JP2004249965A - 全てのタイヤを特徴付ける不変量を用いた自動安定性制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】できる限り簡単な測定によりタイヤの実際の転がり条件に基いて、制動時の最大摩擦係数に関連するスリップを予測することにある。
【解決手段】車両の安定性を制御するシステムのコントローラは、少なくとも1対の値についての評価値または測定値(Xi、Yi)を決定する手段と、原点と点(Xi、Yi)とを通る直線の傾斜αiの対応値を決定する手段と、点(αi、Xi)を用いて直接計算するか、充分な数の対からの回帰により係数Apを計算して、変化曲線αi=f(Xi、Ap)をモデル化する手段と、所定の不変量「Invt」を用いて目標値XTargetを計算する手段を有している。
【選択図】図1
【解決手段】車両の安定性を制御するシステムのコントローラは、少なくとも1対の値についての評価値または測定値(Xi、Yi)を決定する手段と、原点と点(Xi、Yi)とを通る直線の傾斜αiの対応値を決定する手段と、点(αi、Xi)を用いて直接計算するか、充分な数の対からの回帰により係数Apを計算して、変化曲線αi=f(Xi、Ap)をモデル化する手段と、所定の不変量「Invt」を用いて目標値XTargetを計算する手段を有している。
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の安定性を制御するシステムに関し、より詳しくは、ブレーキを作動したときにホイールのロックを防止することを目的とした前記制御システムの機能に関する。本発明のシステムは用語「ABS」として広く知られているが、例えば用語「ESP」として広く知られているシステムにおけるように1つのホイールにブレーキを自動的に作動することにより、または他の任意のアクチュエータ(四輪操舵、能動アンチロール…)に作動することにより車両を安定走路上に維持することを目的として、一層精巧な制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の制動は、トレッドが最大摩擦係数値に一致するスリップGで機能するように作られると、一層効率的になることが知られている。最大摩擦係数値はμmaxと呼ばれている。しかしながら、平均的ドライバは、この条件を満たすように制動を制御することはできない。
【0003】
第一のいわゆる「ABS」ブレーキシステムは、タイヤがほぼ最大グリップで振動するようにタイヤを機能させるべく制動力を自動的に変調している(実際に、制動アクチュエータは一般に油圧ジャッキであり、ABSシステムが油圧を変調している)。このことは、再び最大グリップよりほんの僅か小さくなるように制動力を低下させる前にホイールのロック(ホイール回転の突然的停止)を開始させることにより最大グリップを検出できるようにするため、最大グリップを超えることを含むものである。次に制動力は、最大グリップを超えるまで再び自動的に増大され、次に低下される。
それにもかかわらず、この方法は、最大摩擦係数値μmaxに一致するGmaxを簡単に超えることを含んでおり、これに対し理想的な状況は、目標スリップを大きく超えることが無く、目標スリップに近付くことである。重要なことは、Gmaxは最大可能スリップ値ではないと慣用的に言われているが、実際には摩擦係数がその最大可能値を有する特定スリップであることに留意することである。
【0004】
制動効率は、最大摩擦係数に一致するスリップの近くでのスリップ変化の細かさによって定まる。効率に言及するとき、本願での唯一の関心事は、緊急制動時に車両のドライバが車両を走行させることができる或る能力を付与するABSシステムの大きい利益は別として、減速の大きさにある。従って、本発明に関しては、制動は、その効率が高いほど制動距離は短くなる。このような制動効率は、制動が最大グリップ係数のレベルにない期間、すなわち過度のスリップの期間および不充分なスリップの期間により損なわれる。
【0005】
第一のいわゆる「ABS」ブレーキシステム(その機能は前述したとおりである)は、種々のタイヤに自動的に適合できるという長所を有していた。この特徴は、例えば、最大摩擦係数での新品タイヤのスリップの方が最大摩擦係数での摩耗タイヤのスリップより大きいことが知られているように、最大摩擦係数での冬期タイヤのスリップが最大摩擦係数での夏季タイヤのスリップよりかなり大きいことが知られているため重要である。残念なことに、この自動制御形式により引起こされる振動は不快であり、ドライバがブレーキペダルに加える押圧力を緩めてしまう効果をもたらすことがある。この世代のブレーキシステムは、例えば米国特許(下記特許文献1参照)に開示されており、該米国特許にはこのようなシステムの改善が説明されている。
【0006】
このシステムは種々のタイヤに適合できる。このために、圧力が段階的に増大される。この場合にはホイールの回転速度の増大が観察され、このため、この圧力を増大させるべきか低下させるべきかが演繹される。すなわち、この自動制御は「適応性」があるが、本来的に振動を発生する。
現在では、車両の安定性制御システムは、最大摩擦係数に一致するように推測された所定の目標スリップを目指して制動力を自動的に変調している。
【0007】
従ってこの場合には、車両ブレーキシステムは、トレッドが、選択された最適スリップレベルで機能する制動力を維持することを目指している。このようなシステムは、各ホイールの回転速度VTyreを連続的に測定する。特定のアルゴリズムでは(例えば下記特許文献2参照)、車両速度VVehicleの評価が得られる。従って、瞬間スリップG=1−VTyre/VVehicleの評価を利用できる。理想的には、この評価されたスリップが最適スリップ以下に維持される限り制動力を低下させてはならないか、自動制動ブースティングの機能が自動的に増大させることもできる(例えば下記特許文献3参照)。最大可能制動力が達成されると、制動圧力は最適スリップGmax、すなわち最大摩擦係数(μmax)に一致するスリップを維持すべく調整される。
【0008】
この維持は、最適スリップを決定することである。欧州特許出願(下記特許文献4参照)では、これは、評価された摩擦係数μおよび同様な評価された車両速度の関数として目指すべき値を与える基準曲線から行なわれる。摩擦係数μの評価は次のように行なわれる。制動が均質路面上で直線的に行なわれるときは、路面上でのタイヤの制動力FXは、ホイールおよびそのブレーキの制動圧力から決定される。全てのタイヤにより加えられる力を知ることにより、従って車両の特徴である負荷伝達、従って各ホイールについての負荷変動を考慮に入れて車両の減速度を計算できる。これから、各タイヤに加えられる垂直荷重FZの近似値を演繹できる。かくして、摩擦係数μ=FX/FZの評価が得られる。評価または測定により対応する横方向力FYが分れば、摩擦係数のより正確な評価が、公式
【数式1】
により与えられる。本発明に関しては、これらの2つの評価は等価であると考えられる。同様に、これは本発明が関連する技術分野の当業者には明白であり、制動について説明した全てのことは、加速度の場合に有効である。すなわち制動力は、グリップについての考察に間して、これらを修正するアクチュエータが同じでない場合でも、駆動力と等価である。
【0009】
また、前記基準曲線を参照することにより、評価されたスリップGについての基準係数μがどれほどになるかが確立される。現在の評価スリップが目標スリップより低い限り、スリップは、スリップ値が実質的に一致するまで増大される。この第二システムの長所は、第一システムよりも最大スリップに関する振動が小さいことである。
残念なことに、この基準曲線は、実験的に決定、従って一定数のタイヤについて予め決定したものであり、これらの使用条件例えば膨張圧力、摩耗レベル等を超えて、車両のタイヤ機器の実際の状態を考慮に入れることはできない。この自動制御原理は、実際には振動を制限または除去するものであるが、制動効率は大幅に損なわれる。なぜならば、事実上本来的に使用されるタイヤは、実際に基準曲線でプログラムされたものとは非常に異なった最大摩擦係数でのスリップを必要とする。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第3,980,346号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,402,345号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,816,666号明細書
【特許文献4】
欧州特許出願EP05303025号明細書
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、車両のタイヤ作動の自動制御原理を提案することにより上記欠点を解消することにあり、その第一の態様はタイヤのスリップに関し、第二の態様はタイヤのドリフトに関するものである。本発明は、以前に簡単に説明した第一の既知の方法と同様に自己適応性を有し、かつ最適スリップでまたは最適ドリフト作動条件で、すなわちグリップ限度を超える必要なくして、第二方法のように少ない振動となることをより確実に目指すものである。
本発明の一目的は、車両でのできる限り簡単な測定によりかつできる限り少数の測定値により、考察するタイヤの実際の転がり条件に基いて、制動時(または駆動力が作用しているとき)の最大摩擦係数に関連するスリップを予測することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、以下に詳述する観察に基いており、不変量、すなわちタイヤおよび該タイヤが使用される路面の両方から独立した定数をもつパラメータの存在を識別できる。
本発明の第一態様によれば、本発明は、路面上を走行することを意図したタイヤに長手方向の力を伝達する手段と、該長手方向の力を変調する手段と、摩擦係数μの所定値に一致する少なくともパラメータスリップGOptを用いるコントローラとを有する車両の安定性を制御するシステムにおいて、前記コントローラは、下記のように、すなわち、
・各々が1つのスリップGiに一致する長手方向の力の少なくとも2つの異なるレベル「i」で長手方向の力をタイヤに伝達する手段を付勢する度毎に、グリップのいかなる損失も存在しない条件で摩擦係数μiの値を決定し、
・原点と点(Gi、μi)とを通る直線の傾斜αiを決定し、
・点(αi、Gi)を用いて直接計算するか、充分な数の対から適当に回帰することにより係数Apを計算して、変化曲線αi=f(Gi、Ap)をモデル化し、
