JP3279437B2 - 防汚塗料組成物 - Google Patents

防汚塗料組成物

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JP3279437B2 JP14288994A JP14288994A JP3279437B2 JP 3279437 B2 JP3279437 B2 JP 3279437B2 JP 14288994 A JP14288994 A JP 14288994A JP 14288994 A JP14288994 A JP 14288994A JP 3279437 B2 JP3279437 B2 JP 3279437B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、海水中において加水分
解する金属含有樹脂を結合剤とする防汚塗料組成物に関
するものである。
【0001】
【従来の技術】海水面よりも下にある船舶の底部外板、
海洋構造物、漁網などの表面には、各種海中生物が付着
するため、船舶においては効率のよい運航が妨げられ、
海洋構造物及び漁網においては、耐用年数が著しく短く
なるなどの問題が生じるので、その対策として各種防汚
剤を配合した水中防汚塗料組成物が使用されている。従
来から使用されている代表的な防汚塗料として、海水に
不溶性のビニル系樹脂、アルキド樹脂、塩化ゴムなどの
樹脂と海水に溶解性のロジンとからなるビヒクル成分に
防汚剤を配合した不溶解マトリックス型防汚塗料、及び
海水中で徐々に加水分解するトリオルガノ錫含有モノマ
ーを構成成分とする共重合体をビヒクル成分とし、必要
に応じて防汚剤を配合した溶解マトリックス型防汚塗料
などがある。しかし、海水中にロジンとともに防汚剤が
溶出し、防汚効果を発揮する前記不溶解マトリックス型
防汚塗料は、長期間安定した防汚効果が期待できないう
え、ロジンや防汚剤が溶出した後、海水に不溶性の樹脂
成分が塗膜として残り、スケルトン構造を形成するの
で、特に船舶に適用した場合、海水と塗布面の摩擦抵抗
が増大し速度低下、燃費増大などが生じる欠点があっ
た。一方、前記溶解マトリックス型防汚塗料は、防汚効
果はあるが、安全衛生上及び環境保全上の問題点があっ
た。
【0002】また、最近、前記両塗料の中間的タイプと
して有機錫含有樹脂を使用しない、加水分解型ポリエス
テル樹脂と水不溶性樹脂とをビヒクル成分とする防汚塗
料が開発されている(特公平3−46501号公報、特
開平4−23020号公報等)。この防汚塗料は、乳酸
などのオキシ酸の単独縮合物と水不溶性樹脂とをビヒク
ル成分とし、有機錫を含んでいないため、安全衛生上、
環境保全上優れた塗料であるが、水不溶性樹脂を併用し
ているため前記不溶解マトリックス型防汚塗料と同様
に、海水に不溶性の樹脂成分が塗膜として残り、スケル
トン構造を形成するという欠点があった。そこでオキシ
酸の単独縮合物のみをビヒクル成分とする防汚塗料も考
えられていたが、該縮合物は、分子量を数万以上のレベ
ルで高分子量化するとクロロホルムなどの特殊な有機溶
剤にしか溶解せず、通常の塗料用有機溶剤に溶解しない
ので、塗料化及び塗装作業性に欠点があり、一方、分子
量を1万以下に低分子量化すると通常の塗料用有機溶剤
に溶解するが、海水中における加水分解速度が大きす
ぎ、そのうえ加水分解速度が調整できないので、長期防
汚効果が得られないという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これまで述
べたような従来の防汚塗料の欠点を克服し、海水面より
も下にある船舶の底部外板、海洋構造物、漁網などの表
面に、各種海中生物が付着するのを効果的に、長期間防
止できるとともに、安全衛生及び環境保全上も優れてい
る塗料組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状を克服するため研究を行った結果、有機錫を含有
しなくとも、他の特定の金属含有樹脂を結合剤とするこ
とにより、長期防汚性を有し、かつ安全衛生及び環境保
全上も優れている塗料組成物が得られるという知見を得
て、本発明を完成したものである。すなわち本発明は、
