JP2644543B2

JP2644543B2 - ワイヤ放電加工機の結線方法

Info

Publication number: JP2644543B2
Application number: JP63202792A
Authority: JP
Inventors: 雅仁梅津; 茂治横道
Original assignee: WASHINO ENJINIARINGU KK; Amada Co Ltd
Current assignee: WASHINO ENJINIARINGU KK; Amada Co Ltd
Priority date: 1988-08-16
Filing date: 1988-08-16
Publication date: 1997-08-25
Anticipated expiration: 2012-08-25
Also published as: EP0355696A1; JPH0253528A; DE68903451T2; EP0355696B1; DE68903451D1; US5130508A

Description

【発明の詳細な説明】［発明の目的］（産業上の利用分野）この発明はワイヤ放電加工機の結線方法に関する。

（従来の技術）ワイヤ放電加工機において、被加工物の一つの加工部
の加工を終え、他の加工部へ移る際には、ワイヤ電極を
切断して新たな加工部のスタート孔へワイヤ電極を挿通
する所謂結線作業が必要になる。結線作業には、前記の
ようなワイヤ電極の切断作業があり、この作業は通常ワ
イヤ電極に電流を流して溶断することによって行なわれ
ているが、溶断されたワイヤ電極には、一般にボビンに
巻かれたときの巻きぐせが残っている。したがって、こ
れを小径のスタート孔や下部ワイヤガイドに挿通するこ
とは、必ずしも容易なことではなかった。

このため、従来から第３図のa,b,cに示すような種々
な方法が用いられてきた。同図ａは結線時のみ直進案内
用パイプガイド65を上部ワイヤガイド67の直下に位置さ
せ、ワイヤ電極１をワイヤ送り出しローラ69によって送
り、被加工物９を貫通させるものである。また、同図ｂ
は上部ワイヤガイド67の下方に小径のオリフィス71を設
け、これから加工液を噴出してワイヤ電極１を加工液中
に捕捉しながらワイヤ送り出しローラ69によって送り出
し、被加工物９に貫通させるものである。また、同図ｃ
はパイプガイド73の下端に設けた上部ワイヤガイド67を
被加工物９の上面近傍へ移動して、ワイヤ電極１をワイ
ヤ送り出しローラ69によって送り、被加工物９へ貫通さ
せるものである。

（発明が解決しようとする課題）前記のような従来の方法には、それぞれ次のような問
題があった。即ち第３図ａの方法は、パイプガイドを縦
方向に２分割してあり、結線の前後はパイプガイドを分
割して、加工部へ進入、退避するため、構造が複雑、微
細で保守に多くの手間がかかった。第３図ｂの方法は、
テーパー加工時に、オリフィスの下端がワイヤ電極と干
渉するため、テーパ角度に制限が生じた。また、第３図
ｃの方法は、上部ワイヤガイドを保持するパイプガイド
の剛性が小さく、ワイヤガイドの正確な位置決めが困難
であった。

また、従来のように、ワイヤ電極を通電加熱して溶断
する構成においては、ワイヤ電極の切断部の先端に球状
部分が形成されるものの、この球状部分の径は必ずしも
一定ではなく、ときとしてワイヤ径にほぼ等しい大きさ
になることがあり、結線作業の円滑性を阻害することが
ある。

［発明の構成］（課題を解決するための手段］前述のごとき従来の問題に鑑みて、本考案は、ワイヤ
放電加工機における上部ガイドブロックの下方位置にお
いてクランパがワイヤ電極を固定した後、上記上部ガイ
ドブロックの上方位置に設けたテンションローラと前記
クランパとの間において前記ワイヤ電極に弾性限以上の
張力を付与してワイヤ電極を真直にし、その後に上記張
力を除くと共に前記上部ガイドブロックの通電子と前記
クランパとの間においてワイヤ電極を通電加熱し、その
後に上記ワイヤ電極に再び張力を付与して上記通電加熱
した部分においてワイヤ電極を切断し、その後にワイヤ
電極を被加工物の新しいスタート孔に貫通するワイヤ放
電加工機の結線方法である。

