JPH10218571A - クレーンの過負荷防止装置 - Google Patents

クレーンの過負荷防止装置

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JPH10218571A
JPH10218571A JP2489497A JP2489497A JPH10218571A JP H10218571 A JPH10218571 A JP H10218571A JP 2489497 A JP2489497 A JP 2489497A JP 2489497 A JP2489497 A JP 2489497A JP H10218571 A JPH10218571 A JP H10218571A
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boom
crane
angle
traveling
detecting
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JP2489497A
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English (en)
Inventor
Masaaki Shioiri
正章 塩入
Masayoshi Ito
正義 伊藤
Tomoyuki Katsuno
知幸 勝野
Yoshimasa Takayama
善将 高山
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Minebea Co Ltd
Maeda Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Minebea Co Ltd
Maeda Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クレーンの過負荷防止装置において、クレー
ン作動状態が限界状態に達したことを分かり易く操作者
に警告可能にすること。 【解決手段】 クローラクレーンの過負荷防止装置10
は、警報手段としてのブザー39およびスピーカ38を
備えており、制御回路30において表示/警報制御演算
が実行されて、検出された吊り荷重が、ブーム長さ等に
より決定される定格総荷重を超えた場合には、スピーカ
38およびブザー39を駆動し、「ピーオーバーロード
です ピー」という音声と警告音による警告メッセージ
を発生させる。操作者は過負荷防止装置10の表示器2
0を見ることなく、クレーン作動状態が限界状態に達し
たことを理解して、その回復処理操作等を迅速に行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーンのブーム
に過剰な負荷が作用した場合やブームが危険な姿勢にな
った場合等に操作者に警報を発し、クレーンの作動を停
止させるクレーンの過負荷防止装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】クレーンの過負荷防止装置は、ブームに
作用する荷重等を含むクレーンの動作状態を示す各種の
パラメータの検出値を表示し、検出値が定格値や予め設
定した限度値に至った場合に操作者に警報を発し、それ
らの値を超えた場合にはクレーンの作動を自動的に停止
させるための安全装置として機能する。
【0003】このような過負荷防止装置における操作者
に警報を発する警報機構としては、操作者に警報を分か
り易く伝えるために、その表示部に配列されたLED等
のランプを点滅させたり、ブザーを鳴らす等の機構が採
用されている。例えば、特開昭63−196494号公
報、実開昭63−130491号公報には、表示を分か
り易くするために、ブームに作用している軸荷重や転倒
モーメントを表示する発光素子からなる表示部分の改良
技術が開示されている。また、各パラメータの意味を直
ちに認識できるようにするための改良は、例えば、実開
昭56−55283号公報、実開昭58−23883号
公報に開示されており、これらの公報においては、クレ
ーンの動作状態を示す各種のパラメータの表示を、パネ
ル上に描いたクレーン略図における対応した位置とする
ことにより、各種の表示を見やすくしている。
【0004】一方、過負荷防止装置は、一般に、吊り下
げ荷重が定格荷重を超えた場合等に、自動的にブームの
動作を強制的に停止させるための制御信号を出力して、
