JP2641530B2 - チップ状電子部品の製造方法 - Google Patents

チップ状電子部品の製造方法

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JP2641530B2
JP2641530B2 JP63268450A JP26845088A JP2641530B2 JP 2641530 B2 JP2641530 B2 JP 2641530B2 JP 63268450 A JP63268450 A JP 63268450A JP 26845088 A JP26845088 A JP 26845088A JP 2641530 B2 JP2641530 B2 JP 2641530B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は温度計測用の白金温度センサ等のチップ状電
子部品の製造方法に関するものである。
従来の技術 従来、この種の電子部品、特に温度センサの取り出し
電極は、白金を主成分とする電極材料で構成されてい
た。
第4図において、13は白金抵抗、14は白金抵抗膜13よ
り電気信号を取り出す白金を主成分とする取り出し電極
である。
発明が解決しようとする課題 このような構造を有する白金温度センサにおいては、
白金を主成分とする電極ペーストを印刷したのち、1000
℃以上の高温で焼成し、電極を形成していた。
これは、白金抵抗膜の取り出し電極が白金以外の電極
で形成された場合、電極材料が白金抵抗膜中に材料拡散
し、白金抵抗膜の抵抗温度係数を低下させるため、やむ
をえず、白金電極を使用していたにすぎない。
ところで、通常のベルトコンベア式焼成炉の最大焼成
温度が1000℃であることから、白金を主成分とする電極
は特殊な炉を用いて焼成する必要があり、極めて量産性
に乏しいものであり、また、白金電極は、はんだぬれ性
に劣るため、端子の接続信頼性に問題を有するものであ
った。また、コストの面からみても、厚膜の白金ペース
トは、非常に高価であるためより安価な材料への転換が
求められていた。
本発明はこのような課題に鑑み、通常のベルトコンベ
ア炉で容易に焼成でき、また、はんだぬれ性に優れた低
コストな白金温度センサ等の電子部品用の電極を実現す
ることを目的とする。
課題を解決するための手段 この課題を解決するため本発明は、銅,銀あるいは金
を主成分とし、かつ420〜720℃で焼成可能な電極ペース
トにより、白金抵抗膜の取り出し電極を形成するもので
ある。
また、白金、金、銀、パラジウム、ニッケル、クロ
ム、コバルト、銅、スズ、はんだ等のメッキ法により、
白金抵抗膜の取り出し電極を形成するものである。
作用 この構成により、通常のベルトコンベア炉で容易に焼
成でき、また、はんだぬれ性に優れた安価なチップ状電
子部品用電極を形成することができる。
実施例 以下に、本発明の実施例を示す。
実施例1 第1図は本発明の一実施例による温度センサのパター
ン構成を示す図であり、第1図において1は支持基板と
しての99.5%アルミナ基板である。2はこのアルミナ基
板1上に、電子ビーム蒸着で形成された厚み1.1μmの
白金抵抗膜である。3は銀を主成分とする取り出し電極
である。本実施例では、取り出し電極3は銀とパラジウ
ムとホウ硅酸鉛系ガラスの割合が、83:10:7で構成され
る電極ペーストを620℃で焼成することにより形成し
た。本ペーストは低軟化点のガラスを含んでいるため、
620℃という低温で焼成した場合でも、下地のアルミナ
基板1と強固に接着し、またパラジウムを含有すること
で、はんだ喰われも少なく、かつ、はんだ付け性も良好
であった。ところで、白金抵抗膜2の抵抗温度係数は、
取り出し電極3の形成前で、3853ppm/℃であり、取り出
し電極3の形成後で、3849ppm/℃であった。
すなわち、本発明による取り出し電極の形成法におい
ては、銀電極が620℃という低温で形成されるため、銀
の白金抵抗膜2中への拡散が微少であり、このため白金
抵抗膜2の抵抗温度係数の劣化も、極く微少であったと
考えられる。
実施例2 第1図と同様のパターン構成をもつ白金温度センサに
おいて、白金抵抗膜2はアルミナ基板1上に、白金金属
有機物ペーストを印刷し、900℃で焼成することにより
得られる厚み0.3μmの白金薄膜である。