側鎖末端部に、下記式(I)で示される基を有する樹脂
を結合剤とする防汚塗料組成物を提供する。 −CO−O−M−O−Si(R)3 (但し、式中Mは、亜鉛または銅原子を示し;Rは、同
一あるいは異なる基であって、水素原子、ハロゲン原
子、水酸基、有機基、オルガノ(ポリ)シロキサン基、
シリル基、メルカプト基または、これらの置換体を示
す。) なお、前記有材基としては、アルキル基、アリール基、
アルケニル基、アルコキシル基、フェノキシル基、アシ
ル基あるいはこれらの置換体が代表的なものとして挙げ
られる。以下本発明を詳細に説明する。
【0005】本発明の塗料組成物を構成する結合剤は、
各種方法によって合成されるが、特に、酸価が40〜3
50、好ましくは60〜300のアクリル系樹脂、ポリ
エステル系樹脂等のカルボキシル基含有の通常の塗料用
樹脂をベース樹脂としたものに、前記式(I)で示され
る基を導入することによって合成された結合剤が好適で
ある。なお、ベース樹脂の酸価が前記範囲より小さいと
前記式(I)で示される基の導入量が少なくなり、長期
防汚性が低下する傾向にあり、一方、前記範囲より大き
いと得られる塗膜の物性が低下し、ワレ等が生じやすく
なる傾向にある。
【0006】ベース樹脂となる前記アクリル樹脂は、各
種重合性不飽和モノマーを、得られるアクリル系樹脂の
酸価が前記範囲になるよう適宜組み合せ、例えば、80
〜180℃で2〜10時間反応させて製造する。ここで
用いる重合性不飽和モノマーの例を挙げると、(メタ)
アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フ
タル酸、シトラコン酸等の重合性不飽和カルボン酸もし
くはその酸無水物;メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステ
ル;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマ
ー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシプロピル等の水酸基含有ビニルモノ
マー;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシ
ジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有ビニル
モノマー;パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド
エチル(メタ)アクリレート、フッ化ビニル、フッ化ビ
ニリデン等の含フッ素ビニルモノマー;ジエチル(メ
タ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド等の含窒
素ビニルモノマー;ビニルエチルエーテル、ビニルブチ
ルエーテル等のビニルエーテルモノマー;酢酸ビニル、
安息香酸ビニル等のビニルエステル;その他(メタ)ア
クリル酸クロライド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
(メタ)アクリロニトリル等がある。
【0007】また、ここで用いるポリエステル系樹脂
は、多塩基酸もしくはその酸無水物との多価アルコール
と、さらに必要に応じて安息香酸、各種動植物油脂肪酸
のような分子量調整剤としての一塩基酸を併用して、触
媒の存在下もしくは不存在下に脱水しつつ、180〜2
30℃の温度下で加熱反応させて製造する。このポリエ
ステル系樹脂の製造に用いる多塩基酸もしくはその酸無
水物の例を挙げると、蓚酸、コハク酸、無水コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの直鎖多塩
基酸又はその酸無水物;フタル酸、無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テ
トラブロム無水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメ
リット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸などの芳香族塩基酸又はその酸