危険を未然に回避する機構が備わっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】過負荷防止装置による
各種の警報は、上記のようにLED等の点滅、ブザー音
等により行われているが、このような警報形態では操作
者にとって分かりにくい場合がある。すなわち、操作者
は、ブームの移動等を見ながらクレーン操作を行ってい
るので、過負荷防止装置の表示器においてLED等が点
滅しても、それを見るまでは異常に気がつかない。ま
た、ブザー音が鳴った場合、異常が発生したことは分か
るが、どの動作が異常なのかは過負荷防止装置の表示器
を見るまで分からない。従って、従来における警報形態
は、クレーンを操作中にある操作者にとってはその異常
内容を視覚によってしか知ることができないので、不便
である。
【0006】また、過負荷防止装置によりブームの動作
等の強制停止動作は、いわゆる急停止の形態で行われ
る。従って、急停止時に各部分に過剰な応力、振動が発
生するが、このような停止形態は、吊り荷に振れが発生
するので極めて危険な動作状態である。また、クレーン
各部分の耐久性にとっても好ましくない。
【0007】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
表示器を見ることなく異常発生がどのパラメータに関す
るものであるのかを操作者が直ちに認識可能な警報形態
を備えた過負荷防止装置を提案することにある。
【0008】また、本発明の課題は、過剰な応力、振動
騒音を伴うことなく、特に、吊り荷の振れに起因した危
険な作業状態に陥ることなく、クレーンの自動停止制御
を行うことの可能な過負荷防止装置を提案することにあ
る。
【0009】さらに、本発明の課題は、走行クレーンに
おいて、静止モードと走行モードの切り換え操作を簡単
に行うことの可能な過負荷防止装置を提案することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、ブームに実際に作用している実荷重を
含むクレーンの動作状態を示す複数のパラメータを検出
する検出手段と、検出されたパラメータのうちの少なく
とも一つのパラメータが設定値に到ると警報を発する警
報手段と、前記の一つのパラメータが前記設定値を超え
た場合にクレーンの作動を停止させる作動停止手段とを
有するクレーンの過負荷防止装置において、前記警報手
段として、前記の一つのパラメータが前記設定値を超え
た時点で、当該パラメータが設定値を超えた旨の警告メ
ッセージを発する音声表示手段を備えた構成のものを採
用している。また、この警告メッセージと共に、警告音
を発生するようにしている。
【0011】ここで、典型的には、前記検出手段は、例
えば圧力検出器等のような実際に作用している実荷重を
検出する荷重検出器、ワイヤの巻き過ぎを検出する巻き
過ぎ検出器、ブームの長さを検出する長さ検出器、ブー
ムの角度を検出する角度検出器を含んでいる。
【0012】従って、前記音声表示手段は、前記検出手
段に含まれる検出器に応じて、実荷重が定格荷重を超え
た場合、ワイヤが巻き過ぎ状態となった場合、ブームの
角度が上限値を超えた場合、ブームの角度が下限値を下
回った場合、作業半径が定格作業半径を超えた場合、作
業半径が上限値を超えた場合、ブームの揚程が揚程上限
値を超えた場合に、その旨を音声により警告する構成と
される。また、クレーンが走行式クレーンの場合には、
動作モードが静止モードから走行モードに切り換わった
場合にも、その旨を音声により警告する構成としてもよ
い。
【0013】このように構成した本発明の過負荷防止装
置においては、一つの動作パラメータが設定値を超えた
場合に、そのパラメータ名と、設定値を超えた旨が、音
声により警告される。従って、操作者は聴覚により直ち
に異常の発生、およびその内容を理解することができ
る。従って、従来のように、表示部分を見る前に異常の
内容を理解でき、表示部分を見ることによりその確認を
行うことができる。従って、操作者にとって警報内容を
理解し易い過負荷防止装置を実現することができる。
【0014】次に、本発明の過負荷防止装置では、前記
検出手段はブームの角度を検出する角度検出器を含んで
おり、前記作動停止手段は、ブーム伏せ動作時におい
て、ブームの角度が予め設定されているブーム伏せ停止
角度に対して所定の角度まで接近した後は、当該ブーム