・所定の不変量「Invt」を用いて最適スリップGOptを計算し、
・長手方向の力をタイヤに伝達する手段に作用して、スリップを最大値GOptに維持する、
ことにより前記パラメータ(単一または複数)を計算する手段を有していることを特徴とする車両の安定性制御システムに関する。
【0013】
本発明では、摩擦係数は上記のようにして、またはもちろん他の方法、例えばタイヤまたはその環境で遂行される測定により評価される。かくして、スリップに関するタイヤの機能のモデル化(上記変化曲線)が得られ、このモデル化は、所定の最適レベルでのスリップの制御、より詳しくは例えば、タイヤの最大グリップに対応するスリップの制御に関する適用を見出すことができ、かつ、既に強調したように、タイヤにより伝達される長手方向力が制動力である状況、およびタイヤにより伝達される長手方向力が駆動力である状況の両方に適用できる。
【0014】
本発明に関連して、トレッドのグリップ特性が、空気タイヤ、または非空気弾性外側ケーシングを取扱うものでも、更にはクローラトラックを取扱うものでも問題ではないことに留意すべきである。用語「トレッド」、「タイヤ」、「外側ケーシング」、「弾性外側ケーシング」、「クローラトラック」または「ホイール」は、均等物であると解釈すべきである。
【0015】
他の好ましい適用例では、本発明は、横方向力の飽和状態近くの機能領域において車両上で作動するタイヤまたは弾性外側ケーシングにより発生される横方向力の分析に関する。
従って、第二態様によれば、本発明は、路面上を走行することを意図した少なくとも1つのタイヤを有する車両の安定性を制御するシステムであって、車両には、車両ドライバにより該ドライバの制御手段に伝達される命令に基いておよびタイヤの機能をドリフトスラストFtargetの所定目標値に維持することを目的とする走路コントローラにより供給される命令に基いて、選択されたパラメータ「λ」を制御するシステムが設けられており、走路コントローラは、ドリフトスラストFtargetの最大値に一致するドリフト角の少なくとも1つの最適値δOptを使用し、前記コントローラは、下記の作動、すなわち、
・ドリフト角δの少なくとも2つの異なるレベル「i」で前記パラメータ「λ」を制御するシステムを付勢する度毎に、FYiおよび評価されまたは測定されたドリフト角δiの種々の値を記録し、
・原点と点(δi、FYi)とを通る直線の傾斜αiを決定し、
・点(αi、δi)を用いて直接計算するか、充分な数の対から適当に回帰することにより係数Apを計算して、変化曲線αi=f(δi、Ap)をモデル化し、
・所定の不変量「Invt」を用いて、ドリフトスラストFtargetの最大値に関連する最適ドリフト角の値δOptを計算し、
・ドリフト角δがδOptに近付いたときに警告信号を発生する、
ことを遂行する手段を有していることを特徴とする車両の安定性制御システムに関する。
【0016】
本発明は、車両の安定性を制御するシステムに関する。このことは、制動力が加えられたときにホイールのロックを防止することを目的とする用語「ABS」として広く知られた機能、または物理的に可能な限度まで制動力を自動的に増大させることを目的とした機能の両方を意味する。また本発明の車両の安定性制御システムは、1つのホイールのブレーキに自動的かつ選択的に作用することにより、および/または1つまたは幾つかのホイールにまたは車両の挙動に影響を与える他の任意のアクチュエータに自動的かつ選択的に作用することにより、車両を安定走路上に維持することを目的とする車両の安定性制御システムの一層精巧な態様を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
本発明は、次の観察に基いている。
図4は、2バールの膨張圧力で種々の路面上で試験した同一のMICHELIN XH1 195/65−15タイヤについてのスリップの関数としての摩擦係数μの種々の曲線を示すものである。図5は、種々のタイヤ、種々の路面、および速度、タイヤ荷重等に関する種々の試験条件に対応する非常に多くの試験についての摩擦係数μmaxの位置および対応スリップを示すものである。これらの値は広く拡散しているため、このようなアプローチを用いてグリップの物理的現象を把握できるようにする回帰(regression)を見出すことは、架空でない限り困難であることは理解されよう。
従って、本件出願人は、以下に述べる方法で研究を行なってきた。G=GmaxおよびG=Gmax/2(「50%」で示した)について計算した商の分析も行なわれた(図6参照)。
【0018】
図7は、平均値を決定する前の約400回の試験すなわち全部で3000個の測定値についての比μ/Gat 50% of maxの関数として比μmax/Gmaxの値を示すものである。図7は、変えることができる多くの路面条件、種々のタイヤおよび試験条件(荷重、速度、圧力)を反映している。これにより、上記不変量(Invariant)「Invt」の卓越した実験的確認についての理解が得られる。
【0019】
考察されるタイヤおよび試験条件の如何にかかわらず、次式を満たすことが判明している。
【数式2】
上記比は、以下に「Invt」で示す不変量である。
【0020】
次に、曲線μ(G)(図8参照)の平均傾斜が考察される。この傾斜をαとすれば、次式が得られる。
【数式3】
この傾斜はG(該Gは、曲線の少なくとも第一部分での好ましい近似値である)で直線的に変化する。従って、直線α(G)の式を次式のように計算できる(直線的変化であると仮定する。図9参照)。
【数式4】
この式(2)および前のセクションで説明された不変量「Invt」から、次式が得られる。
【数式5】
これから、Gmaxが演繹され、これは、車両のブレーキシステムコントローラが目指す目標であり、本発明によれば次式が得られる。
【数式6】
Gmaxを計算できるようにする原理(より詳しくは、トレッドが摩擦係数μmaxで機能するときの有効スリップ)は、タイヤの種類の如何にかかわらず、摩耗またはエージングの如何にかかわらず、およびタイヤの使用条件の如何にかかわらず、目標Gの値を決定できる。
【0021】
また、上記式(2)は線形回帰が、スリップGの関数としての摩擦係数μの変化の進化(evolution)を非常に正確にモデル化できることを示しているが、最も適当な回帰形式についての賢明な選択がなされれば、ここに提案される手順の精度を向上できることが判明している。かくして、回帰の適当な形式を選択することは本発明に包含され、このことは、一般に、以下に説明する調整手順を提案する。
【0022】
上記観察は、スリップGに対する摩擦係数μの変化を表す曲線に基いたものであり、この現象は非常に良く似た曲線を有するので、タイヤのドリフト角の関数としての横方向力Fに対して有効性を維持する。従って本発明は、次の特性を有する物理的現象に適用される。
・Xを、タイヤのスリップG(本発明の一実施形態)であるとするか、タイヤのドリフト角δ(本発明の他の実施形態)であるとして、Xを測定するか、評価する。
・Yを、それぞれタイヤの摩擦係数μ(本発明の一実施形態)であるとするか、タイヤの横方向力F(本発明の他の実施形態)であるとして、Yを測定するか、評価する。
【0023】
この目的は、低いXの値に向けて出発するプロセスY(X)では、できる限り早くYの値を最大にすることである。ここでは、実際の測定(または評価)(一般に、入力Xおよび出力Yでのノイズにより影響を受ける)に関連して、特に、最大値を演繹的に知ることなくかつ最大値を超える必要なく最大値を得ることを可能にするロバストアルゴリズムが提案されている。この方法は絶対値を必要としない。
【0024】
スリップ態様並びにドリフト態様に対して有効である以下の観察が使用された。すなわち、
(Xmax)の最大値での割線(secant)と、X=Xmax/2での割線との間には下回る関係が存在する。一般的な関係は一定の商(不変量)である。この不変量は、特定現象へのこの方法の各適用時に決定されなくてはならない。
【0025】
不変量を決定する実用的な非制限的方法は次の通りである。すなわち、
【数式7】
ここで、pは、常に、1より小さい正の値である。pの値は、0.25〜0.75の間が有利である。pの値が小さいほど、方法の精度が低くなるが、自動制御の反応度は高くなる。逆に、pの値が大きいほど、精度が高くなるが、最終獲得が最大値に非常に近くなるため反応度は低くなる。これが、pの値として0.5が好ましい理由である。
【0026】
0<Invt≦1は常に維持される。考察している物理的現象での固有不変量として上記した「Invt」は、実際に、特定分野へのあらゆる適用を行なうため、特定システムの洗練での調節変数を提供することによりアルゴリズムを微細に調節することを可能にする自由度となる。
【0027】
一般に、第一近似として次式が考察される。
【数式8】
Xの関数としての割線の変化は簡単な内挿曲線(一般的には、線形または指数曲線であり、出力曲線のこともある)により調節される。調節はリアルタイムで行なわれる。この場合には、これから、最大値Xmaxが得られる(外挿)前に、最大値Xmaxの位置を演繹できる。
【0028】
Xの関数としての割線の関係についての他の回帰形式を使用でき、この場合には、最大値Xmaxの分析公式または近似公式を得るのに、対応システム(最大値での割線の値を半値にリンクさせる等式:〔Eq〕)を解くことが賢明である。Yについてのスケール誤差(例えば、Yは、50%だけ系統的に課題評価される)は、Xmaxの予測値を変化させず、これにより、スケール効果に非常に有利な低い感度を与える。
この意図は、物理的曲線の不変量に基いて、利用できる全ての関連情報を用いることにより、最大値に向かって「上昇」する間に付随する「測定」により最大値を演繹することである。
【0029】
図1は、提案するアルゴリズムを示し、この主な段階は次の通りである。
1.実際の可能性に従って、測定または評価による点(Xi、Yi)の獲得。少なくとも2つの点を獲得するのが賢明である。Xiは非ゼロを表し、ここでは、小さ過ぎて不適当な値を無くすべく最小閾値が賦課される。
【0030】
2.前の値を用いた割線の計算。割線の値は、αi=Xi/Yiを直接計算するか、ノイズを無くすためi以下の全ての添字点を考慮して、適当な回帰、例えば、
【数式9】
を行なうことにより評価される。これは、線形回帰が個々の点での測定ノイズに対する感度が非常に小さいという本質によるものであり、充分な数の点が考察されると外乱が「互いに相殺される」傾向を有する(基本静的特性を参照)。このアプローチは、従来とは異なり、対象とする個々の値ではないが(ノイズが多くて不正確)、複数の値から生じる傾向を有するため、特に優れたものである。従って、対(αi、Xi)が得られる。
