JP2639173B2 - 車両用差動制限制御装置 - Google Patents

車両用差動制限制御装置

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JP2639173B2 JP2104640A JP10464090A JP2639173B2 JP 2639173 B2 JP2639173 B2 JP 2639173B2 JP 2104640 A JP2104640 A JP 2104640A JP 10464090 A JP10464090 A JP 10464090A JP 2639173 B2 JP2639173 B2 JP 2639173B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、左右駆動輪の差動制限力を外部から制御す
る車両用差動制限制御装置に関する。
(従来の技術) 従来の車両用差動制限制御装置としては、例えば、特
開昭62−103227号(特願昭60−244677号)公報に記載さ
れている装置が知られている。
この従来出典には、左右駆動輪の回転速度差が大きい
場合に差動制限力不足を解消するべく、左右駆動輪回転
速度差が大きくなるに従ってクラッチ締結力の増加割合
(制御ゲイン)を次第に大きくする内容が示されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来装置にあっては、左右駆動輪
回転速度差が大きさのみに応じてクラッチ締結力(差動
制限力)を一義的に制御ゲインを大きくしてゆく装置で
ある為、下記に述べる問題を残している。
スプリットμ路発進や片輪スタック時における駆動
性能を重視し、左右駆動輪回転速度差に対しクラッチ締
結力が大きく出る特性に設定した場合には、高車速での
スプリットμ路走行時に差動制限力が高過ぎることによ
る尻振りが発生し、車両挙動の安定性が著しく低下す
る。
また、コーナ進入時にも差動制限力が作用することで
アンダーステアも大きくなる。
一方、高車速でのスプリットμ路走行時における車
両挙動の安定性を重視し、左右駆動輪回転速度差に対し
クラッチ締結力が小さく出る特性に設定した場合には、
スプリットμ路発進や片輪スタック時において差動制限
力が不足し、駆動性能が大幅に劣る。
本発明は、上述のような問題に着目してなされたもの
で、左右駆動輪の差動制限力を制御する車両用差動制限
制御装置において、スプリットμ路発進や片輪スタック
時等での駆動性能向上と高車速でのスプリットμ路走行
時における車両挙動の安定性向上との両立を図ることを
課題とする。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するため本発明の車両用差動制限制御
装置では、エンジン駆動力を差動を許容しながら左右の
駆動輪に分配伝達する差動手段1と、該差動手段1によ
る差動を外部から付与されるクラッチ締結力により差動
制限する差動制限クラッチ手段2と、車両状態を検出す
る所定の検出手段3からの入力信号に基づきクラッチ締
結力を増減制御するクラッチ制御手段4と、を備えた車
両用差動制限制御装置において、 前記検出手段3として、左右駆動輪の回転速度差を検
出する回転速度差検出手段301と車両検出手段302とを含
み、 前記クラッチ制御手段4は、左右輪回転速度差検出値
を旋回中の内外輪軌跡差による左右輪回転速度差により
補正した左右輪回転速度差制御値が大きいほどクラッチ
締結力を大にすると共に、クラッチ締結力の増加割合を
車速が高いほど小さくし、且つ、クラッチ締結力の最大
値を車速が高いほど小さく制限する制御を行なう手段で
あることを特徴とする。
(作 用) 本発明の車両用差動制限制御装置では、上述のクラッ
チ制御手段4により、左右輪回転速度差検出値を旋回中
の内外輪軌跡差による左右輪回転速度差により補正した
左右輪回転速度差制御値が大きいほどクラッチ締結力を
大にする制御が行なわれると共に、このクラッチ制御で
クラッチ締結力の増加割合は車速が高いほど小さく制限
され、且つ、クラッチ締結力の最大値は車速が高いほど
小さく制限される。
