JP2691964B2 - 防汚塗料組成物 - Google Patents

防汚塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海水中において加水分
解するポリエステルを、ビニル共重合体にグラフト化さ
せた樹脂をビヒクル成分とする防汚塗料組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】海水面よりも下にある船舶の底部外板、
海洋構造物、魚網などの表面には、各種海中生物が付着
するため、船舶においては効率のよい運航が妨げられ、
海洋構造物及び魚網においては、耐用年数が著しく短く
なるなどの問題が生じるので、その対策として各種防汚
剤を配合した水中防汚塗料組成物が使用されている。従
来から使用されている代表的な防汚塗料として、海水に
不溶性のビニル系樹脂、アルキド樹脂、塩化ゴムなどの
樹脂と海水に溶解性のロジンとからなるビヒクル成分に
防汚剤を配合した不溶解マトリックス型防汚塗料、及び
海水中で徐々に加水分解するトリオルガノ錫含有モノマ
ーを構成成分とする共重合体をビヒクル成分とし、必要
に応じて防汚剤を配合した溶解マトリックス型防汚塗料
などがある。しかし、海水中にロジンとともに防汚剤が
溶出し、防汚効果を発揮する前記不溶解マトリックス型
防汚塗料は、長期間安定した防汚効果が期待できないう
え、ロジンや防汚剤が溶出した後、海水に不溶性の樹脂
成分が塗膜として残り、スケルトン構造を形成するの
で、特に船舶に適用した場合、海水と塗布面の摩擦抵抗
が増大し速度低下、燃費増大などが生じる欠点があっ
た。一方、前記溶解マトリックス型防汚塗料は、防汚効
果はあるが、安全衛生上及び環境保全上の問題点があっ
た。
【0003】また、最近、前記両塗料の中間的タイプと
して有機錫含有樹脂を使用しない、加水分解型ポリエス
テル樹脂と水不溶性樹脂とをビヒクル成分とする防汚塗
料が開発されている(特公平3−46501号公報、特
開平4−23020号公報等)。この防汚塗料は、乳酸
などのオキシ酸の単独縮合物と水不溶性樹脂とをビヒク
ル成分とし、有機錫を含んでいないため、安全衛生上、
環境保全上優れた塗料であるが、水不溶性樹脂を併用し
ているため前記不溶解マトリックス型防汚塗料と同様
に、海水に不溶性の樹脂成分が塗膜として残り、スケル
トン構造を形成するという欠点があった。そこでオキシ
酸の単独縮合物のみをビヒクル成分とする防汚塗料も考
えられていたが、該縮合物は、分子量を数万以上のレベ
ルで高分子量化するとクロロホルムなどの特殊な有機溶
剤にしか溶解せず、通常の塗料用有機溶剤に溶解しない
ので、塗料化及び塗装作業性に欠点があり、一方、分子
量を1万以下に低分子量化すると通常の塗料用有機溶剤
に溶解するが、海水中における加水分解速度が大きす
ぎ、そのうえ加水分解速度が調整できないので、長期防
汚効果が得られないという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これまで述
べたような従来の防汚塗料の欠点を克服し、海水面より
も下にある船舶の底部外板、海洋構造物、魚網などの表
面に、各種海中生物が付着するのを効果的に、長期間防
止できるとともに、安全衛生及び環境保全上も優れてい
る塗料組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状を克服するため研究を行った結果、有機錫を含有
せず、特定の加水分解型ポリエステルをビニル共重合体
にグラフト化させた樹脂をビヒクル成分とし、さらに、
特定の一価有機酸の銅化合物を含有せしめることによ
り、加水分解速度のコントロールが可能で、長期防汚性
を有し、また安全衛生及び環境保全上に優れ、さらに塗
料として安定性のよい塗料組成物が得られるという知見
を得て本発明を完成したものである。すなわち、本発明
は、(イ)オキシ酸及び/又はその縮合物、(ロ)ヒド
ロキシル基を含まない多価カルボン酸及び/又はその酸
無水物及び(ハ)多価アルコールとを、前記(イ)と
(ハ)中の総ヒドロキシル基と前記(イ)と(ロ)中の
総カルボキシル基との当量比が(1/0.9〜1.1)とな
る割合にて反応せしめた加水分解型ポリエステル(A)
を、該(A)中のヒドロキシル基との反応性を有する官
能基を持つ重合性不飽和モノマーを少なくとも10モル
%以上構成成分として含むビニル共重合体(B)に、グ
ラフト化せしめて得られる樹脂で、かつ該樹脂中の遊離
カルボキシル基をブロック化剤にてブロック化せしめ、
酸価20以下とした樹脂をビヒクル成分とし、かつ炭素
