JP2633117B2 - クレーンにおけるアウトリガ張出し幅の設定装置 - Google Patents

クレーンにおけるアウトリガ張出し幅の設定装置

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JP2633117B2
JP2633117B2 JP3274001A JP27400191A JP2633117B2 JP 2633117 B2 JP2633117 B2 JP 2633117B2 JP 3274001 A JP3274001 A JP 3274001A JP 27400191 A JP27400191 A JP 27400191A JP 2633117 B2 JP2633117 B2 JP 2633117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は過負荷防止のためにアウ
トリガ張出し幅に応じて定格吊り能力を変化させるよう
にしたクレーンにおいて、アウトリガ張出し幅を設定す
るためのアウトリガ張出し幅の設定装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】クレーンには過負荷防止装置が装備さ
れ、同装置により、クレーンの動作状態およびこれに基
づく負荷状態を検出して表示部に表示し、また過負荷の
危険が生じたときに過負荷警報を発するとともにクレー
ンの危険側への動作を自動停止させる等の安全動作が行
われるように構成されている。
【0003】この場合、吊り能力は各アウトリガの張出
し幅によって大きく異なる。このため、従来、各アウト
リガの長さをセンサで検出し、このセンサ信号に基づい
てアウトリガ張出し幅を設定し、この設定張出し幅に応
じて過負荷防止装置の定格吊り能力を変化させるように
している。
【0004】なお、このアウトリガ長さセンサとして
は、アウトリガの伸縮運動をロープを介してポテンショ
メータに伝える構成のものや、パルスエンコーダ等が用
いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このアウト
リガ長さセンサは、土砂や水が流入し易いアウトリガ内
に設けられ、メンテナンスも必ずしも十分には行えない
こと等から故障する可能性があるにもかかわらず、従来
は、アウトリガ張出し幅の設定をこのセンサ信号のみに
依存しているため、センサ異常が生じると、誤信号通り
にアウトリガ張出し幅が設定されてしまい、過負荷監視
という所期の目的を十分達成できなくなる可能性があっ
た。
【0006】なお、このようなアウトリガ張出し幅の設
定を、センサ信号でなく専ら手動スイッチで行うように
したものも公知であるが、センサを用いる場合と比較し
てどうしても誤設定が起こり易いため、唯一の設定手段
とするには必ずしも適当ではなかった。一方、特開昭5
9−223693号公報に示されているように、センサ
異常時に、アウトリガ張出し幅を最大危険側に設定する
技術が提案されている。しかし、実際の作業において、
アウトリガ張出し幅を最大危険側に設定すると、実際に
はクレーン能力を有しているにもかかわらず、定格能力
の演算上、クレーン能力が大幅に抑えられ、実作業に支
障を来すことになる。このため、安易に危険側に設定す
る方法は現実的でなく、ユーザにとって実使用上使い難
いものとなる。
【0007】そこで本発明は、アウトリガ長さセンサの
正常時と異常時とに応じて適切な設定信号(センサ信号
または手動設定信号)を選択でき、センサ異常時におい
ても適切な負荷監視を行いながら安全かつ定常に使用す
ることができるクレーンにおけるアウトリガ張出し幅の
設定装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、外部
からの設定信号に基づいてアウトリガ張出し幅を設定す
るアウトリガ張出し幅設定手段を具備し、このアウトリ
ガ張出し幅設定手段に対する設定信号を発生する手段と
して、アウトリガの長さを検出するアウトリガ長さセン
サと、手動で設定される非常設定スイッチとが設けられ
るとともに、上記アウトリガ長さセンサの異常を検出し
