JP2816637B2 - 車両のアンチロックブレーキシステムの制御方法 - Google Patents

車両のアンチロックブレーキシステムの制御方法

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JP2816637B2
JP2816637B2 JP5131504A JP13150493A JP2816637B2 JP 2816637 B2 JP2816637 B2 JP 2816637B2 JP 5131504 A JP5131504 A JP 5131504A JP 13150493 A JP13150493 A JP 13150493A JP 2816637 B2 JP2816637 B2 JP 2816637B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の緊急制動時に
車輪のロック(固定)を防止するアンチロックブレーキ
システムにおいて、従来のスリップ率の代わりに、路面
摩擦力Fまたは路面摩擦係数μを使用して制御を行う車
両のアンチロックブレーキシステムの制御方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の車両、例えば自動車のアンチロッ
クブレーキシステムでは、車体速度と車輪速度をもと
に、スリップ比が、ある一定の範囲に入るよう、制動を
自動制御する方式が、一般的である(例えば、特公昭5
9−30585号公報、特開昭60−61354号公
報)。路面摩擦係数と、スリップ比の間の関係は、路面
の状況によって、変わり得るものであり、このため上記
の方式では、路面の状況によっては、ブレーキ圧が最大
とはならないこともあり、その場合には、最小の制動距
離が得られない。また、車体速度は、車輪速度からの推
定値であるため、スリップ比の制御における、精度上の
問題がある。車体速度を正確に把握するためには、対地
速度センサー(例えば、特開昭63−64861号公
報)、車体減速度センサー(例えば、特開昭63−17
0157号公報)などの、複雑な装置を必要とする。特
開昭63−25169号公報に記載される装置では、車
輪に作用する、路面摩擦力のトルク(タイヤトルク)
を、車輪角加速度と、ブレーキ液圧とから演算により算
出して、ブレーキ液圧上昇中のタイヤトルクの下降の始
まりを、車輪のロック直前状態の判別材料の一つとして
採用している。しかしながら、この装置ではタイヤトル
クを、車輪角加速度とブレーキ液圧とから、演算によっ
て間接的に求めており、車輪の慣性能率、ブレーキの制
動効率等の不確定な定数の存在のため、計算値に精度上
の問題がある。また、車輪のタイヤの空気圧や、車体の
路面からの距離が変動するために、路面摩擦力とタイヤ
トルクとに関して、必ずしも一定比が保たれないという
問題もある。
【0003】本出願人は上記したような従来の装置が有
する欠点を除去するため、先に特願平1−197809
号(特開平3−220056号)として、車軸近傍に歪
みゲージを設け、車軸近傍のせん断歪を直接的に測定す
る手段を有する路面摩擦力検出装置と、垂直荷重検出装
置とを備え、これら両装置の検出信号を演算処理する手
段とを有する路面摩擦係数検出装置からの出力信号に応
答して、ブレーキ圧の上昇にともなって路面摩擦力また
は路面摩擦係数が増大する間はブレーキ圧を上昇させ、
ブレーキ圧の上昇にもかかわらず路面摩擦力または路面
摩擦係数が減少するときにブレーキ圧を減圧させ、ブレ
ーキ圧の減圧にともなって路面摩擦力または路面摩擦係
数が減少すれば再度ブレーキ圧を上昇させ、以上の動作
を反復する手段とからなることを特徴とする車両のアン
チロックブレーキシステムを提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記システムを用いて
車両のアンチロックブレーキの制御を行なった場合、往
々にして制動時のタイヤと路面との振動発生や、サスペ
ンション等の外乱要因により、路面摩擦力Fまたは路面
摩擦係数μの信号値がある範囲の振幅をもって上下し、
的確な制御開始ポイントを誤認することがあることが判
明した。そこで本発明は、路面摩擦力Fまたは路面摩擦
係数μの信号値の上昇にともなう最適制御開始ポイント
付近の外乱要因を排除または最適制御ポイントの、外乱
要因を一定の範囲の幅で包み込むことにより安定した制
御が行えるように改善し、不必要なブレーキ圧の減圧を
伴わない制御方式をもった、車両のアンチロックブレー
キシステムの制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、アンチロックブレーキシステムを装備した車両が緊
急制動をかけた場合、ブレーキ圧の増圧による路面摩擦
力または路面摩擦係数の変化を、路面摩擦力検出装置ま
たは路面摩擦係数検出装置で検知するアンチロックブレ
ーキシステムであって、前記路面摩擦力検出装置または
前記路面摩擦係数検出装置による路面摩擦力Fまたは路
面摩擦係数μの信号値の上昇にともなってFまたはμも
しくはdF/dtまたはdμ/dtが制御の規定値に達
したか否かを調べるための制御の開始時点である最適制
御開始ポイントを、車輪速度の落込みより即ち車輪速度
ωもしくはdω/dtを用いて判断し、その最適制御開
始ポイント以降、FまたはμもしくはdF/dtまたは
dμ/dtによる制御の規定値に達した時点より、制動
ブレーキ圧力を増圧モードから保持もしくは減圧モード
に移行させることを特徴とする。
【0006】請求項2に記載の本発明は、アンチロック
ブレーキシステムを装備した車両が緊急制動をかけた場
合、ブレーキ圧の増圧による路面摩擦力または路面摩擦
係数の変化を、路面摩擦力検出装置または路面摩擦係数
検出装置で検知するアンチロックブレーキシステムであ
って、前記路面摩擦力検出装置または前記路面摩擦係数
検出装置による路面摩擦力Fまたは路面摩擦係数μの信
号値の上昇にともなってFまたはμもしくはdF/dt
またはdμ/dtが制御の規定値に達したか否かを調べ