従って、スプリットμ路発進や片輪スタック脱出時等
の低車速時には、左右駆動輪の回転速度差の発生に対
し、急増すると共に高レベルのクラッチ締結力(差動制
限力)が付与されることで、駆動性能の向上が図られ
る。
また、高車速によるスプリットμ路走行時には、左右
駆動輪の回転速度差の発生に対し、緩増すると共に低レ
ベルのクラッチ締結力(差動制限力)が付与されること
で、差動制限力が高過ぎることによる尻振りの発生が防
止され、車両挙動の安定性が確保される。さらに、高車
速での旋回時にもコーナ進入時に高い差動制限力が付与
されないことでアンダーステアを防止できる。
さらに、左右輪回転速度差情報として左右輪回転速度
差検出値を旋回中の内外輪軌跡差による左右輪回転速度
差により補正した左右輪回転速度差制御値を用いるよう
にしたため、タイトコーナを旋回する時、クラッチ締結
力(差動制限力)が過大となることによるタイトコーナ
ブレーキ現象の発生が防止される。
(実施例) 以下、実施例を述べるにあたって、外部油圧により作
動する多板摩擦クラッチ手段を備えた車両用差動制限制
御装置を例にとる。
まず、実施例の構成を説明する。
実施例装置は、第2図〜第4図に示すように、差動装
置(差動手段)10、多板摩擦クラッチ手段(差動制限ク
ラッチ手段)11、油圧発生装置12、コントロールユニッ
ト(クラッチ制御手段)13、入力センサ14(検出手段)
を備えているもので、以下各構成について述べる。
差動装置10は、左右輪に回転速度差が生じるような走
行状態において、この回転速度差に応じて左右輪に速度
差をもたせるという差動機能と、エンジン駆動力を左右
の駆動輪に等配分に分配伝達する駆動力配分機能をもつ
装置である。
この差動装置10は、スタッドボルト15により車体に取
り付けられるハウジング16内に納められているもので、
リングギヤ17、ディファレンシャルケース18、ピニオン
メートシャフト19、デフピニオン20、サイドギヤ21,2
1′を備えている。
前記ディファレンシャルケース18は、ハウジング16に
対しテーパーローラベアリング22,22′により回転自在
に支持されている。
前記リングギヤ17は、ディファレンシャルケース18に
固定されていて、プロペラシャフト23に設けられたドラ
イブピニオン24を噛み合い、このドライブピニオン24か
ら回転駆動力が入力される。
前記サイドギヤ21,21′には駆動出力軸である左輪側
ドライブシャフト25と右輪側ドライブシャフト26がそれ
ぞれに設けられている。
多板摩擦クラッチ手段11は、前記差動装置10の駆動入
力部と駆動出力部との間に設けられ、外部油圧によるク
ラッチ締結力が付与され、差動制限トルクを発生する手
段である。
この多板摩擦クラッチ手段11は、ハウジング16及びデ
ィファレンシャルケース18内に納められていて、多板摩
擦クラッチ27,27′、プレッシャリング28,28′、リアク
ションプレート29,29′,スラスト軸受30,30′、スペー
サ31,31′、プッシュロッド32、油圧ピストン33、油室3
4、油圧ポート35を備えている。
前記多板摩擦クラッチ27,27′は、ディファレンシャ
ルケース(駆動入力部)18に回転方向固定されたフリク
ションプレート27a,27′aと、サイドギヤ(駆動出力
部)21,21′に回転方向固定されたフリクションディス
ク27b,27′bとによって構成され、軸方向の両端面には
プレッシャリング28,28′とリアクションプレート29,2
9′とが配置されている。
前記プレッシャリング28,28′は、クラッチ締結力を
受ける部材として前記ピニオンメートシャフト19に嵌合
状態で設けられ、その嵌合部は、第3図に示すように、
断面方形のシャフト端部19aに対し角溝28a,28′aによ
って嵌合させ、トルク比例式差動制限手段のように、左
右輪回転差によるスラストが発生しない構造としてい
る。
前記油圧ピストン33は、油圧ポート35への油圧供給に
より軸方向(図面右方向)へ移動し、両多板摩擦クラッ
チ27,27′を油圧レベルに応じて締結させるもので、一
方の多板摩擦クラッチ27は、締結力がプッシュロッド32
→スペーサ31→スラスト軸受30→リアクションプレート