無水物;マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イ
タコン酸などの不飽和多塩基酸又はその酸無水物等があ
り、多価アルコールの例を挙げると、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素
化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロ
ピルエーテル、グリセリン、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、シクロ
ヘキサンジメタノールがある。ベース樹脂としては、そ
の他エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、アクリ
ル変性ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂等
も挙げられる。特に本発明においては、本発明の塗料で
形成した旧防汚塗膜に塗り重ねた時の密着性が優れるア
クリル系樹脂が好ましい。
【0008】これらベース樹脂に前記式(I)で示され
る基を導入するため、次の化合物を使用する。 (i) 亜鉛又は銅の酸化物、塩化物、水酸化物、硫化物あ
るいは、これらと酢酸、乳酸、酪酸、プロピオン酸、
(メタ)アクリル酸、蓚酸、吉草酸、エナント酸、シク
ロヘキサンカルボン酸、プロピオール酸、グリコール酸
等の有機塩基酸との反応生成物である有機塩基酸の亜鉛
塩又は銅塩(以下これを総称して「金属化合物」とい
う); (ii)エチルオルソシリケート、シラノール、シランジオ
ール、シラントリオール、ジシランヘキソール、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン等のシラン化合物; 下記式で示されるシロキサン化合物: (R)3 Si-O-(Si(R)2-O- )n -Si(R)3 、又は(R)3 Si-O-(
Si(R)2-O-)m -(Si(R)2-0- ) n -Si(R)3 (但し、式中Rは、同一あるいは異なる基で、少なくと
も1つは水酸基又はアルコキシ基であり、残りは水素原
子、ハロゲン原子、メルカプト基、又はアルキル基、ア
リール基、アルケニル基、アルコキシル基、フェノキシ
ル基、アシル基あるいはこれらの置換体等の有材基であ
り;m、nは、0あるいは1以上の整数である。);
【0009】DC6−2230、DC3037、DC3
074、SH6018、SR2402、QP8−531
4(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン社製商
品名)等の市販品で知られている水酸基又はアルコキシ
基を有するシリコーン中間体;等の硅素原子に少なくと
も1つ以上の水酸基又はアルコキシ基を有する化合物
(以下これらを総称して「硅素化合物」という)。本発
明の結合剤は、好適には、前記金属化合物(i) と硅素化
合物(ii)とを溶媒中で、触媒の存在下もしくは不存在下
に約70〜200℃の温度下で加熱反応させ、該反応生
成物と前記カルボキシル基を含有するベース樹脂とを約
110℃〜200℃の温度下で加熱反応させることによ
り製造出来る。また別法として、前記カルボキシル基を
含有するベース樹脂と前記金属化合物(i) とを反応さ
せ、しかる後、前記硅素化合物(ii)を反応させて本発明
の結合剤を製造することも可能である。
【0010】以上、説明した製造方法は、ベース樹脂に
対し前記式(I)で示される基を導入する方法である
が、その他方法として前記重合性不飽和カルボン酸又は
その酸無水物と前記金属化合物(i) とを反応させ、次い
で他の重合性不飽和モノマーと共重合せしめ、更に前記
硅素化合物(ii)を反応させて結合剤を製造する方法、ま
たは、前記金属化合物(i) と硅素化合物(ii)とを反応
させ、次いで該反応生成物と前記重合性不飽和カルボン
酸又はその酸無水物とを反応させ、更に、他の重合性不
飽和モノマーと共重合させて結合剤を製造する方法等で
もよい。
【0011】このようにして得られた結合剤は、前記式
(I)で示される基が海水中で徐々に加水分解し、かつ