るための制御の開始時点である最適制御開始ポイント
を、加速度センサーを用いて、即ちdV/dtにより車
体加速度の落込みを調べることにより判断し、その最適
制御開始ポイント以降、FまたはμもしくはdF/dt
またはdμ/dtによる制御の規定値に達した時点よ
り、制動ブレーキ圧力を増圧モードから保持もしくは減
圧モードに移行させることを特徴とする。
【0007】請求項3に記載の本発明は、アンチロック
ブレーキシステムを装備した車両が緊急制動をかけた場
合、ブレーキ圧の増圧による路面摩擦力または路面摩擦
係数の変化を、路面摩擦力検出装置または路面摩擦係数
検出装置で検知するアンチロックブレーキシステムであ
って、前記路面摩擦力検出装置または前記路面摩擦係数
検出装置による路面摩擦力Fまたは路面摩擦係数μの信
号値の上昇にともなってFまたはμもしくはdF/dt
またはdμ/dtが制御の規定値に達したか否かを調べ
るための制御の開始時点である最適制御開始ポイント
を、車輪速度ωもしくはdω/dt及びdV/dtの双
方にて判断を行い、その最適制御開始ポイント以降、F
またはμもしくはdF/dtまたはdμ/dtによる制
御の規定値に達した時点より、制動ブレーキ圧力を増圧
モードから保持もしくは減圧モードに移行させることを
特徴とする。
【0008】請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至
3のいずれか1つに記載の車両のアンチロックブレーキ
システムの制御方法において、増圧モードから保持モー
ドを介して減圧モードへ移行した後、もしくは増圧モー
ドから直接減圧モードへ移行した後に、減圧しきい値も
しくは規定の経過時間によるか、又はそれら二者の組合
せにより、制動ブレーキ圧を減圧モードから増圧モード
に移行させることを特徴とする。
【0009】請求項5に記載の本発明は、アンチロック
ブレーキシステムを装備した車両の走行中、最初の制動
ブレーキ圧制御をするのに請求項1乃至3のいずれか1
つに記載の制御方法を用いて行い、増圧モードから保持
モードを介して減圧モードへ移行した後、もしくは増圧
モードから直接減圧モードへ移行した後に、減圧しきい
値もしくは規定の経過時間によるか、又はそれら二者の
組合せにより、制動ブレーキ圧を減圧モードから増圧モ
ードに移行させ、再び請求項1乃至3のいずれか1つに
記載の制御方法に戻るという動作を、前記車両が停車す
るまで繰返すことを特徴とする。
【0010】請求項6に記載の本発明は、アンチロック
ブレーキシステムを装備した車両の走行中、最初の制動
ブレーキ圧制御をするのに請求項1乃至3のいずれか1
つに記載の制御方法を用いて行い、増圧モードから保持
モードを介して減圧モードへ移行した後、もしくは増圧
モードから直接減圧モードへ移行した後に、減圧しきい
値もしくは規定の経過時間によるか、又はそれら二者の
組合せにより、制動ブレーキ圧を減圧モードから増圧モ
ードに移行させ、この増圧モードへの移行後、Fまたは
μもしくはdF/dtまたはdμ/dtによる制御の規
定値に達した時点より、制動ブレーキ圧を増圧モードか
ら保持もしくは減圧モードに移行させるという動作と、
増圧モードから保持モードを介して減圧モードへ移行し
た後、もしくは増圧モードから直接減圧モードへ移行し
た後に、減圧しきい値もしくは規定の経過時間による
か、又はそれら二者の組合せにより、制動ブレーキ圧を
減圧モードから増圧モードに移行させるという動作と
を、車両が停車するまで繰り返すことを特徴とする。
【0011】請求項7に記載の本発明は、アンチロック
ブレーキシステムを装備した車両が緊急制動をかけた場
合、ブレーキ圧の増圧による路面摩擦力または路面摩擦
係数の変化を、路面摩擦力検出装置または路面摩擦係数
検出装置で検知するアンチロックブレーキシステムであ
って、前記路面摩擦力検出装置または前記路面摩擦係数
検出装置による路面摩擦力Fまたは路面摩擦係数μの信
号値の初回のピーク値を確認後、そのピーク値である最
大F値もしくは最大μ値の付近と、最大F値または最大
μ値に応じて設定された下限値との範囲内にFまたはμ
が安定して保持されるようにブレーキ圧を制御すること
を特徴とする。
【0012】請求項8に記載の本発明は、アンチロック
ブレーキシステムを装備した車両が緊急制動をかけた場
合、ブレーキ圧の増圧による路面摩擦力または路面摩擦
係数の変化を、路面摩擦力検出装置または路面摩擦係数
検出装置で検知するアンチロックブレーキシステムであ
って、前記路面摩擦力検出装置または前記路面摩擦係数
検出装置による路面摩擦力Fまたは路面摩擦係数μの信
号値の初回のピーク値を確認後、そのピーク値である最
大F値もしくは最大μ値の付近と、最大F値または最大
μ値に応じて設定された下限値との範囲内にFまたはμ
が保持される範囲で、ブレーキ圧の増圧と減圧とを繰り
返すことを特徴とする。
【0013】請求項9に記載の本発明は、請求項7また
は8のいずれか1つに記載の車両のアンチロックブレー
キシステムの制御方法に於て、ブレーキ圧の制御中に、
Fまたはμの変動を監視し、設定した制御範囲のブレー
キ圧上限に至る時、F値またはμ値が前記最大F値また
は前記最大μ値を越える場合は、更にブレーキ圧を上
げ、改めてFまたはμの信号値のピーク値を確認し、最
大F値または最大μ値を更新することを特徴とする。
【0014】請求項10に記載の本発明は、請求項7ま
たは8のいずれか1つに記載の車両のアンチロックブレ
ーキシステムの制御方法に於て、ブレーキ圧の制御中
に、Fまたはμの変動を監視し、ブレーキ圧が設定した
制御範囲の下限に至ったときに、F値またはμ値が、前
記最大F値または前記最大μ値に応じて設定された前記
下限値よりも小さい場合、あるいはブレーキ圧が設定し
た制御範囲の上限に至ったときに、F値またはμ値が、
前記最大F値または前記最大μ値よりも小さい場合、急
速にブレーキ圧を下げて、改めてFまたはμの信号値の
ピーク値を確認し、最大F値または最大μ値を更新する
ことを特徴とする。
