JP2620904B2 - 防汚塗料組成物 - Google Patents

防汚塗料組成物

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JP2620904B2 JP17448292A JP17448292A JP2620904B2 JP 2620904 B2 JP2620904 B2 JP 2620904B2 JP 17448292 A JP17448292 A JP 17448292A JP 17448292 A JP17448292 A JP 17448292A JP 2620904 B2 JP2620904 B2 JP 2620904B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海水中において加水分
解するポリエステル樹脂をビヒクル成分とする防汚塗料
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海水面よりも下にある船舶の底部外板、
海洋構造物、漁網などの表面には、各種海中生物が付着
するため、船舶においては効率のよい運航が妨げられ、
海洋構造物及び魚網においては、耐用年数が著しく短く
なるなどの問題が生じるので、その対策として各種防汚
剤を配合した水中防汚塗料組成物が使用されている。従
来から使用されている代表的な防汚塗料として、海水に
不溶性のビニル系樹脂、アルキド樹脂、塩化ゴムなどの
樹脂と海水に溶解性のロジンとからなるビヒクル成分に
防汚剤を配合した不溶解マトリックス型防汚塗料、及び
特開昭58−67722号、特開昭58−67761
号、特開昭58−67767号、特開昭59−1422
63号、特開昭61−268773号、特開昭62−1
87704号などに開示されているような海水中で徐々
に加水分解する含金属樹脂をビヒクル成分とし、必要に
応じて防汚剤を配合した溶解マトリックス型防汚塗料な
どがある。しかし、海水中にロジンとともに防汚剤が溶
出し、防汚効果を発揮する前記不溶解マトリックス型防
汚塗料は、長期間安定した防汚効果が期待できないう
え、ロジンや防汚剤が溶出した後、海水に不溶性の樹脂
成分が塗膜として残り、スケルトン構造を形成するの
で、特に船舶に適用した場合、海水と塗布面の摩擦抵抗
が増大するので速度低下、燃費増大などが生じる欠点が
あった。一方、前記溶解マトリックス型防汚塗料は、防
汚効果はあるが、安全衛生上及び環境保全上の問題点が
あった。
【0003】また、最近、前記両塗料の中間的タイプと
して含金属樹脂を使用しない、加水分解型ポリエステル
樹脂と水不溶性樹脂とをビヒクル成分とする防汚塗料が
開発されている(特公平3−46501号公報)。この
防汚塗料は、乳酸などのオキシ酸の単独縮合物と水不溶
性樹脂とをビヒクル成分とし、有機金属を含んでいない
ため、安全衛生上、環境保全上優れた塗料であるが、水
不溶性樹脂を併用しているため前記不溶解マトリックス
型防汚塗料と同様に、海水に不溶性の樹脂成分が塗膜と
して残り、スケルトン構造を形成するという欠点があっ
た。そこでオキシ酸の単独縮合物のみをビヒクル成分と
する防汚塗料も考えられていたが、該縮合物は、分子量
を数万以上のレベルで高分子量化するとクロロホルムな
どの特殊な有機溶剤にしか溶解せず、通常の塗料用有機
溶剤に溶解しないので、塗料化及び塗装作業性に欠点が
あり、一方、分子量を1万以下に低分子量化すると通常
の塗料用有機溶剤に溶解するが、海水中における加水分
解速度が大きすぎ、そのうえ加水分解速度が調整できな
いので、長期防汚効果が得られないという欠点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これまで述
べたような従来の防汚塗料の欠点を克服し、海水面より
も下にある船舶の底部外板、海洋構造物、漁網などの表
面に、各種海中生物が付着するのを効果的に、長期間防
止できるとともに、安全衛生及び環境保全上も優れてい
る塗料組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状を克服するため研究を行った結果、有機金属を含
有せず、かつ加水分解速度のコントロールが可能な特定
のポリエステル樹脂をビヒクル成分として使用すること
により、長期防汚性を有し、かつ安全衛生及び環境保全
上も優れている塗料組成物が得られるという知見を得
て、本発明を完成したものである。すなわち本発明は、
(イ) オキシ酸及び/又はその縮合物、 (ロ) ヒドロキ
シル基を含まない多価カルボン酸及び/又はその酸無水
物、及び (ハ) 多価アルコールを反応させて得られる加
水分解型ポリエステル樹脂をビヒクル成分とすることを
特徴とする防汚塗料組成物を提供する。また、本発明
は、 (イ) オキシ酸及び/又はその縮合物、 (ロ) ヒド
ロキシル基を含まない多価カルボン酸及び/又はその酸
無水物、及び (ハ) 多価アルコールの合計重量に対し、