数5〜18の一価有機酸の銅化合物を含有することを特
徴とする防汚塗料組成物を提供する。以下本発明を詳細
に説明する。
【0006】まず加水分解型ポリエステル(A)につい
て説明する。本発明で用いるオキシ酸(イ)は、分子中
にヒドロキシル基とカルボキシル基を有する化合物であ
って、具体的な例を挙げると、乳酸、グリコール酸、2
−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒド
ロキシ酪酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル酪酸、ヒドロアクリル酸、10−
ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン
酸、リシノール酸、モノヒドロキシアルキルフタル酸、
リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、マンデル酸、2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロピオン酸、3−ヒドロキシグ
ルタル酸、サリチル酸、ヒドロキシフタル酸、ヒドロキ
シフェニル酢酸などであって、これらを単独で、又は二
種以上の混合物として使用できる。またこれらオキシ酸
の自己縮合物もオキシ酸と同様に使用することができ
る。なお、この縮合物の重量平均分子量は、5,000以
下とするのが好ましく、また、必要により、前記オキシ
酸の二量体及び三量体のような分子量の小さな縮合物も
用いることができる。
【0007】本発明で用いるヒドロキシル基を含まない
多価カルボン酸又はその酸無水物(ロ)は、通常、ポリ
エステルの製造に用いられるものであれば適宜選択して
使用することができる。具体的な例として挙げることが
できるものには、蓚酸、コハク酸、無水コハク酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの直鎖多塩基酸
又はその酸無水物;フタル酸、無水フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラ
ブロム無水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸などの芳香族多塩基酸又はその酸無
水物;マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタ
コン酸などの不飽和多塩基酸又はその酸無水物等があ
る。なお、必要に応じて安息香酸、p−t−ブチル安息
香酸、各種動植物油脂肪酸のような一塩基酸を分子量調
整剤として用いることもできる。本発明で用いる多価ア
ルコール(ハ)は、ポリエステルの製造に通常用いる多
価アルコールから適宜選択して使用することができる。
具体的な例を挙げると、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、トリエチレングリコール等のグリコール類、
水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシ
プロピルエーテル、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
シクロヘキサンジメタノールなどがある。
【0008】本発明の加水分解型ポリエステル(A)
は、前述の(イ)オキシ酸及び/又はその縮合物、
(ロ)ヒドロキシル基を含まない多価カルボン酸及び/
又はその酸無水物、及び(ハ)多価アルコールを触媒の
存在もしくは不存在下に脱水しつつ、180〜230℃
の温度下で、加熱反応させることにより得ることができ
る。また、この加水分解型ポリエステルの製法は、前記
方法に限定されるものではなく、例えば、ヒドロキシル
基を含まない多価カルボン酸と多価アルコールとを予め
反応させ、プレポリマー化し、それとオキシ酸及び/又
はその縮合物を反応させる方法であってもよい。なお、
この加水分解型ポリエステル(A)を製造する際、
(イ)オキシ酸及び/又はその縮合物、(ロ)ヒドロキ
シル基を含まない多価カルボン酸及び/又はその酸無水
物、及び(ハ)多価アルコールの合計重量に対し、
(イ)オキシ酸及び/又はその縮合物の割合を10〜9
5重量%、特に15〜90重量%とするのが好ましく、
さらに(イ)オキシ酸及び/又はその縮合物、及び
(ハ)多価アルコール中の総ヒドロキシル基と、(イ)
オキシ酸及び/又はその縮合物、並びに(ロ)ヒドロキ
シル基を含まない多価カルボン酸及び/又はその酸無水
物中の総カルボキシル基との当量比が(1/0.9〜1.