【0015】請求項11に記載の本発明は、請求項7ま
たは8のいずれか1つに記載の車両のアンチロックブレ
ーキシステムの制御方法に於て、凹凸路面走行時のよう
な前記路面摩擦力検出装置または前記路面摩擦係数検出
装置による路面摩擦力Fまたは路面摩擦係数μの信号値
が大きく振動してその初回のピーク値を確認しにくい場
合に、一定時間内の最大F値または最大μ値と最小F値
または最小μ値との間に疑似Fまたは疑似μを求め、そ
の疑似Fまたは疑似μに対してブレーキ圧制御を行うこ
とを特徴とする。
【0016】請求項12に記載の本発明は、請求項11
に記載の車両のアンチロックブレーキシステムの制御方
法に於て、ブレーキ圧制御中に、一定時間内の最大F値
または最大μ値と最小F値または最小μ値との値が許容
範囲以上変動した場合、改めて各々の値を一定時間内に
計測し、新たに疑似Fまたは疑似μを求めて、その疑似
Fまたは疑似μに対応してブレーキ圧制御を行うことを
特徴とする。
【0017】請求項13に記載の本発明は、請求項11
または12のいずれか1つに記載の車両のアンチロック
ブレーキシステムの制御方法に於て、ブレーキ圧制御中
に、前記路面摩擦力検出装置または前記路面摩擦係数検
出装置による路面摩擦力Fまたは路面摩擦係数μの信号
値のピーク値が確認できた場合は、請求項7乃至10の
いずれか1つに記載のブレーキ圧制御を行うことを特徴
とする。
【0018】
【作用効果】請求項1に記載された本発明によれば、車
輪速度ωもしくはdω/dtにより車輪速度の落込みを
判断することにより最適制御開始ポイントを求め、最適
制御開始ポイント以降、路面摩擦力Fまたは路面摩擦係
数μもしくはdF/dtまたはdμ/dtが規定値に達
したか否かを判断するので、制動時のタイヤと路面との
振動発生やサスペンション等の外乱要因に影響されるこ
となく、正確な制御を行うことができる。すなわち、外
乱要因に影響されない車輪速度により最適制御開始ポイ
ントを求め、その最適制御開始ポイントまでは、Fまた
はμもしくはdF/dtまたはdμ/dtが規定値に達
したか否かを判断しないことから、外乱要因の影響を受
けずに制御を行える。
【0019】請求項2に記載された本発明によれば、車
体加速度dV/dtにより車体加速度の落込みを判断す
ることにより最適制御開始ポイントを求め、最適制御開
始ポイント以降、路面摩擦力Fまたは路面摩擦係数μも
しくはdF/dtまたはdμ/dtが規定値に達したか
否かを判断するので、制動時のタイヤと路面との振動発
生やサスペンション等の外乱要因に影響されることな
く、正確な制御を行うことができる。すなわち、外乱要
因に影響されない車体加速度により最適制御開始ポイン
トを求め、その最適制御開始ポイントまでは、Fまたは
μもしくはdF/dtまたはdμ/dtが規定値に達し
たか否かを判断しないことから、外乱要因の影響を受け
ずに制御を行える。
【0020】請求項3に記載された本発明によれば、車
輪速度ωもしくはdω/dtと車体加速度dV/dtと
により車輪速度の落込みと車体加速度の落込みとの双方
を判断することにより最適制御開始ポイントを求め、最
適制御開始ポイント以降、路面摩擦力Fまたは路面摩擦
係数μもしくはdF/dtまたはdμ/dtが規定値に
達したか否かを判断するので、制動時のタイヤと路面と
の振動発生やサスペンション等の外乱要因に影響される
ことなく、正確な制御を行うことができる。すなわち、
外乱要因に影響されない車輪速度と車体加速度との双方
により最適制御開始ポイントを求め、その最適制御開始
ポイントまでは、FまたはμもしくはdF/dtまたは
dμ/dtが規定値に達したか否かを判断しないことか
ら、外乱要因の影響を受けずに制御を行えるとともに、
最適制御開始ポイントを一層正確に求めることができ
る。
【0021】請求項4に記載された本発明によれば、請
求項1乃至3のいずれか1つに記載の車両のアンチロッ
クブレーキシステムの制御方法において、減圧モードへ
の移行後、減圧しきい値、規定の経過時間、あるいはそ
れら双方を用いて、制動ブレーキ圧を減圧モードから増
圧モードに移行させるので、請求項1乃至3のいずれか
に記載の車両のアンチロックブレーキシステムの制御方
法による効果が得られるとともに、車輪をロックさせる
ことなく良好に制動ブレーキ圧を制御できる。
【0022】請求項5に記載された本発明によれば、ア
ンチロックブレーキシステムを装備した車両の走行中、
最初の制動ブレーキ圧制御をするのに請求項1乃至3の
いずれか1つに記載の制御方法を用いて行い、減圧モー
ドへの移行後、減圧しきい値、規定の経過時間、あるい
はそれら双方を用いて、制動ブレーキ圧を減圧モードか
ら増圧モードに移行させ、再び請求項1乃至3のいずれ
か1つに記載の制御方法に戻るので、請求項1乃至3の
いずれかに記載の車両のアンチロックブレーキシステム
の制御方法による効果が得られるとともに、車両が停止
するまで車輪をロックさせることなく良好に制動ブレー
キ圧を制御できる。
【0023】請求項6に記載された本発明によれば、ア
ンチロックブレーキシステムを装備した車両の走行中、
最初の制動ブレーキ圧制御をするのに請求項1乃至3の
いずれか1つに記載の制御方法を用いて行い、減圧モー
ドへの移行後、減圧しきい値、規定の経過時間、あるい
はそれら双方を用いて、制動ブレーキ圧を増圧モードに
移行させ、F、μ、dF/dt、あるいはdμ/dtに
よる制御の規定値に達した時点より、制動ブレーキ圧を
保持もしくは減圧モードに移行させるという動作と、減
圧モードへ移行した後に、減圧しきい値、規定の経過時
間、あるいはそれら双方を用いて、制動ブレーキ圧を増
圧モードに移行させるという動作とを繰り返すので、請
求項1乃至3のいずれかに記載の車両のアンチロックブ
レーキシステムの制御方法による効果が得られるととも
に、車両が停止するまで車輪をロックさせることなく良
好に制動ブレーキ圧を制御できる。
【0024】請求項7に記載された本発明によれば、路
面摩擦力Fまたは路面摩擦係数μの信号値の初回のピー
