準値50以下となる。実際に
時刻t2 からブレーキ力を低減させれば車輪がロックす
るようなスリップ率領域でロックを防止できることが図
17から容易に理解できる。
【0103】図14〜図17で示した実験結果から、制
動トルク勾配の基準値を適切に設定することにより、本
実施例の制御開始判定装置5が、ロックする場合としな
い場合とを正確に判定すると共にロックする直前にAB
Sの制御開始時点を正確に判定することが示された。
【0104】次に、本実施例の制御開始判定装置5によ
る制御開始判定方法と、上記従来技術の車輪減速度を用
いた制御開始判定方法との低μ路及び中μ路における比
較実験の結果を図18〜図20に各々示す。
【0105】図18は、低μ路においてブレーキトルク
b =400Nmをステップ的に加えたときの前輪の挙
動を示すもので、(a)は車輪速度と車体速度、(b)
は制動トルク勾配と車輪減速度の時間的変化を示す。
【0106】図18(a)より時刻1sec から車輪速度
と車体速度との差(スリップ速度)が急激に大きくな
り、これより後は、車輪がロックされるおそれのあるス
リップ速度の領域に移行する。そして、スリップ速度の
増加に伴って図18(b)に示した制動トルク勾配及び
車輪減速度が下降する。図18(b)より、制動トルク
勾配が基準値(50)を下回る時刻、すなわち、本実施
例によるABSの制御開始時刻はT1 となり、車輪減速
度が基準値を下回る時刻、すなわち従来の制御開始時刻
はT1 より早いS1 となる。
【0107】図18より明らかに、本実施例と従来技術
では、どちらもロックに至る前にABSの制御開始を判
定しているが、従来技術は必要以上に早い時刻からブレ
ーキ力を低下させる時点の判定を行っていることがわか
る。
【0108】図19は、低μ路においてブレーキトルク
b =200Nmをステップ的に加えたときの後輪の挙
動を示すもので、(a)は車輪速度と車体速度、(b)
は制動トルク勾配と車輪減速度の時間的変化を示す。
【0109】図19(a)より時刻1sec から車輪速度
と車体速度との差が徐々に大きくなり始め、時刻2.2
sec 付近からこの差(スリップ速度)が急激に大きくな
っている。すなわち、この時刻2.2sec より後は、車
輪がロックされるおそれのあるスリップ速度の領域に移
行する。
【0110】しかし、制動トルク勾配は、車輪がロック
されるおそれのあるスリップ速度の領域に移行する時刻
2 で基準値(50)を下回るが、車輪減速度は基準値
を下回らない。すなわち、図19の条件下では、本実施
例がロックに至る前にABSの制御開始を正確に判定し
ているのに対し、従来技術では制御開始時点の判定がで
きていないことがわかる。
【0111】図20は、中μ路においてブレーキトルク
b =700Nmをステップ的に加えたときの前輪の挙
動を示すもので、(a)は車輪速度と車体速度、(b)
は制動トルク勾配と車輪減速度の時間的変化を示す。
【0112】図20(a)より時刻1sec 直後に車輪速
度と車体速度との差が生じるが、その後はこの差(スリ
ップ速度)は減少していく。すなわち、この条件下で
は、車輪がロックされるおそれがない。
【0113】しかし、図20(b)より制動トルク勾配
が車輪速度と車体速度とに差が生じた時点でも基準値
(50)を下回ることが無いのに対し、車輪減速度は時
刻1sec 直後に車輪速度と車体速度との差が生じた時点
でその基準値を下回る。すなわち、図20の条件下で
は、ロックに至らないにもかかわらず、本実施例がロッ
クに至らないことを正確に判定しているのに対し従来技
術では制御開始時点の判定を行ってしまっていることが
わかる。
【0114】以上の実験結果から、本実施例による制御
開始時点の判定は、従来の車輪減速度を用いる判定と比
較して、路面μの状態やブレーキ制動の緩急に係わらず
正確かつ安定に制御開始時点を判定することができるこ
とが示された。なお、本実施例の判定は、通常のABS
のみならず、TRCやブレーキ力を微小励振するABS
の場合にも優れた効果をもたらすことはいうまでもな
い。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように請求項1〜請求項3
の発明によれば、車輪の運動状態を正確かつ安定に反映
する制動トルク勾配に基づいて制御開始時点を判定する
ようにしたので、走行路面のμ値やブレーキ制動の緩急
に依らずに正確かつ安定に制御開始時点を判定できる、
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の制御開始判定装置
の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の制御開始判定装置を車体に
実装し該装置による制御開始時点の判定をアンチロック
ブレーキ制御やトラクションコントロールに応用した場
合の構成図である。
【図3】第1の実施の形態に係るブレーキ油圧回路の構
成の詳細を示す図である。
【図4】スリップ速度に対する制動トルク及び制動トル
ク勾配の変化を示すグラフである。
【図5】第1の実施の形態の制御開始判定装置でABS
の制御開始判定を行った場合のABSの第1の制御を示
すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態の制御開始判定装置でABS
の制御開始判定を行った場合のABSの第2の制御を示
すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態の制御開始判定装置でTRC