1)とするのが好ましい。
【0009】なお、当量比が、前記範囲よりカルボキシ
ル基が過剰になると後述するビニル共重合体へのグラフ
ト化率が減少し、一方、カルボキシル基が少な過ぎると
加水分解後の樹脂側鎖末端がヒドロキシル基となりやす
く、いずれも好ましくない。加水分解型ポリエステル
(A)は、重量平均分子量(以下Mw という) が200
〜50,000、好ましくは500〜10,000とするの
が適当である。このようにして得られた加水分解型ポリ
エステル(A)は、前述の通りビニル共重合体にグラフ
ト化させるが、グラフト化したポリエステル主鎖中にオ
キシ酸又はその縮合物(イ)のエステル結合を含むの
で、弱酸性もしくは弱アルカリ性環境下では前記エステ
ル結合部位で加水分解を受け、本体の樹脂側に遊離カル
ボキシル基を常に残すので水に可溶であるという特徴を
有するのである。次に本発明のビニル共重合体(B)に
ついて説明する。ビニル共重合体(B)は、これに加水
分解型ポリエステル(A)をグラフト化させるために加
水分解型ポリエステル(A)中のヒドロキシル基と反応
するカルボキシル基、イソシアネート基等の官能基を持
つ重合性不飽和モノマーを少なくとも構成成分として含
む重合性不飽和モノマー混合物を、例えばラジカル重合
開始剤の存在下で80〜180℃で2〜10時間反応さ
せることにより得られる。
【0010】前記カルボキシル基含有重合性不飽和モノ
マーとしては(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、コハク酸、シ
トラコン酸等の不飽和モノカルボン酸や不飽和ジカルボ
ン酸もしくはその無水物が代表的なものとして挙げられ
る。前記イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーと
しては、(メタ)アクリロイルイソシアネート、イソシ
アネートエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペ
ニル−α、α−ジメチルベンジルイソシアネート等が代
表的なものとして挙げられる。本発明のビニル共重合体
(B)は、このようなヒドロキシル基と反応する官能基
を持つ重合性不飽和モノマーと下記の重合性不飽和モノ
マーの1種もしくは2種以上からなる混合物との共重合
体である。後者の重合性不飽和モノマーを挙げると、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、
ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー;(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシルプロピル等の水酸基含有ビニルモノマー;グリシ
ジル(メタ)アクリレート、メチルグリジジル(メタ)
アクリレート等のグリシジル基含有ビニルモノマー;パ
ーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、プロ
ピルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチル(メ
タ)アクリレート、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等
の含フッ素ビニルモノマー;ジエチル(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリルアミド等の含窒素ビニルモノ
マー;ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等
のビニルエーテルモノマー;酢酸ビニル、安息香酸ビニ
ル等のビニルエステル;その他(メタ)アクリル酸クロ
ライド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリ
ロニトリル、γ−(メタ)アクリロキシアルキルトリメ
トキシシラン等のである。
【0011】なおヒドロキシル基と反応性を有する官能
基を持つ重合性不飽和モノマーは、少なくとも10モル
%以上、好ましくは15〜60モル%とするのが適当で
ある。10モル%未満になると加水分解型ポリエステル
のグラフト化率が低くなり、その結果加水分解性が不十
分となり、また塗膜から加水分解型ポリエステルが加水
分解した後の残存ビニル共重合体の溶解性が悪くなり、
そのため防汚塗料としての機能が十分発揮出来ないので
好ましくない。またビニル共重合体(B)のMw は1,0
00〜100,000、好ましくは5,000〜30,000
とするのが適当である。このようなビニル共重合体
(B)に前述の加水分解型ポリエステル(A)をグラフ
ト化させ樹脂を製造する方法は従来から公知の方法で製