ク値を確認後、そのピーク値である最大F値もしくは最
大μ値の付近と、最大F値または最大μ値に応じて設定
された下限値との範囲内にFまたはμが安定して保持さ
れるようにブレーキ圧を制御するので、路面の持つ制動
力の最大値付近で制動ブレーキ圧を保持できることか
ら、緊急制動時の停止距離を短くすることができ、車両
の安全性が向上する。特に、下限値を最大F値または最
大μ値に応じて設定するので、下限値を予め決められた
値に固定しておく場合のように、下限値が低過ぎること
による高μ路面での制動距離の損失がなく、走行路面の
状況に応じた最適な制御を行える。
【0025】請求項8に記載された本発明によれば、路
面摩擦力Fまたは路面摩擦係数μの信号値の初回のピー
ク値を確認後、そのピーク値である最大F値もしくは最
大μ値の付近と、最大F値または最大μ値に応じて設定
された下限値との範囲内にFまたはμが保持される範囲
で、ブレーキ圧の増圧と減圧とを繰り返すので、路面の
持つ制動力の最大値付近で制動ブレーキ圧を保持できる
ことから、緊急制動時の停止距離を短くすることがで
き、車両の安全性が向上する。特に、下限値を最大F値
または最大μ値に応じて設定するので、下限値を予め決
められた値に固定しておく場合のように、下限値が低過
ぎることによる高μ路面での制動距離の損失がなく、走
行路面の状況に応じた最適な制御を行える。
【0026】請求項9に記載された本発明によれば、請
求項7または8のいずれか1つに記載の車両のアンチロ
ックブレーキシステムの制御方法に於て、ブレーキ圧の
制御中に、F値またはμ値が最大F値または最大μ値を
越える場合は、更にブレーキ圧を上げ、最大F値または
最大μ値を更新するので、請求項7または8に記載の車
両のアンチロックブレーキシステムの制御方法による効
果が得られるとともに、滑り易い路面から滑りにくい路
面に車両が移動したときに、その路面変化を応答性よく
捉えて最適のブレーキ圧を保持できる。したがって、路
面から得られる制動力を効率良く有効に利用して、制動
距離を短縮させることができ、車両の安全性が向上す
る。
【0027】請求項10に記載された本発明によれば、
請求項7または8のいずれか1つに記載の車両のアンチ
ロックブレーキシステムの制御方法に於て、ブレーキ圧
の制御中に、ブレーキ圧が設定した制御範囲の下限に至
ったときに、F値またはμ値が下限値よりも小さい場
合、あるいはブレーキ圧が設定した制御範囲の上限に至
ったときに、F値またはμ値が最大F値または最大μ値
よりも小さい場合、急速にブレーキ圧を下げて、最大F
値または最大μ値を更新するので、請求項7または8に
記載の車両のアンチロックブレーキシステムの制御方法
による効果が得られるとともに、より滑り易い路面に車
両が移動したときに、現在のブレーキ圧を保持すると車
輪がロックしはじめるだろうという段階で検出し、早期
にブレーキ圧の調整に入れるため、判断が遅れた為の過
剰なブレーキ圧の調整が不要となり、最適なブレーキ圧
制御が可能となる。
【0028】請求項11に記載された本発明によれば、
請求項7または8のいずれか1つに記載の車両のアンチ
ロックブレーキシステムの制御方法に於て、凹凸路面走
行時のような前記路面摩擦力検出装置または前記路面摩
擦係数検出装置による路面摩擦力Fまたは路面摩擦係数
μの信号値が大きく振動してその初回のピーク値を確認
しにくい場合に、一定時間内の最大F値または最大μ値
と最小F値または最小μ値との間に疑似Fまたは疑似μ
を求め、その疑似Fまたは疑似μに対してブレーキ圧制
御を行うので、凹凸路面の様なFまたはμの検出値が振
動の大きな値になる路面でも、安定したブレーキ圧の制
御を行うことができる。
【0029】請求項12に記載された本発明によれば、
請求項11に記載の車両のアンチロックブレーキシステ
ムの制御方法に於て、ブレーキ圧制御中に、一定時間内
の最大F値または最大μ値と最小F値または最小μ値と
の値が許容範囲以上変動した場合、改めて各々の値を一
定時間内に計測し、新たに疑似Fまたは疑似μを求め
て、その疑似Fまたは疑似μに対応してブレーキ圧制御
を行うので、請求項11に記載の車両のアンチロックブ
レーキシステムの制御方法による効果を得ることができ
るとともに、路面状況の変化に応じた適切なブレーキ圧
の制御を行うことができる。
【0030】請求項13に記載された本発明によれば、
請求項11または12のいずれか1つに記載の車両のア
ンチロックブレーキシステムの制御方法に於て、ブレー
キ圧制御中に、路面摩擦力Fまたは路面摩擦係数μの信
号値のピーク値が確認できた場合は、請求項7乃至10
のいずれか1つに記載のブレーキ圧制御を行うので、請
求項11または12に記載の車両のアンチロックブレー
キシステムの制御方法による効果を得ることができると
ともに、請求項7乃至10のいずれかに記載の車両のア
ンチロックブレーキシステムの制御方法による効果を得
ることができる。
【0031】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。図1は請求項2に記載した本発明の路面摩擦係数μ
を用いた車両のアンチロックブレーキシステムの制御方
法のハード構成例を示すブロック図で、図に於てAは
ω、検出装置、1は路面摩擦係数μ検出装置、2はブ
レーキペダルの踏力センサー、3は制御装置、4はブレ
ーキ液圧発生装置、5はブレーキ装置、6はブレーキ液
圧検出装置で、上記制御装置3はマイクロプロセッサ、
メモリー及び入出力インターフェイスを含む電子回路で
構成され、予めメモリーに書き込まれたプログラムに従
って動作する。路面摩擦係数μ(μセンサー)を用いて
アンチロックブレーキシステム(ABS)制御を行った
場合、往々にして制動時のタイヤと路面との振動発生
や、サスペンション等の外乱要因によって適確な制御開
始ポイントを誤認することがある。このμ制御最適値付
近の外乱を排除し最適制御開始ポイントを得るためにこ
の実施例では、制動による車輪速度の落込みを、ωの規
定値で捉えるか、もしくは
