JP6750875B2 - 防汚塗料用ポリエステル樹脂、防汚塗料組成物、防汚塗膜、防汚基材及び防汚基材の製造方法 - Google Patents

防汚塗料用ポリエステル樹脂、防汚塗料組成物、防汚塗膜、防汚基材及び防汚基材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、防汚塗料用ポリエステル樹脂、防汚塗料組成物、防汚塗膜、防汚基材及び防汚基材の製造方法に関する。
船舶、水中構造物、漁網等の水中に長期間晒される基材の表面には、カキ、イガイ、フジツボ等の動物類、ノリ等の植物類、バクテリアなどの各種水棲生物が付着しやすい。これらの水棲生物が基材表面で繁殖すると、様々な不具合が生じる。例えば、基材が船舶である場合には、船舶の表面粗度が増加してしまい、速度の低下及び燃費の拡大を招く場合がある。基材が水中構造物である場合、基材表面に塗布された防食用塗膜が損傷して、強度及び機能の低下、寿命の著しい短縮化といった被害が生ずるおそれがある。基材が養殖網、定置網等の漁網である場合、水棲生物によって網目が閉塞されて、養殖生物及び漁獲生物の酸欠致死等の重大な問題を生じることがある。また、火力、原子力発電所等の海水の給排水管に水棲生物が付着及び繁殖すると、冷却水の給排水循環に支障を来すことがある。そのため、水棲生物の付着を防止するために基材表面に塗布して用いる各種防汚塗料組成物(以下、単に「防汚塗料」又は「塗料」ともいう)の研究及び開発が進められている。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、海水に対する耐水性及び溶解性を向上させた、特定のジカルボン酸成分と特定のグリコール成分を含む防汚塗料用加水分解型ポリエステル樹脂が開示されている。
また、近年、大気汚染防止法の改正及び環境問題の観点から、防汚塗料の分野では、長期耐用の防汚性能を有すること(以下、「長期防汚性」ともいう)及び塗り替え作業を減らすことに加えて、塗料中の揮発性有機化合物(以下、「VOC」ともいう。「VOC」はVolatile Organic Compoundsの略である。)含有量を低減させること(以下、「低VOC」ともいう)が求められている。
例えば、特許文献3には、低VOCと長期防汚性との両立のために、特定の酸価を有する防汚塗料用加水分解型ポリエステル及び該ポリエステルを含有する防汚塗料が開示されている。
特開2010−95585号公報 特許第5751692号公報 国際公開第2014/010702号
特許文献1及び特許文献2に開示されている防汚塗料は、塗装に適した粘度にするために多量の溶剤を使用する必要がある。そのため、実用化に供し得るには塗料中のVOC量が多くなり、環境に好ましい塗料とは言えなかった。
特許文献3に開示されている防汚塗料は、塗膜中の防汚剤の溶出とポリエステル樹脂の加水分解速度に差があるため、長期間の防汚性維持の点について改善の余地があった。また、喫水線(海水面に浮いている船体と水面との境界)付近では、塗膜にシワ、クラック等が生じるという課題があった。さらに、将来の環境面を考慮すると更なる低VOCの実現が望ましい。
本発明は、上記従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、更なる低VOCを実現し、長期に渡って良好な防汚性及び優れた塗膜物性を供給することが可能な防汚塗料用ポリエステル樹脂、該ポリエステル樹脂を用いた防汚塗料組成物、防汚塗膜、防汚基材及び防汚基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意検討を行い、特定のポリエステル樹脂を含む防汚塗料組成物は、低VOCを実現可能であり、防汚剤の海水中への溶出速度とポリエステル樹脂の加水分解速度を調整することができ、長期に渡って良好な防汚性を維持できること、及び該防汚塗料組成物から形成される塗膜は、硬度と柔軟性のバランスに優れ、耐クラック性等の塗膜物性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[16]を提供するものである。
[1]エーテル骨格を有する3価以上のアルコール(a)を含有するアルコール成分と、脂環式二塩基酸及びその無水物からなる群から選ばれる1種以上(b)を含有する酸成分との重縮合物であり、酸価が80〜300mgKOH/gである、防汚塗料用ポリエステル樹脂。
[2]エーテル骨格を有する3価以上のアルコール(a)が、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上である、上記[1]に記載の防汚塗料用ポリエステル樹脂。

(式中、Rは、各々独立に、メチル基又は水素原子を示し、j、k、m及びnは、各々独立に、0以上の整数を示し、j+k+m+nは、1〜30の整数である。)

(式中、Rは、各々独立に、メチル基又は水素原子を示し、o、p及びqは、各々独立に、0以上の整数を示し、o+p+qは、1〜25の整数である。)

(式中、Rは、各々独立に、メチル基又は水素原子を示し、r、s及びtは、各々独立に、0以上の整数を示し、r+s+tは、1〜25の整数である。)
[3]エーテル骨格を有する3価以上のアルコール(a)の水酸基価が、150〜1,300mgKOH/gである、上記[1]又は[2]に記載の防汚塗料用ポリエステル樹脂。
[4]脂環式二塩基酸及びその無水物からなる群から選ばれる1種以上(b)が、脂環式二塩基酸無水物である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の防汚塗料用ポリエステル樹脂。
[5]前記脂環式二塩基酸無水物が、ヘキサヒドロフタル酸無水物である、上記[4]に記載の防汚塗料用ポリエステル樹脂。
[6](A)上記[1]〜[5]のいずれかに記載の防汚塗料用ポリエステル樹脂を含有する、防汚塗料組成物。
[7]さらに、(B)多価金属化合物を含有する、上記[6]に記載の防汚塗料組成物。
[8](B)多価金属化合物が、2価金属又は3価金属の、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物及び炭酸塩からなる群から選ばれる1種以上である、上記[7]に記載の防汚塗料組成物。
[9](B)多価金属化合物が、酸化亜鉛である、上記[7]又は[8]に記載の防汚塗料組成物。
[10](B)多価金属化合物の含有量が、前記(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、10〜500質量部である、上記[7]〜[9]のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
[11]さらに、(C)ロジン類及びモノカルボン酸化合物からなる群から選ばれる1種以上を含有する、上記[6]〜[10]のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
[12]さらに、(D)防汚剤を含有する、上記[6]〜[11]のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
[13]さらに、(L)揮発性有機化合物を含有し、該(L)揮発性有機化合物の含有量が、防汚塗料組成物の容積を基準として、400g/L以下である、上記[6]〜[12]のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
[14]上記[6]〜[13]のいずれかに記載の防汚塗料組成物を硬化させてなる防汚塗膜。
[15]基材と上記[14]に記載の防汚塗膜とを含有する、防汚基材。
[16]上記[6]〜[13]のいずれかに記載の防汚塗料組成物を、基材に塗布又は含浸した後、硬化させる、防汚基材の製造方法。
本発明によれば、更なる低VOC化を実現し、長期に渡って良好な防汚性及び優れた塗膜物性を供給することが可能な防汚塗料用ポリエステル樹脂、該ポリエステル樹脂を用いた防汚塗料組成物、防汚塗膜、防汚基材及び防汚基材の製造方法を提供することができる。
防汚塗膜の耐ダメージ性試験の評価基準を示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[防汚塗料用ポリエステル樹脂]
本実施形態の防汚塗料用ポリエステル樹脂(以下、「(A)ポリエステル樹脂」又は「(A)成分」ともいう)は、エーテル骨格を有する3価以上のアルコール(a)を含有するアルコール成分と、脂環式二塩基酸及びその無水物からなる群から選ばれる1種以上(b)を含有する酸成分との重縮合物であり、酸価が80〜300mgKOH/gである、防汚塗料用ポリエステル樹脂である。
本実施形態の(A)ポリエステル樹脂によって、更なる低VOC化を実現し、長期に渡って良好な防汚性及び優れた塗膜物性が得られる理由については定かではないが以下のように考えられる。