本実施例では取り出し電極3として焼成後の材料組成
が、金72%のほか、不純物として、白金,銀,酸化クロ
ム,ホウ酸,ケイ酸,酸化銅を合計28%含有する金のレ
ジネートペーストを印刷し、720℃で焼成することによ
り得られる金電極を用いた。
本実施例においても、金電極3は酸化クロム,ホウ
酸,ケイ酸,酸化銅を適度に含有しているため、アルミ
ナ基板1に強固に接着し、また金の膜中に適度に白金を
含むため、はんだ付け性も非常に良好であった。
ところで、白金抵抗膜2の抵抗温度係数は、金電極3
形成前で、3618ppm/℃であり、金電極3形成後で、3609
ppm/℃であった。
すなわち、本発明による取り出し電極の形成法におい
ては金電極が720℃という低温で形成されるため、金の
白金抵抗膜2中への拡散が微少であり、このため白金抵
抗膜2の抵抗温度係数の劣化も、極微少であったと考え
られる。
尚、本金レジネートペーストを720℃以上で焼成した
場合、金の白金抵抗膜中への拡散が大きくなり急激に白
金抵抗膜4の抵抗温度係数が低下しはじめるため、720
℃以上で焼成は適当でない。
実施例3 第2図は本発明の一実施例による白金チップ抵抗器を
示す図である。4はフォルステライト基板8上に白金金
属有機物ペーストを印刷し、930℃で焼成することによ
り得られた厚み0.5μmの白金抵抗膜である。5は銀を
主成分とする取り出し電極(一次電極)である。本実施
例では、銀と微量の酸化ビスマスと酸化バナジウムを含
むホウ硅酸鉛系ガラスの割合が、91:9で構成される電極
スペースを、420℃で焼成した。保護コート6は白金薄
膜抵抗素子4の220℃,39分硬化タイプのシリカ系の耐熱
保護コートである。側面電極7は取り出し電極5と同じ
材質の銀電極上に、ニッケルメッキとハンダメッキを施
した側面電極である。本実施例で形成される取り出し電
極5と側面電極7は低温焼成で、下地基板と強固に接着
させるため、ガラス分が比較的多い組成になっている
が、ハンダ接合部は、メッキされることで、はんだ付け
性を改善している。
ところで、白金抵抗膜4の抵抗温度係数は、取り出し
電極5と側面電極7の形成前で、3730ppm/℃であり、形
成後において、3720ppm/℃であった。
すなわち、本発明による取り出し電極の形成法におい
ては、銀電極が420℃という低温で焼成されるため、願
の白金抵抗膜4への拡散が微少であるため、白金抵抗膜
4の抵抗温度係数劣化も極微少であったと考えられる。
尚、本銀電極ペーストを420℃以下で焼成した場合に
は、十分な電極接着強度を得ることができないため、銀
ペーストを用いる方法においては、420℃以下の焼成
は、実用上困難である。
また、本実施例では第2図に示すように、従来の場合
と違い、白金抵抗膜4を形成してから取り出し電極5を
形成するので、白金抵抗膜4は段差等のひずみを生じる
ことがない。このため熱ストレス等による亀裂などを防
ぐことができ、信頼性に優れた抵抗膜を得ることができ
る。
実施例4 第3図は本発明の一実施例による白金チップ抵抗器を
示す図である。白金抵抗膜10はアンダーグレース基板9
上に白金金属有機物ペーストを印刷し、930℃で焼成す
ることにより得られた厚み0.5μmの白金薄膜である。
保護コート11は白金薄膜抵抗素子10の220℃30分硬化タ
イプのエポキシ系保護コートである。取り合し電極12は
下地に塩化パラジウムで活性化処理後、ニッケルメッキ
および、ハンダメッキされたものである。
本実施例においては、メッキ法による電極処理である
ため、電極形成時に100℃以上の熱処理をともなわない
で、白金抵抗膜10への拡散はなく、白金抵抗膜10の抵抗
温度係数の電極形成による低下は生じない。
尚、本実施例では、パラジウムを核に、ニッケルメッ
キ,ハンダメッキを行ったが、これ以外の材料を用いて
もかまわない。
比較例1 第1図と同様のパターン構成かつ同様の製造方法で白
金抵抗膜を得たのち、銀を主成分とする取り出し電極3
を印刷し、850℃で焼成した。尚、銀ペーストの組成は
銀とパラジウムとホウ硅酸鉛系ガラスの割合が、83:10:
7で、実施例1と同様の組成比のものを用いた。
この製造方法にて、取り出し電極3として形成された
銀電極3は、下地のアルミナ基板1との密着性も優れ、
かつはんだ付け性も非常に良好であり、電極そのものの
性能としては優れている。