造できるが、通常触媒の存在下で80〜200℃で2〜
15時間反応させるのが適当である。
【0012】なお、加水分解型ポリエステル(A)とビ
ニル共重合体(B)との反応割合は、前者のヒドロキシ
ル基と後者のヒドロキシル基との反応性を有する官能基
との当量比が(1/1〜10)、好ましくは(1/1.5
〜8)が適当である。この当量比範囲で、ビニル共重合
体(B)に加水分解型ポリエステル(A)が適当数グラ
フト化され、長期防汚性が発揮できる。このようにして
得られた樹脂は、遊離カルボキシル基を有しているの
で、そのまま防汚塗料のビヒクル成分として使用すると
後述する亜酸化銅などの金属系防汚剤と反応し、ゲル化
しやすくなり、塗料の貯蔵安定性が悪くなる。それ故本
発明で使用するビヒクル成分は、前記樹脂の遊離カルボ
キシル基の少なくとも一部をメタノール、エタノール、
ブチルアルコール等のヒドロキシル基含有化合物;アリ
ルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フ
ェニルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合
物;イソシアン酸メチル、イソシアン酸エチル、ヘキサ
メチレンジイソシアネート等のイソシアネート基含有化
合物;(ジ)エチルアミン、(ジ)イソプロピルアミン
等のアミノ基含有化合物などのブロック化剤にてブロッ
ク化し、酸価20以下、好ましくは5以下にしたものを
使用する必要がある。
【0013】なお、遊離カルボキシル基をブロック化剤
にてブロック化する場合、前述の通り、ビニル共重合体
(B)に加水分解型ポリエステル(A)をグラフト化し
た樹脂の遊離カルボキシル基に対し、ブロック化しても
よいが、グラフト化する前の加水分解型ポリエステル
(A)の遊離カルボキシル基に対し、ブロック化し、し
かる後ビニル共重合体(B)にグラフト化してもよい。
このようにして遊離カルボキシル基をブロック化せし
めて得られた樹脂は、ポリエステル中にオキシ酸又はそ
の縮合物のエステル結合を含むので、エステル結合部位
で加水分解を受け、水に可溶であるとともに該ポリエス
テルをビニル共重合体にグラフト化せしめているのでポ
リエステルが加水分解した後の残った塗膜に新たに防汚
塗料を塗り重ねた時の密着性、すなわちリコート性に優
れているという特徴を有するのである。
【0014】この樹脂に、溶媒としてトルエン、キシレ
ンなどの芳香族系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸
ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、
ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒等を用い
て、所望の樹脂濃度に希釈し、防汚塗料のビヒクル成分
として使用する。本発明の防汚塗料組成物は、前記樹脂
をビヒクル成分とし、かつ炭素数5〜18の一価有機酸
の銅化合物を含有し、さらに必要に応じて、公知の防汚
剤、着色顔料、溶剤、可塑剤並びに発泡防止剤、沈降防
止剤、レベリング剤などの各種添加剤を配合したものか
ら構成される。本発明の防汚塗料組成物に用いる炭素数
5〜18の一価有機酸の銅化合物は、前記樹脂の加水分
解速度を経時的にコントロール、すなわち均一に溶解さ
れる効果を発揮する。このような一価有機酸の銅化合物
は、炭素数5〜18の一価有機酸と銅の水酸化物、酸化
物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩あるいは炭酸塩とを常法に
より反応させて得られるものであって、例えば一価有機
酸の銅塩、一価有機酸と銅含有化合物とのエステル、銅
を含む錯塩などがある。このような一価有機酸の銅化合
物を製造する方法として挙げることができる代表的なも
のには、炭素数5〜18の一価有機酸と銅の水酸化物、
酸化物等を反応させて、脱水、濾過を行う直接法、及び
炭素数5〜18の一価有機酸をナトリウム塩等の水可溶
性塩とし、これに銅の水可溶性塩、例えば硫酸塩、硝酸
塩あるいは炭酸塩等を加え、複分解といわれるイオン交
換反応を行い、さらに水洗、脱水、濾過を行う複分解法
等がある。
【0015】前記炭素数5〜18の一価有機酸のうち、
代表的なものとして各種脂肪酸もしくは合成脂肪酸を挙
げることができ、例えば、吉草酸、カプロン酸、カプリ
ル酸、ウンデシル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステ
アリン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、バーサチック
酸(シェル化学社製)、エクアシッド−9,−10(出
光石油社製)ネオデカノイック酸(エクソン化学社製)