伏せ動作の速度を減速するためのブーム速度比例制御を
行ない、ブームの角度が前記ブーム伏せ停止角度に到る
と当該ブーム伏せ動作を強制的に停止させることを特徴
としている。
【0015】ここで、前記ブーム速度比例制御は、定格
荷重に対する実荷重の割合(モーメント比)に基づくブ
ーム伏せ動作の減速率、ブームの長さに基づくブーム伏
せ動作の減速率、ブームの角度に基づくブーム伏せ動作
の減速率のうちの最も大きな減速率を採用することを特
徴としている。
【0016】このような前記ブーム速度比例制御は、ブ
ーム起伏シリンダに駆動油圧を供給するブーム伏せソレ
ノイドバルブを駆動する駆動電流のデューティー比を変
化させることにより実現できる。
【0017】このように構成した本発明の過負荷防止装
置では、クレーン動作状態が危険になったときに、その
動作が自動的に急停止するのではなく、危険状態に陥る
手前の状態からその動作速度を所定の割合で減速し、危
険状態に陥った段階で完全に強制停止の状態にする。従
って、突然クレーン動作が停止した場合のような過剰な
応力発生、振動騒音の発生を回避できる。特に、吊り荷
に振れが発生してクレーンの動作状態が危険状態に陥っ
てしまうことを回避できる。また、操作者にとっても、
クレーン動作速度が強制的に減速されたことを、操作感
(操作応答性)の違いから理解して、危険状態に近づい
たことを予知できるので、安全面からも好ましい。
【0018】一方、本発明の過負荷防止装置は、それが
搭載されるクレーンが走行式クレーンの場合において、
走行式クレーンを走行させるための走行操作レバーが操
作され、しかも、走行クレーンの作動をロックするロッ
クレバーが操作されてロックが解除されたときに、クレ
ーンの動作モードを静止モータから走行モードへ自動切
り換えする自動モード切り換え手段を有していることを
特徴としている。この構成によれば、安全性を損なうこ
となく、クレーンの動作モードを走行モードに切り換え
る場合の操作が簡単になるという利点がある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明を
適用した過負荷防止装置が搭載された走行クレーンを説
明する。
【0020】(全体構成)図1は、本発明を適用した過
負荷防止装置が搭載された走行式のクローラクレーンの
斜視図である。この図に示すように、クローラクレーン
1は、多段式のブーム2を備えた機体3と、この機体3
を垂直な旋回軸線の回りに旋回可能に支持している支持
部4とを有している。支持部4は、左右一対のクローラ
フレーム4a、4bのそれぞれに支持されたクローラ4
c、4dを架け渡した構成の走行輪である。本例の多段
式ブーム2は5段式ブームである。
【0021】図2は、支持部4を省略すると共に機体3
の運転席内部を表示した状態で示すクローラクレーンの
部分斜視図である。本発明を適用した過負荷防止装置1
0は、運転席5の内部の前面側方の位置に配置された表
示器20と、運転席5の側壁22に内蔵された制御盤3
0とから構成されている。制御盤30の入力側には、ク
レーンの動作状態を示す各種のパラメータを検出するた
めの検出器が接続されている。本例では、ブーム2の起
伏シリンダ6に取り付けた圧力センサからなる荷重検出
器41、ブーム長さを検出する長さ検出器42、ワイヤ
43の巻き過ぎを検出する巻き過ぎ検出器44、ブーム
2の傾斜角度を検出する角度検出器45が接続されてい
る。なお、運転席5には、走行操作レバー51、52、
クレーンの作動用の油圧回路をロックするためのロック
レバー53、その他の各種の操作レバー、操作ボタン等
が配列されている。
【0022】(過負荷防止装置の表示器)図3は、本例
の過負荷防止装置10の表示器20を前方から見た場合
の正面図である。この図に示すように、表示器20の前
面に形成した表示パネル21には、クレーンの姿図22
が描かれており、クレーンの各部分に対応した位置に、
関連のある動作パラメータが表示されるようになってい
る。表1および表2には、表示パネル21に配列されて
いる各種の表示部および操作部の動作を以下に列記して
ある。これらの表においける各番号は、図3の表示パネ
ル21の各部分に付した番号に対応させてある。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】(過負荷防止装置の制御系)次に、図4は
過負荷防止装置の制御系の概略ブロック図である。制御
