JP2643002B2 - 粉末成形体の脱脂方法 - Google Patents
粉末成形体の脱脂方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、金属またはセラミック等の粉末の焼結材料
の製造方法に関するものであり、詳しくは、粉末成形体
の脱脂方法に関するものである。
の製造方法に関するものであり、詳しくは、粉末成形体
の脱脂方法に関するものである。
<従来の技術> 小型で複雑な形状をした金属、セラミックスあるいは
サーメット等の部品の製造方法のなかで、粉末と成形助
剤との混合物を射出成形あるいは押し出し成形し、成形
体から成形助剤を除去する脱脂工程後、成形体の焼結を
行う方法が製品特性および経済性の観点から有望視さ
れ、工業化されている。
サーメット等の部品の製造方法のなかで、粉末と成形助
剤との混合物を射出成形あるいは押し出し成形し、成形
体から成形助剤を除去する脱脂工程後、成形体の焼結を
行う方法が製品特性および経済性の観点から有望視さ
れ、工業化されている。
これらの製造方法において、品質および製造コストを
大きく左右する工程は脱脂工程である。そのため、品質
向上、製造コスト削減を目差して、種々の技術改善が行
われてきた。例えば、特公昭61−48563号公報において
は、成形体を多孔質の吸収材上に静置し、ガスを勢いよ
く送風することで、脱脂時間を短縮している。しかし、
この方法では、最終製品の表面性状や形状に問題が残
る。
大きく左右する工程は脱脂工程である。そのため、品質
向上、製造コスト削減を目差して、種々の技術改善が行
われてきた。例えば、特公昭61−48563号公報において
は、成形体を多孔質の吸収材上に静置し、ガスを勢いよ
く送風することで、脱脂時間を短縮している。しかし、
この方法では、最終製品の表面性状や形状に問題が残
る。
一方、本発明者らは、真空あるいは減圧を利用して成
形助剤の一部を低温で除去することで、高寸法精度を確
保することに成功した。また、こうしてある一定量の成
形助剤を除去した後は、急速に成形助剤を除去しても欠
陥を生じないため、脱脂処理時間の短縮、すなわち、製
造コスト削減にも有効な手段であることを知り、特許出
願した(特願平1−12724)。
形助剤の一部を低温で除去することで、高寸法精度を確
保することに成功した。また、こうしてある一定量の成
形助剤を除去した後は、急速に成形助剤を除去しても欠
陥を生じないため、脱脂処理時間の短縮、すなわち、製
造コスト削減にも有効な手段であることを知り、特許出
願した(特願平1−12724)。
しかし、従来の脱脂方法においては、いずれも、特に
厚物を脱脂する際には、脱脂後に残留するC量が0.5wt
%以上と高く十分に低減することができないため焼結に
時間がかかるという問題があった。すなわち、焼結に当
ってはCを除去する必要があるので、C量が高いとそれ
だけ余分に時間がかかるのである。また、場合によって
は焼結時にC量が低減できないと材料特性例えば耐食
性、磁気特性等が劣化するおそれもある。
厚物を脱脂する際には、脱脂後に残留するC量が0.5wt
%以上と高く十分に低減することができないため焼結に
時間がかかるという問題があった。すなわち、焼結に当
ってはCを除去する必要があるので、C量が高いとそれ
だけ余分に時間がかかるのである。また、場合によって
は焼結時にC量が低減できないと材料特性例えば耐食
性、磁気特性等が劣化するおそれもある。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、上述した従来技術の問題点を解消し、脱脂
時に成形体からC量を十分に例えば、0.3wt%程度以下
に低減可能な粉末成形体の脱脂方法を提供することを目
的とする。
時に成形体からC量を十分に例えば、0.3wt%程度以下
に低減可能な粉末成形体の脱脂方法を提供することを目
的とする。
<課題を解決するための手段> 脱脂後のC量を十分に低減するために、本発明は、原
料粉末に対する成形助剤の体積比率が0.5〜1.5の範囲に