(イ) オキシ酸及び/又はその縮合物の割合が10〜90重
量%であって、 (イ) オキシ酸及び/又はその縮合物、
及び (ハ) 多価アルコール中の総ヒドロキシル基と、
(イ) オキシ酸及び/又はその縮合物、及び (ロ) ヒド
ロキシル基を含まない多価カルボン酸及び/又はその酸
無水物中の総カルボキシル基との(OH/COOH)の
当量比が1.0〜1.5であることを特徴とする前記加水分
解型ポリエステル樹脂を製造する方法を提供する。以下
本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明で用いるオキシ酸は、分子中にヒド
ロキシル基とカルボキシル基を有する化合物であって、
具体的な例を挙げると、乳酸、グリコール酸、2−ヒド
ロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ
酪酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシ
−2−メチル酪酸、ヒドロアクリル酸、10−ヒドロキシ
ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノー
ル酸、モノヒドロキシアルキルフタル酸、リンゴ酸、ク
エン酸、グルコン酸、マンデル酸、2−ヒドロキ−2−
メチルプロピオン酸、3−ヒドロキシグルタル酸、サル
チル酸、ヒドロキシフタル酸、ヒドロキシフェニル酢酸
などであって、これらを単独で、又は二種以上の混合物
として使用できる。またこれらオキシ酸の自己縮合物も
オキシ酸と同様に使用することができる。なお、この縮
合物の重量平均分子量は、約 5,000以下とするのが好ま
しく、また、必要により、前記オキシ酸の二量体及び三
量体のような分子量の小さな縮合物も用いることができ
る。
【0007】本発明で用いるヒドロキシル基を含まない
多価カルボン酸又はその無水物は、通常、ポリエステル
の製造に用いられるものであれば適宜選択して使用する
ことができる。具体的な例として挙げることができるも
のには、蓚酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸などの直鎖多塩基酸;フタル
酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、トリ
メリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無
水ピロメリット酸などの芳香族多塩基酸;マレイン酸、
無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和
多塩基酸等がある。なお、必要に応じて安息香酸、p-t-
ブチル安息香酸、各種動植物油脂肪酸のような一塩基酸
を分子量調整剤として用いることもできる。本発明で用
いる多価アルコールは、ポリエステルの製造に通常用い
る多価アルコールから適宜選択して使用することができ
る。具体的な例を挙げると、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3 −ブタンジオール、1,6 −ヘキ
サンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、トリエチレングリコール等のグリコール類、
水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシ
プロピルエーテル、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールな
どがある。
【0008】本発明の防汚塗料組成物を構成する加水分
解型ポリエステル樹脂は、前述の (イ) オキシ酸及び/
又はその縮合物、 (ロ) ヒドロキシル基を含まない多価
カルボン酸及び/又はその酸無水物、及び (ハ) 多価ア
ルコールを不活性溶媒中で、触媒の存在もしくは不存在
下に脱水しつつ、約 180〜 230℃の温度下で、加熱反応
させることにより得ることができる。また、この加水分
解型ポリエステル樹脂の製法は、前記方法に限定される
ものではなく、例えば、ヒドロキシル基を含まない多価
カルボン酸と多価アルコールとを予め反応させ、プレポ
リマー化し、それとオキシ酸及び/又はその縮合物を反
応させる方法であってもよい。なお、この加水分解型ポ
リエステル樹脂を製造する際、 (イ) オキシ酸及び/又
はその縮合物、 (ロ) ヒドロキシル基を含まない多価カ
ルボン酸及び/又はその酸無水物、及び (ハ) 多価アル
コールの合計重量に対し、 (イ) オキシ酸及び/又はそ
の縮合物の割合を10〜90重量%、特に20〜70重量%とす
るのが好ましく、また (イ) オキシ酸及び/又はその縮
合物、及び (ハ) 多価アルコール中の総ヒドロキシル基
と、 (イ) オキシ酸及び/又はその縮合物、及び (ロ)
ヒドロキシル基を含まない多価カルボン酸及び/又はそ
の酸無水物中の総カルボキシル基との当量比が1.0〜1.