系の中心をなす制御回路31は、過負荷防止装置10の
制御盤30に内蔵されている。制御回路はマイクロコン
ピュータにより各制御機能を実現してもよいし、ディス
クリート回路によって各制御機能を実現してもよい。
【0026】制御回路31の入力側には、前述した荷重
検出器41(圧力検出器)、長さ検出器42、巻き過ぎ
検出器44、角度検出器45が、増幅器32〜35、切
り換え部36およびA/D変換器37を介して接続され
ている。また、運転席5に配置した走行操作レバー5
1、52およびロックレバー53の状態を認識する走行
入力信号46、過巻入力信号47、サブブームの状態を
認識するサブブーム入力信号48が入力される。更に
は、表示器20の表示パネル21に配列されている各種
のスイッチ21−28〜21−36が接続されている。
【0027】制御回路31では、実荷重演算を実行し
て、荷重検出器41の検出出力に基づき、現在吊ってい
る実際の荷重(実荷重)を求める。この実荷重の算出
は、例えば、荷重検出器41から得られる起伏シリンダ
6の圧力と、長さ検出器42から得られるブーム長さ
と、角度検出器45から得られるブーム角度から算出す
ることができる。また、作業半径演算を実行して、検出
されたブーム長さおよびブーム角度に基づき、実際の作
業半径の算出を行う。さらに、定格総荷重演算を実行し
て、検出されたブーム長さおよびブーム角度と、算出さ
れた作業半径と、設定されているモード(走行/静止モ
ード)およびワイヤ掛け数とに基づき、現在の定格総荷
重を算出する。定格総荷重は、定格荷重にフック等の重
量を加えた値である。
【0028】実荷重演算によって算出された実荷重と定
格総荷重演算によって算出された定格総荷重は、比較演
算されて、実荷重と定格総荷重との間の大小関係が求め
られる。比較結果に基づき、表示/警報制御演算が実行
され、これにより生成された駆動信号が、表示/キース
キャン部20Aを介して表示器20に供給される。表示
器20では、駆動信号によって負荷率表示LED21−
8〜21−15が点灯駆動される。点灯駆動状態を表3
に示してある。
【0029】
【表3】
【0030】このようなLEDの点灯駆動と同時に、表
示/警報制御演算によって音声出力信号を生成して、音
声出力部38A、増幅器38Bを介して、音声表示手段
であるスピーカ38が駆動される。同時に、トランジス
タ出力部39Aを介して警告音発生用のブザー39が駆
動される。本例では、負荷率が100%を超えた時点
で、「ピー オーバロードです ピー」というスピーカ
ー38による音声警告メッセージ(ピー オーバーロー
ドです)と、ブザー39による警告音(ピー)が発せら
れる。従って、この音声による警告により、操作者は過
負荷防止装置10の表示器20を見なくとも、オーバー
ロードになったことを直ちに知ることができる。このた
め、オーバーロードの状態を回避する操作をいち早く行
うことができるので、安全である。
【0031】また、本例では、このような音声による警
告は、各動作パラメータの検出値が、前述した各種のス
イッチにより設定された各種の動作パラメータの上限
値、下限値に達した場合にも行われる。すなわち、制御
回路31は、ブーム角度上限値、ブーム角度下限値、作
業半径上限値、揚程上限値等の動作パラメータを記憶し
ている。そして、ブーム角上限値と実際のブーム角との
比較、ブーム角下限値と実際のブーム角との比較、定格
作業半径と実際の作業半径との比較、揚程上限値と実際
の揚程との比較等の比較演算を実行して、各種のクレー
ン動作パラメータが設定値に達しか否かを判別し、設定
値に達した場合には、表示/警報制御演算を実行して、
音声による警告メッセージを発するようになっている。
例えば、「ピー 設定で停止しました ピー」という音
声と警告音による警告メッセージが発せられる。
【0032】音声による警告メッセージ内容は、より詳
しく、該当するパラメータの内容について言及するもの
であってもよい。例えば、ブーム角度が設定されている
上限値に達した場合に、「ピー ブーム角度が上限値で
停止しました ピー」という音声と警告音による警告メ
ッセージを発してもよい。また、この音声による警告メ
ッセージに引き続きブザー39による警告音を出力して
もよい。このようにすれば、クレーンの作動が自動停止
した原因も直ちに分かるので好ましい。
【0033】さらに、音声による警告は、モード設定を
行った場合にも行うようにすることもできる。すなわ