ある粉末成形体から成形助剤を除去する粉末成形体の脱
脂方法であって、予備処理として該粉末成形体を0.1Tor
r以下の減圧下で80℃以上250℃未満の温度領域にて保持
して成形助剤の一部を除去し、その後、予備処理した粉
末成形体を水素ガス雰囲気中にて250〜800℃の温度領域
で残部の成形助剤の除去を行うことを特徴とする粉末成
形体の脱脂方法を提供する。予備処理の方法としては、
減圧下で80℃以上250℃未満に加熱する。
料粉末に対する成形助剤の体積比率が0.5〜1.5の範囲に
ある粉末成形体から成形助剤を除去する粉末成形体の脱
脂方法であって、予備処理として該粉末成形体を0.1Tor
r以下の減圧下で80℃以上250℃未満の温度領域にて保持
して成形助剤の一部を除去し、その後、予備処理した粉
末成形体を水素ガス雰囲気中にて250〜800℃の温度領域
で残部の成形助剤の除去を行うことを特徴とする粉末成
形体の脱脂方法を提供する。予備処理の方法としては、
減圧下で80℃以上250℃未満に加熱する。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、原料粉末に対する成形助剤の体積比率が、
0.5〜1.5の範囲にある粉末成形体から成形助剤を除去す
る場合に適用される。この体積比率が0.5未満の場合
は、他の脱脂方法によっても十分に低いC量となる。ま
た、体積比率が1.5を超えると成形体の形状を崩すこと
なく脱脂することは不可能となる。したがって、脱脂の
対象となる成形体の原料粉末に対する成形助剤の体積比
率は、0.5〜1.5の範囲である。
0.5〜1.5の範囲にある粉末成形体から成形助剤を除去す
る場合に適用される。この体積比率が0.5未満の場合
は、他の脱脂方法によっても十分に低いC量となる。ま
た、体積比率が1.5を超えると成形体の形状を崩すこと
なく脱脂することは不可能となる。したがって、脱脂の
対象となる成形体の原料粉末に対する成形助剤の体積比
率は、0.5〜1.5の範囲である。
本発明の脱脂においては、本脱脂として、粉末成形体
が250〜800℃の温度域を通過する過程において、その雰
囲気の一部または全部を水素含有ガス雰囲気とすること
が必要である。
が250〜800℃の温度域を通過する過程において、その雰
囲気の一部または全部を水素含有ガス雰囲気とすること
が必要である。
成形助剤を加熱すると、その一部は、溶解後の流出、
蒸発または分解後の蒸発によって除去される。ところ
が、成形助剤の一部は、除去される前に、分子構造が環
化、芳香族化、重縮合し、その結果、もはや除去しがた
い分子構造となる。脱脂後の残留C量を低減する一つの
方法は、環化、芳香族化、重縮合反応を抑制することで
ある。
蒸発または分解後の蒸発によって除去される。ところ
が、成形助剤の一部は、除去される前に、分子構造が環
化、芳香族化、重縮合し、その結果、もはや除去しがた
い分子構造となる。脱脂後の残留C量を低減する一つの
方法は、環化、芳香族化、重縮合反応を抑制することで
ある。
これらの反応は、水素、メタンおよび低分子有機物の
いずれかを生成させる反応である。したがって、水素、
メタンおよび低分子有機物のいずれかを加熱時に供給す
ることで、環化、芳香族化、重縮合反応を抑制できる。
しかし、メタンおよび低分子有機物の添加は、分解反応
をも抑制する場合があるため好ましくない。一方、水素
は、分解反応を阻害せず、むしろ、メタン生成反応によ
り分解を促進する。
いずれかを生成させる反応である。したがって、水素、
メタンおよび低分子有機物のいずれかを加熱時に供給す
ることで、環化、芳香族化、重縮合反応を抑制できる。
しかし、メタンおよび低分子有機物の添加は、分解反応
をも抑制する場合があるため好ましくない。一方、水素
は、分解反応を阻害せず、むしろ、メタン生成反応によ
り分解を促進する。
したがって、脱脂時の雰囲気は、水素含有ガスである
ことが必要である。また、この水素含有ガスの使用によ
る効果は、250℃未満では殆ど期待できない。また、水
