JP2628902B2 - 起泡性水中油型乳化脂 - Google Patents

起泡性水中油型乳化脂

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、起泡性水中油型乳化脂に関し、詳しくは、
長期保存性に優れ、流通に適し、風味良好で、しかも高
オーバーランであるにも拘らず、耐熱保形性並びに戻り
耐性に極めて優れたもので製薬・製パン用のフィリング
及びトッピング材或いは調理用素材等として優れた起泡
性水中油型乳化脂(起泡性水中油型乳化脂組成物)に関
する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、トッピング用、フィリング用の起泡性水中油型
乳化脂、すなわちホイップクリームとしては、油分25〜
50%を含有するコンパウンドホイップクリーム(生クリ
ーム又は乳脂肪がクリーム中に含有されているクリー
ム)及びフィルドクリーム(無脂乳固形分を含み、生ク
リーム乳脂肪を含まないもの)等が市販されている。
これらのものは、天然の生クリームを価格面及び物性
面で凌駕し、現在に至っている。すなわち、生クリーム
は高価である上に、ホイップ後の安定性が悪く温度や振
動で変形しやすい、起泡させるのに熟練を要する、及び
飼料の種類や季節変動により品質のバラツキが大きい、
という欠点を有する。
しかしながら、上記のコンパウンドホイップクリーム
又はフィルドクリームは現在のところ洋菓子原料として
必ずしも十分な適性を有していない。
大凡かかる製菓原料としてのクリーム類に要求される
物性には次のようなものがある。
先ず第1に、油脂、無脂乳固形分、乳化剤等からクリ
ーム状組成物を製造する場合の、予備乳化、高圧均質
化、冷却等の該工程において諸条件の振れにもかかわら
ず安定してほぼ同一品質の起泡性水中油型乳化脂ができ
ること、第2に製造された起泡性水中油型乳化脂は生ク
リームと混合しても、また予め生クリームと混合して作
られても、生クリームの品質変動(季節起動や新しいも
の古いものの間の変動)にもかかわらず、これらの品質
変動を吸収して常に一定した品質を示すこと、第3に製
造された起泡性水中油型乳化脂は保存中、使用中又は輸
送中の室内外の温度変化や輸送による振動等によって増
粘や固化が生じることなく、しかも起泡時の物性がほと
んど常に一定なこと、第4に起泡して用いる場合、最適
起泡状態に到達するまでの起泡時間が一定で、起泡の終
点に適当な幅があり、しかもオーバーランが適度で一定
していて、起泡体は十分なコシ、ネバリがあって造花
(デコレーション)が行いやすく、また絞り袋中で放置
されても脱泡しにくく、最終までバサつかずにスムーズ
に且つ一様に造花ができ、さらに塗布したり、挟み込ん
だりしても起泡体が十分なかたさをもっていて、脱泡し
ないこと、第5にケーキに造花された状態で数日間、当
初の状態を保持できるように保形性が良好で、しかも乳
漿分離(リーク又はブリーディング)をひきおこさない
こと、第6に表面はなめらかで、適当な光沢を有し、長
時間経過しても変色や外見上の変化をひきおこさないこ
と、第7に風味が良好で、生クリームとの差異がほとん
どなくしかも口どけが生クリームと同等か又はそれ以上
であること等である。
これまでに起泡性水中油型乳化油脂は多種多様のもの
が市販されているが、これらのものを検討してみると上
記の要求される諸物性の中で、いくつかのものを満たし
ているけれども、逆にある部分の物性に劣っているとい
うようなものがほとんどであり、すべてを満足している
ものは未だにないのが現状である。特に、起泡性水中油
型乳化脂は輸送又は配送中に温度が15℃〜20℃まで上昇
すると乳化脂の脂肪球が凝集や合一を起こすため、再度
冷却を行い5℃にてホイップしても適切なオーバーラン
が出ず急に可塑化してバサつくことがある。また、最
近、大規模に生産を行う洋菓子店では連続ホイップマシ
ーンを用いて連続的にホイップして行うことが多くなっ
ており、そのため終点の幅が広く、温度耐性があり、バ
サつきの少ない起泡性水中油型乳化脂が要求されてい
る。
従って、本発明の目的は上記のような、従来の起泡性
水中油型乳化脂の欠点を改良し、前記のような要求され
る諸物性を満足し且つ特に保存中、使用中や輸送中の室
内外の温度変化や輸送による振動等によって増粘や固化
がなく、しかも起泡時に急に可塑化してバサついたりす
ることがない終点幅の長い、物性がほとんど常に一定と
なるような起泡性水中油型乳化脂を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、種々検討した結果、特定量の油脂を含