【数1】 によるμにより、制御開始ポイントとして、その後、公
知のμによりABS制御方法を行うものである。ωの規
定値については、測定開始時点をωとし、規定地点を
ωとした場合、規定値は、
【数2】 となる。dω/dtによる場合、車輪運動方程式より
【数3】 上記の数式において、Iは車輪エナーシャ、Nは車輪荷
重、rは車輪半径、Tはブレーキトルク、μは摩擦係
数である。なおブレーキトルクTは、
【数4】 から求められる。この数式において、μはブレーキデ
ィスクとパット間の摩擦係数、Bはパットの有効半径、
Aはパットの有効面積、Pはブレーキ油圧である。数
式3のI,rは定数とみなされるので、
【数5】 となり、このμを用いる。dω/dtは現在使用されて
いる車輪速センサーより検出し、Nは車輪のサスペンシ
ョンに装着された垂直荷重センサーで測定され、T
上記式で計算される。なお、公知の排除手段を用いた場
合、それ以外にμセンサーにT成分として計測される
Fセンサーの出力に対するクロストークは配慮する必要
性が減るのでこれにてμが算出される。これの最大値付
近の適正範囲を最適制御開始ポイントとするものであ
る。
【0032】図2は、請求項3に記載した本発明の路面
摩擦係数μを用いた車両のアンチロックブレーキシステ
ムの制御方法のハード構成例を示すブロック図で、図1
に示した実施例のω・検出装置Aの代わりに、加速度
センサーを用いた検出装置A1を用いた点が異なるの
みで、その他の構成は同じであるため説明を省略する。
この実施例では最適制御開始ポイントを得るために、加
速度センサーを用いて、dV/dtによるμについては
車輪運動方程式より
【数6】 上記の数式において、mは車輌重量、Nは車輪荷重、μ
は摩擦係数である。但しmは定数とみなされる。上記数
式から
【数7】 を求め、この数式のμを用いる。dV/dtは加速度セ
ンサーにより測定され、Nは車輪のサスペンションに装
着された垂直荷重センサーで測定され算出されるもの
で、これの最大値付近の適正範囲を最適制御開始ポイン
トとするものである。
【0033】図3は請求項4に記載した本発明の路面摩
擦係数μを用いた車両のアンチロックブレーキシステム
の制御方法のハード構成例を示すブロック図で、ω、
、検出装置A2を用いた点が図1及び図2で示した
実施例と異なるのみで、その他の構成は同じであるので
説明を省略する。
【0034】図4は請求項5及び6に記載した本発明の
路面摩擦係数μを用いた車輌のアンチロックブレーキシ
ステムの制御方法のハード構成例を示すブロック図で、
ω・と及びω・・の検出装置A,A1,A2を
選択的に用い、制御装置3にω・・による判別回路
Bを備え、その他の構成は図1乃至図3に記載した実施
例と同じであるので、説明を省略する。
【0035】図4に示した実施例の制御装置3の動作を
図5乃至図8のフローチャートにもとづいて説明する。
ブレーキ踏力が、設定値以上になると、アンチロックブ
レーキ装置が動作を開始して通常のブレーキ動作からア
ンチロックブレーキ動作に移行する。図5に示すメイン
ルーチンのステップ110がこのアンチロックブレーキ
動作の開始を表わしている。続いてステップ111でω
ともしくはに基づいて最適制御開始ポイントを判別
してステップ112で路面摩擦係数μを検出し、ステッ
プ113にてこのμの値をμt−1でラベルされた変数
に記憶する。続いて、この値をステップ114にてこの
μpでラベルされた変数に記憶する。次に、ステップ1
15でブレーキ液圧を増圧した後に、ステップ116で
μを検出する。ステップ117では、μtでラベルされ
た変数にステップ116でのμの検出値を記憶する。次
にステップ118に進んで、2つの記憶値μtとμt−
1の差μt−μt−1が、所定の基準値μcと比較され
る。差μt−μt−1がμcより大きければステップ1
19へ進み、等しいか小さければステップ123のブレ
ーキ液減圧ルーチンへと進む。ステップ119では、変
数μtに記憶された値が変数μt−1に記憶されてこの
μt−1の記憶値が更新される。続いて、処理はステッ
プ114に戻る。
【0036】ブレーキ液減圧ルーチン123では、図6
に示すとおり、まずステップ142でブレーキ液圧を解
放あるいは一定の低い水準に減圧する。続いてステップ
143でωともしくはに基づいて最適制御開始ポイ
ントを判別してステップ144でμを検出した後、ステ
ップ145で変数μt−1にこの検出値を記憶する。次
に、ステップ146へ進んでμt−1を、α・μpと比
較する。係数αは0から1までの範囲の適当な一定値に
予め設定された定数である。変数μt−1の方が小さけ
れば、ステップ149に進んでブレーキ液減圧ルーチン
123を終了し、ステップ124のブレーキ液再加圧ル
ーチンへと進む。変数μt−1の方が大きいか等しけれ
ば、ステップ142に戻る。ブレーキ液減圧ルーチン1
23に続くブレーキ液再加圧ルーチン124では、図7
に示す処理を行う。まず、ステップ162ではブレーキ
液を増圧する。続いてステップ163でωともしくは
に基づいて最適制御開始ポイントを判別してステップ
164でμを検出し、ステップ165でこれを変数μt
に記憶する。次に、ステップ166で変数μtを変数μ
t−1と比較する。変数μtの方が大きければ、ステッ
プ167へ進んで変数μt−1に変数μtの値を記憶
し、変数μt−1の記憶値を更新する。続いて、ステッ
プ171へ進んでブレーキ液再加圧ルーチンを終了し、
メインルーチンのステップ114に戻る。ステップ16
6に於て変数μtの方が小さいか等しい場合には、ステ
ップ168へ進んでステップ167と同様に変数μt−
1の値をμtの値に更新する。そして、ステップ162
に戻る。
【0037】制御装置3が以上の処理を行うことによ
り、本実施例に係るアンチロックブレーキシステムは次
のように動作する。アンチロックブレーキシステムが動
作を始めると、路面摩擦係数μの上昇速度が所定の基準
値を上回る間は、ブレーキ液圧を上昇させてゆき、ωも
しくはdω/dt又はdV/dtにより最適制御開始ポ