素含有ガスを使用することなく、800℃を超えて昇温し
た場合、もはや成形助剤の環化、芳香族化、重縮合反応
は完了しているため、この後に250〜800℃の温度範囲で
水素含有ガスで成形体を処理したとしても炭素を低減す
ることはできない。したがって、脱脂時に粉末成形体が
250〜800℃の温度域を通過する過程で水素含有ガスを使
用することが必要である。特に、水素含有ガスを使用し
なかった場合に成形助剤の環化、芳香族化、重縮合反応
が最も活発に進行する温度域である250℃〜700℃で水素
含有ガスを使用する。250〜550℃の全域で水素含有ガス
を使用するのがさらに好ましい。
ことが必要である。また、この水素含有ガスの使用によ
る効果は、250℃未満では殆ど期待できない。また、水
素含有ガスを使用することなく、800℃を超えて昇温し
た場合、もはや成形助剤の環化、芳香族化、重縮合反応
は完了しているため、この後に250〜800℃の温度範囲で
水素含有ガスで成形体を処理したとしても炭素を低減す
ることはできない。したがって、脱脂時に粉末成形体が
250〜800℃の温度域を通過する過程で水素含有ガスを使
用することが必要である。特に、水素含有ガスを使用し
なかった場合に成形助剤の環化、芳香族化、重縮合反応
が最も活発に進行する温度域である250℃〜700℃で水素
含有ガスを使用する。250〜550℃の全域で水素含有ガス
を使用するのがさらに好ましい。
また、形状保持および脱脂時間短縮の観点より、あら
かじめ、予備処理、すなわち予備脱脂により成形助剤の
一部を除去する。脱脂時において、形状欠陥のおそれが
あるのは、成形助剤の一部を除去するまでの過程のみで
ある。この過程においては、おおよそ、250℃未満の低
温度に長時間保持する必要があり、この温度域では、水
素含有ガスは炭素低域に寄与しないため、別の方法によ
る方が経済上の観点等から好ましい。
かじめ、予備処理、すなわち予備脱脂により成形助剤の
一部を除去する。脱脂時において、形状欠陥のおそれが
あるのは、成形助剤の一部を除去するまでの過程のみで
ある。この過程においては、おおよそ、250℃未満の低
温度に長時間保持する必要があり、この温度域では、水
素含有ガスは炭素低域に寄与しないため、別の方法によ
る方が経済上の観点等から好ましい。
特に、予備処理の方法としては、0.1Torr以下の減圧
下の加熱が粉末成形体の形状上の観点から最も好まし
い。この0.1Torr以下の減圧下の加熱による方法は、本
発明者等が既に開示したものであり(特願平1−1272
4)、本発明と組み合せることで脱脂方法の最良の姿と
することができる。また、予備処理の温度は、形状保持
および脱脂時間短縮の観点より、80℃以上250℃未満と
する。
下の加熱が粉末成形体の形状上の観点から最も好まし
い。この0.1Torr以下の減圧下の加熱による方法は、本
発明者等が既に開示したものであり(特願平1−1272
4)、本発明と組み合せることで脱脂方法の最良の姿と
することができる。また、予備処理の温度は、形状保持
および脱脂時間短縮の観点より、80℃以上250℃未満と
する。
まず、本発明に使用する粉末は、金属、セラミックお
よびサーメット類の粉末のいずれでもよく、例えば、ア
トマイズ法、還元法、カルボニル法、粉砕法によって得
られる合金あるいは単体金属粉末、およびセラミック粉
末、サーメット類の粉末であり、必要に応じて、これら
の粉末を分級、混合することによって用意できる。ただ
し、還元法、カルボニル法、粉砕法によって製造しうる
粉末組成はかなり限定されるため、アトマイズ法が応用
範囲が広い。また、金属粉末が好ましい。
よびサーメット類の粉末のいずれでもよく、例えば、ア
トマイズ法、還元法、カルボニル法、粉砕法によって得
られる合金あるいは単体金属粉末、およびセラミック粉
末、サーメット類の粉末であり、必要に応じて、これら
の粉末を分級、混合することによって用意できる。ただ
し、還元法、カルボニル法、粉砕法によって製造しうる
粉末組成はかなり限定されるため、アトマイズ法が応用