本実施形態の(A)ポリエステル樹脂は、原料成分として、エーテル骨格を有する3価以上のアルコール(a)を含有するアルコール成分を使用するため、柔軟になり樹脂粘度を低減することができると考えられる。樹脂粘度の低減により、塗料の粘度調整に必要なVOC量を低減することが可能になり、低VOCを実現することができる。
また、(A)ポリエステル樹脂がエーテル骨格を有すること、及び(A)ポリエステル樹脂の酸価を特定の範囲に調整することにより、該ポリエステル樹脂を含有する塗料から形成される塗膜は、硬度と柔軟性のバランスに優れたものになるため、シワ、クラック等の発生を抑制でき、塗膜外観に優れたものとなると考えられる。
さらに、(A)ポリエステル樹脂は、エーテル骨格を有することにより、親水度が上がり、加水分解性にも優れるため、長期防汚性にも優れると考えられる。
また、(A)ポリエステル樹脂は、併用する樹脂との相溶性にも優れるため、粘度上昇、沈殿物、粗粒子発生等の貯蔵安定性の問題も生じることがなく、防汚塗料に適している。
なお、本明細書において、単に「塗料」と称する場合は、本実施形態の(A)ポリエステル樹脂を含有する塗料を意味し、単に「塗膜」と称する場合は、本実施形態の(A)ポリエステル樹脂を含有する塗料から形成される塗膜を意味するものとする。
<アルコール成分>
アルコール成分は、エーテル骨格を有する3価以上のアルコール(a)(以下、「(a)成分」ともいう)を含有する。
(a)成分の価数(すなわち、1分子中に含まれるアルコール性水酸基の数)は、得られる(A)ポリエステル樹脂の粘度及び入手容易性の観点から、3〜6価が好ましく、3〜5価がより好ましく、3価又は4価がさらに好ましい。
(a)成分としては、1分子中に3個以上のヒドロキシ基を有するアルコールに、アルキレンオキサイドを付加させたポリエーテルポリオールが好ましい。
1分子中に3個以上のヒドロキシ基を有するアルコールの炭素数は、3〜10が好ましく、3〜8がより好ましく、3〜6がさらに好ましい。
また、1分子中に3個以上のヒドロキシ基を有するアルコールに含まれるヒドロキシ基の数は、3〜6が好ましく、3〜5がより好ましく、3又は4がさらに好ましい。
1分子中に3個以上のヒドロキシ基を有するアルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
アルコールに付加させるアルキレンオキサイドとしては、ポリアルキレンオキサイドが好ましい。ポリアルキレンオキサイドを構成するアルキレンオキサイド構成単位の炭素数は、1〜5が好ましく、2〜4がより好ましく、2又は3がさらに好ましい。
ポリアルキレンオキサイドの具体例としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。
(a)成分は、(A)ポリエステル樹脂の粘度及び塗膜物性の観点から、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。

(式中、Rは、各々独立に、メチル基又は水素原子を示し、j、k、m及びnは、各々独立に、0以上の整数を示し、j+k+m+nは、1〜30の整数である。)

(式中、Rは、各々独立に、メチル基又は水素原子を示し、o、p及びqは、各々独立に、0以上の整数を示し、o+p+qは、1〜25の整数である。)

(式中、Rは、各々独立に、メチル基又は水素原子を示し、r、s及びtは、各々独立に、0以上の整数を示し、r+s+tは、1〜25の整数である。)
前記一般式(1)中、j+k+m+nは、1〜30の整数であり、(A)ポリエステル樹脂の粘度及び塗膜物性の観点から、2〜15の整数が好ましく、3〜10の整数がより好ましい。
前記一般式(2)中、o+p+qは、1〜25の整数であり、(A)ポリエステル樹脂の粘度及び塗膜物性の観点から、2〜12の整数が好ましく、3〜10の整数がより好ましい。
前記一般式(3)中、r+s+tは、1〜25の整数であり、(A)ポリエステル樹脂の粘度及び塗膜物性の観点から、2〜12の整数が好ましく、3〜10の整数がより好ましい。
(a)成分の具体例としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテル、ペンタエリスリトールポリオキシプロピレンエーテル、トリメチロールプロパンポリオキシエチレンエーテル、トリメチロールプロパンポリオキシプロピレンエーテル、トリメチロールプロパンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレングリセリルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、原料価格の観点、並びに塗膜の長期防汚性及び塗膜物性の観点から、トリメチロールプロパンポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテルが好ましく、前記一般式(1)で表されるペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテル、前記一般式(2)で表されるトリメチロールプロパンポリオキシエチレンエーテル、前記一般式(3)で表されるポリオキシプロピレングリセリルエーテルがより好ましい。
(a)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(a)成分の水酸基価は、150〜1,300mgKOH/gが好ましく、250〜1,000mgKOH/gがより好ましく、350〜750mgKOH/gがさらに好ましい。水酸基価を150mgKOH/g以上とすることで、塗料の粘度を下げることができ、1,300mgKOH/g以下とすることで、塗料が高粘度になることを防ぐことができると共に、塗膜の加水分解性を向上させることができる。
(a)成分の水酸基価は、実施例に記載の方法により測定することができる。
アルコール成分中における(a)成分の含有量は、塗膜の長期防汚性及び塗膜物性の観点から、10〜100質量%が好ましく、15〜80質量%がより好ましく、20〜70質量%がさらに好ましい。
アルコール成分は、(a)成分以外のアルコール成分(以下、「その他のアルコール成分」ともいう)を含有していてもよい。
その他のアルコール成分としては、エーテル骨格を有しない3価以上のアルコール、2価のアルコール等が挙げられる。
その他のアルコール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記その他のアルコール成分であるエーテル骨格を有しない3価以上のアルコールの価数は、3〜6価が好ましく、3〜5価がより好ましく、3価又は4価がさらに好ましい。また、エーテル骨格を有しない3価以上のアルコールの炭素数は、3〜15が好ましく、3〜10がより好ましく、3〜5がさらに好ましい。
エーテル骨格を有しない3価以上のアルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。これらの中でも、原料価格の観点、並びに得られる塗膜の長期防汚性及び塗膜物性の観点から、グリセリン、トリメチロールプロパンが好ましく、グリセリンがより好ましい。
アルコール成分がエーテル骨格を有しない3価以上のアルコールを含有する場合、その含有量は、得られる塗膜の長期防汚性及び塗膜物性の観点から、50質量%以下が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
前記その他のアルコール成分である2価のアルコールとは、1分子中に2個のヒドロキシ基を有するアルコールであり、その炭素数は、2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜8がさらに好ましい。2価のアルコールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等が挙げられる。これらの中でも、得られるポリステル樹脂の溶解性の観点からは、分岐状アルキレングリコールが好ましく、原料の入手容易性等を考慮すると、1,2−プロピレングリコールがより好ましい。
アルコール成分が2価のアルコールを含有する場合、その含有量は、ポリステルの溶解性の観点、並びに塗膜の長期防汚性及び塗膜物性の観点から、70質量%以下が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%がさらに好ましい。
<酸成分>
酸成分は、(b)脂環式二塩基酸及びその無水物からなる群から選ばれる1種以上(以下、「(b)成分」ともいう)を含有する。
酸成分が(b)成分を含有することにより、得られる(A)ポリエステル樹脂は、塗料にした場合の硬化性に優れ、顔料分散用として用いられるロジン類等との相溶性に優れたものとなる。
(b)成分の炭素数は、5〜24が好ましく、5〜12がより好ましく、5〜8がさらに好ましい。