29へと伝達され、プレッシャリング28を反力受けとして
締結され、他方の多板摩擦クラッチ27′は、ハウジング
16からの締結反力が締結力となって締結される。
油圧発生装置12は、第4図に示すように、クラッチ締
結力となる油圧を発生する外部装置で、油圧ポンプ40、
ポンプモータ41、ポンプ圧油路42、ドレーン油路43、制
御圧油路44と、バルブアクチュエータとしてバルブソレ
ノイド45を有する電磁比例減圧バルブ46を備えている。
前記電磁比例減圧バルブ46は、油圧ポンプ40からポン
プ圧油路42を介して供給されるポンプ圧の作動油を、コ
ントロールユニット13からの制御電流信号(i)によ
り、指令電流値iの大きさに比例した制御油圧Pに油圧
制御をし、制御油圧路44から油圧ポート35及び油室34へ
制御油圧Pを送油するバルブアクチュエータで、制御電
流信号(i)は電磁比例減圧バルブ46のバルブソレノイ
ド45に対応して出力される。
尚、制御油圧Pと差動制限力Tとは、 T∝P・μ・n・r・A n;クラッチ枚数 r;クラッチ平均半径 A;受圧面積 の関係にあり、差動制限力Tは制御油圧Pに比例する。
コントロールユニット13は、車載のマイクロコンピュ
ータを中心とする制御回路で、入力インタフェース回路
131、メモリ132、CPU(セントラル.プロセッシング.
ユニット)133、出力インターフェース回路134を備えて
いる。
前記コントロールユニット13への入力センサ類14とし
ては、車速センサ141、横加速度センサ142、左駆動輪回
転速度センサ143、右駆動輪回転速度144が設けられてい
る。
前記車速スンサ141は車速Vに応じた検出信号を出力
し、横加速度センサ142は横加速度YGに応じた検出信号
を出力し、左駆動輪回転速度センサ143は左駆動輪回転
速度nlに応じた検出信号を出力し、右駆動輪回転速度14
4は右駆動輪回転速度nrに応じた検出信号を出力する。
次に、作用を説明する。
第5図はコントロールユニット13で所定の制御周期に
より行なわれる差動制限制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップ101では、車速V,横加速度YG及び左右の駆動
輪回転速度nl,nrが読み込まれる。
ステップ102では、左右輪回転速度差検出値Δnが下
記の式により計算される。
Δn=|nl−nr| ステップ103では、旋回半径Rが横加速度YGと車速V
により下記の式により計算される。
ステップ104では、旋回中の内外輪軌跡差による左右
輪回転速度差n0が旋回半径Rと車速Vにより下記の式で
計算される。
ここで、Kは車両諸元により決まる定数 ステップ105〜107では、左右輪回転速度差検出値Δn
を旋回軌跡分n0により補正する処理が行なわれる。これ
は、内外輪軌跡差による検出分を含むΔnの検出値から
駆動スリップにより発生した回転速度差分のみを検出す
るための処理で、これを行なうことにより、発進性能を
向上させるためΔnに対するクラッチ締結力Tが増加す
る割合を大きく設定しても、低速大転舵時に発生しやす
いタイトコーナブレーキを避けることが出来る。
ステップ105では、ΔNがn0以上であるか否かが判断
され、ΔN<n0の時にはステップ106へ進み、左右輪回
転速度差制御値nXがnX=0に設定される。また、ΔN≧
n0の時にはステップ107へ進み、左右輪回転速度差制御
値nXがnX=Δn−n0に設定される。
ステップ108では、第6,7,8図に示す特性に従って目標
クラッチ締結力T′が計算される。即ち、第7図の車速
Vが高車速であるほど制御ゲインが小さなK−V特性に
よりまず車速Vに応じた制御ゲインKを決め、次に、第
6図のT′−Δn特性を制御ゲインKにより確定してお
いて、左右輪回転速度差Δnの大きさに比例した値で与
えられる目標クラッチ締結力T′が求められる。
また、目標クラッチ締結力T′の最大値Tmaxは、第8
図のTmax−V特定に示すように、低速域で最も大きな値
とし、中速域から高速域になるに従って低い値に制限す
る。特に、所定車速以上の高速域ではぼほ零の値として
いる。
ステップ109〜115は、指令クラッチ締結力Tの急変動