ち、静止モードから走行モードに切り換わった場合に
「ピー走行モードに切り換わりました」という音声によ
る警告メッセージを発するようにしてもよい。
【0034】次に、制御回路31は、実荷重が定格総荷
重を超えた場合等にクレーンの作動を自動的に停止させ
る作動停止手段を構成する油圧制御演算機能も備えてい
る。この油圧制御演算機能は、表示/警報制御演算によ
り生成される制御信号に基づき、動作パラメータがその
設定値に達した場合には、該当するクレーン作動を自動
的に停止させるための駆動停止制御信号を生成して、接
点出力部70Aに出力し、当該接点出力部70Aからは
対応する駆動信号がクレーン作動用の油圧回路70に含
まれるフック巻き上げ機構部71とブーム伸縮機構部7
2に供給される。接点出力部70Aを介して駆動停止信
号を受け取ると、該当する機構部の油圧回路がロックし
て作動が停止する。
【0035】ここで、本例では、ブームの起伏を自動停
止させる場合、比例制御のためのデューティー演算を実
行して、比例制御出力部70Bを介して油圧回路70に
含まれるブーム起伏機構部73を比例制御することによ
り、ブーム停止角度よりも手前の角度状態からブーム動
作速度の比例制御を実行して、ブーム動作速度を減速さ
せて、ブーム起伏動作が急停止する事態を回避してい
る。以下に、この比例制御について説明する。
【0036】まず、制御回路31によって実行される比
例制御では、ブーム長さに応じて、ブームの起伏動作の
停止制御を行うようにしている。
【0037】また、ブーム伏せ動作の場合には、それが
強制的に停止させられるブーム伏せ角度よりも10度手
前の角度位置からブーム伏せ動作速度の比例制御を開始
して、伏せ速度を減速させるようにしている。そのため
に、ブーム起伏機構部73に含まれるブーム伏せソレノ
イドバルブの駆動電流のデューティー比を切り換えるよ
うにしている。
【0038】さらに、ブーム伏せ動作の場合のブーム伏
せ動作速度の比例制御に当たっては、ブーム伏せ速度の
減速割合、すなわち、ブーム伏せソレノイドバルブの駆
動電流のデューティー比を次のように決定している。デ
ューティー比の算出法としては、負荷率(モーメント
比)による算出法と、ブーム長さによる算出法と、ブー
ム伏せ角度による算出法の3つの方法を採用している。
これらの3つの方法により算出されたデューティー比の
うち最も低いデューティー比、すなわち、最も大きな減
速状態となる算出値を採用している。
【0039】負荷率(モーメント比)による算出法は、
ブーム伏せ時に例えば負荷率80%以上100%未満の
範囲で、例えば次式によってデューティー比を演算する
ものである。なお、負荷率が80%未満ではデューティ
ー比を例えば100%に固定し、負荷率が100%以上
ではデューティー比を例えば零に固定している。
【0040】D={A/(M−B)}+C 但し、D:デューティー比 M:負荷率(%) A:定数 B:定数 C:定数 次に、ブーム長さによる算出法は、例えばブーム長が8
m以下ではデューティー比を例えば100%に固定し、
ブーム長さが例えば19m以上ではデューティー比を例
えば78%に固定し、この間のブーム長さの範囲では例
えば次式によってデューティー比を演算するものであ
る。
【0041】D={E/(L−F)}+G 但し、D:デューティー比 E:定数 F:定数 G:定数 L:ブーム長さ(m) 一方、ブーム伏せ角度による算出法は、例えば伏せ停止
角度の10度手前の角度位置から比例制御を実行して、
例えば次式によってデューティー比を演算するものであ
る。
【0042】 D=H×(10−θ+伏せ停止角度)+J 但し、θ:(ブーム角度)−(機体角度) H:定数 I:定数 J:定数 このように、本例の油圧制御演算においては、ブームが
予め設定されている伏せ角度(ブーム角下限値)に達す
るよりも10度手前の角度位置を超えると、ブーム伏せ
動作速度が比例制御され、ブーム角度位置に応じて減速
される。従って、ブーム角下限値にブームが至った時に
は、ブームが急停止することなく、その位置に停止させ
られる。従って、従来のようにブームを急停止させる場
合のように、各部分に過剰な応力が一時的に発生するこ
ともなく、大きな振動騒音が発生することもない。特
に、ブームの急停止に起因する吊り荷の振れを防止でき
るので、クレーンが危険動作状態に陥ってしまうことを
回避でき安全である。また、このような比例制御が自動
的に起動されると、操作者は、操作感(操作応答性の低