(b)成分の具体例としては、シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、これらの酸無水物などが挙げられる。これらの中でも、合成の容易さの観点、並びに塗膜の長期防汚性及び塗膜物性の観点から、シクロヘキサンジカルボン酸及びその無水物が好ましく、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及びその無水物がより好ましく、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物がさらに好ましい。
(b)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸成分中における(b)成分の含有量は、塗料にした場合の硬化性及び相溶性、並びに塗膜の長期防汚性及び塗膜物性の観点から、10〜100質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜70質量%がさらに好ましい。
酸成分は、(b)成分以外の二塩基酸、これらの無水物及び誘導体等(以下、「その他の酸成分」ともいう)を含有していてもよい。
その他の酸成分としては、脂肪族二塩基酸、芳香族二塩基酸、これらの無水物及び誘導体等が挙げられる。
脂肪族二塩基酸及びその無水物の具体例としては、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナメチレンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,11−ウンデカメチレンジカルボン酸、1,12−ドデカメチレンジカルボン酸、これらの無水物等が挙げられる。
芳香族二塩基酸及びその無水物の具体例としては、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、フェナンスレンジカルボン酸、これらの無水物等が挙げられる。
これらの中でも、塗膜の硬化性の観点から、芳香族二塩基酸及びこれらの無水物が好ましく、無水フタル酸がより好ましい。
その他の酸成分として挙げられる脂肪族二塩基酸、芳香族二塩基酸等の誘導体としては、例えば、カルボン酸ジメチルエステル等のカルボン酸をアルキルエステル化したもの、ナトリウム−5−スルホイソフタル酸等のスルホン酸ナトリウム変性したもの等が挙げられる。
その他の酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸成分がその他の酸成分を含有する場合、その含有量は、塗膜の硬化性、長期防汚性及び塗膜物性の観点から、90質量%以下が好ましく、20〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%がさらに好ましい。
(A)ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、400〜10,000が好ましく、500〜8,000がより好ましく、600〜4,000がさらに好ましく、700〜3,000が特に好ましい。重量平均分子量を400以上とすることで、塗膜の長期防汚性及び塗膜物性とのバランスが優れる傾向にあり、10,000以下とすることで、(A)ポリエステル樹脂の粘度が高くなりすぎることを抑制し、塗料とした場合の希釈溶媒量を低減し、例えば、VOC値を400g/L以下に設定しても実用性のある粘度を有する塗料が得られる。
(A)ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(A)ポリエステル樹脂の数平均分子量は、400〜8,000が好ましく、500〜5,000がより好ましく、600〜3,000がさらに好ましく、700〜2,000が特に好ましい。数平均分子量を400以上とすることで、塗膜の長期防汚性及び塗膜物性とのバランスが優れる傾向にあり、8,000以下とすることで、(A)ポリエステル樹脂の粘度が高くなりすぎることを抑制し、塗料とした場合の希釈溶媒量を低減し、例えば、VOC値を400g/L以下に設定しても実用性のある粘度を有する塗料が得られる。
(A)ポリエステル樹脂の数平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(A)ポリエステル樹脂の酸価は、80〜300mgKOH/gであり、100〜250mgKOH/gが好ましく、150〜200mgKOH/gがより好ましい。酸価を80mgKOH/g以上とすることで、塗料とした場合に後述する多価金属化合物との反応が進みやすく乾燥性に優れ、300mgKOH/g以下とすることで、多価金属化合物との反応が過剰に進行して塗料が高粘度になることを防ぎ、経日での増粘を防止できる。
(A)ポリエステル樹脂の酸価は、水酸化カリウム(KOH)による滴定により測定でき、より具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
(A)ポリエステル樹脂の水酸基価は、100mgKOH/g以下が好ましく、50mgKOH/g以下がより好ましく、20mgKOH/g以下がさらに好ましく、10mgKOH/g以下が特に好ましい。水酸基価を100mgKOH/g以下とすることで、塗料としたときに、ロジン、石油樹脂等の樹脂との相溶性が得られやすくなり、外観及び耐水性に優れる塗膜が得られる。(A)ポリエステル樹脂の水酸基価の下限は、特に制限はないが、0mgKOH/g以上であってもよく、2mgKOH/g以上であってもよい。
なお、低粘度化を目的として(A)ポリエステル樹脂を低分子量化すると水酸基価が増加する傾向にあるが、その場合は、安息香酸等のモノカルボン酸等を使用し、水酸基と反応させることにより水酸基価を調整してもよい。
(A)ポリエステル樹脂の水酸基価は、実施例に記載の方法により測定することができる。
<(A)ポリエステル樹脂の製造方法>
(A)ポリエステル樹脂は、前記アルコール成分と、酸成分とを重縮合することにより、製造することができる。
重縮合反応の温度は、反応性の観点から、100〜230℃が好ましく、120〜210℃がより好ましく、130〜200℃がさらに好ましい。
重縮合反応には、必要に応じて、テトラブチルチタネート等のエステル化触媒を使用してもよい。
重縮合反応におけるアルコール成分と酸成分の当量比〔COOH/OH〕は、反応性の観点、及び得られる(A)ポリエステル樹脂の酸価を所望の範囲に調整する観点から、1.1〜10が好ましく、1.2〜6がより好ましく、1.3〜2がさらに好ましい。
[防汚塗料組成物]
本実施形態の防汚塗料組成物は、本実施形態の(A)ポリエステル樹脂を含有するものである。
本実施形態の防汚塗料組成物は、(A)ポリエステル樹脂を含有するため、低VOCを実現することができ、長期防汚性能に優れ、また柔軟性等の物性に優れた塗膜を得ることができる。すなわち、本実施形態の防汚塗料組成物は、環境への負荷及び人体への影響を小さく抑えつつ、低VOCでありながら各種性能のバランスに優れた低VOCハイソリッド型加水分解型防汚塗料組成物である。
本実施形態の防汚塗料組成物は、(A)ポリエステル樹脂以外に、必要に応じて、(B)多価金属化合物、(C)ロジン類及びモノカルボン酸化合物からなる群から選ばれる1種以上、(D)防汚剤、(E)可塑剤、(F)体質顔料、(G)顔料分散剤、(H)着色顔料、(I)脱水剤、(J)タレ止め剤、(K)沈降防止剤及び(L)揮発性有機化合物からなる群から選ばれる1種以上の成分をさらに含有していてもよい。
以下、各成分について説明する。
<(A)ポリエステル樹脂>
(A)ポリエステル樹脂の好適な態様は前述のとおりである。
(A)ポリエステル樹脂は、溶剤に溶解させて、溶液(以下、「(A)ポリエステル樹脂溶液」ともいう)として用いてもよい。溶剤としては、例えば、後述する(L)揮発性有機化合物として例示される溶剤を用いることができる。なお、(A)ポリエステル樹脂溶液は、(A)ポリエステル樹脂の未反応の原料を含有していてもよい。
(A)ポリエステル樹脂溶液の25℃における粘度は、2,000mPa・s以下が好ましく、1,500mPa・s以下がより好ましく、1,000mPa・s以下がさらに好ましい。粘度を2,000mPa・s以下とすることで、低いVOC含有量(例えば、400g/L以下)においても、塗布が可能な塗料を調製しやすくなる。(A)ポリエステル樹脂溶液の粘度は低VOCの観点から低いほど好ましいが、塗膜物性等とのバランスの観点から、50mPa・s以上であってもよく、100mPa・s以上であってもよい。
(A)ポリエステル樹脂溶液の粘度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の防汚塗料組成物は、防汚性能及び塗膜物性の調整を目的として、(A)ポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂を含有してもよい。