（実施例］次にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。第
１図はこの発明を実施した放電加工機のワイヤ走行系の
説明図である。即ち、ワイヤ電極１は図示しないボビン
から送り出されテンション装置３、ワイヤガイドパイプ
５、上部ガイドブロック７を通り、被加工物９の間で放
電を行なった後、下部ガイドブロック11、搬送装置13、
巻上げローラ15を経てワイヤ回収箱17によって回収され
る。

テンション装置３はドライブローラ３−ａ、テンショ
ンローラ3b、アイドルローラ3c等からなり、ベルト3dが
掛け回わされている。ドライブローラ3aの軸19には、ブ
レーキ装置21が取付けられている。また軸19には、結線
作業のために電磁クラッチ23と、一対の歯車25a、25bを
介してパルスモータ27、及び一対の歯車29a、29bを介し
てロータリエンコーダ31が取付けられている。このロー
タリエンコーダ31は、搬送装置13の速度がパルスモータ
27のワイヤ電極の送り出し速度より遥かに大きいので、
結線時の速度変化を検出することにより、ワイヤ電極１
が搬送装置13まで達したか否かを確認するためのもので
ある。

上部ガイドブロック７及び下部ガイドブロック11に
は、それぞれ通電子33、35及びワイヤガイド37、39が内
蔵されており、またそれぞれに矢印のように加工液が流
入し、ノズル部から噴出する。搬送装置13は、上下２箇
のベルト装置からなり、この間にワイヤ電極１を挟んで
矢印方向へ搬送する。ワイヤ回収箱17にはその底部に結
線確認検出板41が取付けてあり、ワイヤ電極１がこれに
接触すると電気回路を閉じることにより最後の結線の確
認が行なわれる。

クランプ装置43は、ワイヤ電極１を切断するときに、
これをクランパ45によって固定し、また通電するための
ものである。クランパ45はブラケット47に取付けてあ
り、このブラケットはスプラインシャフト49に沿って、
モータ51及びスクリュー・ナット機構53により、左右方
向に自在に移動することができる。クランパ45の開閉は
エアシリンダ55によって行なわれクランプ装置43はモー
タ57によって昇降する。またクランパ45には、ワイヤ電
極１の切断箇所を一定にするため蓄熱ブロック59が取付
けられている。

上部及び下部ガイドブロック７、11にそれぞれ内蔵さ
れた通電子33、35と、被加工物９の間には放電加工用の
電源装置61が接続され、通電子33と前記のクランパ45と
の間には、ワイヤ電極の切断用の電源装置63が接続され
ている。

次にこの装置による結線方法を第２図のフローチャー
トに従って説明する。

S1で、上部ガイドブロック７を上昇させ、上昇限で停
止させる。

S2で、クランプ装置43を下降させ、クランパ45を上部
ガイドブロック７のあとへ位置させる。

S3で、クランパ45を閉じてワイヤ電極１を固定する。

S4で、電磁クラッチ23を励磁し、テンション装置３の
ドライブローラ3aの軸19へ歯車25aを結合する。

S5で、パルスモータ27を一定回転数だけ逆転（実線矢
印方向）させ、テンションローラ3bとクランパ45間のワ
イヤ電極１に弾性限以上の張力を加え引き伸ばす。

S6で、電磁クラッチ23を解磁し、ワイヤ電極１の張力
を除く。このとき、ワイヤ電極１はテンション装置３の
テンションローラ3bとクランパ45間で真直になってい
る。

S7で、クランパ45と上部ガイドブロック７の通電子33
間のワイヤ電極１に、切断用電源装置63から所定の電流
を流し、ワイヤ電極１を加熱する。

S8、S9、S10で、電磁クラッチ23を励磁し、パルスモ
ータ27を逆転してワイヤ電極１が切断するまで張力を加
える。

S11、S12、S13で、パルスモータ27を停止し、クラッ
チ23を解磁し、ワイヤ電極１への通電回路を開く。

S14で、クランパ45を開き、クランプ装置43を元の位
置へ戻す。

S15で、切断された不要のワイヤ電極を巻上げローラ1
5によって搬出する。

S16で、上部ガイドブロック７を元の位置まで下降さ
せる。この段階で結線作業のワイヤの切断工程が完了
し、次のS17の段階から新しいスタート孔への結線が行
なわれる。