等がある。また、炭素数5〜18の一価有機酸の銅化合
物の市販品としてはデックネート(大日本インキ化学工
業社製)等がある。本発明において必要に応じて使用す
る防汚剤は、特に制限する必要はないが、例として挙げ
ると、亜酸化銅、塩基性炭酸銅、チオシアン銅、水酸化
銅、ロダン第一銅、マンガニーズエチレンビスジチオカ
ーバメート、ジンクジメチルジチオカーバメート、2−
メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピ
ルアミノ−s−トリアジン、2,4,5,6−テトラク
ロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルクロロフェ
ニル尿素、ジンクエチレンビスジチオカーバメート、
4,5−ジクロロ−2−N−オクチル−3(2H)イソ
チアゾロン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタ
ルイミド、N,N−ジメチル−N′−フェニル(N−フ
ルオロジクロロメチルチオ)スルファミド、テトラメチ
ルチウラムジサルファイド、2,4,6−トリクロロフ
ェニルマレイミド、2−ピリジンチオール−1−オキシ
ド亜鉛塩などがあり、これらを単独で又は混合して使用
することができる。
【0016】また、本発明において必要に応じて使用す
る溶剤は、前述の樹脂の溶媒と同様のものである。また
本発明において必要に応じて使用する着色顔料、体質顔
料、ロジン、可塑剤、各種添加剤等は、通常の防汚塗料
に使用されているものと同じものである。本発明の防汚
塗料組成物を調製する場合、前記樹脂15〜60重量
%、好ましくは20〜30重量%、一価有機酸の銅化合
物0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、溶剤
(溶媒)20〜70重量%、好ましくは30〜50重量
%、防汚剤0〜45重量%、好ましくは20〜40重量
%を加えて調製するのが適当である。なお、樹脂が前記
範囲より少ないと塗膜強度等が低下する傾向にあり、一
方、多過ぎると塗装作業性等が悪くなる傾向がある。ま
た一価有機酸の銅化合物が前記範囲より少ないと、加水
分解速度が経時的に十分なコントロールがしにくくなる
傾向にあり、一方、多過ぎても前記効果の向上が認めら
れない。本発明の防汚塗料組成物は、前記樹脂及びその
他の成分を、ボールミル、ディスパーなどの通常の塗料
製造装置で、一括又は分割混合分散することにより、混
合分散して調製する。このように調製した本発明の防汚
塗料組成物は、そのまま、または溶剤で粘度調整した
後、エアレススプレー塗装、エアスプレー塗装、ローラ
ー塗装、刷毛塗り、などにより、船舶や海洋構造物等
に、乾燥後に約30〜300μm、好ましくは80〜2
00μmの膜厚になるように適用するのが好ましい。
【0017】
【発明の効果】本発明により、有機錫含有樹脂をビヒク
ル成分とする溶解マトリックス型防汚塗料とほぼ同等の
長期防汚性を有し、塗膜の加水分解速度のコントロール
も可能であり、かつ有機錫含有樹脂を含んでいないので
安全衛生上及び環境保全上の問題も少ない画期的な防汚
塗料が得られた。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中「部」及び「%」は重量を基
準として示す。 <加水分解型ポリエステル(A)−1の調製>フラスコ
中に乳酸を仕込み、180℃で6時間加熱反応させ、オ
キシ酸縮合物を調製した。該オキシ酸縮合物を150
部、エチレングリコールを62部、無水フタル酸を14
8部フラスコ中に仕込み、220℃で10時間加熱反応
させ、Mw 4,000のポリエステル(A)−1を調製し
た。なお、オキシ酸縮合物とエチレングリコール中の総
ヒドロキシル基とオキシ酸縮合物と無水フタル酸中の総
カルボキシル基との当量比は1/1である。また前記反
応において生成する水は除去しながら反応させた。 <加水分解型ポリエステル(A)−2の調製>フラスコ
中にリンゴ酸を仕込み、200℃で8時間加熱反応さ
せ、オキシ酸縮合物を調製した。該オキシ酸縮合物を4
5部、プロピレングリコールを76部、無水フタル酸を
148部フラスコ中に仕込み、220℃で14時間加熱
反応させ、Mw 6,000のポリエステル(A)−2を調
製した。なお、オキシ酸縮合物とプロピレングリコール
中の総ヒドロキシル基とオキシ酸縮合物と無水フタル酸
中の総カルボキシル基との当量比は1/1.1である。ま
た前記反応において生成する水は除去しながら反応させ
た。
【0019】<加水分解型ポリエステル(A)−3の調
製>フラスコ中に乳酸を250部、エチレングリコール
を62部、アジピン酸を146部仕込み、180℃で1
0時間加熱反応させ、Mw 3,000のポリエステル