(A)ポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂としては、例えば、エーテル骨格を有さないポリエステル樹脂(以下、「その他のポリエステル樹脂」ともいう)が挙げられる。(A)ポリエステル樹脂と、その他のポリエステル樹脂とを併用することにより、優れた長期防汚性及び塗膜物性が得られると共に、塗膜の消耗度(消耗性)を調整することができる。具体的には、その他のポリエステル樹脂の配合率(含有量)を高くすると消耗度は減少する傾向にある。また、その他のポリエステル樹脂を単独で使用すると、クラックが発生する等の物性面の問題が生じる可能性が懸念されるが、(A)ポリエステル樹脂を併用することにより、クラックの発生を抑制することができる。
その他のポリエステル樹脂としては、前記その他のアルコール成分として挙げられた、エーテル骨格を有しない3価以上のアルコール及び2価のアルコールと、脂環式二塩基酸及びその無水物からなる群から選ばれる1種以上(b)を含有する酸成分との重縮合物が好ましい。
その他のアルコール成分である3価以上のアルコール及び2価のアルコールの好適な種類は、(A)ポリエステル樹脂で説明したとおりである。
その他のポリエステル樹脂の原料であるアルコール成分が、エーテル骨格を有しない3価以上のアルコールを含有する場合、その含有量は、得られる塗膜の長期防汚性及び塗膜物性の観点から、アルコール成分中、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、20〜30質量%がさらに好ましい。
その他のポリエステル樹脂の原料であるアルコール成分が、2価のアルコールを含有する場合、その含有量は、ポリステルの溶解性の観点、並びに塗膜の長期防汚性及び塗膜物性の観点から、アルコール成分中、50〜95質量%が好ましく、60〜90質量%がより好ましく、70〜80質量%がさらに好ましい。
その他のポリエステル樹脂の原料である(b)成分の好適な種類及びその含有量は、(A)ポリエステル樹脂で説明したとおりである。
その他のポリエステル樹脂の酸価、水酸基価、粘度、数平均分子量、重量平均分子量の好適な態様は、(A)ポリエステル樹脂と同様である。
<(B)多価金属化合物>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(B)多価金属化合物をさらに含有することができる。
(B)多価金属化合物は、(A)ポリエステル樹脂のカルボキシ基と反応することにより機能する。すなわち、(A)ポリエステル樹脂と(B)多価金属化合物との反応により、(A)ポリエステル樹脂のカルボキシ基から水素イオンが脱離した残基である−COO基、及び(B)多価金属化合物の金属イオンであるMx+(xは金属元素Mの価数である。)による金属塩架橋構造(例えば、−COO・・M2+・・OOC−)が形成され得る。
これにより、本実施形態の防汚塗料組成物から得られる塗膜は、特に耐ダメージ性に優れると共に、当該金属塩架橋構造は加水分解しやすいものであり、安定した加水分解反応を呈することができる。本実施形態の(A)ポリエステル樹脂は(B)多価金属化合物との反応性に優れるため、安定した金属塩を早期に形成することができる。
(B)多価金属化合物を構成する多価金属としては、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウム、アルミニウム、コバルト、鉄、チタン等が挙げられる。これらの中でも、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウム、アルミニウム、コバルトが好ましく、亜鉛がより好ましい。
(B)多価金属化合物としては、上記多価金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、サリチル酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。これらの中でも、酸化物、水酸化物、炭酸塩が好ましく、酸化物、水酸化物がより好ましい。
(B)多価金属化合物としては、亜鉛、銅、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種の多価金属の酸化物が好ましく、反応性が高い点から、酸化亜鉛がより好ましい。
酸化亜鉛の粒径は特に限定されず、目的に応じて様々な粒径のものを用いることができる。例えば、微粒子酸化亜鉛を用いると、粒径の大きな酸化亜鉛を用いる場合よりも、(A)ポリエステル樹脂のカルボキシ基と酸化亜鉛との反応が促進され、短時間で塗膜硬度が向上し、塗膜の耐ダメージ性が早期に発現する傾向にある。
本実施形態の防汚塗料組成物において、(B)多価金属化合物の含有量は、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、10〜700質量部が好ましく、30〜500質量部がより好ましく、50〜300質量部がさらに好ましい。(B)多価金属化合物の含有量を10質量部以上とすることで、硬化性及び塗膜強度が良好となる傾向にあり、700質量部以下とすることで、耐クラック性等の塗膜物性が良好となる傾向にある。
<(C)ロジン類及びモノカルボン酸化合物からなる群から選ばれる1種以上>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(C)ロジン類及びモノカルボン酸化合物からなる群から選ばれる1種以上(以下、「(C)成分」ともいう)をさらに含有することができる。
ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のロジン;水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン、アルデヒド変性ロジン、ロジン金属塩、ロジンアミン等のロジン誘導体などが挙げられる。なお、ロジンはマツ科の植物の樹液である松脂を蒸留した後に残る残留物であり、ロジン酸(アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸等)を主成分とする天然樹脂である。
モノカルボン酸化合物(但し、ロジン類を除く)としては、脂肪族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、これらの誘導体及び金属塩等が挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸としては、バーサチック酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
脂環式モノカルボン酸としては、ナフテン酸、シクロアルケニルカルボン酸、ビシクロアルケニルカルボン酸、トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸等が挙げられる。芳香族モノカルボン酸としては、サリチル酸等が挙げられる。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防汚塗料組成物において、(C)成分の含有量は、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.5〜300質量部が好ましく、10〜200質量部がより好ましく、50〜100質量部がさらに好ましい。(C)成分の含有量を0.5質量部以上とすることで、塗料粘度の上昇を抑制できる傾向にあり、300質量部以下とすることで、得られる塗膜のクラックの発生を抑制し、塗膜物性が向上する傾向にある。
<(D)防汚剤>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(D)防汚剤をさらに含有することができる。
(D)防汚剤としては、無機系防汚剤、有機系防汚剤等が挙げられる。無機系防汚剤としては、亜酸化銅等が挙げられる。有機系防汚剤としては、銅ピリチオン(カッパーオマジン)、ジンクピリチオン(ジンクオマジン)等の金属ピリチオン類、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、4−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−3−カルボニトリル(エコネア)、Selektope(メデトミジン)、N,N’−ジメチル−N’−トリル−(N−フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド、ピリジン−トリフェニルボラン等が挙げられる。
これらの中でも、広範囲な生物に対する防汚性の観点、及び安定した防汚性能を有し、多様な海域での防汚性が発現される観点から、亜酸化銅が好ましい。(D)防汚剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防汚塗料組成物において、(D)防汚剤の含有量は、塗膜の防汚性及び塗膜物性の観点から、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、100〜800質量部がより好ましい。