【0031】
3.対(αi、Xi)を用いた回帰の計算。回帰は、対象とする物理的現象およびノイズレベルに従って洗練しなければならないが、測定または評価された充分な数「n」の点(一般には、5つの点)から計算される。
・線形回帰の場合
【数式10】
・指数回帰(exponential regression)の場合
【数式11】
【数式12】
従って、AおよびBは、殆どの適当な回帰により得られる。示したもの以外の他の回帰を使用することもでき、考察すべき種々の回帰は、選択された回帰の係数を得ることができる当業者には良く知られている。
【0032】
4.次に、Xmaxの評価が計算される。
・線形回帰の場合には、α=ALin・X+BLinを用いて次式が得られる。
【数式13】
指数回帰の場合には、次式が得られる。
【数式14】
【0033】
5.この方法の特別な使用に従ってXmaxを知ることができると、殆どの適当なパラメータが調節される。例えば、パラメータXの値は、その値をXmaxに維持すべく自動的に制御される。
【0034】
6.必ずしも有効といえないかもしれないが、Ymaxの評価を計算するまで続行できる。
・線形回帰の場合には、更に、Ymaxが次のように決定される。ここで、Ycoeff_linは、実験的に調節される係数である。
【数式15】
・指数回帰の場合には、更に、Ymaxが次のように決定される。ここで、Ycoeff_expは、実験的に調節される係数である。
【数式16】
Ymaxの計算例:
線形:
【数式17】
指数:
【数式18】
最大値の近くでの曲率が、割線の近似値であると考える関数の種類に正確に一致しないため、Ymaxの予測値に小さい補正を行なうことは有効である。補正係数(線形の場合には1/0.75=Ycoeff_lin、または指数の場合には1/1.19=Ycoeff_exp)は、本発明の適用に従って、ケースバイケースで実験的に調節すべきである。
【0035】
本発明の幾つかの可能適用例について以下に詳細に審査する。以下の記載は限定的なものでも排他的なものでもない。
【実施例1】
【0036】
例1:車両に装着されたタイヤの機能の、或る摩擦係数例えば最大摩擦係数μ max での自動維持
長手方向グリップμ(G)に関する適用例に戻って説明する。この場合には、本願明細書の冒頭部分で既に説明したように、Yはタイヤの摩擦係数μ、すなわち、長手方向力(例えば駆動力または制動力)を、加えられた垂直力(すなわちタイヤに加えられた荷重)で割った商であり、XはタイヤのスリップGの比である(タイヤの速度と車両の速度との間にスリップが存在しないとき、すなわちタイヤが自由に転がるときはG=0%であり、タイヤの回転がロックされたときはG=100%である)。一般に、環境(路面の性質(アスファルトまたはコンクリート)、ドライまたはウェット(水レベル)、温度、およびタイヤの摩耗レベル)に基いて、スリップGの関数としてのμの値は非常に大きく変化する(μは、氷上で約0.15、ドライ路面上で約1.2である)。図4を参照すると、ここには、或る荷重および速度条件で測定された新しいXH1 195/65R15タイヤについてのスリップGの関数としてのμの幾つかの曲線が示されている。
【0037】
本願で提案するシステムは、特に、スリップGを自動制御して、所定の最適値GOptに維持することができる。前記所定スリップGOptは、より詳しくは、非制限的態様で、摩擦係数の所定値が実質的に値μmaxに一致するように選択される。この場合、これを特定最適値Gmaxと名付けることが一般的に行なわれている。
このタイヤの最大値の位置は路面に基いて変化することが判明している。また、いかなる一致(unity)も存在しないことがある。達成される同じ最大レベルについて、2つの一致するスリップを得ることができる。それにもかかわらず、これらの曲線が共有する1つの不変量「Invt」が存在する。
【0038】
不変量を決定する方程式を、スリップの関数として摩擦係数の分析の場合に適用することにより、不変量は、1より小さい正の値をもつpを用いて、より詳しくは次式のように計算される。
【数式19】
上記のように、pに関する限り、その値は0.25〜0.75の間、例えば0.5が好ましく、pの値の選択の結果に関して上記一般的表示を参照されたい。
【0039】
かくして次式が得られる。
【数式20】
データを、他のパラメータY(例えば摩擦係数μmax)の最大値に一致するパラメータX(例えばスリップG)の第一値で、および第一値の50%(例えば上記スリップの50%)に一致する第二値で処理することにより、1つの不変量「Invt」が導入された。50%での処理の選択は任意であること、および処理が摩擦係数μmaxに一致するスリップの25%または75%で遂行される場合には不変量が得られることも判明している。従ってこの選択は、特に、各特定用途への実験的フェーズの一部である。
【0040】
次に、傾斜αiを決定することが賢明である。これはαi=μi/Giの直接計算により行なわれ、適当な回帰(例えば、次式のような線形回帰)が使用される。
【数式21】
或いは、2つの特定係数Ap、AおよびBが、「n」個の測定点または評価点に適用される下記線形回帰により計算される。
【数式22】
【0041】
次に、線形回帰が使用される場合には、α=ALin・G+BLinを用いて、GOptが下記のように計算される。
【数式23】
必要ならば、下記のように、GOptに一致するμの値が決定されるまで続けることができる(ここで、μcoeff_linは実験的に調節される係数である)。
【数式24】
【0042】
割線の線形アプローチにより決定される下記表は、2バールの膨張圧力により種々の路面で試験されたMICHELIN XH1 195/65−15タイヤでの実際の測定値からの最大スリップの計算を示すものである。
【表1】
【0043】
さもなくば、2つの特定係数Ap、AおよびBは、下記の指数回帰により計算される。
【数式25】
【数式26】
【0044】
次に、指数回帰が使用される場合には、GOptが下記のようにして計算される。
【数式27】
必要ならば、下記のように、μmaxの値が決定されるまで続けることができる(ここで、μcoeff_expは実験的に調節される係数である)。
【数式28】
【0045】
この原理は、あらゆる種類のタイヤおよびあらゆる種類の路面について最大グリップを決定するのに適用でき、これにより、軌道制御システムの信頼性に対し非常に大きい有利性が得られる。
本願に提案する方法は、摩擦係数の変化のみが取扱われ、その絶対値は取扱われないので自己適応性を有しかつ非常にロバスト(robust)である。また、ノイズに対する感度が非常に低いことも判明している。
スリップの関数としてタイヤの長手方向グリップに適用される上記方法に固有の性質は、車両のブレーキシステムでのタイヤのグリップのモデル化に非常に適している。
【0046】
車両のブレーキシステムは効率的であるが、それは製造業者が選択する一定数のタイヤ最適であること、および車両に実際に装着されたタイヤには適用できないことは知られている。より詳しくは、良く知られているように、特に所与の路面上の力Fxでのグリップおよびスリップにおいて極めて異なる挙動を呈する冬期タイヤには適用できない。従って、車両のブレーキシステムの効率は、車両に実際に使用されているタイヤに自動的に適用できるならば改善される。
【0047】
もちろん、現在の一般的な設計による内燃機関を備えた車両の場合には、タイヤにスリップを伝達する手段は、本質的に制動状況でのブレーキでありかつ本質的に駆動力が作用するエンジン管理システムである。当業者ならば、本発明を他の車両設計例えば電気自動車に適用することは容易であろう。
もちろん、上記本発明は、システムのコントローラが、上記手段以外に、スリップをタイヤに伝達する手段の何らかの特別な付勢時に、例えば(Gi、μi)の評価値または測定値の観点で、或る状況でより望ましい他のスリップ制御ストラテジーを具現する他のプログラムによりローディングされることを排除するものではない。
【0048】
より詳しくは、不変量を決定する好ましいアプローチは次の通りであり、この場合にも0.25〜0.75の間の値、一般には0.5を有するpを使用する。
【数式29】
【0049】
本発明の特定実施形態では、スリップを変調するデバイスがブレーキ制御に作用する。本発明の他の実施形態では、スリップを変調するデバイスがホイールでの駆動トルクに作用する。
【0050】
車両のブレーキシステムに特に有効な新しいアルゴリズムであって、上記不変量「Invt」に基いて摩擦係数μmaxの位置を決定できるようにするアルゴリズムを創出することが提案される。理解されようが、このようなシステムは摩擦係数μmaxの評価を行い、次に、基準曲線により最適スリップを選択する。これらの段階を下記のもので置換することを提案する。
【0051】
この原理の実施は、ABSコントローラに幾つかの修正を必要とする。すなわち、
・計算周波数は40Hz以上であるのが好ましい。
・信頼できる(代表的な)目標を計算するための充分に多数の位置を獲得すべく、ABSのトリガリングを調整することが賢明である。
・スリップでの測定点を非常に少数(例えば、1%以下のスリップに一致)に減少させることが有利である。
・スリップGの非常に高い精度が得られるようにするには、特殊手段を用いるがホイール速度データ処理(GPS、路面観察…)を行わないで車両速度を獲得するのが有利である。
【0052】
上記提案により、車両のブレーキシステムの効率は、車両に現実的に使用できる全範囲のタイヤに亘って非常に優れたものとなる。
【0053】
開発された新しいアルゴリズムは、システムを、いかなる付加センサおよびタイヤトレッドの測定をも必要とせず、あらゆる種類のタイヤに自動的に適合させることができる。また、このアルゴリズムは、所与の車両に選択されるタイヤの種類に対して微調節の必要性を無くすことができる。
【0054】
上記のように、本発明の方法は、測定値についてだけでなく、評価値についても結果を得ることができる。実際の(評価したものではない)力FX、FyおよびFZに関する情報は、より正確な目標をもつこと、および/または賞賛に価するチェックを行なって、車両のブレーキシステムの信頼性を向上させることができる。
【実施例2】
【0055】
例2:車両に使用されるタイヤの機能の分析、ドリフト条件を受けるタイヤ、および発生した横方向力F y の分析