S17で、搬送装置13、巻上げローラ15を運転する。

S18、S19で、クラッチ23を励磁し、パルスモータ27を
正転（点線矢印方向）して、ワイヤ電極１を上部ガイド
ブロック７から下方向へ送り出す。

S20で、ワイヤ電極１は被加工物９の新しいスタート
孔から被加工物を貫通し、下部ガイドブロック11を通っ
て搬送装置13に引き込まれる。

S21、S22で、ワイヤ電極１が搬送装置13まできたかの
最初の結線の確認が行なわれる。これは前記のロータリ
エンコーダ31の信号によって確認される。若し結線の確
認ができない場合には、最初のS1の段階へ戻る。

S23、S24で、最後の結線の確認が行なわれる。若し確
認できない場合には、搬送装置13よりあとの故障と判断
し機械の運転を停止する。

S25、S26で、パルスモータ27、電磁クラッチ23を解磁
し、結線作業を完了する。

［発明の効果］以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要
するに本発明は、ワイヤ放電加工機における上部ガイド
ブロック（７）の下方位置においてクランパ（45）がワ
イヤ電極（１）を固定した後、上記上部ガイドブロック
（７）の上方位置に設けたテンションローラ（3b）と前
記クランパ（45）との間において前記ワイヤ電極（１）
に弾性限以上の張力を付与してワイヤ電極（１）を真直
にし、その後に上記張力を除くと共に前記上部ガイドブ
ロック（７）の通電子（33）と前記クランパ（45）との
間においてワイヤ電極（１）を通電加熱し、その後に上
記ワイヤ電極（１）に再び張力を付与して上記通電加熱
した部分においてワイヤ電極（１）を切断し、その後に
ワイヤ電極（１）を被加工物（９）の新しいスタート孔
に貫通するワイヤ放電加工機の結線方法である。

上記構成より明らかなように、本発明においては、ワ
イヤ電極１に弾性限以上の張力を付与して真直化した後
に上記張力を除き、上部ガイドブロック７の通電子33と
クランパ45との間においてワイヤ電極１を通電加熱し、
その後にワイヤ電極１に張力を付与して上記通電加熱し
た部分において切断するものである。

したがって、本発明によれば、ワイヤ電極１の巻きぐ
せが除去されて真直化されると共に、張力を付与して通
電加熱した部分を切断するものであるから、切断部分は
延伸して切断されることとなり、先鋭な先端に切断され
るものである。よって、被加工物９の新しいスタート孔
に対するワイヤ電極１の貫通は勿論のこと、ワイヤ放電
加工機における下部ガイドブロック11のワイヤガイド39
に対する貫通をも容易に行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を実施した放電加工機のワイヤ走行系
の説明図、第２図はこの発明の実施例のフローチャー
ト、第３図は従来の補助手段の説明図である。図面の主要な部分を表わす符号の説明１……ワイヤ電極、３……テンション装置７……上部ガイドブロック、９……被加工物 11……下部ガイドブロック 13……搬送装置、23……電磁クラッチ 27……パルスモータ 31……ロータリエンコーダ 33、35……通電子 37、39……ワイヤガイド 41……結線確認検出板、43……クランプ装置 45……クランパ 63……切断用電源装置

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ワイヤ放電加工機における上部ガイドブロ
ック（７）の下方位置においてクランパ（45）がワイヤ
電極（１）を固定した後、上記上部ガイドブロック
（７）の上方位置に設けたテンションローラ（3b）と前
記クランパ（45）との間において前記ワイヤ電極（１）
に弾性限以上の張力を付与してワイヤ電極（１）を真直
にし、その後に上記張力を除くと共に前記上部ガイドブ
ロック（７）の通電子（33）と前記クランパ（45）との
間においてワイヤ電極（１）を通電加熱し、その後に上
記ワイヤ電極（１）に再び張力を付与して上記通電加熱
した部分においてワイヤ電極（１）を切断し、その後に
ワイヤ電極（１）を被加工物（９）の新しいスタート孔
に貫通することを特徴とするワイヤ放電加工機の結線方
法。