5、特に1.0〜1.3とするのが好ましい。なお、本発明
の加水分解型ポリエステル樹脂は、重量平均分子量(以
下Mwという)が約2,000 〜100,000、好ましくは 5,000
〜 50,000 とするのが適当である。
【0009】このようにして得られた加水分解型ポリエ
ステル樹脂は、ポリエステル主鎖中に、オキシ酸又はそ
の縮合物のエステル結合を含むので、弱酸性もしくは弱
アルカリ性環境下では、前記エステル結合部位で加水分
解を受け、水に可溶であるという特徴を有するのであ
る。得られた加水分解型ポリエステル樹脂に、溶媒とし
て、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートな
どのエステル系溶媒、ブチルアルコールなどのアルコー
ル系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエー
テル系溶媒等を用いて、所望の樹脂濃度に希釈し、防汚
塗料のビヒクル成分として使用する。
【0010】本発明の防汚塗料組成物は、前記加水分解
型ポリエステル樹脂をビヒクル成分とし、さらに必要に
応じて、公知の防汚剤、着色顔料、体質顔料、溶剤、可
塑剤ならびに発泡防止剤、沈降防止剤、レベリング剤な
どの各種添加剤などを配合することができる。本発明に
おいて必要に応じて使用する防汚剤は、特に制限する必
要はないが、例として挙げると、亜酸化銅、ロダン第一
銅、マンガニーズエチレンビスジチオカーバメート、ジ
ンクジメチルジチオカーバメート、2−メチルチオ−4
−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−
トリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロ
ニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、ジ
ンクエチレンビスジチオカーバメート、4,5−ジクロ
ロ−2−N−オクチル−3(2H)イソチアゾロン、N
−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、
N,N−ジメチル−N′−フェニル−(N−フルオロジ
クロロメチルチオ)スルファミド、テトラメチルチウラ
ムジサルファイド、2,4,6−トリクロロフェニルマ
レイミド、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩
などがあり、これらを単独で又は混合して使用すること
ができる。
【0011】また、本発明において必要に応じて使用す
る溶剤は、前述の加水分解型ポリエステル樹脂の溶媒と
同様のものである。また本発明において必要に応じて使
用する着色顔料、体質顔料可塑剤、各種添加剤等は、通
常の防汚塗料に使用されているものと同じものである。
本発明の防汚塗料組成物を調製する場合、加水分解型ポ
リエステル樹脂15〜50重量%、好ましくは20〜30重量
%、溶剤(溶媒)20〜70重量%、好ましくは30〜50重量
%、防汚剤0〜45重量%、好ましくは20〜40重量%を加
えて調製するのが適当である。
【0012】本発明の防汚塗料組成物は、加水分解型ポ
リエステル樹脂及びその他の成分を、ボールミル、ディ
スパーなどの通常の塗料製造装置で、一括又は分割混合
分散することにより、混合分散して調製する。このよう
に調製した本発明の防汚塗料組成物は、そのまま、また
は溶剤で粘度調整した後、エアレススプレー塗装、エア
スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、などにより、
船舶や海洋構造物等に、乾燥後に約30μ〜 300μの膜厚
になるように適用するのが好ましい。
【0013】
【発明の効果】本発明により、含金属樹脂をビヒクル成
分とする溶解マトリックス型防汚塗料とほぼ同等の長期
防汚性を有し、塗膜の加水分解速度のコントロールも可
能であり、かつ含金属樹脂を含んでいないので安全衛生
上及び環境保全上の問題も少ない画期的な防汚塗料が得
られた。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中「部」及び「%」は重量を基
準として示す。 <オキシ酸縮合物Aの調製>フラスコ中に乳酸を仕込