有する乳化物に特定の乳化剤を特定量併用することによ
り、上記目的が達成されることを知見した。
本発明は、上記知見によりなされたもので、全乳化物
に対して、30〜60重量%の油脂及び0.1〜1.2重量%の乳
化剤を含有する起泡性水中油型乳化脂であって、上記乳
化剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪
酸エステルからなる群より選ばれた水溶性乳化剤1種以
上と、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及び燐
脂質からなる群より選ばれた油溶性乳化剤1種以上とか
らなり、且つそれらの重量比(前者:後者)が50:50〜9
5:5である、起泡性水中油型乳化脂を提供するものであ
る。
以下、本発明の起泡性水中油型乳化脂の製造法につい
て詳述するが、特に記載のない限り、文中の重量%は全
乳化物の重量に対する割合である。
本発明に使用しうる油脂としては動植物油脂及びそれ
らの硬化油脂の単独又は2種以上の混合物あるいはこれ
らのものに種々の化学的処理又は/及び物理的処理を施
したものが良く、さらに、10℃のSFC(固体脂含有係
数)特性値が20〜55、上昇融点25〜38℃であることがよ
り好ましい。
上記油脂としては、例えば、大豆油、綿実油、コーン
油、ひまわり油、サフラワー油、パーム油、ナタネ油、
カボック油、ヤシ油、乳脂、ラード、魚油、鯨油などの
各種の動植物油脂、及びこれらの硬化油、分別油、エス
テル交換油脂などがあげられる。これらの中で特に好ま
しいものは、例えば、綿実硬化油、カボック硬化油、ナ
タネ硬化油、大豆硬化油、とうもろこし硬化油、ひまわ
り硬化油等の液状植物油の硬化油又はパーム油あるいは
その分別油の硬化油の1種以上(i)とヤシ油、パーム
核油等のラウリン型油脂又はこれらの硬化油の1種以上
(ii)及び/又は大豆油、綿実油、カボック油、コーン
油、米ぬか油、ひまわり油、なたね油、サフラワー油の
如き0℃で液状の油脂の1種以上(iii)とを混合して
なる油脂組成物(I)、又はかかる油脂組成物をエステ
ル交換して得られる油脂組成物(II)、あるいは上記の
油脂(iii)又は/及びパーム油及び/又はパーム油の
分別油と上記の油脂(ii)とを混合した後、部分硬化し
て得られる油脂組成物(III)、あるいは油脂組成物
(I)、(II)及び/又は(III)とトリブチリンとを
エステル交換して得られる油脂組成物(IV)あるいは油
脂組成物(I)、(II)、(III)、(IV)の2種以上
を混合した油脂組成物(V)等である。なお牛脂、ラー
ド、魚油、鯨油、乳脂等の動物油脂あるいはその硬化油
を上記の油脂(i)の代替として用いることは風味面で
油脂(i)としてやや劣る面はあるがさしつかえない。
本発明で使用される油脂は、口どけ、及び風味で生ク
リームとの差異がほとんど感じられないクリーム状組成
物を得るためその固体脂含有係数(SFC)がある一定の
範囲内にはいることが好ましく、その範囲を示すと第1
表の通りである。
また、本発明で使用される油脂の量は起泡性水中油型
乳化脂全体(全乳化物)に対して30〜60重量%である。
30重量%未満では十分な保形性をもつ起泡性水中油型乳
化脂は得られず、60重量%を越える場合はクリーム状組
成物の粘度が高くなりすぎ、経日的にあるいは輸送時の
振動等により粘度上昇がおこり、またホイップした場合
はオーバーランの低い起泡体しか得られない。
本発明において、水溶性乳化剤としては、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルからなる
群から1種類以上を選択して使用する。
また、油溶性乳化剤としては、モノグリセリン脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレング
リコール脂肪酸エステル及び燐脂質からなる群から1種
以上を選択して使用する。
本発明に使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルと
は、グリセリンの重合度2以上のポリグリセリンに対し
て、炭素数12〜22個の飽和及び/又は不飽和の脂肪酸
(重合脂肪酸(例えば縮合リシノレイン酸)を含む)が
エステル結合したものを言う。水溶性乳化剤としてのポ
リグリセリン脂肪酸エステルとは、HLB10.0以上のもの
であり、油溶性乳化剤としてのポリグリセリン脂肪酸エ
ステルとはHLB10.0未満のものである。