また、(D)防汚剤として亜酸化銅を用いる場合、本実施形態の防汚塗料組成物において、亜酸化銅の含有量は、同様の観点から、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、50〜1,000質量部が好ましく、100〜800質量部がより好ましい。
<(E)可塑剤>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(E)可塑剤をさらに含有することができる。
防汚塗料組成物が(E)可塑剤を含有することにより、塗膜の耐クラック性が向上し、塗膜物性が良好となる傾向にある。
(E)可塑剤としては、塩化パラフィン、石油樹脂類、ケトン樹脂、TCP(トリクレジルフォスフェート)、ポリビニルエチルエーテル、ジアルキルフタレート等が挙げられる。これらの中でも、塗膜物性の観点から、TCP(トリクレジルフォスフェート)が好ましい。
(E)可塑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防汚塗料組成物において、(E)可塑剤の含有量は、塗膜物性の観点から、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.1〜300質量部が好ましく、5〜200質量部がより好ましく、30〜100質量部がさらに好ましい。
<(F)体質顔料>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(F)体質顔料をさらに含有することができる。
(F)体質顔料は、屈折率が小さく、油、ワニス等と混練した場合に透明で被塗面を隠さない顔料であり、本実施形態の防汚塗料組成物が(F)体質顔料を含有していると、耐クラック性等の塗膜物性向上の点で好ましい。
(F)体質顔料(但し、(B)多価金属化合物を除く。)としては、タルク、シリカ、マイカ、クレー、カリ長石、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナホワイト、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム等が挙げられる。これらの中でも、タルク、シリカ、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、カリ長石、カオリン、硫酸バリウムが好ましく、タルクがより好ましい。(F)体質顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防汚塗料組成物において、(F)体質顔料の含有量は、塗膜物性の観点から、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.1〜500質量部が好ましく、10〜300質量部がより好ましく、50〜200質量部がさらに好ましい。
<(G)顔料分散剤>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(G)顔料分散剤をさらに含有することができる。
(G)顔料分散剤としては、従来公知の有機系顔料分散剤、無機系顔料分散剤等を用いることができる。有機系顔料分散剤としては、脂肪族アミン、有機酸類等が挙げられる。(G)顔料分散剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、ライオン株式会社製の「デュオミンTDO」、BYK CHEMIE社製の「Disperbyk−101」(以下、「BYK−101」ともいう)等が挙げられる。(G)顔料分散剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防汚塗料組成物において、(G)顔料分散剤の含有量は、顔料分散性及び塗膜物性の観点から、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜100質量部が好ましく、0.1〜50質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。
<(H)着色顔料>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(H)着色顔料をさらに含有することができる。
本実施形態の防汚塗料組成物が(H)着色顔料を含有していると、該組成物から得られる防汚塗膜の色相を任意に調節できる点で好ましい。
(H)着色顔料としては、従来公知の有機系顔料、無機系顔料等の各種顔料を用いることができる。有機系顔料としては、ナフトールレッド、フタロシアニンブルー等が挙げられる。無機系顔料としては、カーボンブラック、ベンガラ(弁柄)、バライト粉、チタン白、黄色酸化鉄等が挙げられる。また、染色等の各種着色剤を含有していてもよい。(H)着色顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防汚塗料組成物において、(H)着色顔料の含有量は、色相の調整及び塗膜物性の観点から、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜100質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましく、10〜40質量部がさらに好ましい。
<(I)脱水剤>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(I)脱水剤をさらに含有することができる。
(I)脱水剤としては、従来公知の石膏、エチルシリケート等が挙げられる。
(I)脱水剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、石膏の市販品である株式会社ノリタケカンパニーリミテド製の「Calcined Plaster FT−2」等、エチルシリケートの市販品であるコルコート株式会社製の「エチルシリケート28」等が挙げられる。(I)脱水剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防汚塗料組成物において、(I)脱水剤の含有量は、塗膜物性の観点から、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜100質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましく、3〜10質量部がさらに好ましい。
<(J)タレ止め剤(流れ止め剤)>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(J)タレ止め剤をさらに含有することができる。
本実施形態の防汚塗料組成物が(J)タレ止め剤を含有していると、塗装時のタレ止め性等を調整することができる点で好ましい。
(J)タレ止め剤としては、アマイドワックス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワックス、合成微粉シリカ等が挙げられる。これらの中でも、ポリアマイドワックス、合成微粉シリカが好ましい。
(J)タレ止め剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、脂肪酸アマノイド系ワックスである楠本化成株式会社製の「ディスパロン(Disparlon)(登録商標)A630−20X」、伊藤精油株式会社製の「ASAT−250F」等が挙げられる。(J)タレ止め剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防汚塗料組成物において、(J)タレ止め剤の含有量は、タレ止め性及び塗膜物性の観点から、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.1〜100質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましく、5〜20質量部がさらに好ましい。
<(K)沈降防止剤>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(K)沈降防止剤をさらに含有することができる。
本実施形態の防汚塗料組成物が(K)沈降防止剤を含有していると、溶剤不溶物の貯蔵期間中の沈殿を防止でき、撹拌性を向上させることができる点で好ましい。
(K)沈降防止剤としては、有機粘土系Al、Ca、Znのアミン塩、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン系ワックス等が挙げられる。これらの中でも、酸化ポリエチレン系ワックスが好ましい。
(K)沈降防止剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、楠本化成株式会社製の「ディスパロン(Disparlon)(登録商標)4200−20X」等が挙げられる。(K)沈降防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防汚塗料組成物において、(K)沈降防止剤の含有量は、沈降防止性及び塗膜物性の観点から、(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.1〜100質量部が好ましく、0.1〜50質量部がより好ましい。