を防ぐためのフィルタリング処理部である。
ステップ109では、1制御周期前の指令クラッチ締結
力Tと今回の目標クラッチ締結力T′との差分ΔTが計
算される。
ΔT=T′−T ステップ110では、1制御周期当りのクラッチ締結力
の変化量ΔTの符号を判断し、クラッチ締結力が増加か
減少かが判別される。
ステップ111では、ΔT≧0の時にΔTが設定値A以
上かどうかが判断され、ΔT≧Aの時には急なクラッチ
締結力増加を規制する為にステップ113へ進み、ΔT<
Aの時にはステップ114へ進む。
ステップ112では、ΔT<0の時に|ΔT|が設定値B
以上かどうかが判断され、|ΔT|≧Bの時には急なクラ
ッチ締結力減少を防ぐ為にステップ115へ進み、|ΔT|
<Bの時にはステップ114へ進む。
ステップ113では、クラッチ締結力の増加量を規制す
る為、1制御周期前の指定クラッチ締結力Tと許容増加
量Aとの和により今回の指令クラッチ締結力Tが計算さ
れる。
T←T+A ステップ114では、クラッチ締結力の増加,減少量が
許容範囲内である為、目標クラッチ締結力T′が今回の
指令クラッチ締結力Tとされる。
T←T′ ステップ115では、クラッチ締結力の減少量を規制す
る為、1制御周期前の指令クラッチ締結力Tと許容減少
量Bとの差により今回の指令クラッチ締結力Tが計算さ
れる。
T←T−B ステップ116では、上記ステップ113,114,115のいずれ
かで決定された指令クラッチ締結力Tを発生させる油圧
Pとなるように、電磁比例減圧バルブ46のバルブソレノ
イド45に対して制御電流信号iが出力される。
次に、実施例装置が適用された車両での各走行パター
ンにおける作用を説明する。
(イ)低速走行時 スプリットμ路発進や片輪スタック時等の低車速によ
る走行時には、第7図に示すように、大きな制御ゲイン
Kが設定されると共に、第8図に示すように、目標クラ
ッチ締結力T′の最大値Tmaxも高い値に設定される。
従って、駆動輪スリップによる左右輪回転速度差の発
生に対して制御ゲインKが大きい目標クラッチ締結力特
性により目標クラッチ締結力T′が決められ、このT′
に基づきクラッチ締結力が与えられることになり、急増
すると共に高レベルの差動制限力が付与されることで、
駆動性能の向上が図られる。
低速大転舵時にも、上記と同様に、左右輪回転速度差
の発生に対して制御ゲインKが大きい目標クラッチ締結
力特性により目標クラッチ締結力T′が決められるが、
左右輪回転速度差検出値Δnからは旋回軌跡分n0を差し
引いた値を左右輪回転速度差制御値nXとしている為、タ
イトコーナブレーキ現象の発生を防止することができ
る。
(ロ)高速走行時 高車速でのスプリットμ路走行時には、第7図に示す
ように、小さな制御ゲインKが設定されると共に、第8
図に示すように、目標クラッチ締結力T′の最大値Tmax
も低い値に設定される。
従って、駆動輪スリップによる左右輪回転速度差の発
生に対して制御ゲインKが小さい目標クラッチ締結力特
性により目標クラッチ締結力T′が決められ、このT′
に基づきクラッチ締結力が与えられることになり、差動
制限力が高過ぎることによる尻振りの発生が防止され、
車両挙動の安定性が確保される。
高車速での旋回時にも、上記と同様に、駆動輪スリッ
プによる左右輪回転速度差の発生に対して制御ゲインK
が小さい目標クラッチ締結力特性により目標クラッチ締
結力T′が決められる為、コーナ進入時に高い差動制限
力が付与されず、回頭性を低下させるアンダーステアを
防止できる。
以上説明してきたように、実施例の車両用差動制限制
御装置にあっては、左右駆動輪の回転速度差に応じて与
えるクラッチ締結力の制御ゲインKを、車速Vが高速で
あればあるほど小さくすると共に、クラッチ締結力最大
値低maxを低車速ほど大きな値とする装置とした為、低
車速となるスプリットμ路発進や片輪スタック時等での
駆動性能向上と、高車速でのスプリットμ路走行時にお
ける車両挙動の安定性向上との両立を図ることが出来
る。
また、高速旋回でのコーナ進入時には、アンダーステ
アが防止される為、旋回回頭性を高めることもできる。
さらに、制御で用いる左右輪回転速度差情報は、検出