本発明に使用されるショ糖脂肪酸エステルとは、ショ
糖に対して炭素数12〜22個の飽和及び/又は不飽和の脂
肪酸がエステル結合したものを言う。水溶性乳化剤とし
てのショ糖脂肪酸エステルとはHLB7.0以上のものであ
り、油溶性乳化剤としてのショ糖脂肪酸エステルとはHL
B7.0未満のものである。
本発明に使用されるソルビタン脂肪酸エステルとは、
ソルビトール及び/又はソルバイドに対して炭素数12〜
22の飽和及び/又は不飽和の脂肪酸がエステル結合した
ものを言い、モノエステルを少なくとも含有し、ジ又は
トリエステル等のポリエステルを含有しても良いが、好
ましくはモノエステルを全体の30重量%以上含有するこ
とが良い。
本発明に使用されるグリセリン脂肪酸エステルとは、
グリセリンと炭素原子数12〜22個の飽和及び/又は不飽
和の脂肪酸がエステル結合したものを言い、モノエステ
ル及び/又はジエステルである。また、本発明におい
て、グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン脂肪酸エ
ステル中の遊離の水酸基に、酢酸、乳酸、クエン酸、ジ
アセチル酒石酸、コハク酸等の、脂肪酸以外の有機酸が
エステル結合した、所謂有機酸モノグリセライドも包含
する。
また、本発明に使用されるプロピレングリコール脂肪
酸エステルとは、プロピレングリコールに対して炭素原
子数12〜22個の飽和及び/又は不飽和の脂肪酸がエステ
ル結合したものである。
上記の各種の乳化剤を構成する飽和脂肪酸としては、
例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ラウリン酸、アラキン酸等があり、その中でも特にパル
ミチン酸、ステアリン酸が好ましく、また、不飽和脂肪
酸としては、例えば、オレイン酸、ゾーマリン酸、リノ
ール酸、エライジン酸、リノレイン酸等であり、その中
でも特に好ましいものはオレイン酸、ゾーマリン酸であ
る。
また、本発明で使用される燐脂質とは、例えば、フォ
スファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミ
ン、イノシトールフォスファチド、フォスファチジルセ
リン等をいい、これらは通常市販されている、大豆レシ
チン、卵黄レシチン、卵黄、バターミルク等に含有され
ており、これらを燐脂質の給源として使用すれば良い。
本発明においては、ポリグリセリン脂肪酸エステルと
ショ糖脂肪酸エステルからなる上述の水溶性乳化剤1種
以上と、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピ
レングリコール脂肪酸エステル、燐脂質等からなる上述
の油溶性乳化剤1種以上との重量比が50:50〜95:5であ
る必要がある。水溶性乳化剤の割合が50%以下だと起泡
時の終点幅が短く、バサつきやすいクリームとなり、95
%以上であると原液の乳化状態が悪く水相が一部分離す
る。
また、乳化剤の合計量は乳化脂全体に対して0.1重量
%〜1.2重量%である必要があり、好ましくは0.1〜1.0
重量%、さらに好ましくは0.3〜0.8重量%である。0.1
重量%以下では十分な乳化状態が得られず、水又は油が
分離しやすくなり、1.2重量%以上では乳化剤の味が強
くなりすぎて食用に供し得ない。
本発明について更に詳述すると、本発明の起泡性水中
油型乳化脂は無脂乳固形分及び/又はその代替物を含有
することができる。かかる無脂乳固形分及び/又はその
代替物とは脂肪分を除いた乳固形分のことで、乳蛋白質
を主成分とするもの及び/又は例えば大豆蛋白質の如き
無脂乳固形分の代替物である。無脂乳固形分の給源とし
ては例えば牛乳等の獣乳、脱脂乳、脱脂粉乳、脱脂練
乳、凍結凝縮脱脂乳、バターミルク、粉末バターミル
ク、粉末ホエー、練乳、粉乳、クリーム、ナトリウムカ
ゼイネート、カゼイン等の種々の乳製品が使用できる。
本発明の起泡性水中油型乳化脂はその他、着色量、着
香料、調味料、糊料等の各種の添加物を含有することが
でき、例えば、無脂乳固形分の給源として例えば脱脂乳
等を使用する場合はリン酸塩を添加することが望まし
い。このリン酸塩としては、ポリリン酸ナトリウム、メ
タリン酸ナトリウム、オルソリン酸ナトリウム、ピロリ
ン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、第1リン酸ナト
リウム、第2リン酸ナトリウム、第3リン酸ナトリウム
等から選ばれた1種又は2種以上のナトリウム塩及び/
又はカリウム塩が用いられ、その使用量は好ましくは0.