イントを判断させ路面摩擦係数μの上昇速度が基準値よ
り低くなると、ブレーキ液圧を緩和又は解放する。この
際、減圧モードに移動後において、減圧しきい値もしく
は経過時間の規定値の設定値によるかもしくは判別回路
によるか又はこれらの組合せにより減圧モードから増圧
モードに移行させる。以下、上記の動作を連続し、車両
が停車するまで繰り返す。
【0038】アンチロックブレーキ動作中に車速が一定
値以下になった場合には、制御装置3が図5から図7に
示すフローチャートのどの段階にあっても、直ちに図8
に示す割り込みルーチンを実行してアンチロックブレー
キ動作を終了し、通常ブレーキ動作に戻るようにブレー
キ液圧装置を制御する。車速が十分低ければ、アンチロ
ックブレーキ動作の必要性は低く、停車時にはその必要
が全くない。以上は路面摩擦係数μを用いた場合の実施
例であるが、路面摩擦力Fを用いた場合も、
【数8】 による関係式からμにNを乗じることにより、上記した
μを用いた実施例と同様に行うことができる。
【0039】図9は請求項7に記載した本発明の、路面
摩擦係数μを用いた、車両のアンチロックブレーキシス
テム制御方法の概要フローチャートである。まず、緊急
時に運転者が急ブレーキを踏むと、ステップ200でブ
レーキ圧が増加する。次に、ステップ202でμが急速
に立ち上がっているかを判断する。急速に立ち上がって
いれば、急ブレーキと判断し、ステップ203からのA
BS制御に入る。ステップ204、205でブレーキ圧
が上昇中にもかかわらずμが減少すれば、この路面で得
られるμMAX値を通過したと判断し、ステップ206
でμが減少する前のμ値をMAX_μ_HIに、その時
のブレーキ圧をMAX_P_HIにそれぞれ記憶する。
ステップ207でこのMAX値を基に、通常の路面での
振動範囲の下限をMAX_μ_LO、それに対応するブ
レーキ圧をMAX_P_LOとして算出する。ステップ
209では、現在のブレーキ圧がMAX_P_HIより
大きければステップ210のブレーキ圧の減圧を行いス
テップ208へ戻る。また現在のブレーキ圧がMAX_
P_HIより小さければステップ211へ移行する。ス
テップ211では、現在のブレーキ圧がMAX_P_L
Oより小さければ、ステツプ212でブレーキ圧の増圧
を行いステップ208へ戻る。また、ステップ211で
現在のブレーキ圧がMAX_P_LOより大きけれR何
もせずにステップ208へ戻る。これによりμMAX値
と算出された一定の下限値の間にブレーキ力を最小の制
御で維持することが出来る。
【0040】図10は請求項8に記載した本発明の、路
面摩擦係数μを用いた、車両のアンチロックブレーキシ
ステムの制御方法の概要フローチャートである。まず、
ステップ200から207までは請求項7と全く同じ動
作のため説明を省略する。ステップ300、301、3
02のループでブレーキ圧がMAX_P_LOになるま
で減圧を行う。次にステップ303、304、305の
ループでブレーキ圧がMAX_P_HIになるまでブレ
ーキ圧の増圧を行う。次に、ステップ300、301、
302のループに戻る。これによりμMAX値と算出さ
れた一定の下限値の間になるようにブレーキ圧を変動さ
せることが出来る。
【0041】図11は請求項9に記載した本発明の、路
面摩擦係数μを用いた、車両のアンチロックブレーキシ
ステムの制御方法の概要フローチャートである。まず、
ステップ200から305までは請求項8と全く同じ動
作のため説明を省略する。ステップ303、304、3
05のループから抜け出したとき、すなはちステップ4
00で現在のμ値がステップ206で記憶したMAX_
μ_HIより大きければ、より大きなμを得られる路面
に車が移動したと判断でき、ステップ203のABS制
御開始時点に戻り、新たにこの路面から得られるμMA
X値を捜すことが出来る。
【0042】図12は請求項10に記載した本発明の、
路面摩擦係数μを用いた、車両のアンチロックブレーキ
システムの制御方法の概要フローチャートである。ま
ず、ステップ200からステップ302までとステップ
303から305のループは請求項8と全く同じ動作の
ため説明を省略する。ステップ500の時点ではブレー
キ圧はMAX LOの値であり、ステップ207の
時点でこれに見合うμはMAX μ LOであった。こ
こで、現時点のμがMAX μ LOの値より小さけれ
ば、路面のμが減少したと判断して、ステップ502の
急減圧後にステップ203のABS制御開始時点に戻
る。ステップ501の時点ではブレーキ圧はMAX
HIの値であり、ステップ206の時点でこれに見合
うμはMAX μ HIであった。ここで、現時点のμが
MAX μ HIの値より小さければ、路面のμが減少
したと判断して、ステップ502の急減圧後にステップ
203のABS制御開始時点に戻る。
【0043】 図13は請求項7に記載した本発明の路面
摩擦力Fを用いた車両のアンチロックブレーキシステム
の制御方法の概要フローチャートである、図9の路面摩
擦係数μを路面摩擦力Fにおきかえたものであり、制御
の方法はμの場合と全く同じ考え方で実施できるので詳
細な説明は省略する。また図10〜12のμでの制御も
図13と同じようにFでの制御におきかえることが可能
である。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2に記載された本発明の車両のアンチロ
ックブレーキシステムの制御方法のハード構成例を示す
ブロック図。
【図2】請求項3に記載された本発明の車両のアンチロ
ックブレーキシステムの制御方法のハード構成例を示す
ブロック図。
【図3】請求項4に記載された本発明の車両のアンチロ
ックブレーキシステムの制御方法のハード構成例を示す
ブロック図。
【図4】請求項5及び6に記載された本発明の車両のア
ンチロックブレーキシステムの制御方法のハード構成例
を示すブロック図。
【図5】図4に示した制御装置のメインルーチン処理を
示すフローチャート。
【図6】図5に示したブレーキ液減圧処理ルーチンを示