該基が加水分解されず残存している間は、撥水性効果を
有しているため、両者の相乗効果により長期間安定した
防汚効果を有するのである。このような防汚効果を発揮
するためには、前記式(I)で示される基中の亜鉛又は
銅原子の含有量が、結合剤である樹脂中1〜20重量
%、特に好ましくは1.5〜15重量%となる範囲が適当
である。なお、亜鉛又は銅原子の量が前記範囲より少な
いと前記防汚効果が低下し、逆に多いと加水分解量が多
過ぎて早い期間のうちに塗膜が消失しやすくなり長期防
汚性が低下する傾向にある。
【0012】なお、結合剤である樹脂の重量平均分子量
は、樹脂の種類により異なるが通常2,000〜150,0
00、好ましくは5,000〜50,000が適当である。
重量平均分子量が前記範囲より小さいと得られる塗膜の
乾燥性、各種物性が低下する傾向にあり、一方前記範囲
より大きいと塗料の貯蔵安定性等が低下する傾向にあ
る。このようにして得られた結合剤である樹脂は、溶媒
としてトルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系
溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート
などのエステル系溶媒、ブチルアルコールなどのアルコ
ール系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル系溶媒等を用いて、所望の樹脂濃度に希釈し、防
汚塗料のビヒクル成分として使用する。本発明の防汚塗
料組成物は、前記樹脂溶液をビヒクル成分とし、さらに
必要に応じて、公知の防汚剤、炭素数5〜18の一価有
機酸の銅化合物、溶剤、着色顔料、体質顔料、ロジン、
可塑剤並びに発泡防止剤、沈降防止剤、レベリング剤な
どの各種添加剤を配合したものから構成される。
【0013】本発明において必要に応じて使用する防汚
剤は、特に制限する必要はないが、例として挙げると、
亜酸化銅、塩基性炭酸銅、チオシアン銅、水酸化銅、ロ
ダン第一銅、マンガニーズエチレンビスジチオカーバメ
ート、ジンクジメチルジチオカーバメート、2−メチル
チオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミ
ノ−s−トリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイ
ソフタロニトリル、N,N−ジメチルクロロフェニル尿
素、ジンクエチレンビスジチオカーバメート、4,5−
ジクロロ−2−N−オクチル−3(2H)インチアゾロ
ン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミ
ド、N,N−ジメチル−N′−フェニル(N−フルオロ
ジクロロメチルチオ)スルファミド、テトラメチルチウ
ラムジサルファイド、2,4,6−トリクロロフェニル
マレイミド、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛
塩などがあり、これらを単独で又は混合して使用するこ
とができる。
【0014】本発明において必要に応じて使用する炭素
数5〜18の一価有機酸の銅化合物は、代表的には、炭
素数5〜18の一価有機酸と銅の水酸化物、酸化物等を
反応させて、脱水、濾過を行う直接法、または、炭素数
5〜18の一価有機酸をナトリウム塩等の水可溶性塩と
し、これに銅の水可溶性塩、例えば硫酸塩、硝酸塩ある
いは炭酸塩等を加え、複分解といわれるイオン交換反応
を行い、さらに水洗、脱水、濾過を行う複分解法等によ
り製造されるものである。なお、前記炭素数5〜18の
一価有機酸としては、吉草酸、カプロン酸、カプリル
酸、ウンデシル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステア
リン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、バーサチック酸
(シェル化学社製)、エクアシッド−9、−10(出光
石油社製)、ネオデカノイック酸(エクソン化学社製)
等の各種脂肪酸、合成脂肪酸を挙げることができる。
