JP2631729B2 - 合成樹脂ブロー成形品のバリ取り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ．発明の目的 （利用される産業分野） この発明は合成樹脂製ブロー成形品の取り出したバリ
を除去する装置に関する。

（従来技術） 従来この種のバリはブロー成形品を、これがまだ熱く
柔らかいうちに、製品金型内でプレス型のバリ切除装置
で切除するか、或は成形品を金型から離型した直後のブ
ロー成形品がまだ熱く柔らかいうちに、ナイフによって
手作業で切除している。

（発明の解決しようとする課題） ところが前記先行技術のものは、切除すべき部分のバ
リが少ない時、若しくは単純な形状の時はよいが、総バ
リのときや複雑な形状のときはバリ打ち抜き金型のコス
トが高く、且つ正確に打ち抜けず、然も打ち抜き後の部
分が滑らかにならない欠点があった。また後者のものは
手作業であるため、作業の出来不出来の作業斑があり、
且つ人件費が嵩む。

近年前記後者の手作業に代え、ナイフを作業用ロボッ
トの腕に搭載したものも、実験的なものが一部市場に見
受けられるが、ナイフは常に切刃を先頭にしてロボット
を作動させなければならず、この出願時の汎用作業用ロ
ボットはそこまでの機能はなく、さらに前記ナイフは刃
幅がある為、細かいバリ取り作業は出来ないものであ
る。従ってこの様な複雑な作業のできるロボットを採用
すればロボットに要するコストが非常に高くなり、実用
性に乏しいものとなる。

そこでこの発明はバリ取り作業が容易で、バリ除去後
の製品がきれいに、能率よく仕上がる装置を市場に提供
することを目的とする。

ロ．発明の構成 （課題を達成するための手段） 前記課題を達成するために特定発明は、ペン型の中空
軸部の先端に、軸方向に開口する細いガス噴出ノズルが
設けてあり、前記軸部内には空気加熱装置が配備され、
前記軸部内の空気加熱装置に空気を送る送風器が設けて
あることを特徴とする合成樹脂ブロー成形品のバリ取り
装置としてある。

また前記課題を達成するために、このバリ取り装置に
おける前記空気加熱装置は赤外線ランプ、セラミックヒ
ータのうちの一つとしてあることを特徴とする。

（作 用） 請求項第１項の装置の作用としては、加熱された空気
を細いノズルから噴射させ、これを切除すべきバリの際
に当てて移動させると、前記バリの付け根が前記加熱空
気の熱によって、溶融しバリと成形品が分離され、バリ
が除去された部分の成形品は溶融樹脂の流動によって滑
らかになり、前記加熱空気の当たる場所と成形品との相
対的移動に伴って、順次バリの除去された部分は加熱ガ
ス雰囲気外となって、周囲の空気によって冷却固化す
る。

請求項第２項記載の装置においては、前記作用に加え
て、前記赤外線ランプ又はヒータにより空気を加熱空気
とし、これを送風機により前記ノズル部に供給して、前
記ノズルより前記の加熱空気を噴出させて前記のバリ取
り作業を行う。

（実施例） 次に請求項１及び請求項２に記載された発明の代表的
な実施例を説明する。

第１図において、10は加熱ガス噴出ノズルであり、ペ
ン型の中空軸部11の先端に着脱自在に装備してあり、こ
の軸部11の方向に前記ノズル10は開口しており、この軸
部11には前記ノズル10に連なるエア通路が形成してあ
る。

この軸部11のエア通路内に空気加熱装置20が設けてあ
る。即ち、前記ノズル10に通じる軸部11の空気室21内に
は例えば赤外線ランプ、ハニカム型のセラミックヒータ
22が装備して前記空気加熱装置20が構成してあり、この
空気加熱装置20内に於いて空気を400℃乃至850℃程度に
加熱できるようにしてある。送風器24は前記軸部11とは
別個の不動部に設けてあって、前記軸部11内の空気加熱
装置20に空気を送るために前記送風器24はホース25を介
して前記軸部11の後端に接続してある。

このように構成した実施例の作用を次に説明する。

先ず空気加熱装置20の電源をオンし、ホース25に沿い
配線した電線ケーブル26を通し前記ヒータ22に電流を通
しヒータ22を加熱する。次に送風器24を運転すると、送
風器24より空気加熱装置20内に送り込まれた空気はこの
中で加熱され、前記ノズル10より400℃乃至800℃程度の
加熱空気（ガス）流となって噴出する。

この様にして後は前記軸部11を手持して或は作業用ロ
ボットの腕に搭載して、前記ノズル10から噴出する加熱
空気をブロー成形品ＣのバリＤの際に向けて近づけ、バ
リＤの付け根を前記加熱空気によって溶融させ、順次前
記ノズル10をバリＤの際に沿って移動させ、バリＤと成
形品Ｃとを分離して、全部のバリＤを除去する。前述の
ノズル10の移動速度はバリＤの厚み、成形品の材質によ
っても異なるが3cm/sec乃至7cm/secが好ましい。バリＤ
と分離した部分の成形品Ｃは溶融樹脂の流動により滑ら
かになって、前記加熱空気との離反に従い順次固化す
る。

ハ．発明の効果 前述の様に構成し作用をなす特定発明においては、加
熱空気流を容易に生成でき、ブロー成形品のバリが容易
に除去出来、殊にノズルには移動方向にカッターの様に
方向性がないから細かく込み入った複雑な形状のバリも
容易に能率よく除去できる。

更にバリが除去された部分の成形品は滑らかになり、
仕上りがきれいで、従来のカッター切除のような仕上げ
工程を不要にし、バリとり工程が簡素化される。

請求項第２項の発明おいては、前記効果に加え、加熱
空気を前記赤外線ランプ、セラミックヒータにより生成
でき、有毒ガスの発生を伴わない。

この装置の対象物となるブロー成形品はカッターでは
切断し難いエンジニアリングプラスチックスによる成形
品のバリ除去作業に最適である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの出願のうち、装置発明の代表的な実施例を示
すものであって、第１図は実施例の空気加熱装置部分の
縦断側面図、及び第２図はバリ取り作業の一例を示す成
形品の断面図である。 図中主な符号 10……ノズル、11……軸部 20……加熱装置、24……送風器 24……送風器 Ｃ……成形品、Ｄ……バリ。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ペン型の中空軸部の先端に、軸方向に開口
   する細いガス噴出ノズルが設けてあり、前記軸部内には
   空気加熱装置が配備され、前記軸部内の空気加熱装置に
   空気を送る送風器が設けてあることを特徴とする合成樹
   脂ブロー成形品のバリ取り装置。
2. 【請求項２】前記空気加熱装置は赤外線ランプ、セラミ
   ックヒータのうちの一つとしてあることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の合成樹脂ブロー成形品のバリ
   取り装置。