(A)−3を調製した。なお、オキシ酸とエチレングリ
コール中の総ヒドロキシル基とオキシ酸とアジピン酸中
の総カルボキシル基との当量比は1/1である。また前
記反応において生成する水は除去しながら反応させた。 <ポリエステル(A)−4の調製>フラスコ中に無水フ
タル酸を74部、アジピン酸を73部、エチレングリコ
ールを62部仕込み、200℃で12時間加熱反応さ
せ、Mw 6,000のポリエステル(A)−4を調製し
た。なお、エチレングリコール中のヒドロキシル基と無
水フタル酸とアジピン酸中の総カルボキシル基との当量
比は1/1である。なお前記反応において生成する水は
除去しながら反応させた。
【0020】<ビニル共重合体ワニス(B)−1の調製
>フラスコ中にキシレンを250部仕込み、100℃に
昇温した後、無水マレイン酸37.5部、アクリル酸n−
ブチル112.5部、アクリル酸エチル100部、アゾビ
スイソブチロニトリル3部からなる混合物を3時間かけ
て滴下した。滴下後110℃に昇温し、さらに5時間反
応させ、Mw 8,000のビニル共重合体ワニス(B)−
1を調製した。なお前記全モノマー中の無水マレイン酸
の量は17モル%である。 <ビニル共重合体ワニス(B)−2の調製>フラスコ中
にキシレンを250部仕込み、100℃に昇温した後、
m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシ
アネート50部、アクリル酸エチル125部、メタクリ
ル酸メチル75部、アゾビスイソブチロニトリル5部か
らなる混合物を3時間かけて滴下した。滴下後110℃
に昇温し、さらに5時間反応させ、Mw 6,000のビニ
ル共重合体ワニス(B)−2を調製した。なお前記全モ
ノマー中のm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベン
ジルイソシアネートの量は11モル%である。
【0021】<ビニル共重合体ワニス(B)−3の調製
>フラスコ中にキシレンを250部仕込み、100℃に
昇温した後、メタクリル酸75部、アクリル酸ブチル1
00部、メタクリル酸エチル75部、アゾビスイソブチ
ロニトリル3部からなる混合物を3時間かけて滴下し
た。滴下後110℃に昇温し、さらに6時間反応させ、
Mw 10,000のビニル共重合体ワニス(B)−3を調
製した。なお前記全モノマー中のメタクリル酸の量は3
8モル%である。 <ビニル共重合体ワニス(B)−4の調製>前記ビニル
共重合体(B)−1の調製方法において、無水マレイン
酸37.5部を9部に変更し、全モノマー中の無水マレイ
ン酸の量を6モル%とする以外は同様にしてビニル共重
合体ワニス(B)−4を調製した。 <樹脂ビヒクルIの調製>フラスコ中に加水分解型ポリ
エステル(A)−1を510部、ブタノールを148部
仕込み、170℃に昇温し、水除去しながら8時間反応
させた。次いでビニル共重合体ワニス(B)−1を13
04部、トリエチルアミを1部加え、130℃で5時間
反応させ、Mw 25000、酸価15の樹脂ビヒクルI
を調製した。なお、加水分解型ポリエステル(A)−1
中のヒドロキシル基とビニル共重合体ワニス(B)−1
中の無水酸基の当量比は(1/1)の条件下で反応させ
た。
【0022】<樹脂ビヒクルIIの調製>フラスコ中に加
水分解型ポリエステル(A)−1を510部、ヘキサノ
ールを102部仕込み、170℃に昇温し、水除去しな
がら8時間反応させた。次いでビニル共重合体ワニス
(B)−2を2004部、トリエチルアミンを1部加
え、130℃で5時間反応させ、Mw 18,000、酸価
18の樹脂ビヒクルIIを調製した。なお、加水分解型ポ
リエステル(A)−1中のヒドロキシル基とビニル共重
合体ワニス(B)−2中のイソシアネート基の当量比
は、(1/1)の条件下で反応させた。 <樹脂ビヒクルIII の調製>樹脂ビヒクルIIの調製方法
において、加水分解型ポリエステル(A)−1 510
部を加水分解型ポリエステル(A)−2 701部に変
更する以外は同様にしてMw 34,000、酸価17の樹
脂ビヒクルIII を調製した。なお、加水分解型ポリエス
テル(A)−2中のヒドロキシル基とビニル共重合体ワ
ニス(B)−2中のイソシアネート基の当量比は、(1
/1)の条件下で反応させた。
【0023】<樹脂ビヒクルIVの調製>フラスコ中に加
水分解型ポリエステル(A)−3を534部、ビニル共
重合体ワニス(B)−3を688部仕込み、3時間かけ
て200℃に昇温し、脱溶剤した。さらに水除去しなが
ら8時間反応させ、次いでブタノールを74部仕込み1
70℃で8時間反応させ、Mw 45000、酸価18の
樹脂ビヒクルIVを調製した。なお、加水分解型ポリエス
テル(A)−3中のヒドロキシル基とビニル共重合体
(B)−3中のカルボキシル基の当量比は、(1/1)