【0015】また、本発明において必要に応じて使用す
る溶剤は、前述の樹脂の溶媒と同様のものである。また
本発明において必要に応じて使用する着色顔料、体質顔
料、ロジン、可塑剤、各種添加剤等は、通常の防汚塗料
に使用されているものと同じものである。本発明の防汚
塗料組成物を調製する場合、前記樹脂15〜60重量
%、好ましくは20〜40重量%、防汚剤0〜45重量
%、好ましくは10〜40重量%、一価有機酸の銅化合
物0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、溶剤
(溶媒)20〜70重量%、好ましくは30〜50重量
%を加えて調製するのが適当である。なお、樹脂が前記
範囲より少ないと塗膜強度等が低下する傾向にあり、一
方、多過ぎると塗装作業性等が悪くなる傾向がある。本
発明の防汚塗料組成物は、前記樹脂及びその他の成分
を、ボールミル、ディスパーなどの通常の塗料製造装置
で、一括又は分割混合分散することにより、混合分散し
て調製する。このように調製した本発明の防汚塗料組成
物は、そのまま、または溶剤で粘度調整した後、エアレ
ススプレー塗装、エアスプレー塗装、ローラー塗装、刷
毛塗りなどにより、船舶や海洋構造物等に、乾燥後に約
30〜300μm 、好ましくは80〜200μm の膜厚
になるように適用するのが好ましい。
【0016】
【発明の効果】本発明により、有機錫含有樹脂をビヒク
ル成分とする溶解マトリックス型防汚塗料とほぼ同等の
長期防汚性を有し、塗膜の加水分解速度のコントロール
も可能であり、また本発明の塗料で形成した塗膜に、新
たに塗料を塗り重ねた時の密着性、すなわちリコート性
が優れており、さらに有機錫含有樹脂を含んでいないの
で安全衛生上及び環境保全上の問題も少ない画期的な防
汚塗料が得られた。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中「部」及び「%」は重量を基
準として示す。 <ベース樹脂ワニスAの調製>攪拌機、温度計、冷却管
及び窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコ中に、
キシレン80部、n−ブタノール20部を入れ、反応温
度を還流温度(100〜110℃)に上げた後、窒素ガ
ス雰囲気下で、エチルアクリレート48.2部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート19.7部、アクリル酸32.1部
及びアゾビスイソブチロニトリル1.5部からなる混合液
を3時間に亘って滴下し、滴下終了30分間後から30
分間毎に3回アゾビスイソブチロニトリル0.2部とキシ
レン7部を添加し、更に2時間反応させた。得られたベ
ース樹脂ワニスAは、固形分45.1%、酸価(固形分)
250、重量平均分子量10,200であった。 <ベース樹脂ワニスBの調製>ベース樹脂ワニスAの調
製法において混合液を、n−ブチルアクリレート70.0
部、n−ブチルメタクリレート7.0部、メタクリル酸2
3.0部及びアゾビスイソブチロニトリル1.0部からなる
混合液に変更する以外は、同様にして反応させ、固形分
45.0%、酸価(固形分)150重量平均分子量21,3
00のベース樹脂ワニスBを調製した。
【0018】<ベース樹脂ワニスCの調製>ベース樹脂
ワニスAの調製法において、混合液を、メチルメタアク
リレート14.7部、エチルアクリレート75.0部、アク
リル酸10.3部及びアゾビスイソブチロニトリル0.7部
からなる混合液に変更し、反応温度を90℃に変更する
以外は同様にして反応させ、固形分44.9%、酸価(固
形分)80重量平均分子量35,500のベース樹脂ワニ
スCを調製した。 <金属含有中間体ワニスDの調製>攪拌機、温度計、分
水器付き冷却管及び窒素導入管を備えたセパラブルフラ
スコ中に、キシレン15.0部、シリコーン中間体〔「S
H6018」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製
商品名);平均分子量1,600、水酸基含有量6.4%〕
217.2部、2−エチルヘキシルアルコール53.1部を
入れ、窒素ガス雰囲気下で、反応温度120℃から14