範囲が広い。また、金属粉末が好ましい。
また、これら粉末の平均粒径は20μm以下のものが使
用でき、7〜14μm程度のものが、密度が高いこと等、
優れた焼結体特性が得られる利点があるため好ましい。
用でき、7〜14μm程度のものが、密度が高いこと等、
優れた焼結体特性が得られる利点があるため好ましい。
適用できる組成系は、ステンレス、純鉄、Fe−Ni、Fe
−Si、Fe−Co等の金属系、および、Si−C、Si−N、Si
−O、Ti−Cなどのセラミック系の構造材料あるいは磁
性材料用などの広範囲にわたって適用できる。
−Si、Fe−Co等の金属系、および、Si−C、Si−N、Si
−O、Ti−Cなどのセラミック系の構造材料あるいは磁
性材料用などの広範囲にわたって適用できる。
粉末成形体を例えば射出成形にて作製するには、好ま
しくは平均粒径が20μm以下の、射出成形用粉末を、ま
ず、形成助剤としてのバインダと混合・混練し、射出成
形用コンパウンドを調整する。
しくは平均粒径が20μm以下の、射出成形用粉末を、ま
ず、形成助剤としてのバインダと混合・混練し、射出成
形用コンパウンドを調整する。
適用可能なバインダは、熱可塑性樹脂類、ワックス
類、可塑剤あるいはその混合物を主体とする公知のバイ
ンダはいずれも適用可能であり、また必要に応じて潤滑
剤、脱脂促進剤等を添加しても良い。
類、可塑剤あるいはその混合物を主体とする公知のバイ
ンダはいずれも適用可能であり、また必要に応じて潤滑
剤、脱脂促進剤等を添加しても良い。
熱可塑性樹脂としては、アクリル系、ポリエチレン
系、ポリプロピレン系およびポリスチレン系等の一種、
あるいは二種以上を混合および/または共重合して用い
ることができる。
系、ポリプロピレン系およびポリスチレン系等の一種、
あるいは二種以上を混合および/または共重合して用い
ることができる。
ワックス類としては密ろう、木ろう、モンタンワック
ス等の天然ろう、低分子ポリエチレン、ミクロクリスタ
リンワックス、パラフィンワックス等の合成ろう等の一
種あるいは二種以上を混合して用いることができる。
ス等の天然ろう、低分子ポリエチレン、ミクロクリスタ
リンワックス、パラフィンワックス等の合成ろう等の一
種あるいは二種以上を混合して用いることができる。
可塑剤は、バインダの主成分により適宜選択すればよ
く、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル
酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)等
が例示できる。また、ワックス類を可塑剤として兼用で
きる。
く、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル
酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)等
が例示できる。また、ワックス類を可塑剤として兼用で
きる。
潤滑剤としては、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸
エステル等が適用可能であり、場合によってはワックス
類を潤滑剤として兼用してもよい。
エステル等が適用可能であり、場合によってはワックス
類を潤滑剤として兼用してもよい。
また、必要に応じ、脱脂促進剤として樟脳等の昇華性
物質を添加してもよい。
物質を添加してもよい。
なお、このようなバインダと原料粉末との混合比は、
通常50:50〜40:60vol%程度である。
通常50:50〜40:60vol%程度である。
原料粉末とバインダとの混練方法は特に制限はなく、
加圧ニーダ、バンバリーミキサー、2軸押出し機等の各
種のニーダ等によればよい。
加圧ニーダ、バンバリーミキサー、2軸押出し機等の各
種のニーダ等によればよい。
このようにして調製した射出成形用コンパウンドは、
必要に応じペレダイザー、粉砕器等を用いて造粒を行な
い、ぺレットとしてもよい。
必要に応じペレダイザー、粉砕器等を用いて造粒を行な