しかしながら、白金抵抗膜2の抵抗温度係数が、銀電
極3の形成前で、3853ppm/℃であったのに対し、銀電極
3の形成後で、3796ppm/℃であった。
これは銀電極3中の銀が、850℃で焼成される場合に
おいては白金抵抗膜2中へ大きな材料拡散を起こすた
め、大幅な抵抗温度係数の低下を招くものと考えられ
る。
比較例2 第2図と同様の構成による白金チップ抵抗器におい
て、実施例3と同様の方法で白金抵抗膜4を得たのち、
比較例1で用いた銀ペーストを800℃で焼成し、チップ
抵抗器の一次電極5を得る。次に実施例3と同様に白金
抵抗膜4上にシリカ系の耐熱保護コート6を形成し、さ
らに側面電極7も実施例3と同様に形成した。
ところで白金抵抗膜4の抵抗温度係数に関しては、一
次電極5形成前で、3730ppm/℃であったものが、一次電
極5形成後で、3090ppm/℃、側面電極7形成後で、3080
ppm/℃であった。これは一次電極の銀ペーストを800℃
で焼成したため、銀が白金抵抗膜4の全領域に拡散し、
このため、抵抗温度係数が大幅に低下したと考えられ
る。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、
銅,銀または金を主成分とする導電ペーストを420〜720
℃で焼成することにより得られる電極または、メッキプ
ロセスによる電極を白金抵抗素子の取り出し電極とする
ことにより、抵抗温度係数の低下が少なく、接着強度に
優れ、かつはんだぬれ性に優れた安価な白金温度センサ
を提供することができ、産業上極めて有用である。
また、本発明では白金抵抗膜を形成した後に電極を形
成するので、白金抵抗膜に熱ストレス等による亀裂が入
らず信頼性に優れた白金温度センサをも提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における白金温度センサの上
面図、第2図及び第3図は本発明の一実施例における白
金チップ抵抗器の断面図、第4図は従来例における白金
温度センサの上面図である。 1……アルミナ基板、2,4,10……白金抵抗膜、3,5,12…
…取り出し電極、8……フォルステライト基板、9……
アンダーグレーズ基板。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】まず基板の上面に白金抵抗膜を設け、次に
    前記白金抵抗膜と電気的に接続するように前記基板上面
    に銀を主成分とする電極ペーストを印刷しかつ420℃〜7
    20℃で焼成することにより取り出し電極を設け、次に少
    なくとも前記白金抵抗膜を覆うように保護膜を形成し、
    次に前記取り出し電極と電気的に接続するように前記基
    板の対向する端面に側面電極を設けたことを特徴とする
    チップ状電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】絶縁基板が、ガラス、アルミナ、ジルコニ
    ア、チタニア、ジルコン、ステアタイト、フォルステラ
    イト、あるいはそれら絶縁基板上にアンダーグレーズ処
    理した絶縁基板であることを特徴とする請求項1記載の
    チップ状電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】白金抵抗膜が白金金属有機物を塗布また
    は、印刷後、焼成することにより形成したものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のチップ状電子部品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】まず基板の上面に白金抵抗膜を設け、次に
    前記白金抵抗膜と電気的に接続するように前記基板の上
    面に、白金、金、銀、パラジウム、ニッケル、クロム、
    コバルト、銅、スズ、はんだ等のメッキ法により取り出
    し電極を設け、次に少なくとも前記白金抵抗膜を覆うよ
    うに保護膜を形成し、次に前記取り出し電極と電気的に
    接続するように前記基板の対向する端面に側面電極を設
    けたことを特徴とするチップ状電子部品の製造方法。
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