み、180 ℃で6時間加熱反応させ、Mw1,500 のオキシ酸
縮合物Aを調製した。 <オキシ酸縮合物Bの調製>フラスコ中に乳酸を仕込
み、 200℃で8時間加熱反応させ、Mw3,000 のオキシ酸
縮合物Bを調製した。 <オキシ酸縮合物Cの調製>フラスコ中に、リンゴ酸を
仕込み、 200℃で6時間加熱反応させ、Mw 2,000のオキ
シ酸縮合物Cを調製した。
【0015】<ポリエステル樹脂ワニス (I) の調製>
フラスコ中に、オキシ酸縮合物Aを 150部、エチレング
リコールを62部、無水フタル酸を 148部仕込み、 220℃
で8時間加熱反応させ、Mw 8,000のポリエステル樹脂を
製造し、次いでキシレン 360部を添加し、不揮発分50%
のポリエステル樹脂ワニス(I)を調製した。 <ポリエステル樹脂ワニス (II) の調製>フラスコ中
に、オキシ酸縮合物Aを75部、プロピレングリコールを
76部、無水フタル酸を 148部仕込み、 220℃で10時間加
熱反応させ、Mw 9,200のポリエステル樹脂を製造し、次
いでキシレン酸 300部を添加し、不発揮分(50%のポリ
エステル樹脂ワニス (II) を調製した。 <ポリエステル樹脂ワニス (III)の調製>フラスコ中
に、オキシ酸縮合物Aを 150部、トリメチロールプロパ
ンを 134部、アジピン酸を 146部仕込み、 220℃で8時
間加熱反応させ、Mw 17,000 のポリエステル樹脂を製造
し、次いでキシレン 430部を添加し、不揮発分50%のポ
リエステル樹脂ワニス (III)を調製した。
【0016】<ポリエステル樹脂ワニス (IV) の調製>
フラスコ中に、オキシ酸縮合物Bを 150部、ネオペンチ
ルグリコールを 104部無水コハク酸を 100部仕込み、 2
00℃で8時間加熱反応させ、Mw 12,000 のポリエステル
樹脂を製造し、次いでキシレン 355部を添加し、不揮発
分50%のポリエステル樹脂ワニス (IV) を調製した。 <ポリエステル樹脂ワニス (V)の調製>フラスコ中に
オキシ酸縮合物Bを 300部、エチレングリコールを62
部、アジピン酸を 146部仕込み、 200℃で8時間加熱反
応させ、Mw 20,000 のポリエステル樹脂を製造し、次い
でキシレン 510部を添加し、不揮発分50%のポリエステ
ル樹脂ワニス(V)を調製した。 <ポリエステル樹脂ワニス (VI) の調製>フラスコ中に
オキシ酸縮合物Cを 200部、エチレングリコールを62
部、無水フタル酸を 148部仕込み、 220℃で10時間加熱
反応させ、Mw 20,000 のポリエステル樹脂を製造し、次
いでキシレン 410部を添加し、不揮発分50%のポリエス
テル樹脂ワニス (VI) を調製した。 <ポリエステル樹脂ワニス (VII)の調製>フラスコ中に
オキシ酸縮合物Cを400 部、プロピレングリコールを76
部、無水コハク酸を 100部仕込み、 200℃で10時間加熱
反応させ、Mw 24,000 のポリエステル樹脂を製造し、次
いでキシレン 575部を添加し、不揮発分50%のポリエス
テル樹脂ワニス (VII)を調製した。
【0017】<ポリエステル樹脂ワニス(VIII)の調製>
フラスコ中に、乳酸を90部、エチレングリコールを62
部、アジピン酸を 146部仕込み、 180℃で10時間加熱反
応させ、Mw 17,000 のポリエステル樹脂を製造し、次い
でキシレン 298部を添加し、不揮発分50%のポリエステ
ル樹脂ワニス (VIII) を調製した。 <ポリエステル樹脂ワニス (IX) の調製>フラスコ中
に、乳酸を 180部、トリメチロールプロパンを 134部、
アジピン酸を 146部仕込み、 200℃で10時間加熱反応さ
せ、Mw 21,000 のポリエステル樹脂を製造し、次いでキ
シレン 460部を添加し、不揮発分50%のポリエステル樹
脂ワニス (IX) を調製した。
【0018】<ポリエステル樹脂ワニス(X)の調製>
フラスコ中に、グリコール酸を76部、エチレングリコー
ルを62部、無水フタル酸を 148部仕込み、 180℃で10時
間加熱反応させ、Mw 15,000 のポリエステル樹脂を製造
し、次いでキシレン 285部を添加し、不揮発分50%のポ
リエステル樹脂ワニス(X)を調製した。 <ポリエステル樹脂ワニス(XI)の調製>フラスコ中
に、2−ヒドロキシイソ酪酸を104 部、エチレングリコ