下)の変化に基づき、このままでは、ブームを伏せ過ぎ
てしまうことを予知でき、危険な作業状態に到ることを
未然に防止できるという利点もある。
【0043】なお、本例の油圧制御演算では、走行操作
レバー51、52が操作され、しかも、ロックレバー5
3が操作されて油圧回路のロックが解除された場合に
は、過負荷防止装置10の表示器20に配列されている
モード切り換えスイッチを操作することなく、自動的に
モードが静止モードから走行モードに切り換えるように
している。このようにすれば、安全性を損なうことな
く、操作の簡略化を図ることができるので便利である。
【0044】(その他の実施の形態)なお、上記の例で
は、説明を簡単にするために、多段ブームの先端に配置
されるサブブームについては考慮していない。サブブー
ムの伸縮を考慮した場合においても(すなわち、図4に
おけるサブブーム入力信号48を考慮して各種動作制御
の演算を実行した場合においても)、同様に本発明を適
用できる。
【0045】また、上記の例では、音声により警告メッ
セージと警告音とを組み合わせた警報を行っているが、
音声による警告メッセージのみを発するようにしてもよ
いことは勿論である。
【0046】さらに、上記の油圧制御演算における比例
制御の形態は一例を示すものであり、本発明を当該制御
形態に限定することを意図したものではない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のクレーン
の過負荷防止装置においては、実荷重が予め設定されて
いる定格荷重を超えた場合に、LED等の表示のみでな
く、音声により警告メッセージを発するようにしてい
る。従って、本発明によれば、従来のように視覚のみ
に、あるいは単なる警告音のみに頼っていた警報を、分
かり易く操作者に伝えることができる。
【0048】また、本発明のクレーンの過負荷防止装置
においては、ブームの伏せ動作時等において、予め設定
した下限角度に到る手前の角度位置を超えた時点からブ
ーム伏せ動作速度を比例制御して徐々に減速するように
している。従って、本発明によれば、予め設定した設定
値に達した途端に作動を自動的に急停止させる場合のよ
うに各部分に過剰な応力が一時的に発生したり、振動騒
音が発生することを回避できる。特に、吊り荷に振れが
発生してクレーン動作が危険状態に陥ってしまうことを
回避できるので安全である。また、このような減速制御
のために操作感が変化するので、操作者の側でも、クレ
ーン作動状態が安全限界等に近づいたことを予知でき、
迅速に対処できるという利点もある。
【0049】さらに、本発明のクレーンの過負荷防止装
置においては、その表示器に配列されている静止モード
/走行モードの切り換えスイッチを操作しなくとも、走
行操作レバーが操作され、しかも、クレーン作動用の油
圧回路をロックしているロックレバーが解除された場合
には、自動的にモードを静止モードから走行モードに切
り換えるようにしている。このようにすれば、安全性を
損なうことなく、モード切り換え操作の簡略化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した過負荷防止装置が搭載された
クローラクレーンの外観斜視図である。
【図2】図1のクローラクレーンの運転席の部分および
検出器を中心に示す部分斜視図である。
【図3】本発明を適用した過負荷防止装置の表示器の正
面図である。
【図4】本発明を適用した過負荷防止装置の制御系の主
要部分を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 クレーン 2 多段ムーブ 3 機体 5 運転席 6 起伏シリンダ 10 過負荷防止装置 20 表示器 21−1〜21−27 LED群 21−28〜21−34 スイッチ群 30 制御盤 31 制御回路 38 スピーカ 39 ブザー 41 荷重検出器 42 長さ検出器 44 巻き過ぎ検出器 45 角度検出器 70 油圧回路 71 フック巻き上げ機構部 72 ブーム伸縮機構部 73 ブーム起伏機構部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正義 長野県長野市篠ノ井御幣川1095 株式会社 前田製作所内 (72)発明者 勝野 知幸 長野県長野市篠ノ井御幣川1095 株式会社 前田製作所内 (72)発明者 高山 善将 神奈川県藤沢市鵠沼松が岡1−21−2