他の適用例を以下に説明する。この適用例は、タイヤのドリフト角δの関数として横方向力Fyを特徴付けることを有している(ドリフト角δは、ホイールの平面の路面上の突出部と路面上での車両のベクトル速度とのなす)角度である。最適ドリフト角δOpt例えばタイヤが最大横方向力Fyを発生するドリフト角は予め決定でき、横方向力Fymaxも予め決定できる。最大横方向力は、例えば、関連する車両の平衡にとって重要なものである。
【0056】
横方向Fyとドリフト角δとの関係は、前のセクションで述べたμとGと同じ形式である。従って、例えば不変量は下記のように決定できる。
【数式30】
上記のように、pに関する限り、その値は0.25〜0.75の間、例えば0.5であるのが好ましく、pの値の選択の結果に関して上記一般的表示を参照されたい。この正確な場合には、大きさ「Invt」は顕著に高いものとなる。値が小さくなり過ぎて、割線の決定を妨げることを回避するため、2°の最小ドリフト角閾値を維持すると同時に0.8の値が得られた。
【0057】
図3は、ドリフト角に対するドリフトスラストの変化、および/または原点と、同じドリフト角での前の曲線の点とを通る割線の同じドリフト角での変化を示す曲線である。キャンバをもたず、5000ニュートンの荷重を受けるMichelin Primacy 235/55R17タイヤでは、本発明の方法により評価された最大ドリフト角は5.5°、および最大評価ドリフトスラストは5935ニュートンである。
【0058】
次に、傾斜αiを決定するのが賢明である。これは、αi=Fi/δを直接計算することにより行なわれ、または適当な回帰例えば下記のような線形回帰が使用される。
【数式31】
或いは、「n」個の測定点または評価点で適用される下記の線形回帰により2つの特定係数Ap、AおよびBが計算される。
【数式32】
線形回帰が使用される場合には、α=ALin・δ+BLinを用いて、δOptが下記のように計算される。
【数式33】
アルゴリズムを適用することにより、横方向力(Fy)が約6°のドリフト角δでその最大値を達成するように予め定められている。タイヤがスリップを開始する前に横方向スラストを生じさせる可能性はもはや大きくないことを知ることができるので、この情報は価値あるものである(横方向スラストが飽和すると車両が旋回することが防止される)。
【0059】
必要ならば、下記のように、δOptに一致するFの値が決定されるまで続けることができる。ここで、Fcoeff_linは指数的に調節される係数である。
【数式34】
さもなくば、2つの特定係数Ap、係数AおよびBは、「n」個の測定点または評価点に適用される下記の指数回帰により計算される。
【数式35】
【数式36】
次に、指数回帰が使用される場合には、GOptが下記のようにして計算される。
【数式37】
必要ならば、下記のように、μmaxの値が決定されるまで続けることができる(ここで、μcoeff_expは実験的に調節される係数である)。
【数式38】
【0060】
この態様により、本発明は、タイヤの機能を制御する方法を提案し、本発明の方法は、横方向力が最大であるタイヤのドリフト角δの値を予測するフェーズを有し、ドリフト角が、ドリフトスラストを発生させる能力が飽和されるほどの大きさになると警告信号を設定し、ドリフトスラストに関してタイヤの最大ポテンシャルに極めて接近すると警告がドライバに与えられるようにし、または、車両の安定性を自動的に制御するシステムに一体化された、より進歩した態様では、警告信号が発生された場合に車両の速度が自動的に制限または減速され、他の任意の補正段階が行なわれる。
【0061】
本発明は能動車両(後車軸および/または前車軸の能動ステアリング機構、またはボディロールの能動制御装置、または車両の横方向平衡に作用する任意のシステムを備えており、従って、タイヤに賦課される横方向スラストに作用する車両)にも適用できる。すなわち、車両の横方向安定性を自動制御するシステムからの命令に従って反応することもできる。
【0062】
この点に関し、本発明は、路面上を走行することを意図した少なくとも1つのタイヤを有する車両の安定性を制御するシステムにも拡大される。車両には、車両に使用される技術に基いて、車両のドライバにより該ドライバの制御手段に伝達される命令に基いて、およびタイヤの機能をドリフトスラストFtargetの所定の目標値に維持することを目的とする毛色コントローラにより与えられる命令に基いて、すなわち各車軸のタイヤのドリフト角に直接的または間接的に基いて、選択されたパラメータ(以下、パラメータ「λ」と呼ぶ)を制御するシステムが設けられている(例えば、前記パラメータ「λ」は能動舵取りを行なうための前後のホイールのステアリングであり、または前記パラメータ「λ」は能動アンチロールのためのボディロールであり、またはパラメータ「λ」は制動アクチュエータを介して安定制御を行なうための制動力である)。走路コントローラは、ドリフトスラストFtargetの最大値に一致するドリフト角の少なくとも1つの最適値δOptを使用し、前記コントローラは、下記の作動を遂行する手段を有している(前後の車軸が同じでなく、左右のタイヤが異なっている各車軸での作動が好ましいが、本発明の原理は、1つのタイヤのみに適用できるものであるが、当業者ならば全てのタイヤに対処させることができるであろう)。
【0063】
・ドリフト角の少なくとも2つの異なるレベル「i」で前記パラメータ「λ」を制御するシステムを付勢する度毎に、FYiおよび関連するドリフト角δiの種々の値を記録し、
・原点と点(δi、FYi)とを通る直線の傾斜αiを決定し、
・点(αi、δi)を用いて直接計算するか、充分な数の対から適当に回帰することにより、より詳しくは線形回帰および指数回帰からなる群から選択された回帰により係数Apを計算して、変化曲線αi=f(δi、Ap)をモデル化し、
・所定の不変量「Invt」を用いて、ドリフトスラストFtargetの最大値に関連するタイヤドリフト角の最適ドリフト角の値δOptを計算し、
・ドリフト角δがδOptに近付いたときに警告信号を発生する。
【0064】
前述のように、最適ドリフト角δは、直接計算または回帰の選択から得られるモデル化公式(上記変化曲線)により計算される。より詳しくは、不変量を決定する好ましいアプローチは、0.25〜0.75(一般的に0.5)の間の値をもつpを使用する次式である。
【数式39】
【0065】
本発明の特定の実施形態では、警告信号が発生されると、選択されたパラメータを制御するシステムが付勢され、ドリフト角δを最適値δOptに維持する。他の実施形態では、警告信号が発生されると、車両速度が制限または減速される。
【0066】
強調すべき重要なことは、スリップの関数として摩擦係数を用いることと、ドリフト角の関数としてドリフトスラストを用いることとは相反的なものではないということである。特に、これらの2つの態様を同時に使用することは、車両の走路の自動制御システムにとって有利なことである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明による自動制御手順を示すブロック図である。
【図2】スリップに対する摩擦係数の変化を示す曲線と、原点と前記スリップと同じスリップでの前の曲線の点とを通る割線の同じスリップでの変化を示す曲線とを示すグラフである。
【図3】ドリフト角に対するドリフトスラストの変化を示す曲線と、原点と前記ドリフト角と同じドリフト角での前の曲線の点とを通る割線の同じドリフト角での変化を示す曲線とを示すグラフである。
【図4】種々の試験条件下での同一タイヤのスリップに関する摩擦係数の変化についてプロットした幾つかの曲線を示すグラフである。
【図5】多数のタイヤおよび種々の試験条件下での摩擦係数μmaxおよびの位置および関連するスリップGmaxの位置を示すグラフである。
【図6】スリップに対する摩擦係数の変化を示す一般的な概略曲線であり、このグラフには2つの特別な点すなわち摩擦係数μmaxおよびこの関連スリップGmaxが印されており、摩擦係数μ50%に対応する慣用点は、Gmax/2で慣用的に印されたスリップGmaxを50%上回っている。
【図7】多数のタイヤおよび種々の試験条件下での摩擦係数μmaxに関連するスリップについての摩擦係数μmaxの商μ/G(Gmaxでの商)、および摩擦係数μmaxに関連するスリップの50%のスリップについての摩擦係数の商μ/G(Gmaxの50%での商)に対応する縦軸上の点の位置を示すグラフである。
【図8】スリップに対する摩擦係数の変化を示す一般的な概略曲線および原点を通る割線の過程および3つの特定点のスリップの曲線を示すグラフである。
【図9】原点と、同じスリップでの摩擦係数の変化曲線の点とを通る割線の傾斜のスリップの関数としての線形変化を示す一般的な概略曲線のグラフである。
【図10】Xに対するYの変化を含む現象への一般的な適用曲線であって、特定XについてのYの最大値およびYの最大値での単調上昇を呈する曲線を示すグラフである。
【0001】
本発明は、車両の安定性を制御するシステムに関し、より詳しくは、ブレーキを作動したときにホイールのロックを防止することを目的とした前記制御システムの機能に関する。本発明のシステムは用語「ABS」として広く知られているが、例えば用語「ESP」として広く知られているシステムにおけるように1つのホイールにブレーキを自動的に作動することにより、または他の任意のアクチュエータ(四輪操舵、能動アンチロール…)に作動することにより車両を安定走路上に維持することを目的として、一層精巧な制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の制動は、トレッドが最大摩擦係数値に一致するスリップGで機能するように作られると、一層効率的になることが知られている。最大摩擦係数値はμmaxと呼ばれている。しかしながら、平均的ドライバは、この条件を満たすように制動を制御することはできない。
【0003】
第一のいわゆる「ABS」ブレーキシステムは、タイヤがほぼ最大グリップで振動するようにタイヤを機能させるべく制動力を自動的に変調している(実際に、制動アクチュエータは一般に油圧ジャッキであり、ABSシステムが油圧を変調している)。このことは、再び最大グリップよりほんの僅か小さくなるように制動力を低下させる前にホイールのロック(ホイール回転の突然的停止)を開始させることにより最大グリップを検出できるようにするため、最大グリップを超えることを含むものである。次に制動力は、最大グリップを超えるまで再び自動的に増大され、次に低下される。