て表示するセンサ異常検出手段と、上記設定信号を上記
非常設定スイッチによる信号とアウトリガ長さセンサに
よる信号との間で切換える設定信号切換手段とが設けら
れて成り、この設定信号切換手段は、設定信号発生手段
として、センサ異常検出手段によってセンサ異常が検出
されたときにのみ非常設定スイッチによる信号を選択し
それ以外はアウトリガ長さセンサによる信号を選択する
ように構成されたものである。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、センサ異常検出手段は、アウトリガを張出し、格納
操作するアウトリガ操作装置が操作されたことを検出す
るアウトリガ操作センサと、このアウトリガ操作センサ
と上記アウトリガ長さセンサからの信号が入力されこれ
ら両センサ信号が対応しないときに異常信号を出力する
異常判別部とを具備するするものである。
【0010】
【作用】上記構成によると、アウトリガ長さセンサの異
常を検出し、この検出結果に基づいて、センサ信号によ
る設定と非常設定スイッチによる手動設定とに切換える
ことができる。すなわち、センサ状態に応じて最も適切
な設定法をとることができる。このため、センサ異常時
にアウトリガ張出し幅を最大危険側に設定する方法をと
った場合のように、実際は十分なクレーン能力がありな
がら、定格能力の演算上、クレーン能力が抑えられ、実
作業に支障を来すという弊害が生じず、本来のクレーン
能力を発揮することができる。すなわち、クレーンを、
センサ異常時においても、適切な負荷監視を行いながら
安全かつ定常に使用することができる。
【0011】しかも、センサ正常時は非常設定スイッチ
による手動設定を受付けないため、アウトリガ張出し幅
設定の信頼性が高いものとなる。
【0012】また、請求項2の構成によると、アウトリ
ガ操作センサとアウトリガ長さセンサの信号とを付き合
わせ、この両信号が対応しないとき、すなわち、アウト
リガが操作されたにもかかわらず、その反応であるアウ
トリガ長さ信号の変化がないとき、またはアウトリガが
操作されないのにアウトリガ長さ信号が変化した時にア
ウトリガ長さセンサが異常と判断される。従って、セン
サ異常を確実に検出することができる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図によって説明する。
【0014】図1にこのアウトリガ張出し幅設定装置の
ブロック構成を示している。
【0015】センサ異常検出手段1は、アウトリガ操作
装置として運転席からアウトリガシリンダの張出し、格
納動作を制御するアウトリガ操作スイッチ2を具備し、
このアウトリガ操作スイッチ2の操作による電気信号
(アウトリガ操作信号)と、アウトリガ長さセンサ3か
らのアウトリガ長さ信号とがセンサ異常判別部4に送ら
れる。
【0016】センサ異常判別部4では、この両センサ信
号を付き合わせ、これらが対応しないときにアウトリガ
長さセンサ3の異常を判別し、このセンサ異常信号が、
ランプ、ブザー等の1または複数の表示器を備えたセン
サ異常表示部5と、設定信号切換部6とに送られる。
【0017】この設定信号切換部6には、アウトリガ長
さセンサ3からのアウトリガ長さ信号と、手動操作され
る非常設定スイッチ7からの信号(以下、非常設定信号
という)が設定信号として入力され、上記センサ異常信
号が入力されないとき(アウトリガ長さセンサ3が正常
なとき)にはアウトリガ長さ信号が、センサ異常信号が
入力されたとき(アウトリガ長さセンサ3が異常なと
き)には非常設定信号がそれぞれ設定信号としてアウト
リガ張出し幅設定手段8の設定部9に送られる。
【0018】なお、このアウトリガ張出し幅設定部9
は、表示器(図示せず)を備え、アウトリガ長さ信号ま
たは非常設定信号に基づいて設定されようとするアウト
リガ張出し幅をオペレータに対してランプ表示またはデ
ジタル表示するように構成されている。
【0019】また、アウトリガ張出し幅設定手段8は確
認スイッチ10を有し、上記表示器の表示に基づいてこ
の確認スイッチ10が操作されたときに設定信号に基づ
く張出し幅設定が行われ、この設定されたアウトリガ張
出し幅に基づいて過負荷監視コントローラ11による過