0℃で、縮合水6.6部を除去し、冷却した。次いで酢酸
亜鉛29.7部、キシレン300部を加え、反応温度12
0℃から140℃まで上げながら脱酢酸反応を行ない、
脱酢酸量を定量し、酢酸亜鉛としての反応率50%のと
ころを反応終点とし、冷却した。得られた金属含有中間
体ワニスDの固形分は48.3%であった。
【0019】<金属含有中間体ワニスEの調製> 前記セパラプルフラスコ中にキシレン400.0部、ジ
メチルジエトキシシラン158.0部、水酸化銅10
3.6部及び2−エチルヘキシルアルコール138.4
部を入れ、窒素ガス雰囲気下で、反応温度80℃から1
30℃でエタノールを除去しながら反応を行ない、脱エ
タノール量を定量し、ジメチルジエトキシシランとして
の反応率90%のところで反応終点とし、冷却した。得
られた金属含有中間体ワニスEの固形分は46.5%で
あった。 <金属含有中間体ワニスFの調製> 前記セパラブルフラスコ中にキシレン15.0部、シリ
コーン中間体〔「SH6018」(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン社製商品名)〕219.3部及び2−エ
チルヘキシルアルコール53.4部を入れ、窒素ガス雰
囲気下で反応温度120℃から140℃で縮合水6.6
部を除去し、冷却した。次いで酢酸銅27.3部、キシ
レン300部を加え、反応温度120℃から140℃ま
で上げながら脱酢酸反応を行ない、脱酢酸量を定量し、
酢酸銅としての反応率50%のところで反応終点とし、
冷却した。得られた金属含有中間体ワニスFの固形分は
49.0%であった。
【0020】<金属含有樹脂ワニスM−1の調製> 撹拌機、温度計、分水器付き冷却管及び窒素導入管を備
えたセパラブルフラスコ中に、ベース樹脂ワニスA10
0部、金属含有中間体D857部及びキシレン288部
を入れ、窒素ガス雰囲気下で反応温度を還流温度(11
8〜140℃)に昇温し、脱酢酸反応を行ない、脱酢酸
量10.8部(反応率90%)になった時を反応終点と
した。なお該反応中、溶剤中に酢酸が溶解するため時々
溶剤を除去しつつ、かつ除去した量だけキシレンを新た
に補給しながら反応させた。得られた金属含有樹脂ワニ
スM−1は、固形分37.8%、樹脂の重量平均分子量
15,300、樹脂中のZn量3%、Si量17.3
であった。
【0021】<金属含有樹脂ワニスM−2の調製>前記
セパラブルフラスコ中にベース樹脂ワニスA100部、
金属含有中間体ワニスE122.6部及びキシレン53部
を入れ、窒素ガス雰囲気下で反応温度を還流温度(11
8〜140℃)に昇温し、脱水反応を行ない、脱水量3.
2部(反応率89%)になった時を反応終点とした。得
られた金属含有樹脂ワニスM−2は、固形分38.4%、
樹脂の重量平均分子量28,700、樹脂中のCu量12.9
%、Si量5.7%であった。 <金属含有樹脂ワニスM−3の調製>前記セパラブルフ
ラスコ中にベース樹脂ワニスC100部、金属含有中間
体E39部及びキシレン32部を入れ、窒素ガス雰囲気
下で反応温度を還流温度(118〜140℃)に昇温
し、脱水反応を行ない、脱水量1.0部(反応率87%)
になった時を反応終点とした。得られた金属含有樹脂ワ
ニスM−3は、固形分38.2%、樹脂の重量平均分子量
39,800、樹脂中のCu量6.5%、Si量2.9%であっ
た。
【0022】<金属含有樹脂ワニスM−4の調製> 前記セパラブルフラスコ中に、ベース樹脂ワニスB10
0部、金属含有中間体F505部及びキシレン185部
を入れ、窒素ガス雰囲気下で反応温度を還流温度(11
8〜140℃)に昇温し、脱酢酸反応を行ない脱酢酸量
6.5部(反応率90%)になった時を反応終点とし
た。なお該反応中、溶剤中に酢酸が溶解するため時々溶
剤を除去しつつ、かつ除去した量だけキシレンを新たに
補給しながら反応させた。得られた金属含有樹脂ワニス
M−4は、固形分38.5%、樹脂の重量平均分子量2
5,100、樹脂中のCu量2.7%、Si量16.1
%であった。
【0023】〔実施例1〜4及び比較例1、2〕表1に
示した組成物成分を混練分散し、実施例1〜4及び比較
例1、2の防汚塗料を製造した。これら各防汚塗料を、