<(L)揮発性有機化合物>
本実施形態の防汚塗料組成物は、(L)揮発性有機化合物をさらに含有することができる。
(L)揮発性有機化合物としては、従来公知の溶剤が使用でき、具体的には、ターペン等の脂肪族系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;イソプロピルアルコール、n一ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル系溶剤又はエーテルエステル系溶剤などが挙げられる。これらの中でも、キシレン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
(L)揮発性有機化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防汚塗料組成物における(L)揮発性有機化合物(VOC)の含有量は、防汚塗料組成物の容積を基準として、400g/L以下が好ましく、100〜370g/Lがより好ましく、250〜350g/Lがさらに好ましい。VOC含有量を400g/L以下とすることで、環境への負荷及び人体への影響を少なくすることができる。
なお、このVOCの含有量は、実施例で説明する条件で測定した値である。
本実施形態の防汚塗料組成物の粘度は、スプレー作業性、タレ止め性等の塗装作業性の観点から、5〜20dPa・sが好ましく、8〜20dPa・sがより好ましく、10〜20dPa・sがさらに好ましい。
防汚塗料組成物の粘度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の防汚塗料組成物は、予め調製した上記各成分を、撹拌、混合等することにより製造することができる。撹拌及び混合の際には、ハイスピードディスパー、サンドグラインドミル、バスケットミル、ボールミル、三本ロール、ロスミキサー、プラネタリーミキサー、万能品川撹拌機等の従来公知の混合装置及び撹拌装置を使用することができる。
[防汚塗膜、防汚基材及びその製造方法]
本実施形態の防汚塗膜は、本実施形態の防汚塗料組成物を硬化させてなるものである。
また、本実施形態の防汚基材は、基材と本実施形態の防汚塗膜とを含有するものである。
本実施形態の防汚塗膜及び防汚基材は、本実施形態の防汚塗料組成物から形成されるため、環境汚染のおそれが少なく、防汚剤成分が長期間に亘って徐放可能であり、長期防汚性に優れる。また、硬度と柔軟性のバランスに優れたものとなり、厚塗りしても適度の可撓性を有し、シワ、クラック、剥離等の発生を抑制でき、機械的強度及び塗膜外観に優れる。
本実施形態の防汚基材は、例えば、上述の本実施形態の防汚塗料組成物を、基材に塗布又は含浸した後、硬化させることにより製造することができる。基材への塗布又は含浸は、従来公知の方法で行えばよい。塗布及び含浸は、1回で行ってもよく、複数回に分けて行ってもよい。
防汚塗料組成物を塗布又は含浸する基材としては、火力発電所又は原子力発電所の給排水口等の水中構造物;湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河、水路等の各種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜;船舶、漁業資材(例:ロープ、漁網、漁具、浮き子、ブイ)等の各種成形体が挙げられる。これらの中でも、水中構造物、船舶、漁業資材が好ましい。
本実施形態の防汚塗料組成物を前記各種成形体の表面に塗布硬化してなる防汚塗膜は、アオサ、フジツボ、アオノリ、セルプラ、カキ、フサコケムシ等の水棲生物の付着を長期間継続的に防止できる等の防汚性に優れている。特に、船舶等の素材が、FRP(「FRP」はFiber-Reinforced Plasticsの略である。)、鋼鉄、木、アルミニウム合金等である場合にもこれらの素材表面に良好に付着する。また、漁網に塗布すれば、漁網の網目の閉塞を防止でき、しかも環境汚染の恐れが少ない。また、本実施形態の防汚塗料組成物を水中構造物の表面に塗布することにより、海中生物の付着防止を図ることができ、該構造物の機能を長期間維持することができる。
本実施形態の防汚塗料組成物の基材への塗布又は含浸の具体的な態様は、基材の種類及び目的に応じて、適宜調整すればよい。
例えば、本実施形態の防汚塗料組成物は、直接漁網に塗布してもよく、また予め防錆剤、プライマー等の下地材が塗布された船舶又は水中構造物等の表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の防汚塗料又は本実施形態の防汚塗料組成物による塗装が行われている船舶、特にFRP船又は水中構造物等の表面に、補修用として本実施形態の防汚塗料組成物を上塗りしてもよい。このようにして船舶、水中構造物等の表面に形成された防汚塗膜の厚さは特に限定されないが、例えば、30〜500μm/回程度である。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
各例で得られた樹脂の特性は、以下の方法により評価した。
[樹脂特性の評価方法]
(1)重量平均分子量及び数平均分子量
ポリエステル樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレンを用いた検量線から換算して求めた。GPCの条件を以下に示す。
(GPC測定条件)
・カラムオーブン:LaChrom L−2350(株式会社日立ハイテクサイエンス製)
・検出器:RI Chromaster5450(株式会社日立ハイテクサイエンス製)
・測定温度:37℃
・カラム:ゲルパックGL−A110−S、GL−A120−S、GL−A130−S
(日立化成株式会社製)
・溶離液:テトラヒドロフラン
・流量:2.0ml/min
(2)加熱残分(質量NV)
ポリエステル樹脂溶液1.0gを平底皿に量り取り、質量既知の針金を使って均一に広げ、135℃で1時間乾燥した。乾燥後の残渣及び針金の質量を量り、ポリエステル樹脂溶液の加熱残分(質量%)を算出した。なお、「加熱残分」は「不揮発分」を意味する。
(3)酸価
ポリエステル樹脂溶液を三角フラスコに秤量し、溶剤(イソプロピルアルコール/トルエン=1/2(容量比))約30mlを加えて溶解した。次に指示薬(1%フェノールフタレイン・エチルアルコール溶液)約2〜3滴を加えてから、0.1mol/l水酸化カリウム溶液(アルコール性)で滴定し、薄紅色が消失しなくなった時点を終点として、次式により酸価を算出した。また、ポリエステル樹脂溶液の固形分の酸価は、下記式で得られたポリエステル樹脂溶液の酸価を、上記(2)で得られた加熱残分で除することで求めた。
酸価(mgKOH/g)=F×V/S
F:0.1mol/l水酸化カリウム溶液の係数(試薬ファクター×5.61)
V:0.1mol/l水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)
S:試料採取量(g)
(4)水酸基価
ポリエステル樹脂溶液を三角フラスコに秤量し、アセチル化剤(無水酢酸20gにピリジンを加え100mlとしたもの)5mlを加えて溶解した。約120℃に加熱したホットプレート上で30分間保温した後、純水1.2mlを加えて静かに振り、再度5分間保温した。室温まで冷却後、溶剤(イソプロピルアルコール/トルエン=1/2(容量比))約20mlと指示薬(1%フェノールフタレイン・エチルアルコール溶液)約2〜3滴を加えて0.5mol/l水酸化カリウム溶液(アルコール性)で滴定し、薄紅色が消失しなくなった時点を終点とした。本試験に並行して空試験を行い、次式により水酸基価を算出した。また、ポリエステル樹脂溶液の固形分の水酸基価は、下記式で得られたポリエステル樹脂溶液の水酸基価を、上記(2)で得られた加熱残分で除することで求めた。
水酸基価(mgKOH/g)=〔(A−B)×F/S〕+C
A:空試験の0.5mol/l水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)
B:本試験の0.5mol/l水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)
F:0.5mol/l水酸化カリウム溶液の係数(試薬ファクター×28.05)
S:試料の採取量(g)
C:同試料の酸価(mgKOH/g)
(5)粘度
ポリエステル樹脂溶液の粘度を、E型粘度計を用いて以下の条件で測定した。
(粘度測定条件)
温度:25℃
コーン形状:円錐円盤
試料量:約1.0ml
回転速度:100、50、20rpm(粘度によって回転数を適宜変更)
測定時間:3分
[(A)ポリエステル樹脂の製造]
<製造例1:ポリエステル樹脂溶液(a’−1)の製造>