い、ぺレットとしてもよい。
次いで、得られた射出成形用コンパウンドを射出成形
して成形体を作製する。
して成形体を作製する。
射出成形は、通常のプラスチック用射出成形機、ある
いは最近市販されるようになったセラミック用、金属粉
末用射出成形機等、通常の射出成形に用いられる射出成
形機を用いて行えばよい。
いは最近市販されるようになったセラミック用、金属粉
末用射出成形機等、通常の射出成形に用いられる射出成
形機を用いて行えばよい。
この際において、射出圧力は通常500〜2500kgf/cm2程
度、温度は100〜180℃程度である。
度、温度は100〜180℃程度である。
最後に、得られた成形体の脱脂処理を本発明の脱脂工
程により行う。
程により行う。
本発明の脱脂工程を構成する脱脂予備処理、および、
それに引き続く加熱脱脂処理の方法は、前述の通りであ
る。
それに引き続く加熱脱脂処理の方法は、前述の通りであ
る。
本発明においては、このように射出成形にて得られた
脱脂済みの成形体を焼結して金属あるいはセラミックな
どの結晶体を製造する。
脱脂済みの成形体を焼結して金属あるいはセラミックな
どの結晶体を製造する。
前記脱脂後、前記原料粉末がステンレスの場合には、
10-2〜10-4Torr中、1050〜1300℃、0.5〜4時間保持し
た後、アルゴン、窒素等の不活性ガスを導入し、1200〜
1370℃、0.5〜2時間保持して焼結するとよい。また他
のFe、Fe−Ni系、Fe−Co系などの酸化性の低い金属のみ
を用いた場合には、水素ガス等の還元性ガス中800〜130
0℃、0.5〜4時間保持して焼結するのがよい。
10-2〜10-4Torr中、1050〜1300℃、0.5〜4時間保持し
た後、アルゴン、窒素等の不活性ガスを導入し、1200〜
1370℃、0.5〜2時間保持して焼結するとよい。また他
のFe、Fe−Ni系、Fe−Co系などの酸化性の低い金属のみ
を用いた場合には、水素ガス等の還元性ガス中800〜130
0℃、0.5〜4時間保持して焼結するのがよい。
Fe−Si等の酸化性の高い金属を焼結する場合は、ステ
ンレスと同様の方法で焼結する。
ンレスと同様の方法で焼結する。
これらの工程を経ることによって本発明では優れた金
属焼結体およびセラミック焼結体などを得ることができ
る。
属焼結体およびセラミック焼結体などを得ることができ
る。
また、粉末成形体は上記射出成形に限らず、押出し成
形など他の方法によって成形してもよい。
形など他の方法によって成形してもよい。
<実施例> 以下、本発明を実施例にしたがい具体的に説明する。
(実施例1) 平均粒径8.5μmのSUS316組成の原料粉末と10.5wt%
の成形助剤より成る粉末射出成形体を用意した。このと
きの原料粉末に対する成形助剤の体積比率は0.8であっ
た。また、この原料粉末のCの分析値は、0.04wt%であ
った。ここで使用した成形助剤は、アクリル樹脂10wt
%、エチレン酢酸ビニル共重合体15wt%、ポリエチレン
25wt%、パラフィンワックス25wt%、フタル酸エステル
15wt%、ステアリン酸亜鉛10wt%により構成されるもの
である。射出成形機を用いて粉末成形体を、幅13×長さ
65×厚さ5.5mmの直方体形状に成形した。真空乾燥機中
に粉末射出成形体を置き、0.1Torrの減圧下、80℃で4
時間保持、130℃で3時間保持、さらに180℃で2時間保
持することで、成形体より成形助剤を24%除去し、脱脂
予備処理体を作製した。脱脂予備処理体を、種々の雰囲
気中、第1表に示した条件で昇温、保持、冷却して本脱
脂を行った。
の成形助剤より成る粉末射出成形体を用意した。このと
きの原料粉末に対する成形助剤の体積比率は0.8であっ
た。また、この原料粉末のCの分析値は、0.04wt%であ
った。ここで使用した成形助剤は、アクリル樹脂10wt
%、エチレン酢酸ビニル共重合体15wt%、ポリエチレン
25wt%、パラフィンワックス25wt%、フタル酸エステル
15wt%、ステアリン酸亜鉛10wt%により構成されるもの