すフローチャート。
【図7】図5に示したブレーキ液再加圧処理ルーチンを
示すフローチャート。
【図8】図5のメインルーチン処理に対する割り込み処
理を示すフローチャート。
【図9】請求項7に記載された本発明の車両のアンチロ
ックブレーキシステムの制御方法のフローチャート。
【図10】請求項8に記載された本発明の車両のアンチ
ロックブレーキシステムの制御方法のフローチャート。
【図11】請求項9に記載された本発明の車両のアンチ
ロックブレーキシステムの制御方法のフローチャート。
【図12】請求項10に記載された本発明の車両のアン
チロックブレーキシステムの制御方法のフローチャー
ト。
【図13】請求項7に記載された本発明の路面摩擦力F
による制御方法のフローチャート。
【符号の説明】
1 路面摩擦係数検出装置 2 ブレーキペダルの踏力センサー 3 制御装置 4 ブレーキ液圧発生装置 5 ブレーキ装置 6 ブレーキ液圧検出装置 A ω・検出装置 A1 検出装置 A2 ω・・検出装置 B ω・・による判別回路

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンチロックブレーキシステムを装備し
    た車両が緊急制動をかけた場合、ブレーキ圧の増圧によ
    る路面摩擦力または路面摩擦係数の変化を、路面摩擦力
    検出装置または路面摩擦係数検出装置で検知するアンチ
    ロックブレーキシステムであって、前記路面摩擦力検出
    装置または前記路面摩擦係数検出装置による路面摩擦力
    Fまたは路面摩擦係数μの信号値の上昇にともなってF
    またはμもしくはdF/dtまたはdμ/dtが制御の
    規定値に達したか否かを調べるための制御の開始時点で
    ある最適制御開始ポイントを、車輪速度の落込みより即
    ち車輪速度ωもしくはdω/dtを用いて判断し、その
    最適制御開始ポイント以降、FまたはμもしくはdF/
    dtまたはdμ/dtによる制御の規定値に達した時点
    より、制動ブレーキ圧力を増圧モードから保持もしくは
    減圧モードに移行させることを特徴とする車両のアンチ
    ロックブレーキシステムの制御方法。
  2. 【請求項2】 アンチロックブレーキシステムを装備し
    た車両が緊急制動をかけた場合、ブレーキ圧の増圧によ
    る路面摩擦力または路面摩擦係数の変化を、路面摩擦力
    検出装置または路面摩擦係数検出装置で検知するアンチ
    ロックブレーキシステムであって、前記路面摩擦力検出
    装置または前記路面摩擦係数検出装置による路面摩擦力
    Fまたは路面摩擦係数μの信号値の上昇にともなってF
    またはμもしくはdF/dtまたはdμ/dtが制御の
    規定値に達したか否かを調べるための制御の開始時点で
    ある最適制御開始ポイントを、加速度センサーを用い
    て、即ちdV/dtにより車体加速度の落込みを調べる
    ことにより判断し、その最適制御開始ポイント以降、F
    またはμもしくはdF/dtまたはdμ/dtによる制
    御の規定値に達した時点より、制動ブレーキ圧力を増圧
    モードから保持もしくは減圧モードに移行させることを
    特徴とする車両のアンチロックブレーキシステムの制御
    方法。
  3. 【請求項3】 アンチロックブレーキシステムを装備し
    た車両が緊急制動をかけた場合、ブレーキ圧の増圧によ
    る路面摩擦力または路面摩擦係数の変化を、路面摩擦力
    検出装置または路面摩擦係数検出装置で検知するアンチ
    ロックブレーキシステムであって、前記路面摩擦力検出
    装置または前記路面摩擦係数検出装置による路面摩擦力
    Fまたは路面摩擦係数μの信号値の上昇にともなってF
    またはμもしくはdF/dtまたはdμ/dtが制御の
    規定値に達したか否かを調べるための制御の開始時点で
    ある最適制御開始ポイントを、車輪速度ωもしくはdω
    /dt及びdV/dtの双方にて判断を行い、その最適
    制御開始ポイント以降、FまたはμもしくはdF/dt
    またはdμ/dtによる制御の規定値に達した時点よ
    り、制動ブレーキ圧力を増圧モードから保持もしくは減
    圧モードに移行させることを特徴とする車両のアンチロ
    ックブレーキシステムの制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
    車両のアンチロックブレーキシステムの制御方法におい
    て、増圧モードから保持モードを介して減圧モードへ移
    行した後、もしくは増圧モードから直接減圧モードへ移
    行した後に、減圧しきい値もしくは規定の経過時間によ
    るか、又はそれら二者の組合せにより、制動ブレーキ圧
    を減圧モードから増圧モードに移行させることを特徴と
    する車両のアンチロックブレーキシステムの制御方法。
  5. 【請求項5】 アンチロックブレーキシステムを装備し
    た車両の走行中、最初の制動ブレーキ圧制御をするのに
    請求項1乃至3のいずれか1つに記載の制御方法を用い
    て行い、増圧モードから保持モードを介して減圧モード
    へ移行した後、もしくは増圧モードから直接減圧モード
    へ移行した後に、減圧しきい値もしくは規定の経過時間
    によるか、又はそれら二者の組合せにより、制動ブレー
    キ圧を減圧モードから増圧モードに移行させ、再び請求
    項1乃至3のいずれか1つに記載の制御方法に戻るとい
    う動作を、前記車両が停車するまで繰返すことを特徴と
    する車両のアンチロックブレーキシステムの制御方法。
  6. 【請求項6】 アンチロックブレーキシステムを装備し
    た車両の走行中、最初の制動ブレーキ圧制御をするのに
    請求項1乃至3のいずれか1つに記載の制御方法を用い
    て行い、増圧モードから保持モードを介して減圧モード