撹拌機、コンデンサー及び温度計を具備した反応容器に、グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)78部、無水フタル酸(株式会社シーケム製)453部、1,2−プロピレングリコール(旭硝子株式会社製)233部、及び触媒としてテトラブチルチタネート(日本曹達株式会社製)0.05部を仕込み、140℃から190℃まで4時間かけて昇温しエステル化反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、2時間かけて100mmHgまで減圧し、190℃にて20時間減圧重縮合反応を行った。反応中、生成する水を還流脱水により除去し、前述の方法で酸価及び水酸基価の測定を行い、固形分酸価が1mgKOH/g以下となったときに120℃まで冷却し、ヘキサヒドロフタル酸無水物(Polynt製)373部を仕込み、2時間反応させた。反応液を冷却後、酢酸n−ブチルで希釈してポリエステル樹脂溶液(a’−1)を得た。樹脂特性を表1に示す。
<実施例1:ポリエステル樹脂溶液(a−1)の製造>
撹拌機、コンデンサー及び温度計を具備した反応容器に、(a)成分として、「TMP−60」(日本乳化剤株式会社製、トリメチロールプロパンポリオキシエチレンエーテル、水酸基価424mgKOH/g)397部、(b)成分として、ヘキサヒドロフタル酸無水物(Polynt製)439部を仕込み、140℃にて3時間エステル化反応を行った。反応液を冷却後、酢酸n−ブチルで希釈し、不揮発分65%のポリエステル樹脂溶液(a−1)を得た。樹脂特性を表1に示す。
<実施例2:ポリエステル樹脂溶液(a−2)の製造>
実施例1において、原料の種類及び使用量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液(a−2)を得た。樹脂特性を表1に示す。
<実施例3:ポリエステル樹脂溶液(a−3)の製造>
撹拌機、コンデンサー及び温度計を具備した反応容器に、(a)成分として、「TMP−60」(日本乳化剤株式会社製、トリメチロールプロパンポリオキシエチレンエーテル、水酸基価424mgKOH/g)397部、酸成分として、無水フタル酸(株式会社シーケム製)444部、2価のアルコールとして、1,2−プロピレングリコール(旭硝子株式会社製)228部、及び触媒としてテトラブチルチタネート(日本曹達株式会社製)0.05部を仕込み、140℃から190℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、2時間かけて100mmHgまで減圧し、190℃にて20時間減圧重縮合反応を行った。反応中、生成する水を還流脱水により除去し、前述の方法で酸価及び水酸基価の測定を行い、固形分酸価が1mgKOH/g以下となったときに120℃まで冷却し、(b)成分として、ヘキサヒドロフタル酸無水物(Polynt製)439部を仕込み、2時間反応させた。反応液を冷却後、酢酸n−ブチルで希釈し、不揮発分65%のポリエステル樹脂溶液(a−3)を得た。樹脂特性を表1に示す。
<実施例4〜9:ポリエステル樹脂溶液(a−4)〜(a−9)の製造>
実施例3において、原料の種類及び使用量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液(a−4)〜(a−9)を得た。樹脂特性を表1に示す。

*1:TMP−60:トリメチロールプロパンポリオキシエチレンエーテル(日本乳化剤株式会社製、水酸基価424mgKOH/g)
*2:GP−400:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(三洋化成工業株式会社製、水酸基価402mgKOH/g)
*3:PNT−40:ペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテル(日本乳化剤株式会社製、水酸基価:650〜710mgKOH/g)
<実施例10:ポリエステル樹脂溶液(a−10)の調製>
ポリエステル樹脂溶液(a−1)750部及びポリエステル樹脂溶液(a’−1)250部を仕込み、25℃にて撹拌して、不揮発分65%のポリエステル樹脂溶液(a−10)を得た。樹脂特性を表2に示す。
<実施例11〜15:ポリエステル樹脂溶液(a−11)〜(a−15)の調製>
実施例10において、原料の種類及び使用量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例10と同様にして、ポリエステル樹脂溶液(a−11)〜(a−15)を得た。樹脂特性を表2に示す。
<比較例1:ポリエステル樹脂溶液(b−1)の製造>
撹拌機、コンデンサー及び温度計を具備した反応容器にグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)40部、無水フタル酸(株式会社シーケム製)193部、1,2−プロピレングリコール(旭硝子株式会社製)99部、及び触媒としてテトラブチルチタネート(日本曹達株式会社製)0.05部を仕込み、140℃から190℃まで4時間かけて昇温しエステル化反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、2時間かけて100mmHgまで減圧し、190℃にて20時間減圧重縮合反応を行った。反応中、生成する水を還流脱水により除去し、前述の方法で酸価及び水酸基価の測定を行い、固形分酸価が1mgKOH/g以下となったときに70℃まで冷却し、(a)成分として、「TMP−60」(日本乳化剤株式会社製、トリメチロールプロパンポリオキシエチレンエーテル、水酸基価424mgKOH/g)237部、(b’)成分として、無水フタル酸(株式会社シーケム製)435部を仕込み、2時間反応させた。反応液を冷却後、酢酸n−ブチルで希釈し、不揮発分65%のポリエステル樹脂溶液(b−1)を得た。樹脂特性を表3に示す。
<比較例2:ポリエステル樹脂溶液(b−2)の製造>
比較例1において、原料の種類及び使用量を表3に示す通りに変更した以外は、比較例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液(b−2)を得た。樹脂特性を表3に示す。
<比較例3〜7:ポリエステル樹脂溶液(b−3)〜(b−7)の製造>
製造例1において、原料の種類及び使用量を表3に示す通りに変更した以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液(b−3)〜(b−7)を得た。樹脂特性を表3に示す。

*1:TMP−60:トリメチロールプロパンポリオキシエチレンエーテル(日本乳化剤株式会社製、水酸基価424mgKOH/g)
*2:GP−3000:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(三洋化成工業株式会社製、水酸基価56.1mgKOH/g)
*3:PEG400:ポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、水酸基価281mgKOH/g)
[防汚塗料組成物の調製]
次に、防汚塗料組成物を以下の方法で調製した。
なお、実施例及び比較例で使用した各成分の詳細を表4に示す。
<実施例16>
1,000mlのポリ容器に、キシレンを9部、酢酸ブチルを3部、WWロジンを5部、TCPを5部、ポリエステル樹脂溶液(a−1)を8部、BYK−101を0.5部、エチルシリケート28を0.5部配合し、均一に溶解するまでペイントシェーカーで撹拌した。
次いで、TTKタルクを5部、酸化亜鉛を5部、亜酸化銅NC−803を55部、ベンガラ404を2部、カッパーオマジンを1部、ディスパロンA603−20Xを1部配合した後、ガラスビーズ200部を添加し、1時間混合して各成分を分散した。その後、80メッシュのろ過網でろ過し、防汚塗料組成物を調製した。
<実施例17〜36及び比較例8〜16>
実施例16において、原料の種類及び使用量を表5及び6に示す通りに変更した以外は、実施例16と同様にして、防汚塗料組成物を調製した。
[防汚塗料組成物の物性評価]
各例で得られた防汚塗料組成物及びそれらを用いて形成した塗膜の物性は、以下の方法で評価した。結果を表7及び8に示す。
(1)防汚塗料組成物(塗料)の比重(塗料比重)
25℃において、内容積が100mlの比重カップに充満した防汚塗料組成物の質量を量ることにより、塗料比重(g/cm)を測定した。
(2)防汚塗料組成物(塗料)の加熱残分(重量NV)
防汚塗料組成物1gを平底皿に量り採り、質量既知の針金を使って均一に広げ、125℃で1時間乾燥後、残渣及び針金の質量を量り、防汚塗料組成物の加熱残分(質量%)を算出した。
(3)防汚塗料組成物(塗料)中の揮発性有機化合物(VOC)含有量の測定
揮発性有機化合物(VOC)含有量は、上記(1)で求められた防汚塗料組成物の比重(塗料比重)と、上記(2)で求められた加熱残分(重量NV)を用いて、下記式により算出した。