である。射出成形機を用いて粉末成形体を、幅13×長さ
65×厚さ5.5mmの直方体形状に成形した。真空乾燥機中
に粉末射出成形体を置き、0.1Torrの減圧下、80℃で4
時間保持、130℃で3時間保持、さらに180℃で2時間保
持することで、成形体より成形助剤を24%除去し、脱脂
予備処理体を作製した。脱脂予備処理体を、種々の雰囲
気中、第1表に示した条件で昇温、保持、冷却して本脱
脂を行った。
第1表より、明らかなように、水素中、比較的低い温
度域で処理することによって、脱脂体C量を低減できる
(本発明1〜5)。
度域で処理することによって、脱脂体C量を低減できる
(本発明1〜5)。
一方、窒素のような不活性ガス雰囲気中(従来法1〜
3、比較例1〜2)では、高い残留Cが避けられず、た
とえ、長時間を費やそうとも(従来法2)、高温度とし
ようとも(従来法3)、C量を低減することはできな
い。
3、比較例1〜2)では、高い残留Cが避けられず、た
とえ、長時間を費やそうとも(従来法2)、高温度とし
ようとも(従来法3)、C量を低減することはできな
い。
水素含有ガスは、広い範囲のものが使用でき、高露点
のガス(本発明6)および水素の含有率の低いガス(本
発明7、8)も使用できる。
のガス(本発明6)および水素の含有率の低いガス(本
発明7、8)も使用できる。
水素含有ガスを使用する温度域については、200℃以
下では十分にC量を低減できず(比較例2)、300℃で
は、C量を低減できる(本発明1)。また、250〜800℃
の温度範囲のいずれにおいても水素含有ガスを使用せ
ず、850℃まで昇温した場合(従来法3)、その後、水
素含有ガス中で加熱しても、C量を低減することはでき
ない(比較例1)。
下では十分にC量を低減できず(比較例2)、300℃で
は、C量を低減できる(本発明1)。また、250〜800℃
の温度範囲のいずれにおいても水素含有ガスを使用せ
ず、850℃まで昇温した場合(従来法3)、その後、水
素含有ガス中で加熱しても、C量を低減することはでき
ない(比較例1)。
ところが、水素含有ガス以外の雰囲気を使用する温度
が常温から600℃である場合(従来法1)、その後、水
素含有ガス中で加熱すればC量を低減することができる
(本発明9)。したがって、250〜800℃の温度領域を通
過する過程において、水素含有ガスを使用する必要性が
明確になった。
が常温から600℃である場合(従来法1)、その後、水
素含有ガス中で加熱すればC量を低減することができる
(本発明9)。したがって、250〜800℃の温度領域を通
過する過程において、水素含有ガスを使用する必要性が
明確になった。
なお、第1表に示した脱脂後の粉末成形体を焼結した
とき、焼結に用した時間について比較すると、本発明に
より得た粉末成形体の焼結時間は従来法の3〜4割減で
あった。
とき、焼結に用した時間について比較すると、本発明に
より得た粉末成形体の焼結時間は従来法の3〜4割減で
あった。
さらに、本発明により得られた脱脂体の焼結後の形状
精度は従来法により得た脱脂体の焼結後の形状精度に比
し高精度であるというメリットもあった。
精度は従来法により得た脱脂体の焼結後の形状精度に比
し高精度であるというメリットもあった。
(実施例2) カルボニル鉄粉、還元Co粉およびFe−50%V粉の混合
によるFe−49%Co−2%V組成の平均径6.5μmの原料
粉末を用意した。原料粉末のC量は0.43%であった。実
施例1と同一の成形助剤を原料粉末に対して、12.5wt%
添加した。このとき原料粉末に対する成形助剤の体積比
率は1.0であった。また、この成形原料によりなる、実
施例1と同一形状の粉末射出成形を用意した。実施例1
と同一の方法により、脱脂予備処理体を作製した。これ
を、100%水素(DP:−30℃)中、常温より525℃まで120
℃/minの速度で昇温の後、1時間保持して本脱脂を行っ
た。そのC量は0.05%と原料粉末よりも低い値となっ
た。
によるFe−49%Co−2%V組成の平均径6.5μmの原料