それにもかかわらず、この方法は、最大摩擦係数値μmaxに一致するGmaxを簡単に超えることを含んでおり、これに対し理想的な状況は、目標スリップを大きく超えることが無く、目標スリップに近付くことである。重要なことは、Gmaxは最大可能スリップ値ではないと慣用的に言われているが、実際には摩擦係数がその最大可能値を有する特定スリップであることに留意することである。
【0004】
制動効率は、最大摩擦係数に一致するスリップの近くでのスリップ変化の細かさによって定まる。効率に言及するとき、本願での唯一の関心事は、緊急制動時に車両のドライバが車両を走行させることができる或る能力を付与するABSシステムの大きい利益は別として、減速の大きさにある。従って、本発明に関しては、制動は、その効率が高いほど制動距離は短くなる。このような制動効率は、制動が最大グリップ係数のレベルにない期間、すなわち過度のスリップの期間および不充分なスリップの期間により損なわれる。
【0005】
第一のいわゆる「ABS」ブレーキシステム(その機能は前述したとおりである)は、種々のタイヤに自動的に適合できるという長所を有していた。この特徴は、例えば、最大摩擦係数での新品タイヤのスリップの方が最大摩擦係数での摩耗タイヤのスリップより大きいことが知られているように、最大摩擦係数での冬期タイヤのスリップが最大摩擦係数での夏季タイヤのスリップよりかなり大きいことが知られているため重要である。残念なことに、この自動制御形式により引起こされる振動は不快であり、ドライバがブレーキペダルに加える押圧力を緩めてしまう効果をもたらすことがある。この世代のブレーキシステムは、例えば米国特許(下記特許文献1参照)に開示されており、該米国特許にはこのようなシステムの改善が説明されている。
【0006】
このシステムは種々のタイヤに適合できる。このために、圧力が段階的に増大される。この場合にはホイールの回転速度の増大が観察され、このため、この圧力を増大させるべきか低下させるべきかが演繹される。すなわち、この自動制御は「適応性」があるが、本来的に振動を発生する。
現在では、車両の安定性制御システムは、最大摩擦係数に一致するように推測された所定の目標スリップを目指して制動力を自動的に変調している。
【0007】
従ってこの場合には、車両ブレーキシステムは、トレッドが、選択された最適スリップレベルで機能する制動力を維持することを目指している。このようなシステムは、各ホイールの回転速度VTyreを連続的に測定する。特定のアルゴリズムでは(例えば下記特許文献2参照)、車両速度VVehicleの評価が得られる。従って、瞬間スリップG=1−VTyre/VVehicleの評価を利用できる。理想的には、この評価されたスリップが最適スリップ以下に維持される限り制動力を低下させてはならないか、自動制動ブースティングの機能が自動的に増大させることもできる(例えば下記特許文献3参照)。最大可能制動力が達成されると、制動圧力は最適スリップGmax、すなわち最大摩擦係数(μmax)に一致するスリップを維持すべく調整される。
【0008】
この維持は、最適スリップを決定することである。欧州特許出願(下記特許文献4参照)では、これは、評価された摩擦係数μおよび同様な評価された車両速度の関数として目指すべき値を与える基準曲線から行なわれる。摩擦係数μの評価は次のように行なわれる。制動が均質路面上で直線的に行なわれるときは、路面上でのタイヤの制動力FXは、ホイールおよびそのブレーキの制動圧力から決定される。全てのタイヤにより加えられる力を知ることにより、従って車両の特徴である負荷伝達、従って各ホイールについての負荷変動を考慮に入れて車両の減速度を計算できる。これから、各タイヤに加えられる垂直荷重FZの近似値を演繹できる。かくして、摩擦係数μ=FX/FZの評価が得られる。評価または測定により対応する横方向力FYが分れば、摩擦係数のより正確な評価が、公式
【数式1】
により与えられる。本発明に関しては、これらの2つの評価は等価であると考えられる。同様に、これは本発明が関連する技術分野の当業者には明白であり、制動について説明した全てのことは、加速度の場合に有効である。すなわち制動力は、グリップについての考察に間して、これらを修正するアクチュエータが同じでない場合でも、駆動力と等価である。
【0009】
また、前記基準曲線を参照することにより、評価されたスリップGについての基準係数μがどれほどになるかが確立される。現在の評価スリップが目標スリップより低い限り、スリップは、スリップ値が実質的に一致するまで増大される。この第二システムの長所は、第一システムよりも最大スリップに関する振動が小さいことである。
残念なことに、この基準曲線は、実験的に決定、従って一定数のタイヤについて予め決定したものであり、これらの使用条件例えば膨張圧力、摩耗レベル等を超えて、車両のタイヤ機器の実際の状態を考慮に入れることはできない。この自動制御原理は、実際には振動を制限または除去するものであるが、制動効率は大幅に損なわれる。なぜならば、事実上本来的に使用されるタイヤは、実際に基準曲線でプログラムされたものとは非常に異なった最大摩擦係数でのスリップを必要とする。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第3,980,346号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,402,345号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,816,666号明細書
【特許文献4】
欧州特許出願EP05303025号明細書
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、車両のタイヤ作動の自動制御原理を提案することにより上記欠点を解消することにあり、その第一の態様はタイヤのスリップに関し、第二の態様はタイヤのドリフトに関するものである。本発明は、以前に簡単に説明した第一の既知の方法と同様に自己適応性を有し、かつ最適スリップでまたは最適ドリフト作動条件で、すなわちグリップ限度を超える必要なくして、第二方法のように少ない振動となることをより確実に目指すものである。
本発明の一目的は、車両でのできる限り簡単な測定によりかつできる限り少数の測定値により、考察するタイヤの実際の転がり条件に基いて、制動時(または駆動力が作用しているとき)の最大摩擦係数に関連するスリップを予測することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、以下に詳述する観察に基いており、不変量、すなわちタイヤおよび該タイヤが使用される路面の両方から独立した定数をもつパラメータの存在を識別できる。
本発明の第一態様によれば、本発明は、路面上を走行することを意図したタイヤに長手方向の力を伝達する手段と、該長手方向の力を変調する手段と、摩擦係数μの所定値に一致する少なくともパラメータスリップGOptを用いるコントローラとを有する車両の安定性を制御するシステムにおいて、前記コントローラは、下記のように、すなわち、
・各々が1つのスリップGiに一致する長手方向の力の少なくとも2つの異なるレベル「i」で長手方向の力をタイヤに伝達する手段を付勢する度毎に、グリップのいかなる損失も存在しない条件で摩擦係数μiの値を決定し、
・原点と点(Gi、μi)とを通る直線の傾斜αiを決定し、
・点(αi、Gi)を用いて直接計算するか、充分な数の対から適当に回帰することにより係数Apを計算して、変化曲線αi=f(Gi、Ap)をモデル化し、
・所定の不変量「Invt」を用いて最適スリップGOptを計算し、
・長手方向の力をタイヤに伝達する手段に作用して、スリップを最大値GOptに維持する、
ことにより前記パラメータ(単一または複数)を計算する手段を有していることを特徴とする車両の安定性制御システムに関する。
【0013】
本発明では、摩擦係数は上記のようにして、またはもちろん他の方法、例えばタイヤまたはその環境で遂行される測定により評価される。かくして、スリップに関するタイヤの機能のモデル化(上記変化曲線)が得られ、このモデル化は、所定の最適レベルでのスリップの制御、より詳しくは例えば、タイヤの最大グリップに対応するスリップの制御に関する適用を見出すことができ、かつ、既に強調したように、タイヤにより伝達される長手方向力が制動力である状況、およびタイヤにより伝達される長手方向力が駆動力である状況の両方に適用できる。
【0014】
本発明に関連して、トレッドのグリップ特性が、空気タイヤ、または非空気弾性外側ケーシングを取扱うものでも、更にはクローラトラックを取扱うものでも問題ではないことに留意すべきである。用語「トレッド」、「タイヤ」、「外側ケーシング」、「弾性外側ケーシング」、「クローラトラック」または「ホイール」は、均等物であると解釈すべきである。
【0015】
他の好ましい適用例では、本発明は、横方向力の飽和状態近くの機能領域において車両上で作動するタイヤまたは弾性外側ケーシングにより発生される横方向力の分析に関する。
従って、第二態様によれば、本発明は、路面上を走行することを意図した少なくとも1つのタイヤを有する車両の安定性を制御するシステムであって、車両には、車両ドライバにより該ドライバの制御手段に伝達される命令に基いておよびタイヤの機能をドリフトスラストFtargetの所定目標値に維持することを目的とする走路コントローラにより供給される命令に基いて、選択されたパラメータ「λ」を制御するシステムが設けられており、走路コントローラは、ドリフトスラストFtargetの最大値に一致するドリフト角の少なくとも1つの最適値δOptを使用し、前記コントローラは、下記の作動、すなわち、
・ドリフト角δの少なくとも2つの異なるレベル「i」で前記パラメータ「λ」を制御するシステムを付勢する度毎に、FYiおよび評価されまたは測定されたドリフト角δiの種々の値を記録し、
・原点と点(δi、FYi)とを通る直線の傾斜αiを決定し、
・点(αi、δi)を用いて直接計算するか、充分な数の対から適当に回帰することにより係数Apを計算して、変化曲線αi=f(δi、Ap)をモデル化し、
・所定の不変量「Invt」を用いて、ドリフトスラストFtargetの最大値に関連する最適ドリフト角の値δOptを計算し、
・ドリフト角δがδOptに近付いたときに警告信号を発生する、
ことを遂行する手段を有していることを特徴とする車両の安定性制御システムに関する。
【0016】