VOC含有量(g/L)=塗料比重×1000×(100一質量NV)/100
(4)防汚塗料組成物(塗料)の粘度測定(塗料粘度)
防汚塗料組成物の温度を23℃に調整し、リオン粘度計(RION CO.,LTD VISCOTESTER VT−04F 高粘度用、1号ローター)を用いて粘度(dPa/s)を測定し、スプレー塗装作業性に支障が無い粘度といえる20dPa/s以下の塗料性状のものが得られるか確認した。
(5)防汚塗膜の消耗度試験
50mm×50mm×1.5mmの硬質塩化ビニル板にアプリケーターを用いて、防汚塗料組成物を乾燥膜厚150μmになるように塗付し、これを室内で室温(約20℃)にて7日間乾燥させ、試験板を作製した。
25℃の海水を入れた恒温槽に設置した回転ドラムの側面にこの試験板を取り付け、周速15ノットで回転させ、1ヵ月毎の防汚塗膜の消耗度(膜厚減少量)を測定した。
(6)防汚塗膜の静置防汚性試験
100mm×300mm×1.6mmのサンドブラスト処理鋼板に、エポキシ系塗料(中国塗料株式会社製、商品名:バンノー500)を乾燥膜厚150μm、エポキシ系バインダー塗料(中国塗料株式会社製、商品名:バンノー500N)を乾燥膜厚100μmとなるように、この順序で1日毎に塗装した。次に、該エポキシ系バインダー塗料から形成された塗膜の表面に、防汚塗料組成物をその乾燥膜厚が150μmとなるように塗装間隔1日で塗付し、試験板を作製した。
上記試験板を23℃で7日間乾燥させ、長崎県長崎湾に静置浸漬し、1ヶ月毎の付着生物の付着面積を目視により計測し、下記評価基準に基づき評価を行った。
<評価基準>
0:水生生物の付着無し
0.5:水生生物の付着面積が0%を超え10%以下
1:水生生物の付着面積が10%を超え20%以下
2:水生生物の付着面積が20%を超え30%以下
3:水生生物の付着面積が30%を超え40%以下
4:水生生物の付着面積が40%を超え50%以下
5:水生生物の付着面積が50%を超える
(7)防汚塗膜の促進曝露劣化試験
100mm×300mm×1.6mmのサンドブラスト処理鋼板に、エポキシ系塗料(中国塗料株式会社製、商品名:バンノー500)を乾燥膜厚150μm、エポキシ系バインダー塗料(中国塗料株式会社製、商品名:バンノー500N)を乾燥膜厚100μmとなるようにこの順序で1日毎に塗装した。次に、該エポキシ系バインダー塗料から形成された塗膜の表面に、防汚塗料組成物をその乾燥後の膜厚が150μmとなるように塗装間隔1日で塗付し、試験板を作製した。
上記試験板を23℃で2日間乾燥させ、サンシャインウエザーメーター(スガ試験機株式会社製)に取り付け、200時間おきにクラック、剥離等の塗膜欠陥の有無を目視にて確認した。塗膜欠陥が無い場合は「○」、クラックが確認された場合は「クラック」として評価した。
(8)防汚塗膜の耐ダメージ性試験
70mm×150mm×1.6mmのサンドブラスト処理鋼板に、エポキシ系塗料(中国塗料株式会社製、商品名:バンノー500)を乾燥膜厚150μm、エポキシ系バインダー塗料(中国塗料株式会社製、商品名:バンノー500N)を乾燥膜厚100μm、防汚塗料組成物を、エアスプレーで防汚塗膜の乾燥後の膜厚が150μmになるように1日間隔で塗布し、積層防汚塗膜を有する試験板を作製した。
防汚塗膜の塗装終了から乾燥温度23℃で1日後、2日後及び3日後に、防汚塗膜上の中央部に30×30×10mmの木片を置きその木片の上から垂直方向に40kgf/cm(3.9MPa)の圧力を20分間加えた後、木片を取り除き、塗膜表面の状態を目視にて観察し(すなわち、塗膜の変形度を測定し)、下記評価基準に基づき評価を行った。下記評価基準に該当する塗膜の状態を表す模式図を図1に示す。
<評価基準>
5:塗膜の変形がなく最も良好な状態を示している。
4:塗膜の変形が若干認められるが良好な状態を示している。
3、2、1はかなりの変形が認められ、部分的に鋼板の露出が認められる。
ダメージ(変形)の度合は3、2、1の順に大きくなっている。
表5〜8から明らかなように、本発明の防汚塗料組成物を用いた実施例16〜36の防汚塗料組成物は、低VOCであり、該防汚塗料組成物から形成された得られた塗膜は、消耗度試験、静置防汚性試験、促進暴露劣化試験、耐ダメージ性試験において優れた結果が得られており、良好な長期防汚性と優れた塗膜物性を有することが分かる。
一方、比較例8〜16の防汚塗料組成物から形成された塗膜は、消耗度試験、静置防汚性試験、促進暴露劣化試験、耐ダメージ性試験のいずれかにおいて劣っていた。
本実施形態によれば、環境への負荷が少なく優れた防汚性を有し、かつ長期に亘り塗膜が一定の速度で均一に消耗し塗膜の均一消耗性に優れ、しかも長期間優れた防汚性能を維持でき塗膜の長期防汚性維持性能に優れ、外航船用として好適である防汚塗膜を形成し得るような低VOC加水分解型防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶、水中構造物、漁具又は漁網を提供することができる。
10 木片によって圧力を加えた塗膜の領域
20 塗膜

Claims (16)

  1. エーテル骨格を有する3価以上のアルコール(a)を含有するアルコール成分と、脂環式二塩基酸及びその無水物からなる群から選ばれる1種以上(b)を含有する酸成分との重縮合物であり、酸価が80〜300mgKOH/gである、防汚塗料用ポリエステル樹脂。
  2. エーテル骨格を有する3価以上のアルコール(a)が、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の防汚塗料用ポリエステル樹脂。

    (式中、Rは、各々独立に、メチル基又は水素原子を示し、j、k、m及びnは、各々独立に、0以上の整数を示し、j+k+m+nは、1〜30の整数である。)

    (式中、Rは、各々独立に、メチル基又は水素原子を示し、o、p及びqは、各々独立に、0以上の整数を示し、o+p+qは、1〜25の整数である。)

    (式中、Rは、各々独立に、メチル基又は水素原子を示し、r、s及びtは、各々独立に、0以上の整数を示し、r+s+tは、1〜25の整数である。)
  3. エーテル骨格を有する3価以上のアルコール(a)の水酸基価が、150〜1,300mgKOH/gである、請求項1又は2に記載の防汚塗料用ポリエステル樹脂。
  4. 脂環式二塩基酸及びその無水物からなる群から選ばれる1種以上(b)が、脂環式二塩基酸無水物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の防汚塗料用ポリエステル樹脂。
  5. 前記脂環式二塩基酸無水物が、ヘキサヒドロフタル酸無水物である、請求項4に記載の防汚塗料用ポリエステル樹脂。
  6. (A)請求項1〜5のいずれか1項に記載の防汚塗料用ポリエステル樹脂を含有する、防汚塗料組成物。
  7. さらに、(B)多価金属化合物を含有する、請求項6に記載の防汚塗料組成物。
  8. (B)多価金属化合物が、2価金属又は3価金属の、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物及び炭酸塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項7に記載の防汚塗料組成物。
  9. (B)多価金属化合物が、酸化亜鉛である、請求項7又は8に記載の防汚塗料組成物。
  10. (B)多価金属化合物の含有量が、前記(A)ポリエステル樹脂100質量部に対して、10〜500質量部である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物。
  11. さらに、(C)ロジン類及びモノカルボン酸化合物からなる群から選ばれる1種以上を含有する、請求項6〜10のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物。
  12. さらに、(D)防汚剤を含有する、請求項6〜11のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物。
  13. さらに、(L)揮発性有機化合物を含有し、該(L)揮発性有機化合物の含有量が、防汚塗料組成物の容積を基準として、400g/L以下である、請求項6〜12のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物。
  14. 請求項6〜13のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物を硬化させてなる防汚塗膜。
  15. 基材と請求項14に記載の防汚塗膜とを含有する、防汚基材。
  16. 請求項6〜13のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物を、基材に塗布又は含浸した後、硬化させる、防汚基材の製造方法。
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