ールを 62部、アジピン酸を 146部仕込み、 200℃で10
時間加熱反応させ、Mw 25,000 のポリエステル樹脂を製
造し、次いでキシレン 312部を添加し、不揮発分50%の
ポリエステル樹脂ワニス(XI)を調製した。 <オキシ酸縮合物ワニス(XII) の調製>フラスコ中にリ
ンゴ酸を仕込み、 220℃で8時間加熱反応させ、Mw 6,0
00のオキシ酸縮合物を製造し、次いでキシレンを添加
し、不揮発分50%のオキシ酸縮合物ワニス(XII) を調製
した。
【0019】<オキシ酸縮合物ワニス(XIII)の調製>フ
ラスコ中に乳酸を仕込み、 220℃で15時間加熱反応せし
め、Mw 18,000 のオキシ酸縮合物を製造し、次いでキシ
レンを添加し、不揮発分50%のオキシ酸縮合物ワニス(X
III)を調製した。しかしながら、該ワニスは、キシレン
に溶解せず、塗料成分として不適であった。 <ポリエステル樹脂ワニス(XIV) の調製>フラスコ中に
無水フタル酸を148 部、アジピン酸を 148部、エチレン
グリコールを 124部仕込み、 200℃で6時間加熱反応せ
しめ、Mw 21,000 のポリエステル樹脂を製造し、次いで
キシレン 420部を添加し、不揮発分50%のポリエステル
樹脂ワニス(XIV) を調製した。 <ポリエステル樹脂−水不溶性樹脂混合ワニス(XV)の調
製>市販塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の50%キシ
レン溶液50部とポリエステル樹脂ワニス(I) 50部とを混
合し、ポリエステル樹脂−水不溶性樹脂混合ワニス(XV)
を調製した。
【0020】〔実施例1〜11及び比較例1〜6〕表1
に示した組成物を混練分散し、実施例1〜11及び比較例
1〜6の防汚塗料を製造した。これら各防汚塗料を、防
錆塗料を塗布した鋼板に乾燥膜厚 150μmになるようエ
アスプレー塗装し、乾燥させた。得られた試験板につい
て、防汚性試験及び膜厚減少測定試験を行なったとこ
ろ、それぞれ表2、及び表3に示す結果が得られた。な
お、試験は、次の方法に基づいて行なった。 <防汚性試験法>三重県鳥羽市鳥羽湾において、試験板
を海中に沈め、塗膜外観を観察した。 評価基準 5:試験板に付着物が認められない。 4:試験板に薄いスライムの付着が認められる。 3:試験板に厚いスライムの付着が認められる。 2:大型動植物の付着が少し認められる。 1:大型動植物の付着が多く認められる。 <膜厚減少測定試験法>試験板を周速15ノットのロータ
に取付け、海中で回転を行ない、3ヶ月毎に膜厚減少の
程度を測定した。なお、表3中の数値は、マイクロメー
ターにより測定した初期膜厚と3ヶ月毎に測定した膜厚
の差(単位:μm)である。
【0021】
【表1】 表 1 防汚塗料の組成 (単位:重量部) ────────────────────────────────── 実 施 例 組成 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 ────────────────────────────────── ワニスの種類 I II III IV V VI VII VIII IX X XI ワニスの含有量 45 45 45 45 45 45 45 45 45 45 45 塩素化パラ フィン 3 3 亜酸化銅 35 35 30 30 35 30 35 30 30 35 35 ジンクジメチル チオカーバメート 5 5 3 3 5 5 タルク 5 5 5 5 2 7 5 5 5 5 5 弁柄 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 キシレン 10 10 10 10 14 10 14 10 14 10 10 メチルイソブチ ルケトン 2 2 2 2 3 2 3 2 3 2 2 ──────────────────────────────────
【0022】