本発明は、車両の安定性を制御するシステムに関する。このことは、制動力が加えられたときにホイールのロックを防止することを目的とする用語「ABS」として広く知られた機能、または物理的に可能な限度まで制動力を自動的に増大させることを目的とした機能の両方を意味する。また本発明の車両の安定性制御システムは、1つのホイールのブレーキに自動的かつ選択的に作用することにより、および/または1つまたは幾つかのホイールにまたは車両の挙動に影響を与える他の任意のアクチュエータに自動的かつ選択的に作用することにより、車両を安定走路上に維持することを目的とする車両の安定性制御システムの一層精巧な態様を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
本発明は、次の観察に基いている。
図4は、2バールの膨張圧力で種々の路面上で試験した同一のMICHELIN XH1 195/65−15タイヤについてのスリップの関数としての摩擦係数μの種々の曲線を示すものである。図5は、種々のタイヤ、種々の路面、および速度、タイヤ荷重等に関する種々の試験条件に対応する非常に多くの試験についての摩擦係数μmaxの位置および対応スリップを示すものである。これらの値は広く拡散しているため、このようなアプローチを用いてグリップの物理的現象を把握できるようにする回帰(regression)を見出すことは、架空でない限り困難であることは理解されよう。
従って、本件出願人は、以下に述べる方法で研究を行なってきた。G=GmaxおよびG=Gmax/2(「50%」で示した)について計算した商の分析も行なわれた(図6参照)。
【0018】
図7は、平均値を決定する前の約400回の試験すなわち全部で3000個の測定値についての比μ/Gat 50% of maxの関数として比μmax/Gmaxの値を示すものである。図7は、変えることができる多くの路面条件、種々のタイヤおよび試験条件(荷重、速度、圧力)を反映している。これにより、上記不変量(Invariant)「Invt」の卓越した実験的確認についての理解が得られる。
【0019】
考察されるタイヤおよび試験条件の如何にかかわらず、次式を満たすことが判明している。
【数式2】
上記比は、以下に「Invt」で示す不変量である。
【0020】
次に、曲線μ(G)(図8参照)の平均傾斜が考察される。この傾斜をαとすれば、次式が得られる。
【数式3】
この傾斜はG(該Gは、曲線の少なくとも第一部分での好ましい近似値である)で直線的に変化する。従って、直線α(G)の式を次式のように計算できる(直線的変化であると仮定する。図9参照)。
【数式4】
この式(2)および前のセクションで説明された不変量「Invt」から、次式が得られる。
【数式5】
これから、Gmaxが演繹され、これは、車両のブレーキシステムコントローラが目指す目標であり、本発明によれば次式が得られる。
【数式6】
Gmaxを計算できるようにする原理(より詳しくは、トレッドが摩擦係数μmaxで機能するときの有効スリップ)は、タイヤの種類の如何にかかわらず、摩耗またはエージングの如何にかかわらず、およびタイヤの使用条件の如何にかかわらず、目標Gの値を決定できる。
【0021】
また、上記式(2)は線形回帰が、スリップGの関数としての摩擦係数μの変化の進化(evolution)を非常に正確にモデル化できることを示しているが、最も適当な回帰形式についての賢明な選択がなされれば、ここに提案される手順の精度を向上できることが判明している。かくして、回帰の適当な形式を選択することは本発明に包含され、このことは、一般に、以下に説明する調整手順を提案する。
【0022】
上記観察は、スリップGに対する摩擦係数μの変化を表す曲線に基いたものであり、この現象は非常に良く似た曲線を有するので、タイヤのドリフト角の関数としての横方向力Fに対して有効性を維持する。従って本発明は、次の特性を有する物理的現象に適用される。
・Xを、タイヤのスリップG(本発明の一実施形態)であるとするか、タイヤのドリフト角δ(本発明の他の実施形態)であるとして、Xを測定するか、評価する。
・Yを、それぞれタイヤの摩擦係数μ(本発明の一実施形態)であるとするか、タイヤの横方向力F(本発明の他の実施形態)であるとして、Yを測定するか、評価する。
【0023】
この目的は、低いXの値に向けて出発するプロセスY(X)では、できる限り早くYの値を最大にすることである。ここでは、実際の測定(または評価)(一般に、入力Xおよび出力Yでのノイズにより影響を受ける)に関連して、特に、最大値を演繹的に知ることなくかつ最大値を超える必要なく最大値を得ることを可能にするロバストアルゴリズムが提案されている。この方法は絶対値を必要としない。
【0024】
スリップ態様並びにドリフト態様に対して有効である以下の観察が使用された。すなわち、
(Xmax)の最大値での割線(secant)と、X=Xmax/2での割線との間には下回る関係が存在する。一般的な関係は一定の商(不変量)である。この不変量は、特定現象へのこの方法の各適用時に決定されなくてはならない。
【0025】
不変量を決定する実用的な非制限的方法は次の通りである。すなわち、
【数式7】
ここで、pは、常に、1より小さい正の値である。pの値は、0.25〜0.75の間が有利である。pの値が小さいほど、方法の精度が低くなるが、自動制御の反応度は高くなる。逆に、pの値が大きいほど、精度が高くなるが、最終獲得が最大値に非常に近くなるため反応度は低くなる。これが、pの値として0.5が好ましい理由である。
【0026】
0<Invt≦1は常に維持される。考察している物理的現象での固有不変量として上記した「Invt」は、実際に、特定分野へのあらゆる適用を行なうため、特定システムの洗練での調節変数を提供することによりアルゴリズムを微細に調節することを可能にする自由度となる。
【0027】
一般に、第一近似として次式が考察される。
【数式8】
Xの関数としての割線の変化は簡単な内挿曲線(一般的には、線形または指数曲線であり、出力曲線のこともある)により調節される。調節はリアルタイムで行なわれる。この場合には、これから、最大値Xmaxが得られる(外挿)前に、最大値Xmaxの位置を演繹できる。
【0028】
Xの関数としての割線の関係についての他の回帰形式を使用でき、この場合には、最大値Xmaxの分析公式または近似公式を得るのに、対応システム(最大値での割線の値を半値にリンクさせる等式:〔Eq〕)を解くことが賢明である。Yについてのスケール誤差(例えば、Yは、50%だけ系統的に課題評価される)は、Xmaxの予測値を変化させず、これにより、スケール効果に非常に有利な低い感度を与える。
この意図は、物理的曲線の不変量に基いて、利用できる全ての関連情報を用いることにより、最大値に向かって「上昇」する間に付随する「測定」により最大値を演繹することである。
【0029】
図1は、提案するアルゴリズムを示し、この主な段階は次の通りである。
1.実際の可能性に従って、測定または評価による点(Xi、Yi)の獲得。少なくとも2つの点を獲得するのが賢明である。Xiは非ゼロを表し、ここでは、小さ過ぎて不適当な値を無くすべく最小閾値が賦課される。
【0030】
2.前の値を用いた割線の計算。割線の値は、αi=Xi/Yiを直接計算するか、ノイズを無くすためi以下の全ての添字点を考慮して、適当な回帰、例えば、
【数式9】
を行なうことにより評価される。これは、線形回帰が個々の点での測定ノイズに対する感度が非常に小さいという本質によるものであり、充分な数の点が考察されると外乱が「互いに相殺される」傾向を有する(基本静的特性を参照)。このアプローチは、従来とは異なり、対象とする個々の値ではないが(ノイズが多くて不正確)、複数の値から生じる傾向を有するため、特に優れたものである。従って、対(αi、Xi)が得られる。
【0031】
3.対(αi、Xi)を用いた回帰の計算。回帰は、対象とする物理的現象およびノイズレベルに従って洗練しなければならないが、測定または評価された充分な数「n」の点(一般には、5つの点)から計算される。
・線形回帰の場合
【数式10】
・指数回帰(exponential regression)の場合
【数式11】
【数式12】
従って、AおよびBは、殆どの適当な回帰により得られる。示したもの以外の他の回帰を使用することもでき、考察すべき種々の回帰は、選択された回帰の係数を得ることができる当業者には良く知られている。
【0032】
4.次に、Xmaxの評価が計算される。
・線形回帰の場合には、α=ALin・X+BLinを用いて次式が得られる。
【数式13】
指数回帰の場合には、次式が得られる。
【数式14】
【0033】
5.この方法の特別な使用に従ってXmaxを知ることができると、殆どの適当なパラメータが調節される。例えば、パラメータXの値は、その値をXmaxに維持すべく自動的に制御される。
【0034】
6.必ずしも有効といえないかもしれないが、Ymaxの評価を計算するまで続行できる。
・線形回帰の場合には、更に、Ymaxが次のように決定される。ここで、Ycoeff_linは、実験的に調節される係数である。
【数式15】
・指数回帰の場合には、更に、Ymaxが次のように決定される。ここで、Ycoeff_expは、実験的に調節される係数である。
【数式16】
Ymaxの計算例:
線形:
【数式17】
指数:
【数式18】
最大値の近くでの曲率が、割線の近似値であると考える関数の種類に正確に一致しないため、Ymaxの予測値に小さい補正を行なうことは有効である。補正係数(線形の場合には1/0.75=Ycoeff_lin、または指数の場合には1/1.19=Ycoeff_exp)は、本発明の適用に従って、ケースバイケースで実験的に調節すべきである。
【0035】
本発明の幾つかの可能適用例について以下に詳細に審査する。以下の記載は限定的なものでも排他的なものでもない。
【実施例1】
【0036】
例1:車両に装着されたタイヤの機能の、或る摩擦係数例えば最大摩擦係数μ max での自動維持
長手方向グリップμ(G)に関する適用例に戻って説明する。この場合には、本願明細書の冒頭部分で既に説明したように、Yはタイヤの摩擦係数μ、すなわち、長手方向力(例えば駆動力または制動力)を、加えられた垂直力(すなわちタイヤに加えられた荷重)で割った商であり、XはタイヤのスリップGの比である(タイヤの速度と車両の速度との間にスリップが存在しないとき、すなわちタイヤが自由に転がるときはG=0%であり、タイヤの回転がロックされたときはG=100%である)。一般に、環境(路面の性質(アスファルトまたはコンクリート)、ドライまたはウェット(水レベル)、温度、およびタイヤの摩耗レベル)に基いて、スリップGの関数としてのμの値は非常に大きく変化する(μは、氷上で約0.15、ドライ路面上で約1.2である)。図4を参照すると、ここには、或る荷重および速度条件で測定された新しいXH1 195/65R15タイヤについてのスリップGの関数としてのμの幾つかの曲線が示されている。