    へ移行した後、もしくは増圧モードから直接減圧モード
    へ移行した後に、減圧しきい値もしくは規定の経過時間
    によるか、又はそれら二者の組合せにより、制動ブレー
    キ圧を減圧モードから増圧モードに移行させ、この増圧
    モードへの移行後、FまたはμもしくはdF/dtまた
    はdμ/dtによる制御の規定値に達した時点より、制
    動ブレーキ圧を増圧モードから保持もしくは減圧モード
    に移行させるという動作と、増圧モードから保持モード
    を介して減圧モードへ移行した後、もしくは増圧モード
    から直接減圧モードへ移行した後に、減圧しきい値もし
    くは規定の経過時間によるか、又はそれら二者の組合せ
    により、制動ブレーキ圧を減圧モードから増圧モードに
    移行させるという動作とを、車両が停車するまで繰り返
    すことを特徴とする車両のアンチロックブレーキシステ
    ムの制御方法。
  7. 【請求項7】 アンチロックブレーキシステムを装備し
    た車両が緊急制動をかけた場合、ブレーキ圧の増圧によ
    る路面摩擦力または路面摩擦係数の変化を、路面摩擦力
    検出装置または路面摩擦係数検出装置で検知するアンチ
    ロックブレーキシステムであって、前記路面摩擦力検出
    装置または前記路面摩擦係数検出装置による路面摩擦力
    Fまたは路面摩擦係数μの信号値の初回のピーク値を確
    認後、そのピーク値である最大F値もしくは最大μ値の
    付近と、最大F値または最大μ値に応じて設定された下
    限値との範囲内にFまたはμが安定して保持されるよう
    にブレーキ圧を制御することを特徴とする車両のアンチ
    ロックブレーキシステムの制御方法。
  8. 【請求項8】 アンチロックブレーキシステムを装備し
    た車両が緊急制動をかけた場合、ブレーキ圧の増圧によ
    る路面摩擦力または路面摩擦係数の変化を、路面摩擦力
    検出装置または路面摩擦係数検出装置で検知するアンチ
    ロックブレーキシステムであって、前記路面摩擦力検出
    装置または前記路面摩擦係数検出装置による路面摩擦力
    Fまたは路面摩擦係数μの信号値の初回のピーク値を確
    認後、そのピーク値である最大F値もしくは最大μ値の
    付近と、最大F値または最大μ値に応じて設定された下
    限値との範囲内にFまたはμが保持される範囲で、ブレ
    ーキ圧の増圧と減圧とを繰り返すことを特徴とする車両
    のアンチロックブレーキシステムの制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8のいずれか1つに記載
    の車両のアンチロックブレーキシステムの制御方法に於
    て、ブレーキ圧の制御中に、Fまたはμの変動を監視
    し、設定した制御範囲のブレーキ圧上限に至る時、F値
    またはμ値が前記最大F値または前記最大μ値を越える
    場合は、更にブレーキ圧を上げ、改めてFまたはμの信
    号値のピーク値を確認し、最大F値または最大μ値を更
    新することを特徴とする車両のアンチロックブレーキシ
    ステムの制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項7または8のいずれか1つに記
    載の車両のアンチロックブレーキシステムの制御方法に
    於て、ブレーキ圧の制御中に、Fまたはμの変動を監視
    し、ブレーキ圧が設定した制御範囲の下限に至ったとき
    に、F値またはμ値が、前記最大F値または前記最大μ
    値に応じて設定された前記下限値よりも小さい場合、あ
    るいはブレーキ圧が設定した制御範囲の上限に至ったと
    きに、F値またはμ値が、前記最大F値または前記最大
    μ値よりも小さい場合、急速にブレーキ圧を下げて、改
    めてFまたはμの信号値のピーク値を確認し、最大F値
    または最大μ値を更新することを特徴とする車両のアン
    チロックブレーキシステムの制御方法。
  11. 【請求項11】 請求項7または8のいずれか1つに記
    載の車両のアンチロックブレーキシステムの制御方法に
    於て、凹凸路面走行時のような前記路面摩擦力検出装置
    または前記路面摩擦係数検出装置による路面摩擦力Fま
    たは路面摩擦係数μの信号値が大きく振動してその初回
    のピーク値を確認しにくい場合に、一定時間内の最大F
    値または最大μ値と最小F値または最小μ値との間に疑
    似Fまたは疑似μを求め、その疑似Fまたは疑似μに対
    してブレーキ圧制御を行うことを特徴とする車両のアン
    チロックブレーキシステムの制御方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の車両のアンチロッ
    クブレーキシステムの制御方法に於て、ブレーキ圧制御
    中に、一定時間内の最大F値または最大μ値と最小F値
    または最小μ値との値が許容範囲以上変動した場合、改
    めて各々の値を一定時間内に計測し、新たに疑似Fまた
    は疑似μを求めて、その疑似Fまたは疑似μに対応して
    ブレーキ圧制御を行うことを特徴とする車両のアンチロ
    ックブレーキシステムの制御方法。
  13. 【請求項13】 請求項11または12のいずれか1つ
    に記載の車両のアンチロックブレーキシステムの制御方
    法に於て、ブレーキ圧制御中に、前記路面摩擦力検出装
    置または前記路面摩擦係数検出装置による路面摩擦力F
    または路面摩擦係数μの信号値のピーク値が確認できた
    場合は、請求項7乃至10のいずれか1つに記載のブレ
    ーキ圧制御を行うことを特徴とする車両のアンチロック
    ブレーキシステムの制御方法。
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