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブームに実際に作用している実荷重を含
    むクレーンの動作状態を示す複数のパラメータを検出す
    る検出手段と、検出されたパラメータのうちの少なくと
    も一つのパラメータが設定値に到ると警報を発する警報
    手段と、前記の一つのパラメータが前記設定値を超えた
    場合にクレーンの作動を停止させる作動停止手段とを有
    するクレーンの過負荷防止装置において、 前記警報手段は、前記の一つのパラメータが前記設定値
    を超えた時点で、当該パラメータが設定値を超えた旨の
    警告メッセージを音声表示する音声表示手段を備えてい
    ることを特徴とするクレーンの過負荷防止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記音声表示手段
    は、前記の一つのパラメータが前記設定値を超えた時点
    で、警告音の発生と、当該パラメータが設定値を超えた
    旨の警告メッセージの音声表示とを行うことを特徴とす
    るクレーンの過負荷防止装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記検出手段は、実
    際に作用している実荷重を検出する荷重検出器、ワイヤ
    の巻き過ぎを検出する巻き過ぎ検出器、ブームの長さを
    検出する長さ検出器、ブームの角度を検出する角度検出
    器を含んでいることを特徴とするクレーンの過負荷防止
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記音声表示手段
    は、実荷重が定格荷重を超えた場合、ワイヤが巻き過ぎ
    状態となった場合、ブームの角度が上限値を超えた場
    合、ブームの角度が下限値を下回った場合、作業半径が
    定格作業半径を超えた場合、ブームの揚程が揚程上限値
    を超えた場合、およびクレーンの動作モードが走行モー
    ドに切り換わった場合のうちの少なくとも一つの場合
    に、その旨の警告メッセージを音声により発するように
    なっていることを特徴とするクレーンの過負荷防止装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4において、前記検出手
    段はブームの角度を検出する角度検出器を含んでおり、
    前記作動停止手段は、ブーム伏せ動作時において、ブー
    ムの角度が予め設定されているブーム伏せ停止角度に対
    して所定の角度まで接近した後は、当該ブーム伏せ動作
    の速度を減速するためのブーム速度比例制御を行ない、
    ブームの角度が前記ブーム伏せ停止角度に到ると当該ブ
    ーム伏せ動作を強制的に停止させることを特徴とするク
    レーンの過負荷防止装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記ブーム速度比例
    制御は、定格荷重に対する実荷重の割合に基づくブーム
    伏せ動作の減速率、ブームの長さに基づくブーム伏せ動
    作の減速率、ブームの角度に基づくブーム伏せ動作の減
    速率のうちの最も大きな減速率を採用することを特徴と
    するクレーンの過負荷防止装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記ブーム速度比例
    制御は、ブーム起伏シリンダに対する駆動油圧の供給制
    御を行うブーム伏せソレノイドバルブを駆動する駆動電
    流のデューティー比を変化させることによって行うこと
    を特徴とするクレーンの過負荷防止装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のうちの何れかの項に
    おいて、前記クレーンは走行式クレーンであり、当該走
    行クレーンを走行させるための走行操作レバーが操作さ
    れ、しかも、当該走行クレーンの作動をロックするロッ
    クレバーが操作されてロックが解除されたときに、クレ
    ーンの動作モードを静止モータから走行モードへ自動切
    り換えするモード自動切り換え手段を有していることを
    特徴とするクレーンの過負荷防止装置。
  9. 【請求項9】 ブームに実際に作用している実荷重を含