【0037】
本願で提案するシステムは、特に、スリップGを自動制御して、所定の最適値GOptに維持することができる。前記所定スリップGOptは、より詳しくは、非制限的態様で、摩擦係数の所定値が実質的に値μmaxに一致するように選択される。この場合、これを特定最適値Gmaxと名付けることが一般的に行なわれている。
このタイヤの最大値の位置は路面に基いて変化することが判明している。また、いかなる一致(unity)も存在しないことがある。達成される同じ最大レベルについて、2つの一致するスリップを得ることができる。それにもかかわらず、これらの曲線が共有する1つの不変量「Invt」が存在する。
【0038】
不変量を決定する方程式を、スリップの関数として摩擦係数の分析の場合に適用することにより、不変量は、1より小さい正の値をもつpを用いて、より詳しくは次式のように計算される。
【数式19】
上記のように、pに関する限り、その値は0.25〜0.75の間、例えば0.5が好ましく、pの値の選択の結果に関して上記一般的表示を参照されたい。
【0039】
かくして次式が得られる。
【数式20】
データを、他のパラメータY(例えば摩擦係数μmax)の最大値に一致するパラメータX(例えばスリップG)の第一値で、および第一値の50%(例えば上記スリップの50%)に一致する第二値で処理することにより、1つの不変量「Invt」が導入された。50%での処理の選択は任意であること、および処理が摩擦係数μmaxに一致するスリップの25%または75%で遂行される場合には不変量が得られることも判明している。従ってこの選択は、特に、各特定用途への実験的フェーズの一部である。
【0040】
次に、傾斜αiを決定することが賢明である。これはαi=μi/Giの直接計算により行なわれ、適当な回帰(例えば、次式のような線形回帰)が使用される。
【数式21】
或いは、2つの特定係数Ap、AおよびBが、「n」個の測定点または評価点に適用される下記線形回帰により計算される。
【数式22】
【0041】
次に、線形回帰が使用される場合には、α=ALin・G+BLinを用いて、GOptが下記のように計算される。
【数式23】
必要ならば、下記のように、GOptに一致するμの値が決定されるまで続けることができる(ここで、μcoeff_linは実験的に調節される係数である)。
【数式24】
【0042】
割線の線形アプローチにより決定される下記表は、2バールの膨張圧力により種々の路面で試験されたMICHELIN XH1 195/65−15タイヤでの実際の測定値からの最大スリップの計算を示すものである。
【表1】
【0043】
さもなくば、2つの特定係数Ap、AおよびBは、下記の指数回帰により計算される。
【数式25】
【数式26】
【0044】
次に、指数回帰が使用される場合には、GOptが下記のようにして計算される。
【数式27】
必要ならば、下記のように、μmaxの値が決定されるまで続けることができる(ここで、μcoeff_expは実験的に調節される係数である)。
【数式28】
【0045】
この原理は、あらゆる種類のタイヤおよびあらゆる種類の路面について最大グリップを決定するのに適用でき、これにより、軌道制御システムの信頼性に対し非常に大きい有利性が得られる。
本願に提案する方法は、摩擦係数の変化のみが取扱われ、その絶対値は取扱われないので自己適応性を有しかつ非常にロバスト(robust)である。また、ノイズに対する感度が非常に低いことも判明している。
スリップの関数としてタイヤの長手方向グリップに適用される上記方法に固有の性質は、車両のブレーキシステムでのタイヤのグリップのモデル化に非常に適している。
【0046】
車両のブレーキシステムは効率的であるが、それは製造業者が選択する一定数のタイヤ最適であること、および車両に実際に装着されたタイヤには適用できないことは知られている。より詳しくは、良く知られているように、特に所与の路面上の力Fxでのグリップおよびスリップにおいて極めて異なる挙動を呈する冬期タイヤには適用できない。従って、車両のブレーキシステムの効率は、車両に実際に使用されているタイヤに自動的に適用できるならば改善される。
【0047】
もちろん、現在の一般的な設計による内燃機関を備えた車両の場合には、タイヤにスリップを伝達する手段は、本質的に制動状況でのブレーキでありかつ本質的に駆動力が作用するエンジン管理システムである。当業者ならば、本発明を他の車両設計例えば電気自動車に適用することは容易であろう。
もちろん、上記本発明は、システムのコントローラが、上記手段以外に、スリップをタイヤに伝達する手段の何らかの特別な付勢時に、例えば(Gi、μi)の評価値または測定値の観点で、或る状況でより望ましい他のスリップ制御ストラテジーを具現する他のプログラムによりローディングされることを排除するものではない。
【0048】
より詳しくは、不変量を決定する好ましいアプローチは次の通りであり、この場合にも0.25〜0.75の間の値、一般には0.5を有するpを使用する。
【数式29】
【0049】
本発明の特定実施形態では、スリップを変調するデバイスがブレーキ制御に作用する。本発明の他の実施形態では、スリップを変調するデバイスがホイールでの駆動トルクに作用する。
【0050】
車両のブレーキシステムに特に有効な新しいアルゴリズムであって、上記不変量「Invt」に基いて摩擦係数μmaxの位置を決定できるようにするアルゴリズムを創出することが提案される。理解されようが、このようなシステムは摩擦係数μmaxの評価を行い、次に、基準曲線により最適スリップを選択する。これらの段階を下記のもので置換することを提案する。
【0051】
この原理の実施は、ABSコントローラに幾つかの修正を必要とする。すなわち、
・計算周波数は40Hz以上であるのが好ましい。
・信頼できる(代表的な)目標を計算するための充分に多数の位置を獲得すべく、ABSのトリガリングを調整することが賢明である。
・スリップでの測定点を非常に少数(例えば、1%以下のスリップに一致)に減少させることが有利である。
・スリップGの非常に高い精度が得られるようにするには、特殊手段を用いるがホイール速度データ処理(GPS、路面観察…)を行わないで車両速度を獲得するのが有利である。
【0052】
上記提案により、車両のブレーキシステムの効率は、車両に現実的に使用できる全範囲のタイヤに亘って非常に優れたものとなる。
【0053】
開発された新しいアルゴリズムは、システムを、いかなる付加センサおよびタイヤトレッドの測定をも必要とせず、あらゆる種類のタイヤに自動的に適合させることができる。また、このアルゴリズムは、所与の車両に選択されるタイヤの種類に対して微調節の必要性を無くすことができる。
【0054】
上記のように、本発明の方法は、測定値についてだけでなく、評価値についても結果を得ることができる。実際の(評価したものではない)力FX、FyおよびFZに関する情報は、より正確な目標をもつこと、および/または賞賛に価するチェックを行なって、車両のブレーキシステムの信頼性を向上させることができる。
【実施例2】
【0055】
例2:車両に使用されるタイヤの機能の分析、ドリフト条件を受けるタイヤ、および発生した横方向力F y の分析
他の適用例を以下に説明する。この適用例は、タイヤのドリフト角δの関数として横方向力Fyを特徴付けることを有している(ドリフト角δは、ホイールの平面の路面上の突出部と路面上での車両のベクトル速度とのなす)角度である。最適ドリフト角δOpt例えばタイヤが最大横方向力Fyを発生するドリフト角は予め決定でき、横方向力Fymaxも予め決定できる。最大横方向力は、例えば、関連する車両の平衡にとって重要なものである。
【0056】
横方向Fyとドリフト角δとの関係は、前のセクションで述べたμとGと同じ形式である。従って、例えば不変量は下記のように決定できる。
【数式30】
上記のように、pに関する限り、その値は0.25〜0.75の間、例えば0.5であるのが好ましく、pの値の選択の結果に関して上記一般的表示を参照されたい。この正確な場合には、大きさ「Invt」は顕著に高いものとなる。値が小さくなり過ぎて、割線の決定を妨げることを回避するため、2°の最小ドリフト角閾値を維持すると同時に0.8の値が得られた。
【0057】
図3は、ドリフト角に対するドリフトスラストの変化、および/または原点と、同じドリフト角での前の曲線の点とを通る割線の同じドリフト角での変化を示す曲線である。キャンバをもたず、5000ニュートンの荷重を受けるMichelin Primacy 235/55R17タイヤでは、本発明の方法により評価された最大ドリフト角は5.5°、および最大評価ドリフトスラストは5935ニュートンである。
【0058】
次に、傾斜αiを決定するのが賢明である。これは、αi=Fi/δを直接計算することにより行なわれ、または適当な回帰例えば下記のような線形回帰が使用される。
【数式31】
或いは、「n」個の測定点または評価点で適用される下記の線形回帰により2つの特定係数Ap、AおよびBが計算される。
【数式32】
線形回帰が使用される場合には、α=ALin・δ+BLinを用いて、δOptが下記のように計算される。
【数式33】
アルゴリズムを適用することにより、横方向力(Fy)が約6°のドリフト角δでその最大値を達成するように予め定められている。タイヤがスリップを開始する前に横方向スラストを生じさせる可能性はもはや大きくないことを知ることができるので、この情報は価値あるものである(横方向スラストが飽和すると車両が旋回することが防止される)。
【0059】
必要ならば、下記のように、δOptに一致するFの値が決定されるまで続けることができる。ここで、Fcoeff_linは指数的に調節される係数である。
【数式34】
さもなくば、2つの特定係数Ap、係数AおよびBは、「n」個の測定点または評価点に適用される下記の指数回帰により計算される。
【数式35】
【数式36】
次に、指数回帰が使用される場合には、GOptが下記のようにして計算される。
【数式37】
必要ならば、下記のように、μmaxの値が決定されるまで続けることができる(ここで、μcoeff_expは実験的に調節される係数である)。
【数式38】
【0060】