負荷監視が行われる。
【0020】上記の作用を図2のフローチャートを併用
してさらに詳述すると、たとえば過負荷防止装置の電源
オンでフローが開始し、まずステップS1でアウトリガ
操作信号があったか否かが判断される。
【0021】ここで、YES、すなわちアウトリガ操作
信号があったと判断されると、次にアウトリガ長さセン
サ2からの信号が変化したか否かが判断され(ステップ
S2)、変化した場合には、アウトリガ操作に対してア
ウトリガ長さセンサ2が正常に反応したとして異常なし
と判断される(ステップS3)。
【0022】また、ステップS1でNO、すなわちアウ
トリガ操作信号がなかったときには、引き続きステップ
S4でセンサ信号が変化したか否かが判別され、変化な
しのときにはステップS1に戻ってアウトリガ操作に備
える。
【0023】一方、ステップS2でセンサ信号に変化無
しと判断されたとき、およびステップS4でセンサ信号
変化ありと判断されたときには、それぞれ反応が正常で
ないとしてセンサ異常が判別され(ステップS5)、セ
ンサ異常表示部5によってセンサ異常が表示される(ス
テップS6)。
【0024】このように、 アウトリガが操作されたにもかかわらずセンサ信号
が変化しないとき、 アウトリガが操作されていないのにセンサ信号が変
化したとき、 すなわちアウトリガ操作とセンサ信号とが対応しないと
きにセンサ異常と判断するため、たとえばセンサからの
電圧信号に一定の制限(たとえば全電圧範囲が0V〜1
2Vの場合に2V〜8Vまでという制限)を設けてお
き、この制限値外の信号が入力されたときに異常と判断
する手段をとった場合のような誤判断がなく、センサ異
常が確実に検出される。
【0025】次に、アウトリガ張出し幅設定プログラム
を説明する。
【0026】(イ)センサ異常なしと判断された場合。
【0027】ステップS3からステップS7に進み、こ
こでアウトリガ長さ信号に基づいて確認スイッチ10が
オン操作されたか否かが判断され、オンのときにはアウ
トリガ張出し幅設定部9によりセンサ信号の長さでアウ
トリガ張出し幅が設定される(ステップS8)。
【0028】一方、確認スイッチ10がオン操作されて
いないとき(ステップS7でNOのとき)には、未確認
のままの設定を避けて安全サイドの設定を行うために、
アウトリガ張出し幅設定部9において自動的に最小アウ
トリガ張出し幅、すなわちアウトリガ張出し幅が0のオ
ンタイヤが設定される(ステップS9)。
【0029】(ロ)センサ異常と判断された場合。
【0030】ステップS5からステップS10に進み、
非常設定スイッチ7がオン操作されたか(非常設定信号
が入ったか)が判断され、YESの場合にはさらにステ
ップS11で確認スイッチ10がオンされたかが判断さ
れ、確認スイッチオンで非常設定信号に基づいてアウト
リガ張出し幅が設定される(ステップS12)。
【0031】一方、ステップS10でNOのとき(非常
設定操作されていないとき)、およびステップS11で
NOのとき(確認スイッチオンされていないとき)に
は、ステップS7でNOのときと同様にいずれもステッ
プS9でオンタイヤ設定される。
【0032】また、このステップS9で一旦オンタイヤ
設定された後も、ステップS3またはステップS10に
戻り、確認スイッチ10または非常設定スイッチ7のオ
ン操作を待つ。
【0033】このように、センサ異常検出手段1によっ
てアウトリガ長さセンサ3の正常・異常が監視され、セ
ンサ異常が検出されたときには非常設定スイッチ7によ
る手動設定に切換えられるようにしたから、実際にはア
ウトリガが張り出されていないのにセンサからの全張出
し信号に基づいてアウトリガ張出し幅が最大に設定され
てしまう等の誤設定のおそれがなくなる。
【0034】また、非常設定はセンサ異常時のみに可能
となり、センサ正常時はセンサ信号のみが受付けられる
ため、たとえばオペレータの選択操作によって設定信号
をいつでも自由に切換えうるように構成した場合のよう
に、センサ3が正常であるにもかかわらず誤設定の危険
のある非常設定が選択されるといった不都合がなくな
る。
【0035】ところで、アウトリガ操作装置としてリモ