    むクレーンの動作状態を示す複数のパラメータを検出す
    る検出手段と、検出されたパラメータのうちの少なくと
    も一つのパラメータが設定値に到ると警報を発する警報
    手段と、前記の一つのパラメータが前記設定値を超えた
    場合にクレーンの作動を停止させる作動停止手段とを有
    するクレーンの過負荷防止装置において、 前記検出手段はブームの角度を検出する角度検出器を含
    んでおり、前記作動停止手段は、ブーム伏せ動作時にお
    いて、ブームの角度が予め設定されているブーム伏せ停
    止角度に対して所定の角度まで接近した後は、当該ブー
    ム伏せ動作の速度を減速するためのブーム速度比例制御
    を行ない、ブームの角度が前記ブーム伏せ停止角度に到
    ると当該ブーム伏せ動作を強制的に停止させることを特
    徴とするクレーンの過負荷防止装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記ブーム速度比
    例制御は、定格荷重に対する実荷重の割合に基づくブー
    ム伏せ動作の減速率、ブームの長さに基づくブーム伏せ
    動作の減速率、ブームの角度に基づくブーム伏せ動作の
    減速率のうちの最も大きな減速率を採用することを特徴
    とするクレーンの過負荷防止装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記ブーム速度
    比例制御は、ブーム起伏シリンダに対する駆動油圧の供
    給制御を行うブーム伏せソレノイドバルブを駆動する駆
    動電流のデューティー比を変化させることによって行う
    ことを特徴とするクレーンの過負荷防止装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記クレーンは
    走行式クレーンであり、当該走行クレーンを走行させる
    ための走行操作レバーが操作され、しかも、当該走行ク
    レーンの作動を禁止するロックレバーが操作されて解除
    された場合に、クレーンの動作モードを静止モードから
    走行モードへ自動切り換えするモード自動切り換え手段
    を有していることを特徴とするクレーンの過負荷防止装
    置。
  13. 【請求項13】 ブームに実際に作用している実荷重を
    含むクレーンの動作状態を示す複数のパラメータを検出
    する検出手段と、検出されたパラメータのうちの少なく
    とも一つのパラメータが設定値に到ると警報を発する警
    報手段と、前記の一つのパラメータが前記設定値を超え
    た場合にクレーンの作動を停止させる作動停止手段とを
    有するクレーンの過負荷防止装置において、 前記クレーンは走行式クレーンであり、当該走行クレー
    ンを走行させるための走行操作レバーが操作され、しか
    も、当該走行クレーンの作動をロックするロックレバー
    が操作されてロックが解除されたときに、クレーンの動
    作モードを静止モータから走行モードへ自動切り換えす
    るモード自動切り換え手段を有していることを特徴とす
    るクレーンの過負荷防止装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001068503A1 (de) * 2000-03-16 2001-09-20 Atecs Mannesmann Ag Verfahren zur wahrnehmung gefahrbringender bewegungen bei kranen
KR100413858B1 (ko) * 2001-07-20 2004-01-07 주식회사 엘케이 크레인의 과부하 방지 장치
WO2011056696A3 (en) * 2009-10-28 2011-09-15 Real Rigging Solutions, Llc Fault monitoring system for electric single or poly-phase chain hoist motors
CN111453619A (zh) * 2019-01-18 2020-07-28 上海海事大学 一种自适应的岸桥运行机构智能监测与状态评估系统

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