この態様により、本発明は、タイヤの機能を制御する方法を提案し、本発明の方法は、横方向力が最大であるタイヤのドリフト角δの値を予測するフェーズを有し、ドリフト角が、ドリフトスラストを発生させる能力が飽和されるほどの大きさになると警告信号を設定し、ドリフトスラストに関してタイヤの最大ポテンシャルに極めて接近すると警告がドライバに与えられるようにし、または、車両の安定性を自動的に制御するシステムに一体化された、より進歩した態様では、警告信号が発生された場合に車両の速度が自動的に制限または減速され、他の任意の補正段階が行なわれる。
【0061】
本発明は能動車両(後車軸および/または前車軸の能動ステアリング機構、またはボディロールの能動制御装置、または車両の横方向平衡に作用する任意のシステムを備えており、従って、タイヤに賦課される横方向スラストに作用する車両)にも適用できる。すなわち、車両の横方向安定性を自動制御するシステムからの命令に従って反応することもできる。
【0062】
この点に関し、本発明は、路面上を走行することを意図した少なくとも1つのタイヤを有する車両の安定性を制御するシステムにも拡大される。車両には、車両に使用される技術に基いて、車両のドライバにより該ドライバの制御手段に伝達される命令に基いて、およびタイヤの機能をドリフトスラストFtargetの所定の目標値に維持することを目的とする毛色コントローラにより与えられる命令に基いて、すなわち各車軸のタイヤのドリフト角に直接的または間接的に基いて、選択されたパラメータ(以下、パラメータ「λ」と呼ぶ)を制御するシステムが設けられている(例えば、前記パラメータ「λ」は能動舵取りを行なうための前後のホイールのステアリングであり、または前記パラメータ「λ」は能動アンチロールのためのボディロールであり、またはパラメータ「λ」は制動アクチュエータを介して安定制御を行なうための制動力である)。走路コントローラは、ドリフトスラストFtargetの最大値に一致するドリフト角の少なくとも1つの最適値δOptを使用し、前記コントローラは、下記の作動を遂行する手段を有している(前後の車軸が同じでなく、左右のタイヤが異なっている各車軸での作動が好ましいが、本発明の原理は、1つのタイヤのみに適用できるものであるが、当業者ならば全てのタイヤに対処させることができるであろう)。
【0063】
・ドリフト角の少なくとも2つの異なるレベル「i」で前記パラメータ「λ」を制御するシステムを付勢する度毎に、FYiおよび関連するドリフト角δiの種々の値を記録し、
・原点と点(δi、FYi)とを通る直線の傾斜αiを決定し、
・点(αi、δi)を用いて直接計算するか、充分な数の対から適当に回帰することにより、より詳しくは線形回帰および指数回帰からなる群から選択された回帰により係数Apを計算して、変化曲線αi=f(δi、Ap)をモデル化し、
・所定の不変量「Invt」を用いて、ドリフトスラストFtargetの最大値に関連するタイヤドリフト角の最適ドリフト角の値δOptを計算し、
・ドリフト角δがδOptに近付いたときに警告信号を発生する。
【0064】
前述のように、最適ドリフト角δは、直接計算または回帰の選択から得られるモデル化公式(上記変化曲線)により計算される。より詳しくは、不変量を決定する好ましいアプローチは、0.25〜0.75(一般的に0.5)の間の値をもつpを使用する次式である。
【数式39】
【0065】
本発明の特定の実施形態では、警告信号が発生されると、選択されたパラメータを制御するシステムが付勢され、ドリフト角δを最適値δOptに維持する。他の実施形態では、警告信号が発生されると、車両速度が制限または減速される。
【0066】
強調すべき重要なことは、スリップの関数として摩擦係数を用いることと、ドリフト角の関数としてドリフトスラストを用いることとは相反的なものではないということである。特に、これらの2つの態様を同時に使用することは、車両の走路の自動制御システムにとって有利なことである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明による自動制御手順を示すブロック図である。
【図2】スリップに対する摩擦係数の変化を示す曲線と、原点と前記スリップと同じスリップでの前の曲線の点とを通る割線の同じスリップでの変化を示す曲線とを示すグラフである。
【図3】ドリフト角に対するドリフトスラストの変化を示す曲線と、原点と前記ドリフト角と同じドリフト角での前の曲線の点とを通る割線の同じドリフト角での変化を示す曲線とを示すグラフである。
【図4】種々の試験条件下での同一タイヤのスリップに関する摩擦係数の変化についてプロットした幾つかの曲線を示すグラフである。
【図5】多数のタイヤおよび種々の試験条件下での摩擦係数μmaxおよびの位置および関連するスリップGmaxの位置を示すグラフである。
【図6】スリップに対する摩擦係数の変化を示す一般的な概略曲線であり、このグラフには2つの特別な点すなわち摩擦係数μmaxおよびこの関連スリップGmaxが印されており、摩擦係数μ50%に対応する慣用点は、Gmax/2で慣用的に印されたスリップGmaxを50%上回っている。
【図7】多数のタイヤおよび種々の試験条件下での摩擦係数μmaxに関連するスリップについての摩擦係数μmaxの商μ/G(Gmaxでの商)、および摩擦係数μmaxに関連するスリップの50%のスリップについての摩擦係数の商μ/G(Gmaxの50%での商)に対応する縦軸上の点の位置を示すグラフである。
【図8】スリップに対する摩擦係数の変化を示す一般的な概略曲線および原点を通る割線の過程および3つの特定点のスリップの曲線を示すグラフである。
【図9】原点と、同じスリップでの摩擦係数の変化曲線の点とを通る割線の傾斜のスリップの関数としての線形変化を示す一般的な概略曲線のグラフである。
【図10】Xに対するYの変化を含む現象への一般的な適用曲線であって、特定XについてのYの最大値およびYの最大値での単調上昇を呈する曲線を示すグラフである。
Claims (13)
- 路面上を走行することを意図したタイヤに長手方向の力を伝達する手段と、該長手方向の力を変調する手段と、摩擦係数μの所定値に一致する少なくともパラメータスリップGOptを用いるコントローラとを有する車両の安定性を制御するシステムにおいて、前記コントローラは、下記のように、すなわち、
・各々が1つのスリップGiに一致する長手方向の力の少なくとも2つの異なるレベル「i」で長手方向の力をタイヤに伝達する手段を付勢する度毎に、グリップのいかなる損失も存在しない条件で摩擦係数μiの値を決定し、
・原点と点(Gi、μi)とを通る直線の傾斜αiを決定し、
・点(αi、Gi)を用いて直接計算するか、充分な数の対から適当に回帰することにより係数Apを計算して、変化曲線αi=f(Gi、Ap)をモデル化し、
・所定の不変量「Invt」を用いて最適スリップGOptを計算し、
・長手方向の力をタイヤに伝達する手段に作用して、スリップを最大値GOptに維持する、
ことにより前記パラメータ(単一または複数)を計算する手段を有していることを特徴とする車両の安定性制御システム。 - 前記長手方向の力を変調するデバイスはブレーキ制御に作用することを特徴とする請求項1記載の車両の安定性制御システム。
- 前記長手方向の力を変調するデバイスはホイールの駆動トルクに作用することを特徴とする請求項1記載の車両の安定性制御システム。
- 路面上を走行することを意図した少なくとも1つのタイヤを有する車両の安定性を制御するシステムであって、車両には、車両ドライバにより該ドライバの制御手段に伝達される命令に基いておよびタイヤの機能をドリフトスラストFtargetの所定目標値に維持することを目的とする走路コントローラにより供給される命令に基いて、選択されたパラメータ「λ」を制御するシステムが設けられており、走路コントローラは、ドリフトスラストFtargetの最大値に一致するドリフト角の少なくとも1つの最適値δOptを使用し、前記コントローラは、下記の作動、すなわち、
・ドリフト角δの少なくとも2つの異なるレベル「i」で前記パラメータ「λ」を制御するシステムを付勢する度毎に、FYiおよび評価されまたは測定されたドリフト角δiの種々の値を記録し、
・原点と点(δi、FYi)とを通る直線の傾斜αiを決定し、
・点(αi、δi)を用いて直接計算するか、充分な数の対から適当に回帰することにより係数Apを計算して、変化曲線αi=f(δi、Ap)をモデル化し、
・所定の不変量「Invt」を用いて、ドリフトスラストFtargetの最大値に関連する最適ドリフト角の値δOptを計算し、
・ドリフト角δがδOptに近付いたときに警告信号を発生する、
ことを遂行する手段を有していることを特徴とする車両の安定性制御システム。 - 前記パラメータλはホイールのステアリングであり、前記警告信号が発生されると、舵取りホイールのステアリングを制御するシステムが付勢されて、ドリフト角δを最適値δOptに維持することを特徴とする請求項5記載の車両の安定性制御システム。
- 前記警告信号が発生されると、車両速度が制限または減速されることを特徴とする請求項5記載の車両の安定性制御システム。
- 前記2つの特定係数Ap、係数AおよびBは、線形回帰および指数回帰からなる群から選択された回帰により計算されることを特徴とする請求項1または5記載の車両の安定性制御システム。
- 前記pの値は0.25〜0.75の間にあることを特徴とする請求項2または6記載の車両の安定性制御システム。
- 前記pの値は0.5であることを特徴とする請求項10記載の車両の安定性制御システム。
- 調節変数として不変量「Invt」を使用することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の車両の安定性制御システム。
- 路面上を走行することを意図した少なくとも1つのホイールを備え、横方向力が最大であるタイヤのドリフト角δの値を予測するフェーズを有するドリフトを受けたときに機能できる車両の安定性制御システムにおいて、
・少なくとも1対の「i」の値についての評価(δi、Fi)を決定する段階と、
・原点と点(δi、Fi)とを通る直線の傾斜αiの対応する値を決定する段階と、
・点(αi、δi)を用いて直接計算するか、充分な数の対から回帰することにより係数Apを計算して、変化曲線αi=f(δi、Ap)をモデル化する段階と、
・所定の不変量「Invt」を用いて、ドリフト角δOptの値を計算する段階と、
・警告信号が発生されると、自動的に車両速度を制限または減速させる段階とを有することを特徴とする車両の安定性制御システム。
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