の制御開始判定を行った場合のTRCの制御を示すフロ
ーチャートである。
【図8】第2の実施の形態の制御開始判定装置による制
御開始時点の判定を微小ブレーキ力励振によるABSに
応用した場合の構成図である。
【図9】第2の実施の形態の制御開始判定装置で微小ブ
レーキ力励振の制御開始判定を行った場合のABSの制
御を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係る車体の振幅値検出部
の構成を示す図である。
【図11】第2の実施の形態に係る車体においてブレー
キ力を微小励振した場合の励振周波数と車輪速度のゲイ
ンとの関係を示すグラフである。
【図12】第2の実施の形態に係る車体のブレーキ力低
減指令演算部の構成を示す図である。
【図13】ブレーキ力の時間的変化を示す図であって、
(a)は第2の実施の形態に係るABSで微小励振され
たブレーキ力の時間的変化、(b)は従来のABSで微
小励振されたブレーキ力の時間的変化を示す図である。
【図14】車輪がロックしない緩制動の場合の車輪に関
する物理量の時間的変化を示す図であって、(a)は車
輪速度と車体速度の時間的変化、(b)はスリップ率の
時間的変化、及び(c)は制動トルク勾配の時間的変化
を示す図である。
【図15】車輪がロックしない急制動の場合の車輪に関
する物理量の時間的変化を示す図であって、(a)は車
輪速度と車体速度の時間的変化、(b)はスリップ率の
時間的変化、及び(c)は制動トルク勾配の時間的変化
を示す図である。
【図16】車輪がロックする急制動の場合の車輪に関す
る物理量の時間的変化を示す図であって、(a)は車輪
速度と車体速度の時間的変化、(b)はスリップ率の時
間的変化、及び(c)は制動トルク勾配の時間的変化を
示す図である。
【図17】車輪がロックする追い込み制動の場合の車輪
に関する物理量の時間的変化を示す図であって、(a)
は車輪速度と車体速度の時間的変化、(b)はスリップ
率の時間的変化、及び(c)は制動トルク勾配の時間的
変化を示す図である。
【図18】低μ路においてブレーキトルクTb =400
Nmをステップ的に加えたときの前輪の挙動を示す図で
あって、(a)は車輪速度と車体速度の時間的変化、
(b)は制動トルク勾配と車輪減速度の時間的変化を示
す図である。
【図19】低μ路においてブレーキトルクTb =200
Nmをステップ的に加えたときの後輪の挙動を示す図で
あって、(a)は車輪速度と車体速度の時間的変化、
(b)は制動トルク勾配と車輪減速度の時間的変化を示
す図である。
【図20】中μ路においてブレーキトルクTb =700
Nmをステップ的に加えたときの前輪の挙動を示す図で
あって、(a)は車輪速度と車体速度の時間的変化、
(b)は制動トルク勾配と車輪減速度の時間的変化を示
す図である。
【符号の説明】
10 車輪速検出手段 12 トルク勾配推定手段 14 判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 裕之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 菅井 賢 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のサンプル時間毎に車輪速度を検出
    する車輪速検出工程と、 前記車輪速検出手段により検出された車輪速度の時系列
    データに基づいて、スリップ速度に対する制動トルクの
    勾配を推定するトルク勾配推定工程と、 前記トルク勾配推定工程により推定された制動トルクの
    勾配に基づいて、車輪運動を所定の運動状態とする制御
    の制御開始時点を判定する判定工程と、 からなることを特徴とする制御開始判定方法。
  2. 【請求項2】 前記トルク勾配推定工程は、 検出された車輪速度の時系列データに基づいて、車輪速
    度の変化に関する物理量及び車輪速度の変化の変化に関
    する物理量を演算する第1の演算工程と、 前記第1の演算手段により演算された車輪速度の変化に
    関する物理量及び車輪速度の変化の変化に関する物理量
    に基づいて、車輪速度の変化に関する物理量の履歴及び
    車輪速度の変化の変化に関する物理量の履歴を表す物理
    量を演算し、該物理量から制動トルクの勾配を推定する
    第2の演算工程と、 からなることを特徴とする請求項1の制御開始判定方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第1の演算工程において、車輪番号
    i(i=1 、2 、3、4)の車輪においてサンプル時刻k
    (k=1 、2 、......)で検出された車輪速度の時系列
    データをωi [k] 、前記サンプル時間をτ、車輪慣性を
    Jとしたとき、車輪速度の変化に関する物理量として、 を演算し、車輪速度の変化の変化に関する物理量とし
    て、 yi [k] =−ωi [k] + 2ωi [k−1]−ωi [k−2] を演算すると共に、 前記第2の演算工程において、車輪速度の変化に関する
    物理量の履歴及び車輪速度の変化の変化に関する物理量
    の履歴を表す物理量θi を、忘却係数をλ、行列の転置
    を”T ”として、 制動トルクの勾配として求めることを特徴とする請求項
    2の制御開始判定方法。
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