粉末を用意した。原料粉末のC量は0.43%であった。実
施例1と同一の成形助剤を原料粉末に対して、12.5wt%
添加した。このとき原料粉末に対する成形助剤の体積比
率は1.0であった。また、この成形原料によりなる、実
施例1と同一形状の粉末射出成形を用意した。実施例1
と同一の方法により、脱脂予備処理体を作製した。これ
を、100%水素(DP:−30℃)中、常温より525℃まで120
℃/minの速度で昇温の後、1時間保持して本脱脂を行っ
た。そのC量は0.05%と原料粉末よりも低い値となっ
た。
比較のため、予備脱脂体を、100%窒素中、常温より5
25℃まで120℃/minの速度で昇温の後、1時間保持して
本脱脂を行った。そのC量は0.9%と著しく高いもので
あった。さらに、比較のため、粉末射出成形体を、予備
処理を行うことなく、100%水素中および100%窒素中で
各々、常温から150℃までを7℃/h、150℃から250℃ま
でを10℃/h、250℃から450℃までを30℃/h、さらに450
℃から600℃までを100℃/minで昇温した後、2時間保持
して脱脂した。この予備処理を行わない場合、窒素中で
脱脂したものは1.15%のCが残留していたのに対して、
水素中で脱脂したものには0.05%のCしか残留していな
かった。
25℃まで120℃/minの速度で昇温の後、1時間保持して
本脱脂を行った。そのC量は0.9%と著しく高いもので
あった。さらに、比較のため、粉末射出成形体を、予備
処理を行うことなく、100%水素中および100%窒素中で
各々、常温から150℃までを7℃/h、150℃から250℃ま
でを10℃/h、250℃から450℃までを30℃/h、さらに450
℃から600℃までを100℃/minで昇温した後、2時間保持
して脱脂した。この予備処理を行わない場合、窒素中で
脱脂したものは1.15%のCが残留していたのに対して、
水素中で脱脂したものには0.05%のCしか残留していな
かった。
このように、Fe−49%Co−2%Vのように、窒素中で
の脱脂では異常に高いCを残留させる組成に対しても、
本発明の脱脂方法は非常に効果的であることが判った。
また、脱脂予備処理をしない場合にも、本発明は低Cと
する方法として適用できる。
の脱脂では異常に高いCを残留させる組成に対しても、
本発明の脱脂方法は非常に効果的であることが判った。
また、脱脂予備処理をしない場合にも、本発明は低Cと
する方法として適用できる。
以上、本発明の好ましい例のみを示したが、これは本
発明の範囲を制約するものではなく、特に、あらゆる組
成の原料粉末と成形助剤の組合せに対して適用できる。
また、本実施例では粉末射出成形体の脱脂について例示
したがこれに限定されるものではなく、押し出し粉末成
形体等にも適用できるものである。
発明の範囲を制約するものではなく、特に、あらゆる組
成の原料粉末と成形助剤の組合せに対して適用できる。
また、本実施例では粉末射出成形体の脱脂について例示
したがこれに限定されるものではなく、押し出し粉末成
形体等にも適用できるものである。
<発明の効果> 本発明では、原料粉末に対する成形助剤の体積比率が
0.5〜1.5の範囲にある粉末成形体から成形助剤を除去す
る(脱脂)にあたり、予備処理として該粉末成形体を0.
1Torr以下の減圧下で80℃以上250℃未満の温度領域にて
保持して成形助剤の一部を除去し、その後、予備処理し
た粉末成形体を水素ガス雰囲気中にて250〜800℃の温度
領域で脱脂を行うことにより脱脂体のC量を0.3wt%程
度以下まで低減でき焼結時間を短くすることができた。
特に、粉末成形体をあらかじめ減圧下で加熱し予備処理
することにより成形助剤の一部を除去して、脱脂後のC
量を更に低減できるために脱脂後の焼結時間を短くする
ことができ、経済性に優れる優秀な脱脂体を得ることが
できるというメリットの他に形状精度にも優れる脱脂体
を得られるメリットがある。
0.5〜1.5の範囲にある粉末成形体から成形助剤を除去す
る(脱脂)にあたり、予備処理として該粉末成形体を0.