防錆塗料を塗布した鋼板に乾燥膜厚150μm になるよ
うエアスプレー塗装し、乾燥させた。得られた試験板に
ついて、防汚性試験及び膜厚減少測定試験を行なったと
ころ、それぞれ表2、及び表3に示す結果が得られた。
なお、試験は、次の方法に基づいて行なった。 <防汚性試験法>三重県鳥羽市鳥羽湾において、試験板
を海中に沈め、塗膜外観を観察した。 評価基準 5:試験板に付着物が認められない。 4:試験板に薄いスライムの付着が認められる。 3:試験板に厚いスライムの付着が認められる。 2:大型動植物の付着が少し認められる。 1:大型動植物の付着が多く認められる。 <膜厚減少測定試験法>試験板を周速15ノットのロー
タに取付け、海中で回転を行ない、3ヶ月毎に膜厚減少
の程度を測定した。なお、表4中の数値は、マイクロメ
ーターにより測定した初期膜厚と3ヶ月毎に測定した膜
厚の差(単位:μm )である。
【0024】
【表1】 表 1 (単位:重量部) 実 施 例 比 較 例 組 成 1 2 3 4 1 2 金属含有樹脂ワニスM−1 59.5 〃 M−2 58.6 〃 M−3 58.9 〃 M−4 58.4 ロジン 15 塩化ビニル樹脂ワニス(固形分50%) 20 有機錫メタクリレート共重合体ワニス 注1) 45 塩素化パラフィン 5 亜酸化銅 35 35 35 35 35 35 タルク 5 5 5 5 5 5 弁 柄 3 3 3 3 3 3 キシレン 10 10 10 10 12 15 メチルイソブチルケトン 2 2 2 2 ─────────────────────────────────── 注1) トリブチル錫メタクリレート/メチルメタクリレート(65/35) 共重合体 の固形分50%のワニス
【0025】
【表2】 表 2(防汚性試験の結果) 浸漬月数 3 6 9 12 18 24 30 36 実施例1 5 5 5 5 5 5 5 5 2 5 5 5 5 5 5 5 5 3 5 5 5 5 5 5 5 5 4 5 5 5 5 5 5 5 5 比較例1 5 5 5 5 5 5 5 5 2 4 4 3 2 1 1 1 1
【0026】
【表3】 表 3(膜厚減少測定試験結果) 浸漬月数 3 6 9 12 実施例1 25 53 80 104 2 27 50 70 98 3 18 33 50 70 4 21 40 63 88 比較例1 16 40 68 90 2 5 6 8 9
【0027】表2及び表3の試験結果からも明らかな通
り、本発明の実施例1〜4の塗料は、従来から安全衛生
上問題があるとされている比較例1の有機錫系溶解マト
リックス型防汚塗料とほぼ同等の防汚性を有していた。
また膜厚の減少量もほぼ均一であり、塗膜の溶解性コン
トロールが可能なことが判る。一方不溶解マトリックス
型防汚塗料である比較例2は長期防汚性が不良であっ
た。また、実施例1〜4において、前記膜厚減少測定試
験12ヶ月後の試験板を水洗、乾燥させ、その旧塗膜上
に再度同様にして同一塗料を塗装し、乾燥させた後、該
試験板を周速15ノットのローターに取付け、海中で回
転を行ない、6ヶ月後の塗膜状態を観察した所、塗膜剥
離は全くなく、リコート性も優れていた。
フロントページの続き (72)発明者 岩瀬 嘉之 栃木県那須郡西那須野町西富山68−27 (72)発明者 新田 朋久 栃木県那須郡西那須野町下永田3−1172 −4コーポチェリーA102 (56)参考文献 特開 平2−196869(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖末端部に、下記式で示される基を有
    する樹脂を結合剤とする防汚塗料組成物。 −CO−O−M−O−Si(R)3 (但し、式中Mは、亜鉛または銅原子を示し;Rは、同
    一あるいは異なる基であって、水素原子、ハロゲン原
    子、水酸基、有機基、オルガノ(ポリ)シロキサン基、
    シリル基、メルカプト基または、これらの置換体を示
    す。)
  2. 【請求項2】 前記樹脂がアクリル系樹脂またはポリエ
    ステル系樹脂である請求項1の防汚塗料組成物。
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