コン弁を用いるクレーンにおいては、センサ異常検出手
段のアウトリガ操作センサとして、このリモコン弁のレ
バー操作に連動して作動するスイッチやレバー位置を検
出する光センサ、リミットスイッチ等を用いることがで
きる。
【0036】
【発明の効果】上記のように本発明によるときは、アウ
トリガ長さセンサの異常を検出し、この検出結果に基づ
いて、センサ信号による設定と非常設定スイッチによる
手動設定とに切換えることができる。すなわち、センサ
状態に応じて最も適切な設定法をとることができる。
【0037】このため、センサ信号のみを設定信号とし
て用いる場合のように、異常信号によってアウトリガ張
出し幅が誤設定されるおそれがなくなり、過負荷防止装
置の信頼性を高めて安全性を向上させることができる。
また、センサ異常時にアウトリガ張出し幅を最大危険側
に設定する方法をとった場合のように、実際は十分なク
レーン能力がありながら、定格能力の演算上、クレーン
能力が抑えられ、実作業に支障を来すという弊害が生じ
ず、センサ異常時においても本来のクレーン能力を発揮
させ、適切な負荷監視を行いながら安全かつ定常に使用
することができる。
【0038】しかも、センサ正常時は非常設定スイッチ
による設定を受付けず、センサ信号による張出し幅設定
のみが行われるため、張出し幅設定の信頼性が高いもの
となる。
【0039】また、請求項2の発明によると、上記基本
的効果に加えて、アウトリガ操作センサとアウトリガ長
さセンサの信号とを付き合わせ、この両信号が対応しな
いとき、すなわち、アウトリガが操作されたにもかかわ
らず、その反応であるアウトリガ長さ信号の変化がない
とき、またはアウトリガが操作されないのにアウトリガ
長さ信号が変化した時にアウトリガ長さセンサが異常と
判断されるため、センサ異常を確実に検出することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すブロック構成図である。
【図2】同実施例の作用を説明するためのフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 センサ異常検出手段 2 同手段を構成するアウトリガ操作スイッチ 4 同センサ異常判別部 5 同センサ異常表示部 3 アウトリガ長さセンサ 6 設定信号切換部 7 非常設定スイッチ 8 アウトリガ張出し幅設定手段 9 同手段を構成するアウトリガ張出し幅設定部 10 同確認スイッチ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの設定信号に基づいてアウトリ
    ガ張出し幅を設定するアウトリガ張出し幅設定手段を具
    備し、このアウトリガ張出し幅設定手段に対する設定信
    号を発生する手段として、アウトリガの長さを検出する
    アウトリガ長さセンサと、手動で設定される非常設定ス
    イッチとが設けられるとともに、上記アウトリガ長さセ
    ンサの異常を検出して表示するセンサ異常検出手段と、
    上記設定信号を上記非常設定スイッチによる信号とアウ
    トリガ長さセンサによる信号との間で切換える設定信号
    切換手段とが設けられて成り、この設定信号切換手段
    は、設定信号として、センサ異常検出手段によってセン
    サ異常が検出されたときにのみ非常設定スイッチによる
    信号を選択しそれ以外はアウトリガ長さセンサによる信
    号を選択するように構成されたことを特徴とするクレー
    ンにおけるアウトリガ張出し幅の設定装置。
  2. 【請求項2】 センサ異常検出手段は、アウトリガを張
    出し、格納操作するアウトリガ操作装置が操作されたこ
    とを検出するアウトリガ操作センサと、このアウトリガ
    操作センサと上記アウトリガ長さセンサからの信号が入
    力されこれら両センサ信号が対応しないときに異常信号
    を出力する異常判別部とを具備することを特徴とする請
    求項1記載のクレーンにおけるアウトリガ張出し幅の設
    定装置。
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