1Torr以下の減圧下で80℃以上250℃未満の温度領域にて
保持して成形助剤の一部を除去し、その後、予備処理し
た粉末成形体を水素ガス雰囲気中にて250〜800℃の温度
領域で脱脂を行うことにより脱脂体のC量を0.3wt%程
度以下まで低減でき焼結時間を短くすることができた。
特に、粉末成形体をあらかじめ減圧下で加熱し予備処理
することにより成形助剤の一部を除去して、脱脂後のC
量を更に低減できるために脱脂後の焼結時間を短くする
ことができ、経済性に優れる優秀な脱脂体を得ることが
できるというメリットの他に形状精度にも優れる脱脂体
を得られるメリットがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−61009(JP,A) 特開 昭64−28303(JP,A) 特開 昭63−259002(JP,A) 特開 平1−306504(JP,A) 特開 平1−208404(JP,A) 特開 昭63−259001(JP,A) 特開 昭61−201673(JP,A) 特開 平2−164008(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】原料粉末に対する成形助剤の体積比率が0.
5〜1.5の範囲にある粉末成形体から成形助剤を除去する
粉末成形体の脱脂方法であって、予備処理として該粉末
成形体を0.1Torr以下の減圧下で80℃以上250℃未満の温
度領域にて保持して成形助剤の一部を除去し、その後、
予備処理した粉末成形体を水素ガス雰囲気中にて250〜8
00℃の温度領域で残部の成形助剤の除去を行うことを特
徴とする粉末成形体の脱脂方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2057364A JP2643002B2 (ja) | 1990-03-08 | 1990-03-08 | 粉末成形体の脱脂方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2057364A JP2643002B2 (ja) | 1990-03-08 | 1990-03-08 | 粉末成形体の脱脂方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03257101A JPH03257101A (ja) | 1991-11-15 |
JP2643002B2 true JP2643002B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=13053529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2057364A Expired - Fee Related JP2643002B2 (ja) | 1990-03-08 | 1990-03-08 | 粉末成形体の脱脂方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2643002B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4702308B2 (ja) * | 2007-02-28 | 2011-06-15 | セイコーエプソン株式会社 | 焼結体の製造方法 |
JP6934558B2 (ja) * | 2018-03-01 | 2021-09-15 | 日本碍子株式会社 | セラミック成形体の脱脂方法及びセラミック焼成体の製法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2222050B2 (de) * | 1972-05-05 | 1975-08-21 | Leybold-Heraeus Gmbh & Co Kg, 5000 Koeln | Verfahren und Vorrichtung zum Vakuumsintern von Kohlenwasserstoffe enthaltenden Preßkorpern aus pulverformigen Ausgangsstoffen |
JPS61201673A (ja) * | 1985-03-01 | 1986-09-06 | 株式会社日本製鋼所 | セラミツクス粉末又は金属粉末の射出成形体の脱脂方法 |
JPS63259001A (ja) * | 1987-04-14 | 1988-10-26 | Hitachi Metals Ltd | Moパイプの製造法 |
JPS63259002A (ja) * | 1987-04-14 | 1988-10-26 | Hitachi Metals Ltd | Moパイプの製造法 |
JPS6428303A (en) * | 1987-07-24 | 1989-01-30 | Sumitomo Metal Mining Co | Production of sintered magnet alloy |
JPH01208404A (ja) * | 1988-02-15 | 1989-08-22 | Tokin Corp | 粉末加工方法 |
JPH075927B2 (ja) * | 1988-06-01 | 1995-01-25 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミ基複合材料成形用素形材の脱バインダ方法 |
JP2587872B2 (ja) * | 1988-12-19 | 1997-03-05 | 住友金属鉱山株式会社 | Fe―Si合金軟質磁性焼結体の製造方法 |
-
1990
- 1990-03-08 JP JP2057364A patent/JP2643002B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03257101A (ja) | 1991-11-15 |
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