情報をそのまま用いるものではなく、旋回軌跡による文
を補正した左右輪回転速度差制御値nXを用いるようにし
ている為、低速大転舵時におけるタイトコーナブレーキ
現象を防止することが出来る。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更等があっても
本発明に含まれる。
例えば、実施例では、クラッチ締結力の増加割合と最
大値とを共に車速が高いほど小さくする制御としたが、
これらクラッチ締結力の増加割合及びその最大値の内の
いずれか一方のみを車速が高いほど小さくする様に制御
しても良い。
また、実施例では、アクチュエータとして、電磁比例
減圧バルブを示したが、開閉の電磁バルブ等を用い、制
御信号をデューティ信号にして油圧制御を行なうような
例であっても、また、電磁クラッチ等の他のクラッチ手
段としても良い。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明にあっては、左右駆
動輪の差動制限力を制御する車両用差動制限制御装置に
おいて、左右輪回転速度差検出値を旋回中の内外輪軌跡
差による左右輪回転速度差により補正した左右輪回転速
度差制御値が大きいほどクラッチ締結力を大にすると共
に、クラッチ締結力の増加割合を車速が高いほど小さく
し、且つ、クラッチ締結力の最大値を車速が高いほど小
さく制御するクリッチ制御を行なう装置としたため、下
記の効果が得られる。
(1)低車速によるスプリットμ路やスタック脱出時等
で急増すると共に高レベルのクラッチ締結力付与による
駆動性能の向上と、高車速によるスプリットμ路走行時
で緩増すると共に低レベルのクラッチ締結力付与による
車両安定性の向上との両立を図ることが出来る。
(2)左右輪回転速度差情報として左右輪回転速度差検
出値を旋回中の内外輪軌跡差による左右輪回転速度差に
より補正した左右輪回転速度差制御値を用いるようにし
たため、タイトコーナを旋回する時、クラッチ締結力が
過大となることによるタイトコーナブレーキ現象の発生
を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の車両用差動制限制御装置を示すクレー
ム対応図、第2図は本発明実施例装置の差動制限手段を
内蔵した差動装置を示す断面図、第3図は第2図Z方向
矢視図、第4図は実施例装置の油圧発生装置及び制御装
置を示す図、第5図は実施例装置のコントロールユニッ
トで行なわれる差動制限制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャート、第6図は左右輪回転速度差に対する目標ク
ラッチ締結力特定図、第7図は車速に対する制御ゲイン
特性図、第8図は車速に対する目標クラッチ締結力最大
値特性図である。 1……差動手段 2……差動制限クラッチ手段 3……検出手段 301……回転速度差検出手段 302……車速検出手段 4……クラッチ制御手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン駆動力を差動を許容しながら左右
    の駆動輪に分配伝達する差動手段と、該差動手段による
    差動を外部から付与されるクラッチ締結力により差動制
    限する差動制限クラッチ手段と、車両状態を検出する所
    定の検出手段からの入力信号に基づきクラッチ締結力を
    増減制御するクラッチ制御手段と、を備えた車両用差動
    制限制御装置において、 前記検出手段として、左右駆動輪の回転速度差を検出す
    る回転速度差検出手段と車速検出手段とを含み、 前記クラッチ制御手段は、左右輪回転速度差検出値を旋
    回中の内外輪軌跡差による左右輪回転速度差により補正
    した左右輪回転速度差制御値が大きいほどクラッチ締結
    力を大にすると共に、クラッチ締結力の増加割合を車速
    が高いほど小さくし、且つ、クラッチ締結力の最大値を
    車速が高いほど小さく制限する制御を行なう手段である
    ことを特徴とする車両用差動制限制御装置。
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