の条件下で反応させた。 <樹脂ビヒクルVの調製>フラスコ中に加水分解型ポリ
エステル(A)−3を534部、ビニル共重合体ワニス
(B)−3を138部仕込み、3時間かけて200℃に
昇温し、脱溶剤した。さらに水除去しながら8時間反応
させ、次いでブタノールを74部仕込み170℃で8時
間反応させ、Mw 32,000、酸価12の樹脂ビヒクル
Vを調製した。なお、加水分解型ポリエステル(A)−
3中のヒドロキシル基とビニル共重合体(B)−3中の
カルボキシル基の当量比は、(1/5)の条件下で反応
させた。 <樹脂ビヒクルVIの調製>樹脂ビヒクルIIの調製方法に
おいて、ヘキサノールで遊離カルボキシル基をブロック
化しない以外は同様にしてMw 16,000、酸価40の
樹脂ビヒクルVIを調製した。
【0024】<樹脂ビヒクルVII の調製>樹脂ビヒクル
Iの調製方法において、ビニル共重合体ワニス(B)−
1の1304部の代りに、ビニル共重合体ワニス(B)
−4を3868部使用する以外は同様にしてMw 22,0
00、酸価13の樹脂ビヒクルVII を調製した。なお、
加水分解型ポリエステル(A)−1中のヒドロキシル基
とビニル共重合体ワニス(B)−4中の無水酸基の当量
比は、(1/1)の条件下で反応させた。 <樹脂ビヒクルVIIIの調製>樹脂ビヒクルIIの調製方法
において、加水分解型ポリエステル(A)−1の510
部の代りに、ポリエステル(A)−4を801部使用す
る以外は同様にしてMw 30,000、酸価17の樹脂ビ
ヒクルVIIIを調製した。なお、ポリエステル(A)−4
中のヒドロキシル基とビニル共重合体ワニス(B)−2
中のイソシアネート基の当量比は、(1/1)の条件下
で反応させた。
【0025】<有機酸の銅化合物液(a) の調製>フラス
コ中に、バーサチック酸〔「VA−10」(シエル化学
社製)〕を100部、キシレンを20部仕込み、120
℃に昇温させ、次いで水酸化銅17部を添加した後、窒
素ガスを導入しながら還流温度まで昇温し、脱水が終る
まで反応させた。次いで冷却後、不揮発分が70%にな
るようキシレンを加え、有機酸の銅化合物(銅含有量9.
8%)液(a) を調製した。 <有機酸の銅化合物液(b) の調製>フラスコ中に、カプ
リル酸を100部、キシレンを20部仕込み、120℃
に昇温させ、次いで水酸化銅17.7部を添加した後、窒
素ガスを導入しながら還流温度まで昇温し、脱水が終る
まで反応させた。次いで冷却後、不揮発分が60%にな
るようキシレンを加え、有機酸の銅化合物(銅含有量1
0.0%)液(b) を調製した。 〔実施例1〜5及び比較例1〜6〕表1及び2に示した
組成物を混練分散し、実施例1〜5及び比較例1〜6の
防汚塗料を製造した。これら各防汚塗料を、防錆塗料を
塗布した鋼板に乾燥膜厚150μmになるようエアスプ
レー塗装し、乾燥させた。なお比較例1は、増粘し、塗
料として不適当であった。得られた試験板について、防
汚性試験及び膜厚減少測定試験を行なったところ、それ
ぞれ表3、及び表4に示す結果が得られた。また各防汚
塗料の貯蔵安定性試験を行なったところ、それぞれ表5
に示す結果が得られた。なお、試験は、次の方法に基づ
いて行なった。
【0026】<防汚性試験法>三重県鳥羽市鳥羽湾にお
いて、試験板を海中に沈め、塗膜外観を観察した。 評価基準 5:試験板に付着物が認められない。 4:試験板に薄いスライムの付着が認められる。 3:試験板に厚いスライムの付着が認められる。 2:大型動植物の付着が少し認められる。 1:大型動植物の付着が多く認められる。 <膜厚減少測定試験法>試験板を周速15ノットのロー
タに取付け、海中で回転を行ない、3ケ月毎に膜厚減少
の程度を測定した。なお、表3中の数値は、マイクロメ
ーターにより測定した初期膜厚と3ケ月毎に測定した膜
厚の差(単位:μm)である。 <塗料貯蔵安定性試験法>50℃恒温槽で6ケ月保存
し、粘度の増減を測定した。 評価基準 ○:初期粘度に比較し、5%以内の増減 △: 〃 10% 〃 ×: 〃 10%越える増減
【0027】
【表1】 表 1 防汚塗料の組成 (単位:部) ─────────────────────────────────── 組 成 実 施 例 1 2 3 4 5 樹脂ビヒクルの種類 I II III IV V 〃 の量 45 45 45 45 45 有機酸の銅エステル液の種類 a a b b b 〃 の量 10 3 5 5 5 塩素化パラフィン 3 亜酸化銅 35 35 30 30 30 ジンクジメチルチオカーバメート 5 5 5 タルク 5 5 2 5 5 弁柄 3 3 3 3 3 キシレン 10 10 10 10 10 メチルイソブチルケトン 2 2 2 2 2 ───────────────────────────────────
【0028】