02〜0.2%である。このような添加物を含有せしめるこ
とによってより品質のすぐれた製品とすることができ
る。
次に、本発明の起泡性水中油型乳化脂の製造法を、好
ましい一実施態様に基づいて具体的に説明する。
先ず、原料油脂を溶融し、それに油溶性乳化剤を添加
して50℃〜60℃にて分散溶解させることにより油相を調
製する。尚、油溶性の蛋白質等を使用する場合は、これ
を上記油相に添加すればよい。
その一方で、水相に水溶性乳化剤を分散溶解させると
ともに、その他の水溶性原料をも溶解分散させることに
より水相を調製する。
次いで、上記水相と上記油相とを混合し、得られた予
備乳化物を均質化することにより本発明による起泡性水
中油型乳化脂が得られる。この均質化は、50〜70℃にて
20〜100kg/cm2の均質圧力で行うのが良く、均質圧力が2
0kg/cm2では保形性が弱くなりやすく、100kg/cm2では起
泡した時のまとまりがなくなりやすいので好ましくな
い。
更に詳述すると、本発明により得られる起泡性水中油
型乳化脂は、上記の如くして得られる均質化物をさらに
UHT滅菌処理して起泡性水中油型乳化脂とすることが好
ましい。この処理に用いられるUHT滅菌処理装置には、
間接加熱方式のものとして、例えば、APVプレート式UHT
処理装置(APV社製)、C.P.UHT殺菌装置(クリーマリー
・パッケージ社製)、ストークス・チューブラー型UHT
滅菌装置(ストークス社製)等があり、直接加熱方式の
ものとして、例えば、ユーペリゼーション滅菌装置(ア
ルプラ社製)、アルファラバルVTIS滅菌装置(アルファ
ラバル社製)、ラギアー滅菌装置(ラギアー社製)、パ
ラリゼータ(パッシュ・アンド・シルケボーグ社製)、
C.P.Vac.Heat UHT滅菌装置(クリマリー・パッケージ
社製)等があり、UHT滅菌処理は、これらのものから適
宜選択した装置を使用して行うことができる。
また、本発明により得られる起泡性水中油型乳化脂
は、更に好ましくは、UHT滅菌処理後、60〜75℃迄冷却
した後、5〜100kg/cm2の圧力で均質化処理を行うこと
が良い。この時の均質化圧力は起泡性水中油型乳化脂は
起泡性、保形性を満足すれば良く、好ましくは10〜70kg
/cm2である。
上記の均質化処理物を、10℃位迄冷却後、無菌充填機
にて充填すれば好ましい製品を得ることができる。
〔実施例〕
以下に実施例をあげ、本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 上昇融点36℃の大豆硬化油34.0重量%、ヤシ硬化油1
1.0重量%を溶融混合し、その中に油溶性乳化剤として
ソルビタン脂肪酸モノステアレート0.2重量%を溶解し
油相を調整した。このようにして得られた油相を60℃に
保持した。
別に、脱脂粉乳4.9重量%及びヘキサメタリン酸ナト
リウム0.1重量%、水溶性乳化剤としてショ糖脂肪酸エ
ステル(HLB11)0.3重量%及びポリグリセリンモノオレ
ート(HLB13)0.2重量%を50℃前後の水49.3重量%に溶
解して水相とした。
上記油相と上記水相とを混合攪拌して水中油型の予備
乳化物を得た。
次いで、この予備乳化物をホモゲナイザーにより約60
℃の温度下に50kg/cm2の圧力で均質化し、その後、UHT
滅菌処理(VTIS滅菌装置(アルファラバル社製)を使
用)を施し、70℃にて55kg/cm2の均質圧で無菌下で再均
質処理を施し、10℃に冷却後無菌充填(テトラパック社
製)し、起泡性水中油型乳化脂を得た。一晩エージング
後、この乳化脂は流動状であり、縦型ミキサーにて起泡
させた所、キメがすぐれ、オーバーランが適度であり、
さらにこのものを20℃で20時間放置したが、キメ、保形
性とも良好であった。
また、上記組成物(乳化脂)を40℃恒温槽内で25℃に
昇温したあと25℃の恒温槽内に3時間放置し、その後5