【表2】 表 2 防汚塗料の組成物 (単位:重量部) ───────────────────────────────── 比 較 例 組成物 1 2 3 4 5 6 ──────────────────────────────── ワニスの種類 XII XIII XIV XV − − ワニスの含有量 45 45 45 45 ロジン 15 塩化ビニル樹脂 20 有機錫メタクリレート 共重合体 注1) 45 塩素化パラフィン 3 3 5 亜酸化銅 35 30 35 35 35 35 ジンクジメチル チオカーバメート 5 5 3 5 タルク 2 5 2 5 5 2 弁柄 3 3 3 3 3 3 キシレン 8 8 11 10 12 15 メチルイソブチ ルケトン 1 1 1 1 ───────────────────────────────── 注1)トリブチル錫メタクリレート/メチルメタクリレート(65/35)共重合体
【0023】
【表3】 表 3 防汚性試験の結果 ─────────────────────────────────── 浸漬月数 3 6 9 12 18 24 30 36 防汚塗料 ─────────────────────────────────── 実施例1 5 5 5 5 5 5 5 5 2 5 5 5 5 5 5 5 5 3 5 5 5 5 5 5 5 4 4 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 4 4 6 5 5 5 5 5 5 4 4 7 5 5 5 5 5 5 4 4 8 5 5 5 5 5 5 4 4 9 5 5 5 5 5 5 4 4 10 5 5 5 5 5 5 4 4 11 5 5 5 5 5 5 4 4 ─────────────────────────────────── 比較例1 5 5 5 5 5 5 5 4 2 注2) ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ 3 3 2 1 1 1 1 1 1 4 5 5 5 5 4 4 2 1 5 5 5 5 5 5 5 5 5 6 4 4 3 2 1 1 1 1 ─────────────────────────────────── 注2) 塗料化できず、試験を実施できなかった。
【0024】
【表4】
【0025】表3及び表4の試験結果からも明らかなと
おり、本発明の実施例1〜11の塗料組成物は、従来から
安全衛生上問題が有るとされている比較例5の有機錫系
溶解マトリックス型防汚塗料とほぼ同等の防汚性を有し
ていた。また、実施例の塗料の組成が変化すると膜厚の
減少量も変わることからオキシ酸化合物の種類、その配
合量、その分子量等を変えることにより塗料の溶解性コ
ントロールが可能なことが判る。一方、分子量 6,000の
オキシ酸単独縮合物をビヒクル成分とした比較例1の塗
料は、溶解性が大きく、密着性不良であり、また分子量
18,000 のオキシ酸単独縮合物をビヒクル成分とした比
較例2は、塗料化できなかった。また、オキシ酸化合物
を使用しないで合成したポリエステル樹脂をビヒクル成
分とした比較例3の塗料は、防汚性が不良であった。ま
た、本発明で使用する加水分解型ポリエステル樹脂と海
水不溶性樹脂の混合物をビヒクル成分とする比較例4の
塗料及び従来の不溶解マトリックス型防汚塗料である比
較例6の塗料は、長期防汚性が不良であった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ) オキシ酸及び/又はその縮合物、
    (ロ) ヒドロキシル基を含まない多価カルボン酸及び/
    又はその酸無水物、及び (ハ) 多価アルコールを反応さ
    せて得られる加水分解型ポリエステル樹脂をビヒクル成
    分とすることを特徴とする防汚塗料組成物。
  2. 【請求項2】 (イ) オキシ酸及び/又はその縮合物、
    (ロ) ヒドロキシル基を含まない多価カルボン酸及び/
    又はその酸無水物、及び (ハ) 多価アルコールの合計重
    量に対し、 (イ) オキシ酸及び/又はその縮合物の割合
    が10〜90重量%であって、 (イ) オキシ酸及び/又はそ
    の縮合物、及び (ハ) 多価アルコール中の総ヒドロキシ
    ル基と、 (イ) オキシ酸及び/又はその縮合物、及び
    (ロ) ヒドロキシル基を含まない多価カルボン酸及び/
    又はその酸無水物中の総カルボキシル基との当量比が1.
    0〜1.5であることを特徴とする請求項1記載の加水分
    解型ポリエステル樹脂を製造する方法。
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