【表2】 表 2 防汚塗料の組成 (単位:部) ──────────────────────────────────── 組 成 比 較 例 1 2 3 4 5 6 樹脂ビヒクルの種類 VI VII VII V 〃 の量 45 45 45 45 ロジン 15 塩化ビニル樹脂 20 有機錫メタクリレート共重合体 注1) 45 塩素化パラフィン 5 亜酸化銅 35 35 35 35 35 30 ジンクジメチルチオカーバメート 5 5 タルク 5 5 5 2 5 5 弁柄 3 3 3 3 3 3 キシレン 10 10 10 15 12 10 メチルイソブチルケトン 2 2 2 2 ──────────────────────────────────── 注1)トリブチル錫メタクリレート/メチルメタクリレート(65/35) 共重合体
【0029】
【表3】 表 3 防汚性試験結果 ────────────────────────────── 浸 漬 月 数 3 6 9 12 18 24 30 36 実 1 5 5 5 5 5 5 5 5 2 5 5 5 5 5 5 5 5 施 3 5 5 5 5 5 5 5 5 4 5 5 5 5 5 5 5 5 例 5 5 5 5 5 5 5 5 5 比 1 − − − − − − − − 2 4 4 3 3 2 1 1 1 較 3 3 3 2 1 1 1 1 1 4 4 4 3 2 1 1 1 1 例 5 5 5 5 5 5 5 5 5 6 5 5 5 5 5 5 5 4
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】 表 5 塗料貯蔵安定性 ──────────────────────── 実施例 比較例 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 6 ──────────────────────── ○ ○ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ────────────────────────
【0032】表3、表4及び表5の試験結果からも明ら
かの通り、本発明の実施例1〜5の塗料は、従来から安
全衛生上問題があった比較例5の有機錫系溶解マトリッ
クス型防汚塗料とほぼ同等の防汚性を有していた。また
実施例の塗料組成が変化すると膜厚の減少量もほぼ一定
割合で変わることから塗料の溶解性コントロールが可能
なことが判る。一方、酸価の高い樹脂をビヒクルとした
比較例1は貯蔵安定性が不良であった。また加水分解型
ポリエステルのヒドロキシル基との反応性を有する官能
基を持つ重合性不飽和モノマー量の少ないビニル共重合
体を使用した比較例2は防汚性が不十分であった。ま
た、通常の非加水分解型ポリエステルをビニル共重合体
にグラフト化せしめた樹脂をビヒクルとした比較例3は
防汚性が不良であった。また、従来の不溶解マトリック
ス型防汚塗料である比較例4の塗料は長期防汚性が不良
であった。また一価有機酸の銅化合物を含有しない比較
例6の塗料は、塗膜の溶解性コントロールが多少劣って
いた。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)オキシ酸及び/又はその縮合物、
    (ロ)ヒドロキシル基を含まない多価カルボン酸及び/
    又はその酸無水物並びに(ハ)多価アルコールとを、前
    記(イ)と(ハ)中の総ヒドロキシル基と前記(イ)と
    (ロ)中の総カルボキシル基との当量比が(1/0.9〜
    1.1)となる割合にて反応せしめた加水分解型ポリエス
    テル(A)を、 該(A)中のヒドロキシル基との反応性を有する官能基
    を持つ重合性不飽和モノマーを少なくとも10モル%以
    上構成成分として含むビニル共重合体(B)に、グラフ
    ト化せしめて得られる樹脂で、該樹脂中の遊離カルボキ
    シル基をブロック化剤にてブロック化せしめ、酸価20
    以下とした樹脂をビヒクル成分とし、かつ炭素数5〜1
    8の一価有機酸の銅化合物を含有することを特徴とする
    防汚塗料組成物。
  2. 【請求項2】 加水分解型ポリエステル(A)は、前記
    (イ)、(ロ)および(ハ)の合計重量に対し、前記
    (イ)を10〜95重量%含む割合で反応せしめたもの
    である請求項1記載の防汚塗料組成物。
  3. 【請求項3】 加水分解型ポリエステル(A)中のヒド
    ロキシル基とビニル共重合体(B)中の前記ヒドロキシ
    ル基との反応性を有する官能基との当量比が(1/1〜
    10)の割合で前記(B)に前記(A)をグラフト化せ
    しめた請求項1又は2記載の防汚塗料組成物。
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