℃の冷蔵庫に入れて保存したところ、20時間後の粘度変
化(ヒートショックテスト)はほとんどなく良好であっ
た。このものを縦型ミキサーで起泡させたところ、何ら
異常が認められなかった。さらに10℃に保冷された運搬
車による輸送テストも増粘、固化はなく良好であった。
また、以上の各評価テストについては一定の再現性を
得ることができた。
以上説明した測定結果を下記第2表に記載した。表中
実施例1に示す如く、良好な起泡性水中油型乳化脂を得
た。尚、以下に示す実施例2、3及び比較例1、2につ
いても同様に測定結果を下記第2表に併記した。
実施例2 前記実施例1中、乳化剤を下記の通り変更して同様の
実験を行った。
・油溶性乳化剤 グリセリンモノステアレート (HLB4) 0.1 重表 プロピレングリコール脂肪酸エステル (HLB3) 0.03重量% ・水溶性乳化剤 ポリグリセリンモノステアレート (HLB10) 0.3 重量% ポリグリセリンモノオレート (HLB11) 0.4 重量% 表中実施例2に示す如く良好な起泡性水中油型乳化脂
を得た。
実施例3 前記実施例1中、乳化剤を下記の通り変更して同様の
実験を行った。
・油溶性乳化剤 ジアセチル酒石酸モノグリセリド 0.1重量% レシチン 0.1重量% ・水溶性乳化剤 ポリグリセリンモノオレート (HLB13) 0.3重量% ショ糖脂肪酸エステル (HLB7) 0.2重量% 表中実施例3に示す如く良好な起泡性水中油型乳化脂
を得た。
比較例1 前記実施例1中、乳化剤を下記の通り変更して同様の
実験を行った。
・油溶性乳化剤 ジアセチル酒石酸モノグリセリド 0.3重量% レシチン 0.2重量% ・水溶性乳化剤 ポリグリセリンモノオレート (HLB13) 0.1重量% ショ糖脂肪酸エステル (HLB7) 0.1重量% 表中比較例1に示す如くバサツキやすい乳化脂肪を得
た。
比較例2 前記実施例1中、乳化剤を下記の通り変更して同様の
実験を行った。
・水溶性乳化剤 ポリグリセリンモノオレート (HLB13) 0.3重量% ショ糖脂肪酸エステル (HLB7) 0.3重量% 表中比較例2に示す如く乳化状態の悪い水相の分離を
起こした乳化脂しか得られなかった。
〔発明の効果〕 本発明によれば、保存中、使用中や輸送中の室内外の
温度変化や輸送による振動等によって増粘や固化がな
く、しかも起泡時に急に可塑化してバサついたりするこ
とのない、終点幅が長く物性がほとんど常に一定となる
ような起泡性水中油型乳化脂で、その他の諸物性をも兼
備しているものを提供することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全乳化物に対して、30〜60重量%の油脂及
    び0.1〜1.2重量%の乳化剤を含有する起泡性水中油型乳
    化脂であって、 上記乳化剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びショ
    糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれた水溶性乳化剤
    1種以上と、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
    ン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン
    脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル
    及び燐脂質からなる群より選ばれた油溶性乳化剤1種以
    上とからなり、且つそれらの重量比(前者:後者)が5
    0:50〜95:5である、起泡性水中油型乳化脂。
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